JPH10302518A - カバー装置および照明器具 - Google Patents

カバー装置および照明器具

Info

Publication number
JPH10302518A
JPH10302518A JP9138887A JP13888797A JPH10302518A JP H10302518 A JPH10302518 A JP H10302518A JP 9138887 A JP9138887 A JP 9138887A JP 13888797 A JP13888797 A JP 13888797A JP H10302518 A JPH10302518 A JP H10302518A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
packing
film
cover
photocatalytic
cover body
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9138887A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshiyuki Ishida
敏行 石田
Tsutomu Watanabe
力 渡辺
Hiroshi Kamata
博士 鎌田
Akiko Saito
明子 斉藤
Hiroyuki Kojima
浩之 小島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Lighting and Technology Corp
Original Assignee
Toshiba Lighting and Technology Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Lighting and Technology Corp filed Critical Toshiba Lighting and Technology Corp
Priority to JP9138887A priority Critical patent/JPH10302518A/ja
Publication of JPH10302518A publication Critical patent/JPH10302518A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 光触媒膜31の光触媒活性によりパッキング17
が劣化するのを防止する。 【解決手段】 透光性を有するカバー体20のパッキング
接触部32にパッキング17が接触する。カバー体20の外面
に光触媒膜31を形成する。パッキング接触部32において
光触媒膜31の表面に保護膜33を形成する。パッキング17
と光触媒膜31との間に保護膜33を介在させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光触媒膜を用いた
カバー装置および照明器具に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、特開平7−111104
号公報に記載されているように、光源を収納するカバー
体の内面に光触媒膜を形成することにより、照明機能を
有しながら、光源からの紫外線を含む光が光触媒膜に照
射されることで、光触媒活性により、雰囲気中の気体の
脱臭、殺菌を行なうことが知られている。
【0003】しかも、光触媒膜は、表面に付着した汚れ
の有機成分を酸化、分解する作用もあり、例えばトンネ
ル用照明器具などへの実用化が進められている。すなわ
ち、器具本体の照射開口に配設されるカバー体の外面に
光触媒膜を形成し、器具本体内の光源からの紫外線を含
む光が光触媒膜に照射されることで、光触媒活性によ
り、カバー体の外面に付着して透過率を低下させるカー
ボン成分(排気ガス成分)などを酸化、分解し、透過率
の低下を抑制するとともに、清掃などのメンテナンスを
容易にする。
【0004】また、器具本体の照射開口に配設されるカ
バー体は、ゴムなどの有機物で形成されるパッキングを
介して液密に取り付けられる。カバー体に形成される光
触媒膜はカバー体の少くとも一面の全体に形成されるた
め、パッキングはカバー体の光触媒膜に接触し、光触媒
膜の光触媒活性により、パッキングが酸化、分解されて
劣化するおそれがある。
【0005】そのため、カバー体のパッキングが接触す
る部分に光触媒膜を形成しないように製作される。これ
には、カバー体に光触媒膜を形成する前工程において、
カバー体のパッキングが接触する部分にマスキングテー
プを手作業で貼り付けてマスクし、さらに、光触媒膜の
形成後の後工程において、マスキングテープを手作業で
剥がして、拭き取る作業が行なわれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、マスキ
ングテープを手作業で貼り付けたり剥がしたりする作業
は手間がかかり、生産性が低い問題があり、また、テー
プ境界部分に成膜工程で成膜用の溶液が溜まるなどの不
具合が生じ、膜厚にばらつきが生じるおそれがある。
【0007】本発明は、このような点に鑑みなされたも
ので、カバー体に形成された光触媒膜の光触媒活性によ
りパッキングが劣化するのを防止できるとともに、製造
も容易にできるカバー装置および照明器具を提供するこ
とを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載のカバー装
置は、透光性を有するとともにパッキング接触部を有す
るカバー体と;カバー体に形成された光触媒膜と;パッ
キング接触部において光触媒膜の表面に形成された保護
膜と;を具備しているものである。
【0009】カバー体のパッキング接触部において光触
媒膜の表面に保護膜を形成したため、カバー体をパッキ
ングを介して支持する際、パッキングと光触媒膜との間
に保護膜を介在させて直接接触させず、光触媒活性によ
りパッキングが劣化するのを防止する。
【0010】請求項2記載のカバー装置は、透光性を有
するとともにパッキング接触部を有するカバー体と;カ
バー体の一面に形成された光触媒膜と;カバー体の他面
にパッキング接触部を覆って形成された遮光性を有する
保護膜と;を具備しているものである。
【0011】カバー体の一面に光触媒膜を形成し、カバ
ー体の他面にパッキング接触部を覆って遮光性を有する
保護膜を形成したため、保護膜でパッキング接触部に向
かう光を遮光して光触媒活性を抑制し、光触媒活性によ
りパッキング接触部に接触されるパッキングが劣化する
のを防止する。
【0012】なお、請求項1および請求項2において、
保護膜としては、無機インク、シリコーン系樹脂を含
み、また、保護膜の形成方法としては、スクリーン印
刷、自動塗布および手塗りを含む。
【0013】請求項3記載のカバー装置は、請求項1ま
たは2記載のカバー装置において、保護膜は無機インク
であり、例えばカバー体を支持する支持体と同色にする
などの着色を任意に行なえ、外観の向上を可能とする。
【0014】請求項4記載のカバー装置は、請求項1な
いし3いずれか一記載のカバー装置において、保護膜は
シリカ(SiO2 )を主成分としているものであり、光
触媒活性からパッキングを確実に保護する。なお、シリ
カ(SiO2 )を主成分とする保護膜は、シリカ(Si
2 )を分散させて構成してもよく、また、アルコキシ
ドなどの有機金属溶液としてコーティングし、乾燥、焼
成してもよい。
【0015】請求項5記載のカバー装置は、透光性を有
するとともにパッキング接触部を有するカバー体と;カ
バー体に形成された光触媒膜と;パッキング接触部にお
いて光触媒膜の活性が無効化された光触媒活性無効化部
と;を具備しているものである。
【0016】カバー体のパッキング接触部において光触
媒膜の活性が無効化された光触媒活性無効化部を形成し
たため、カバー体をパッキングを介して支持する際、パ
ッキングと光触媒活性無効化部とが接触し、光触媒活性
によりパッキングが劣化するのを防止する。なお、光触
媒活性無効化部は、例えば、不純物質やナトリウム(N
a)などのアルカリ成分により光触媒膜が劣化すること
によって形成される。また、光触媒膜の活性の無効化と
は、光触媒活性が有効な場合に比べて、パッキングの劣
化が進行しない程度に光触媒活性が低減された状態、ま
たはパッキングの劣化させるような光触媒活性が無い状
態をいう。
【0017】請求項6記載のカバー装置は、請求項5記
載のカバー装置において、光触媒活性無効化部の表面に
形成された光触媒活性無効化膜を具備しているものであ
り、光触媒活性無効化膜により光触媒膜の活性を無効化
するとともに、パッキングと光触媒活性無効化部との間
に光触媒活性無効化膜が介在して直接接触させず、光触
媒活性からパッキングを確実に保護する。なお、光触媒
活性無効化膜としては、光触媒膜を劣化させる不純物質
やナトリウム(Na)などのアルカリ成分を析出する材
質であり、例えば、アルカリ成分を含むソーダライムガ
ラス、はんだガラス(ほう珪酸ガラス+鉛)および低融
点ガラスなどのガラスフリット、アルコキシドなどの有
機金属溶液から成膜するシリカ、ナトリウム(Na)な
どのアルカリ金属、エポキシ塗料などの有機系塗料を用
いてもよく、また、光触媒活性無効化膜の形成方法とし
ては、自動塗布または手塗りし、乾燥、焼成してもよ
い。
【0018】請求項7記載のカバー装置は、請求項1な
いし6いずれか一記載のカバー装置において、カバー体
を支持する支持体と;カバー体のパッキング接触部と支
持体との間に介在されるパッキングと;を具備している
ものであり、パッキングの劣化を防止し、カバー体と支
持体との密着性を確保する。
【0019】請求項8記載の照明器具は、光源を収納す
る器具本体と;器具本体の外面に臨んで配設される請求
項1ないし7いずれか一記載のカバー装置と;を具備し
ているものであり、パッキングの劣化を防止し、カバー
体と器具本体との密着性を確保する。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明のカバー装置および
照明器具の一実施の形態を図面を参照して説明する。
【0021】図1ないし図3に第1の実施の形態を示
し、図1はカバー装置の断面図、図2はカバー装置を適
用した照明器具の斜視図、図3はカバー装置のカバー体
の底面図である。
【0022】図2において、11は例えばトンネル内に取
り付けられるトンネル用の照明器具の器具本体で、この
器具本体11は、ケース体12および支持体としての蓋体13
を有し、ケース体12の前面に蓋体13が開閉可能かつ液密
に取り付けられている。
【0023】ケース体12は、例えばステンレス製で耐腐
食性を有しており、前面が開口され、背面側には壁面な
どの設置面に対して固定するための固定金具14が取り付
けられている。
【0024】蓋体13は、例えばステンレス製で耐腐食性
を有しており、中央には長方形の開口部15が形成され、
この開口部15の周縁に支持縁部16が形成されている。
【0025】蓋体13の開口部15の周縁の支持縁部16には
耐腐食性を有する例えばシリコンゴムなどのパッキング
17が装着される。図1に示すように、このパッキング17
の外周側には支持縁部16が係合される係合溝18が形成さ
れ、パッキング17の内周側には後述するカバー体20が係
合される係合部19が形成されている。
【0026】蓋体13の開口部15には、パッキング17を介
してカバー体20が液密に閉塞状態に取り付けられてい
る。このカバー体20は、例えばソーダライムガラス製
で、蓋体13の開口部15の形状に対応した長方形板状に形
成されている。
【0027】また、器具本体11内には、ランプソケット
21が配設されているとともに、このランプソケット21に
接続される光源としての例えば片口金形の高圧ナトリウ
ムランプ22が配置されている。この高圧ナトリウムラン
プ22は、放電によって可視光線および少くとも約410
nm以下の紫外線を含む光線を放射する。
【0028】また、器具本体11内には、高圧ナトリウム
ランプ22を始動点灯させる図示しない安定器が収納され
た安定器ボックス23が配設され、高圧ナトリウムランプ
22に対向して高圧ナトリウムランプ22の光を照射開口へ
反射させる反射体24が配設されている。
【0029】また、カバー体20の外面には、シリカ(S
iO2 )を主成分とする図示しない中間層(アンダーコ
ート)上に、光触媒膜31が全面または高圧ナトリウムラ
ンプ22からの光が届く領域に形成されているとともに、
図1および図3に示すように、カバー体20の周縁のパッ
キング17に接触されるパッキング接触部32において光触
媒膜31の表面を覆って保護膜33が形成されている。
【0030】中間層は、シリカ(SiO2 )を主成分と
して約0.5〜2μmの厚さに形成され、カバー体20の
材質である例えばソーダライムガラスから析出される不
純物質やナトリウム(Na)などのアルカリ成分によっ
て光触媒膜31が劣化するのを防止できる。
【0031】光触媒膜31は、例えばチタンアルコキシド
溶液をディップ法などで塗布し、二酸化チタンを主体と
した膜を形成する。二酸化チタンを主体とした膜として
は、結晶型がアナターゼであるチタニア(TiO2 )を
膜厚約0.01〜0.3μmに形成する。
【0032】保護膜33は、例えば無機インクあるいはシ
リコーン系樹脂をスクリーン印刷、あるいは塗布装置に
よる自動塗布、あるいは手作業により手塗りする。
【0033】それら、中間層、光触媒膜31および保護膜
33の形成後、カバー体20のガラス強化のために高温焼成
する。
【0034】そして、器具本体11内の高圧ナトリウムラ
ンプ22を点灯させることにより、高圧ナトリウムランプ
22から可視光線および約410nm以下の紫外線が放射
される。
【0035】この高圧ナトリウムランプ22からの光は、
反射体24で反射されて、あるいは直接的にカバー体20に
達し、カバー体20や光触媒膜31を透過して例えばトンネ
ル内に照射される。
【0036】トンネル内に配置された照明器具は、埃や
自動車の排気ガスなどの影響を受け、カバー体20の外面
に例えば埃、カーボンおよびオイルミストや、また、雰
囲気中のアセトアルデヒト、メチルメルカプタン、硫化
水素あるいはアンモニアなどの物質が付着する。しか
し、カバー体20の外面には光触媒膜31が形成されている
ため、高圧ナトリウムランプ22からの紫外線が光触媒膜
31に照射されると、光触媒膜31の光触媒活性により、光
触媒膜31に付着あるいは接触した物質の酸化、分解が促
進される。
【0037】すなわち、光触媒膜に約410nm以下の
紫外線が照射されると、チタニア結晶は、約3.0eV
のバンドギャップを有するので、このバンドギャップに
よりチタニア微粒子に電子ホールが生じ、この電子ホー
ルの移動により表面に電子移動反応が生じる。この電子
移動反応ではホールがバンドギャップ分のエネルギーに
相当する電子を引き抜く力、すなわち酸化力を持ってい
るため、このホールの酸化力によってチタニア結晶の表
面に付着あるいは接触した物質を変化させる。
【0038】このように、チタニア結晶は紫外線を受け
ると強い酸化力を生じるため、チタニア結晶の表面に付
着した汚れとなる粒子や粉塵の物質、またはアセトアル
デヒト、メチルメルカプタン、硫化水素あるいはアンモ
ニアなどの物質の酸化、分解を促進する。そのため、光
触媒膜31の表面は常にクリーンな状態に保たれ、カバー
体20の光の透過率の低下を抑制できるとともに、カバー
体20の表面を拭くなどの清掃を頻繁に行なわずに済み、
メンテナンスを容易にできる。
【0039】また、カバー体20のパッキング接触部32が
パッキング17に接触しているが、カバー体20のパッキン
グ接触部32において光触媒膜31の表面に保護膜33を形成
しているため、パッキング17と光触媒膜31との間に保護
膜33が介在して直接接触せず、光触媒活性によりパッキ
ング17が劣化するのを防止できる。
【0040】また、保護膜33は光触媒膜31の表面に印刷
や塗布によって形成すればよいので、容易に製造でき
る。
【0041】また、保護膜33に無機インクを用いる場
合、無機インクはSiO2 、PbO、Al2 3 などの
ガラス質を主成分とし、顔料の混入により任意の色に着
色できる。例えば、器具本体11の色と同色にすることが
でき、外観を向上できる。
【0042】また、カバー体20の外面に光触媒膜31を形
成し、カバー体20の内面にパッキング接触部32を覆って
遮光性を有する保護膜33を形成してもよく、この場合、
高圧ナトリウムランプ22からパッキング接触部32に向か
う光を保護膜33で遮光して光触媒活性を抑制し、光触媒
活性によりパッキング接触部32に接触されるパッキング
17が劣化するのを防止できる。
【0043】なお、光触媒膜には、例えば、金属粒子を
担持したタイプ、シリカにチタニアを混入した膜にチタ
ニア微粒子が分散されたタイプも用いることができる。
【0044】金属粒子を担持したタイプは、可視光線の
透過率が減少する問題があるが、高圧ナトリウムランプ
22からの約410nm以下の波長域により、光触媒機能
を起こさせ、光触媒膜に銀(Ag)、白金(Pt)、セ
リウム(Ce)または銅(Cu)を担持させて、この担
持させた金属を帯電させることにより、光触媒機能の効
果を高めるとともに、十分に可視光線を透過させること
ができる。
【0045】このような光触媒膜の形成方法は、カバー
体20上にディップ法などにより二酸化チタンを主成分と
した膜を形成し、その膜上に銀塩(または、白金塩、セ
リウム塩、銅塩)を溶媒に0.5wt%程度加えた溶剤を
フローコートし、20Wの蛍光灯の光を1分程度照射
し、その後、洗浄、乾燥する。
【0046】そして、この金属粒子を担持した光触媒膜
と光触媒膜のみの比較例について可視光線透過率および
光触媒活性を求めた結果、金属粒子を担持した光触媒膜
は可視光線透過率88%、光触媒活性100%、比較例
は可視光線透過率85%、光触媒活性300%となっ
た。
【0047】一方、光触媒膜は一般的に膜厚が厚いほど
分解力が高いが、器具効率を重視すると膜厚を下げざる
を得なく、所望の分解力を得にくい。したがって、所望
の器具効率を上げながら分解力も向上させる必要があ
る。
【0048】器具効率の低下の主要因は膜厚を上げるこ
とによる光干渉により、反射率が高くなり、透過率が低
下するためである。この屈折率差をなくすために、低屈
折率成分を混入することにより、所望の膜厚まで上げる
ことにより、上述の課題を解決することができる。
【0049】シリカにチタニアを混入した膜にチタニア
微粒子が分散されたタイプでは、光触媒膜の屈折率は約
1.8〜1.9程度で、ガラスの屈折率との差が小さい
ので、十分な光触媒効果が得られるほど厚膜にしても、
可視光線を十分に透過することができる。
【0050】チタニアとシリカの混合膜中にチタニア微
粒子が分散することによって、膜の密度が向上し、ガラ
スからのナトリウム(Na)などのアルカリ成分の析出
を阻止するため光触媒機能が低下するのを防止する効果
も期待できる。シリカのみでは、チタニア微粒子を覆っ
てしまうため、チタニアを混入し、結晶性を向上するこ
とにより、チタニア微粒子が覆われてしまうのを防ぐこ
とができる。
【0051】シリカにチタニアを混入した膜にチタニア
微粒子が分散された光触媒膜を形成するには、2つの方
法がある。
【0052】第1の方法では、チタンアルコキシド溶液
とシリカアルコキシド溶液を1:1で混合し、さらにチ
タニア微粒子を含む酸性水溶液を約1〜20 vol%程度
混合した溶剤を用いる(光触媒層は、数nmのチタニア
微粒子が約10〜30wt%含まれる)。この溶剤をカバ
ー体20上にディップ法により形成して約700℃で焼成
する。
【0053】第2の方法では、スズとチタニア用のアル
コキシドにチタニア粉末分散液を混合した溶剤を用い、
この溶剤をカバー体20上にディップ法により形成して約
700℃で焼成する。
【0054】そして、赤インクを光触媒膜上に塗布し、
照明器具の光源を点灯させた状態で光触媒活性を評価し
た結果、チタニアのみからなる場合と比較して、約8倍
の器具効率を得られることがわかった。
【0055】次に、図4に第2の実施の形態を示し、図
4は照明器具の側面図である。
【0056】この実施の形態の照明器具は、例えば高速
道路や一般道路に沿って配設される道路用で、ポールな
どの先端に取り付けられる。
【0057】器具本体11は、ケース体12および支持体と
しての蓋体13を有し、ケース体12の下面に蓋体13が開閉
可能かつ液密に取り付けられている。蓋体13には開口部
15が形成され、この開口部15に図示しないパッキングを
介してカバー体(グローブ)20が液密に閉塞状態に取り
付けられている。器具本体11内には、少くとも約410
nm以下の紫外線を含む光を放射する高圧水銀ランプな
どの光源が収納されている。
【0058】カバー体20は、第1の実施の形態と同様
に、ソーダライムガラス製で、外面に光触媒膜31が形成
されているとともに、パッキングが接触するパッキング
接触部の表面部分に保護膜が形成されている。
【0059】器具本体11の下部にはカバー体20の表面に
散水を行なう散水装置41が装着されている。また、器具
本体11の雰囲気の湿度を検知する図示しない湿度センサ
を有している。
【0060】そして、湿度が所定値、例えば湿度50%
以下になった場合、一定の時間毎に散水装置41によって
カバー体20の表面に一定量の散水を行ない、光触媒膜31
の活性度を常に良好な状態に維持する。
【0061】これは、光触媒膜31は、周囲環境に露出さ
れた状態で用いられており、雰囲気湿度が低い場合には
光触媒活性の効果が減少する場合があり、周囲の湿度が
約20%あればその光触媒機能に影響はないとされてい
るが、実験では、湿度50%〜60%に達するまではそ
の光触媒効果が上昇することがわかった。
【0062】したがって、散水装置41によってカバー体
20の光触媒膜31に水分を与えることにより、光触媒活性
を向上できる。しかも、光触媒膜31の表面に堆積した汚
れを洗い流す効果もある。
【0063】なお、散水は、湿度に関係なく、所定時間
毎に行ってもよい。散水装置41は、器具本体11に一体的
に設けても、器具本体11とは別体に設けてもよい。
【0064】また、器具本体11に光触媒膜を形成しても
よい。光触媒膜は、ステンレスなどの金属や樹脂などで
形成された器具本体の塗装面上に、または塗装材料に光
触媒活性を有するチタニアなどの微粒子を混入して塗装
することで形成可能である。また、器具本体11にも光触
媒膜を形成している場合には、器具本体11にも散水する
ようにしてもよい。
【0065】次に、図5に第3の実施の形態を示し、図
5はカバー装置の断面図である。
【0066】なお、照明器具などの構成は、第1の実施
の形態と同様であり、同一構造については同一符号を用
いてその説明を省略する。
【0067】カバー体20の外面に、パッキング接触部32
を除いてシリカ(SiO2 )を主成分とする中間層(ア
ンダーコート)51が形成され、この中間層51上にパッキ
ング接触部32を含めて光触媒膜31が形成される。
【0068】そして、パッキング接触部32以外の中間層
51が形成された部分においては、中間層51により、カバ
ー体20の材質である例えばソーダライムガラスから析出
される不純物質やナトリウム(Na)などのアルカリ成
分によって光触媒膜31が劣化するのを防止できる。
【0069】また、中間層51が形成されないパッキング
接触部32においては、カバー体20に光触媒膜31が直接形
成され、カバー体20の材質である例えばソーダライムガ
ラスから析出される不純物質やナトリウム(Na)など
のアルカリ成分によって光触媒膜31が劣化する。すなわ
ち、パッキング接触部32においては、光触媒膜31の活性
が無効化された光触媒活性無効化部52が形成される。な
お、カバー体20からの不純物質やナトリウム(Na)な
どのアルカリ成分の析出は、カバー体20のガラス強化の
ための高温焼成時に特に析出される。また、光触媒膜31
の活性の無効化とは、光触媒活性が有効な場合に比べ
て、パッキング17の劣化を防止できる程度に光触媒活性
が低減された状態、またはパッキング17の劣化を阻止で
きる光触媒活性が無い状態をいう。
【0070】したがって、カバー体20のパッキング接触
部32にパッキング17が接触するが、カバー体20のパッキ
ング接触部32において光触媒膜の活性が無効化された光
触媒活性無効化部52が形成されていて、パッキング17と
光触媒活性無効化部52とが接触するので、光触媒活性に
よりパッキング17が劣化するのを防止できる。
【0071】また、カバー体20のパッキング接触部32の
表面に、光触媒膜31を劣化させる不純物質やナトリウム
(Na)などのアルカリ成分を析出する材質にて構成さ
れる図示しない光触媒活性無効化膜(オーバーコート)
を形成することにより、光触媒活性無効化部52を形成す
るようにしてもよい。光触媒活性無効化膜の形成(塗
布)は、カバー体20のガラス強化のための高温焼成前に
行ない、そのカバー体20のガラス強化のための高温焼成
時に不純物質やナトリウム(Na)などのアルカリ成分
が析出されるようにする。
【0072】この光触媒活性無効化膜により、光触媒膜
31の活性を無効化できるとともに、パッキング17と光触
媒活性無効化部52との間に光触媒活性無効化膜が介在さ
れて直接接触せず、光触媒活性からパッキング17を確実
に保護できる。
【0073】光触媒活性無効化膜としては、例えば、ア
ルカリ成分を含むソーダライムガラス、はんだガラス
(ほう珪酸ガラス+鉛)および低融点ガラスなどのガラ
スフリット、アルコキシドなどの有機金属溶液から成膜
するシリカにナトリウム(Na)などのアルカリ金属が
含有されたもの、エポキシ塗料などの有機系塗料などの
材質が用いられ、また、自動塗布または手塗りし、乾
燥、焼成するなどの方法で形成される。
【0074】
【発明の効果】請求項1記載のカバー装置によれば、カ
バー体のパッキング接触部において光触媒膜の表面に保
護膜を形成したため、カバー体をパッキングを介して支
持する際、パッキングと光触媒膜との間に保護膜が介在
されて直接接触せず、光触媒活性によりパッキングが劣
化するのを防止でき、製造も容易にできる。
【0075】請求項2記載のカバー装置によれば、カバ
ー体の一面に光触媒膜を形成し、カバー体の他面にパッ
キング接触部を覆って遮光性を有する保護膜を形成した
ため、保護膜でパッキング接触部に向かう光を遮光して
光触媒活性を抑制し、光触媒活性によりパッキング接触
部に接触されるパッキングが劣化するのを防止でき、製
造も容易にできる。
【0076】請求項3記載のカバー装置によれば、請求
項1または2記載のカバー装置の効果に加えて、保護膜
は無機インクであるため、例えばカバー体を支持する支
持体と同色にするなどの着色を任意に行なえ、外観を向
上できる。
【0077】請求項4記載のカバー装置によれば、請求
項1ないし3いずれか一記載のカバー装置の効果に加え
て、保護膜はシリカ(SiO2 )を主成分としているた
め、光触媒活性からパッキングを確実に保護できる。
【0078】請求項5記載のカバー装置によれば、カバ
ー体のパッキング接触部において光触媒膜の活性が無効
化された光触媒活性無効化部を形成したため、カバー体
をパッキングを介して支持する際、パッキングと光触媒
活性無効化部とが接触するので、光触媒活性によりパッ
キングが劣化するのを防止でき、製造も容易にできる。
【0079】請求項6記載のカバー装置によれば、請求
項5記載のカバー装置の効果に加えて、光触媒活性無効
化部の表面に光触媒活性無効化膜を形成したため、光触
媒活性無効化膜により光触媒膜の活性を無効化できると
ともに、パッキングと光触媒活性無効化部との間に光触
媒活性無効化膜が介在されて直接接触せず、光触媒活性
からパッキングを確実に保護できる。
【0080】請求項7記載のカバー装置によれば、請求
項1ないし6いずれか一記載のカバー装置の効果に加え
て、カバー体のパッキング接触部と支持体との間に介在
されるパッキングの劣化を防止でき、カバー体と支持体
との密着性を確保できる。
【0081】請求項8記載の照明器具によれば、請求項
1ないし7いずれか一記載のカバー装置を用いるため、
パッキングの劣化を防止でき、カバー体と器具本体との
密着性を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示すカバー装置の
断面図である。
【図2】同上カバー装置を適用した照明器具の斜視図で
ある。
【図3】同上カバー装置のカバー体の底面図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態を示す照明器具の側
面図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態を示すカバー装置の
断面図である。
【符号の説明】
11 器具本体 13 支持体としての蓋体 17 パッキング 20 カバー体 31 光触媒膜 32 パッキング接触部 33 保護膜 52 光触媒活性無効化部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 斉藤 明子 東京都品川区東品川四丁目3番1号 東芝 ライテック株式会社内 (72)発明者 小島 浩之 東京都品川区東品川四丁目3番1号 東芝 ライテック株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透光性を有するとともにパッキング接触
    部を有するカバー体と;カバー体に形成された光触媒膜
    と;パッキング接触部において光触媒膜の表面に形成さ
    れた保護膜と;を具備していることを特徴とするカバー
    装置。
  2. 【請求項2】 透光性を有するとともにパッキング接触
    部を有するカバー体と;カバー体の一面に形成された光
    触媒膜と;カバー体の他面にパッキング接触部を覆って
    形成された遮光性を有する保護膜と;を具備しているこ
    とを特徴とするカバー装置。
  3. 【請求項3】 保護膜は無機インクであることを特徴と
    する請求項1または2記載のカバー装置。
  4. 【請求項4】 保護膜はシリカ(SiO2 )を主成分と
    していることを特徴とする請求項1ないし3いずれか一
    記載のカバー装置。
  5. 【請求項5】 透光性を有するとともにパッキング接触
    部を有するカバー体と;カバー体に形成された光触媒膜
    と;パッキング接触部において光触媒膜の活性が無効化
    された光触媒活性無効化部と;を具備していることを特
    徴とするカバー装置。
  6. 【請求項6】 光触媒活性無効化部の表面に形成された
    光触媒活性無効化膜を具備していることを特徴とする請
    求項5記載のカバー装置。
  7. 【請求項7】 カバー体を支持する支持体と;カバー体
    のパッキング接触部と支持体との間に介在されるパッキ
    ングと;を具備していることを特徴とする請求項1ない
    し6いずれか一記載のカバー装置。
  8. 【請求項8】 光源を収納する器具本体と;器具本体の
    外面に臨んで配設される請求項1ないし7いずれか一記
    載のカバー装置と;を具備していることを特徴とする照
    明器具。
JP9138887A 1997-02-28 1997-05-28 カバー装置および照明器具 Pending JPH10302518A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9138887A JPH10302518A (ja) 1997-02-28 1997-05-28 カバー装置および照明器具

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4655697 1997-02-28
JP9-46556 1997-02-28
JP9138887A JPH10302518A (ja) 1997-02-28 1997-05-28 カバー装置および照明器具

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10302518A true JPH10302518A (ja) 1998-11-13

Family

ID=26386649

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9138887A Pending JPH10302518A (ja) 1997-02-28 1997-05-28 カバー装置および照明器具

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10302518A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008076262A (ja) * 2006-09-22 2008-04-03 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 大気浄化用光触媒材料の自動性能評価装置
JP2008270156A (ja) * 2007-03-23 2008-11-06 Toshiba Lighting & Technology Corp 照明器具

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008076262A (ja) * 2006-09-22 2008-04-03 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 大気浄化用光触媒材料の自動性能評価装置
JP2008270156A (ja) * 2007-03-23 2008-11-06 Toshiba Lighting & Technology Corp 照明器具

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3277983B2 (ja) 屋外表示板、及びその清浄化方法
US6090489A (en) Method for photocatalytically hydrophilifying surface and composite material with photocatalytically hydrophilifiable surface
JPH1050111A (ja) 防汚性トンネル用照明装置
CA2241059C (en) Photocatalyst process for making surface hydrophillic
JPH10302518A (ja) カバー装置および照明器具
JP3073691B2 (ja) 道路またはトンネル用照明器具
JP4076651B2 (ja) 防汚型信号機
JPH11188268A (ja) 光触媒体、ランプおよび照明器具
JP3024748B2 (ja) 親水性部材
JP3332064B2 (ja) 光源および照明器具
JP2000167409A (ja) 光触媒装置および照明器具
JP4232217B2 (ja) 光触媒膜付照明器具及びランプ
JPH11188089A (ja) 光触媒体および照明器具
JPH1067543A (ja) 光触媒性親水性部材
JP2000189803A (ja) 光触媒構造体および照明装置
JP2000167409A5 (ja)
JPH08127741A (ja) 紫外線吸収膜形成用塗布液および紫外線吸収膜の形成方法
JPH10199311A (ja) トンネル用照明装置
JPH0973879A (ja) 照明灯
JP2000222918A (ja) 照明器具
JPH10269814A (ja) 照明器具
JP2000005607A (ja) 光触媒体および照明装置
JPH10228808A (ja) 前照灯カバ−
JP2001014913A (ja) 照明器具
JPH10212139A (ja) 建築用窓ガラス