JPH10306806A - レバー締め具装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】操作が容易でかつ調節自在なレバー締め具装置
を提供する。 【解決手段】ベース１１に対して第１の軸１４まわりに
回動自在に枢着されたレバー１３を備え、このレバーは
互いに隣接しかつ枢着された第１および第２の部分１
８，１９から構成し、第１の部分１８の一端部を第１の
軸まわりに回動自在にベース１１に枢着し、第２の部分
１９は第１の部分１８の他端部に第２の軸まわりに枢着
し、また連結要素１５を上記の第２の部分１９の第２の
軸から離れた位置で第１の軸１４と反対の位置に連結し
た。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、請求項１の前提部
分に開示されているようなレバー締め具装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】このような形式の締め具装置、略称すれ
ば「締め具」は、従来からスポーツ用品や履物の分野で
広く使用されており、たとえば、スキーブーツ、スノー
ボードブーツ、スケート靴、および履物（またはスポー
ツ用品）の甲部分の２つのフラップ等の２つの部分を互
いに調節自在に締め付けるものに使用されている。

【０００３】このような締め具は、ブーツのプラスチッ
クのシェル部分またはカフス部分を締め付けるものに主
として使用されており、レバーを備えており、これによ
って、靴の甲部分にかなり剛質の特性の材料が使用され
ている場合でも、それによって生じるフラップの閉じ抵
抗力に耐えることができるように構成されている。

【０００４】しかしながら、従来のレバー形の締め具
は、本発明により解決すべき２つの問題を含んでいた。

【０００５】その第１は、このレバーの作動は、この締
め具の解放および締め付けの両方の操作中にかなりの労
力を必要とし、特に女性や子供の場合には、この労力は
常に使用者の身体的な力とは対応していない。

【０００６】また第２には、このレバーは完全に解放し
た位置と完全に締め付けた位置の両方の位置にしか操作
することができない。この完全に開放した位置では、こ
のレバーは履物のシェルから旗状に突出して使用者の動
作の邪魔となり、また完全に締め付けた位置では、この
レバーは使用者の足を堅く締め付け、特に使用者がスポ
ーツ動作をしていない場合には、必ずしも快適な状態と
はならず、より簡単に締め付けを緩める必要がある。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上の事情
に基づいてなされたもので、上述のような従来のものに
生じる全ての不具合を、構造的および機能的に解消した
締め具装置を提供するものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記のような問題は、以
下のような形式の本発明の締め具装置によって解消され
る。本発明のものは、互いに隣接した少なくとも第１お
よび第２の部分を有するレバーを備えており、この第１
の部分の一端部はベース部に第１の軸まわりに関節接合
たとえば回動自在に枢着されており、また上記の第２の
部分は上記の第１の部分の他端部に第２の軸まわりに関
節接合されており、このレバーの作動付属部分を構成し
ており、またこの第２の部分のうち上記の第２の軸から
離れた位置で第１の軸と反対側の位置には、連結要素が
接続されている。

【０００９】上記のように、このレバーは互いに隣接し
互いに関節接合された２つの部分を備えており、また上
記の連結部材はこれらの部分の第２の部分に接続されて
いるので、このレバーは締め付け位置と開放位置の間で
２段階の作動を行い、第１の段階ではこれらの２つのレ
バー部分の一方のみが開放（締め付け）位置となり、こ
の締め具の張力を限定された緩め状態（または締め付け
状態）とし、また第２の段階では他の部分も開放位置
（または締め付け位置）となり、この締め具を完全に開
放位置（または締め付け位置）とする。

【００１０】また、上記の連結要素は、好ましくは互い
に関節接合され互いに隣接する２つの部片からなり、第
１の部片の一方の端部は上記の第２のレバー部分に接続
されており、またこの第１の部片の他方の端部は上記の
第１のレバー部分に案内されており、また第２の部片は
第１の部片の他方側の端部に接続されており、その延長
部として形成されている。

【００１１】

【発明の実施の形態】図１ないし図４中において、本発
明に関わるレバー締め具装置の全体を概略的に符号１０
で示す。この装置は、履物のフラップ１に取り付けられ
ており、またこの履物の他方のフラップ３に取り付けら
れたラック状機構２に係合するもので、以下に示すよう
に構成されている。

【００１２】この装置１０は、概略板状のベース１１を
備えており、このベースは孔の形成された２つの突起１
２を支持しており、これら突起は同じ方向に突出してお
り、これらの間にはレバー１３が第１の軸１４まわりに
関節接合たとえば回動自在に枢着されている。このベー
ス１１は、上記のフラップ１にリベットまたはこれと同
等の装置により取り付けられている。

【００１３】また、連結要素１５の一端部１６は、上記
のレバー１３に関節接合たとえば回動自在に枢着され、
またその反対側は自由端部として、嵌合手段１７を支持
しており、この嵌合手段は上記の連結要素を前記のラッ
ク状機構２に沿った任意の位置に調節自在に係合する従
来公知のものである。

【００１４】そして、上記のレバー１３は互いに隣接す
る第１および第２の部分１８，１９から構成されてい
る。上記の第１の部分１８は、その一端部が前記のベー
ス１１に枢着され、このレバー１３の主たる支点を構成
する第１の軸１４まわりに回動自在となっている。この
第１の部分は、概略が鏡対称の２つのフォーク状をな
し、概略Ｓ字状の脚部１８ａ，１８ｂが形成され、これ
らはクロス部材１８ｃにより互いに離間して連結されて
いる。なお、上記の脚部は、２つの独立した小さな連結
ロッドのものでも良い。これらの脚部１８ａ，１８ｂの
一端部は、ベース１１の対応する突起１２にそれぞれピ
ン２０により枢着され、またこれらの他端部は自由端と
して形成され、前記の軸１４に向けて広がった２つの肩
部２１，２２が形成されている。

【００１５】また、前記の第２の部分１９にも、脚部１
９ａ，１９ｂを備えたフォーク形状に形成され、これら
の脚部１９ａ，１９ｂは前記の第１の部分の脚部１８
ａ，１８ｂの間に収容され、これらは第２の軸２３まわ
りに回動自在に連結されている。この第２の部分１９
は、全体として上記の第１の部分より長く形成されてい
る。これらによって、このレバー１３の作動付属部分が
構成される。

【００１６】上記の連結要素１５の端部１６は、上記の
第２のレバー部分１９の脚部１９ａ，１９ｂの間に第３
の軸２４まわりに回動自在に枢着されている。本発明の
第１の実施形態では、上記の第１および第２の軸１４，
２３の間の距離は、上記の第２および第３の軸２３，２
４の間の距離より大きく形成されており、第２のレバー
部分が第１のレバー部分上で締め付ける際、および第１
のレバー部分がベース上で締め付ける際に、これらのレ
バーアームの間の比がより好ましい比率となるように構
成されている。しかしながら、これらの関係はこれに限
定されず、条件によっては、第１および第２の軸１４，
２３の間の距離が、第２および第３の軸２３，２４の間
の距離以下でもよい。実際にも、この第１および第２の
軸の間の距離は、このレバーの部品の材料の制約との互
換の可能性を最小にすることが必要であり、この実施形
態では、この締め具装置を締め付ける際に、この締め具
を操作する者は、レバーを第２の軸まわりに回動させ、
図４に示す状態から第２の部分１９をベース１１の方向
に単純に押圧して図３に示す状態とする。

【００１７】また、第２のレバー部分の各脚部１９ａ，
１９ｂに対応して対向した肩部２５が形成され、この肩
部は図２および図３の作動位置で第１の部分１８の肩部
２１，２２にそれぞれ当接する。

【００１８】これらの肩部および対向する肩部は、行程
制限手段を構成し、このレバー１３の上述した２つの図
に示す完全に回動した位置の間の角度の制限をなす。明
らかなように、これらのある位置から他の位置に移動す
るために、この第３の軸は、第１および第２の軸を含む
平面を通過するデッドポイントを通過する。これらの位
置を図２および図３に示し、本発明の締め具装置の理論
的な安定平衡状態を示す。

【００１９】さらに、上記のレバー１３の第２の部分１
９は、第２の軸まわりに回動自在に枢着している端部が
円形の形状（図３）、または第１の部分に対して図３に
示す行程の終端位置まで、この第２の部分１９の表面が
ベース１１と干渉しないような形状に形成され、これに
よって第１のレバー１８がベース１１に当接して安定平
衡位置となる。

【００２０】また、第３の軸２４を構成するピンと同軸
状の巻線２７ａ，２７ｂを備えたダブルヘリカルスプリ
ングが設けられており、これらの巻線はブリッジ部２８
により連結されており、このブリッジ部は連結要素１５
の自由端部１６の下方のベースとの間を通って延長され
ている。

【００２１】このスプリング２７ａ，２７ｂは、連結要
素１５とレバー部分１９との間に作用し、この連結要素
１５をラック状機構２に押し付ける方向に弾性的に付勢
している。このような弾性的な付勢力により、この連結
要素１５の端部１６はクロス部材１８ｃおよび第２のレ
バー部分１９の肩部２５を常時第１のレバー部分１８の
肩部２１に押圧しており、この状態を図２に示す。

【００２２】また、本発明の締め具装置の第２の実施形
態を図５ないし図８に示し、この締め具装置の全体を符
号５０で示す。

【００２３】この装置５０は、ベース１１、このベース
第１の軸１４まわりに回動自在に枢着されたレバー１
３、および連結要素１５を備えている。

【００２４】上記のレバー１３も、２つつの部分１８，
１９から構成されており、このものは前記の実施形態と
略同様のものであり、対応する部分には同じ符号を付
し、その説明は省略する。

【００２５】この実施形態で相違する点は、この実施形
態の連結要素１５は２つの互いに隣接する部片５１，５
２から構成されている。第１の部片５１の一端部は、第
３の軸２４により第２のレバー部分１９に連結されてお
り、またその他端部はピン５３により第１のレバー部分
に案内されており、このピンはこの連結要素の部片５
１，５２を互いに連結し、またこのピンの両自由端部は
上記の各脚部１８ａ，１８ｂに縦方向に形成された細長
状のスロット５５内に収容されている。上述のように、
この連結要素の第２の部片５２の一端部は、第１の部片
５１に連結され、その延長部として形成され、その他端
部には前記のラック状機構２に係合する手段１７が保持
されている。

【００２６】また、この場合に、上記のピン５４が上記
のスロット５５内で所定の距離だけ移動自在となってい
るので、これによりレバー部分の間の回動角度を規制す
る行程制限手段が構成されている。さらにこの実施形態
では、上記の行程制限手段は肩部５６および対向する肩
部５７からも構成されており、これらはそれぞれ第１お
よび第２のレバー部分１８，１９に形成され、これらは
図６に示す作動位置では互いに当接する。

【００２７】この実施形態では、図６および図７に示す
一方の位置から他方の位置に移動するために、上記の第
３の軸が、第２および第２の軸を含む平面内を通過する
軌跡に対応するデッドポイントを越えるように押圧され
ている。図６および図７に示す両方の位置では、これに
よってこの締め具装置の安定平衡状態が示されている。
ダブルヘリカルスプリング６０ａ，６０ｂから構成され
るスプリングが連結要素１５と第１のレバー部分１８と
の間に設けられており、このスプリングは前述の実施形
態のスプリング２７ａ，２７ｂと同等の作用をなす。

【００２８】

【発明の効果】本発明は、前記の問題を解消し、前述の
従来のものより優れた作用をなす。たとえば、上記のよ
うな改良された効率的なレバーの作用により、開放およ
び締め付けの際の労力を軽減することができる。さら
に、２つの部分からなるダブルレバーにより、連結要素
がレバーに枢着される点（第３の軸）がこのレバーのベ
ースとの枢着軸から相当に離間し、これによって、この
連結要素に取り付けられた係合手段の行程が従来のもの
よりより大きくなり、かつこのレバーの操作の労力が増
大することがない。また、このレバーは、完全に開放す
る位置と完全に締め付ける位置との間の中間位置におい
て、コンパクトな安定平衡位置が生じるという利点があ
る。また、従来のものと比較して、同様の性能であれ
ば、より労力が軽減され、またレバーをより短くするこ
とができる等の利点がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の締め具の第１の実施形態の平面図。

【図２】図１のII−II線に沿う断面図。

【図３】図１のII−II線に沿う図２とは相違する状態の
断面図。

【図４】完全に開放された状態のレバーの側面図。

【図５】本発明の締め具の第２の実施形態の平面図。

【図６】第２の実施形態の図２に相当する断面図。

【図７】第２の実施形態の図３とは相違する状態の図２
に相当する断面図。

【図８】第２の実施形態の完全に開放された状態のレバ
ーの側面図。

【符号の説明】

１１ ベース １３ レバー １４ 第１の軸 １５ 連結要素 １８ 第１の部分 １９ 第２の部分 ２３ 第２の軸

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 レバー締め具装置であって、 ベースに対して第１の軸まわりに回動自在に関節接合さ
   れたレバーと、 上記のレバーと協働する連結要素とを備えたものにおい
   て、 上記のレバーは互いに隣接した少なくとも第１および第
   ２の部分から構成されており、 上記の第１の部分の一端部は上記のベースに上記の第１
   の軸まわりに回動自在に関節接合されており、 上記の第２の部分は上記の第１の部分の他端部に第２の
   軸まわりに回動自在に関節接合されてこのレバーの作動
   付属部を構成しており、上記の各レバー部分が互いに回
   動自在で、またこのレバーが上記の第１の軸まわりに全
   体的に回動自在であり、 上記の連結要素は、上記の第２の部分のうち上記の第２
   の軸から離れ上記の第１の軸と反対側の位置に連結され
   ていることを特徴とするレバー締め具装置。
2. 【請求項２】 前記の連結要素は、互いに近接し互いに
   関節接合された２つの部片から構成されており、第１の
   部片の一端部は前記の第２のレバー部分に連結されてい
   るとともに他端部は前記の第１のレバー部分に案内され
   ており、また第２の部片は上記の第１の部片の他端部に
   連結されてその延長部を形成していることを特徴とする
   請求項１のレバー締め具装置。
3. 【請求項３】 前記の連結要素は前記の第２のレバー部
   分に第３の軸まわりに回動自在に関節接合されており、
   また前記の第１および第２の軸の間の距離は前記の第２
   および第３の軸の間の距離より大きいことを特徴とする
   請求項１または２のレバー締め具装置。
4. 【請求項４】 前記の連結要素のうち少なくとも前記の
   第２のレバー部分に関節接合されている部分は実質的に
   剛体であることを特徴とする請求項１ないし３のいずれ
   か１のレバー締め具装置。
5. 【請求項５】 前記の連結要素および／またはレバー部
   分の間には行程制限手段が設けられており、これらのレ
   バー部分の開放および締め付けの両方向の回動の際のこ
   れらの相対的な回動角度を制限することを特徴とする請
   求項１ないし４のいずれか１のレバー締め具装置。
6. 【請求項６】 前記の行程制限手段は、前記のレバー部
   分の一方に形成された第１および第２の肩部と、他方の
   レバー部分に形成されこれと対向した肩部とを備えてお
   り、相対的な回動の各角度制限位置において上記の各肩
   部がそれぞれ対向する肩部に当接するものであることを
   特徴とする請求項５のレバー締め具装置。
7. 【請求項７】 前記の行程制限手段は、前記の第１のレ
   バー部分に形成された少なくとも一つの細長状のスロッ
   トと、前記の連結要素の部片と関連しかつこのスロット
   と対応し、このスロット内をその両端部間で制限されて
   摺動するピンとを備えていることを特徴とする請求項２
   および５のレバー締め具装置。