JPH10310A - 浄化装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 効率の良い濾過フィルターの自動洗浄を行う
ことにより、ユーザーに濾過フィルター交換の手間を頻
繁に取らせることなく、長期間に渡って優れた濾過能力
を維持することのできる浄化装置を提供すること。 【解決手段】 浄化装置使用時には、被処理水を入水口
５から濾過フィルター１、出水口７へと通水させること
によって、放射状の濾過材３が筒状部材２を巻き込み、
被処理水中の粒子が濾過材３に付着し、濾過材３を洗浄
する時には、洗浄するための水を出水口７から濾過フィ
ルター１、入水口５へと通水させることによって、濾過
材３が放射状にほぐれ、更に、その水の流れによって濾
過材３が煽られ、濾過材３に付着した粒子が濾過材３か
ら離脱し、前記水と共に前記入水口５から濾過槽４外へ
と排出させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、河川の水や工業排
水、もしくはプールや浴槽内の水を濾過することにより
浄化する浄化装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、浄化装置に用いられる濾過フィル
ターは、ほとんどが使い捨てか、装置から濾過フィルタ
ーを取り外して濾過フィルターの洗浄を行い、再度取り
付けるタイプのものであった。

【０００３】濾過フィルターの自動洗浄機構を持つ装置
も一部存在していたが、その洗浄方法は、濾過方向と逆
方向に水を流して濾過フィルターの洗浄を行う逆洗浄方
法が主流であった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、使い捨
て濾過フィルターは、ユーザーに濾過フィルター交換の
手間を頻繁に取らせる上に経済的負担を強いることにな
る問題点があった。

【０００５】また、ユーザーが濾過フィルターを洗浄す
るタイプの場合、ユーザーに汚れた濾過フィルターの洗
浄を強いることになる問題点があった。

【０００６】一方、自動洗浄機構を持つ装置において
も、その濾過フィルターの洗浄能力は不十分なもので、
濾過フィルターの交換時期もしくはユーザーによる洗浄
時期を多少延ばすことができる程度であった。

【０００７】本発明は、上述した問題点を解決するため
になされたものであり、効率の良い濾過フィルターの自
動洗浄を行うことにより、ユーザーに濾過フィルター交
換の手間を頻繁に取らせることなく、長期間に渡って優
れた濾過能力を維持することのできる浄化装置を提供す
ることを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、請求項１に記載の浄化装置は、被処理水中に含まれ
る粒子を濾過槽内に収納された濾過フィルターによって
除去するものを対象とし、特に、前記濾過フィルター
を、通水可能な筒状部材の外壁面に濾過材を放射状に取
り付けて構成し、前記濾過フィルター内部と前記濾過槽
外部とを連通する第１水路と、前記濾過フィルター外部
かつ前記濾過槽内部と前記濾過槽外部とを連通する第２
水路と備え、使用時には、被処理水を前記第２水路、前
記濾過フィルター、前記第１水路の順に通水させ、前記
濾過フィルターを洗浄する際、洗浄するための水を前記
第１水路、前記濾過フィルター、前記第２水路の順に通
水させるようにしている。従って、浄化装置使用時に
は、前記第２水路より被処理水を濾過槽内に流入させ、
その流入した被処理水の流れによって放射状の濾過材が
筒状部材を巻き込み濾過フィルターとして機能する。前
記濾過フィルターを被処理水が通過するときに、被処理
水中に含まれる粒子が濾過材に付着する。粒子を取り除
かれることによって浄化された水は、前記第１水路から
濾過槽外部に流出される。一方、前記濾過フィルターを
洗浄する際、浄化するための水を前記第１水路から流入
させ、前記濾過フィルター内部から前記濾過フィルター
の外部に前記水が流出するときに、前記濾過材が放射状
にほぐれ、更に、その水の流れによって濾過材が煽ら
れ、濾過材に付着した粒子が濾過材から離脱する。その
離脱した粒子と共に前記水は、前記第２水路から濾過槽
外へと排出される。

【０００９】また、請求項２に記載の浄化装置は、前記
第２水路の流入口を前記濾過槽の側面に設け、前記第２
水路から前記濾過槽内に流入する被処理水の流れをスパ
イラル状にしている。従って、スパイラル状の被処理水
の流れによって前記濾過材が前記筒状部材を巻き込み、
被処理水が前記濾過材を確実に通過させるようにしてい
る。

【００１０】また、請求項３に記載の浄化装置は、前記
濾過槽内の上部に配置され、前記濾過フィルターの中心
を軸として回転する回転体と、前記濾過槽の外部に配置
されかつ前記回転体を駆動する駆動体とを備えている。
従って、濾過槽内に流入する被処理水の量に関係なく、
駆動体によって回転体を回転させることにより所望のス
パイラル流速を得ることができる。

【００１１】更に、請求項４に記載の浄化装置は、前記
濾過フィルターを回転可能に前記濾過槽内に支持し、前
記濾過槽の外部に配置されかつ前記濾過フィルターを駆
動する駆動体を備えている。従って、駆動体によって前
記濾過フィルターを回転させるため、濾過流量に影響さ
れることなく濾過材が良好に筒状部材に巻き付き、効率
の良い濾過を行うことができる。

【００１２】

【発明の実施の形態】以下、本発明の浄化装置の実施の
形態について図面を参照して説明する。

【００１３】まず始めに、本実施の形態の浄化装置にお
ける濾過フィルター１について図１を参照しながら説明
する。

【００１４】濾過フィルター１は、通水可能な壁面を有
する筒状部材２の外壁面に濾過材３が放射状に取り付け
られている。前記筒状部材２は、格子状に成形したポリ
プロピレン樹脂部材を円筒型に丸めたものを用いた。前
記濾過材３としては、ポリエステルの不織布を用いた。

【００１５】前記濾過フィルター１は、濾過槽４内に設
置され、濾過時には図２に示す様に、濾過フィルター１
外部から内部方向にスパイラル状に通水することによ
り、筒状部材２に放射状に取り付けた濾過材３が筒状部
材２に巻き付き重なって、図３に示すような形状とな
り、全体で１つの濾過フィルターとして機能する。

【００１６】前記濾過フィルター洗浄時においては、図
４に示す様に、濾過フィルター１内部から外部方向に通
水することにより、筒状部材２に巻き付いていた濾過材
３がほぐれ、図１に示す様な形状となり、更に水流によ
って濾過材３が煽られることにより、効率の良い濾過フ
ィルター１の洗浄が行われる。

【００１７】尚、前記濾過フィルター１の筒状部材２
は、格子状の樹脂を用いたが、網目状やパンチングメタ
ルの様に、筒状部材２外部から内部へ、また内部から外
部へ通水可能な形状であれば良い。

【００１８】また、筒状部材２に取り付けた濾過材３
は、不織布としたが、濾過能力を備えていれば織布やメ
ンブレンフィルターでもよく、また形状も面状のものだ
けでなく糸状のものであっても良い。

【００１９】次に、本実施の形態の濾過槽４について、
図５を用いて説明する。

【００２０】前記濾過槽４は、濾過フィルター１の濾過
材３がほぐれた状態で、濾過材３が壁面に接しない程度
の径を有した円筒状に形成されている。前記濾過槽４の
側面には、入水口５が設けられている。前記入水口５
は、被処理水の吐出方向が濾過槽４の中心線から外れる
ようになっている。その入水口５には、図示しないパイ
プが接続され、そのパイプから前記濾過槽４内部に至る
水路が第２水路として機能する。一方、前記濾過槽４の
底部には、濾過フィルター１を固定するためのメネジ部
６が形成されている。濾過フィルター１の下端には、出
水口７が取り付けられ、その出水口７の周辺には固定用
のニップル部８が設けられている。前記ニップル部８を
濾過槽４のメネジ部６にねじ込むことにより、濾過フィ
ルター１を濾過槽４に固定する。尚、前記濾過フィルタ
ー１の内部から前記出水口７までの流路が前記第１水路
として機能する。

【００２１】次に、本実施の形態の浄化装置の動作につ
いて図５を用いて説明する。

【００２２】通常使用時は、被処理水を入水口５から濾
過槽４内へ流入させる。すると、濾過槽４内では、被処
理水が濾過フィルター１に対して接線方向に流れ、濾過
フィルター１の外部から内部方向にスパイラル状に通水
することができる。このため、簡便な構成かつ低コスト
でスパイラル状の水流を得ることができる。従って、ス
パイラル状の水流によって、放射状に取り付けた濾過材
３が筒状部材２に巻き付き重なって、図３に示すような
形状となり、全体で１つの濾過フィルターとして機能す
る。濾過槽４内に流入した被処理水は、濾過フィルター
１を通過して、濾過フィルター１内に流れる。このと
き、濾過材３によって被処理水中の粒子が取り除かれ、
被処理水は浄化される。浄化された水は、出水口７から
濾過槽４外部へと流出する。

【００２３】一方、濾過フィルター１を洗浄する際、出
水口７から水を流入させると、その水は濾過フィルター
１内部から濾過槽４内へと流れる。すると、図４に示す
ように、濾過材３が放射状にほぐれ、更に、流水によっ
て煽られることにより濾過材３に付着した粒子が離脱
し、流水と共に入水口５から濾過槽４外部へと排出され
る。

【００２４】以上説明したことから明らかなように本実
施の形態の浄化装置によれば、浄化装置使用時には、被
処理水を入水口５から濾過フィルター１、出水口７へと
通水させることによって、放射状の濾過材３が筒状部材
２を巻き込み、被処理水中の粒子が濾過材３に付着し、
濾過材３を洗浄する時には、洗浄するための水を出水口
７から濾過フィルター１、入水口５へと通水させること
によって、濾過材３が放射状にほぐれ、更に、その水の
流れによって濾過材３が煽られ、濾過材３に付着した粒
子が濾過材３から離脱し、前記水と共に前記入水口５か
ら濾過槽４外へと排出されるため、効率よく濾過材３を
洗浄することができる。

【００２５】尚、本実施の形態の浄化装置では、濾過槽
４内の被処理水の流れを濾過槽４の側面に設けた入水口
５から流入させることによってスパイラル状にさせてい
るが、他の方法で実施してもよい。例えば、図６に示す
ように、濾過槽４内の上部に、濾過フィルター１の中心
線を軸に回転する回転体としての羽状部材９を設け、濾
過槽４外部上方に、羽状部材９を回転させる駆動体１０
を設けてもよい。この場合、入水口５を濾過槽４の底部
に設けている。このように構成すると、駆動体１０によ
って羽状部材９を回転させることによって、スパイラル
状の水流をつくり出すことができかつ濾過流量に影響を
受けることがない。また、非通水時においても、濾過槽
４内の水によってスパイラル状の流水が形成され、濾過
材３がほぐれることを防止できる。

【００２６】更に、図６における羽状部材９の代わりに
濾過フィルター１自身を回転させるように構成してもよ
い。

【００２７】図７に示す濾過槽４では、濾過槽４の上下
端部において濾過フィルター１をその中心線を軸に回転
可能に支持するように構成し、更に、濾過槽４の外側上
部には、濾過フィルター１を回転させる駆動体１０が設
置されている。このように構成することによって、濾過
槽４内の濾過フィルター１を駆動体１０によって回転さ
せ、濾過槽４内の被処理水の流れをスパイラル状にする
ことができる。このため、濾過流量に影響されることな
く濾過材３が良好に筒状部材２に巻き付くため、効率の
良い濾過を行うことができる。

【００２８】

【発明の効果】以上説明したことから明かなように請求
項１記載の浄化装置によれば、浄化装置使用時には、被
処理水を第２水路から濾過フィルター、第１水路へと通
水させることによって、放射状の濾過材が筒状部材を巻
き込み、被処理水中の粒子が濾過材に付着し、濾過材を
洗浄する時には、洗浄するための水を第１水路から濾過
フィルター、第２水路へと通水させることによって、濾
過材が放射状にほぐれ、更に、その水の流れによって濾
過材が煽られ、濾過材に付着した粒子が濾過材から離脱
し、前記水と共に第２水路から濾過槽外へと排出される
ため、効率よく濾過材を洗浄することができる。

【００２９】また、請求項２に記載の浄化装置によれ
ば、前記第２水路の流入口を前記濾過槽の側面に設け、
前記第１水路から前記濾過槽内に流入する被処理水の流
れをスパイラル状にしているため、スパイラル状の被処
理水の流れによって前記濾過材が前記筒状部材を巻き込
み、被処理水が前記濾過材を確実に通過させるようにで
きる。

【００３０】また、請求項３に記載の浄化装置によれ
ば、駆動体によって濾過槽上部に配置された回転体が回
転し、濾過槽内の被処理水の流れをスパイラル状にする
ことができるため、濾過槽内に流入する被処理水の量に
関係なく所望のスパイラル流速を得ることができ、かつ
非通水時においても、濾過材のほぐれを防止することが
できる。

【００３１】更に、請求項４に記載の浄化装置によれ
ば、駆動体によって前記濾過フィルターを回転させるた
め、濾過流量に影響されることなく濾過材が良好に筒状
部材に巻き付き、効率の良い濾過を行うことができる等
の効果を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の浄化装置における濾過フィルターの構
造を示す図である。

【図２】濾過時における濾過槽の上部断面図である。

【図３】濾過時における濾過フィルターの状態を示す図
である。

【図４】濾過フィルター洗浄時における濾過槽の上部断
面図である。

【図５】本発明の一つの実施の形態を示す濾過槽の断面
図である。

【図６】本発明の別の実施の形態を示す濾過槽の断面図
である。

【図７】本発明のさらに別の実施の形態を示す濾過槽の
断面図である。

【符号の説明】

１ 濾過フィルター ２ 筒状部材 ３ 濾過材 ４ 濾過槽 ５ 入水口 ６ メネジ部 ７ 出水口 ８ ニップル部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｂ０１Ｄ 63/10 Ｂ０１Ｄ 29/42 ５０１Ｃ 65/02 35/02

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 被処理水中に含まれる粒子を濾過槽内に
   収納された濾過フィルターによって除去する浄化装置に
   おいて、 前記濾過フィルターを、通水可能な筒状部材の外壁面に
   濾過材を放射状に取り付けて構成し、 前記濾過フィルター内部と前記濾過槽外部とを連通する
   第１水路と、 前記濾過フィルター外部かつ前記濾過槽内部と前記濾過
   槽外部とを連通する第２水路と備え、 使用時には、被処理水を前記第２水路、前記濾過フィル
   ター、前記第１水路の順に通水させ、 前記濾過フィルターを洗浄する際、洗浄するための水を
   前記第１水路、前記濾過フィルター、前記第２水路の順
   に通水させるようにしたことを特徴とする浄化装置。
2. 【請求項２】 前記第２水路の流入口を前記濾過槽の側
   面に設け、 前記第２水路から前記濾過槽内に流入する被処理水の流
   れをスパイラル状にしたことを特徴とする請求項１に記
   載の浄化装置。
3. 【請求項３】 前記濾過槽内の上部に配置され、前記濾
   過フィルターの中心を軸として回転する回転体と、 前記濾過槽の外部に配置されかつ前記回転体を駆動する
   駆動体とを備えたことを特徴とする請求項１に記載の浄
   化装置。
4. 【請求項４】 前記濾過フィルターを回転可能に前記濾
   過槽内に支持し、 前記濾過槽の外部に配置されかつ前記濾過フィルターを
   駆動する駆動体を備えたことを特徴とする請求項１に記
   載の浄化装置。