JPH10302639A - 壁電荷の測定方法および装置 - Google Patents

壁電荷の測定方法および装置

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JPH10302639A
JPH10302639A JP9107607A JP10760797A JPH10302639A JP H10302639 A JPH10302639 A JP H10302639A JP 9107607 A JP9107607 A JP 9107607A JP 10760797 A JP10760797 A JP 10760797A JP H10302639 A JPH10302639 A JP H10302639A
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current
discharge
electrode
voltage
wall
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JP9107607A
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English (en)
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Koichi Sakida
康一 崎田
Seiichi Iwasa
誠一 岩佐
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Fujitsu Ltd
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Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 壁電荷の測定方法および装置に関し、壁電荷
の測定を簡単化して迅速に測定し、さらに複雑な駆動波
形における壁電荷の挙動を測定可能とする。 【解決手段】 AC型PDPを放電させた時に生じる壁
電荷を測定するための測定方法であって、放電を発生し
た電極に流れる電流を計測し、その計測した電流の値か
ら壁電荷の形成に関与する電流成分を取り出して、その
電流成分を電荷量へ変換する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、外部電極型放電
セルの放電現象(いわゆるSilent Discharge)によって
生ずる壁電荷の測定方法および装置に関し、さらに詳し
くは、AC型プラズマディスプレイパネル(AC型PD
P)のような電極が誘電体に覆われたいわゆる外部電極
型放電セルを有するAC型ガス放電パネルの基本物理量
である壁電荷の測定に好適に用いられる壁電荷の測定方
法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】AC型ガス放電表示パネルは、放電空間
に誘電体を介した電極構造を有し、放電に伴う発光を利
用する表示パネルである。参考のために、この表示パネ
ルの構造を、図11に示すようなフルカラー表示用のA
C型3電極面放電形式のPDPを例に挙げて説明する。
【0003】AC型3電極面放電形式のPDPでは、背
面側のガラス基板21にソーダライムガラスを使用し、
その上に複数のアドレス電極Aを平行に形成している。
アドレス電極間には隔壁(リブ)23を設け、隔壁23
と隔壁23との間の溝には、その側面と底面にカラー表
示のための赤用(R)と緑用(G)と青用(B)の蛍光
体層24R,24G,24Bを順次形成している。
【0004】前面側のガラス基板25には、アドレス電
極Aに対して垂直な方向に、表示の1ライン毎に一対の
サステイン電極X,Yを形成し、ガラス基板25の全体
を誘電体層26で覆い、誘電体層26の表面にはMgO
からなる保護膜27を蒸着している。
【0005】背面側のガラス基板21と前面側のガラス
基板25は、張り合わせて周辺をシールし、内部にX
e,Ne等のガスを混入している。表示の1画素はライ
ン方向に並ぶ3つのサブピクセルで構成する。
【0006】このようなAC型PDPでは、画定された
各放電セルのサステイン電極X,Y上の誘電体層表面の
帯電(壁電荷)状態を、一定の電圧(サステイン電圧)
を印加したときに放電する状態と放電しない状態に設定
するいわゆるアドレス操作を行い、その後サステイン電
圧をサステイン電極X,Yに交互に印加してアドレスさ
れた特定の放電セルだけを放電させるサステイン操作を
行うことにより画像を表示する。
【0007】このサステイン放電の制御は、放電空間と
誘電体の間すなわち誘電体表面に蓄積される電荷(以下
壁電荷と称する)の量を調整することによって行われ
る。すなわち、放電ギャップ(放電セル)に加わる実効
電圧は、印加電圧成分に壁電荷による電圧成分が重畳さ
れたものであり、放電ギャップに加わる実効電圧が放電
開始電圧を超えたとき、放電が起る。
【0008】このように、ギャップ間電圧や蓄積された
壁電荷は放電現象を決める直接的な物理量であり、この
物理量を知ることでどのような放電現象が生ずるのかを
知ることができる。なかでも壁電荷の量を知ることによ
り、電極がどのような放電特性を有しているのかを知る
ことができる。
【0009】しかしながら、AC型PDPでは、電極間
電圧を測定することは可能であるが、電極と放電空間が
誘電体によって絶縁されているため、壁電荷の量を直接
測定することは難しい。そのため、放電特性の評価のた
めには壁電荷の量を知ることが必要であるにもかかわら
ず、従来においては、放電特性は点火電圧や最小維持電
圧といった、壁電荷とは異なる量で評価されていた。
【0010】また、これらの評価は単純な駆動波形の下
で評価されることが多かった。図12は上述したフルカ
ラー表示用のAC型3電極面放電形式のPDPで実際に
用いられている駆動波形の一例であり、図13は従来の
放電特性の評価に用いられる駆動波形の一例である。
【0011】図12に示すように、実際のパネルの駆動
は、消去パルス、書込みパルス、サステインパルスのよ
うな全セルに同時に印加する電圧波形と、表示セルを選
択するためのアドレスパルス、スキャンパルスなどの電
圧波形を含む複数のステップからなる複雑な電圧波形を
印加することによって行われる。
【0012】しかしながら、従来においては、図13の
(A)〜(D)に示すような単純な電圧波形を放電セル
を画定する電極対に印加して、単純にその2電極間の特
性が評価されているのみであり、複数の電極間の特性に
ついての評価は行われていなかった。けれども、実際に
駆動する電圧波形下での壁電荷の挙動の調査は、PDP
の特性を把握するためには重要な課題である。
【0013】例えば、壁電荷の測定例として、1996
年電子情報通信学会エレクトロニクスソサイエティ大会
講演番号C-406「V-Q Lissajous図形を用いたac-PDPの放
電計測」で発表されているように、パネル容量に比して
十分大きなコンデンサをパネルと直列に挿入し、その両
端の電圧を測定することで壁電荷の挙動を観測している
例が報告されている。
【0014】しかし、このような壁電荷の測定例は、上
述した図13のように、正弦波や矩形波のような簡単な
駆動波形を2電極間に印加した場合の測定例を示すもの
であり、3電極以上の複数の電極が関係する複雑な駆動
波形下で特定のセルを表示させた場合の測定例を示すも
のではない。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】以上述べたように、壁
電荷が、AC型PDPの基本的な物理量であるにもかか
わらず、測定そのものの困難さに加え、PDPが多くの
電極を有し、さらに駆動波形が非常に複雑であるという
理由から、従来では、実際の壁電荷の測定は行われおら
ず、この測定はAC型PDPの開発上大きな課題となっ
ていた。
【0016】この発明は、このような事情を考慮してな
されたもので、壁電荷の測定を簡単化して迅速に測定
し、さらに複雑な駆動波形における壁電荷の挙動を測定
できるようにした壁電荷の測定方法および装置を提供す
るものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】この発明は、外部電極型
放電セルを放電させた時に生じる壁電荷を測定するため
の方法であって、その放電を発生した電極に流れる電流
を計測し、その計測した電流の値から壁電荷の形成に関
与する電流成分を取り出して、その電流成分を電荷量へ
変換することからなる壁電荷の測定方法である。
【0018】この発明によれば、ガス放電パネルの電極
を覆う誘電体に形成される壁電荷を実測することがで
き、これによりガス放電パネルの放電特性を実際に形成
される壁電荷の量で評価することが可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】この発明において、ガス放電パネ
ルとしては、例えばAC型3電極面放電形式のPDPを
適用することができる。
【0020】ガス放電パネルの壁電荷測定に用いる一定
波形の電圧としては、例えば上記AC型3電極面放電形
式のPDPを駆動するための駆動電圧波形を適用するこ
とができる。
【0021】本発明においては、壁電荷測定に用いる一
定波形の電圧は、AC型PDPの駆動電圧波形のような
パルス状の電圧とすることが望ましい。この場合、壁電
荷の形成に関与する電流成分の電荷量への変換は、放電
電極に流れる電流をパルス状の電圧の立ち上がりから立
ち下がりまでの期間積分することにより行うことができ
る。
【0022】また、壁電荷の形成に関与する電流成分の
電荷量への変換は、以下のようにして行ってもよい。す
なわち、放電セルが複数であれば、その複数の放電セル
を2つの群に分け、第1群の放電セルを所定の電圧の印
加によって放電が起こらない第1の壁電荷の状態とな
し、第2群の放電セルを所定の電圧の印加によって放電
が起こる第2の壁電荷の状態となす。そして、放電を発
生した第1群の放電セルから計測される電流と非放電発
生の第2群の放電セルから計測される電流に基づいて壁
電荷の形成に関与する電流成分を求め、求めた電流成分
を積分する。このようにして、壁電荷の形成に関与する
電流成分だけを求めて積分することにより壁電荷の量を
求めるようにしてもよい。
【0023】この発明は、また、外部電極型放電セルに
電圧を印加して放電を発生させることが可能な駆動回路
と、その放電した電極に流れる電流を計測する電流検出
部と、電流検出部によって測定された電流の値から壁電
荷の形成に関与する電流成分を取り出してその電流成分
を電荷量へ変換する壁電荷検出部とを備えてなる壁電荷
の測定装置である。
【0024】この発明における駆動回路は、壁電荷の測
定装置内に設けられたものであってもよく、また、壁電
荷の測定装置外に設けられたものであってもよい。例え
ば壁電荷の測定装置外に設けられたものとしては、壁電
荷を測定しようとするガス放電パネルに駆動回路がすで
に一体で組込まれたもの等を挙げることができる。すな
わち、ガス放電パネルと駆動回路とを一体化したプラズ
マディスプレイ装置の壁電荷を測定するような場合に
は、その駆動回路を電荷測定に用いる。
【0025】以下、図面に示す実施の形態に基づいてこ
の発明を詳述する。なお、これによってこの発明が限定
されるものではない。図1はこの発明による壁電荷の測
定方法に用いる測定装置の構成を示す説明図である。図
において、1は電極2が形成された被試験用のガス放電
表示パネルであり、壁電荷を測定したいガス放電表示パ
ネルはここに配置される。3は電極2に接続された駆動
回路ユニットであり、ガス放電表示パネル1の電極2に
対して所定の駆動電圧波形を印加する。
【0026】駆動回路ユニット3には、被試験用のガス
放電表示パネル1の一方の電極2に電圧を印加する駆動
回路Aと、他方の電極2の奇数ラインと偶数ラインにそ
れぞれ電圧を印加する駆動回路B,Cが設けられてい
る。このガス放電表示パネル1の場合、電極2の交点が
放電領域(放電セル)である。
【0027】なお、駆動回路ユニット3は、駆動回路
A,B,Cを設けて、全ての電極に電圧を印加できるよ
うにしているが、この駆動回路ユニット3は、このよう
に全ての電極に電圧を印加するタイプのものであっても
よいし、壁電荷を測定したい着目電極だけに電圧を印加
するタイプのものであってもよい。また、ガス放電表示
パネルがフルカラー表示用のAC型3電極面放電形式の
PDPであるような場合には、実際の駆動電圧を印加で
きるタイプのものであってもよい。
【0028】さらに、駆動回路ユニット3は、駆動回路
を制御する制御回路を備え、その制御回路によって任意
の駆動電圧波形を生成可能な試験専用のタイプのもので
あってもよいし、常に同じ駆動電圧波形だけを印加する
実使用タイプのものであってもよい。すなわち、この駆
動回路ユニット3は、電極2上の誘電体に壁電荷を形成
するための電圧を印加できるものであればどのようなタ
イプのものであってもよい。
【0029】壁電荷の測定装置は、この駆動回路ユニッ
ト3の他に、電流検出部4、積分器と変位電流キャンセ
ラとの2つの機能を有する壁電荷検出部5、およびデー
タ収集部6が備えられて構成される。
【0030】なお、前述したように、ガス放電表示パネ
ル1と駆動回路ユニット3とが一体で組込まれているプ
ラズマディスプレイ装置の壁電荷を測定する場合には、
駆動回路ユニット3は不要であるので、壁電荷の測定装
置は、電流検出部4、壁電荷検出部5、およびデータ収
集部6で構成する。
【0031】電流検出部4は、電極2と駆動回路ユニッ
ト3とを結ぶ接続ラインに配置されている。電流検出部
4は、ループ式の非接触型のカレントプローブであり、
接続ラインに電流が流れることによって生ずる電界ある
いは磁界の量をホール素子等により検出し、これにより
接続ラインに流れる電流値を測定するものである。電流
検出部4により検出された電流測定値は、壁電荷検出部
5を介し、データ収集部6によって獲得される。
【0032】図2はガス放電表示パネル1を駆動中のあ
る期間の波形を示す説明図であり、これによりこの壁電
荷測定装置を用いた壁電荷測定方法を説明する。図2
(A)は放電を発生させるべく選択された放電セルを画
定する2電極間における印加電圧と壁電圧の値を示し、
図2(B)は印加電圧と壁電圧によって流れた観測電流
を示している。電流検出部4において検出される電流
は、放電に関与する電流(放電電流)ig(t) と変位電
流iind(t) との和である。すなわち、観測電流i
mes(t) は imes(t) =ig(t) +iind(t) ……(式1) で表される。
【0033】放電電流ig(t) は、壁電荷を形成するた
めに外部回路から供給される電流であることから、上記
放電電流ig(t) と壁電荷の変化ΔQw との間には、 ΔQw ∝∫ig(t)dt ……(式2) の関係がある。
【0034】したがって、これに基づき、壁電荷検出部
5は、観測電流imes(t) の中から放電電流ig(t) 分だ
けを求めるために、観測電流imes(t) から変位電流i
ind(t) 分を除去(キャンセル)した後、壁電荷変化量
ΔQw を求める積分操作を行う。
【0035】変位電流iind(t) 分のキャンセルは、同
じ電圧を印加した場合における発光セルに流れる電流と
非発光セルに流れる電流との差に着目し、これにより行
うことができる。すなわち、発光セルに流れる電流から
非発光セルに流れる電流を差引くことによって、変位電
流iind(t) 分をキャンセルすることができる。この変
位電流分のキャンセルについて図3および図4を用いて
説明する。
【0036】図3に示すように、例えば、壁電荷を測定
しようとするガス放電表示パネルが、AC型3電極面放
電形式のPDPである場合、通常、表示電極Xと表示電
極Yとの間に表示(サステイン)電圧が印加されて特定
セルの表示放電(維持放電)が生ずるのであるが、サス
テイン電圧の印加によって放電が生じる発光セルと、サ
ステイン電圧が印加されても放電が生じない非発光セル
との2つのセルに着目し、発光セル側の表示電極をY1
とし、非発光セル側の表示電極をY2とする。Xは共通
表示電極である。
【0037】図4(A)はX電極に印加される駆動電圧
波形である。図4の(B)と(D)はそれぞれY1電極
とY2電極に印加される駆動電圧波形、図4の(C)と
(E)はそれぞれY1電極とY2電極に流れる電流を示
している。
【0038】図4(C)で示すY1電極で測定された電
流値は、発光セルのものであるため、放電電流と変位電
流の2つの電流成分が加えられた値のものが得られる。
一方、図4(E)で示すY2電極で測定された電流値
は、非発光セルのものであるため、変位電流成分のみの
値のものが得られる。
【0039】したがって、Y1電極で測定された電流値
から、Y2電極で測定された電流値を差引くことによっ
て、壁電荷形成に関与する電流成分だけを取り出すこと
ができる。
【0040】この電流成分の取出しは、電流検出部4に
カレントプローブを用いているため、このカレントプロ
ーブの電流検出ループの中に、発光セルの接続ラインと
非発光セルの接続ラインを、電流の向きが逆になるよう
に挿入することでアナログ的に電流値を差し引いて、壁
電荷形成に関与する電流成分だけを取り出すようにする
ことができる。
【0041】あるいは、Y1電極で測定された電流値と
Y2電極で測定された電流値とをそれぞれディジタル値
で得ることができるような装置を設けた場合であれば、
算術的に電流値を差引くことにより壁電荷形成に関与す
る電流成分を求めるようにしてもよい。壁電荷の変化量
は、この得られた壁電荷形成に関与する電流成分を積分
することによって求めることができる。
【0042】また、放電電流ig(t) による電荷と変位
電流iind(t) による電荷の分離は、上記の方法以外
に、観測電流imes(t) を直接積分することによっても
達成することができる。この場合は、発光セルに結合し
た電極に流れる電流を測定するだけでよい。図2によ
り、この観測電流の直接積分によって変位電流をキャン
セルする方法を説明する。
【0043】図2(A)の印加電圧波形では、図2
(B)に示すように、電流は、正パルスが立ち上がった
時と正パルスが立ち下がった時、および負パルスが立ち
下がった時と負パルスが立ち上がった時に流れる。そし
て、その内、放電電流成分は、正パルスが立ち上がった
直後と、負パルスが立ち下がった直後にのみ存在する。
【0044】このように、放電は、正パルスが立ち上が
った直後か、負パルスが立ち下がった直後に起こり、正
パルスが立ち下がるとき、あるいは負パルスが立ち上る
ときには起らない。
【0045】本方法はこの点に着目し、正パルスが立ち
上がって立ち下がるまでの期間、あるいは負パルスが立
ち下がって立ち上がるまでの期間の電流値を積分するこ
とにより、変位電流成分をキャンセルするようにしたも
のである。
【0046】したがって、図2(A)の印加電圧波形の
ように、印加する電圧波形が、正パルスが立ち下がった
後、時間を置いて負パルスが立ち下がるような電圧波形
である場合に変位電流成分をキャンセルすることができ
る。
【0047】図2(C)は観測電流の積分値である。正
パルスあるいは負パルスの立ち上りと立ち下がり時に流
れる変位電流は大きさが同じで逆符号の電流である。一
方、この期間中放電は一回しか起らない。したがって、
この期間での積分値を求めることによって変位電流成分
をキャンセルすることができ、正パルスの立ち下がり前
後の量、あるいは負パルスの立ち上り前後の量を比較す
ることによって、壁電荷の変化量を求めることができ
る。
【0048】データ収集部6は、駆動中の特定の期間の
データだけを表示できる機能を有しており、例えば電荷
の変化量Qを縦軸に、駆動電圧Vを横軸にとったものを
表示することが可能である。これにより、電荷の移動量
を直感的に観測することが可能となる。
【0049】しかしながら、実際に駆動する時の複雑な
波形の下では不要なデータが存在するため、電荷の変化
量Qと駆動電圧Vとの関係を示すグラフは、図5に示す
ようなグラフとなる。ところが、不要なデータが存在す
る期間を表示しないようにすることによって、電荷の変
化量Qと駆動電圧Vとの関係を示すグラフを、図6に示
すような簡明なグラフとすることができる。
【0050】これは、例えば、ガス放電表示パネルが、
AC型3電極面放電形式のPDPである場合には、アド
レス電極、X−サステイン電極、Y1−サステイン電
極、Y2−サステイン電極にそれぞれ印加する電圧波形
は、図7に示すようなものとなるが、この電圧印加の期
間に、測定値非表示期間と測定値表示期間とを設定する
ことにより、図6のような簡明なグラフを表示すること
が可能となる。
【0051】図8はAC型3電極面放電形式のPDPの
壁電荷を測定する壁電荷測定装置の構成を示すブロック
図である。この図において、11はAC型3電極面放電
形式のPDPであり、この壁電荷測定装置においては、
被試験用のガス放電表示パネルとしてAC型3電極面放
電形式のPDP11を適用する。このAC型3電極面放
電形式のPDP11は、図11で示したアドレス電極A
とサステイン電極X,Yを有する公知のPDPである。
そして、この装置においては、図12で示した駆動波形
を用い、この駆動波形中のサステイン期間における壁電
荷の変化を測定する。
【0052】13はドライバユニット、14はカレント
プローブからなる電流センサ、15はアンプ、16は積
分器、17はオシロスコープ、18はコントローラであ
る。ドライバユニット13は、リセットドライバ13
a、アドレスドライバ13b、およびサステインドライ
バ13cから構成されており、これらのドライバはコン
トローラ18によって制御される。
【0053】AC型3電極面放電形式のPDP11のア
ドレス電極A、サステイン電極X、およびサステイン電
極Y1 〜Y480 には、それぞれ図12で示したパルス状
の電圧を印加する。
【0054】すなわち、リセット期間においては、リセ
ットドライバ13aから、サステイン電極Xに消去パル
スを印加するとともに、サステイン電極Yに書込みパル
スを印加し、アドレス期間においては、サステインドラ
イバ13cから、サステイン電極Yにスキャンパルスを
印加するとともに、アドレスドライバ13bから、アド
レス電極Aにアドレスパルスを印加し、サステイン期間
においては、サステインドライバ13cから、サステイ
ン電極Xとサステイン電極Yにサステインパルスを印加
する。変位電流成分のキャンセルは、発光セルと非発光
セルの電流差を求める方式、あるいは観測電流を直接積
分する方式のいずれを用いてもよい。
【0055】電流の観測は電流センサ14を用い、アン
プ15を通して増幅する。電流センサ14は一部のサス
テイン電極Yだけに取り付けておいてもよいし、全ての
サステイン電極Yに取り付けておき、切換えにより所望
のサステイン電極Yのものだけをアンプ15に入力する
ようにしてもよい。また、任意に取り外して所望のサス
テイン電極Yに取り付けるようにしておいてもよい。
【0056】増幅した電流信号は、図9に示すような積
分器16を用いて積分することにより電荷量に変換し、
オシロスコープ17のY軸入力端子に入力して観測す
る。オシロスコープ17のX軸入力端子にはサステイン
ドライバ13cからの出力を接続する。そして、オシロ
スコープ17のX−Y表示機能(リサージュ表示機能)
を用い、X軸に印加電圧波形、Y軸に電荷量を表示させ
る。
【0057】サステイン期間中の壁電荷の変化を選択的
に調べるためには、オシロスコープ17のZ軸入力端子
にコントローラ18からの出力を接続し、コントローラ
18で制御することにより、オシロスコープ17の輝度
変調機構を用いて、必要な期間の測定値のみをオシロス
コープ17の表示画面に表示する。
【0058】図10はディジタルオシロスコープを用い
た壁電荷測定装置の構成を示すブロック図である。図に
おいて、20はディジタルオシロスコープである。この
壁電荷測定装置では駆動波形期間中の任意の期間を選択
できる。
【0059】被試験用のガス放電表示パネルとしては、
上記と同様に、AC型3電極面放電形式のPDP11を
適用している。また、ドライバユニット13も上記通常
のオシロスコープ17を用いた場合と同様の構成であ
り、リセットドライバ13a、アドレスドライバ13
b、およびサステインドライバ13cにより、サステイ
ン電極X,Yおよびアドレス電極Aに、上記と同様、図
12で示した駆動波形を印加する。電流センサ14とア
ンプ15も、上記通常のオシロスコープ17を用いた場
合と同様の構成である。
【0060】アドレスドライバ13bの出力電圧とサス
テインドライバ13cの出力電圧は、印加電圧波形を観
測するために、ディジタルオシロスコープ20の端子に
入力する。電流センサ14で測定した電流値は、アンプ
15を通して増幅し、ディジタルオシロスコープ20の
観測端子に入力する。
【0061】このディジタルオシロスコープ20を用い
た壁電荷測定装置では、積分器は設けておらず、変位電
流成分のキャンセルと積分操作は、ディジタルオシロス
コープ20の演算機能によって計算する。
【0062】観測期間の選択はコントローラ18によっ
て制御し、必要な期間の測定値をディジタルオシロスコ
ープ20の表示画面に表示する。例えば、サステイン期
間中の壁電荷の変化を選択的に調べるには、コントロー
ラ18からディジタルオシロスコープ20に対して、例
えばサステイン期間の測定値だけを表示する旨の信号を
送出する。これにより、ディジタルオシロスコープ20
で、サステイン期間の測定値のみをディジタルオシロス
コープ20の表示画面に表示する。この観測期間の選択
は、ディジタルオシロスコープ20のトリガ機能を用い
ることにより達成することもできる。
【0063】このようにして、壁電荷を測定することに
より、実際に駆動する電圧波形下での壁電荷を観測する
ことができる。したがって、AC型PDPの放電特性を
実際に放電に寄与する壁電荷の量で評価することが可能
となる。また、AC型PDPの放電性能試験を壁電荷の
量に基づいて行うことができ、これにより、AC型PD
Pが所定の壁電荷を形成することが可能かどうか等の表
示パネルの実性能を調べることも可能となる。
【0064】
【発明の効果】この発明によれば、実際に駆動する電圧
波形下での壁電荷の挙動を知ることができる。そのた
め、これまで目視などの定性評価に頼っていた評価を定
量的かつ迅速に評価することができ、放電型表示パネル
の性能向上に寄与するところが大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による壁電荷の測定方法に用いる測定
装置の構成を示す説明図である。
【図2】ガス放電表示パネルを駆動中のある期間の波形
を示す説明図である。
【図3】発光セル側の表示電極と非発光セル側の表示電
極とを示す説明図である。
【図4】表示電極Xの駆動波形と発光セル側と非発光セ
ル側の表示電極Y1,Y2の駆動波形と流れる電流を示
す説明図である。
【図5】不要なデータが存在する場合の電荷の変化量Q
と駆動電圧Vとの関係を示すグラフである。
【図6】不要なデータが存在する期間を表示しないよう
にした場合の電荷の変化量Qと駆動電圧Vとの関係を示
すグラフである。
【図7】PDPに印加する駆動電圧波形の測定値非表示
期間と測定値表示期間とを示す説明図である。
【図8】AC型3電極面放電形式のPDPの壁電荷を測
定する壁電荷測定装置の構成を示すブロック図である。
【図9】積分器の構成を示す説明図である。
【図10】ディジタルオシロスコープを用いた壁電荷測
定装置の構成を示すブロック図である。
【図11】従来のAC型3電極面放電形式のPDPの構
成を示す説明図である。
【図12】従来のAC型3電極面放電形式のPDPで実
際に用いられている駆動波形の一例を示す説明図であ
る。
【図13】従来の放電特性の評価に用いられる駆動波形
の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 被試験用のガス放電表示パネル 2 電極 3 駆動回路ユニット 4 電流検出部 5 壁電荷検出部 6 データ収集部 11 AC型3電極面放電形式のPDP 13 ドライバユニット 13a リセットドライバ 13b アドレスドライバ 13c サステインドライバ 14 電流センサ 15 アンプ 16 積分器 17 オシロスコープ 18 コントローラ 20 ディジタルオシロスコープ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外部電極型放電セルを放電させた時に生
    じる壁電荷を測定するための方法であって、その放電を
    発生した電極に流れる電流を計測し、その計測した電流
    の値から壁電荷の形成に関与する電流成分を取り出し
    て、その電流成分を電荷量へ変換することからなる壁電
    荷の測定方法。
  2. 【請求項2】 放電を発生させる電圧がパルス状の電圧
    からなり、壁電荷の形成に関与する電流成分の電荷量へ
    の変換が、放電を発生した電極に流れる電流を前記パル
    ス状の電圧の立ち上がりから立ち下がりまでの期間積分
    することにより行われることを特徴とする請求項1記載
    の壁電荷の測定方法。
  3. 【請求項3】 前記放電セルが複数からなり、壁電荷の
    形成に関与する電流成分の電荷量への変換が、前記複数
    の放電セルを2つの群に分け、第1群の放電セルを所定
    の電圧の印加によって放電が起こらない第1の壁電荷の
    状態となし、第2群の放電セルを所定の電圧の印加によ
    って放電が起こる第2の壁電荷の状態となし、放電を発
    生した第1群の放電セルから計測される電流と非放電発
    生の第2群の放電セルから計測される電流に基づいて壁
    電荷の形成に関与する電流成分を求め、求めた電流成分
    を積分することにより行われることを特徴とする請求項
    1記載の壁電荷の測定方法。
  4. 【請求項4】 外部電極型放電セルに電圧を印加して放
    電を発生させることが可能な駆動回路と、その放電した
    電極に流れる電流を計測する電流検出部と、電流検出部
    によって測定された電流の値から壁電荷の形成に関与す
    る電流成分を取り出してその電流成分を電荷量へ変換す
    る壁電荷検出部とを備えてなる壁電荷の測定装置。
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