JPH10308596A - 電波吸収体 - Google Patents
電波吸収体Info
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- JPH10308596A JPH10308596A JP9134397A JP13439797A JPH10308596A JP H10308596 A JPH10308596 A JP H10308596A JP 9134397 A JP9134397 A JP 9134397A JP 13439797 A JP13439797 A JP 13439797A JP H10308596 A JPH10308596 A JP H10308596A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 VHF帯及びUHF帯において使用されてい
る電波の吸収体は、6〜8mmと厚く、重く、また高価
であるためにその適用場所は電波暗室や高層ビルの外壁
等に限られていた。厚さが2mm程度と簿く材質を変更
すること無く簡便に整合周波数を調整出来るようにした
電波吸収体を提供する。 【解決手段】 電波吸収体1は、電磁波の入射側から順
にチタン酸バリウム等の強誘電体層3、カルボニル鉄系
の軟磁性体層2、短絡層としての金属板4から成る積層
構造である。なお、記号μ,ε,d,γ,Zは、複素透
磁率,複素誘電率,厚さ,伝播定数,特性インピーダ表
しており、添字aは軟磁性体層2を、添字bは強誘電体
層3を表している。
る電波の吸収体は、6〜8mmと厚く、重く、また高価
であるためにその適用場所は電波暗室や高層ビルの外壁
等に限られていた。厚さが2mm程度と簿く材質を変更
すること無く簡便に整合周波数を調整出来るようにした
電波吸収体を提供する。 【解決手段】 電波吸収体1は、電磁波の入射側から順
にチタン酸バリウム等の強誘電体層3、カルボニル鉄系
の軟磁性体層2、短絡層としての金属板4から成る積層
構造である。なお、記号μ,ε,d,γ,Zは、複素透
磁率,複素誘電率,厚さ,伝播定数,特性インピーダ表
しており、添字aは軟磁性体層2を、添字bは強誘電体
層3を表している。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はVHF帯(30MH
z〜300MHz)およびUHF帯(300MHz〜3
GHz)において使用される電波吸収体に関する。
z〜300MHz)およびUHF帯(300MHz〜3
GHz)において使用される電波吸収体に関する。
【0002】
【従来の技術】現在上記の周波数帯において使用されて
いる電波の吸収体は、立方晶フェライトの焼結体やこの
粉末を樹脂中に分散した複合体である。これらの焼結体
や複合体は6〜8mmと厚く、重く、また高価であるた
めにその適用場所は電波暗室や高層ビルの外壁等に限ら
れていた。また、カルボニル鉄を高分子樹脂中に分散し
た複合体は、厚さが2mm程度と比較的簿い物が開発さ
れているが、適用周波数が4GHz以上の物に限られて
いた。また、吸収体の反射減衰量が最大となる整合周波
数が材質によって決まるため、整合周波数の異なる吸収
体を得るためには材質を変更する必要がある点もまた別
の課題として指摘されている。これらの理由を以下に述
べる。
いる電波の吸収体は、立方晶フェライトの焼結体やこの
粉末を樹脂中に分散した複合体である。これらの焼結体
や複合体は6〜8mmと厚く、重く、また高価であるた
めにその適用場所は電波暗室や高層ビルの外壁等に限ら
れていた。また、カルボニル鉄を高分子樹脂中に分散し
た複合体は、厚さが2mm程度と比較的簿い物が開発さ
れているが、適用周波数が4GHz以上の物に限られて
いた。また、吸収体の反射減衰量が最大となる整合周波
数が材質によって決まるため、整合周波数の異なる吸収
体を得るためには材質を変更する必要がある点もまた別
の課題として指摘されている。これらの理由を以下に述
べる。
【0003】電波の吸収体を裏面を金属板で短絡して使
用した場合、吸収された残りの電磁波が反射され、この
反射率が小さいことが電波の吸収体の性能の目安とな
る。垂直に入射した電磁波の反射率Γは、 Γ=(ZE −Z0 )/(ZE +Z0 ) (1) ZE =Ze tanh(γe de ) (2) により与えられる。ここでZE は吸収体の表面から金属
板の方向に向かって測定したインピーダンスであり、Z
e ,γe ,de はそれぞれ吸収体の特性インピーダン
ス、伝播定数、厚さである。またZ0 は真空の特性イン
ピーダンスである。なお、反射減衰量Rは R=20log(Γ) (3) として定義される。特性インピーダンス及び伝播定数は
電磁波の角振動数をωとして、吸収体の複素誘電率
εe 、複素透磁率μe と次の関係がある。 γe =ω(μe εe )1/2 (4) Ze =(μe /εe )1/2 (5) これらの式から、反射減衰量が最大となる整合厚が小さ
い電波の薄型吸収体を得るためには、γe を大きく、従
って透磁率や誘電率の大きな材料を使用することが有利
であることが理解される。
用した場合、吸収された残りの電磁波が反射され、この
反射率が小さいことが電波の吸収体の性能の目安とな
る。垂直に入射した電磁波の反射率Γは、 Γ=(ZE −Z0 )/(ZE +Z0 ) (1) ZE =Ze tanh(γe de ) (2) により与えられる。ここでZE は吸収体の表面から金属
板の方向に向かって測定したインピーダンスであり、Z
e ,γe ,de はそれぞれ吸収体の特性インピーダン
ス、伝播定数、厚さである。またZ0 は真空の特性イン
ピーダンスである。なお、反射減衰量Rは R=20log(Γ) (3) として定義される。特性インピーダンス及び伝播定数は
電磁波の角振動数をωとして、吸収体の複素誘電率
εe 、複素透磁率μe と次の関係がある。 γe =ω(μe εe )1/2 (4) Ze =(μe /εe )1/2 (5) これらの式から、反射減衰量が最大となる整合厚が小さ
い電波の薄型吸収体を得るためには、γe を大きく、従
って透磁率や誘電率の大きな材料を使用することが有利
であることが理解される。
【0004】図6は、立方晶フェライトにおけるSno
ekの限界(例えば、近角聡信著:強磁性体の物理:掌
華房1991年)を示す比透磁率の周波数特性図であ
る。図に示すようにSnoekの限界に縛られて高周波
数になるほど透磁率が減少するため、透磁率に関しては
前述の立方晶フェライトを使用する場合、6mm以下の
吸収体を開発することはできなかった。この立方晶フェ
ライトの透磁率の周波数分散は次式により近似すること
が可能である。 μ(f)=μ0 (1+K/(1+jf/fr )) (6) K=μ1 /μ0 −1 (7) ここでμ1 ,μ0 はそれぞれ初透磁率,真空中の透磁率
である。吸収体の整合厚きを決定する上で重要なパラメ
ータは前述の式におけるKとfr の積S(=K×fr )
である。
ekの限界(例えば、近角聡信著:強磁性体の物理:掌
華房1991年)を示す比透磁率の周波数特性図であ
る。図に示すようにSnoekの限界に縛られて高周波
数になるほど透磁率が減少するため、透磁率に関しては
前述の立方晶フェライトを使用する場合、6mm以下の
吸収体を開発することはできなかった。この立方晶フェ
ライトの透磁率の周波数分散は次式により近似すること
が可能である。 μ(f)=μ0 (1+K/(1+jf/fr )) (6) K=μ1 /μ0 −1 (7) ここでμ1 ,μ0 はそれぞれ初透磁率,真空中の透磁率
である。吸収体の整合厚きを決定する上で重要なパラメ
ータは前述の式におけるKとfr の積S(=K×fr )
である。
【0005】図7は整合厚さと初透磁率の関係を計算に
より求めた結果を示したものである。整合厚さは初透磁
率には殆ど依存せずパラメータSでほぼ決まり、初透磁
率が大きいほど低い整合周波数を持つ。このSの値は立
方晶フェライトでは6GHz程度であり、この値から決
まる整合厚さが先に述べた8mmである。Snoekの限
界には制約されないカルボニル鉄系の材料ではSが20
〜30程度の値を持つことから、2mm以下の整合厚さ
が可能となる。しかし、カルボニル鉄系の材料は初透磁
率が8程度以下のものしか得られないため整合周波数が
高く、数GHz以下の周波数領域では同様に薄い吸収体
を提供することはできなかった。
より求めた結果を示したものである。整合厚さは初透磁
率には殆ど依存せずパラメータSでほぼ決まり、初透磁
率が大きいほど低い整合周波数を持つ。このSの値は立
方晶フェライトでは6GHz程度であり、この値から決
まる整合厚さが先に述べた8mmである。Snoekの限
界には制約されないカルボニル鉄系の材料ではSが20
〜30程度の値を持つことから、2mm以下の整合厚さ
が可能となる。しかし、カルボニル鉄系の材料は初透磁
率が8程度以下のものしか得られないため整合周波数が
高く、数GHz以下の周波数領域では同様に薄い吸収体
を提供することはできなかった。
【0006】図8は、反射減衰量周波数分散の厚さ依存
性を示す特性図である。図に示すように、反射減衰量R
は吸収体の厚さに依存しており、厚さが変化するとRが
極大となる周波数や極大値が変化する。しかし、十分に
大きなRを与える厚さ(整合厚さ)は限られており、従
ってその時の周波数(整合周波数)も限られたものにな
る。整合周波数が異なる吸収体を得るためには、吸収体
の材質を変更する必要がある。
性を示す特性図である。図に示すように、反射減衰量R
は吸収体の厚さに依存しており、厚さが変化するとRが
極大となる周波数や極大値が変化する。しかし、十分に
大きなRを与える厚さ(整合厚さ)は限られており、従
ってその時の周波数(整合周波数)も限られたものにな
る。整合周波数が異なる吸収体を得るためには、吸収体
の材質を変更する必要がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記に鑑み
てなされたものであり、整合厚さの薄いカルボニル鉄系
材料の整合周波数を下げ、より低い周波数での適用を可
能にすること、及び立方晶フェライト系の吸収体も含め
て、材質を変更すること無く簡便に整合周波数を調整出
来るようにしたVHF帯及びUHF帯用の電波吸収体を
提供することを目的とする。
てなされたものであり、整合厚さの薄いカルボニル鉄系
材料の整合周波数を下げ、より低い周波数での適用を可
能にすること、及び立方晶フェライト系の吸収体も含め
て、材質を変更すること無く簡便に整合周波数を調整出
来るようにしたVHF帯及びUHF帯用の電波吸収体を
提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明の電波吸収体は、カルボニル鉄系の軟磁性体ある
いは立方晶フェライト軟磁性体等従来から用いられてい
る吸収体とチタン酸バリウム等の強誘電体を積層させた
構造を有することを要旨とする。
本発明の電波吸収体は、カルボニル鉄系の軟磁性体ある
いは立方晶フェライト軟磁性体等従来から用いられてい
る吸収体とチタン酸バリウム等の強誘電体を積層させた
構造を有することを要旨とする。
【0009】
【発明の実施の形態】上記課題を解決するために本発明
の電波吸収体は、VHF帯及びUHF帯用であり、電磁
波の入射側から順に強誘電体層、軟磁性体層、短絡層を
設けた積層構造を有することに特徴を有し、前記強誘電
体層にチタン酸バリウムの焼結体あるいは前記チタン酸
バリウムの樹脂分散材を、前記軟磁性体層に50〜95
%カルボニル鉄粒子の樹脂分散材を用いたことに特徴を
有し、前記強誘電体層に厚さが0.1〜1.5mmのチ
タン酸バリウムの焼結体あるいは前記チタン酸バリウム
の樹脂分散材、前記軟磁性体層に厚さが1.0〜4.0
mmの50〜95%カルボニル鉄粒子の樹脂分散材を用
いたことに特徴を有し、前記強誘電体層にチタン酸バリ
ウムの焼結体あるいは前記チタン酸バリウムの樹脂分散
材を、前記軟磁性体層にフェライトの焼結体あるいは前
記フェライトの樹脂分散材を用いたことに特徴を有し、
前記強誘電体層に厚さが0.1〜1.5mmのチタン酸
バリウムの焼結体あるいは前記チタン酸バリウムの樹脂
分散材を、前記軟磁性体層に厚さが4.0〜10.0m
mの前記フェライトの焼結体あるいはフェライトの樹脂
分散材を用いたことに特徴を有している。
の電波吸収体は、VHF帯及びUHF帯用であり、電磁
波の入射側から順に強誘電体層、軟磁性体層、短絡層を
設けた積層構造を有することに特徴を有し、前記強誘電
体層にチタン酸バリウムの焼結体あるいは前記チタン酸
バリウムの樹脂分散材を、前記軟磁性体層に50〜95
%カルボニル鉄粒子の樹脂分散材を用いたことに特徴を
有し、前記強誘電体層に厚さが0.1〜1.5mmのチ
タン酸バリウムの焼結体あるいは前記チタン酸バリウム
の樹脂分散材、前記軟磁性体層に厚さが1.0〜4.0
mmの50〜95%カルボニル鉄粒子の樹脂分散材を用
いたことに特徴を有し、前記強誘電体層にチタン酸バリ
ウムの焼結体あるいは前記チタン酸バリウムの樹脂分散
材を、前記軟磁性体層にフェライトの焼結体あるいは前
記フェライトの樹脂分散材を用いたことに特徴を有し、
前記強誘電体層に厚さが0.1〜1.5mmのチタン酸
バリウムの焼結体あるいは前記チタン酸バリウムの樹脂
分散材を、前記軟磁性体層に厚さが4.0〜10.0m
mの前記フェライトの焼結体あるいはフェライトの樹脂
分散材を用いたことに特徴を有している。
【0010】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図1は、本発明の電波吸収体の最も基本的な構
造を示す構造図である。図において、1は電波吸収体、
2は軟磁性体層、3は強誘電体層、4は短絡層としての
金属板である。図に示す構造の電波吸収体1では式2に
示すインピーダンスは次式のように書き換えられる。 ZA =(Za tanh(γa da )+Zb tanh(γb db )) /(1+(Za /Zb )tanh(γa da )tanh(γb db )) (8) ここでZa 、γa およびda は軟磁性体層2の特性イン
ピーダンス、伝播定数および厚きであり、Zb 、γb お
よびdb は強誘電体層3の特性インピーダンス、伝播定
数および厚きである。この結果、整合周波数及び整合厚
さは軟磁性体単体の場合とは少し異なった値となる。
明する。図1は、本発明の電波吸収体の最も基本的な構
造を示す構造図である。図において、1は電波吸収体、
2は軟磁性体層、3は強誘電体層、4は短絡層としての
金属板である。図に示す構造の電波吸収体1では式2に
示すインピーダンスは次式のように書き換えられる。 ZA =(Za tanh(γa da )+Zb tanh(γb db )) /(1+(Za /Zb )tanh(γa da )tanh(γb db )) (8) ここでZa 、γa およびda は軟磁性体層2の特性イン
ピーダンス、伝播定数および厚きであり、Zb 、γb お
よびdb は強誘電体層3の特性インピーダンス、伝播定
数および厚きである。この結果、整合周波数及び整合厚
さは軟磁性体単体の場合とは少し異なった値となる。
【0011】図2は、本発明の電波吸収体における反射
減衰量周波数分散のシミュレーション結果を示す反射減
衰量の周波数特性図である。図は電波吸収体1の反射減
衰量の周波数分散を計算により求めた結果の1例を示し
たものである。軟磁性体層2の透磁率、誘電率はカルボ
ニル鉄系の材料(初透磁率8.0、整合厚さ1.5m
m、整合周波数4.1GHzの材料)の値を用いて計算
した。また、強誘電体層3は比透磁率l、比誘電率50
0の材料とした。整合周波数は強誘電体層3の厚さが増
加するに従い低くなる。すなわち、この例では強誘電体
層3の厚さが0.1mmでは整合周波数1.8GHz、
また0.5mmでは整合周波数900MHzとなってい
る。整合条件を与える軟磁性体層2の厚さは、強誘電体
層3が加わってもほとんど変化せず、単体で使用した場
合の整合厚さと同じ値である。
減衰量周波数分散のシミュレーション結果を示す反射減
衰量の周波数特性図である。図は電波吸収体1の反射減
衰量の周波数分散を計算により求めた結果の1例を示し
たものである。軟磁性体層2の透磁率、誘電率はカルボ
ニル鉄系の材料(初透磁率8.0、整合厚さ1.5m
m、整合周波数4.1GHzの材料)の値を用いて計算
した。また、強誘電体層3は比透磁率l、比誘電率50
0の材料とした。整合周波数は強誘電体層3の厚さが増
加するに従い低くなる。すなわち、この例では強誘電体
層3の厚さが0.1mmでは整合周波数1.8GHz、
また0.5mmでは整合周波数900MHzとなってい
る。整合条件を与える軟磁性体層2の厚さは、強誘電体
層3が加わってもほとんど変化せず、単体で使用した場
合の整合厚さと同じ値である。
【0012】図3は、本発明の電波吸収体における整合
周波数の変化の強誘電体の誘電率及び厚さ依存性を示す
図である。図に示すように、整合周波数の低下幅は強誘
電体層3の厚さあるいは誘電率が大きいほど大きくな
り、同じ整合周波数の低下幅を得るために必要な強誘電
体層3の厚さはその誘電率に反比例している。このこと
は、強誘電体層3の厚さを変えることによって容易に整
合周波数の値を調整できることを示している。
周波数の変化の強誘電体の誘電率及び厚さ依存性を示す
図である。図に示すように、整合周波数の低下幅は強誘
電体層3の厚さあるいは誘電率が大きいほど大きくな
り、同じ整合周波数の低下幅を得るために必要な強誘電
体層3の厚さはその誘電率に反比例している。このこと
は、強誘電体層3の厚さを変えることによって容易に整
合周波数の値を調整できることを示している。
【0013】〔実施例1〕図4は、1.5mmのカルボ
ニル鉄ゴムと0.5mmのチタン酸バリウムで構成され
た本発明の第1実施例における特性図である。軟磁性体
層2として1.5mmの50〜95%カルボニル鉄ゴム
を用いている。図において黒丸印のAは、強誘電体層3
として0.5mmのチタン酸バリウムの焼結体を用いて
構成された電波吸収体の反射減衰量を示したものであ
る。計算結果と同様な900MHzにおいて、29dB
の反射減衰量が得られており、UHF帯において厚さ2
mmの電波吸収体を実現することが可能となった。実線
Bは樹脂分散材0.5mmの場合、白丸印Cは強誘電体
層3が無い場合の特性である。なお、軟磁性体層2とし
ては、50〜95%カルボニル鉄ゴムとチタン酸バリウ
ム焼結体でも良いし、あるいはその樹脂分散材でも良
い。
ニル鉄ゴムと0.5mmのチタン酸バリウムで構成され
た本発明の第1実施例における特性図である。軟磁性体
層2として1.5mmの50〜95%カルボニル鉄ゴム
を用いている。図において黒丸印のAは、強誘電体層3
として0.5mmのチタン酸バリウムの焼結体を用いて
構成された電波吸収体の反射減衰量を示したものであ
る。計算結果と同様な900MHzにおいて、29dB
の反射減衰量が得られており、UHF帯において厚さ2
mmの電波吸収体を実現することが可能となった。実線
Bは樹脂分散材0.5mmの場合、白丸印Cは強誘電体
層3が無い場合の特性である。なお、軟磁性体層2とし
ては、50〜95%カルボニル鉄ゴムとチタン酸バリウ
ム焼結体でも良いし、あるいはその樹脂分散材でも良
い。
【0014】〔実施例2〕図5は、フェライトとチタン
酸バリウムで構成された本発明の第2実施例における特
性図である。フェライト焼結体の電波吸収体にチタン酸
バリウムの焼結体を積層させた場合の反射減衰量を示し
たものである。同じフェライトの焼結体を用いても、チ
タン酸バリウム焼結体の厚さを変えるだけで様々な整合
周波数の電波吸収体が得られた。なお、フェライト焼結
体とチタン酸バリウムの焼結体でも良いし、その樹脂分
散材でも良い。
酸バリウムで構成された本発明の第2実施例における特
性図である。フェライト焼結体の電波吸収体にチタン酸
バリウムの焼結体を積層させた場合の反射減衰量を示し
たものである。同じフェライトの焼結体を用いても、チ
タン酸バリウム焼結体の厚さを変えるだけで様々な整合
周波数の電波吸収体が得られた。なお、フェライト焼結
体とチタン酸バリウムの焼結体でも良いし、その樹脂分
散材でも良い。
【0015】
【発明の効果】以上説明したように、本発明による電波
吸収体は、電磁波の入射側から順に強誘電体層、軟磁性
体層、短絡層を設けた積層構造としたので、整合厚さの
薄いカルボニル鉄系材料の整合周波数を下げ、より低い
周波数での適用を可能にし、立方晶フェライト系の吸収
体も含めて材質を変更すること無く簡便に整合周波数を
調整出来るようにしたVHF帯及びUHF帯用の電波吸
収体を提供することが出来る。
吸収体は、電磁波の入射側から順に強誘電体層、軟磁性
体層、短絡層を設けた積層構造としたので、整合厚さの
薄いカルボニル鉄系材料の整合周波数を下げ、より低い
周波数での適用を可能にし、立方晶フェライト系の吸収
体も含めて材質を変更すること無く簡便に整合周波数を
調整出来るようにしたVHF帯及びUHF帯用の電波吸
収体を提供することが出来る。
【図1】本発明の電波吸収体の最も基本的な構造を示す
構造図である。
構造図である。
【図2】本発明の電波吸収体における反射減衰量周波数
分散のシミュレーション結果を示す反射減衰量の周波数
特性図である。
分散のシミュレーション結果を示す反射減衰量の周波数
特性図である。
【図3】本発明の電波吸収体における整合周波数の変化
の強誘電体の誘電率及び厚さ依存性を示す特性図であ
る。
の強誘電体の誘電率及び厚さ依存性を示す特性図であ
る。
【図4】1.5mmのカルボニル鉄ゴムと0.5mmの
チタン酸バリウムで構成された本発明の第1実施例にお
ける特性図である。
チタン酸バリウムで構成された本発明の第1実施例にお
ける特性図である。
【図5】フェライトとチタン酸バリウムで構成された本
発明の第2実施例における特性図である。
発明の第2実施例における特性図である。
【図6】立方晶フェライトにおけるSnoek の限界を示す
比透磁率の周波数特性図である。
比透磁率の周波数特性図である。
【図7】整合厚さ及び整合周波数と初透磁率、パラメー
タSとの関係を示す特性図である。
タSとの関係を示す特性図である。
【図8】反射減衰量周波数分散の厚さ依存性を示す特性
図である。
図である。
1 電波吸収体 2 軟磁性体層 3 強誘電体層 4 金属板 εa 軟磁性体層の複素誘電率 εb 強誘電体層の複素誘電率 Γ 電磁波の反射率 γa 軟磁性体層の伝播定数 γb 強誘電体層の伝播定数 γe 吸収体の伝播定数 μ0 真空中の透磁率 μ1 初透磁率 μa 軟磁性体層の複素透磁率 μb 強誘電体層の複素透磁率 da 軟磁性体層の厚さ db 軟磁性体層の厚さ de 吸収体の厚さ R 反射減衰量 Z0 真空の特性インピーダンス ZA 吸収体のインピーダンス Za 軟磁性体層の特性インピーダンス Zb 強誘電体層の特性インピーダンス ZE 吸収体のインピーダンス Ze 吸収体の特性インピーダンス
Claims (5)
- 【請求項1】 VHF帯及びUHF帯用であり、電磁波
の入射側から順に強誘電体層、軟磁性体層、短絡層を設
けた積層構造を有することを特徴とする電波吸収体。 - 【請求項2】 前記強誘電体層にチタン酸バリウムの焼
結体あるいは前記チタン酸バリウムの樹脂分散材を、前
記軟磁性体層に50〜95%カルボニル鉄粒子の樹脂分
散材を用いたことを特徴とする請求項1記載の電波吸収
体。 - 【請求項3】 前記強誘電体層に厚さが0.1〜1.5
mmのチタン酸バリウムの焼結体あるいは前記チタン酸
バリウムの樹脂分散材、前記軟磁性体層に厚さが1.0
〜4.0mmの50〜95%カルボニル鉄粒子の樹脂分
散材を用いたことを特徴とする請求項1記載の電波吸収
体。 - 【請求項4】 前記強誘電体層にチタン酸バリウムの焼
結体あるいは前記チタン酸バリウムの樹脂分散材を、前
記軟磁性体層にフェライトの焼結体あるいは前記フェラ
イトの樹脂分散材を用いたことを特徴とする請求項1記
載の電波吸収体。 - 【請求項5】 前記強誘電体層に厚さが0.1〜1.5
mmのチタン酸バリウムの焼結体あるいは前記チタン酸
バリウムの樹脂分散材を、前記軟磁性体層に厚さが4.
0〜10.0mmの前記フェライトの焼結体あるいはフ
ェライトの樹脂分散材を用いたことを特徴とする請求項
1記載の電波吸収体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9134397A JPH10308596A (ja) | 1997-05-07 | 1997-05-07 | 電波吸収体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9134397A JPH10308596A (ja) | 1997-05-07 | 1997-05-07 | 電波吸収体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10308596A true JPH10308596A (ja) | 1998-11-17 |
Family
ID=15127450
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9134397A Pending JPH10308596A (ja) | 1997-05-07 | 1997-05-07 | 電波吸収体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
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1997
- 1997-05-07 JP JP9134397A patent/JPH10308596A/ja active Pending
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