JPH10308004A - スピンバルブ型磁気ヘッドおよびスピンバルブ型磁気ヘッド製造方法 - Google Patents

スピンバルブ型磁気ヘッドおよびスピンバルブ型磁気ヘッド製造方法

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JPH10308004A
JPH10308004A JP12801197A JP12801197A JPH10308004A JP H10308004 A JPH10308004 A JP H10308004A JP 12801197 A JP12801197 A JP 12801197A JP 12801197 A JP12801197 A JP 12801197A JP H10308004 A JPH10308004 A JP H10308004A
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layer
ferromagnetic
spin
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magnetic head
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JP12801197A
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Inventor
Koichi Nishioka
浩一 西岡
Hiroshi Kamio
浩 神尾
Keishi Shigematsu
恵嗣 重松
Takao Imagawa
尊雄 今川
Shinji Narushige
真治 成重
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 動作温度範囲で特性変化のないスピンバルブ
型磁気ヘッドを提供。 【解決手段】 スピンバルブの固定層の反強磁性層をC
r,Mn,Ptを含む合金とし、反強磁性層のブロッキング温
度(Tb)より低温度で磁気ギャップ深さ方向に固定層を磁
気飽和するに十分な磁界を印加、保持し、磁界中冷却し
た後、Tbより低い温度で、スピンバルブの自由層の磁化
をトラック幅方向の飽和に十分な最小磁界を該方向に印
加し、保持する。固定層の一方向異方性の結合磁界He
が、プロセス最高温度をTmaxとし、素子高さをhMR(μ
m)として、He(Tmax)≧60+100/hMR[Oe]とし、反強磁性
層組成を(Cr100-x Mnx)100-y Pty、2≦y、40≦x≦70と
し、柱状結晶粒とし、膜厚コントロ−ルにより反強磁性
層平均結晶粒径を2.7×10~18cm3以上とし、bctの
(110)を膜面に平行とし、長軸を膜面内に有するように
し、Tma x以上のTbを有する固定層成分まで磁化を所望の
方向に固定できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気ディスク装置に用
いる磁気ヘッドに係り、特にスピンバルブ型磁気ヘッド
とその製造方法に関する。。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気記録装置は小型化、大容量化
が急速に進んでおり、これに対応すべく、磁気記録装置
に用いる再生用磁気ヘッドは、従来の誘導型磁気ヘッド
から異方的磁気抵抗効果(Anisotropic Magnetoresistiv
e Effect)を用いた高感度の再生ヘッドへと移行してい
る。さらに、近年、異方的磁気抵抗効果より約一桁感度
の高い磁気抵抗効果、即ち巨大磁気抵抗効果(Giant Mag
netoresistive Effect)が見いだされ、磁気記録装置の
さらなる大容量化の可能性が開かれ、急速な大容量化に
拍車をかけている。巨大磁気抵抗効果を示す構成のうち
最も実用化の可能性の大きい構成として米特許5159
513に示されるスピンバルブと呼ばれる構成がある。
【0003】図1は、再生ヘッドであるスピンバルブ型
ヘッドと通常の記録ヘッドからなる磁気ヘッドの概略構
成を示すものである。スピンバルブは、反強磁性膜(層)
と強磁性膜(層)からなる固定層(Pinned Layer)とよばれ
る強磁性層と、自由層(Free Layer)と呼ばれる強磁性膜
(層)と、これら固定層と自由層とに直接隣接して挟まれ
た導電層とを基本構成とし、図1のGMR膜に相当す
る。そしてスピンバルブ型磁気ヘッドは、該GMR膜
と、これらの層に電流を通じる電極と、バルクハウゼン
ノイズ(Barkhauzen Noise)とよばれる自由層磁化の不均
一に起因するノイズを抑制するための縦バイアス磁界を
加える永久磁石層があり、これらからなる素子は、一般
に、磁気シ−ルドとよばれる2つの強磁性体で挟まれた
磁気ギャップとよばれる微小空間内に設けられており、
媒体磁化信号を高分解能で再生できるようになってい
る。固定層磁化は反強磁性層から受ける一方向性の結合
磁界によって磁気ギャップ深さ方向に磁化が固定され
る。自由層磁化は外部磁界を受けない状態ではトラック
幅方向に磁化を向け、媒体からの磁界に応じてその向き
を変えることで、固定層と自由層磁化のなす角が変化が
生じ、この変化により磁気抵抗変化を生じる。この抵抗
変化を信号として再生するのがスピンバルブ型磁気ヘッ
ドの動作原理である。
【0004】この原理が動作するための重要ポイント
は、(1)固定層磁化は磁気ギャップ深さ方向に固定さ
れており、外部磁界によって容易には反転しないこと、
(2)自由層磁化は外部磁界のない時トラック幅方向を
むいている。言い替えると固定層磁化と直交すること、
である。 (1)の固定層磁化を安定に固定するには、反強磁性層
との結合磁界をヘッドが通常使用される動作温度範囲で
十分大きくする必要がある。また、磁気ギャップ深さ方
向に最大に固定するには、磁界をギャップ深さ方向に印
加し、固定層を磁気飽和しながら固定層のブロッキング
温度以上から磁界中冷却する必要がある。 (2)を実現するには、自由層の磁化容易軸をトラック
幅方向(固定層磁化固定方向と直交方向)に付与する必
要がある。この構成は固定層と自由層の磁化容易軸が直
交するので、この構成を実現するのが困難である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来知られている反強
磁性材料として鉄−マンガン(FeMn)合金がある。この材
料のブロッキング温度は摂氏150度であり、ヘッドを
製造する時にかけるヘッドプロセス温度の最高温度(例
えば、230〜250℃)より低いので、上記の(1)
(2)の要求を実現するには、J.Appl.Phys.Vol.76(199
6)の6401ぺ−ジに示される如く、摂氏150度以上
の温度でトラック幅方向に磁界印加しながら保持するこ
とにより自由層磁化容易軸をトラック幅方向に付与し、
冷却時に磁界をギャップ深さ方向に印加し、固定層磁化
をギャップ深さ方向に磁気飽和させて磁界中冷却するこ
とによって固定層磁化をギャップ深さ方向に固定すると
いう方法を用いている。
【0006】ところが、FeMnのようにブロッキング
温度が摂氏150度と低い材料は、ヘッド動作温度範囲
(最高、100℃ぐらいになる)で結合磁界の温度変化
が大きく、動作最高温度で結合磁界が小さくなるという
問題が生じる。例えば、FeMnを用いた場合、室温で
400エルステッドの結合磁界を有していても、動作最
高温度の摂氏100度では130エルステッドと小さく
なり、媒体磁界により容易に磁化反転してしまい、磁気
ヘッドの性能が著しく低下するという問題を含んでい
る。FeMnに変わる強磁性体と交換結合し一軸磁気異
方性を与える材料としてクロム−マンガン系合金が特願
平7−116894号に示されている。本発明の目的
は、クロム−マンガン系合金において上述の要求を達成
する構成を提供し、動作温度範囲の広い高感度のスピン
バルブ型磁気ヘッドを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、第一及び第二の二つの強磁性層を有し、
第一強磁性層と第二強磁性層の間に非磁性導電層を有
し、第一強磁性層は該非磁性導電層と接する面と異なる
面で反強磁性層と直接接触するスピンバルブを備えるス
ピンバルブ型磁気ヘッドにおいて、該反強磁性体は主と
してCrとMnとPtを含む合金であり、該反強磁性体
が第一の強磁性体に与える一方向異方性の結合磁界が消
失する温度(ブロッキング温度)が摂氏250度を越え
るようにしている。さらに、前記反強磁性体の組成が原
子組成において、 (Cr100-x Mnx100-y Pty 2≦y 40≦x≦70 であるようにしている。さらに、前記反強磁性層の膜厚
が200Å以上であるようにしている。
【0008】また、前記反強磁性層の第一強磁性層と接
する結晶の平均結晶粒体積が、 2.7×10~18cm3以上 であるようにしている。また、前記反強磁性層は、膜面
に平行に(110)配向したbct構造であり、その長
軸が膜面内にあるようにしている。
【0009】また、第一及び第二の二つの強磁性層を有
し、第一強磁性層と第二強磁性層の間に非磁性導電層を
有し、第一強磁性層は該非磁性導電層と接する面と異な
る面で反強磁性層と直接接触するスピンバルブを備える
スピンバルブ型磁気ヘッドにおいて、前記反強磁性体が
第一の強磁性体に与える一方向異方性の結合磁界He
(Oe)が、ヘッド作製プロセスでの最高温度をTmax
とし、反強磁性体の素子高さをhM R(μm)として、 He(Tmax)≧60+100/hMR (Oe) であるようにしている。
【0010】また、第一及び第二の二つの強磁性層を有
し、第一強磁性層と第二強磁性層の間に非磁性導電層を
有し、第一強磁性層は該非磁性導電層と接する面と異な
る面で反強磁性層と直接接触し、反強磁性層が体心正方
晶構造を有するスピンバルブと、これらの層に電流を通
じる電極と、該スピンバルブと電極からなる素子が磁気
シ−ルドである2つの強磁性体で挟まれた磁気ギャップ
と呼ばれる微小空間内に設けられているスピンバルブ型
磁気ヘッド製造方法において、該反強磁性体が第一の強
磁性体に与える結合磁界が消失する温度(ブロッキング
温度)Tbより低い温度で磁気ギャップ深さ方向に前記
第一強磁性層と反強磁性層からなる固定層を磁気飽和す
るに十分な磁界を印加、保持し、磁界中冷却した後、ブ
ロッキング温度Tbより低い温度で、前記第二強磁性層
の磁化をトラック幅方向に飽和するのに十分な最小の磁
界をトラック幅方向に印加し、保持するようにしてい
る。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施例を図を参
照して説明する。
【0012】《実施例1》CrMn組成を原子比で1対
1としこれにPtを添加した膜厚400ÅのCrMnP
t反強磁性膜を20ÅのCo強磁性層上に作成し、摂氏
230度で固定層着磁熱処理をおこない、結合磁界の温
度特性を評価した。Pt組成ゼロではブロッキング温度
が摂氏130度であるが、Pt量と共にブロッキング温
度は増加し、2.2at%(atomic %)で摂氏250
度を越え、Pt量とともに増大し7at%以上では摂氏
320度となる。結合磁界もPt量と共に増大し、2.
2at%では室温で600エルステッドとなり、4at
%で最大となった後ゆっくりと低下し、10at%で4
00エルステッドとなる。Pt量は2at%以上が望ま
しい。図2は、結合磁界の温度特性の1例を示し、この
場合、Co30ÅとCrMnPt300Åの積層膜であ
る。
【0013】また、強磁性層膜厚と結合磁界の大きさに
は逆比例の関係があり、ブロッキング温度以下で結合磁
界を調整する方法の1つとして強磁性層膜厚を調整する
という方法がある。即ち、ブロッキング温度以下で結合
磁界を大きくするには強磁性層厚さを小さくすればよ
い。CrとMnの組成比に関してはMn量xを40から
70at%ではブロッキング温度の低下が見られず、こ
の組成が望ましい。
【0014】《実施例2》従来のFeMnやNiOなど
の反強磁性材料では、J.Appl.Phys.VOl.76,pp5356-5360
(1994)に開示されるように、固定層着磁を行なう際、ブ
ロッキング温度以上から磁界中冷却を行なう必要があ
り、これらの系ではブロッキング温度がプロセス最高温
度より低いので、実際そのようにして固定層着磁を行っ
ている。ところが、ブロッキング温度がプロセス最高温
度より高い材料を用いた場合には、処理温度はブロッキ
ング温度以上には出来ず、固定層を完全に着磁できない
という問題が生じる。しかし、CrMnPt系ではプロ
セス最高温度以下でbcc(体心立法晶)からbct
(体心正法晶)への構造変態をともない、この構造変態
を伴うと、プロセス最高温度より高いブロッキング温度
をもつ固定層成分も含めて、プロセス最高温度以下で固
定層磁化が固定されるために、ブロッキング温度以上か
ら磁界中冷却する必要が無くなる。これにより、例え
ば、摂氏230度の固定層着磁処理によって、ブロッキ
ング温度300度を有する固定層がギャップ深さ方向に
着磁することができる。
【0015】一方、このように構造変化を伴い、ブロッ
キング温度が高い系では、固定層磁化をギャップ深さ方
向に固定し自由層磁化容易軸をこれと直角のトラック幅
方向とする構成を得るのが難しくなる。すなわち、Fe
Mnで用いられた方法である、ブロッキング温度以上の
温度でトラック幅方向に磁界印加しながら保持すること
により自由層磁化容易軸をトラック幅方向に付与し、冷
却時に磁界をギャップ深さ方向に印加し、固定層磁化を
ギャップ深さ方向に磁気飽和させて磁界中冷却すること
によって固定層磁化をギャップ深さ方向に固定するとい
う方法によっては所望の構成は得られず、新たな処理方
法が必要となる。
【0016】以下この新しい熱処理法について述べる。
この処理は、固定層着磁処理と、自由層エ−ジング処理
とからなる。固定層着磁処理は、CrMnPt合金に構
造変態を誘起するのに十分な温度と時間をかけ、ギャッ
プ方向に固定層磁化を磁気飽和させるに十分な磁界を印
加して処理する。この処理により、固定層磁化はギャッ
プ深さ方向に固定されるが、同時に自由層磁化容易軸も
ギャップ深さ方向へ傾く。
【0017】自由層エ−ジング処理は、ギャップ方向に
傾いた自由層磁化容易軸をトラック幅方向に戻すための
処理であり、この処理では、自由層磁化が飽和する最小
の磁界をトラック幅方向に印加し熱処理を行なう。ここ
で印加磁界を自由層の飽和する最小磁界とするのは、ギ
ャップ深さ方向に固定された固定層磁化の、自由層エ−
ジング処理後に生じる固定方向のずれ角をできるだけ小
さくするためである。今、自由層の飽和磁界をHf、自
由層エ−ジング処理温度(通常はプロセス最高温度)を
f、この温度での固定層が反強磁性層から受ける結合
磁界をHe(Tf)とすると、処理中の固定層磁化のギャ
ップ深さ方向からの傾き角αは α= Arctan{Hf/He(Tf)}≒ Arctan{Hk/He(Tf)} と書ける。ここで自由層の飽和磁界を異方性磁界Hk
近似している。処理後、固定層の固定方向(磁化容易
軸)は最大でこの角度だけギャップ深さ方向から傾くこ
とになる。この傾き角を小さくするには処理温度での固
定層結合磁界He(Tf)をできるだけ大きくすればよ
い。例えば、自由層の異方性磁界をHk=10エルステ
ッドとして傾き角を5度以下にするにはHe(Tf)を1
14エルステッド以上とすればよいことが分かる。
【0018】さらに、自由層エ−ジング処理中に固定層
磁化容易軸をギャップ深さ方向から回転させる要因が、
もう一つある。それは素子端部の反磁界である。自由層
エ−ジング処理時、固定層の端部では反磁界により固定
層磁化はギャップ深さ方向から傾いており、自由層エ−
ジング処理によって固定層端部の磁化はギャップ深さ方
向から傾いて固定されることになる。図3に自由層エ−
ジング処理中の固定層端部の磁化方向のプロファイルを
固定層の結合磁界を変えて計算した結果を示す。ここで
h=0はギャップ深さ方向の固定層端部であり、hは端
部からのギャップ深さ方向の距離である。hMRはギャッ
プ深さ方向の固定層の長さを表わす。固定層の磁化角度
はトラック幅方向から測った角度であり、0度がトラッ
ク幅方向を、90度がギャップ深さ方向となる。結合磁
界が小さいほど端部付近の磁化がギャップ深さ方向から
傾いた領域が大きくなることがわかる。自由層エ−ジン
グ処理時に固定層磁化が85度より小さくなる領域、言
い替えれば、固定層磁化がギャップ深さ方向から5度以
上傾く領域は、結合磁界96エルステッドでは端部から
0.25μmの領域であり、結合磁界180エルステッ
ドでは端部から0.09μmの領域であり、結合磁界4
00エルステッドの場合ほぼ0.03μmとなる。特性
上この領域をMR高さの10%以下にするのが望まし
い。従って、自由層エ−ジング時の結合磁界He(Tf
は He(Tf)[Oe]≧ 60+100/hMR とすべきである。ここでhMRはμm単位とする。
【0019】《実施例3》反強磁性層にCr48Mn48
4(at%)及びCr45Mn45Pt10(at%)を用
い、 Ta50/NiFe50/CoFe10/Cu25/Co20/CrMnPt100〜400/Ta30Å なる構成のスピンバルブ膜を作成し、摂氏230度で固
定層着磁を行った後、断面及び膜面内の電子顕微鏡観察
を行い結晶粒形態を調べ、結晶粒形態と結合磁界の温度
依存性について調べた。なお、上記スピンバルブ膜にお
いて、Ta50Åは下地層、NiFe50/CoFe10Åは自由層、Cu2
5Åは導電層、Co20/CrMnPt100〜400Åは固定層(Co20Å
は強磁性層、CrMnPt100〜400Åは反強磁性層)、Ta30Å
は保護膜層である。断面観察結果からNiFe/CoFe/Cu/Co/
CrMnPtは整合に成長しており、CrMnPtは柱状結晶
であり、Co界面側とTa界面側でCrMnPtの結晶
粒径に変化のないことがわかった。
【0020】またCrMnPt膜400Åの膜面内の結
晶粒観察から結晶粒径分布を測定した結果を図4に示
す。平均の結晶粒径は95Åであり標準偏差22Åでガ
ウス分布している。CrMnPtが柱状結晶成長をして
いるので、結晶粒体積を大きくするには膜を厚くすれば
良い。
【0021】図5にはCrMnPtの膜厚の異なる幾つ
かの試料の固定層の結合磁界の温度依存性を示す。
(a)はPt4at%の結果であり、(b)はPt10
at%の結果である。いずれの場合も膜厚増大とともに
ブロッキング温度が増加しており(a)の場合300Å
で、(b)の場合200Åでブロッキング温度は摂氏2
50度を越え、さらに膜厚を大きくするとブロッキング
温度は摂氏320度まで達する。(a)の300Åでの
平均結晶粒体積は2.7×10~18cm3であることから
平均結晶粒径体積を2.7×10~18cm3以上とすれば
よい。また、(a)の400Åでの結合磁界と保磁力の
温度変化を図3の粒径分布を用いて、一軸性の結晶磁気
異方性定数をパラメ−タとして計算により近似すること
により、結晶磁気異方性定数を求めると2.2×106
erg/ccとなることから(近似結果を図6に示
す)、平均結晶粒の結晶磁気異方性エネルギ−を5.9
×10~12erg以上とすればよい。
【0022】
【発明の効果】反強磁性層と強磁性層の結合磁界の温度
変化を小さくすることにより、動作温度範囲の広い高感
度のスピンバルブ型磁気ヘッドを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】再生ヘッドであるスピンバルブ型ヘッドと通常
の記録ヘッドからなる磁気ヘッドの概略構成を示す図で
ある。
【図2】結合磁界の温度特性の1例を示す図である。
【図3】自由層エ−ジング処理中の固定層端部の磁化方
向のプロファイルを結合磁界を変えて計算した結果の例
を示す図である。
【図4】CrMnPt膜400Åの膜面内の結晶粒径分
布を示す図である。
【図5】CrMnPtの膜厚の異なる幾つかの試料の固
定層の結合磁界の温度依存性を示す図である。
【図6】CrMnPt膜400Åスピンバルブ膜の結合
磁界と保磁力の温度変化を図3の粒径分布を用いて、一
軸性の結晶磁気異方性定数をパラメ−タとして近似計算
した結果を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 今川 尊雄 神奈川県小田原市国府津2880番地 株式会 社日立製作所ストレージシステム事業部内 (72)発明者 成重 真治 神奈川県小田原市国府津2880番地 株式会 社日立製作所ストレージシステム事業部内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第一及び第二の二つの強磁性層を有し、
    第一強磁性層と第二強磁性層の間に非磁性導電層を有
    し、第一強磁性層は該非磁性導電層と接する面と異なる
    面で反強磁性層と直接接触するスピンバルブを備えるス
    ピンバルブ型磁気ヘッドにおいて、 該反強磁性体は主としてCrとMnとPtを含む合金で
    あり、該反強磁性体が第一の強磁性体に与える一方向異
    方性の結合磁界が消失する温度(ブロッキング温度)が
    摂氏250度を越えることを特徴とするスピンバルブ型
    磁気ヘッド。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のスピンバルブ型磁気ヘッ
    ドにおいて、 前記反強磁性体の組成が原子組成において、 (Cr100-x Mnx100-y Pty 2≦y 40≦x≦70 であることを特徴とするスピンバルブ型磁気ヘッド。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のスピンバルブ型磁気ヘッ
    ドにおいて、 前記反強磁性層の膜厚が200Å以上であることを特徴
    とするスピンバルブ型磁気ヘッド。
  4. 【請求項4】 請求項2記載のスピンバルブ型磁気ヘッ
    ドにおいて、 前記反強磁性層の第一強磁性層と接する結晶の平均結晶
    粒体積が、 2.7×10~18cm3以上 であることを特徴とするスピンバルブ型磁気ヘッド。
  5. 【請求項5】 請求項2記載のスピンバルブ型磁気ヘッ
    ドにおいて、 前記反強磁性層は、膜面に平行に(110)配向したb
    ct構造であり、その長軸が膜面内にあることを特徴と
    するスピンバルブ型磁気ヘッド。
  6. 【請求項6】 第一及び第二の二つの強磁性層を有し、
    第一強磁性層と第二強磁性層の間に非磁性導電層を有
    し、第一強磁性層は該非磁性導電層と接する面と異なる
    面で反強磁性層と直接接触するスピンバルブを備えるス
    ピンバルブ型磁気ヘッドにおいて、 前記反強磁性体が第一の強磁性体に与える一方向異方性
    の結合磁界He(Oe)が、ヘッド作製プロセスでの最
    高温度をTmaxとし、反強磁性体の素子高さをhM R(μ
    m)として、 He(Tmax)≧60+100/hMR (Oe) であることを特徴とするスピンバルブ型磁気ヘッド。
  7. 【請求項7】 第一及び第二の二つの強磁性層を有し、
    第一強磁性層と第二強磁性層の間に非磁性導電層を有
    し、第一強磁性層は該非磁性導電層と接する面と異なる
    面で反強磁性層と直接接触し、反強磁性層が体心正方晶
    構造を有するスピンバルブと、これらの層に電流を通じ
    る電極と、該スピンバルブと電極からなる素子が磁気シ
    −ルドである2つの強磁性体で挟まれた磁気ギャップと
    呼ばれる微小空間内に設けられているスピンバルブ型磁
    気ヘッド製造方法において、 該反強磁性体が第一の強磁性体に与える結合磁界が消失
    する温度(ブロッキング温度)Tbより低い温度で磁気
    ギャップ深さ方向に前記第一強磁性層と反強磁性層から
    なる固定層を磁気飽和するに十分な磁界を印加、保持
    し、磁界中冷却した後、ブロッキング温度Tbより低い
    温度で、前記第二強磁性層の磁化をトラック幅方向に飽
    和するのに十分な最小の磁界をトラック幅方向に印加
    し、保持することを特徴とするスピンバルブ型磁気ヘッ
    ド製造方法。
JP12801197A 1997-05-01 1997-05-01 スピンバルブ型磁気ヘッドおよびスピンバルブ型磁気ヘッド製造方法 Pending JPH10308004A (ja)

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JP (1) JPH10308004A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6498707B1 (en) * 1999-04-20 2002-12-24 Seagate Technology, Llc Giant magnetoresistive sensor with a CrMnPt pinning layer and a NiFeCr seed layer
US7859800B2 (en) * 2006-06-27 2010-12-28 Fujitsu Limited Magneto-resistive effect element magnetic disk device having magneto-resistive effect film and method of forming a CPP-type magneto-resistive effect element having a soft magnetic layer composed of columnar crystal

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US7859800B2 (en) * 2006-06-27 2010-12-28 Fujitsu Limited Magneto-resistive effect element magnetic disk device having magneto-resistive effect film and method of forming a CPP-type magneto-resistive effect element having a soft magnetic layer composed of columnar crystal

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