JPH10306067A - 5−アミノイソフタル酸の製造法 - Google Patents

5−アミノイソフタル酸の製造法

Info

Publication number
JPH10306067A
JPH10306067A JP9118130A JP11813097A JPH10306067A JP H10306067 A JPH10306067 A JP H10306067A JP 9118130 A JP9118130 A JP 9118130A JP 11813097 A JP11813097 A JP 11813097A JP H10306067 A JPH10306067 A JP H10306067A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
reaction
acid
catalyst
pressure
aminoisophthalic acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9118130A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshinori Tanaka
良典 田中
Naoki Asashige
朝重  直樹
Mitsuo Nakamura
光雄 中村
Ryoichi Seki
亮一 関
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Chemicals Inc filed Critical Mitsui Chemicals Inc
Priority to JP9118130A priority Critical patent/JPH10306067A/ja
Publication of JPH10306067A publication Critical patent/JPH10306067A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 触媒の存在下、5-ニトロイソフタル酸を水素
還元し、5-アミノイソフタル酸を製造する際に、低圧反
応条件下において副生物生成を抑制でき、高純度の5-ア
ミノイソフタル酸を収率よく製造し得る方法を提供する
こと。 【解決手段】 反応をアルカリ金属水酸化物の存在下に
かつ5-ニトロイソフタル酸の等電点以下の雰囲気下、特
にpH4〜7の範囲にて行わせる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レントゲン造影剤
を製造する際の重要な中間体となる5-アミノイソフタル
酸の製法に関するものであり、より詳しくは5-ニトロイ
ソフタル酸を触媒の存在下に水素により還元するに際
し、副生物の生成を抑制し、高純度の上記目的物を収率
よく製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】5-ニトロイソフタル酸を還元し5-アミノ
イソフタル酸を得る方法としては、鉄、スズまたは亜鉛
などの金属により還元する方法が一般に良く知られてい
る。またEP96−02105には、中性ないしはアル
カリ性の雰囲気下、30kg/cm2・G の水素圧力にて5-ニ
トロイソフタル酸を還元する方法が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来からの公知の
製法において、金属を用いる還元方法では多量の金属水
酸化物が副生することになり、環境対策上その処理が問
題となる。また、触媒の存在下に水素により還元する方
法に関して、上記したような高圧の水素を用いる場合、
安全対策上設備が過大になることは避けられず、経済性
に劣ることにもなる。当然ながら、常圧ないしはより低
圧下の条件での還元反応であることが望まれる。
【0004】しかし、本発明者らの研究によれば、EP
96−02105に開示された方法のごとくパラジウム
カーボンを触媒とし、中性ないしはアルカリ性の雰囲気
下において、10kg/cm2 ・G のような比較的低圧下の条
件で水素還元を行った場合には、下記[化1]に示す副
反応、特に副生物としてのアゾキシ化合物およびヒドラ
ゾ化合物の生成が顕著に起こることが判明した。しかも
この場合、目的物である5-アミノイソフタル酸は極めて
微量しか生成することがなく、主たる生成物が、下記副
生成物であるアゾキシ化合物およびヒドラゾ化合物とな
ってしまうものであるということも判明した。
【化1】
【0005】更に本発明者らは研究を続けたところ、上
記条件下において、大量な触媒を用い、しかも反応基質
である5-ニトロイソフタル酸を非常に希薄な溶液として
水素化する場合にのみ、5-アミノイソフタル酸が主生成
物となっていくものであるということを確認した。
【0006】しかしながら、上記のような条件下で還元
反応が収率よく行われたとしても、高価な触媒を大量に
必要とすることや、設備当たりの生産性にも劣るために
製造コストが嵩むことになり、産業的に利用し得る方法
とは程遠いものでしかないことが明らかである。
【0007】本発明では上記した問題に鑑み、5-ニトロ
イソフタル酸を水素により還元し、5-アミノイソフタル
酸を製造するに際し、高圧の条件であることを必須とせ
ず、具体的には常圧ないしは10kg/cm2 ・G 以下という
低圧下の水素化においても副生物生成を抑制でき、しか
も高純度の5-アミノイソフタル酸を収率よく製造し得る
方法を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために、5-ニトロイソフタル酸を触媒の存在下
に10kg/cm2 ・G 以下という低圧水素により還元し、5-
アミノイソフタル酸を製造するに際し、種々の条件およ
び態様にて反応させ、前記[化1]でも示した反応副生
物であるアゾキシ化合物およびヒドラゾ化合物などの生
成を抑制し得る5-アミノイソフタル酸の製造方法につい
て、鋭意研究および検討を重ねてきた。
【0009】その結果、水素化をアルカリ金属水酸化物
の存在下に、しかも5-ニトロイソフタル酸の等電点以下
という条件にて反応を行わせる場合は、副生物の生成を
大きく抑制でき、そして目的とする5-アミノイソフタル
酸が収率よく得られるものであることを見出し、さらな
る研究を重ねて本発明を完成するに至った。
【0010】すなわち、本発明は、(1) 5-ニトロイソフ
タル酸を触媒の存在下に水素により還元し5-アミノイソ
フタル酸を製造するに際し、反応をアルカリ金属水酸化
物の存在下にかつ5-ニトロイソフタル酸の等電点以下の
雰囲気下で行うことを特徴とする5-アミノイソフタル酸
の製造方法であり、また、(2) 等電点以下の雰囲気が、
pH4〜7である上記(1) に記載の方法であり、また、
(3) 水素による還元を、圧力10kg/cm2 ・G 以下で行う
上記(1) に記載の方法であり、また、(4) 触媒がパラジ
ウムカーボンである上記(1) に記載の方法であり、ま
た、(5) 触媒がラネーニッケルである上記(1) に記載の
方法である。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明における5-アミノイソフタ
ル酸の合成は通常、溶媒中5-ニトロイソフタル酸を触媒
の存在下に撹拌し、所定量のアルカリ金属水酸化物の存
在下に所定の温度において、所定の圧力に調節した水素
ガスを供給しながら行われる。この際の反応溶媒として
は、水またはメタノール、エタノールあるいはイソプロ
パノールなどのようなアルコールが挙げられ、水とアル
コールとの混合溶媒でも用いることができる。
【0012】反応に使用される触媒は通常、工業的にも
入手が容易なパラジウムカーボン触媒またはラネーニッ
ケル触媒が用いられる。また、本発明では、これら使用
した触媒は反応後に回収し、そして次回の反応に繰り返
し使用することが十分可能である。
【0013】本発明で使用するアルカリ金属水酸化物と
しては水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムなどが挙
げられ、これらは固体状または水溶液の状態で添加され
る。アルカリ金属水酸化物の使用は、原料5-ニトロイソ
フタル酸の等電点であるpH8.49よりそれ以下となるよ
うに、望ましくは弱酸性であるpH4〜7の範囲、更に
望ましくはpH5〜6の範囲となる量で使用する。
【0014】通常、等電点付近においては添付図1に示
すように、5-ニトロイソフタル酸溶液ないしは懸濁液の
pH値が急変動しやすく、添加するアルカリ金属水酸化
物の量のわずかな変化でもpH値が大きく異なりやす
い。
【0015】一般に等電点を越えて合成を行わせた場合
は主生成物はアゾキシ化合物およびヒドラゾ化合物とな
りやすく、また、等電点の近辺であるpH7〜10の雰囲
気下で合成を行わせる場合は主生成物は目的とする5-ア
ミノイソフタル酸となるが、この場合は使用する触媒の
被毒が起こるため、比較的大量の触媒を必要とするとと
もに、用いた触媒の再使用ができなくなり、製造コスト
に占める触媒費用が嵩むことにもなって好ましくない。
【0016】一方、アルカリ金属水酸化物の添加量があ
まりにも少ない場合、すなわちpHが4未満であるよう
な場合は、原料である5-ニトロイソフタル酸の溶媒への
溶解度が小さくなってしまうため、反応速度が遅くなっ
たり、あるいは転化率が低下してしまうという問題が発
生してしまい、やはり好ましくない。
【0017】反応温度は20〜100 ℃の範囲、より望まし
くは50〜80℃の範囲である。20℃未満では反応が極めて
遅く効率的でない。また、 100℃を越える温度では反応
が速すぎ、また発熱も激しいため、反応の管理が難しく
なり好ましくない。
【0018】本発明における反応は、密閉された反応容
器を用いる加圧下の条件でも、あるいは常圧下の反応で
も可能であり、通常は常圧〜10kg/cm2 ・G の圧力で十
分な成績を上げることができる。10kg/cm2 ・G を越え
る圧力でも反応の進行には特に不都合は見られないが、
それ以上の効果が非常に小さく、また安全対策上設備も
過大となっていくことから、あまり好ましくはない。
【0019】加圧下に反応を行わせる場合は通常、5-ニ
トロイソフタル酸、触媒、反応溶媒および所定量のアル
カリ金属水酸化物を仕込んだ容器中に、水素ガスを所定
の圧力となるよう調節して連続的に供給し、反応を行わ
せる。また連続的としてばかりではなく、一旦所定の水
素圧力まで水素を供給したのち供給を断ち、そして反応
で消費した水素分を再度バッチ的に供給するようにして
進行させることも可能である。
【0020】また、常圧下で反応を行わせる場合は、5-
ニトロイソフタル酸、触媒、反応溶媒および所定量のア
ルカリ金属水酸化物の混合された反応液中に水素ガスを
供給し、バブリングさせることで可能である。
【0021】反応の終了後は、使用した触媒をろ別する
等して分離した後、反応液を酸で中和して晶析させ、5-
アミノイソフタル酸の結晶を分離・取得することができ
る。この際の酸としては塩酸、硫酸または酢酸等が挙げ
られる。また、触媒を分離した後の溶液をそのままか、
あるいは濃縮処理し、精製操作を加えることなく次回の
反応に繰り返し使用することも可能である。
【0022】
【実施例】以下、本発明による5-アミノイソフタル酸の
製造方法を実施例および比較例を挙げ、更に説明する。
以下において%は全て重量基準である。
【0023】実施例1 電磁式攪拌機付きのオートクレーブ(内容1リットル)
に5-ニトロイソフタル酸50.0g、蒸留水 248ml、98%水
酸化ナトリウム18.5g、および触媒として5%パラジウ
ムカーボン0.05gを仕込み混合した。このときの液のp
Hは 5.6であった。次いでオートクレーブ内に窒素ガス
を送入して10kg/cm2 ・G まで加圧したのち常圧まで戻
し、オートクレーブ内気相部を窒素置換した。次に、上
記オートクレーブ内に、圧力が8kg/cm2 ・G となるよ
う連続的に水素ガスを供給し、電磁式撹拌器の回転数を
1100から1200rpm とし、70℃の温度にて2時間反応さ
せ、そして常温まで冷却した。反応後の液のpHは 5.8
であった。次いで反応液より触媒をろ別した後、反応液
を塩酸にて中和したところ結晶が析出した。析出結晶を
濾取・乾燥した結果、42.1gの白色結晶が得られ、この
ものは目的物である5-アミノイソフタル酸であった。収
率は98.2%であり、また高速液体クロマトグラフィーに
よる5-アミノイソフタル酸の純度分析結果は99.7%であ
った。
【0024】実施例2 触媒として、実施例1にて回収されたパラジウムカーボ
ンを全量と、さらに新規の5%パラジウムカーボン0.03
gとを用いる以外は、実施例1と同様の条件にて操作
し、反応させて目的物である5-アミノイソフタル酸の結
晶を得た。そして反応後はさらに同様の操作を行い、計
10回の繰り返し試験を行った。結果を表1に示す。
【0025】
【表1】
【0026】実施例3 実施例1で用いたものと同様のオートクレーブに、5-ニ
トロイソフタル酸50.0g、80%メタノール水溶液 348m
l、98%水酸化ナトリウム17.5g、およびラネーニッケ
ル触媒 0.5gを仕込み混合した。このときの溶液のpH
は 5.5であった。次いでオートクレーブ内に窒素ガスを
送入して10kg/cm2 ・G まで加圧したのち常圧まで戻
し、オートクレーブ内気相部を窒素置換した。次に、上
記オートクレーブ内に、圧力が8kg/cm2 ・G となるよ
う連続的に水素ガスを供給し、電磁式撹拌機の回転数を
1100から1200rpm とし、70℃の温度にて2時間反応さ
せ、そして常温まで冷却した。反応後の液のpHは 5.8
であった。次いで反応液より触媒をろ別した後、反応液
を塩酸にて中和したところ結晶が析出した。析出結晶を
濾取・乾燥した結果、42.4gの白色結晶が得られ、この
ものは目的物である5-アミノイソフタル酸であった。収
率は98.9%であり、また高速液体クロマトグラフィーに
よる5-アミノイソフタル酸の純度分析結果は99.8%であ
った。
【0027】実施例4 水素ボンベに連結したガスビュレット式常圧用水素添加
反応装置を用いて、 500ml四つ口フラスコに5-ニトロイ
ソフタル酸25.0g、蒸留水 100ml、メタノール200ml、9
8%水酸化ナトリウム 8.5g、および触媒として5%パ
ラジウムカーボン 0.1gを仕込み、混合した。このとき
の液のpHは 5.2であった。次いで系内を水素で置換し
た後、50℃、常圧にて水素添加反応を8時間行い、常温
まで冷却した。この反応液を高速液体クロマトグラフィ
ーにより分析したところ、5-アミノイソフタル酸、ヒド
ラゾ化合物、およびアゾキシ化合物の選択率はそれぞれ
99.2%、 0.3%、 0.5%であった。
【0028】比較例1 実施例1で用いたものと同様のオートクレーブに、5-ニ
トロイソフタル酸63.3g、蒸留水 265ml、98%水酸化ナ
トリウム26.4g、および5%パラジウムカーボン触媒
0.3gを仕込み混合した。このときの溶液のpHは12.5
であった。次いでオートクレーブ内に窒素ガスを送入し
て10kg/cm2 ・G まで加圧したのち常圧まで戻し、オー
トクレーブ内気相部を窒素置換した。次に、上記オート
クレーブ内に、圧力が8kg/cm2 ・G となるよう連続的
に水素ガスを供給し、電磁式撹拌機の回転数を 500から
600とし、70℃の温度にて7時間反応させ、そして常温
まで冷却した。次いで反応液より触媒をろ別した後、反
応液を塩酸にて中和したところ結晶が析出した。析出結
晶を濾取・乾燥した結果、48.2gの白色結晶が得られ
た。得られたこのものは、赤外吸収スペクトル、核磁器
共鳴スペクトル、およびマススペクトルの解析結果か
ら、下記[化2]で示される、二量化したヒドラゾ化合
物であることが確認された。
【0029】
【化2】 赤外吸収スペクトル:3297(NH),3076(OH),1725(C=O),16
16(C=O),1532,1466,1420,1296,1196,997,892,767,672c
-1に特徴的吸収帯をもつ。 1 H−核磁器共鳴スペクトル:3.31(2H,bs),7.55(4H,S),7.85(2H,S),8.36(2H,S) マススペクトル:ESI+ m/Z=383.0[M+Na]+ 405.0[M−H+2Na]+ ESI- 359.2[M−H]-
【0030】比較例2 実施例1で用いたものと同様のオートクレーブに、5-ニ
トロイソフタル酸63.3g、蒸留水 265ml、98%水酸化ナ
トリウム26.4g、および5%パラジウムカーボン触媒0.
13gを仕込み混合した。このときの溶液のpHは12.5で
あった。次いでオートクレーブ内に窒素ガスを送入して
10kg/cm2 ・G まで加圧したのち常圧まで戻し、オート
クレーブ内気相部を窒素置換した。次に、上記オートク
レーブ内に、圧力が1kg/cm2 ・G となるよう連続的に
水素ガスを供給し、電磁式撹拌機の回転数を 900から10
00rpm とし、50℃の温度にて9時間反応させ、そして常
温まで冷却した。析出している結晶をろ別したところ、
30gの淡黄色結晶が得られ、さらにこのものを水を用い
て再結晶させた。得られたこのものは、赤外吸収スペク
トル、核磁器共鳴スペクトル、およびマススペクトルの
解析結果から、下記[化3]で示される、二量化したア
ゾキシ化合物であることが確認された。
【0031】
【化3】 赤外吸収スペクトル: 3397(OH),1637(C=O),1576(N=N),
1410(N→O),1365,1117,785,719cm-1に特徴的吸収帯を
もつ 1 H−核磁器共鳴スペクトル:8.4(2H,m),8.56(4H,m),8.77(3H,S) マススペクトル:ESI- m/Z=357.2[M−O−H]- 373.2[M−H]- 395.2[M−2H+Na]-
【0032】比較例3 実施例1で用いたものと同様のオートクレーブに、5-ニ
トロイソフタル酸63.3g、蒸留水 265ml、98%水酸化ナ
トリウム26.4g、および5%パラジウムカーボン触媒0.
13gを仕込み混合した。このときの溶液のpHは12.5で
あった。次いでオートクレーブ内に窒素ガスを送入して
10kg/cm2 ・G まで加圧したのち常圧まで戻し、オート
クレーブ内気相部を窒素置換した。次に、上記オートク
レーブ内に、圧力が8kg/cm2 ・G となるよう連続的に
水素ガスを供給し、電磁式撹拌機の回転数を 500から 6
00rpm とし、50℃の温度にて9時間反応させ、そして常
温まで冷却した。上記反応後の液を高速液体クロマトグ
ラフで分析したところ、5-アミノイソフタル酸、ヒドラ
ゾ化合物、およびアゾキシ化合物の選択率はそれぞれ
3.3%、73.6%、21.7%であった。
【0033】比較例4 実施例1で用いたものと同様のオートクレーブに、5-ニ
トロイソフタル酸50.0g、蒸留水 600ml、98%水酸化ナ
トリウム19.5g、および5%パラジウムカーボン触媒1.
27gを仕込み混合した。このときの溶液のpHは 9.8で
あった。次いでオートクレーブ内に窒素ガスを送入して
10kg/cm2 ・G まで加圧したのち常圧まで戻し、オート
クレーブの気相部を窒素で置換した。次に、上記オート
クレーブ内に、圧力が8kg/cm2 ・G となるよう連続的
に水素ガスを供給し、電磁式撹拌機の回転数を1100から
1200rpm とし、70℃の温度にて2時間反応させ、そして
常温まで冷却した。上記反応後の液を高速液体クロマト
グラフで分析したところ、5-アミノイソフタル酸、ヒド
ラゾ化合物、およびアゾキシ化合物の選択率はそれぞれ
99.4%、 0.5%、未検出の結果であった。次いで、上記
反応後に回収されたパラジウムカーボン触媒を全量と、
さらに新規の5%パラジウムカーボン0.03gとを用い、
上記と同様の条件にて操作し反応を行わせた。この反応
後の液を高速液体クロマトグラフで分析したところ、5-
アミノイソフタル酸、ヒドラゾ化合物、およびアゾキシ
化合物の選択率はそれぞれ86.4%、12.9%、 0.6%であ
った。
【0034】
【発明の効果】以上の実施例および比較例の結果からも
明らかなように、本発明の5-アミノイソフタル酸の製造
方法によれば、副生物生成を抑制できることはもとよ
り、目的とする5-アミノイソフタル酸を、純度および収
率ともに99%を越える数値をもって優に得ることができ
る。また、常圧〜10kg/cm2 ・G といった非常に低圧下
の反応でよいことから安全性が高く、さらには反応に使
用した触媒を次回の反応に繰り返し使用できるのも大き
な特徴である。したがって本発明に記載の方法は、特に
工業的な5-アミノイソフタル酸の製法として極めて有用
性のある方法であると言える。
【図面の簡単な説明】
【図1】 5-ニトロイソフタル酸 1.4gを水100 mlに懸
濁させ、該懸濁液を1Nの水酸化ナトリウム水溶液によ
り滴定した際のpH値を示した5-ニトロイソフタル酸滴
定曲線である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 関 亮一 千葉県茂原市東郷1900番地 三井東圧化学 株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 5-ニトロイソフタル酸を触媒の存在下に
    水素により還元し5-アミノイソフタル酸を製造するに際
    し、反応をアルカリ金属水酸化物の存在下にかつ5-ニト
    ロイソフタル酸の等電点以下の雰囲気下で行うことを特
    徴とする5-アミノイソフタル酸の製造方法。
  2. 【請求項2】 等電点以下の雰囲気が、pH4〜7であ
    る請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 水素による還元を、圧力10kg/cm2 ・G
    以下で行う請求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】 触媒がパラジウムカーボンである請求項
    1に記載の方法。
  5. 【請求項5】 触媒がラネーニッケルである請求項1に
    記載の方法。
JP9118130A 1997-05-08 1997-05-08 5−アミノイソフタル酸の製造法 Pending JPH10306067A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9118130A JPH10306067A (ja) 1997-05-08 1997-05-08 5−アミノイソフタル酸の製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9118130A JPH10306067A (ja) 1997-05-08 1997-05-08 5−アミノイソフタル酸の製造法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10306067A true JPH10306067A (ja) 1998-11-17

Family

ID=14728793

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9118130A Pending JPH10306067A (ja) 1997-05-08 1997-05-08 5−アミノイソフタル酸の製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10306067A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106748840A (zh) * 2016-12-05 2017-05-31 天津羲泽润科技有限公司 一种制备5‑氨基间苯二甲酸的方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106748840A (zh) * 2016-12-05 2017-05-31 天津羲泽润科技有限公司 一种制备5‑氨基间苯二甲酸的方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2801358B2 (ja) 高純度アニリンの製造方法
EP2524909B1 (en) Preparation method of 4-aminomethylbenzoic acid
SK8997A3 (en) Process for the preparation of 5-amino-2,4,6-triiodine-1,3- -benzenedicarboxylic acid
US2233128A (en) Process for the manufacture of benzidine
US4788331A (en) Method of preparing 5-amino salicylic acid
JPH10316639A (ja) 5−アミノ−2,4,6−トリヨードイソフタル酸の製造法
JPH10306067A (ja) 5−アミノイソフタル酸の製造法
CN111116386A (zh) 一种羟乙基乙二胺的合成方法
EP0415595A1 (en) Fluorobenzene derivatives
US4550207A (en) Process for the preparation of benzene compounds
US3882171A (en) Hydrogenation of nitrobenzoic acids
US3931210A (en) Production of p-aminobenzoic acid
CA1202982A (en) Hydrogenation process
EP0924195B1 (de) Verfahren zur Herstellung von Aminocyanacetamid
US4196147A (en) Manufacture of N-alkylanilines
JP3347185B2 (ja) セリン又はその誘導体の製造方法
EP0097262A2 (en) A hydrogenation catalyst composition for the hydrogenation of an oxalate diester, a process for preparing same and the use thereof
JPH061758A (ja) アミノ化合物の製造方法
JP4378488B2 (ja) 2−アミノメチルピリミジン及びその塩の製造法
JPS6017780B2 (ja) 4−アミノメチル安息香酸の製造方法
CN108329248B (zh) 2-甲基吲哚啉的制备方法
CN111672517B (zh) 一种x-ct造影剂中间体的制备方法
JPS6078948A (ja) イミノジ酢酸塩の製造方法
EP0160562B1 (en) Process for the continuous preparation of p-phenylenediamine from a nitrobenzene feedstock
JP3135099B2 (ja) カルボン酸の製造方法