JPH10309167A - 穀類の連続殺菌方法および装置 - Google Patents

穀類の連続殺菌方法および装置

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JPH10309167A
JPH10309167A JP9137739A JP13773997A JPH10309167A JP H10309167 A JPH10309167 A JP H10309167A JP 9137739 A JP9137739 A JP 9137739A JP 13773997 A JP13773997 A JP 13773997A JP H10309167 A JPH10309167 A JP H10309167A
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JP
Japan
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cereals
extruder
screw
kneading
cooling
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JP9137739A
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English (en)
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Hideyo Yoshida
英代 吉田
Shoichi Kono
省一 河野
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SUEHIRO EPM KK
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SUEHIRO EPM KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 添加剤を添加することなく穀類自身の有する
水分などの揮発性成分を利用して連続的に殺菌するとと
もに、風味を損なわない。 【解決手段】 エクストルーダーにより穀類を流動化状
態で連続して殺菌処理する連続殺菌方法であって、エク
ストルーダー内にて、穀類を充填させつつ冷却移送する
工程と、穀類を混練加熱する工程と、穀類を充填させつ
つ冷却押出する工程とを含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は穀類の連続殺菌方法
およびその装置に関し、とくにエクストルーダーを用い
る穀類の連続殺菌方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】そば、小麦、米等や、その加工品である
そば粉、小麦粉、ジャガイモ澱粉、上新粉、コーンフラ
ワー、脱脂大豆粉、米ぬかなどの穀類は主要な食物とし
て市場で流通しており、これら穀類の品質を維持保存す
ることは重要である。通常これら穀類粉体には 10 数重
量%の水分が含まれており、微生物に由来する酸化反応
などにより穀類中の脂肪酸の酸化が進み、風味が損なわ
れ、品質が低下する場合がある。このため、殺菌などの
処置を行い、微生物に由来する変敗や風味が損なわれる
のを防ぐ必要がある。
【0003】従来、殺菌方法の1例として、過熱水蒸気
による殺菌方法が知られている。この方法は気流管中を
流れる過熱水蒸気に穀類粉体を投入し、移送中に瞬間殺
菌する方法であって、たとえばそば粉の場合、圧力 0.5
〜 3 kg/cm2 G 、温度 120〜260 ℃、滞留時間 5〜 10
sec.の条件で殺菌を行っている。この方法により一般生
菌数や耐熱性菌数は減少するものの、風味が損なわれ、
また脂肪分の多い米ぬかなどでは気流管内でつまりが発
生し運転不能になる場合がある。
【0004】また、殺菌方法の他の例として、オートク
レーブによる高圧殺菌法が知られている。この方法はオ
ートクレーブ中で加圧水蒸気により 100℃以上に加熱す
る方法で、胞子をも殺菌することができるが、水分量が
充分でないと殺菌効率が悪く、また風味を維持すること
ができない。
【0005】さらに、殺菌するとともに、風味を維持す
る方法としてエクストルーダを用い、低温、低水分、短
時間の加熱によって小麦粉等の穀類の品質の劣化を生じ
ることなく滅菌する方法が知られている(特開昭62−
205759号公報)。この方法は、粉体を流動化状態
に保持してエクストルーダ内をスクリューの回転により
通過させる際、エチルアルコールを 0.5〜5 重量%添加
し、エチルアルコールの補完的滅菌作用を利用して、低
水分条件で出口品温が 55 ℃以下となるように加熱押出
処理するものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、エクス
トルーダを用いる方法であってもエチルアルコールを添
加するため、穀類自身の有する本来の風味を維持するこ
とが充分でないという問題があった。たとえば、そば粉
などの特有の風味を有する穀類にとっては充分でなかっ
た。また、風味を維持するため、低温、低水分、短時間
の加熱にすると、とくに耐熱性菌などの滅菌が充分でな
いという問題があった。
【0007】本発明は、このような問題に対処するため
になされたもので、穀類の殺菌処理にあたり、添加剤を
添加することなく穀類自身の有する水分などの揮発性成
分を利用して連続的に風味を損なうことなく穀類を連続
殺菌する方法およびその装置を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の穀類の連続殺菌
方法は、エクストルーダーにより穀類を流動化状態で連
続して殺菌処理する連続殺菌方法であって、エクストル
ーダー内にて、穀類を充填させつつ冷却移送する工程
と、穀類を混練加熱する工程と、穀類を充填させつつ冷
却押出する工程とを含むことを特徴とする。
【0009】また、混練加熱する工程は、穀類が発生す
る揮発性成分により形成される雰囲気中において混練加
熱されることを特徴とする。ここで、穀類が発生する揮
発性成分とは、穀類自身が本来含有している成分や保存
環境によって含有される成分のうち、混練加熱する工程
の条件下で揮発できる成分をいう。そのような揮発性成
分としては水分等を挙げることができる。
【0010】また、冷却押出する工程で押出される穀類
温度は室温〜 80 ℃であることを特徴とする。
【0011】さらに、冷却押出される穀類は、該穀類に
含まれるデンプン質のα化度が実質的に変動しないこと
を特徴とする。ここで、α化度が実質的に変動しないと
は、原料穀類に含まれているデンプン質のα化度が連続
殺菌処理前後において+10%を越えない変動範囲にある
ことをいう。また、α化度はジアスターゼ法によって測
定される値をいう。
【0012】本発明の穀類の連続殺菌装置は、複数の連
続したバレルと、これらのバレルに内設されるスクリュ
ーとを有するエクストルーダー型の穀類の連続殺菌装置
であって、該エクストルーダーは、冷却移送部と、混練
加熱部と、冷却押出部とが穀類供給部側より順に形成さ
れ、スクリューがスクリュー軸芯に嵌合するスクリュー
体と少なくとも 1枚のディスク片からなるディスク体と
の連結体より構成され、冷却移送部および冷却押出部に
は少なくともフォワードスクリュー体およびディスク体
が、混練加熱部には少なくともニーディングディスク体
が配置されてなることを特徴とする。
【0013】また、エクストルーダーが 2軸エクストル
ーダーであり、スクリューが出口先端部分で該スクリュ
ー軸の回転軸を軸支する両持ち構造からなることを特徴
とする。
【0014】エクストルーダーにて、混練加熱する工程
の前後に穀類を充填冷却する工程を有することにより、
穀類に含有されている揮発性成分とくに水分がエクスト
ルーダー内で連続的に過飽和となり殺菌できる。また、
この状態であっても穀類は流動化状態を維持するので、
穀類に含まれるデンプン質のα化度の変動を低く抑える
ことができる。本発明によると、穀類に他の添加剤、た
とえばアルコール類などを添加しないこと、および、穀
類に含有されている揮発性成分の揮散を抑えることがで
きるので、穀類自身の有する独自の風味を維持すること
ができる。
【0015】本発明において、殺菌とは、室温において
1ケ月以上穀類を保存しても品質の劣化が生じないレベ
ルに原料穀類に含まれている細菌類を減少させることを
いい、具体的には穀類の中で食品原料として多用されて
いる小麦粉と同じレベルの一般生菌数とすることをい
う。より具体的には一般生菌数を102 〜103 個/g レベ
ルとすることをいう。また、風味とは、香りや匂い、食
感などを含めた感覚であり、とくに原料穀類が有する香
りや匂いをいう。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の穀類の連続殺菌装置の一
例を図1から図3により説明する。図1は連続殺菌装置
を示す図であり、図2(a)はスクリュー体を、図2
(b)および図2(c)は複数個のディスク片が連結さ
れたディスク体の斜視図であり、図3(a)はスクリュ
ー軸芯にスクリュー体およびディスク体が嵌合する様子
を、図3(b)はスクリューを示す斜視図である。本発
明の連続殺菌装置は、図1に示すように、エクストルー
ダー型殺菌装置であり、スクリューを内設するバレル
2、スクリューを駆動するためのモータ3、原料供給部
4、原料吐出部(図示を省略)およびスクリューを軸支
する軸固定部5より構成されている。本発明の連続殺菌
装置は、スクリューを複数本有する多軸エクストルーダ
ーであることが好ましく、とくにスクリューを 2本有す
る 2軸エクストルーダーがより好ましい。また、 2軸エ
クストルーダーの場合、スクリューが出口先端部分で該
スクリュー軸の回転軸を軸支する両持ち構造からなるこ
とが好ましい。このような両持ち構造とすることによ
り、混練加熱部の前後において穀類を充分に充填冷却す
ることができる。
【0017】スクリューは、たとえば 2軸エクストルー
ダーの場合、平面図的にみてバレル2内に平行に並列配
置されている。バレル2は、たとえば 2軸エクストルー
ダーの場合、スクリュー軸に直角となる断面図的にみて
まゆ型形状をしており、このまゆ型形状内に 2本のスク
リューが内設されている。また、図1に示すように全体
が複数個に分割され、それぞれのバレル内の温度および
圧力が検知できるようになっている。バレル内の温度調
節はバレル外側に設けられた電熱あるいは高温水蒸気等
による加熱装置と、水冷あるいは空冷等による冷却装置
とにより任意の温度に調節される。
【0018】本発明の連続殺菌装置にあっては、この加
熱装置と冷却装置とにより冷却移送部と冷却押出部内で
の穀類の温度を下げ、混練加熱部の穀類の温度を上げる
ことができる。なお、穀類はバレル内を全体として連続
移送されるので、バレルの設定温度とバレル内穀類との
温度とは一致しない。したがって、冷却移送部や混練加
熱部等の境界も冷却や加熱をしているバレルの境界と必
ずしも一致しない。本発明の連続殺菌装置にあっては、
混練加熱部の両端に穀類の充填層を形成できるスクリュ
ーパターンとするものである。
【0019】スクリュー1は、図2および図3に示すよ
うに、スクリュー軸芯6に嵌合するスクリュー体7およ
びディスク体8の連結体より構成される。スクリュー体
7にはバレル内の穀類を前進させるフォワードスクリュ
ー体あるいは後退させるリバーススクリュー体がある。
また、ディスク体8は、同一または異なった厚さのディ
スク片8aを複数個組み合わせることにより穀類をバレ
ル2内で混練・剪断するニーディングディスク体、前進
させるフォワードディスク体、あるいは後退させるリバ
ースディスク体とすることができる。すなわち、円周面
に対して凸状部8bおよび凹状部8cを有するディスク
片8aを複数枚準備しスクリュー軸芯6上にて嵌合連結
する場合において、スクリューを平面図的にみて連結さ
れる 1つおきの凸状部8bまたは凹状部8cの軌跡が軸
芯に平行となるように順にディスク片8aを配置するこ
とにより、混練・剪断機能を有するニーディングディス
ク体とすることができる(図2(b))。また、連結さ
れる凸状部8bまたは凹状部8cの軌跡が軸芯に対して
所定の角度を有するように順にディスク片8aを配置す
ることにより、フォワードディスク体、あるいはリバー
スディスク体とすることができる(図2(c))。な
お、ニーディングディスク体であってもディスク片8a
の円周面にテーパーを設けることによりフォワードディ
スク体、あるいはリバースディスク体とすることができ
る。スクリュー1は、このようなスクリュー体7および
ディスク体8を連結することにより、バレル内にて穀類
を移送、充填、混練、押出し等、任意の状態にすること
ができる。また、これらの状態を任意に組合わせること
ができる。
【0020】本発明の連続殺菌装置は、冷却移送部およ
び冷却押出部には少なくともフォワードスクリュー体お
よびディスク体を、混練加熱部には少なくともニーディ
ングディスク体を配置することにより、混練加熱部の前
後で穀類を充填させつつ流動化状態で連続して殺菌処理
することができる。
【0021】本発明の穀類を連続的に殺菌する連続殺菌
方法について説明する。この連続殺菌方法はエクストル
ーダーを用いて行うが、用いるエクストルーダーとして
は、穀類を充填させつつ冷却移送、混練加熱および充填
させつつ冷却押出することのできるエクストルーダーで
あれば使用することができる。好ましいエクストルーダ
ーとしては、上述の多軸エクストルーダーがあり、より
好ましくは、両持ち構造を有する 2軸エクストルーダー
を挙げることができる。上述の 2軸エクストルーダーで
あると、エクストルーダーのバレル内部で流動化された
穀類は、バレル面の接触抵抗により流速を落とし、常に
反転する動きとともに全体はひょうたん軌道を描きなが
ら相対するスクリュー体およびディスク体からなるスク
リューにより 2分割されながら移送充填、混練加熱およ
び充填押出しされる。このため、混練加熱される前後に
充填層を形成しながら容易に殺菌処理をすることができ
る。また、温度管理も容易に行うことができる。
【0022】本発明に係る穀類を充填させつつ冷却移送
する工程は、原料供給部より供給された穀類がバレル内
を移送されつつ充填層を形成する工程である。この工程
での冷却は、バレル内で充填層を形成した穀類が加熱さ
れ、デンプン質が糊化現象やα化変性を起こすことを抑
えるためである。バレル温度としては原料供給部を室温
〜 60 ℃程度、およびこのバレルに連結しているバレル
温度を混練加熱部の温度以下とすることが好ましい。バ
レル内の穀類の温度を上昇させず、効果的に充填層を形
成し、つぎの混練加熱を行うためである。
【0023】バレル内での穀類の移送および充填層の形
成は、スクリュー体とディスク体との形状や組合わせを
選択することにより行うことができる。穀類を充填させ
つつ冷却移送する工程においては、少なくともフォワー
ドスクリュー体およびディスク体が組合わされているス
クリューを用いることが好ましい。ディスク体として
は、とくにニーディングディスク体が好ましい。フォワ
ードスクリュー体により穀類の移送が、ニーディングデ
ィスク体により充填層が形成される。なお、充填層の充
填度合いを高めるために、リバースディスク体を組合わ
せることができる。
【0024】本発明に係る穀類を混練加熱する工程は、
バレル内で形成される 2つの充填層間に閉じ込められ穀
類を流動化状態に維持しつつ加熱することにより、連続
的に殺菌する工程である。本発明においては、原料供給
時あるいは混練加熱時において水分やアルコール類など
の他物質を添加することなく、穀類が発生する揮発性成
分により形成される雰囲気中において混練加熱されるこ
とが好ましい。穀類が発生する揮発性成分としては、水
分、香りや匂い成分などを挙げることができる。本発明
においては、 1〜 20 重量%、好ましくは 3〜 18 重量
%程度の水分量を含む穀類であれば、原料穀類の水分の
みで連続的に殺菌することができる。また、加熱下にお
いて流動化状態を維持することができる。
【0025】加熱温度は、穀類の種類や形状によって異
なるが、エクストルーダーを用いる殺菌方法において、
穀類の含有する水分下で、デンプン質の変性を起こすこ
となく、また風味を損なうことなく、殺菌できる温度で
あればよい。穀類のデンプン質は、水分量が多くなるに
したがって糊化現象やα化変性を容易に起こしやすくな
るが、本発明においては、穀類自身が有する平衡水分量
以上は混練加熱工程で用いないので、殺菌できる温度を
一般に約 60 ℃程度の糊化開始温度より高く設定するこ
とができる。具体的には、穀類の処理量が 50 〜250kg/
hr. 程度のエクストルーダーの場合、バレルの温度を 8
0 〜220 ℃、好ましくは 100〜200 ℃に設定することが
好ましい。この場合、穀類の平均温度は 40 〜 80 ℃程
度となる。
【0026】穀類を混練加熱する工程においては、少な
くともニーディングディスク体が組込まれたスクリュー
を用いることが好ましい。ニーディングディスク体が組
込まれることにより、バレルの熱を効果的に取り込み有
効に熱交換を行いながら穀類を混練加熱することができ
る。なお、穀類の種類や形状により、ニーディングディ
スク体とともにフォワードディスク、リバースディスク
またはフォワードスクリュー体などを組合わせることが
できる。
【0027】本発明に係る穀類を充填させつつ冷却押出
する工程は、充填層を形成しつつ殺菌された穀類を冷却
して押出す工程である。充填層の形成および穀類の冷却
押出は、ディスク体やスクリュー体の形状や組合わせを
選択することにより行うことができる。本工程において
は、少なくともフォワードスクリュー体およびディスク
体が組合わされているスクリューを用いることが好まし
い。押出し時に穀類を充分に冷却しながらエクストルー
ダーより押出しすることができる。好ましい組合わせは
フォワードスクリュー体およびニーディングディスク体
である。なお、ニーディングディスク体の代わりに穀類
の押出し量を少なくできるフォワードディスク体を単独
であるいは組合わせて用いてもよい。
【0028】本工程における冷却は、エクストルーダー
より押出される穀類の温度を室温〜80 ℃とすることの
できる冷却方法であればよい。この温度に設定すること
により、エクストルーダーより押出される穀類が風味を
損なうことなく、また、原料穀類に含まれていた水分な
どの揮発性成分を揮散することなく殺菌できる。具体的
な冷却方法としては、バレル温度を室温〜 50 ℃、好ま
しくは室温〜 40 ℃に設定することにより穀類を 80 ℃
以下とすることができる。
【0029】本発明の穀類の連続殺菌方法は、エクスト
ルーダーより押出される穀類に含まれるデンプン質のα
化度を実質的に変動させない方法である。α化度を実質
的に変動させないことによりそれぞれの穀類が有する独
自の風味を維持することができる。α化度を実質的に変
動させなくする方法としては、穀類を混練加熱する工程
において、水分量を少なくしてバレル内での穀類を流動
化状態に維持する方法であればよい。具体的には、混練
加熱する工程において、ニーディングディスク体を配置
し、混練加熱する前後に充填層を設けることによりα化
度の変化を抑えることができる。
【0030】本発明の穀類の殺菌方法に好適なスクリュ
ーパターン例を図4により説明する。図4は、両持ち構
造を有する 2軸エクストルーダーにおけるスクリューパ
ターンの模式図と 6分割されたバレルの設定温度状態を
示す図である。スクリューパターンA、BおよびCは、
それぞれフォワードスクリュー体7a、ニーディングデ
ィスク体9およびフォワードディスク体10が連結され
て構成されている。また、バレル2は原料穀類供給部側
11と押出し出口側12とが冷却され、中間部13が加
熱されている。このようなバレル温度設定と、スクリュ
ーパターンA、BおよびCを有するスクリューにより、
フォワードスクリュー体7a、ニーディングディスク体
9から構成される冷却移送部および充填層を、すくなく
ともニーディングディスク体9から構成された混練加熱
部を、およびすくなくともニーディングディスク体9お
よび/またはフォワードスクリュー体7aから構成され
る充填層および冷却押出し部をバレル内で形成すること
ができる。
【0031】なお、本発明の殺菌方法に好適な 2軸エク
ストルーダーの押出し条件は、穀類の処理量が 50 〜25
0kg/hr. 程度のエクストルーダーの場合、スクリュー回
転数50 〜300rpm、好ましくは 90 〜160rpm、バレル内
滞留時間 20 〜100 秒、好ましくは 30 〜 60 秒が好適
である。
【0032】本発明に係る殺菌方法および殺菌装置は、
穀類であれば適用することができ、穀類に含まれるデン
プン質はアミロースやアミロペクチンの含有量に拘らず
適用できる。そのような穀類としては、米、トウモロコ
シ、モロコシ、小麦、大麦、裸麦、エン麦、ライ麦、そ
ば、粟、稗、黍、里イモ、ジャガイモ、ユリ、カタク
リ、栗、しわえんどう、クズ、サツマイモ、山イモ、大
豆、小豆、そら豆、インゲン豆、エンドウ、タピオカ、
リョクトウなどに適用でき、とくにこれらの穀類を粉末
状にした穀類粉末、たとえば脱脂大豆粉、そば粉、上新
粉、米ぬか、コーンフラワー、ジャガイモデンプン粉等
の殺菌に好適である。また、糖衣錠などに使用されるデ
ンプンを含む医薬用粉末の殺菌にも使用することができ
る。さらに、胡椒、唐辛子、カレー粉、ナツメグ等の香
辛料にも適用することができる。
【0033】
【実施例】
実施例1〜実施例7および比較例1〜比較例2 両持ち構造を有する 2軸エクストルーダーとして、アル
ファライザー100型(株式会社スエヒロ イー・ピー
・エム社製商品名)を準備し、図4に示すスクリューパ
ターンに構成して、原料穀類としてそば粉を用いて、そ
の殺菌処理を連続して行った。殺菌処理の運転条件を表
1に示す。なお、殺菌処理前の原料そば粉は、 1.2×10
6 個/g の一般生菌数が含まれ、大腸菌群は陽性であっ
た。また、その水分量が 13.5 重量%であり、α化度は
69.8 %であった。処理後のそば粉の特性を以下の方法
により評価した。評価結果を表1に示す。
【0034】1)水分量 処理後のそば粉を水分計FD−230(ケット社製商品
名)により測定した。 2)菌数 一般生菌数分析用プレートのペトリフィルムACプレー
ト(スリーエムヘルスケア社製商品名)を用いて、標準
寒天平板培地法により処理後のそば粉に含まれる生菌数
を測定した。 3)風味 官能試験により処理後のそば粉の香りと匂いを測定し
た。官能試験は、処理後のそば粉 5g に対して熱水 10g
を加え、均一に混練した後、パネラー 5人によりそのそ
ば粉の香りと匂いを、処理前のそば粉と比較して判定す
ることにより行った。評価点はパネラー 5人の平均値を
4捨5入で示した。判定基準は、そば粉の香りと匂いが
処理前と同じく感じる場合の評価点を5、処理前と同じ
でないが、そば粉の香りと匂いを強く感じる場合の評価
点を4、そば粉の香りと匂いを弱く感じる場合の評価点
を3、そば粉の香りと匂いを微かに感じる場合の評価点
を2、そば粉の香りと匂いを全く感じない場合の評価点
を1とした。 4)α化度 処理後のそば粉を用いて、上述のジアスターゼ法によっ
て測定した。
【0035】
【表1】
【0036】表1に示すように、実施例1〜実施例7で
処理したそば粉は、菌数が処理前の106 個/g のレベル
から、102 〜103 個/g のレベルと減少し、殺菌処理を
することができた。実施例7においては、耐熱性菌が 3
00個/g 、大腸菌群は陰性であった。また、得られたそ
ば粉は、α化度の変動が小さく、原料そば粉の水分量の
低下も少なく、さらに風味にも優れていた。比較例1お
よび比較例2においては、押出される穀類温度が 80 ℃
を越えているため、風味が損なわれていた。
【0037】
【発明の効果】本発明の連続殺菌方法は、エクストルー
ダーを用いて穀類を充填させつつ冷却移送する工程と、
混練加熱する工程と、充填させつつ冷却押出する工程と
を含むので、穀類自身の有する水分などの揮発性成分を
利用して連続的に、かつ風味を損なうことなく殺菌する
ことができる。
【0038】また、混練加熱する工程が、穀類の発生す
る揮発性成分により形成される雰囲気中においてなされ
るので、添加剤を添加することなく連続殺菌処理でき
る。
【0039】また、冷却押出する工程で押出される穀類
温度が室温〜 80 ℃とするので、とくに風味を損なうこ
とがない。さらに、押出される穀類に含まれるデンプン
質のα化度が実質的に変動しないので、原料の品位を維
持したまま殺菌処理をすることができる。
【0040】本発明の連続殺菌装置は、エクストルーダ
ー型であって、冷却移送部および冷却押出部には少なく
ともフォワードスクリュー体およびディスク体が、混練
加熱部には少なくともニーディングディスク体が配置さ
れてなるスクリューを用いるので、穀類自身の有する水
分などの揮発性成分を利用して連続的に、かつ風味を損
なうことなく穀類を殺菌できる。
【0041】また、両持ち構造からなる 2軸エクストル
ーダーとすることにより、効果的に短時間で殺菌でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】連続殺菌装置を示す図である。
【図2】スクリュー体およびディスク体を示す図であ
る。
【図3】スクリューおよびその構造を示す図である。
【図4】スクリューパターンを示す図である。
【符号の説明】
1 スクリュー 2 バレル 3 モータ 4 原料供給部 5 軸固定部 6 スクリュー軸芯 7 スクリュー体 8 ディスク体 9 ニーディングディスク体 10 フォワードディスク体 11 原料穀類供給部側 12 押出し出口側 13 中間部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エクストルーダーにより穀類を流動化状
    態で連続して殺菌処理する穀類の連続殺菌方法であっ
    て、 前記エクストルーダーにて、前記穀類を充填させつつ冷
    却移送する工程と、前記穀類を混練加熱する工程と、前
    記穀類を充填させつつ冷却押出する工程とを含むことを
    特徴とする穀類の連続殺菌方法。
  2. 【請求項2】 前記混練加熱する工程は、前記穀類が発
    生する揮発性成分により形成される雰囲気中において混
    練加熱されることを特徴とする請求項1記載の穀類の連
    続殺菌方法。
  3. 【請求項3】 前記冷却押出する工程で押出される穀類
    温度は室温〜 80 ℃であることを特徴とする請求項1ま
    たは請求項2記載の穀類の連続殺菌方法。
  4. 【請求項4】 前記冷却押出す工程において押出される
    前記穀類は、該穀類に含まれるデンプン質のα化度が実
    質的に変動しないことを特徴とする請求項1ないし請求
    項3のいずれか1項記載の穀類の連続殺菌方法。
  5. 【請求項5】 複数の連続したバレルと、これらのバレ
    ルに内設されるスクリューとを有するエクストルーダー
    型の穀類の連続殺菌装置であって、 前記エクストルーダーは、冷却移送部と、混練加熱部
    と、冷却押出部とが穀類供給部側より順に形成され、前
    記スクリューがスクリュー軸芯に嵌合するスクリュー体
    と少なくとも 1枚のディスク片からなるディスク体との
    連結体より構成され、前記冷却移送部および前記冷却押
    出部には少なくともフォワードスクリュー体およびディ
    スク体が、前記混練加熱部には少なくともニーディング
    ディスク体が配置されてなることを特徴とする穀類の連
    続殺菌装置。
  6. 【請求項6】 前記エクストルーダーが 2軸エクストル
    ーダーであり、前記スクリューが出口先端部分で該スク
    リュー軸の回転軸を軸支する両持ち構造からなることを
    特徴とする請求項5記載の穀類の連続殺菌装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001286265A (ja) * 2000-04-06 2001-10-16 Japan Steel Works Ltd:The ヌカの高速・高圧押出処理方法
WO2007077954A1 (ja) * 2005-12-28 2007-07-12 Ajinomoto Co., Inc. 食品用滅菌固体蛋白の製造方法
JP2018512865A (ja) * 2015-04-23 2018-05-24 イノベーティブ フード デザイン アイエフディ エービー プロセス

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