JPH10304508A - 電気自動車のモータ制御装置 - Google Patents

電気自動車のモータ制御装置

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JPH10304508A
JPH10304508A JP9109331A JP10933197A JPH10304508A JP H10304508 A JPH10304508 A JP H10304508A JP 9109331 A JP9109331 A JP 9109331A JP 10933197 A JP10933197 A JP 10933197A JP H10304508 A JPH10304508 A JP H10304508A
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欣也 吉井
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武治 小出
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  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)
  • Control Of Ac Motors In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 回生制動中にアクセルを操作すると、モータ
トルクが回生トルクから力行トルクに瞬時に移行し、運
転者が違和感を受ける。 【解決手段】 通常時は、アクセル操作量に応じて、力
行トルクを発生させる。アクセルオフまたはブレーキオ
ン時には、回生制動制御を行って車両を減速させる。回
生制動中にアクセルが操作されたときは、現状の回生ト
ルクから、アクセル操作量に対応する力行トルクまで、
モータトルクを連続的に変化させる力行移行制御が行わ
れる。この制御では、例えば、アクセル操作量θに応じ
て、0<θ≦θaでは回生トルクを、θa<θ<θbで
は力行トルクを発生させる。θ≧θbになると、従来通
りにトルク指令値を決定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気自動車のモー
タ制御装置に関し、特に、回生制動制御から力行制御へ
の移行時のモータトルクの制御に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電気自動車に搭載されたモータを
回生制動制御して、車両を減速させるとともに、バッテ
リを充電することが周知である。この種のモータ制御装
置は、アクセルが操作されているとき、アクセル操作量
に応じたモータトルクを発生させる。そして、アクセル
がオフされたとき、またはブレーキがオンされたとき、
モータを発電機として動作させる回生制動制御が行われ
る。これにより、モータに負のトルク(駆動時と反対方
向のトルク)が発生し、車両が減速する。このとき、従
来のエンジン搭載車におけるエンジンブレーキ状態に相
当する減速が行われる。運転者は、エンジンブレーキを
利用するのと同様の感覚で、車両を減速させることがで
きる。また、回生制動によって得られた電気エネルギが
バッテリに蓄えられ、エネルギ効率の向上が図られる。
この種のモータ制御装置は、例えば、特開平5−122
805号公報や特開平7−99704号公報に記載され
ている。
【0003】図1は、回生制動制御を行う従来一般的な
モータ制御に用いられるモータトルク特性を示してお
り、モータ回転数およびアクセル操作量に応じたモータ
トルクが示されている。モータ制御装置は、モータ回転
数およびアクセル操作量の検出値に基づき、図1に従っ
てモータトルク指令値を決定し、決定された指令値相当
のトルクが発生するように、モータを制御する。図1に
示すように、アクセルが操作されているときは、モータ
トルク指令値は正の値であり、このときに発生するモー
タトルクは力行トルクといわれる。アクセル操作量に応
じ、トルク指令値が変更され、力行トルクが増減する。
アクセル操作量が100%になるのは、例えばアクセル
ペダルが最大ストロークまで踏み込まれたときである。
一方、アクセルがオフのとき(アクセル操作量0%)、
モータトルク指令値は負の値に設定される。このときの
モータトルクは回生トルクといわれ、力行トルクと反対
方向である。アクセルがオフにされると、図1のアクセ
ル操作量0%の特性に従った回生制動制御により回生ト
ルクが発生し、モータが制動される。なお、モータ回転
数が低いときには、アクセル操作量が0%であっても、
トルク指令値が正となる。これは、従来のエンジンおよ
び自動変速機を搭載した車両におけるクリープトルクに
相当する力行トルクを、停車および徐行時に発生させる
ための設定である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】運転者が、降り坂など
において、アクセル操作量を0にして、回生制動による
ブレーキ(回生ブレーキ)を効かせて走行しているとす
る。このとき、図1において、モータ回転数はN1、回
生トルクはT1であったとする。減速度が少し大きくな
りすぎたために、減速度を少し下げるように微調整する
必要が生じ、運転者がアクセルを少し操作し、アクセル
操作量が20%になったとする。このとき、モータトル
クは、回生側のT1(負)から力行側のT2(正)へ急
激に変化する。
【0005】図2は、上記の具体例におけるモータトル
クの時間変化を示している。時刻t0の直前では、アク
セル操作量が0%、モータ回転数はN1であり、回生ト
ルクはT1である。時刻t0にて、回生ブレーキの効き
具合の調整のため、アクセルがオンされ、操作量が20
%になる。このとき、トルク指令値は、回生トルクT1
(負)から力行トルクT2(正)へ急変化する。図示の
ように、回生トルクが突如として無くなり、代わりに力
行トルクが発生し、アクセル操作前後にトルクの大きな
ギャップができる。
【0006】上記の状況は、例えば、降り坂の走行中に
典型的に発生する。従来のエンジンブレーキと同様に回
生ブレーキを利用しているときに、勾配の変化などの状
況変化に応じて減速度を調整する必要が生じる。
【0007】このように、従来は、回生制動中に減速度
微調整のためのアクセル操作が行われたとき、回生トル
クが急になくなって力行トルクが発生し、両トルクのギ
ャップが大きい。アクセルを操作した瞬間に、それまで
の減速が急に終わり、運転者は、車両が前に飛び出すよ
うな感覚を受ける。運転者が自らの意志でフル加速のた
めにアクセルを強く踏み込んだときとは異なり、減速度
の微調整を試みたのに車両挙動が急変するので、運転者
は違和感を受ける。
【0008】本発明は上記課題に鑑みてなされたもので
あり、その目的は、回生制動から力行への移行時の違和
感の発生を防止し、運転者が回生制動を利用した運転を
快適に行えるモータ制御装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のモータ制御装置は、アクセル操作量に応じ
た力行トルクをモータに発生させるとともに、アクセル
オフまたはブレーキオン時にモータを回生制動制御して
車速を低下させる。そして、本装置は、回生制動制御中
にアクセルが操作されたとき、現状の回生トルクから、
アクセル操作量に対応する力行トルクまで、モータトル
クを連続的に増大させる力行移行制御を行う。
【0010】本発明によれば、回生制御中にアクセルが
操作されたとき、モータトルクが、現状の回生トルクか
ら力行トルクへと、連続的に変化する。従って、モータ
トルクの時間変化を見たときに、従来の如く回生トルク
から力行トルクへ瞬時に入れ替わるといったトルクのギ
ャップは発生しない。アクセルを操作したときに減速度
が徐々に変化するので、車両の挙動が急変せず、運転者
に対する違和感の発生が回避される。従って、運転者
は、回生制動を利用した運転を快適に行うことができ
る。
【0011】本発明の一態様において、力行移行制御で
は、回生トルクから力行トルクまでトルク指令値がアク
セル操作量に応じて連続的に変化するように設定された
力行移行時トルク特性に従ってモータトルクが制御され
る。通常は、従来同様に、アクセル操作量に応じて力行
トルクを発生させるトルク特性が適用される。しかし、
力行移行制御時には、力行移行時トルク特性が適用され
る。すなわち、運転者のアクセル操作量に応じて、力行
移行時トルク特性に従い、トルク指令値が回生トルクか
ら力行トルクまでの範囲の値に決定される。この態様で
は、運転者は、通常はアクセル操作によって力行トルク
を調整できるとともに、回生制動中には、アクセル操作
によって、減速度を所望の大きさに調整できる。そし
て、運転者は、アクセルをある程度以上操作することに
より、回生側から力行側へスムーズにモータトルクを移
行させることができる。従って、力行移行時に、予期せ
ぬ車両挙動が発生せず、運転者の意志に沿った制御が行
われる。
【0012】また、本発明の別の態様においては、モー
タトルクを変化させる時のなまし量を、通常制御時と、
力行移行制御による回生側から力行側への移行時とで変
更する可変なまし制御が行われる。
【0013】なまし制御自体は、モータ制御を円滑に行
うべく、トルク指令値の変更を段階的に行う周知の制御
である。アクセル操作量が変更されたとき、あるトルク
指令値から、他のトルク指令値まで、指令値が複数段階
に分けて変更される。なまし量が大きいほど、トルク指
令の変更にかかる時間が長くなるものとする。なまし量
は、例えば、トルク指令値を何段階で変化させるかの分
割数によって定義される。従来のなまし制御では、アク
セル操作に対するトルク応答を速くするため、なまし量
ができるだけ小さく設定されている。そのため、回生制
動中にアクセルが操作されたときには、トルク指令値の
大幅な変更が要求される結果、通常のなまし制御ではト
ルク指令値の変化が急激となり、アクセル操作前後にト
ルクのギャップが生じる。運転者は、このときの車両挙
動を予期していないため、違和感を受ける。
【0014】本発明による可変なまし制御では、回生制
動から力行への移行時、トルク指令値が連続的に変化す
るように、なまし量が変更される。回生制動制御中にア
クセルが操作された時には、なまし量が通常制御時より
も大きな値に変更される。従って、通常のアクセル操作
量変更時には、なまし量を小さくして、アクセル操作に
対するトルク応答性を確保できるとともに、回生制動中
のアクセル操作時には、なまし量を大きくすることによ
り、モータトルクの急変化をなくし、運転者に対する違
和感発生を回避できる。
【0015】また、本発明の別の態様において、モータ
回転数およびアクセル操作量とモータトルクを対応づけ
たモータトルク特性を用いてモータが制御され、このモ
ータトルク特性は、モータ回転数が高く、アクセル操作
量が小さい領域において回生トルクが発生するように設
定される。前述の態様では、通常時のモータトルク特性
と、力行移行制御用の力行移行時トルク特性とが使い分
けられていた。一方、この態様では、上記のような使い
分けは行われない。従って、より簡単な制御により、力
行移行時の違和感発生を回避できる。
【0016】
【発明の実施の形態】
「実施形態1」以下、本発明の好適な実施の形態(以
下、実施形態という)について、図面を参照し説明す
る。図3は、本発明のモータ制御装置を備えた電気自動
車の駆動システムを示す。車両推進力を発生するモータ
1は、減速機3、車輪5と順次連結されている。モータ
1が発生した力行トルクは、減速機3や差動歯車装置
(図示せず)等を介して車輪5へ伝達される。また、モ
ータ1は、インバータ7を介して、バッテリ9と接続さ
れている。インバータ7は、複数のスイッチング素子を
備え、モータ1への供給電流を調整する電流調整手段で
ある。モータ1は、インバータ7から供給される電流に
よって駆動される。
【0017】モータECU11は、インバータ7にスイ
ッチング信号を供給することにより、モータ1を制御す
る装置である。モータECU11には、モータ1に備え
られた回転センサ13より、モータ回転数Nが入力さ
れ、また、電流センサ15より、モータ1への供給電流
の電流値Iが入力される。さらに、モータECU11に
は、アクセルペダルセンサ17から、アクセル操作量θ
が入力される。アクセルがオフのとき、θ=0%であ
り、アクセル全開のとき(アクセルペダルがストローク
いっぱいまで踏み込まれたとき)、θ=100%であ
る。また、モータECU11には、ブレーキペダルセン
サ19から、ブレーキペダルのオン、オフを示す情報が
入力される。ブレーキペダルが踏み込まれているときが
ブレーキ・オンであり、ブレーキペダルが踏まれていな
いときがブレーキ・オフである。また、モータECU1
1には、減速機3に取り付けられた車速センサ21よ
り、車速Vを示す情報が入力される。車速センサ21
は、減速機3の回転数を検出している。モータECU1
1は、周知のベクトル制御部やPWM制御部が設けられ
ており、入力情報に基づき、スイッチング信号を生成し
てインバータ7に供給する。
【0018】モータECU11は、通常、図1のトルク
特性に従ってモータ1を制御する。図1には、モータ回
転数Nおよびアクセル操作量θ%と対応づけて、モータ
が発生すべきトルクが規定されている。モータECU1
1は、入力された回転数Nとアクセル操作量θ%の情報
に基づき、図1に従ってトルク指令値を決定する。モー
タECU11では、モータ回転数Nやモータ電流Iに基
づき、決定されたトルク指令に応じた電流指令が求めら
れ、さらに、電流指令に応じたスイッチング信号が生成
される。このスイッチング信号がインバータ7に出力さ
れ、インバータ7のスイッチング素子が、スイッチング
信号に従って動作する。これにより、バッテリ9からイ
ンバータ7へ供給される直流電流が、インバータ7にて
交流電流に変換され、モータ1へ供給される。ここに、
スイッチング信号はトルク指令値に基づいて設定されて
いる。従って、モータ1は、インバータ7から供給され
た電流によって駆動されることにより、モータECU1
1にて決定された指令値相当のトルクを発生する。
【0019】図1に示すように、アクセル操作量が0%
になると、トルク指令値が回生側(負)になる。モータ
ECU11は、スイッチング信号をインバータ7に出力
することにより、回生制動制御を行う。このとき、モー
タ1が車輪5の回転力により回転されて発電機として動
作する。発電された電流は、スイッチング信号に従って
動作するインバータ7によって直流電流に変換され、バ
ッテリ9に充電される。モータ1が発生すべき回生トル
クは、図1のアクセル操作量0%のラインに示されてお
り、このライン上の回生トルクが発生するように、モー
タ1が制御される。回生トルクは力行トルクとは反対方
向であり、回生トルクが抵抗となって車両が減速する。
【0020】ところで、回生制動制御中にアクセルが操
作されると、図2において説明したように、それまでの
回生トルクが急に無くなり、代わって力行トルクが発生
する。アクセルが比較的大きく操作されたときは、運転
者が急加速を求めており、大きな問題はない。しかし、
運転者が回生ブレーキ力の微調整を目的としてアクセル
を少し操作した場合には、回生トルクが急になくなる
と、運転者は車両が急に飛び出したような感覚を持ち、
違和感を感じる。そこで、このような状況に対処するた
めに、モータECU11は、以下のようにトルク指令値
の調整を行う。
【0021】図4は、本実施形態の特徴的な制御を示し
ており、モータECU11は、図4の処理を所定周期毎
に繰り返し実行する。まず、第2フラグ(F2)が立っ
ているか否かが判断され(S10)、すでに第2フラグ
が立っていれば後述するステップS24に進む。第2フ
ラグがまだ立っていなければ、現在車速Viを、前回の
制御ルーチン時(1制御周期前)の車速Vi-1と比較す
る(S12)。ViがVi-1以上のとき、車両が減速中で
ないので、第1フラグ、第2フラグをクリヤし(S1
4)、リターンする。Vi<Vi-1のとき、アクセル操作
量θ=0%であるか否かを判定する(S16)。θ≠0
のとき、第1フラグ(F1)が立っているか否かを判定
し(S18)、立っていなければリターンする。第1フ
ラグが立っていれば、ステップS24へ進む。ステップ
S16でθ=0のときは、次のステップS20でθが0
でなくなったか否か(θ=0からのアクセル踏み込みが
あったか否か)を判定し、NOであれば第1フラグを立
てて(S22)、リターンする。ステップS20でアク
セル操作量が検出された場合、ステップS24に進む。
【0022】ここまでの処理により、減速中であって回
生制動制御中にアクセルが操作されるという状況の発生
が検出される。すなわち、減速中であってもアクセルオ
フとなる前は、ステップS16にてリターンする処理が
継続される。アクセルがオフされると回生制動が始ま
り、このとき、ステップS16からステップS20に進
み、さらにステップS22で第1フラッグが立てられ
る。アクセルオフ(θ=0)が維持される間は、ステッ
プS20にてリターンする処理が繰り返される。しか
し、この状態からアクセルがオンされると、ステップS
16がNO(θ≠0)、第1フラグがすでに立っている
のでステップS18がYESとなり、ステップS24に
進む。
【0023】ステップS24では、アクセル操作量が第
1しきい値θa以下(0<θ≦θa)であるか否かが判
定される。アクセル操作量が第1しきい値θa以下のと
き、モータECU11は、図1のトルク特性に従わず、
モータトルク特性を変更する(S26)。このとき、図
5に示すような力行移行時トルク特性に従った制御が行
われる。図5の横軸はアクセル操作量、縦軸はトルク指
令値である。また、図5中の点線は、図1において回転
数がある値であるときのアクセル操作量と力行トルクの
関係を示している。通常の制御時と同様に図1に従った
のであれば、トルク指令値T*は、点線で示すように、
T*=θ・Tmax/100と決定される。しかし、力行
移行時トルク特性では、θ=0のときにT*=Tx、θ
=θaのときにT*=0と決定される。すなわち、T*
=θ×Tx/θa−Txである。
【0024】ここで、Txは、図1中でアクセル操作量
0%のときのトルク指令値であり、モータ回転数の関数
となる。従って、図5の特性ラインは、モータ回転数N
の変化に応じて上下する。
【0025】また、第1しきい値θaは、運転者が回生
制動力の微調整を望んでいるか否かを判断するための値
であり、予め標準的な運転者を想定して定められてい
る。この判断のため、第1しきい値は、比較的小さなア
クセル操作量に設定されている。第1しきい値θaを適
当に調整することにより、運転者はアクセル操作によっ
て回生ブレーキの効き具合を所望の大きさに調整でき
る。ただし、θaが大きすぎると、アクセル操作に対す
る応答性が低くなる。θaが小さすぎると、急激なトル
ク変化により運転者が違和感を受ける。このような点を
考慮し、快適な運転フィーリングが得られるように第1
しきい値が設定されている。第1しきい値θaは、実験
に基づいて定めることができる。車両、モータ特性など
により変化はするが、好ましくは、θaは10〜15程
度が良い。
【0026】ステップS26での特性変更後、第2フラ
グを立てて(S28)、リターンする。従って、アクセ
ル操作量がθa以下である間は、ステップS10にてY
ES、ステップS24でYESと判断されるので、アク
セル操作量に応じて回生トルクを発生させる制御が継続
される。このように、本実施形態では、回生制動中にア
クセルが操作された場合でも、アクセル操作量がθaよ
り小さければ、引き続き、回生制動が行われる。そし
て、アクセル操作前にTxであったモータトルクが、θ
=θaで0となるように、アクセル操作量に応じてモー
タトルクがなめらかに、徐々に変化する。
【0027】一方、ステップS24にてθ>θaのと
き、第2フラグが立っているか否かが判断される(S3
0)。ステップS26の特性変更が行われているとき
に、運転者がアクセルをさらに踏み込んだとする。アク
セル操作量がθaより大きくなった時点で、ステップS
30の判断がYESとなる。そして、第2の特性変更に
よる力行移行制御が行われる(S32)。ここでの特性
変更内容は、前述のステップS26の特性変更に続け
て、図5に示されている。図中の実線で示されるよう
に、θ=θaでは、T*=0である。そして、θ=θb
にて、T*=θb・Tmax/100とする。θbを第2しきい
値と呼ぶ。すなわち、T*=(θb・Tmax/100)・(θ-θ
b)/(θb-θa)である。従って、第2の特性変更に従っ
た力行側のトルク指令を示す特性ラインm2は、θ=θ
aにて、前述の第1の特性変更に従った回生側の特性ラ
インm1と連続し、また、θ=θbにて、通常のトルク
特性ラインm3と連続してつながる。なお、Tmaxは、
図1に示すように、モータ回転数Nの関数である。従っ
て、図5の特性ラインm2、m3も、特性ラインm1と
同様、回転数に応じて上下する。
【0028】上記のように、特性ラインm2は、回生側
の特性ラインm1と、通常制御用の特性ラインm3とを
なめらかにつなぐためのものである。第2しきい値θb
を適当に調整することにより、力行制御への移行後、通
常のトルク特性までの復帰がなめらかに行われる。第2
しきい値θbも、標準的な運転者を想定した実験に基づ
いて定めることができる。また、後述するように、第2
しきい値も可変としてもよい。
【0029】ステップS32での特性変更後、アクセル
操作量θ=0、またはθ≧θbであるか否かを判定し
(S34)、YESであればフラグクリヤし(S14)
リターンする。NO、すなわち、0<θ<θbであれ
ば、ブレーキペダルのオン・オフを判定し(S36)、
ブレーキオフであればそのままリターンする。ブレーキ
オンであればフラグクリヤし(S14)リターンする。
上記より、アクセルが再びオフされたとき、アクセルが
θb以上に踏み込まれたとき、ブレーキが踏まれたとき
は、モータECU11は通常制御に復帰して図1のトル
クマップに従う。アクセル操作量がθbより小さい間
は、図5に従った特性変更が継続される。この間、0<
θ≦θaであればステップS26に進んで、回生トルク
を発生させる回生制動制御が行われ、θa<θ<θbで
あればステップS32に進んで力行制御が行われる。
【0030】ところで、前述のステップS30の判断が
NOとなるのは以下のようなケースである。アクセルオ
フの回生制動中に運転者が急加速を試みたとする。運転
者がアクセルを急に大きく踏み込むので、アクセル操作
量がθaより大きい値までいっきに変化する。このとき
は、ステップS16、S18、S24を経由してステッ
プS30に至る。第2フラッグは立っていないのでNO
と判断され、フラグクリヤ(S14)の後、リターンす
る。従って、モータECU11は、ステップS26の特
性変更を行わないで、通常の制御により、図1のマップ
に従った力行トルクを発生させる。この場合は、運転者
が急加速を希望しているので、トルクが急変化しても問
題は特にない。むしろ、トルク応答の速さが要求され
る。このような状況では、上記の処理により、速いトル
ク応答と急加速が実現される。
【0031】図6は、本実施形態のモータ制御装置を備
えた電気自動車の動作例を示すタイムチャートである。
上段から、アクセル操作量、トルク指令値、車両の加減
速度、車速が示されている。図6において、実線は本実
施形態の動作を示している。一方、点線は、従来の車両
駆動システムの動作であり、図1のトルクマップのみを
使用した場合の制御結果を示す。なお、ここでは、説明
を簡略にするため、車両の走行抵抗が0であるとする。
従って、トルク指令値が正(力行側)であれば加速し、
トルク指令値が負(回生側)であれば減速する。
【0032】(期間A)時刻ta以前は、アクセル操作
量0%である。この間、図1のトルクマップに従った回
生制動制御が行われる。そして、時間の経過とともに車
両が減速し、モータ回転数が下がるので、回生トルクも
徐々に小さくなる。
【0033】(期間B)運転者が、回生ブレーキの効き
を調整するために、時刻taにてアクセルを踏み、時刻
tcでアクセル操作量が第1しきい値θaに達する。こ
のとき、従来であれば、点線で示すように力行トルクが
発生する。そして、減速度がなくなって急に加速度が発
生し、車速も減少から増加に転じる。運転者は車両が飛
び出すような感覚を受ける。しかし、本実施形態では、
図4のステップS26の特性変更処理が行われ、図5に
従い、アクセル操作量に応じて、回生トルクが発生す
る。これに応じて、加減速度も、減速側で推移する。車
速は、時刻ta以前よりもゆるいペースで引き続き低下
する。なお、時刻tcに達する前の時刻tbにて運転者
がアクセルの踏み込み速度を早めたため、トルク指令値
の変化する速度も大きくなっている。
【0034】(期間C)時刻tcでアクセル操作量が第
1しきい値θaを越えた後、時刻tdにて操作量がθc
に達する。操作量θcは、第2しきい値θbよりも少し
小さな値である。ここでは、図4のステップS32の処
理が行われ、図5に従い、θa<θ<θbの範囲での力
行制御が行われ、車速も増加する。この期間で従来のよ
うに図1のトルクマップを用いようとすると、図中に一
点鎖線nで示すように、トルクの急変化が生じる。しか
し、本実施形態では、図示のように、トルクが連続的に
変化する。
【0035】(期間D)時刻tdにて運転者は必要なブ
レーキ調整が完了したと判断し、アクセルを緩めてい
く。これにより、アクセル操作量は減っていき、時刻t
eにてθ=θa、時刻tfにてアクセルオフ(θ=0)
になる。この期間では、従来の場合、点線のようにトル
ク指令値が変化する。すなわち、アクセルオフになるま
では、トルク指令値が正であり、アクセルオフになった
瞬間に回生トルクが発生する。従って、運転者は、急減
速に伴うショックを感じる。しかし、本実施形態によれ
ば、td〜teでは図4のステップS32の特性変更が
行われ、te〜tfでは図4のステップS26の特性変
更が行われる。従って、アクセル操作に応じてトルク指
令値が連続的に低下していく。これに伴い、加減速度も
連続的に変化する。アクセルがオフになると、モータE
CU11は通常制御に復帰し、トルク指令値は、図1の
操作量0%のライン上の値になる。
【0036】次に、図7〜図9を用いて、アクセル操作
量のしきい値を可変にする場合の例を説明する。図7に
示すように、車速Vが大きいほど、第1しきい値θa、
第2しきい値θbをそれぞれ大きくする。図7の各ライ
ンは、車速が大きいときほど、アクセル操作に対するト
ルク変化の応答性を下げたほうが運転しやすいことに基
づいて設定されている。各ラインは、標準的な運転者を
想定した実験に基づいて設定できる。図7の可変設定を
適用することにより、トルク指令値は図8のように決定
される。すなわち、車速V1のときはθa1にてT*=
0になり、θb1にて通常の力行トルク制御に復帰す
る。車速が大きいとき(V3)は、力行側に移行するア
クセル操作量も、通常制御に復帰するアクセル操作量も
大きくなる。
【0037】図9では、車両の減速度が大きいほど、第
1しきい値θa、第2しきい値θbをそれぞれ大きくす
る。減速度は、車速Vの検出結果に基づき、モータEC
U11にて算出される。図9の各ラインは、急減速時に
はアクセル操作に対するトルク変化の応答性を下げたほ
うが運転しやすいことに基づいて設定されている。上記
と同様に、各ラインは、標準的な運転者を想定した実験
に基づいて設定できる。図9を適用した場合にも、図8
に示したようなトルク指令値の決定が行われる。なお、
図7の車速に応じたしきい値変更と、図8の減速度に応
じたしきい値変更との双方を組み合わせて実行してもよ
い。
【0038】また、本実施形態では、力行移行制御時
に、トルク指令値を直線的に変化させている。これに対
し、図10の曲線Lに示すように、トルク指令値が曲線
Lに沿って変化するようなマップを予め設定しておき、
このマップのラインに従ってトルク指令値を決定しても
よい。なお、図10には、操作量がθaより大きい力行
側のトルク特性(図4のステップS32用)のみが示さ
れているが、θa以下の回生側についても同様である。
また、曲線Lの形状を、車両状況に応じて変更するよう
にしてもよい。例えば、アクセル操作の速度に応じて、
異なる形状の曲線を制御に採用するようにしてもよい。
【0039】以上、本実施形態について説明した。本実
施形態では、回生制動中にアクセルが操作されたとき、
図5に示したような力行移行制御が行われる。アクセル
操作によって回生トルクの大きさを調整できるので、瞬
時に回生トルクが無くなることによる違和感の発生が回
避される。また、アクセル操作量がθaを越えた後、す
ぐに従来の制御に移行すると、図5に一点鎖線nで示す
ように、トルクが急変する。しかし、本実施形態の力行
移行制御では、図5に示すように、操作量θaからθb
の間の連続的なトルク変化の後に通常制御に移行するの
で、トルクの急変がない。以上より、本実施形態によれ
ば、回生制御中にアクセルが操作されたとき、モータト
ルクが回生トルクから力行トルクへと連続的にスムーズ
に変化するので、車両挙動が急変化しない。従って、運
転者に対する違和感の発生が回避され、運転者は回生制
動を利用した運転を快適に行える。
【0040】「実施形態2」次に、本発明の好適な第2
の実施形態を説明する。実施形態1では、力行移行制御
として、トルク指令値を決定するためのトルク特性が変
更された。実施形態2では、下記に説明するように、力
行移行制御として、なまし制御用のなまし量の変更が行
われる。なお、本実施形態のモータ制御装置を備えた車
両駆動システムの構成は、図3と同様であり、ここでの
説明は省略する。
【0041】まず、図11を用いて従来周知のなまし制
御を説明する。運転者がアクセル操作量を変更すると、
モータECU11は、図1に従ってモータトルクを変化
させる。このとき、トルク指令値が、TpからTqへ変
更されるとする(Tp<Tq)。制御を円滑に行うた
め、トルク指令値は、図11に示すように段階的に変更
される。この階段状の変更がなまし制御である。なまし
制御では、なまし量として、トルク変化幅(Tq−T
p)をいくつに分割するかの数が決められている。図1
1の例では、なまし量は4である。そして、1制御周期
ごとに、(Tq−Tp)/4ずつトルク指令値が変更さ
れる。4周期後に、トルク指令値Tqに基づいたスイッ
チング信号が生成される。
【0042】上記のなまし制御は、従来より、モータE
CU11において、通常のトルク変更時に実行されてい
る。しかし、なまし量を大きくすると、アクセル操作に
対するモータトルクの応答性が低くなる。そこで、通常
は、モータの円滑な制御が可能な範囲で、なまし量はで
きるだけ小さく設定されている。前述の図2において
も、通常のなまし制御は行われているが、なまし量は小
さい。そのため、モータトルクは、回生トルクT1から
力行トルクT2へ、実質的に瞬時に変化し、なまし効果
は図面には現れていない。
【0043】本実施形態では、通常の制御時は、なまし
量を従来通りの小さな値d0とする。これにより、アク
セル操作量の変更に対するトルクの応答性を高くする。
力行移行制御時、すなわち、回生制動制御中にアクセル
が操作されたときは、なまし値を以下の制御によって変
更する。これにより、トルクの急激な変化を回避でき
る。
【0044】図12は、本実施形態の特徴的な制御を示
しており、モータECU11は、図12の処理を所定周
期毎に繰り返し実行する。同図において、ステップS1
0〜S22の処理は、図4を用いて説明した処理と同様
であり、説明を省略する。これらの処理により、減速中
であって回生制動制御中にアクセルが操作されるという
状況の発生が検出される。
【0045】ステップS40では、アクセル操作量が第
1しきい値θa以下(0<θ≦θa)であるか否かが判
定される。第1しきい値は、実施形態1と同様に設定さ
れている。θ>θaのときは、運転者がアクセルを急に
大きく踏み込んで、アクセルオフから、アクセル操作量
がθaより大きい値までいっきに変化した場合である。
このときは、運転者が急加速を望んでいると判断され
る。そこで、通常通りのなまし制御(なまし量d0)を
行って高いトルク応答を実現すべく、フラグクリヤ(S
14)の後、リターンする。
【0046】ステップS40にてアクセル操作量が第1
しきい値θa以下(0<θ≦θa)のとき、モータEC
U11はなまし量を変更する(S42)。ここでの処理
を図13、図14を参照して説明する。図13は、なま
し量を決定するためのマップであり、モータECU11
が記憶している。図13において、横軸は、アクセル操
作からの経過時間、縦軸は各時点のなまし量である。図
示のように、ステップS40では、なまし量が通常時の
d0よりも大きくされる。そして、1周期ごとに、順
次、大きく変更される。また、運転者のアクセル操作量
の大きさに応じて、なまし量が異なる値に決定される。
図中では、0<θ1<θ2<θ3<θaの関係がある。
【0047】図14は、図13のマップに基づいて決定
されたなまし量を用いた制御が行われたときの、トルク
指令値の時間変化を示している。図14は、トルク指令
値変更過程の一部分のみが示されている。図13に示さ
れるように、なまし量は、一周期ごとに大きくなる。な
まし量が大きいほうが、1ステップ分のトルク指令値変
化幅は小さい。1ステップ分のトルク指令値変化幅は、
全トルク変化幅をなまし量で徐した値だからである。従
って、図14に示すように、トルク指令値は、全体とし
て上に凸の曲線に沿って変化する。すなわち、トルク指
令値の変化の速さが徐々に小さくなる。
【0048】ステップS42では、1回の処理(1制御
周期分の処理)につき、図14の1段分のトルク指令変
更が行われる。次に、なまし制御が終了したか否かが判
定され(S44)、終了であれば、フラグクリヤ(S1
4)の後、リターンする。なまし制御が終了するのは、
実際のアクセル操作量に対応する値まで、トルク指令値
が達したときである。なまし制御が終了していなけれ
ば、第2フラグを立てて、ブレーキペダルのオン・オフ
を判定する(S48)、ブレーキオフであればそのまま
リターンし、ブレーキオンであればフラグクリヤし(S
14)リターンする。ブレーキが踏まれない状態でなま
し制御が終了するまでは、ステップS10がYESであ
り、図13、図14に示す制御が行われる。
【0049】図15は、図2と同様の状況において、実
施形態2の力行移行制御が行われたときの、モータトル
クの時間変化を示している。従来は、回生制動中にアク
セルが操作されたときも、通常のなまし制御が行われる
ので、モータトルクは点線で示すように急激に変化す
る。実施形態2では、このような状況でのなまし量を大
きくした結果、実線で示すように、回生トルクT1から
力行トルクT2へとモータトルクが連続的に変化する。
また、制御周期ごとになまし量を変更したことにより、
トルク指令値の変化する速さが徐々に小さくなる。従っ
て、なまし制御状態から通常の力行制御状態への移行時
に、モータトルクがなめらかに変化するので、運転フィ
ーリングが一層向上する。
【0050】以上、本実施形態のモータ制御装置につい
て説明した。本実施形態によれば、通常のアクセル操作
量変更時には、なまし量を小さくして、アクセル操作に
対するトルク応答性を確保できるとともに、回生制動中
のアクセル操作時には、なまし量を大きくすることによ
り、モータトルクの急変化がなくなり、運転者に対する
違和感発生を回避できる。
【0051】「実施形態3」次に、本発明の好適な第3
の実施形態を説明する。本実施形態のモータ制御装置を
備えた車両駆動システムの構成は、図3と同様であり、
ここでの説明は省略する。
【0052】実施形態1では、通常制御用のトルク特性
(図1)と、力行移行制御用のトルク特性が使い分けら
れていた。これにより、通常は従来と同様にアクセル操
作に応じた力行トルクを発生させるとともに、力行移行
制御時にはアクセル操作に応じて回生トルクを発生させ
ている。これに対し、実施形態3では、上記のようなト
ルク特性の使い分けは行われない。そして、図1の従来
のトルクマップは使われず、また、図4のフローチャー
トに従った処理も行われない。実施形態3では、図16
のトルクマップに従ってモータ1が制御される。
【0053】図16に示すように、アクセル操作量0%
のときのモータトルクは、車両の徐行に相当する回転数
が低い領域では、クリープトルク発生のために正(力行
側)である。回転数がある程度以上に高くなると、モー
タトルクは負(回生側)となり、回転数に応じて低下す
る。そして、通常のガソリンエンジンのポンピングロス
や摩擦等により生ずる負のトルク相当、又は実験等によ
り決められたトルクまで変化する。
【0054】アクセル操作量が20%のとき、従来は図
1に示すように、全回転数域にてモータトルクは正であ
った。一方、実施形態3では、図16に示すように、回
転数がNαより大きい領域では、モータトルクが負とな
る。同様に、アクセル操作量が40%のときは、回転数
Nβより大きい領域では、モータトルクが負となる。力
行制御の最高回転数(Nγ)以上では、アクセル操作量
80%、100%のときにもモータトルクが負となる。
【0055】モータECU11は、原則として、常時、
図16のトルク特性に従ってモータ1を制御する。モー
タECU11は、入力された回転数Nとアクセル操作量
θ%に基づき、図16に従ってトルク指令値を決定す
る。そして、このトルク指令値に応じたスイッチング信
号を生成し、インバータ7に出力する。このスイッチン
グ信号に従ってインバータ7が電流調整を行うことによ
り、決定された指令値に応じたトルクがモータ1に発生
する。また、モータトルクが負の領域では、モータEC
U11は、スイッチング信号をインバータ7に出力する
ことにより、回生制動制御を行う。このとき、モータ1
が発電機として動作し、図16に従った回生トルクが発
生する。回生トルクが抵抗となって車両が減速する。
【0056】例えば、回転数N1、アクセル操作量0%
であったとする。この状態で、運転者がアクセルを操作
量20%まで操作すると、従来は突然に力行トルクが発
生したために運転者は違和感を受けた。これに対し、図
16に示すように、実施形態3では、アクセルが操作量
20%まで操作されても、まだモータトルクは負であ
る。アクセル操作量が40%になると、モータトルクは
正となる。従って、アクセルを踏んでも急に回生トルク
が無くなるといったことはない。運転者は、アクセル操
作によって、回生トルクの大きさを調整できる。
【0057】図16の各ラインは、標準的な運転者を想
定して定められている。従来のエンジン搭載車では、ア
クセル操作によってエンジンブレーキの効き具合を調整
できた。本実施形態では、図16の特性により、同様の
ブレーキ力調整を回生ブレーキにて実現する。そのた
め、アクセル操作量20%、40%のラインは、「どの
程度の車速でどの程度のアクセル操作が行われたとき
に、運転者が、エンジンブレーキさながらに回生ブレー
キの効き具合の調整を試みようとしているか」、を基準
に設定されている。回転数Nα以上のときには、アクセ
ル操作量20%であれば、回生ブレーキが効き、回転数
Nβ以上のときには、アクセル操作量40%以下であれ
ば回生ブレーキが効く。回転数NαやNβが大きすぎる
と、運転者はアクセル操作に対する応答性が低いと感じ
る。回転数NαやNβが小さすぎると、急激なトルク変
化により運転者が違和感を受ける。このような点を考慮
し、快適な運転フィーリングが得られるように各ライン
が設定されている。各ラインは、実験に基づいて定める
ことができる。
【0058】以上、本実施形態のモータ制御装置につい
て説明した。本実施形態によっても、実施形態1と同様
に、回生制動中にアクセルが操作されたとき、モータト
ルクが急変しないので、運転者に対する違和感の発生が
回避される。
【0059】本実施形態では、回生制動中のアクセル操
作時でなくとも、アクセル操作量が小さくなれば回生制
動制御が行われる。例えば、アクセルを操作量100%
から下げていったときでも、ある程度以下になると回生
制動がはじまる。この点が実施形態1との動作の相違で
ある。実施形態1では、回生制動中にアクセルが操作さ
れたときのみ、アクセル操作に応じた回生トルクが発生
する。
【0060】実施形態1の方では、通常はアクセル操作
に応じた力行トルクを発生させ、力行移行制御時のみ、
アクセル操作に応じた回生トルクを発生させるという特
徴がある。実施形態3では、このような特徴はない。し
かし、実施形態3では、図16のマップを常に使用して
トルク指令値を決定すればよいので、制御が簡単である
という利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来一般的なモータトルク特性として、回転
数に応じたモータトルクの大きさを示す説明図である。
【図2】 図1のトルク特性に従った制御が行われ、回
生制動中にアクセルが操作されたときの、モータトルク
の変化を示すタイムチャートである。
【図3】 本発明の実施形態1のモータ制御装置を備え
る電気自動車の駆動システムのブロック図である。
【図4】 図3のモータ制御装置の力行移行制御に関す
る動作を示すフローチャートである。
【図5】 図4の制御で使用される力行移行制御用のト
ルク特性を示す説明図である。
【図6】 図3のモータ制御装置およびこれを備えた車
両の動作例を示すタイムチャートである。
【図7】 図4の力行移行制御におけるトルク特性の可
変設定を示す説明図である。
【図8】 図4の力行移行制御におけるトルク特性の可
変設定を示す説明図である。
【図9】 図4の力行移行制御におけるトルク特性の可
変設定を示す説明図である。
【図10】 図4の力行移行制御におけるトルク特性の
可変設定を示す説明図である。
【図11】 本発明の実施形態2に関し、従来周知のな
まし制御を示す説明図である。
【図12】 実施形態2のモータ制御装置の力行移行制
御に関する動作を示すフローチャートである。
【図13】 実施形態2の可変なまし制御によりなまし
量を決定するためのマップを示す説明図である。
【図14】 図13を用いた可変なまし制御を行ったと
きのトルク指令値の推移を示す説明図である。
【図15】 実施形態2の力行移行制御を実行したとき
のモータトルクの時間変化を示す説明図である。
【図16】 実施形態3のモータ制御装置に適用される
トルク特性を示す説明図である。
【符号の説明】
1 モータ、3 減速機、5 車輪、7 インバータ、
9 バッテリ、11モータECU、13 回転センサ、
15 電流センサ、17 アクセルペダルセンサ、19
ブレーキペダルセンサ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森口 直樹 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクセル操作量に応じた力行トルクをモ
    ータに発生させるとともに、アクセルオフまたはブレー
    キオン時にモータを回生制動制御して車速を低下させる
    電気自動車のモータ制御装置において、 回生制動制御中にアクセルが操作されたとき、現状の回
    生トルクから、アクセル操作量に対応する力行トルクま
    で、モータトルクを連続的に増大させる力行移行制御を
    行うことを特徴とする電気自動車のモータ制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の装置において、 前記力行移行制御では、回生トルクから力行トルクまで
    トルク指令値がアクセル操作量に応じて連続的に変化す
    るように設定された力行移行時トルク特性に従ってモー
    タトルクが制御されることを特徴とする電気自動車のモ
    ータ制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の装置において、 前記力行移行制御中のモータトルクの変化速度が、時間
    経過とともに変化することを特徴とする電気自動車のモ
    ータ制御装置。
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