JPH10306745A - シリンダとピストンリングの組合せ - Google Patents
シリンダとピストンリングの組合せInfo
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- JPH10306745A JPH10306745A JP12808297A JP12808297A JPH10306745A JP H10306745 A JPH10306745 A JP H10306745A JP 12808297 A JP12808297 A JP 12808297A JP 12808297 A JP12808297 A JP 12808297A JP H10306745 A JPH10306745 A JP H10306745A
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- cast iron
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- Pending
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Classifications
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F02—COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
- F02F—CYLINDERS, PISTONS OR CASINGS, FOR COMBUSTION ENGINES; ARRANGEMENTS OF SEALINGS IN COMBUSTION ENGINES
- F02F1/00—Cylinders; Cylinder heads
- F02F1/004—Cylinder liners
Abstract
易であるシリンダとピストンリングの組合せを提供す
る。 【解決手段】 ピストンリング1は外周面に複合Crめ
っき皮膜2を有する。複合Crめっき皮膜2は皮膜に形
成されているクラック内に窒化珪素粒子が分散されてい
る。窒化珪素粒子は、平均粒径が0.5〜10μm、分
散体積比率が4〜11%である。シリンダライナ3はC
V黒鉛鋳鉄からなる。CV黒鉛鋳鉄は、黒鉛の球状化率
が25〜60%、フェライトの面積率が5%を越え、1
0%以下である。
Description
れるシリンダとピストンリングの組合せに関する。
リンダブロックやシリンダライナは、FC150−FC
250相当の片状黒鉛鋳鉄で作られる。これは、片状黒
鉛鋳鉄が鋳造性・摺動特性・機械加工性に優れているこ
とによるものである。そしてこれらと組み合わされる圧
縮リングは、片状黒鉛鋳鉄、球状黒鉛鋳鉄あるいは鋼製
の母材に硬質Crめっきしたもの、あるいはステンレス
鋼の母材に窒化したものが用いられている。
リンダブロックの肉厚やボア間ピッチを減少させる努力
がなされてきた。しかし、引張強度が150〜300M
Paの範囲のFC150−FC250相当の片状黒鉛鋳
鉄を使用してこれ以上の大幅な軽量化を行うことは、強
度上の問題やボア変形を考慮すると困難である。
引張強度が400〜800MPaの球状黒鉛鋳鉄を使用
する方法がある。この場合、片状黒鉛鋳鉄に比べて摺動
特性が悪化するので、摺動条件の厳しい圧縮リングに
は、CrNあるいはTiNをPVD被覆した高価なピス
トンリングを使用する必要があって普及していない。
間的な強度を有するCV黒鉛鋳鉄(compacted
vamicular graphite cast
iron)が知られている。これをシリンダブロックや
シリンダライナに利用しようとする提案も種々なされて
きた。これらの提案には、 1.鋳鉄成分を指定して摺動特性を低下させるフェライ
トの発生を5%以下に抑制するもの(特公昭47−18
72号、特開昭60−247036号、特開昭60−2
47037号、特開昭61−3866号、特公平2−1
4413号) 2.鋳造後熱処理して、摺動特性を低下させるフェライ
トをマルテンサイト、ソルバイト等に変態させるもの
(特開昭60−21355号、特開昭63−12161
6号、特公平1−25375号) がある。
っきピストンリングがドイツで開発されている(特開昭
62−56600号参照)。しかし、これは現在のとこ
ろ一部の中大型のディーゼルエンジンに使用されるに止
まっている。この場合のシリンダライナは、片状黒鉛鋳
鉄製である。従って、CV黒鉛鋳鉄製シリンダと複合C
rめっきピストンリングとの組合せの実績はない。
は、成分、鋳造条件、冷却速度、肉厚等種々の要因が影
響する。従って、上記1の先行技術のみでは、鋳鉄の組
織を制御することは難しい。また、上記1のCV黒鉛鋳
鉄製シリンダと従来の硬質Crめっきピストンリングを
組合せた場合、耐焼付性が不充分である。さらに、上記
2も高価であるうえ、耐焼付性が不充分である。
せ、さらに製造が容易であるシリンダとピストンリング
の組合せを提供することである。
ダと外周面に耐摩耗性の表面処理が施されたピストンリ
ングの組合せにおいて、前記シリンダを形成している鋳
鉄は黒鉛の球状化率が25%以上、フェライトの面積率
が10%以下であり、前記耐摩耗性表面処理は窒化珪素
粒子が分散した複合Crめっきであることを特徴とす
る。
10μm、分散体積比率が4〜11%であるのが望まし
い。
っきのクラックネットワーク内に固定することが困難で
あるので10μm以下とした。また、粒径が小さいと自
身の摩耗が増加するので0.5μm以上とした。また、
分散体積比率は少ないとすると耐焼付性が低下するので
4%以上とした。また、窒化珪素粒子が固定されるクラ
ックの形成限界の面から分散体積比率を11%以下とし
た。なお、窒化珪素粒子の平均粒径の上限は3μmがよ
り好ましい。また、分散体積比率は下限が5%、上限は
9%がより好ましい。
せは、 ・シリンダの鋳鉄組織の黒鉛の球状化率が25%以上で
あるから、強度が大きく、エンジンの小型化・軽量化を
図れる。 ・フェライトの面積率の許容度が広く、鋳造が容易であ
る。 ・シリンダのフェライトの面積率が10%以下であり、
かつ、ピストンリングの外周面に窒化珪素粒子が分散し
た複合Crめっき皮膜を有するので、摺動特性(耐摩耗
性および耐焼付性)が優れている。
率は、25%以上とする必要があり、60%以下が望ま
しい。25%を下回ると、強度が低下し、60%を上回
ると耐焼付性が低下する他、溶湯の成分管理面等製造が
困難になる。なお、黒鉛の球状化率は下限が30%、上
限は50%がより好ましい。
焼付性、耐摩耗性が低下する。フェライト面積率は製造
の面から、5%よりも大きい方が望ましい。また、フェ
ライト面積率は8%以下が耐焼付性および耐摩耗性の点
から望ましい。
しい。なお、黒鉛形態として片状黒鉛と擬似球状黒鉛の
混在したもので、球状化率の条件を満たすものであって
もよい。
Crめっき皮膜2を有している。複合Crめっき皮膜2
は皮膜に形成されているクラック内に窒化珪素粒子が分
散されている。窒化珪素粒子は、平均粒径が0.5〜1
0μm、分散体積比率が4〜11%である。
らなる。このCV黒鉛鋳鉄は、黒鉛の球状化率が25〜
60%であり、かつ、フェライトの面積率が5%を越
え、10%以下である。
付試験と摩耗試験を行った。
に示す表面処理を上試験片に施し、図3に示す上下試験
片の組合せについて往復動摩擦試験機を使用して耐焼付
性を評価した。
片10は固定ブロック11により保持され、上方から油
圧シリンダ12により下向きの荷重が加えられて、下試
験片13に押接される。矩形の平盤形状の下試験片13
は可動ブロック14により保持され、クランク機構15
により往復動させられる。16はロードセルである。
からなる直径8mmφ×長さ25mmの丸棒の一端にR
18mmの球面加工を施し、その球面上に表2に示した
表面処理を施したもの。 下試験片13:長さ70mm×幅17mm×高さ14m
mの平板で材質は表1に示す鋳鉄材。
プ状に増加させた。 潤滑:軽油塗布、拭き取り後、試験開始 速度:100cpm
試験を中止し、その時の荷重を焼付荷重とした。
っきのピストンリングとシリンダの組合せが、硬質Cr
めっきや窒化のピストンリングとシリンダの組合せより
も、耐焼付性が優れていることがわかる。そしてシリン
ダ材がCV黒鉛鋳鉄、ピストンリングの表面処理が窒化
珪素複合Crめっきの場合は、シリンダ材が片状黒鉛鋳
鉄でピストンリングの表面処理が窒化珪素複合Crめっ
きの場合と同程度の耐焼付性を有していることがわか
る。しかしながら、シリンダ材がCV黒鉛鋳鉄で、ピス
トンリングの表面処理が窒化珪素複合Crめっきの場合
であっても、フェライト面積率が10%であれば耐焼付
性は高いが、フェライト面積率が12%であると耐焼付
性が低下することがわかる。
の平均粒径は0.5〜1.0μm、分散体積比率は4〜
11体積%である。
に示す表面処理を上試験片に施し、図4および図5に示
す上下試験片の組合せについて往復動摩擦試験機を使用
して耐摩耗性を評価した。
耗 下試験片が片状黒鉛鋳鉄である場合は、上試験片の表面
処理がいずれの場合も、摩耗がきわめて少なく、摺動特
性が極めて良好であることがわかる。これに対して、下
試験片がCV黒鉛鋳鉄、上試験片の表面処理が窒化珪素
複合Crめっきの場合は、下試験片が片状黒鉛鋳鉄であ
る場合と同程度の耐摩耗性を有している。しかしなが
ら、下試験片がCV黒鉛鋳鉄であっても、フェライト面
積率が10%の場合は耐摩耗性が良好であるが、フェラ
イト面積率が12%である場合、あるいは下試験片が球
状黒鉛鋳鉄(黒鉛の球状化率70%)の場合は、耐摩耗
性が低下する。
耗 下試験片が片状黒鉛鋳鉄である場合は、上試験片の表面
処理がいずれの場合も、摩耗が少なく、摺動特性が良好
であることがわかる。しかしながら、下試験片がCV黒
鉛鋳鉄であると、上試験片の表面処理が硬質Crめっき
の場合、耐摩耗性が低下することが示されている。これ
に対して、下試験片がCV黒鉛鋳鉄で、上試験片の表面
処理が窒化珪素複合Crめっきの場合は、下試験片が片
状黒鉛鋳鉄で上試験片の表面処理が硬質Crめっきの場
合と同程度の耐摩耗性を発揮することがわかる。しかし
ながら、下試験片がCV黒鉛鋳鉄であっても、フェライ
ト面積率が10%の場合は耐摩耗性が良好であるが、フ
ェライト面積率が12%である場合、あるいは下試験片
が球状黒鉛鋳鉄(黒鉛の球状化率70%)の場合は、耐
摩耗性が低下する。
ので、次に、従来のシリンダとピストンリングの組合せ
と、本発明のシリンダとピストンリングの組合せにおけ
る耐焼付性を実機で比較した。
ェライト面積率10%のCV黒鉛鋳鉄)材料からなるシ
リンダライナを1〜3気筒に、E(黒鉛の球状化率60
%、フェライト面積率12%のCV黒鉛鋳鉄)材料から
なるシリンダライナを4気筒に組み付け、さらに、ピス
トンリングは表3に示すように組み付けて、試験を行っ
た。
摺動面の状況を観察評価した結果を表4に示してある。
実機運転結果も、先に説明した焼付試験結果と同様であ
り、本発明のシリンダとピストンリングの組合せの耐焼
付性が高いことが実証された。
ピストンリングの組合せによれば、耐摩耗性と耐焼付性
が優れているとともに、シリンダの強度が高く、しかも
シリンダの製造が容易であるという優れた効果を発揮す
る。
リングの一部分を示す縦断面図、(b)はシリンダライ
ナの縦断面図である。
の摩耗量を示すグラフである。
の摩耗量を示すグラフである。
Claims (4)
- 【請求項1】 鋳鉄製シリンダと外周面に耐摩耗性の表
面処理が施されたピストンリングの組合せにおいて、 前記シリンダを形成している鋳鉄は黒鉛の球状化率が2
5%以上、フェライトの面積率が10%以下であり、 前記耐摩耗性表面処理は窒化珪素粒子が分散した複合C
rめっきであることを特徴とするシリンダとピストンリ
ングの組合せ。 - 【請求項2】 鋳鉄製シリンダと外周面に耐摩耗性の表
面処理が施されたピストンリングの組合せにおいて、 前記シリンダを形成している鋳鉄は黒鉛の球状化率が2
5〜60%、フェライトの面積率が5%を越え、10%
以下であり、 前記耐摩耗性表面処理は窒化珪素粒子が分散した複合C
rめっきであることを特徴とするシリンダとピストンリ
ングの組合せ。 - 【請求項3】 前記シリンダ材がCV黒鉛鋳鉄であるこ
とを特徴とする請求項1または2記載のシリンダとピス
トンリングの組合せ。 - 【請求項4】 前記窒化珪素粒子は、平均粒径が0.5
〜10μm、分散体積比率が4〜11%であることを特
徴とする請求項1,2,または3記載のシリンダとピス
トンリングの組合せ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12808297A JPH10306745A (ja) | 1997-05-01 | 1997-05-01 | シリンダとピストンリングの組合せ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12808297A JPH10306745A (ja) | 1997-05-01 | 1997-05-01 | シリンダとピストンリングの組合せ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10306745A true JPH10306745A (ja) | 1998-11-17 |
Family
ID=14975975
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12808297A Pending JPH10306745A (ja) | 1997-05-01 | 1997-05-01 | シリンダとピストンリングの組合せ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10306745A (ja) |
-
1997
- 1997-05-01 JP JP12808297A patent/JPH10306745A/ja active Pending
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Legal Events
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A521 | Written amendment |
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A02 | Decision of refusal |
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A521 | Written amendment |
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