JPH10310053A - 鉄道車両の振動制御装置の診断方法 - Google Patents

鉄道車両の振動制御装置の診断方法

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JPH10310053A
JPH10310053A JP13620897A JP13620897A JPH10310053A JP H10310053 A JPH10310053 A JP H10310053A JP 13620897 A JP13620897 A JP 13620897A JP 13620897 A JP13620897 A JP 13620897A JP H10310053 A JPH10310053 A JP H10310053A
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JP
Japan
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vibration control
actuator
control device
pneumatic cylinder
vehicle
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JP13620897A
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English (en)
Inventor
Yoshiyuki Maruyama
佳之 丸山
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 空気圧シリンダを用いた振動制御装置のシリ
ンダ内圧変動を検知することにより振動制御装置の異常
を検知する。 【解決手段】 左右動アクチュエータに空気圧シリンダ
を用いた車体振動制御装置において、車両が停車してい
る間に、前記左右動アクチュエータの給気・封じ込め・
排気の各動作を順次行う。各動作が完了した後のアクチ
ュエータ内圧の変動をそれぞれ測定する。各測定値を予
め設定した基準値と比較してアクチュエータの異常を検
知する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄道車両における
左右動アクチュエータに空気圧シリンダを用いた振動制
御装置のシリンダ内圧変動を検知することにより振動制
御装置の異常を検知する診断方法に関する。
【0002】
【従来の技術】鉄道車両はレールの不整により上下動、
ローリング及びヨーイングの振動加速度を受ける。これ
らの振動を制御するため、従来は空気ばねやオイルダン
パの絞り等を用いた減衰力発生機構とばねから振動制御
装置が構成されていた。また、改良された振動制御装置
として複動型空気圧シリンダを空気圧サーボ弁で駆動す
るものや、アクティブ制御を取り入れ全ての周波数域で
乗り心地の改善を図った振動制御装置がある。
【0003】前記鉄道車両の振動抑制のための車体振動
制御系においては、車体と台車間の左右変位計、上下変
位計、車体の左右加速度計、上下加速度計及びアクチュ
エータの圧力計等の各種センサ及び各種弁が用いられて
いる。
【0004】前記車体振動制御系は、長期の使用におい
て各種センサは初期設定状態からのセンサ値のずれが発
生し、制御により収束すべき車体姿勢が変化してしまう
ことが起こる。しかし、車体振動制御系の各種機器の作
動状態や故障を検知するための診断方法は確立されてい
なかった。そこで、本出願人は従来の問題点を解消する
ため、車両が停止している間に、制御アクチュエータを
作動して車体にヨーイング加振及び左右動加振を加え、
各種機器の作動状態を調べ、センサ値の評価やアクチュ
エータ作動の確認を行なうと共に、機器の異常を検知す
る鉄道車両の車体振動制御系の診断方法(特開平5−1
84002号公報)を提案した。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記特開平5−184
002号公報に記載された車体振動制御系の診断方法
は、制御アクチュエータを作動し車体を振動させること
により診断が行なわれるので、車両外の建築物に接触す
る可能性がある。例えば、駅のホームと車体との隙間で
は、車体がその中立位置から10mm程度ずれると接触
する恐れがある。そのため、診断場所を選ぶ必要があ
る。
【0006】本発明は前記車体振動制御系の診断方法に
見られる問題点を除くため、車体振動制御装置の制御ア
クチュエータとして使用される空気圧シリンダの診断を
行い、車体振動を中立位置から±5mm程度以下に押え
ることにより、日常の保守点検において容易に振動制御
装置の異常を検知することができる診断方法を提供する
ものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】鉄道車両の振動制御装置
における左右動アクチュエータとしての空気圧シリンダ
の使用状況を見るに、空圧源からの配管に異物が混入し
た場合には、例えば図6に示す空気圧シリンダ13の制
御弁11内のスプール12部へ異物が噛み、スプール1
2が制御指令通りに動作できなくなり、特定の位置に固
定されることがある。この場合には、スプールの停止位
置によっては、図示のごとくスプール12が開いた状態
に保たれ、空気圧シリンダ13に対する給気または排気
が継続される。そのため、空気圧シリンダは制御指令通
りに給気・封じ込め・排気の各動作を行なえなくなる。
また、空気圧シリンダに許容値以上の荷重が負荷された
場合に生じる空気圧シリンダのシール部材15の抜け、
ピストンロッド14部の傷等により、シリンダ内の気密
が保持できない状態では、給気動作、封じ込め動作での
異常が生じる。
【0008】本発明者は、前記左右動アクチュエータの
使用状況に鑑み、アクチュエータの左右室に同じ条件で
給排気を行なう際の左右室の内圧の変動を監視すること
により、車体振動を大きくすることなく、日常の点検中
に容易に異常を検知できることを知り得た。本発明は、
この知見に基づいて完成されたものである。
【0009】すなわち、本発明の鉄道車両の振動制御装
置の診断方法は、左右動アクチュエータを用いた振動制
御装置を装備した鉄道車両において、車両が停車してい
る間に、前記左右動アクチュエータの給気・封じ込め・
排気の各動作を順次行い、各動作が完了した後のアクチ
ュエータ内圧の変動をそれぞれ測定し、各測定値を予め
設定した基準値と比較してアクチュエータの異常を検知
することを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】振動制御装置の診断においては、
日常の点検中に容易に診断を行なうことができ、装置の
異常を早期に発見することが必要である。振動制御装置
中の左右動アクチュエータは、給気・封じ込め・排気の
各動作の組み合せにより振動制御が行われている。そこ
で、これらの各動作は制御演算装置の制御指令通りに行
われているかどうかの健全性を確認することにより診断
できる。
【0011】一般に、左右動アクチュエータが正常であ
る場合には、アクチュエータ内のピストンにより形成さ
れた左右室に均等な給排気を行なえば、アクチュエータ
に生じる変位を微小に抑えることができる。また、正常
なアクチュエータでは、給排気に伴いアクチュエータ内
圧の変動が生じるので、アクチュエータに左右室で均等
に圧力を変化させるような指令を与え、その際のアクチ
ュエータ内圧の変動を監視する。また、前記のごとく、
左右動アクチュエータは給気・封じ込め・排気の各動作
の組み合せによって作動しているため、図6に示す制御
弁11、アクチュエータ(空気圧シリンダ13)のピス
トンロッド14との間のシール部材15のいずれの異常
も、この三つの動作のいずれかに現れる。
【0012】日常の保守レベルでの使用を考えると、診
断は短時間で終了し、かつその間に車体が大きく動かな
いことが望ましい。そこで、左右動アクチュエータの基
本動作である給気・封じ込め・排気の各動作を確認する
ことが必要となる。また、振動制御装置の設置状態によ
っては、外部からの動作の停止が困難な場合があるが、
整備中の車両では振動制御用の電源投入後1分程度で移
動する可能性があるため、診断全体の所要時間を上記3
動作でそれぞれ10秒で合計30秒とし、確実に列車が
停車している間に終了するようにする。
【0013】正常なアクチュエータでは構造上、左右室
に同時に給排気を行なうことで車体に変位が生じること
はない。しかし、アクチュエータに異常があれば、片方
の室のみに急激に給排気されることが起こるが、その場
合でも車両とホーム間の隙間10mmを確保することを
考慮すれば、アクチュエータの出力は、20kgf/m
2×10mm=200kgf以下であればよい。この
条件を満たすようなアクチュエータ内圧を計算すると、
下記(1)式となる。
【0014】
【数1】
【0015】したがって、内圧変動の上限を3気圧とす
れば、車両とホーム間の隙間を確保できる。また、診断
時に車体の変位を生じる給気と排気については、10秒
間の診断時間内で制御弁の開度を暫時変化させること
で、極力車体傾斜が生じないようにする。
【0016】給気状態の診断では、前記のごとく3気圧
まで内圧を上昇するような制御信号を与え、3気圧に達
した時点で一旦給気を停止して、それ以上内圧が上昇し
ないようにする。そして、10秒経過した時点で、3気
圧に達しない場合には異常ありと判断する。
【0017】封じ込め状態の診断では、アクチュエータ
部の漏れ及び誤差等を考慮して1気圧以上の内圧低下が
生じた場合には異常ありと判断する。
【0018】排気状態の診断では、基本的にアクチュエ
ータ内圧と大気圧は速やかに平行状態に達することか
ら、診断終了時に0気圧となるべきであるが、やはり制
御弁の漏れ、測定誤差を考慮して1気圧以上の全圧があ
る場合には異常ありと判断する。
【0019】前記左右動アクチュエータの給気・封じ込
め・排気の各動作を順次行い、各動作が完了した後のア
クチュエータ内圧の変動をそれぞれ測定し、各測定値を
予め設定した基準値と比較してアクチュエータの異常を
検知する診断全体のフローチャートを図1、図2に示
す。
【0020】
【実施例】本発明の診断方法の実施の対象となる振動制
御装置として台車と車体間で左右方向に作動するアクチ
ュエータを備えた鉄道車両を図3に示す。車体1と台車
2との間に設けた左右の二次ばね(空気ばね3)により
支持されている。そして、車体1の左右方向の振動は、
車体1と台車2との間に設けたダンパ4により減衰さ
れ、また空気圧シリンダ5により制御される。この空気
圧シリンダ5は、複動型シリンダよりなり、左右室には
圧力センサ8が設けられており、車上に設置した制御器
7に検出した圧力値を出力する。また、左右室には給排
気弁6が設けられ、空気源10との間を配管9で接続さ
れている。そして、前記給排気弁6は、制御器7からの
制御信号により開閉操作されるように構成されている。
また、前記制御器7には、図示しない車体と台車間の左
右変位計、上下変位計、車体の左右加速度計、上下加速
度計及び空気圧シリンダ5の圧力計等の各種センサから
の検出信号を入力して演算し、給排気弁6に対し制御信
号が出力される。
【0021】通常、制御器7では、車体の振動制御のた
めの演算が行われるが、そのフローチャートを図4に示
す。そして、その振動制御の間において、本発明の実施
により振動制御装置の診断を行なう際は、図4に破線で
示す枠内に図1、図2に示す診断のためのフローチャー
トを挿入して、車両が停車または微速で走行している間
に、シリンダの気密性、制御弁の開閉動作、空気源の供
給状態の全ての空気圧シリンダの動作状態の健全性の診
断を行なう。そして、正常であれば引続き通常の制御を
行い、異常が検知された場合には必要な保護処置を行な
う。
【0022】シリンダ内径:100mm、ピストンロッ
ド径:30mm、ピストンストローク:55mm、供給
圧:7〜8気圧、車体左右方向剛性:20kgf/mm
2の条件で本発明の実施により空気圧シリンダの診断を
行なった結果の一例を図5に示す。正常な場合の内圧推
移は、図中に実線Mで示すように給気、封じ込め、排気
の各区間にわたり内圧3気圧以内で連続して変化してい
るが、給気動作に異常がある場合は細い破線a、封じ込
め動作に異常がある場合は2点鎖線b、排気動作に異常
がある場合は1点鎖線cで示すように、不連続で異常な
変化をしている。また、内圧推移が正常な場合の車体変
位は図中に太い破線Nで示すように、給気の始めと排気
の始めに見られる大きな変位はいずれも5mm以内に納
まり、その他では数mmの変位に止まっていることがわ
かる。
【0023】
【発明の効果】本発明によれば、車両が停車または微速
で動いている間に、日常的な点検により、振動制御装置
中の空気圧シリンダを診断して装置の異常を早期に発見
し、修復することにより、車両の安全走行に寄与でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施による診断方法の前半の操作を示
すフローチャートである。
【図2】図1の本発明の実施による診断方法の前半の操
作に引き続いて行われる後半の操作を示すフローチャー
トである。
【図3】本発明の診断方法を実施するための振動制御装
置を備えた鉄道車両の一例を示す説明図である。
【図4】通常の車体振動制御操作に本発明の診断操作を
付加する場合のフローチャートである。
【図5】本発明の実施による診断結果としてシリンダ内
圧の変化及び車体変位の変化を示すグラフである。
【図6】左右動アクチュエータとしての空気圧シリンダ
の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 車体 2 台車 3 空気ばね 4 ダンパ 5 空気圧シリンダ 6 給排気弁 7 制御器 8 圧力センサ 9 配管 10 空気源 11 制御弁 12 スプール 13 空気圧シリンダ 14 ピストンロッド 15 シール部材

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 左右動アクチュエータに空気圧シリンダ
    を用いた振動制御装置を装備した鉄道車両において、車
    両が停車している間に、前記空気圧シリンダの給気・封
    じ込め・排気の各動作を順次行い、各動作が完了した後
    のシリンダ内圧の変動をそれぞれ測定し、各測定値を予
    め設定した基準値と比較して空気圧シリンダの異常を検
    知することを特徴とする鉄道車両の振動制御装置の診断
    方法。
JP13620897A 1997-05-09 1997-05-09 鉄道車両の振動制御装置の診断方法 Pending JPH10310053A (ja)

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JP13620897A JPH10310053A (ja) 1997-05-09 1997-05-09 鉄道車両の振動制御装置の診断方法

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JP13620897A JPH10310053A (ja) 1997-05-09 1997-05-09 鉄道車両の振動制御装置の診断方法

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JP13620897A Pending JPH10310053A (ja) 1997-05-09 1997-05-09 鉄道車両の振動制御装置の診断方法

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JP (1) JPH10310053A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009033793A (ja) * 2007-07-24 2009-02-12 Hitachi Ltd 鉄道車両用振動制御装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009033793A (ja) * 2007-07-24 2009-02-12 Hitachi Ltd 鉄道車両用振動制御装置

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