JPH10300019A - 流動層熱分解炉及び被燃焼物処理装置 - Google Patents

流動層熱分解炉及び被燃焼物処理装置

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JPH10300019A
JPH10300019A JP9104998A JP10499897A JPH10300019A JP H10300019 A JPH10300019 A JP H10300019A JP 9104998 A JP9104998 A JP 9104998A JP 10499897 A JP10499897 A JP 10499897A JP H10300019 A JPH10300019 A JP H10300019A
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Japan
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fluidized bed
furnace
heat transfer
fluidized
gas
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Application number
JP9104998A
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English (en)
Inventor
Tadayuki Minoura
忠行 箕浦
Itaru Yaso
格 八十
Hiroaki Kawabata
博昭 河端
Hiroyuki Hosoda
博之 細田
Mamoru Suyari
護 須鎗
Tadashi Ito
正 伊藤
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Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
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Publication date
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  • Incineration Of Waste (AREA)
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  • Gasification And Melting Of Waste (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 空気比を低下させることなく流動層温度を所
定の温度に維持することのできる流動層熱分解炉及び被
燃焼物処理装置を提供する。 【解決手段】 底部にガス分散板112 を備えた炉内に流
動媒体を充填し、ガス分散板112 下方からガスを送り込
んで流動媒体を流動化させ、流動化された状態の流動層
に被燃焼物を供給し、熱分解ガス化する単塔式の流動層
熱分解炉において、炉を貫通する入口管116a,117a 及び
出口管116b,117b と、これらの管に接続されるとともに
U字形に曲げられた伝熱管116c,117c とから構成される
伝熱体を設け、流動層FD中に冷却用流体を循環させる
ことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、被燃焼物として
の産業廃棄物、都市ごみ、石炭などを熱分解する流動層
熱分解炉、及びその熱分解によって生成される可燃性ガ
ス等を利用して焼却残渣を溶融する被燃焼物処理装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、都市ごみの処理量は増加の一途を
たどり、これに反して埋立処分する用地の確保は年々困
難になっている。また、埋立処理では地下水が汚染され
ることになり、環境汚染を防止する法規制が強化されつ
つある状況の下、例えば廃棄物の溶融による減容化、固
定化の検討が進められている。また、リサイクル法にみ
られるように、有効な資源回収、未利用エネルギーの回
収、処理物の資源化等も進められ、廃棄物有効利用への
取組みが強化されつつある。さらに、有害物質の安定処
理についてはダイオキシン等の微量汚染物質の抑制な
ど、廃棄物処理に要求される課題は多い。
【0003】このような状況の下、都市ごみの資源化を
実現する方法として、廃棄物を流動層に導入して熱分解
ガス化し、その熱分解ガスの燃焼熱を利用することによ
り外部エネルギーを使用することなく焼却残渣を溶融す
るプロセスが注目されている。
【0004】なお、ここでいう熱分解とは、廃棄物を無
酸素または低濃度酸素雰囲気下で高温に加熱する操作で
あり、スラッジ等を750〜1000℃にて燃焼させる
いわゆる流動層焼却炉における発熱反応とは異なり、加
熱温度の上限をほぼ650℃に制限して熱分解反応を行
うものである。
【0005】一般に有機物からなる廃棄物を熱分解する
と、水素,一酸化炭素,炭化水素等を成分とする可燃ガ
ス、炭素からなるチャー及び灰分が生成される。このよ
うに熱分解を行う利点としては、( イ) 貯蔵及び輸送可
能な燃料が回収できる、( ロ) 反応が比較的遅いため、
ごみの発熱量等の変動を吸収できる、( ハ) 比較的低温
であるためにNOxの発生量が少ない、( ニ) 生成ガス
量が焼却排ガス量に比べて著しく少ないためガス処理装
置が小型でよい、( ホ) 低温熱分解により有価金属を溶
融させずに回収することができる、( ヘ) 熱分解炉での
乾留または部分燃焼により、熱分解炉での廃棄物の投入
負荷を高めることができる、等が挙げられる。
【0006】また、上記熱分解に溶融プロセスを組み合
わせた場合には、次のような利点が得られる。すなわ
ち、( ト) 廃棄物の持つエネルギーを利用して灰を溶融
させることができる、( チ) 溶融炉に導入する燃焼空気
が低空気比で足りるため装置をコンパクト化できる、(
リ) 溶融炉での高温燃焼によってダイオキシン等の微量
有害物質の発生量を低減できる、等である。
【0007】熱分解に流動層を用いる流動層熱分解−溶
融プロセスにおいて、廃棄物は流動層熱分解炉の流動層
上に投入され、砂等の流動媒体とともに流動層内を循環
する過程でガス化される。このとき、生成されるガスが
多量の可燃分を含むよう、その熱分解炉に供給される空
気量は理論空気量の30〜40%以下とされ、且つ流動
層温度は450〜650℃とされている。すなわち、流
動層温度は、良好な熱分解を得るのに必要な下限温度以
上であって、且つ有価金属としてのアルミニウムが溶
融、酸化されずに回収できる上限温度以下の範囲に設定
される。
【0008】そして熱分解炉で発生した可燃ガス、チャ
ー、灰分は、引き続いて後段の溶融燃焼炉に導入され、
空気比1.3程度の低空気比で高温燃焼され、それによ
り灰分が溶融されるようになっている。すなわち、流動
層熱分解炉と溶融燃焼炉とを組み合わせることにより、
外部エネルギーを用いないで廃棄物を処理する方法が実
現されるのである。なお、この溶融燃焼炉から送出され
る排ガスは、排熱ボイラ、空気予熱器によって熱回収さ
れた後、排ガス処理装置を経て大気に放出されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記した流動層熱分解
−溶融プロセスでは、発熱量の高い廃棄物が流動層熱分
解炉の流動層中に投入されるため、空気を導入して熱分
解ガス化するにあたり流動層温度を650℃以下に保つ
ためには、空気比を低い値に維持しなければならない。
そこで、空気比を低い値に保つには、通常、空塔速度を
最小流動化速度以上に維持した状態で廃棄物の投入負荷
を大きくする方法が考えられる。しかしながら投入負荷
を大きくすれば、流動層において流動不良が発生するこ
とになり、場合によっては運転不可能な状態に陥る恐れ
がある。
【0010】この発明は、このような従来の流動層熱分
解−溶融プロセスにおける課題を解決するためになされ
たものであり、空気比を低下させることなく流動層温度
を所定の温度に維持することのできる流動層熱分解炉及
び被燃焼物処理装置を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明の流動層熱分解
炉は、底部にガス分散板を備えた炉内に流動媒体を充填
し、ガス分散板下方からガスを送り込んで流動媒体を流
動化させ、流動化された状態の流動層に被燃焼物を供給
し、熱分解ガス化する単塔式の流動層熱分解炉におい
て、流動層内の温度上昇を抑制する流動層温度抑制手段
を備えてなることを要旨とする。
【0012】上記流動層温度抑制手段の第一の形態は、
流動層中に冷却用流体を循環させる第一の伝熱体から構
成することができる。第一の伝熱体の具体例としては、
炉を貫通する入口管及び出口管と、これらの管に接続さ
れるとともにU字形に曲げられた伝熱管が示される。ま
た、第一の形態においては、伝熱管近傍の流動化ガス投
入量を調節して伝熱管表面の熱伝達率の大きさを変える
ことができる。
【0013】上記流動層温度抑制手段の第二の形態は、
冷却用流体を循環させる第二の伝熱体を、炉壁から吸熱
できる状態で配設することもできる。その第二の伝熱体
の具体例としては、流動層部炉壁に付設或いは炉壁に埋
設された伝熱管が示される。なお、この発明の流動層熱
分解炉においては、冷却用流体の流量を調整するための
調節手段を備えることが好ましい。
【0014】また、この発明の被燃焼物処理装置は、上
記第一または第二の形態の流動層熱分解炉と、その熱分
解炉から送出される熱分解ガスの供給を受けて焼却残渣
を燃焼する燃焼炉とを備えてなることを要旨とする。
【0015】この発明の流動層熱分解炉に従えば、流動
層が温度上昇した際に、流動層中に第一の伝熱体を介し
て冷却用流体を循環させることにより、または、第二の
伝熱体を介して炉壁に冷却用流体を循環させることによ
り、流動層温度を抑制することができる。
【0016】この発明の被燃焼物処理装置に従えば、流
動層温度を所定の値に制御することができるため、流動
層熱分解炉にて発生する熱分解ガスの組成が安定し、熱
分解炉の後段に設けられる燃焼炉内での燃焼が安定す
る。
【0017】
【発明の実施の形態】図1はこの発明の流動層熱分解炉
及び被燃焼物処理装置が適用される廃棄物処理設備の全
体構成を示したものである。同図に示す廃棄物処理設備
は、その上流側から順に給塵機10、流動層熱分解炉1
1、燃焼炉としての溶融炉12、熱交換器13、排熱ボ
イラ14、ガス冷却室15、バグフィルタ16、排気フ
ァン(誘引送風機)17を備えており、上記給塵機10
のホッパーに対しては、ごみピット7からごみクレーン
8によってすくい揚げられた廃棄物が投入されるように
なっている。なお、ごみクレーン8はクレーン操作室9
のオペレータによって操作される。
【0018】また、流動層熱分解炉11の下部にはスク
リューフィーダ18aを内蔵した不燃物排出装置18が
備えられ、この不燃物排出装置18に付設されている図
示しない分別装置及び磁選装置によって選別された不純
物,非鉄金属,鉄分は、それぞれリサイクル使用され、
また、砂は流動層熱分解炉11の流動層に帰還される。
【0019】溶融炉12の下部にはコンベア19aを内
蔵したスラグ排出装置19が備えられ、このスラグ排出
装置19の下方には、バケットコンベア20aを内蔵し
溶融スラグを回収するためのスラグ水砕槽20が備えら
れている。このスラグ水砕槽20から得られた溶融スラ
グもまたリサイクル使用される。
【0020】上記排熱ボイラ14及びガス冷却室15の
底部から回収される溶融飛灰は、例えば金属イオンを分
離し得る化学装置からなる溶融飛灰重金属回収装置25
に与えられ、回収されたCu,Pb,Zn等の重金属
は、鉱山会社へ送られて金属インゴットに成形された
後、リサイクル使用される。また、その溶融飛灰重金属
回収装置25によって分離された排水は排水処理設備2
6、さらに塩回収設備27を経てリサイクル使用され
る。
【0021】また、バグフィルタ16の排気中に含まれ
るダイオキシン等の有害成分は、排気ファン17によっ
てヒータ21に送られ、反応条件を満足すように加熱さ
れた後、触媒反応塔22に供給され、有害成分が除去さ
れた後、煙突23から大気中に放出される。また、バグ
フィルタ16から送り出される排ガスは、分岐されて循
環ファン24に与えられ、この循環ファン24から送り
出される排ガスは、流動層熱分解炉11の流動化ガス吹
込口11aに帰還される。また、熱交換器13から送り
出される排ガスも同様に流動化ガス吹込口11aに帰還
される。
【0022】なお、排熱ボイラ14にて回収された熱は
発電に利用され、自家消費または売電される。また、符
号28はごみピットからの吸気を排ガス系に導入するた
めのファンである。
【0023】次に廃棄物処理設備の主要部の構成につい
て詳しく説明する。図2は本発明に係る流動層熱分解炉
の第一の実施形態を示したものである。同図において、
流動層熱分解炉11は、その底部に多数のガス噴射孔1
11を有する分散板112が設けられ、その下方に風箱
113を備えている。この風箱113内には流動化ガス
吹込口11aから流動化ガスが導入される。従って、こ
の風箱113から分散板112のガス噴射孔111を通
して上向きに流動化ガスが噴射されると、分散板112
上に充填された砂粒子Sが流動化し、流動化された砂粒
子層すなわち流動層FDが形成されるようになってい
る。流動層熱分解炉11内における流動層FDの上方に
は廃棄物投入口114および始動用のメインバーナ11
5が設けられ、さらにこの流動層FDの上方にはフリー
ボード部11bが形成されている。
【0024】流動層熱分解炉11における流動層には冷
却用流体を循環させるための第一の伝熱体としての水管
116及び117が対向して配置されている。水管11
6は流動層部分の炉壁下寄りを貫通する入口管116a
及び炉壁上寄りを貫通する出口管116bと、これら入
口管116aと出口管116bとに接続されるとともに
U字状に曲げられた伝熱管116cとから構成され、水
管116には冷却用流体としての水が導入されるように
なっている。
【0025】このように、流動層FDから吸熱を行う構
成では、図3に示すように、流動層熱分解炉から発生す
る熱分解ガスの単位体積当たりの発熱量が、流動化ガス
中の酸素濃度を下げる従来の方法に比べて高くなる。こ
のことは流動層熱分解炉の後段に接続される溶融炉12
の燃焼効率が向上することになり、廃棄物処理設備の運
転上極めて有利となる。
【0026】なお、発熱量の高い廃棄物が投入される
と、図4に示される流動層温度と流動化ガスにおける空
気比との関係に基づいて、空気比を低下させなければな
らない。しかしながら、流動層に対して吸熱を行えば、
空気比を低下させることなく砂層温度を650℃にする
ことが可能となる。また、流動層温度を安定化すれば、
熱分解ガス組成と流動層温度には図5に示す関係がある
ため、排ガス組成が安定しそのため溶融炉12内の燃焼
が安定する。
【0027】なお、図5は、熱分解炉11の取出口11
gから取り出される熱分解ガスの組成と流動層温度との
関係を示したものであって、グラフg1 は熱分解ガス中
のCO2 濃度を示し、流動層温度が560℃から670
℃まで上昇するにつれてCO 2 濃度は徐々に減少する。
グラフg2 はH2 濃度を示し、流動層温度が570℃か
ら670℃に上昇するにつれて徐々に増大する。グラフ
3 はCO濃度を示し、流動層温度が560℃から67
0℃に上昇するにつれて僅かに上昇する。グラフG4
CH4 濃度を示し、流動層温度が570℃から670℃
に上昇する範囲においてほぼ一定となる。グラフg5
24 濃度を示し、流動層温度が570℃から670
℃に上昇するにつれて僅かに上昇する。グラフG6 はC
26 濃度を示し、流動層温度が570℃から670℃
に上昇する範囲においては殆ど発生しない。すなわち、
流動層温度が決まると熱分解ガスの組成がほぼ決まるこ
とになり、その結果、溶融炉12での燃焼を安定して行
なわせることができるようになる。換言すれば、燃焼状
態が安定しなければ溶融炉12の炉圧も変動し、不完全
燃焼の原因にもなるのである。
【0028】従って、流動層温度が上昇した際に、吸熱
を行うことにより流動層温度を所定の値に維持すれば、
熱分解ガスの組成が安定し、その熱分解ガスをさらに燃
焼させる溶融炉12の運転が安定することになる。
【0029】図2に戻り、引き続き構成を説明すれば、
分散板112の中心を貫通して不燃物抜出通路118が
垂直に設けられており、その下端部に不燃物排出装置1
8が配置されている。この不燃物排出装置18には、ス
クリューコンベア18a及び振動ふるい装置18bが備
えられており、そのスクリューコンベア18aによって
搬送される砂粒子Sの中から不燃物を分離するようにな
っている。この不燃物排出装置18により不燃物が除去
された砂粒子Sは、図示しないコンベアによって上記流
動層FDに戻される。
【0030】また、上記溶融炉12は、供給される燃焼
空気および助燃燃料を利用し、上記流動層熱分解炉11
から送出される熱分解ガスをさらに燃焼させるととも
に、この燃焼により発生する熱を利用してガス中の灰分
を溶融させ、スラグとして排出するようにしている。溶
融炉12の炉内壁は耐火材で構成されており、炉内にお
いて上から順に燃焼室12a、スラグ分離部12bが形
成され、このスラグ分離部12bの下部にスラグ排出口
12cと排ガス排出口12dがそれぞれ設けられてい
る。上記燃焼室12aの上部には、流動層熱分解炉11
の取出口11gから導かれた配管12eが接続されてお
り、その配管12eの下側に複数の二次空気噴射ノズル
12fが備えられている。これらの二次空気噴射ノズル
12fは溶融炉12に対し、円形断面からなる炉壁の接
線方向に近い方向から二次空気を噴射することにより、
燃焼室12a内に旋回流を形成することができるように
なっている。なお、配管12eの上側には始動用バーナ
12gが備えられ、また、炉頂部分には加熱用バーナ1
2hが備えられている。
【0031】上記熱交換器13は、上記溶融炉12から
送出される高温燃焼ガスの保有する熱を利用して流動層
熱分解炉11に供給する流動化ガスを加熱するために設
けられている。
【0032】上記ボイラー14は、その熱交換器13か
ら与えられる排ガスの熱を利用して水を蒸発させるため
のものであり、このボイラー14で発生した水蒸気が有
するエネルギーは、発電機29によって電気エネルギー
に変換され、余剰電力や設備所要電力として回収され
る。
【0033】また、図6は、上記水管116,117に
対して水を循環させ流動層FDから吸熱を行うための具
体例を示したものである。同図において、入口管117
aにはポンプP及び電磁弁Vを介して給水が行われ、出
口管117bから送出される加熱水は熱交換部Tを介し
気液分離された後、図示しない給水タンクに戻されるよ
うになっている。水管117の上方には流動層FD温度
を検出するための熱電対119が配置されており、この
熱電対119によって発生した電圧はコントローラCR
に与えられる。コントローラCRは、上記電圧が増加し
た場合に電磁弁Vの開度を大きくし、電圧が低下した場
合に開度を小さくするように電磁弁Vを制御する。従っ
て、流動層FD温度が上昇すると水管117内を循環す
る水の流量が増加され、流動層FDの温度上昇が上限温
度650℃以下に抑制される。一方、抑制によって流動
層FD温度が低下してくると流量が絞られ、下限温度4
50℃を下回らないように制御される。なお、入口管1
16aは入口管117aと、出口管116bは出口管1
17bと、それぞれ連通している。
【0034】上述した流動層FD内に配置された水管1
16,117は、流動層温度抑制手段とみなすことがで
き、コントローラCRを介して流量を制御する構成は、
調節手段とみなすことができる。
【0035】以下に、熱回収による流動層温度の制御例
を示す。 運転条件 処理量:150t/d ごみ発熱量(低位発熱量):3400kcal/kg 空気比:0.37 流動層内ごみ発熱量:7630kW 回収熱量:1720kW 流動層温度:825℃→600℃
【0036】上記運転条件において流動層から熱回収し
なければ、流動層温度は825℃となるが、水管内に水
を循環させて1720kWの熱回収を行うことにより流動
層温度を600℃に制御することが可能となった。
【0037】次に上記構成を有する廃棄物処理設備の処
理動作について説明する。まず、熱分解炉11におい
て、流動化ガス吹込口11aから流動化ガスが風箱11
3内に供給され、この風箱113から分散板112のガ
ス噴射口111を通して上向きに流動化ガスが噴射され
ると、分散板112の上方に充填されている砂粒子Sが
激しく吹き上げられ流動層が形成される。そして廃棄物
投入口114から投入された都市ごみなどの廃棄物(被
処理物)は、まず流動層FD上に落下し、流動する砂粒
子中に巻き込まれ一次燃焼によって熱分解が行なわれ
る。
【0038】この状態で流動層熱分解炉11に導入され
る空気量を理論空気量の30〜40%以下とし、流動層
FDの温度を450〜650℃に設定することにより、
生成される熱分解ガスが多量の可燃分を含むようにす
る。この流動層熱分解炉11に投入される廃棄物の発熱
量が高く、流動層FD温度が上昇すると、コントローラ
CRは電磁弁Vの開度を大きくし、水管116,117
を流れる水の流量を増加させ、流動層FDに対して吸熱
を行う。吸熱によって流動層FD温度が抑制されると、
コントローラCRは電磁弁Vの開度を小さくし、水管1
16,117内の水を低速にて循環させる。
【0039】このように流動層FD温度が制御されるこ
とにより、熱分解によって発生した熱分解ガスは、組成
が安定した状態で流動層FDから上昇しフリーボード部
11b上端の取出口11gから送出される。送出された
熱分解ガスは、次いで溶融炉12に送られてさらに燃焼
され、熱分解ガス中の灰分が溶融され、スラグとしてス
ラグ排出口12cから排出され、スラグ排出装置20に
送られる。また、燃焼後の高温ガスは耐熱配管12iを
通して熱交換器13の高温ガス入口に導入される。
【0040】一方、熱分解炉11において流動層FDを
構成する砂粒子Sの一部は、これに混入される不燃物と
ともに不燃物抜出通路118に案内され、不燃物排出装
置18へ送られる。この不燃物排出装置18では、混合
物が篩いに掛けられ、粗い不燃物と細かい砂粒子Sとに
分離される。この粗い不燃物中には未溶融のアルミニウ
ムや鉄などの有価金属が含まれており、これらの有価金
属はリサイクル用資源として抽出される。
【0041】このようにして不燃物が除去された砂粒子
Sは、熱分解炉11の流動層FDに戻される。一方、熱
交換器13によって冷却されたガスは、低温側ガス出口
から送出され、ボイラ14およびバグフィルタ16等を
介して煙突23から廃棄物処理設備外へ放出される。す
なわち、溶融炉12から送出される排出ガスの温度を十
分低下させた後、ボイラー14およびバグフィルタ16
を通すことにより、ボイラー14およびバグフィルタ1
6が熱的損傷を受けるのを回避することができる。
【0042】また、図7は本発明に係る流動層熱分解炉
の第二の実施形態を示したものである。なお、以下の図
面において、図2と同じ構成要素については同一符号を
付してその説明を省略する。
【0043】同図に示す構成では、流動層部分の炉壁に
沿って伝熱管としての水管40,41が埋設されてお
り、その水管に水を供給することにより炉壁を冷却し、
流動層FDの温度上昇を抑制するようになっている。な
お、この場合、上記第一の実施形態で示したような流動
層中に直接、水管を配置した構成に比べると冷却効率が
低いため、炉壁周囲に等間隔で水管を配列することが好
ましい。また、水管40,40は炉の外壁面に付設する
こともできる。
【0044】図8は本発明に係る流動層熱分解炉の第三
の実施形態を示したものであり、水管116,117に
よる冷却効果をさらに高めるためのものである。同図に
示す構成では、風箱が外周側風箱(第1風箱と呼ぶ)5
0と内周側風箱(第2風箱と呼ぶ)51とに分割されて
おり、流動化空気は第1風箱50と第二風箱51に対し
て独立して導入されるようになっている。また、第1風
箱は水管116,117の下方に位置しているため、第
1風箱50に導入する空気量を高めれば、水管116,
117周辺の砂粒子の流動状態を活発にすることができ
る。それにより、砂粒子と水管116,117との熱伝
達率が高くなり伝熱効果が高められる。上記分割された
風箱50,51は、流動媒体と伝熱管との間の熱伝達率
を変化させる手段とみなすことができる。
【0045】図9は本発明に係る流動層熱分解炉の第四
の実施形態を示したものであり、同図(a)は平面図、
同図(b)は正面断面図を示している。同図に示す構成
では、箱状燃焼室120底部の中央に、燃焼に供せされ
る流動化ガスを導入するための主燃焼部用風箱121が
凸条に備えられ、主燃焼部用風箱121の両側には流動
媒体と伝熱管122との接触を高めるために流動化ガス
を導入する熱回収部用風箱123が平行して配置されて
いる。これらの各風箱121,123には、流量が制御
された流動化ガスが送り込まれるようになっている。
【0046】また、上記熱回収部用風箱123の分散板
123aにおいてその内側には、燃焼用空気を導入する
ための複数の散気管124が炉壁と平行に配列されてお
り、散気管124の他方端は、所定長さ立ち上げられた
後に燃焼室120の内壁に向けて屈曲され、炉壁125
に固定されている。散気管124、炉壁125及び分散
板123aによって囲まれる部分の流動層は熱回収部1
26を構成し、主燃焼部127と区分される。なお、伝
熱管122の構成は、図6の構成と基本的に同じもので
あり、ヘッド122aから各伝熱管122に吸熱用の水
を分配供給するようになっている。
【0047】また、横位置の散気管124は、燃焼室1
20中心に向けて下り勾配に傾斜しており、その傾斜角
度は水平線に対して5〜35度の範囲に設定されてい
る。また、横位置の散気管124は、廃棄物中に含まれ
ている不燃物が熱回収部126内にたやすく侵入しない
ように間隔が狭くなっており、一方、立ち上がり部分に
ついては、熱回収部126に侵入してしまった不燃物が
容易に排出されるように間隔が広くなっている。
【0048】上記伝熱管124の立ち上がり部は、管を
配列したものに限らず仕切壁128で隙間なく一体に形
成することができ、また、立ち上がり部の一部に耐火物
を付設して隙間のある柵状に形成することもできる。
【0049】また、分散板123aは、熱回収部126
と主燃焼部127との間に設けられている溝状の不燃物
抜出通路129に向けて15〜35度の範囲で下り勾配
となっているため、熱回収部126内の流動媒体の一部
は分散板123aに沿って主燃焼部127に移動する
が、回収部風箱123の内周側にさらに別の風箱130
を設け、流量を制御し得る流動化ガスを導入することも
できる。このように別の風箱130から流動化ガスを噴
出するように構成よれば、熱回収部内における流動媒体
の移動が活発になり、それにより熱回収が効果的に行わ
れる。また、本実施形態では熱分解炉を箱形に構成した
ことにより、円筒状の熱分解炉に比べて散気管及び伝熱
管を簡便に配設することができるという利点がある。な
お、図中、符号131は不燃物排出装置を示している。
【0050】なお、この発明における伝熱管は、上記実
施形態では水を循環させる構成であったが、これに限ら
ず、水以外の流体、例えば空気,ガス,蒸気等を循環さ
せることもできる。
【0051】また、上記実施形態に示した伝熱管には、
伝熱効率を高めるためにフィンを取り付けることもでき
る。また、水管の形状は、上記実施形態ではU字状に曲
げられた管で構成したが、砂粒子の流動を妨げない形状
であれば、例えばパネル等のように任意の形状にて構成
することができる。
【0052】
【発明の効果】以上説明したことから明らかなように、
この発明の流動層熱分解炉によれば、空気比を低下させ
ることなく流動層温度を所定の温度に維持することがで
き、且つ設定した空気比で決まる流動層温度よりも流動
層温度を低く維持することができるため、アルミニウム
等の有価金属を確実に回収することができる。
【0053】また、流動層温度を安定させることができ
るため、流動層熱分解炉にて生成される熱分解ガスの組
成が安定し、流動層熱分解炉の後段の燃焼炉の運転状態
が安定する。
【0054】また、流動化ガス中の酸素濃度を下げない
ため、同一空気比、同一投入負荷という条件下で熱分解
ガスの単位体積当たりの発熱量が高くなり、燃焼炉の運
転が有利になる。また、流動層から熱回収を行うことも
できるという長所を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明が適用される廃棄物処理設備の全体構
成を示す説明図である。
【図2】この発明に係る流動層熱分解炉の第一の実施形
態を示す説明図である。
【図3】低酸素濃度流動化ガス供給と吸熱とにおける発
熱量を比較したグラフである。
【図4】空気比と流動層温度との関係を示すグラフであ
る。
【図5】流動層温度と熱分解ガス組成との関係を示すグ
ラフである。
【図6】流動層温度の制御を行うための構成を示す説明
図である。
【図7】この発明に係る流動層熱分解炉の第二の実施形
態を示す説明図である。
【図8】この発明に係る流動層熱分解炉の第三の実施形
態を示す説明図である。
【図9】この発明に係る流動層熱分解炉の第四の実施形
態を示す説明図である。
【符号の説明】 11 流動層熱分解炉 11a 流動化ガス吹込口 11b フリーボード部 12 溶融炉 13 熱交換器 14 排熱ボイラ 18 不純物排出装置 116,117 水管 FD 流動層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 細田 博之 神戸市中央区脇浜町1丁目3番18号 株式 会社神戸製鋼所神戸本社内 (72)発明者 須鎗 護 神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会 社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 (72)発明者 伊藤 正 神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会 社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 底部にガス分散板を備えた炉内に流動媒
    体を充填し、前記ガス分散板下方からガスを送り込んで
    前記流動媒体を流動化させ、流動化された状態の流動層
    に被燃焼物を供給し、熱分解ガス化する単塔式の流動層
    熱分解炉において、 前記流動層内の温度上昇を抑制する流動層温度抑制手段
    を備えてなることを特徴とする流動層熱分解炉。
  2. 【請求項2】 前記流動層温度抑制手段は、前記流動層
    中に冷却用流体を循環させる第一の伝熱体から構成され
    る請求項1記載の流動層熱分解炉。
  3. 【請求項3】 前記第一の伝熱体は、前記炉を貫通する
    入口管及び出口管と、これらの管に接続されるとともに
    U字形に曲げられた伝熱管とからなる請求項2記載の流
    動層熱分解炉。
  4. 【請求項4】 前記伝熱管近傍の流動化ガス投入量を調
    節して単位時間当たりの前記流動媒体と前記伝熱管との
    間の熱伝達率を変化させる手段を備えてなる請求項3記
    載の流動層熱分解炉。
  5. 【請求項5】 前記流動層温度抑制手段は、冷却用流体
    を循環させる第二の伝熱体を、炉壁から吸熱できる状態
    で配設したものである請求項1記載の流動層熱分解炉。
  6. 【請求項6】 前記第二の伝熱体は、流動層部炉壁に付
    設または炉壁に埋設される伝熱管からなる請求項5記載
    の流動層熱分解炉。
  7. 【請求項7】 前記冷却用流体の流量を調節する調節手
    段を備えてなる請求項2〜6のいずれかに記載の流動層
    熱分解炉。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかに記載の流動層
    熱分解炉と、その熱分解炉から送出される熱分解ガスの
    供給を受けて焼却残渣を燃焼する燃焼炉とを備えてなる
    被燃焼物処理装置。
JP9104998A 1997-04-22 1997-04-22 流動層熱分解炉及び被燃焼物処理装置 Withdrawn JPH10300019A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20160019000A (ko) * 2014-08-08 2016-02-18 한국전력공사 순환유동층 연소장치

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