JPH10309711A - 鋳込み成形用中子・型及びその製造方法 - Google Patents
鋳込み成形用中子・型及びその製造方法Info
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- JPH10309711A JPH10309711A JP13597697A JP13597697A JPH10309711A JP H10309711 A JPH10309711 A JP H10309711A JP 13597697 A JP13597697 A JP 13597697A JP 13597697 A JP13597697 A JP 13597697A JP H10309711 A JPH10309711 A JP H10309711A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 高純度セラミックス粉末により凹凸の激しい
複雑な形状の焼結よう成形体を成形するのにより好適な
鋳込み成形用中子・型及びその製造方法を提供すること
を目的とする。 【解決手段】 遮蔽部材1、5A、6AがスラリーSの
溶媒に対し吸湿性もしくは透過性を有すると共に変形能
を有し、バックアップ材が粉粒体もしくは多孔体で成
り、形状保持を図ることができると共に溶媒の吸湿保持
もしくは透過機能を有する鋳込み成形用中子・型及びそ
の製造方法。
複雑な形状の焼結よう成形体を成形するのにより好適な
鋳込み成形用中子・型及びその製造方法を提供すること
を目的とする。 【解決手段】 遮蔽部材1、5A、6AがスラリーSの
溶媒に対し吸湿性もしくは透過性を有すると共に変形能
を有し、バックアップ材が粉粒体もしくは多孔体で成
り、形状保持を図ることができると共に溶媒の吸湿保持
もしくは透過機能を有する鋳込み成形用中子・型及びそ
の製造方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はセラミックス粉末と
溶媒で成るスラリーを鋳込んで複雑形状の焼結用成形体
を成形するのに好適な鋳込み成形用中子・型及びその製
造方法に関する。
溶媒で成るスラリーを鋳込んで複雑形状の焼結用成形体
を成形するのに好適な鋳込み成形用中子・型及びその製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来セラミックス粉末から複雑形状の焼
結用成形体を成形するのにスラリー鋳込み成形法があ
り、このスラリー鋳込み成形には、石膏型、樹脂型を使
用するものあるいはVプロセス型を使用するもの(特公
平7ー12605号公報)等が一般に知られている。こ
のように石膏型や樹脂型を使用するものは、型自体に可
撓性がなく変形しないため脱型を慎重に行っても成形体
に変形や切れを生じやすく、歩留まりが悪いという問題
があった。一方Vプロセス型を使用したスラリー鋳込み
成形では、溶媒を透過させる性質を有する可撓性、伸展
性に富んだフイルム状の遮蔽部材を型表面部に被せて負
圧保持しているためセラミックス粉末の着肉の終了に合
わせて負圧を解除すれば型自体がルーズな状態となり、
脱型が石膏型や樹脂型に比べて容易になる特徴がある。
しかし遮蔽部材の可撓性や伸展性にはおのずと限界があ
り、凹凸の激しいより複雑な形状になると型そのものが
造型できなくなる制約があり、一つの開口部でみると開
口部長さLと深さDの関係はL/Dで約1.0が限界で
あった。
結用成形体を成形するのにスラリー鋳込み成形法があ
り、このスラリー鋳込み成形には、石膏型、樹脂型を使
用するものあるいはVプロセス型を使用するもの(特公
平7ー12605号公報)等が一般に知られている。こ
のように石膏型や樹脂型を使用するものは、型自体に可
撓性がなく変形しないため脱型を慎重に行っても成形体
に変形や切れを生じやすく、歩留まりが悪いという問題
があった。一方Vプロセス型を使用したスラリー鋳込み
成形では、溶媒を透過させる性質を有する可撓性、伸展
性に富んだフイルム状の遮蔽部材を型表面部に被せて負
圧保持しているためセラミックス粉末の着肉の終了に合
わせて負圧を解除すれば型自体がルーズな状態となり、
脱型が石膏型や樹脂型に比べて容易になる特徴がある。
しかし遮蔽部材の可撓性や伸展性にはおのずと限界があ
り、凹凸の激しいより複雑な形状になると型そのものが
造型できなくなる制約があり、一つの開口部でみると開
口部長さLと深さDの関係はL/Dで約1.0が限界で
あった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のような状況から
当該業界では凹凸の激しい複雑形状の焼結用成形体とし
ては、セラミックスの中でも粘土等が添加されて可塑性
を持つ例えばアルミナ純度90%前後の成形が成されて
いるにすぎなかった。しかしながら近年材料特性の高度
化、多様化がますます求められるようになり非可塑性材
料である高純度アルミナ(純度99%以上)、窒化ケイ
素、炭化ケイ素などにより凹凸の激しい複雑な形状の焼
結用成形体を成形することが要望されるようになってき
た。本発明は上記の問題に鑑みて成されたもので、高純
度セラミックス粉末により凹凸の激しい複雑な形状の焼
結用成形体を成形するのにより好適な鋳込み成形用中子
・型及びその製造方法を提供することを目的とする。
当該業界では凹凸の激しい複雑形状の焼結用成形体とし
ては、セラミックスの中でも粘土等が添加されて可塑性
を持つ例えばアルミナ純度90%前後の成形が成されて
いるにすぎなかった。しかしながら近年材料特性の高度
化、多様化がますます求められるようになり非可塑性材
料である高純度アルミナ(純度99%以上)、窒化ケイ
素、炭化ケイ素などにより凹凸の激しい複雑な形状の焼
結用成形体を成形することが要望されるようになってき
た。本発明は上記の問題に鑑みて成されたもので、高純
度セラミックス粉末により凹凸の激しい複雑な形状の焼
結用成形体を成形するのにより好適な鋳込み成形用中子
・型及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明における鋳込み成形用中子・型は、鋳込みス
ラリーに接する表面部が粉粒体、繊維物質の堆積層ある
いは多孔膜で形成された吸湿性もしくは透過性を有する
遮蔽部材で成り、その内面部あるいは背面部が粉粒体も
しくは多孔体によりバックアップされていることを特徴
とし、本発明における鋳込み成形用中子の製造方法は、
吸湿性もしくは透過性を有する段ボール紙を折り曲げ加
工して一面を開放した箱体に組み立てる空中子組立工程
と、該空中子に粉粒体あるいは多孔体をバックアップ材
として充填あるいは挿入するバックアップ材充填工程
と、前記箱体の開放された一面を閉じる封鎖工程と、か
ら成ることを特徴とし、さらに本発明における鋳込み成
形用型の製造方法は、粉粒体に硬化剤を添加混合して得
た造型材料を型形状に造型すると共に硬化させる粉粒体
型造型工程と、造型硬化された粉粒体型をその成形表面
部を開放させて型枠内にセットする粉粒体型組立工程
と、前記組立てられた粉粒体型の成形表面部をパルプ繊
維分散液に浸けると共に前記型枠体を介して粉粒体型に
真空吸引作用を働かせて成形表面部に前記パルプ繊維を
吸引着肉させる遮蔽部材着肉工程と、前記遮蔽部材を着
肉させた粉粒体型をパルプ繊維分散液から引き上げて乾
燥させる型乾燥工程と、から成ることを特徴とするもの
である。
めに本発明における鋳込み成形用中子・型は、鋳込みス
ラリーに接する表面部が粉粒体、繊維物質の堆積層ある
いは多孔膜で形成された吸湿性もしくは透過性を有する
遮蔽部材で成り、その内面部あるいは背面部が粉粒体も
しくは多孔体によりバックアップされていることを特徴
とし、本発明における鋳込み成形用中子の製造方法は、
吸湿性もしくは透過性を有する段ボール紙を折り曲げ加
工して一面を開放した箱体に組み立てる空中子組立工程
と、該空中子に粉粒体あるいは多孔体をバックアップ材
として充填あるいは挿入するバックアップ材充填工程
と、前記箱体の開放された一面を閉じる封鎖工程と、か
ら成ることを特徴とし、さらに本発明における鋳込み成
形用型の製造方法は、粉粒体に硬化剤を添加混合して得
た造型材料を型形状に造型すると共に硬化させる粉粒体
型造型工程と、造型硬化された粉粒体型をその成形表面
部を開放させて型枠内にセットする粉粒体型組立工程
と、前記組立てられた粉粒体型の成形表面部をパルプ繊
維分散液に浸けると共に前記型枠体を介して粉粒体型に
真空吸引作用を働かせて成形表面部に前記パルプ繊維を
吸引着肉させる遮蔽部材着肉工程と、前記遮蔽部材を着
肉させた粉粒体型をパルプ繊維分散液から引き上げて乾
燥させる型乾燥工程と、から成ることを特徴とするもの
である。
【0005】
(実施例1)図1〜図5のものは、鋳込み成形用型とし
て主型と中子とを使用する実施例であって、上下主型と
して石膏型をまた中子として本発明に係る鋳込み成形用
中子を使用して焼結用成形体の鋳込み成形を行うもので
ある。図1はC5両面Bフルートの段ボール紙を折り曲
げ加工して上面を蓋体1Aにより開閉可能(上面が開放
されていれば蓋体1Aは切り離されていてもよい)にし
た三角柱状箱体で成る空中子1を組み立てたものであ
る。この空中子1の開放部1Bからアルミナ粉(平均粒
度60ミクロン)を投入し、振動充填により最密充填を
した後蓋体1Aに接着剤を塗って閉じ開放部1Bを封
じ、これを中子Cとして準備する。また図2は石膏によ
り成形された下主型で型表面には前記中子Cを位置決め
する浅い堀込み2Aが設けられていて中子Cは底面にエ
ポキシ接着剤を塗り、図3に示すようにこの堀込み2A
に接着固定する。
て主型と中子とを使用する実施例であって、上下主型と
して石膏型をまた中子として本発明に係る鋳込み成形用
中子を使用して焼結用成形体の鋳込み成形を行うもので
ある。図1はC5両面Bフルートの段ボール紙を折り曲
げ加工して上面を蓋体1Aにより開閉可能(上面が開放
されていれば蓋体1Aは切り離されていてもよい)にし
た三角柱状箱体で成る空中子1を組み立てたものであ
る。この空中子1の開放部1Bからアルミナ粉(平均粒
度60ミクロン)を投入し、振動充填により最密充填を
した後蓋体1Aに接着剤を塗って閉じ開放部1Bを封
じ、これを中子Cとして準備する。また図2は石膏によ
り成形された下主型で型表面には前記中子Cを位置決め
する浅い堀込み2Aが設けられていて中子Cは底面にエ
ポキシ接着剤を塗り、図3に示すようにこの堀込み2A
に接着固定する。
【0006】さらに図3は石膏により成形された上主型
3で上下逆向きに図示(形状を確認しやすくするため)
されている。該上主型3は、上下方向に背丈の高い枠状
の側壁3Aと上面を塞ぐ天井壁3Bで構成され、天井壁
3Bにはスラリーを鋳込むための鋳込み口3Cが連通し
て設けられている。この上主型3は図4に示すように中
子Cを固定セットした下主型2の上部に型合わせされて
下主型2、中子C、上主型3により凹凸の激しい複雑形
状の成形空間Rを画成するようにされている。このよう
にして型合わせされて画成された図4の成形空間Rは、
外形寸法200×200×130mm、しまの深さ13
0mmの焼結用成形体W(図5参照)を成形する空間に
されている。この型合わせされたものに高純度アルミナ
(純度99.5%以上)の水スラリーを用意して鋳込み
口3Cから前記成形空間Rに鋳込み、アルミナの着肉終
了後もそのまま放置しアルミナの締まりが十分に進んで
成形体の強度がでた時点で脱型したところ図5に示すよ
うな変形や割れ、及び切れ欠陥のない健全な焼結用成形
体Wが得られ、これを焼結しても何等問題のないもので
あった。再現性を確認するために10個の成形体を成形
し、焼結をしてみたがいずれも成形、焼結において問題
は生じなかった。
3で上下逆向きに図示(形状を確認しやすくするため)
されている。該上主型3は、上下方向に背丈の高い枠状
の側壁3Aと上面を塞ぐ天井壁3Bで構成され、天井壁
3Bにはスラリーを鋳込むための鋳込み口3Cが連通し
て設けられている。この上主型3は図4に示すように中
子Cを固定セットした下主型2の上部に型合わせされて
下主型2、中子C、上主型3により凹凸の激しい複雑形
状の成形空間Rを画成するようにされている。このよう
にして型合わせされて画成された図4の成形空間Rは、
外形寸法200×200×130mm、しまの深さ13
0mmの焼結用成形体W(図5参照)を成形する空間に
されている。この型合わせされたものに高純度アルミナ
(純度99.5%以上)の水スラリーを用意して鋳込み
口3Cから前記成形空間Rに鋳込み、アルミナの着肉終
了後もそのまま放置しアルミナの締まりが十分に進んで
成形体の強度がでた時点で脱型したところ図5に示すよ
うな変形や割れ、及び切れ欠陥のない健全な焼結用成形
体Wが得られ、これを焼結しても何等問題のないもので
あった。再現性を確認するために10個の成形体を成形
し、焼結をしてみたがいずれも成形、焼結において問題
は生じなかった。
【0007】上記のような鋳込み成形においては、中子
Cの段ボール紙がスラリーの鋳込みにより吸水して濡
れ、強度が著しく低下するが内部のバックアップ材であ
るアルミナ粉が最密充填になっているため中子としての
形状は保持され吸水された水はアルミナ粉の最密充填層
の毛管力により吸引保持されるため中子C側への吸水は
引き続きおこなわれる。一方吸水した段ボール紙は僅か
な力で圧縮変形しやすい状態にあり、アルミナの着肉終
了後の乾燥収縮(収縮量0.4%)による欠陥は生じな
かった。また前記上下主型3、2は石膏型になっている
がVプロセス型にして上記と同様にして焼結成形体Wを
10個成形してみたがいずれも健全な成形体が得られ、
焼結しても何等問題は生じなかった。
Cの段ボール紙がスラリーの鋳込みにより吸水して濡
れ、強度が著しく低下するが内部のバックアップ材であ
るアルミナ粉が最密充填になっているため中子としての
形状は保持され吸水された水はアルミナ粉の最密充填層
の毛管力により吸引保持されるため中子C側への吸水は
引き続きおこなわれる。一方吸水した段ボール紙は僅か
な力で圧縮変形しやすい状態にあり、アルミナの着肉終
了後の乾燥収縮(収縮量0.4%)による欠陥は生じな
かった。また前記上下主型3、2は石膏型になっている
がVプロセス型にして上記と同様にして焼結成形体Wを
10個成形してみたがいずれも健全な成形体が得られ、
焼結しても何等問題は生じなかった。
【0008】(比較例)上下主型を実施例1と同じ石膏
型とし、中子を同じ形状寸法の石膏型とシリコン型(中
空)とした型を用いて高純度アルミナの成形を行った。
石膏型を中子とした場合には、アルミナの着肉が終了し
た段階で手早く脱型操作をしたが僅かなタイミングの違
いで種々の問題を生じた。すなわちタイミングが早いと
成形体自体に強度がなく保形性がないため脱型できても
自重で変形しやすく、またしまが深いため型との接触抵
抗により変形、亀裂が入りやすい。その他型に成形体が
滲みついて抜けず成形体が割れてしまうという問題が生
じた。一方タイミングが遅くなると成形体は中子に抱き
ついてしまい脱型ができないばかりか収縮により発生す
る応力によって割れてしまうようになり、結局10個成
形し焼結までできたのは1個であり、それも実施例1に
比べはるかに変形量が大きなものであった。上記のよう
に肉厚が等しい(図4、図5参照)ものであってもこの
ような状況であるから成形体に肉厚差がある場合には着
肉時間に差ができるため石膏中子では事実上成形は困難
である。
型とし、中子を同じ形状寸法の石膏型とシリコン型(中
空)とした型を用いて高純度アルミナの成形を行った。
石膏型を中子とした場合には、アルミナの着肉が終了し
た段階で手早く脱型操作をしたが僅かなタイミングの違
いで種々の問題を生じた。すなわちタイミングが早いと
成形体自体に強度がなく保形性がないため脱型できても
自重で変形しやすく、またしまが深いため型との接触抵
抗により変形、亀裂が入りやすい。その他型に成形体が
滲みついて抜けず成形体が割れてしまうという問題が生
じた。一方タイミングが遅くなると成形体は中子に抱き
ついてしまい脱型ができないばかりか収縮により発生す
る応力によって割れてしまうようになり、結局10個成
形し焼結までできたのは1個であり、それも実施例1に
比べはるかに変形量が大きなものであった。上記のよう
に肉厚が等しい(図4、図5参照)ものであってもこの
ような状況であるから成形体に肉厚差がある場合には着
肉時間に差ができるため石膏中子では事実上成形は困難
である。
【0009】次にシリコン樹脂中子を用いて焼結用成形
体の成形を行った。シリコン樹脂中子は全く吸水性がな
いため前記形状の型では部位により着肉する時間が異な
り、シリコン樹脂中子に囲まれた面は非常に着肉が遅く
なり内部が未固化の状態となり引けを生じてしまい健全
な成形体は得られなかった。そこで成形体として健全な
ものが得られるような形状寸法にしたシリコン樹脂中子
に変更して変形、割れ、および切れの入らない成形体を
成形し、これを焼結してみたがそのほとんどに割れが発
生し割れなかったものも大きな変形を生じていた。これ
は吸水面と非吸水面とがあるため着肉が均一に進まず成
形体内部に密度むらを生じたためと考えられる。したが
ってシリコン樹脂中子では形状寸法に制約があることと
変形が問題となる。
体の成形を行った。シリコン樹脂中子は全く吸水性がな
いため前記形状の型では部位により着肉する時間が異な
り、シリコン樹脂中子に囲まれた面は非常に着肉が遅く
なり内部が未固化の状態となり引けを生じてしまい健全
な成形体は得られなかった。そこで成形体として健全な
ものが得られるような形状寸法にしたシリコン樹脂中子
に変更して変形、割れ、および切れの入らない成形体を
成形し、これを焼結してみたがそのほとんどに割れが発
生し割れなかったものも大きな変形を生じていた。これ
は吸水面と非吸水面とがあるため着肉が均一に進まず成
形体内部に密度むらを生じたためと考えられる。したが
ってシリコン樹脂中子では形状寸法に制約があることと
変形が問題となる。
【0010】(実施例2)図6〜図10のものは鋳込み
成形用型として上下主型を使用する実施例で、図6、図
7は、5号ケイ砂に硬化剤として常温硬化性の二液性エ
ポキシ樹脂を添加(対砂3wt%)して混練後、木型と
枠により画成する空間に投入して突き固めて得られた下
砂型5(図6)、上砂型6(図7)であってこの上下砂
型6、5はそれぞれ真空吸引可能(真空ポンプ7、7吸
引管8、8)にされた型枠9、9に嵌合セットされる。
なおこの嵌合セットは上下砂型6、5の型表面(鋳込み
スラリーに接する面)側を開放状態にされる。次に型枠
9に嵌合セットされた下砂型5は、図8に示すようにパ
ルプ繊維を1wt%分散して撹拌しているタンク10の
中に前記開放されている型表面部分を浸けると共に型枠
9を真空ポンプ7に連通させて下砂型5に吸引作用を働
かせる。この作用により下砂型5の型表面に約2mm厚
さのパルプ繊維が着肉(堆積層5A)されたところで引
き上げて乾燥させ下主型11を成形する。同様にして型
枠9に嵌合セットされた上砂型6の型表面部にも約2m
m厚さのパルプ繊維を着肉(堆積層6A)させた上主型
12を成形する。
成形用型として上下主型を使用する実施例で、図6、図
7は、5号ケイ砂に硬化剤として常温硬化性の二液性エ
ポキシ樹脂を添加(対砂3wt%)して混練後、木型と
枠により画成する空間に投入して突き固めて得られた下
砂型5(図6)、上砂型6(図7)であってこの上下砂
型6、5はそれぞれ真空吸引可能(真空ポンプ7、7吸
引管8、8)にされた型枠9、9に嵌合セットされる。
なおこの嵌合セットは上下砂型6、5の型表面(鋳込み
スラリーに接する面)側を開放状態にされる。次に型枠
9に嵌合セットされた下砂型5は、図8に示すようにパ
ルプ繊維を1wt%分散して撹拌しているタンク10の
中に前記開放されている型表面部分を浸けると共に型枠
9を真空ポンプ7に連通させて下砂型5に吸引作用を働
かせる。この作用により下砂型5の型表面に約2mm厚
さのパルプ繊維が着肉(堆積層5A)されたところで引
き上げて乾燥させ下主型11を成形する。同様にして型
枠9に嵌合セットされた上砂型6の型表面部にも約2m
m厚さのパルプ繊維を着肉(堆積層6A)させた上主型
12を成形する。
【0011】次に下主型11の上部に上主型12を型合
わせして図9に示すように成形空間Rを画成すると共に
前記真空ポンプ7、7と型枠9、9を連通して上下主型
12、11に真空吸引作用を働かせながら前記成形空間
Rにスラリータンク13を鋳込み管14を介して連通す
る。このスラリータンク13には高純度アルミナ(純度
99.5%以上)の水スラリーSが溜められていて水ス
ラリーSの鋳込みが成され、アルミナは真空吸引作用を
受けながら成形空間Rに着肉されてゆく。着肉が終了し
アルミナの締まりが十分に進んで成形体の強度がでた時
点で脱型したところ図10に示すような焼結用成形体W
(外形寸法250×200×50mmで150×20×
40mmの角溝3本を形成)を得た。この焼結用成形体
Wも実施例1と同様にパルプ繊維で構成された堆積層5
A、6Aが焼結用成形体Wの乾燥収縮を吸収するため変
形、割れおよび切れの欠陥のない健全な成形体に成形さ
れ、焼結をしても何等問題は発生しなかった。
わせして図9に示すように成形空間Rを画成すると共に
前記真空ポンプ7、7と型枠9、9を連通して上下主型
12、11に真空吸引作用を働かせながら前記成形空間
Rにスラリータンク13を鋳込み管14を介して連通す
る。このスラリータンク13には高純度アルミナ(純度
99.5%以上)の水スラリーSが溜められていて水ス
ラリーSの鋳込みが成され、アルミナは真空吸引作用を
受けながら成形空間Rに着肉されてゆく。着肉が終了し
アルミナの締まりが十分に進んで成形体の強度がでた時
点で脱型したところ図10に示すような焼結用成形体W
(外形寸法250×200×50mmで150×20×
40mmの角溝3本を形成)を得た。この焼結用成形体
Wも実施例1と同様にパルプ繊維で構成された堆積層5
A、6Aが焼結用成形体Wの乾燥収縮を吸収するため変
形、割れおよび切れの欠陥のない健全な成形体に成形さ
れ、焼結をしても何等問題は発生しなかった。
【0012】なお上記実施例1、2では中子C又は上下
主型12、11の型表面の遮蔽部材として段ボール紙1
やパルプ繊維6A、5Aを使用し、またバックアップ材
としてアルミナ粉や砂型5、6を使用したがこれに限定
するものではなく遮蔽部材として紙やパルプ繊維のほか
布地、木粉、合成繊維、樹脂粉など各種の繊維状物や粒
子状物の堆積層、あるいは連通孔を有する樹脂多孔質膜
など吸湿性もしくは透水性を有すると共に適度の変形能
を有するものであればよく、またバックアップ材として
アルミナ粉あるいは砂型のほか粉粒体骨材、連通孔を有
する多孔質体あるいは骨材で補強された多孔膜など遮蔽
部材を補強して強度を持たせて形状の保持を図ると共に
溶媒を吸湿保持もしくは透過する機能を有するもので構
成されていればよい。
主型12、11の型表面の遮蔽部材として段ボール紙1
やパルプ繊維6A、5Aを使用し、またバックアップ材
としてアルミナ粉や砂型5、6を使用したがこれに限定
するものではなく遮蔽部材として紙やパルプ繊維のほか
布地、木粉、合成繊維、樹脂粉など各種の繊維状物や粒
子状物の堆積層、あるいは連通孔を有する樹脂多孔質膜
など吸湿性もしくは透水性を有すると共に適度の変形能
を有するものであればよく、またバックアップ材として
アルミナ粉あるいは砂型のほか粉粒体骨材、連通孔を有
する多孔質体あるいは骨材で補強された多孔膜など遮蔽
部材を補強して強度を持たせて形状の保持を図ると共に
溶媒を吸湿保持もしくは透過する機能を有するもので構
成されていればよい。
【0013】
【発明の効果】本発明は上記の説明から明らかなよう
に、遮蔽部材が鋳込みスラリーの溶媒に対し吸湿性もし
くは透過性を有すると共に変形能を有し、バックアップ
材が粉粒体もしくは多孔体で成り形状保持を図ることが
できると共に溶媒の吸湿もしくは透過機能を有する鋳込
み成形用中子・型の構成としたから、高純度セラミック
スを凹凸の激しい複雑形状の焼結用成形体の鋳込み成形
に歩留まりよくかつ容易に成形できる効果がある。
に、遮蔽部材が鋳込みスラリーの溶媒に対し吸湿性もし
くは透過性を有すると共に変形能を有し、バックアップ
材が粉粒体もしくは多孔体で成り形状保持を図ることが
できると共に溶媒の吸湿もしくは透過機能を有する鋳込
み成形用中子・型の構成としたから、高純度セラミック
スを凹凸の激しい複雑形状の焼結用成形体の鋳込み成形
に歩留まりよくかつ容易に成形できる効果がある。
【図1】空中子の組立て状態を示す斜視図である。
【図2】石膏下主型を示す斜視図である。
【図3】石膏上主型を示す斜視図である。
【図4】上下主型および中子を型合わせした状態を示す
断面図である。
断面図である。
【図5】成形された焼結よう成形体を示す斜視図であ
る。
る。
【図6】下砂型を示す斜視図である。
【図7】上砂型を示す斜視図である。
【図8】下主型に遮蔽部材を着肉させた状態を示す断面
図である。
図である。
【図9】上下主型を型合わせしスラリーを鋳込み成形す
る準備状態を示す断面図である。
る準備状態を示す断面図である。
【図10】成形された焼結用成形体を示す斜視図であ
る。
る。
1 空中子 1A 蓋体 1B 開放部 2 石膏下主型 3 石膏上主型 3C 鋳込み口 5 下砂型 5A 6A 堆積層 6 上砂型 7 真空ポンプ 9 型枠 10 タンク 11 下主型 12 上主型 13 スラリータンク C 中子 S 水スラリー W 焼結用成形体
Claims (3)
- 【請求項1】 鋳込みスラリーに接する表面部が粉粒
体、もしくは繊維物質の堆積層あるいは多孔膜で形成さ
れた吸湿性もしくは透過性を有する遮蔽部材で成り、そ
の内面部あるいは背面部が粉粒体もしくは多孔体により
バックアップされていることを特徴とする鋳込み成形用
中子・型。 - 【請求項2】 吸湿性もしくは透過性を有する段ボール
紙を折り曲げ加工して一面を開放した箱体に組み立てる
空中子組立工程と、該空中子に粉粒体あるいは多孔体を
バックアップ材として充填あるいは挿入するバックアッ
プ材充填工程と、前記箱体の開放された一面を閉じる封
鎖工程と、から成ることを特徴とする鋳込み成形用中子
の製造方法。 - 【請求項3】 粉粒体に硬化剤を添加混合して得た造型
材料を型形状に造型すると共に硬化させる粉粒体型造型
工程と、造型硬化された粉粒体型をその成形表面部を開
放させて型枠内にセットする粉粒体型組立工程と、前記
組立てられた粉粒体型の成形表面部をパルプ繊維分散液
に浸けると共に前記型枠体を介して粉粒体型に真空吸引
作用を働かせて成形表面部に前記パルプ繊維を吸引着肉
させる遮蔽部材着肉工程と、前記遮蔽部材を着肉させた
粉粒体型をパルプ繊維分散液から引き上げて乾燥させる
型乾燥工程と、から成ることを特徴とする鋳込み成形用
型の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13597697A JPH10309711A (ja) | 1997-05-09 | 1997-05-09 | 鋳込み成形用中子・型及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13597697A JPH10309711A (ja) | 1997-05-09 | 1997-05-09 | 鋳込み成形用中子・型及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10309711A true JPH10309711A (ja) | 1998-11-24 |
Family
ID=15164283
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13597697A Pending JPH10309711A (ja) | 1997-05-09 | 1997-05-09 | 鋳込み成形用中子・型及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10309711A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105150379A (zh) * | 2015-09-29 | 2015-12-16 | 湖州中辰建设有限公司 | 一种水泥胶砂搅拌装置 |
CN105171924A (zh) * | 2015-09-29 | 2015-12-23 | 湖州中辰建设有限公司 | 一种水泥胶砂搅拌装置用自动下料器 |
CN105459246A (zh) * | 2014-09-11 | 2016-04-06 | 广东松发陶瓷股份有限公司 | 一种日用瓷高压注浆成型机 |
CN106426552A (zh) * | 2016-08-12 | 2017-02-22 | 桂林市福泰建材有限责任公司 | 一种弧形叶片水泥搅拌装置 |
JP2023512864A (ja) * | 2019-11-06 | 2023-03-30 | フラウンホーファー-ゲゼルシャフト ツア フェーアデルング デア アンゲヴァンテン フォルシュング エー.ファオ. | Na-β-アルミネートからの成形体の製造 |
-
1997
- 1997-05-09 JP JP13597697A patent/JPH10309711A/ja active Pending
Cited By (6)
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---|---|---|---|---|
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