JPH10308168A - 電子放出素子及びこれを用いた表示装置 - Google Patents
電子放出素子及びこれを用いた表示装置Info
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- JPH10308168A JPH10308168A JP13412697A JP13412697A JPH10308168A JP H10308168 A JPH10308168 A JP H10308168A JP 13412697 A JP13412697 A JP 13412697A JP 13412697 A JP13412697 A JP 13412697A JP H10308168 A JPH10308168 A JP H10308168A
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- electron
- layer
- insulator layer
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- Electrodes For Cathode-Ray Tubes (AREA)
- Cathode-Ray Tubes And Fluorescent Screens For Display (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 電子放出効率の高い電子放出素子を提供す
る。 【解決手段】 金属又は半導体からなる電子供給層、電
子供給層上に形成された絶縁体層及び絶縁体層上に形成
され真空空間に面する金属薄膜電極からなり、電子供給
層及び金属薄膜電極間に電界を印加し電子を放出する電
子放出素子であって、絶縁体層は、希ガスを主成分とす
る混合ガスを用いてガス圧0.1〜100mTorr、成膜
レート0.5〜100nm/minの条件のスパッタリングで
成膜された50nm以上の膜厚を有する誘電体層である。
る。 【解決手段】 金属又は半導体からなる電子供給層、電
子供給層上に形成された絶縁体層及び絶縁体層上に形成
され真空空間に面する金属薄膜電極からなり、電子供給
層及び金属薄膜電極間に電界を印加し電子を放出する電
子放出素子であって、絶縁体層は、希ガスを主成分とす
る混合ガスを用いてガス圧0.1〜100mTorr、成膜
レート0.5〜100nm/minの条件のスパッタリングで
成膜された50nm以上の膜厚を有する誘電体層である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子放出素子及び
これを用いた電子放出表示装置に関する。
これを用いた電子放出表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から電界電子放出表示装置のFED
(field emission display)が、陰極の加熱を必要としな
い冷陰極の電子放出源のアレイを備えた平面形発光ディ
スプレイとして知られている。例えば、spindt型冷陰極
を用いたFEDの発光原理は、冷陰極アレイが異なるも
ののCRT(cathode ray tube)と同様に、陰極から離間
したゲート電極により電子を真空中に引出し、透明陽極
に塗布された蛍光体に衝突させて、発光させるものであ
る。
(field emission display)が、陰極の加熱を必要としな
い冷陰極の電子放出源のアレイを備えた平面形発光ディ
スプレイとして知られている。例えば、spindt型冷陰極
を用いたFEDの発光原理は、冷陰極アレイが異なるも
ののCRT(cathode ray tube)と同様に、陰極から離間
したゲート電極により電子を真空中に引出し、透明陽極
に塗布された蛍光体に衝突させて、発光させるものであ
る。
【0003】しかしながら、この電界放出源は、微細な
spindt型冷陰極の製造工程が複雑で、その工程数が多い
ので、製造歩留まりが低いといった問題がある。また、
面電子源として金属-絶縁-金属(MIM)構造の電子放
出素子もある。MIM構造の電子放出素子には、基板上
に下部Al層、膜厚10nm程度のAl2O3絶縁体層、膜厚1
0nm程度の上部Au層を順に形成した構造のものがある。
これを真空中で対向電極の下に配置して下部Al層と上部
Au層の間に電圧を印加するとともに対向電極に加速電圧
を印加すると、電子の一部が上部Au層を飛び出し対向電
極に達する。しかしながら、この素子を表示装置として
使用するにはまだ放出電子量が不足している。これを改
善するために、従来のAl2O3絶縁体層のさらなる数nm程
度膜厚への薄膜化や、極薄膜のAl2O3絶縁体層の膜質及
びAl2O3絶縁体層と上部Au層の界面を、より均一化する
ことが必要であると考えられている。
spindt型冷陰極の製造工程が複雑で、その工程数が多い
ので、製造歩留まりが低いといった問題がある。また、
面電子源として金属-絶縁-金属(MIM)構造の電子放
出素子もある。MIM構造の電子放出素子には、基板上
に下部Al層、膜厚10nm程度のAl2O3絶縁体層、膜厚1
0nm程度の上部Au層を順に形成した構造のものがある。
これを真空中で対向電極の下に配置して下部Al層と上部
Au層の間に電圧を印加するとともに対向電極に加速電圧
を印加すると、電子の一部が上部Au層を飛び出し対向電
極に達する。しかしながら、この素子を表示装置として
使用するにはまだ放出電子量が不足している。これを改
善するために、従来のAl2O3絶縁体層のさらなる数nm程
度膜厚への薄膜化や、極薄膜のAl2O3絶縁体層の膜質及
びAl2O3絶縁体層と上部Au層の界面を、より均一化する
ことが必要であると考えられている。
【0004】例えば、絶縁体層のさらなる薄膜化及び均
一化のために陽極酸化法を用いて、化成電流を制御する
ことにより電子放出特性を向上させる試みがなされてい
る(特開平7-65710号公報)。しかしながら、M
IM構造の電子放出素子でも、まだ放出電流は1x10
-6A/cm2程度で、放出電流比は1x10-3程度である。
一化のために陽極酸化法を用いて、化成電流を制御する
ことにより電子放出特性を向上させる試みがなされてい
る(特開平7-65710号公報)。しかしながら、M
IM構造の電子放出素子でも、まだ放出電流は1x10
-6A/cm2程度で、放出電流比は1x10-3程度である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上の事情
に鑑みてなされたものであり、電子放出効率の高い電子
放出素子及びこれを用いた電子放出表示装置を提供する
ことを目的とする。
に鑑みてなされたものであり、電子放出効率の高い電子
放出素子及びこれを用いた電子放出表示装置を提供する
ことを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の電子放出素子
は、金属又は半導体からなる電子供給層、前記電子供給
層上に形成された絶縁体層及び前記絶縁体層上に形成さ
れ真空空間に面する金属薄膜電極からなり、前記電子供
給層及び前記金属薄膜電極間に電界を印加し電子を放出
する電子放出素子であって、前記絶縁体層は、希ガスを
主成分とする混合ガスを用いてガス圧0.1〜100mT
orr、成膜レート0.5〜100nm/minの条件のスパッ
タリングで成膜された50nm以上の膜厚を有する誘電体
層であることを特徴とする。
は、金属又は半導体からなる電子供給層、前記電子供給
層上に形成された絶縁体層及び前記絶縁体層上に形成さ
れ真空空間に面する金属薄膜電極からなり、前記電子供
給層及び前記金属薄膜電極間に電界を印加し電子を放出
する電子放出素子であって、前記絶縁体層は、希ガスを
主成分とする混合ガスを用いてガス圧0.1〜100mT
orr、成膜レート0.5〜100nm/minの条件のスパッ
タリングで成膜された50nm以上の膜厚を有する誘電体
層であることを特徴とする。
【0007】本発明の電子放出素子は、絶縁体層は厚い
膜厚を有するので、スルーホールが発生しにくく製造歩
留まりが向上する。素子の放出電流は1x10-6A/cm2
を越え1x10-3A/cm2程度であり、放出電流比は1x
10-1が得られるので、表示素子とした場合、高輝度が
得られ、駆動電流の消費及び発熱を抑制でき、さらに駆
動回路への負担を低減できる。さらに、本発明の電子放
出素子は、画素バルブの発光源、電子顕微鏡の電子放出
源、真空マイクロエレクトロニクス素子などの高速素子
に応用でき、さらに面状又は点状の電子放出ダイオード
として、赤外線又は可視光又は紫外線の電磁波を放出す
る発光ダイオード又はレーザダイオードとして動作可能
である。
膜厚を有するので、スルーホールが発生しにくく製造歩
留まりが向上する。素子の放出電流は1x10-6A/cm2
を越え1x10-3A/cm2程度であり、放出電流比は1x
10-1が得られるので、表示素子とした場合、高輝度が
得られ、駆動電流の消費及び発熱を抑制でき、さらに駆
動回路への負担を低減できる。さらに、本発明の電子放
出素子は、画素バルブの発光源、電子顕微鏡の電子放出
源、真空マイクロエレクトロニクス素子などの高速素子
に応用でき、さらに面状又は点状の電子放出ダイオード
として、赤外線又は可視光又は紫外線の電磁波を放出す
る発光ダイオード又はレーザダイオードとして動作可能
である。
【0008】また、本発明の電子放出表示装置は、真空
空間を挾み対向する一対の第1及び第2基板と、前記第
1基板内面に設けられた複数の電子放出素子と、前記第
2基板内面に設けられたコレクタ電極と、前記コレクタ
電極上に形成された蛍光体層と、からなる電子放出表示
装置であって、前記電子放出素子の各々は、前記第1基
板側に形成された金属又は半導体からなる電子供給層、
前記電子供給層上に形成された絶縁体層及び前記絶縁体
層上に形成され前記真空空間に面する金属薄膜電極から
なり、前記絶縁体層は、希ガスを主成分とする混合ガス
を用いてガス圧0.1〜100mTorr、成膜レート0.
5〜100nm/minの条件のスパッタリングで成膜された
50nm以上の膜厚を有する誘電体からなることを特徴と
する。
空間を挾み対向する一対の第1及び第2基板と、前記第
1基板内面に設けられた複数の電子放出素子と、前記第
2基板内面に設けられたコレクタ電極と、前記コレクタ
電極上に形成された蛍光体層と、からなる電子放出表示
装置であって、前記電子放出素子の各々は、前記第1基
板側に形成された金属又は半導体からなる電子供給層、
前記電子供給層上に形成された絶縁体層及び前記絶縁体
層上に形成され前記真空空間に面する金属薄膜電極から
なり、前記絶縁体層は、希ガスを主成分とする混合ガス
を用いてガス圧0.1〜100mTorr、成膜レート0.
5〜100nm/minの条件のスパッタリングで成膜された
50nm以上の膜厚を有する誘電体からなることを特徴と
する。
【0009】さらにまた、本発明の電子放出表示装置
は、真空空間を挾み対向する一対の素子基板及び透明基
板と、前記素子基板に設けられそれぞれ平行に伸長する
複数のオーミック電極と、各々が前記オーミック電極上
に形成された金属又は半導体からなる電子供給層、前記
電子供給層上に希ガスを主成分とする混合ガスを用いて
ガス圧0.1〜100mTorr、成膜レート0.5〜10
0nm/minの条件のスパッタリングで成膜された50nm以
上の膜厚を有する誘電体の絶縁体層及び前記絶縁体層上
に形成され前記真空空間に面する金属薄膜電極からなる
複数の電子放出素子と、隣接する前記金属薄膜電極を電
気的に接続しその一部上に、前記オーミック電極に垂直
に伸長して架設され、それぞれが平行に伸長する複数の
バス電極と、前記透明基板に設けられそれぞれ平行に伸
長しかつ前記金属薄膜電極からの放出電子を捕獲する複
数のコレクタ電極と、前記コレクタ電極上に形成された
蛍光体層からなることを特徴とする。
は、真空空間を挾み対向する一対の素子基板及び透明基
板と、前記素子基板に設けられそれぞれ平行に伸長する
複数のオーミック電極と、各々が前記オーミック電極上
に形成された金属又は半導体からなる電子供給層、前記
電子供給層上に希ガスを主成分とする混合ガスを用いて
ガス圧0.1〜100mTorr、成膜レート0.5〜10
0nm/minの条件のスパッタリングで成膜された50nm以
上の膜厚を有する誘電体の絶縁体層及び前記絶縁体層上
に形成され前記真空空間に面する金属薄膜電極からなる
複数の電子放出素子と、隣接する前記金属薄膜電極を電
気的に接続しその一部上に、前記オーミック電極に垂直
に伸長して架設され、それぞれが平行に伸長する複数の
バス電極と、前記透明基板に設けられそれぞれ平行に伸
長しかつ前記金属薄膜電極からの放出電子を捕獲する複
数のコレクタ電極と、前記コレクタ電極上に形成された
蛍光体層からなることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面を参
照しつつ説明する。図1に示すように、電子放出素子
は、オーミック電極11を備えた基板10上に順に形成
された、金属又は半導体からなる電子供給層12、絶縁
体層13及び真空空間に面する金属薄膜電極15からな
り、電子供給層及び金属薄膜電極間に電界を印加し電子
を放出する電子放出素子である。絶縁体層13は誘電体
からなり50nm以上の極めて厚い膜厚を有するものであ
る。電子放出素子は、表面の薄膜電極を正電位Vdにし
裏面オーミック電極を接地電位としたダイオードであ
る。オーミック電極11と薄膜電極15との間に電圧V
dを印加し電子供給層12に電子を注入すると、ダイオ
ード電流Idが流れ、絶縁体層13は高抵抗であるの
で、印加電界の大部分は絶縁体層にかかる。電子は、金
属薄膜電極15側に向けて絶縁体層13内を移動する。
金属薄膜電極付近に達した電子は、そこで強電界により
一部は金属薄膜電極をトンネルし、外部の真空中に放出
される。このトンネル効果によって薄膜電極15から放
出された電子e(放出電流Ie)は、対向したコレクタ
電極(透明電極)2に印加された高電圧Vcによって加
速され、コレクタ電極に集められる。コレクタ電極に蛍
光体が塗布されていれば対応する可視光を発光させる。
照しつつ説明する。図1に示すように、電子放出素子
は、オーミック電極11を備えた基板10上に順に形成
された、金属又は半導体からなる電子供給層12、絶縁
体層13及び真空空間に面する金属薄膜電極15からな
り、電子供給層及び金属薄膜電極間に電界を印加し電子
を放出する電子放出素子である。絶縁体層13は誘電体
からなり50nm以上の極めて厚い膜厚を有するものであ
る。電子放出素子は、表面の薄膜電極を正電位Vdにし
裏面オーミック電極を接地電位としたダイオードであ
る。オーミック電極11と薄膜電極15との間に電圧V
dを印加し電子供給層12に電子を注入すると、ダイオ
ード電流Idが流れ、絶縁体層13は高抵抗であるの
で、印加電界の大部分は絶縁体層にかかる。電子は、金
属薄膜電極15側に向けて絶縁体層13内を移動する。
金属薄膜電極付近に達した電子は、そこで強電界により
一部は金属薄膜電極をトンネルし、外部の真空中に放出
される。このトンネル効果によって薄膜電極15から放
出された電子e(放出電流Ie)は、対向したコレクタ
電極(透明電極)2に印加された高電圧Vcによって加
速され、コレクタ電極に集められる。コレクタ電極に蛍
光体が塗布されていれば対応する可視光を発光させる。
【0011】電子放出素子の電子供給層の材料としては
Siが特に有効であるが、ゲルマニウム(Ge)、炭化シリ
コン(SiC)、ヒ化ガリウム(GaAs)、リン化インジウム(In
P)、セレン化カドミウム(CdSe)など、IV族、III−V
族、II−VI族などの単体半導体及び化合物半導体が、用
いられ得る。又は、電子供給層の材料としてAl, Au, A
g, Cuなどの金属でも有効であるが、Sc, Ti, V, Cr, M
n, Fe, Co, Ni, Zn, Ga, Y, Zr, Nb, Mo, Tc, Ru, Rh,
Pd, Cd, Ln, Sn, Ta, W, Re, Os, Ir, Pt, Tl, Pb, La,
Ce, Pr, Nd, Pm, Sm, Eu, Gd,Tb, Dy, Ho, Er, Tm, Y
b, Luも用いられ得る。
Siが特に有効であるが、ゲルマニウム(Ge)、炭化シリ
コン(SiC)、ヒ化ガリウム(GaAs)、リン化インジウム(In
P)、セレン化カドミウム(CdSe)など、IV族、III−V
族、II−VI族などの単体半導体及び化合物半導体が、用
いられ得る。又は、電子供給層の材料としてAl, Au, A
g, Cuなどの金属でも有効であるが、Sc, Ti, V, Cr, M
n, Fe, Co, Ni, Zn, Ga, Y, Zr, Nb, Mo, Tc, Ru, Rh,
Pd, Cd, Ln, Sn, Ta, W, Re, Os, Ir, Pt, Tl, Pb, La,
Ce, Pr, Nd, Pm, Sm, Eu, Gd,Tb, Dy, Ho, Er, Tm, Y
b, Luも用いられ得る。
【0012】絶縁体層の誘電体材料としては酸化珪素S
iOx(xは原子比を示す)が特に有効であるが、 Li
Ox, LiNx, NaOx, KOx, RbOx, CsOx, BeOx, Mg
Ox, MgNx, CaOx, CaNx, SrOx, BaOx, ScOx, Y
Ox, YNx, LaOx, LaNx, CeOx,PrOx, NdOx, Sm
Ox, EuOx, GdOx, TbOx, DyOx, HoOx, ErOx, TmO
x, YbOx, LuOx, TiOx, TiNx, ZrOx, ZrNx, Hf
Ox, HfNx, ThOx, VOx, VNx, NbOx, TaOx, Ta
Nx, CrOx, CrNx, MoOx, MoNx, WOx, WNx, Mn
Ox, ReOx, FeOx, FeNx, RuOx, OsOx, CoOx, RhO
x, IrOx, NiOx, PdOx, PtO x, CuOx, CuNx, Ag
Ox, AuOx, ZnOx, CdOx, HgOx, BOx, BNx, Al
Ox,AlNx, GaOx, GaNx, InOx, TiOx, TiNx, Si
Nx, GeOx, SnOx, PbOx, PO x, PNx, AsOx, Sb
Ox, SeOx, TeOxなどの金属酸化物又は金属窒化物で
も、LiAlO2, Li2SiO3, Li2TiO3, Na2Al22O34, NaFeO2,
Na4SiO4, K2SiO3, K2TiO3,K2WO4, Rb2CrO4, Cs2CrO4, M
gAl2O4, MgFe2O4, MgTiO3, CaTiO3, CaWO4, CaZrO3, Sr
Fe12O19, SrTiO3, SrZrO3, BaAl2O4, BaFe12O19, Ba
TiO3, Y3Al5O12, Y 3Fe5O12, LaFeO3, La3Fe5O12, L
a2Ti2O7, CeSnO4, CeTiO4, Sm3Fe5O12, EuFeO3, Eu
3Fe5O12, GdFeO3, Gd3Fe5O12, DyFeO3, Dy3Fe
5O12, HoFeO3, Ho3Fe5O12, ErFeO3, Er3Fe5O12, T
m3Fe5O12, LuFeO3, Lu3Fe5O12, NiTiO3, Al2TiO3,
FeTiO3, BaZrO3, LiZrO3, MgZrO3, HfTiO4, NH4V
O3, AgVO3,LiVO3, BaNb2O6, NaNbO3, SrNb2O6, K
TaO3, NaTaO3, SrTa2O6, CuCr2O4, Ag2CrO4, BaCr
O4, K2MoO4, Na2MoO4, NiMoO4, BaWO4, Na2WO4,
SrWO4, MnCr2O4, MnFe2O4, MnTiO3, MnWO4, CoFe2O
4, ZnFe2O4,FeWO4, CoMoO4, CoTiO3, CoWO4, NiF
e2O4, NiWO4, CuFe2O4, CuMoO4, CuTiO3, CuWO4,
Ag2MoO4, Ag2WO4, ZnAl2O4, ZnMoO4, ZnWO4, CdS
nO3, CdTiO3, CdMoO 4, CdWO4, NaAlO2, MgAl2O4,
SrAl2O4, Gd3Ga5O12, InFeO3, MgIn2O4, Al2TiO5,
FeTiO3, MgTiO3, NaSiO3, CaSiO3,ZrSiO4, K2GeO
3,Li2GeO3, Na2GeO3, Bi2Sn3O9, MgSnO3, SrSn
O3, PbSiO3, PbMoO4, PbTiO3, SnO2-Sb 2O3, CuSeO
4, Na2SeO3, ZnSeO3, K2TeO3, K2TeO4, Na2TeO3,
Na2TeO4などの金属複合酸化物でも、FeS, Al2S3, MgS,
ZnSなどの硫化物、LiF, MgF2, SmF3などのフッ化物、H
gCl, FeCl2, CrCl3などの塩化物、AgBr, CuBr, MnBr2な
どの臭化物、PbI2, CuI, FeI2などのヨウ化物、又は、S
iAlONなどの金属酸化窒化物でも有効である。
iOx(xは原子比を示す)が特に有効であるが、 Li
Ox, LiNx, NaOx, KOx, RbOx, CsOx, BeOx, Mg
Ox, MgNx, CaOx, CaNx, SrOx, BaOx, ScOx, Y
Ox, YNx, LaOx, LaNx, CeOx,PrOx, NdOx, Sm
Ox, EuOx, GdOx, TbOx, DyOx, HoOx, ErOx, TmO
x, YbOx, LuOx, TiOx, TiNx, ZrOx, ZrNx, Hf
Ox, HfNx, ThOx, VOx, VNx, NbOx, TaOx, Ta
Nx, CrOx, CrNx, MoOx, MoNx, WOx, WNx, Mn
Ox, ReOx, FeOx, FeNx, RuOx, OsOx, CoOx, RhO
x, IrOx, NiOx, PdOx, PtO x, CuOx, CuNx, Ag
Ox, AuOx, ZnOx, CdOx, HgOx, BOx, BNx, Al
Ox,AlNx, GaOx, GaNx, InOx, TiOx, TiNx, Si
Nx, GeOx, SnOx, PbOx, PO x, PNx, AsOx, Sb
Ox, SeOx, TeOxなどの金属酸化物又は金属窒化物で
も、LiAlO2, Li2SiO3, Li2TiO3, Na2Al22O34, NaFeO2,
Na4SiO4, K2SiO3, K2TiO3,K2WO4, Rb2CrO4, Cs2CrO4, M
gAl2O4, MgFe2O4, MgTiO3, CaTiO3, CaWO4, CaZrO3, Sr
Fe12O19, SrTiO3, SrZrO3, BaAl2O4, BaFe12O19, Ba
TiO3, Y3Al5O12, Y 3Fe5O12, LaFeO3, La3Fe5O12, L
a2Ti2O7, CeSnO4, CeTiO4, Sm3Fe5O12, EuFeO3, Eu
3Fe5O12, GdFeO3, Gd3Fe5O12, DyFeO3, Dy3Fe
5O12, HoFeO3, Ho3Fe5O12, ErFeO3, Er3Fe5O12, T
m3Fe5O12, LuFeO3, Lu3Fe5O12, NiTiO3, Al2TiO3,
FeTiO3, BaZrO3, LiZrO3, MgZrO3, HfTiO4, NH4V
O3, AgVO3,LiVO3, BaNb2O6, NaNbO3, SrNb2O6, K
TaO3, NaTaO3, SrTa2O6, CuCr2O4, Ag2CrO4, BaCr
O4, K2MoO4, Na2MoO4, NiMoO4, BaWO4, Na2WO4,
SrWO4, MnCr2O4, MnFe2O4, MnTiO3, MnWO4, CoFe2O
4, ZnFe2O4,FeWO4, CoMoO4, CoTiO3, CoWO4, NiF
e2O4, NiWO4, CuFe2O4, CuMoO4, CuTiO3, CuWO4,
Ag2MoO4, Ag2WO4, ZnAl2O4, ZnMoO4, ZnWO4, CdS
nO3, CdTiO3, CdMoO 4, CdWO4, NaAlO2, MgAl2O4,
SrAl2O4, Gd3Ga5O12, InFeO3, MgIn2O4, Al2TiO5,
FeTiO3, MgTiO3, NaSiO3, CaSiO3,ZrSiO4, K2GeO
3,Li2GeO3, Na2GeO3, Bi2Sn3O9, MgSnO3, SrSn
O3, PbSiO3, PbMoO4, PbTiO3, SnO2-Sb 2O3, CuSeO
4, Na2SeO3, ZnSeO3, K2TeO3, K2TeO4, Na2TeO3,
Na2TeO4などの金属複合酸化物でも、FeS, Al2S3, MgS,
ZnSなどの硫化物、LiF, MgF2, SmF3などのフッ化物、H
gCl, FeCl2, CrCl3などの塩化物、AgBr, CuBr, MnBr2な
どの臭化物、PbI2, CuI, FeI2などのヨウ化物、又は、S
iAlONなどの金属酸化窒化物でも有効である。
【0013】さらに、絶縁体層の誘電体材料としてダイ
ヤモンド,フラーレン(C2n)などの炭素、或いは、Al
4C3,B4C,CaC2,Cr3C2,Mo2C,MoC,NbC,SiC,TaC,T
iC,VC,W2C,WC,ZrCなどの金属炭化物も有効である。
なお、フラーレン(C2n)は炭素原子だけからなりC60に
代表される球面篭状分子でC32〜C960などがあり、ま
た、上式中、Ox,Nxのxは原子比を表す。以下、同じ。
電子放出側の金属薄膜電極材料としてはPt, Au, W, Ru,
Irなどの金属が有効であるが、Al, Sc, Ti, V, Cr, M
n, Fe, Co, Ni, Cu, Zn, Ga, Y, Zr, Nb, Mo,Tc, Rh, P
d, Ag, Cd, Ln, Sn, Ta, Re, Os, Tl, Pb, La, Ce, Pr,
Nd, Pm, Sm,Eu, Gd, Tb, Dy, Ho, Er, Tm, Yb, Luも用
いられ得る。素子基板10の材質はガラスの他に、Al
2O3,Si3N4、BN等のセラミックスでも良い。 (実施例)具体的に、電子放出素子を作製し特性を調べ
た。
ヤモンド,フラーレン(C2n)などの炭素、或いは、Al
4C3,B4C,CaC2,Cr3C2,Mo2C,MoC,NbC,SiC,TaC,T
iC,VC,W2C,WC,ZrCなどの金属炭化物も有効である。
なお、フラーレン(C2n)は炭素原子だけからなりC60に
代表される球面篭状分子でC32〜C960などがあり、ま
た、上式中、Ox,Nxのxは原子比を表す。以下、同じ。
電子放出側の金属薄膜電極材料としてはPt, Au, W, Ru,
Irなどの金属が有効であるが、Al, Sc, Ti, V, Cr, M
n, Fe, Co, Ni, Cu, Zn, Ga, Y, Zr, Nb, Mo,Tc, Rh, P
d, Ag, Cd, Ln, Sn, Ta, Re, Os, Tl, Pb, La, Ce, Pr,
Nd, Pm, Sm,Eu, Gd, Tb, Dy, Ho, Er, Tm, Yb, Luも用
いられ得る。素子基板10の材質はガラスの他に、Al
2O3,Si3N4、BN等のセラミックスでも良い。 (実施例)具体的に、電子放出素子を作製し特性を調べ
た。
【0014】Alオーミック電極をスパッタリング法に
より膜厚300nmで形成したガラス基板の電極表面
に、シリコン(Si)の電子供給層をスパッタリング法
により膜厚5000nmで形成した。かかるSi基板を
多数用意した。次に、スパッタリング法により、かかる
Si基板の電子供給層上に膜厚を0〜500nmに変化
させてSiO2の絶縁体層を成膜し、かかるSiO2絶縁
体基板を多数用意した。SiO2絶縁体層は、スパッタ
リング法をとおして、Ar,Kr,Xeあるいはそれら
の混合ガス、又はこれらの希ガスを主成分としO2,
N2,H2などを混入した混合ガスを用いてガス圧を変化
させて好ましくは0.1〜100mTorrさらに好ましく
は0.4〜40mTorr、成膜レート0.1〜1000nm/
min好ましくは0.5〜100nm/minのスパッタ条件で
成膜されている。用いるターゲットは、SiO2、Si
O、Si又はこれらの混合体であり、ターゲットに導電
性が無い場合はRF電源を用い、導電性がある場合はR
F電源又はDC電源のどちらでも使用できる。スパッタ
リング装置のターゲットやスパッタ条件を適宜変えるこ
とにより、絶縁体層の単層又は多層、アモルファス又は
結晶相、粒径、原子比は制御され得る。
より膜厚300nmで形成したガラス基板の電極表面
に、シリコン(Si)の電子供給層をスパッタリング法
により膜厚5000nmで形成した。かかるSi基板を
多数用意した。次に、スパッタリング法により、かかる
Si基板の電子供給層上に膜厚を0〜500nmに変化
させてSiO2の絶縁体層を成膜し、かかるSiO2絶縁
体基板を多数用意した。SiO2絶縁体層は、スパッタ
リング法をとおして、Ar,Kr,Xeあるいはそれら
の混合ガス、又はこれらの希ガスを主成分としO2,
N2,H2などを混入した混合ガスを用いてガス圧を変化
させて好ましくは0.1〜100mTorrさらに好ましく
は0.4〜40mTorr、成膜レート0.1〜1000nm/
min好ましくは0.5〜100nm/minのスパッタ条件で
成膜されている。用いるターゲットは、SiO2、Si
O、Si又はこれらの混合体であり、ターゲットに導電
性が無い場合はRF電源を用い、導電性がある場合はR
F電源又はDC電源のどちらでも使用できる。スパッタ
リング装置のターゲットやスパッタ条件を適宜変えるこ
とにより、絶縁体層の単層又は多層、アモルファス又は
結晶相、粒径、原子比は制御され得る。
【0015】実施例のSiO2絶縁体層について、X線
回折法で分析したところ、結晶部分の回折強度Icとア
モルファス相によるハロー強度Iaとが得られた。この
ことから、絶縁体層のSiO2は多結晶相及び/又はア
モルファス相であると推定できる。最後に、各基板の多
結晶又はアモルファスSiO2層の表面上にPt薄膜電
極を膜厚10nmでスパッタ成膜し、素子基板を多数作
成した。
回折法で分析したところ、結晶部分の回折強度Icとア
モルファス相によるハロー強度Iaとが得られた。この
ことから、絶縁体層のSiO2は多結晶相及び/又はア
モルファス相であると推定できる。最後に、各基板の多
結晶又はアモルファスSiO2層の表面上にPt薄膜電
極を膜厚10nmでスパッタ成膜し、素子基板を多数作
成した。
【0016】一方、透明ガラス基板の内面にITOコレ
クタ電極が形成されたものや、各コレクタ電極上に、
R,G,Bに対応する蛍光体からなる蛍光体層を常法に
より形成した透明基板を作成した。これら素子基板及び
透明基板を、薄膜電極及びコレクタ電極が向かい合うよ
うに平行に10mm離間してスペーサにより保持し、間
隙を10-7Torr又は10-5Paの真空になし、電子放出素
子を組立て、作製した。
クタ電極が形成されたものや、各コレクタ電極上に、
R,G,Bに対応する蛍光体からなる蛍光体層を常法に
より形成した透明基板を作成した。これら素子基板及び
透明基板を、薄膜電極及びコレクタ電極が向かい合うよ
うに平行に10mm離間してスペーサにより保持し、間
隙を10-7Torr又は10-5Paの真空になし、電子放出素
子を組立て、作製した。
【0017】その後、多数の得られた素子について各S
iO2層膜厚に対応したダイオード電流Id及び放出電
流Ieを測定した。図2並びに図3は、作製した電子放
出素子にVdを0〜200Vで印加したときのSiO2
層膜厚に対する、放出電流Ieの関係並びに電子放出効
率(Ie/Id)の関係を示す。図2並びに図3から明
らかなように、膜厚50nmから飽和するが、SiO2
層膜厚300〜400nmの素子で最大放出電流1x1
0-3A/cm2、最大電子放出効率1x10-1程度が得られ
た。
iO2層膜厚に対応したダイオード電流Id及び放出電
流Ieを測定した。図2並びに図3は、作製した電子放
出素子にVdを0〜200Vで印加したときのSiO2
層膜厚に対する、放出電流Ieの関係並びに電子放出効
率(Ie/Id)の関係を示す。図2並びに図3から明
らかなように、膜厚50nmから飽和するが、SiO2
層膜厚300〜400nmの素子で最大放出電流1x1
0-3A/cm2、最大電子放出効率1x10-1程度が得られ
た。
【0018】この結果より、200V以下の電界を加え
ることにより、1x10-6A/cm2以上の放出電流、1x
10-3以上の電子放出効率が、膜厚50nm以上好まし
くは、100〜400nmのSiO2誘電体層を有する
素子から得られることが判明した。また、蛍光体を塗布
したコレクタ電極及び薄膜電極の間に約4kVの電圧を
印加した状態では、SiO2層膜厚50nm以上の素子
で薄膜電極に対応する形の均一な蛍光パターンが観測さ
れた。このことは、多結晶又はアモルファスSiO 2層
からの電子放出が均一であり、直線性の高いことを示
し、電子放出ダイオードとして、赤外線又は可視光又は
紫外線の電磁波を放出する発光ダイオード又はレーザダ
イオードとして動作可能であることを示している。
ることにより、1x10-6A/cm2以上の放出電流、1x
10-3以上の電子放出効率が、膜厚50nm以上好まし
くは、100〜400nmのSiO2誘電体層を有する
素子から得られることが判明した。また、蛍光体を塗布
したコレクタ電極及び薄膜電極の間に約4kVの電圧を
印加した状態では、SiO2層膜厚50nm以上の素子
で薄膜電極に対応する形の均一な蛍光パターンが観測さ
れた。このことは、多結晶又はアモルファスSiO 2層
からの電子放出が均一であり、直線性の高いことを示
し、電子放出ダイオードとして、赤外線又は可視光又は
紫外線の電磁波を放出する発光ダイオード又はレーザダ
イオードとして動作可能であることを示している。
【0019】次に、スパッタリング法のスパッタ条件の
ガス圧又は成膜レートを変化させて膜厚400nmの絶
縁体層形成した電子放出素子について、その変化に対す
るダイオード電流Id及び放出電流Ieを測定した。図
4並びに図5はガス圧に対する、放出電流Ieの関係並
びに電子放出効率(Ie/Id)の関係を示す。かかる
結果より、ガス圧0.1〜100mTorrにて、1x10
-6A/cm2以上の放出電流、1x10-3以上の電子放出効
率が得られることが判明した。
ガス圧又は成膜レートを変化させて膜厚400nmの絶
縁体層形成した電子放出素子について、その変化に対す
るダイオード電流Id及び放出電流Ieを測定した。図
4並びに図5はガス圧に対する、放出電流Ieの関係並
びに電子放出効率(Ie/Id)の関係を示す。かかる
結果より、ガス圧0.1〜100mTorrにて、1x10
-6A/cm2以上の放出電流、1x10-3以上の電子放出効
率が得られることが判明した。
【0020】図6並びに図7は成膜レートに対する、放
出電流Ieの関係並びに電子放出効率(Ie/Id)の
関係を示す。かかる結果より、成膜レート0.5〜10
0nm/minにて、1x10-6A/cm2以上の放出電流、1x
10-3以上の電子放出効率が得られることが判明した。
スパッタリングで成膜した絶縁体層の表面をSEMで観
察したところ(図8に示す粒子構造を示す写真)、CV
Dで成膜したもの(図9に示す粒子構造を示す写真)と
比べ20nm程度の粒塊からなることを特徴としている
ことが判った。50nm以上の膜厚を有しながらトンネ
ル電流が流れるといった特異な現象はこの特徴に起因す
ると考えられる。すなわち、SiO2は本来絶縁体であ
るが、粒塊あるいは、その近傍に発生しやすい結晶欠陥
や不純物などによりポテンシャルの低いバンドが多数現
れる。電子はこのポテンシャルの低いバンドを介し次々
にトンネリングし、結果として50nm以上の膜厚をも
トンネルするのであると推定される。(図11参照) 図10に実施例の電子放出表示装置を示す。実施例は、
一対の透明基板1及び素子基板10からなり、基板は真
空空間4を挾み互いに対向している。図示する電子放出
表示装置において、表示面である透明な前面板1すなわ
ち透明基板の内面(背面板10と対向する面)には、例
えばインジウム錫酸化物(いわゆるITO)、酸化錫
(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)などからなる透明なコ
レクタ電極2の複数が互いに平行に形成されている。ま
た、コレクタ電極2は一体的に形成されていてもよい。
放出電子を捕獲する透明コレクタ電極群は、カラーディ
スプレイパネルとするために赤、緑、青のR,G,B色
信号に応じて3本1組となっており、それぞれに電圧が
印加される。よって、3本のコレクタ電極2の上には、
R,G,Bに対応する蛍光体からなる蛍光体層3R,3
G,3Bが真空空間4に面するように、それぞれ形成さ
れている。
出電流Ieの関係並びに電子放出効率(Ie/Id)の
関係を示す。かかる結果より、成膜レート0.5〜10
0nm/minにて、1x10-6A/cm2以上の放出電流、1x
10-3以上の電子放出効率が得られることが判明した。
スパッタリングで成膜した絶縁体層の表面をSEMで観
察したところ(図8に示す粒子構造を示す写真)、CV
Dで成膜したもの(図9に示す粒子構造を示す写真)と
比べ20nm程度の粒塊からなることを特徴としている
ことが判った。50nm以上の膜厚を有しながらトンネ
ル電流が流れるといった特異な現象はこの特徴に起因す
ると考えられる。すなわち、SiO2は本来絶縁体であ
るが、粒塊あるいは、その近傍に発生しやすい結晶欠陥
や不純物などによりポテンシャルの低いバンドが多数現
れる。電子はこのポテンシャルの低いバンドを介し次々
にトンネリングし、結果として50nm以上の膜厚をも
トンネルするのであると推定される。(図11参照) 図10に実施例の電子放出表示装置を示す。実施例は、
一対の透明基板1及び素子基板10からなり、基板は真
空空間4を挾み互いに対向している。図示する電子放出
表示装置において、表示面である透明な前面板1すなわ
ち透明基板の内面(背面板10と対向する面)には、例
えばインジウム錫酸化物(いわゆるITO)、酸化錫
(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)などからなる透明なコ
レクタ電極2の複数が互いに平行に形成されている。ま
た、コレクタ電極2は一体的に形成されていてもよい。
放出電子を捕獲する透明コレクタ電極群は、カラーディ
スプレイパネルとするために赤、緑、青のR,G,B色
信号に応じて3本1組となっており、それぞれに電圧が
印加される。よって、3本のコレクタ電極2の上には、
R,G,Bに対応する蛍光体からなる蛍光体層3R,3
G,3Bが真空空間4に面するように、それぞれ形成さ
れている。
【0021】一方、真空空間4を挾み前面板に対向する
ガラスなどからなる背面板10すなわち素子基板内面
(前面板1と対向する面)には、インシュレータ層18
を介してそれぞれ平行に伸長する複数のオーミック電極
11が形成されている。このインシュレータ層18は、
SiO2, SiNx, Al2O3, AlNなどの絶縁体からなり、基板1
0から素子への悪影響(アルカリ成分などの不純物の溶
出や、基板面の凹凸など)を防ぐ働きをなす。オーミッ
ク電極の上に複数の電子放出素子Sが形成され、隣接す
る金属薄膜電極を電気的に接続しその一部上に、オーミ
ック電極に垂直に伸長して架設され、それぞれが平行に
伸長する複数のバス電極16と、が設けられている。電
子放出素子Sはオーミック電極上に順に形成された電子
供給層12、絶縁体層13及び金属薄膜電極15からな
る。金属薄膜電極15は真空空間4に面する。また、金
属薄膜電極15の表面を複数の電子放出領域に区画する
ため、開口を有した第2絶縁体層17が成膜される。こ
の第2絶縁体層17はバス電極16を覆うことで不要な
短絡を防止する。
ガラスなどからなる背面板10すなわち素子基板内面
(前面板1と対向する面)には、インシュレータ層18
を介してそれぞれ平行に伸長する複数のオーミック電極
11が形成されている。このインシュレータ層18は、
SiO2, SiNx, Al2O3, AlNなどの絶縁体からなり、基板1
0から素子への悪影響(アルカリ成分などの不純物の溶
出や、基板面の凹凸など)を防ぐ働きをなす。オーミッ
ク電極の上に複数の電子放出素子Sが形成され、隣接す
る金属薄膜電極を電気的に接続しその一部上に、オーミ
ック電極に垂直に伸長して架設され、それぞれが平行に
伸長する複数のバス電極16と、が設けられている。電
子放出素子Sはオーミック電極上に順に形成された電子
供給層12、絶縁体層13及び金属薄膜電極15からな
る。金属薄膜電極15は真空空間4に面する。また、金
属薄膜電極15の表面を複数の電子放出領域に区画する
ため、開口を有した第2絶縁体層17が成膜される。こ
の第2絶縁体層17はバス電極16を覆うことで不要な
短絡を防止する。
【0022】オーミック電極11の材料としては、A
u、Pt、Al、W等の一般にICの配線に用いられる
材料で、各素子にほぼ同電流を供給する均一な厚さであ
る。電子供給層12の材質は、シリコン(Si)が挙げ
られるが、本発明の電子供給層はシリコンに限られたも
のではなく他の半導体又は金属であり、アモルファス、
多結晶、単結晶の何れでも良い。
u、Pt、Al、W等の一般にICの配線に用いられる
材料で、各素子にほぼ同電流を供給する均一な厚さであ
る。電子供給層12の材質は、シリコン(Si)が挙げ
られるが、本発明の電子供給層はシリコンに限られたも
のではなく他の半導体又は金属であり、アモルファス、
多結晶、単結晶の何れでも良い。
【0023】薄膜電極15の材質は、電子放出の原理か
ら仕事関数φが小さい材料で、薄い程良い。電子放出効
率を高くするために、薄膜電極15の材質は周期律表の
I族、II族の金属が良く、たとえばMg、Ba、Ca、
Cs、Rb、Li、Sr等が有効で、更に、それらの合
金であっても良い。また、薄膜電極15の材質は極薄化
の面では、導電性が高く化学的に安定な金属が良く、た
とえばAu、Pt、Lu、Ag,Cuの単体又はこれら
の合金等が望ましい。また、これらの金属に、上記仕事
関数の小さい金属をコート、あるいはドープしても有効
である。
ら仕事関数φが小さい材料で、薄い程良い。電子放出効
率を高くするために、薄膜電極15の材質は周期律表の
I族、II族の金属が良く、たとえばMg、Ba、Ca、
Cs、Rb、Li、Sr等が有効で、更に、それらの合
金であっても良い。また、薄膜電極15の材質は極薄化
の面では、導電性が高く化学的に安定な金属が良く、た
とえばAu、Pt、Lu、Ag,Cuの単体又はこれら
の合金等が望ましい。また、これらの金属に、上記仕事
関数の小さい金属をコート、あるいはドープしても有効
である。
【0024】バス電極16の材料としては、Au、P
t、Al等の一般にICの配線に用いられる物で良く、
各素子にほぼ同電位を供給可能ならしめるに足る厚さ
で、0.1〜50μmが適当である。また、この表示装
置の駆動方式としては単純マトリクス方式又はアクティ
ブマトリクス方式が適用できる。
t、Al等の一般にICの配線に用いられる物で良く、
各素子にほぼ同電位を供給可能ならしめるに足る厚さ
で、0.1〜50μmが適当である。また、この表示装
置の駆動方式としては単純マトリクス方式又はアクティ
ブマトリクス方式が適用できる。
【図1】 本発明による電子放出素子の概略断面図であ
る。
る。
【図2】 本発明による電子放出素子における電子放出
電流のSiO2層膜厚依存性を示すグラフである。
電流のSiO2層膜厚依存性を示すグラフである。
【図3】 本発明による電子放出素子における電子放出
効率のSiO2層膜厚依存性を示すグラフである。
効率のSiO2層膜厚依存性を示すグラフである。
【図4】 本発明による電子放出素子における電子放出
電流のガス圧依存性を示すグラフである。
電流のガス圧依存性を示すグラフである。
【図5】 本発明による電子放出素子における電子放出
効率のガス圧依存性を示すグラフである。
効率のガス圧依存性を示すグラフである。
【図6】 本発明による電子放出素子における電子放出
電流の成膜レート依存性を示すグラフである。
電流の成膜レート依存性を示すグラフである。
【図7】 本発明による電子放出素子における電子放出
効率の成膜レート依存性を示すグラフである。
効率の成膜レート依存性を示すグラフである。
【図8】 スパッタリングで成膜したSiO2絶縁体層
の表面のSEMによる粒子構造を示す写真である。
の表面のSEMによる粒子構造を示す写真である。
【図9】 CVDで成膜したSiO2絶縁体層の表面の
SEMによる粒子構造を示す写真である。
SEMによる粒子構造を示す写真である。
【図10】 本発明による実施例の電子放出表示装置を
示す概略斜視図である。
示す概略斜視図である。
【図11】 本発明による電子放出素子のバンド構造を
示す図である。
示す図である。
1 透明基板 2 コレクタ電極 3R,3G,3B 蛍光体層 4 真空空間 5 コレクタ電極 10 素子基板 11 オーミック電極 12 電子供給層 13 絶縁体層 15 金属薄膜電極 16 バス電極 17 第2絶縁体層 18 インシュレータ層
Claims (5)
- 【請求項1】 金属又は半導体からなる電子供給層、前
記電子供給層上に形成された絶縁体層及び前記絶縁体層
上に形成され真空空間に面する金属薄膜電極からなり、
前記電子供給層及び前記金属薄膜電極間に電界を印加し
電子を放出する電子放出素子であって、前記絶縁体層
は、希ガスを主成分とする混合ガスを用いてガス圧0.
1〜100mTorr、成膜レート0.5〜100nm/minの
条件のスパッタリングで成膜された50nm以上の膜厚を
有する誘電体層であることを特徴とする電子放出素子。 - 【請求項2】 真空空間を挾み対向する一対の第1及び
第2基板と、前記第1基板内面に設けられた複数の電子
放出素子と、前記第2基板内面に設けられたコレクタ電
極と、前記コレクタ電極上に形成された蛍光体層と、か
らなる電子放出表示装置であって、前記電子放出素子の
各々は、前記第1基板側に形成された金属又は半導体か
らなる電子供給層、前記電子供給層上に形成された絶縁
体層及び前記絶縁体層上に形成され前記真空空間に面す
る金属薄膜電極からなり、前記絶縁体層は、希ガスを主
成分とする混合ガスを用いてガス圧0.1〜100mTor
r、成膜レート0.5〜100nm/minの条件のスパッタ
リングで成膜された50nm以上の膜厚を有する誘電体か
らなることを特徴とする電子放出表示装置。 - 【請求項3】 真空空間を挾み対向する一対の素子基板
及び透明基板と、 前記素子基板に設けられそれぞれ平行に伸長する複数の
オーミック電極と、 各々が前記オーミック電極上に形成された金属又は半導
体からなる電子供給層、前記電子供給層上に希ガスを主
成分とする混合ガスを用いてガス圧0.1〜100mTor
r、成膜レート0.5〜100nm/minの条件のスパッタ
リングで成膜された50nm以上の膜厚を有する誘電体の
絶縁体層及び前記絶縁体層上に形成され前記真空空間に
面する金属薄膜電極からなる複数の電子放出素子と、 隣接する前記金属薄膜電極を電気的に接続しその一部上
に、前記オーミック電極に垂直に伸長して架設され、そ
れぞれが平行に伸長する複数のバス電極と、 前記透明基板に設けられそれぞれ平行に伸長しかつ前記
金属薄膜電極からの放出電子を捕獲する複数のコレクタ
電極と、前記コレクタ電極上に形成された蛍光体層から
なることを特徴とする電子放出表示装置。 - 【請求項4】 前記金属薄膜電極の表面を複数の電子放
出領域に画定する第2絶縁体層を有することを特徴とす
る請求項3記載の電子放出表示装置。 - 【請求項5】 前記第2絶縁体層は前記バス電極を覆う
ことを特徴とする請求項4記載の電子放出表示装置。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13412697A JP3537634B2 (ja) | 1997-03-04 | 1997-05-23 | 電子放出素子の製造方法及び電子放出表示装置の製造方法 |
US09/032,111 US6130503A (en) | 1997-03-04 | 1998-02-27 | Electron emission device and display using the same |
EP98301594A EP0863533B1 (en) | 1997-03-04 | 1998-03-04 | Electron emission device and display device using the same |
US09/520,213 US6166487A (en) | 1997-03-04 | 2000-03-07 | Electron emission device and display device using the same |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9-49456 | 1997-03-04 | ||
JP4945697 | 1997-03-04 | ||
JP13412697A JP3537634B2 (ja) | 1997-03-04 | 1997-05-23 | 電子放出素子の製造方法及び電子放出表示装置の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10308168A true JPH10308168A (ja) | 1998-11-17 |
JP3537634B2 JP3537634B2 (ja) | 2004-06-14 |
Family
ID=26389853
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13412697A Expired - Fee Related JP3537634B2 (ja) | 1997-03-04 | 1997-05-23 | 電子放出素子の製造方法及び電子放出表示装置の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3537634B2 (ja) |
-
1997
- 1997-05-23 JP JP13412697A patent/JP3537634B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
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