JPH1029943A - 非抗バクテリア性テトラサイクリン組成物 - Google Patents

非抗バクテリア性テトラサイクリン組成物

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JPH1029943A
JPH1029943A JP9638897A JP9638897A JPH1029943A JP H1029943 A JPH1029943 A JP H1029943A JP 9638897 A JP9638897 A JP 9638897A JP 9638897 A JP9638897 A JP 9638897A JP H1029943 A JPH1029943 A JP H1029943A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の課題は、過剰なコラーゲン破壊により
特徴づけられている病気の治療に使用されるテトラサイ
クリン含有組成物であって、実質的に抗バクテリア活性
を示さないものを提供することにある。 【解決手段】テトラサイクリンとその担体とからなる組
成物であって、該テトラサイクリンは該組成物が実質的
に有効な抗バクテリア活性を示す以下でしかし抗コラー
ゲン破壊酵素活性または抗コラゲンナーゼ活性を有する
ような服用量で含有されている非抗バクテリア性テトラ
サイクリン組成物を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【従来の技術】テトラサイクリンは周知の広いスペクト
ルの抗生物質である。最近、抗生テトラサイクリンはま
た例えば哺乳動物コラゲナーゼ、マクロファージエラス
ターゼ、およびバクテリアコラゲナーゼのようなコラー
ゲン破壊酵素の活性を阻害することが発見されている。
例えば、テトラサイクリンは最近歯根膜の病気、急激に
進行する成人の歯根膜炎、および局部的な児童の歯根膜
炎の治療に有用であることが見出されている。抗生テト
ラサイクリンはまた非感染性角膜潰瘍の治療、病的に過
剰な骨再吸収の治療、リウマチ様関節炎の治療、および
一般には過剰のコラーゲン破壊によって特徴づけられる
これらの病気の治療に有用である。試験管内の試験では
抗生テトラサイクリンは(1) 白血球および軟骨細胞のコ
ラゲナーゼ活性を阻害する。(2) パラチロイドホルモ
ン, 菌体内毒素,またはプロスタグランジンE2 のいづ
れかによって導かれる組織培養中の骨再吸収の減少、お
よび(3) 細胞培養中のマクロファージコラゲナーゼおよ
びエラスターゼ活性の減少。を示した。また、生体内の
試験では糖尿病ラットの治療において抗生テトラサイク
リン,ミノサイクリンは(a) 歯肉または皮膚における病
的に過剰なコラゲナーゼ活性の減少、(b) 病的な皮膚コ
ラーゲン再吸収の減少、および(c) 病的に過剰な胞状骨
喪失の減少。を示すことを見出した。更に、臨床的に
は、正規および低い投薬レベルの抗生テトラサイクリン
(ミノシン, アクロマイシン、およびビブラマイシン)
はヒトの歯根膜嚢におけるコラゲナーゼ活性を減少する
ことが見出され、正規投薬レベルのテトラサイクリン
は、ヒトにおける治りにくい非感染性角膜潰瘍、哺乳動
物のコラゲナーゼによって仲介されると信じられている
障害の治癒をもたらした。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、商品と
して入手可能な抗生テトラサイクリンは抗コラーゲン溶
解剤として有効ではあるけれども、継続的あるいは例え
ば2週間投与−3ケ月停止−2週間投与−3ケ月停止と
いうような挿入的のいづれにおいても長期間の使用は例
えば腸内不調,イーストや菌の過剰成長,耐抗生性バク
テリアの成長等の長期間抗生物質を使用した場合の通常
の合併症にかかりやすくなる。したがって本発明の目的
は長期間の抗生物質の使用に伴う通常の合併症を同時に
引き起こすことのないテトラサイクリンにもとづいた組
成物、特に過剰なコラーゲン破壊によって特徴づけられ
る病気もしくは状態の治療において抗コラーゲン溶解活
性を有するテトラサイクリンの利用を提供することにあ
る。本発明の他の目的はテトラサイクリン含有組成物と
抗コラゲナーゼ剤のような組成物の使用を提供し、その
一方では同時に過剰コラーゲン破壊により特徴づけられ
ている種々な病気や状態の治療における新規な組成物お
よびこのような組成物の応用を提供することにある。本
発明のこれらの目的そして他の目的がいかに達成される
かはここになされる開示と図面を参照すれば明らかにな
るであろう。
【0003】
【課題を解決するための手段】有効な抗生もしくは抗バ
クテリア活性を実質的に有しないテトラサイクリンは抗
コラーゲン破壊酵素活性もしくは抗コラゲナーゼ活性を
有することが見出されている。更に詳しく述べれば、有
効な抗生もしくは抗バクテリア活性を実質的に有しない
テトラサイクリンはコラーゲン溶解酵素活性およびコラ
ーゲン再吸収を阻害する能力を有することが見出されて
いる。テトラサイクリンは炭素からなる環の4個からな
る化合物として特徴づけられており、そして抗微生物も
しくは抗生物質として知られている。しかしながらすべ
てのテトラサイクリンが抗微生物もしくは抗生的性質を
有しているわけではない。テトラサイクリンのうちのい
くつかのものは抗微生物もしくは抗バクテリア活性を実
質的に示さないが、一方では他のテトラサイクリンはい
くらかの抗微生物もしくは抗生活性を示すけれども病気
の治療において化学療法剤もしくは抗生物質として有用
であるという程度までの抗微生物もしくは抗バクテリア
活性は有しない。抗微生物もしくは抗生活性を全く示さ
ないかもしくは実質的に示さないかもしくは不充分に示
すこれらテトラサイクリンは本発明の実施において有益
に用いられる。本発明の実施において特に有用であるテ
トラサイクリンはデジメチルアミノテトラサイクリンで
ある。しかしながら指摘したようにもしあるとしても充
分な抗微生物活性を有しない他のテトラサイクリンはま
た本発明の実施において有用である。一般にテトラサイ
クリンは現在見出されていることであるが、抗微生物も
しくは抗生活性を有するか否かにかかわらず、すべて抗
コラーゲン破壊酵素活性もしくは抗コラゲナーゼ活性を
有している。この抗コラゲナーゼ活性はテトラサイクリ
ンのユニークな構造、即ちテトラサイクリンの特性であ
り、そしてテトラサイクリンが有する特殊な4個の炭素
からなる環のせいであるらしい。観察するにつれて、テ
トラサイクリンの炭素からなる環である核におけるカル
ボニル部分はそれらがカルシウムや亜鉛等の金属イオン
とキレートを形成するが故にこれら化合物の抗コラーゲ
ン溶解活性にとって重要であると信じられている。これ
は言及されるコラーゲン生成酵素が金属依存性である故
に重要な性質である。
【0004】
【作用】テトラサイクリンの作用は、本発明の実施にあ
たって抗コラーゲン溶解剤として過剰コラーゲン破壊に
よって特徴づけられる状態または病気にかかっているヒ
トの治療において用いられる場合、テトラサイクリンは
例えば歯肉組織への直接塗布、例えば過剰なコラゲナー
ゼ活性が含まれている歯根膜炎の治療の場合において、
そして例えば蓐瘡性潰瘍、糖尿病性潰瘍、表皮水泡症の
ような潰瘍性障害の治療においてのように局部的に用い
られる場合もあるが、全身的に作用するようである。本
発明の実施において、テトラサイクリンは随伴する状態
の治療に適した使用の既知のモードのいかなるものにお
いても用いられるであろう。コラゲナーゼ活性を減少さ
せるために、もしくは抗コラーゲン溶解剤として用いる
場合に抗コラゲナーゼ有効量を有する本発明の非抗微生
物もしくは非抗生テトラサイクリンの投薬量は抗微生物
剤もしくは抗生物質として用いられる場合の一般的なテ
トラサイクリンの投薬量と同程度であるかもしくはそれ
より若干多めとすることが出来るであろう。加うるに該
投薬量は、しかしながら病気の治療に使用される場合に
おける抗微生物もしくは抗生テトラサイクリンの利用に
関して例えば5〜50%の標準的な投薬量のような一般
に行われている抗微生物テトラサイクリンの標準的な投
薬量またはレベルよりも実質的に低いあるいはほんの数
分の1にすぎないあるいは取るに足りない量とすること
ができる。
【0005】
【実施例】
〔テトラサイクリン,ミノサイクリンおよびデジメチル
アミノテトラサイクリン(CMT)のストック溶液の調
製〕ミノサイクリン,デジメチルアミノテトラサイクリ
ン(CMT)およびテトラサイクリンのストック溶液は
水性溶液として調製された。これらの溶液はこれらテト
ラサイクリンの各々の抗バクテリア活性を測定するため
に用いられるものである。ミノサイクリンはシグマ化学
会社(セントルイス,ミズリー、ロット♯60F−00
48)から得られた。テトラサイクリンはまたシグマ化
学会社(セントルイス,ミズリー、ロット♯103F−
0350)から得られ、そしてデジメチルアミノテトラ
サイクリンはジェー.エイチ.ブース等〔アメリカ化学
会誌第80巻、第1654頁(1958)〕およびジェ
ー.アール.デー.マッコーミック等〔アメリカ化学会
誌第79巻第2849頁(1957)〕の方法によって
合成的に調製された。該ストック溶液は該化合物の各々
のミリリットル当り100マイクログラムを含む水性溶
液として調製された。ミノサイクリン,テトラサイクリ
ン,もしくはデジメチルアミノテトラサイクリンの各々
の10.00mgに対して蒸溜水の10mlが添加され
そして該懸濁液が100.0mlの容量フラスコ中にお
いて旋回攪拌された。該化合物の懸濁液の各10mlに
対して1.0N水酸化ナトリウム1.0mlが添加され
各々の化合物の透明な溶液を得た。蒸溜水70mlが各
溶液に添加されそしてpHは1.0N塩酸の適当量の添
加によってpH8.0〜8.3に調節された。各々の溶
液は蒸溜水の添加によって容量フラスコ中で100.0
0mlにされた。これら化合物の各々の最終的な濃度は
1mlに対し100マイクログラムであった。該ストッ
ク溶液はそれらが使用されるまで冷蔵庫に保管された。
ストック溶液は毎日新しく作られた。
【0006】〔抗微生物活性の喪失の証拠〕 試験管内証拠:デジメチルアミノテトラサイクリン(C
MT)が抗微生物活性を減小したことを実証するために
比較試料が該化合物の各々の最小阻害濃度(MIC)か
ら作成された。ミノサイクリン,テトラサイクリン,そ
してデジメチルアミノテトラサイクリンのMICの比較
は下記の方法で行われた。3.0mlの無菌脳・心臓浸
漬(BHI)ブロス(DIFCO)が入っている一連の
試験管に対して、適当量のミノサイクリン,デジメチル
アミノテトラサイクリン、およびテトラサイクリンのス
トック溶液が添加され第1表に示される濃度にされた。
各試験管はそれから無菌BHIブロスによって最終容積
の4.0mlに調節された。該一連の試験管の各々はそ
の後37℃で孵置されていたバチルス セレウスの24
時間ブロス培養物の0.1mlを接種された。該試験管
はそれから旋回攪拌されそして37℃で、24時間孵置
された。該試験管はそれから濁度によって測定された成
長の存在もしくは不存在を判断された。抗微生物活性に
対するこれらの比較評価の結果は第1表に記録されてい
る。デジメチルアミノテトラサイクリンがバチルスセレ
ウスに対して検出可能な抗バクテリア活性を有しないと
いうことは明白であった。それはテトラサイクリンより
も100倍以上活性が小さく、そしてミノサイクリンよ
りも1,000倍以上活性が小さかった。バチルス セ
レウスはこれら抗生物質に対して非常に鋭敏であるが故
にテトラサイクリン検定のために日常用いられているの
で試験微生物として用いられた。該微生物はアメリカタ
イプ培養物コレクション(ATCC♯11778)から
得られた。
【0007】
【表1】
【0008】〔生体内証拠〕通常の動物および糖尿病に
患っている動物はデジメチルアミノテトラサイクリンの
生体内活性を測定するための比較研究において、無治療
もしくはメトロニダゾールもしくはデジメチルアミノテ
トラサイクリンによって治療されているかのいずれかで
あった。本研究においては、ラットの4つの異なったグ
ループが用いられた。グループI は正常な口腔内のフロ
ーラを潜在的に有する通常のラットの無治療対照グルー
プであり、グループIIはストレプトゾトシンの投与によ
って糖尿病に患っている糖尿ラットの無治療対照グルー
プであり、グループIII はメトロニダゾールにより経口
的に治療された糖尿グループであり、そしてグループIV
はデジメチルアミノテトラサイクリンによって経口的に
治療された動物の糖尿グループであった。該実験の終末
において、ラットは犠牲にされそしてサンプルは無菌カ
レットによって動物のこれらグループの各々からラット
の臼歯の歯肉縁部から採取されそしてブロスに移されそ
して72時間37℃で孵置された。単離された微生物に
メトロニダゾールもしくはデジメチルアミノテトラサイ
クリンのいづれかが投与され、次いでフローラの組成に
おいて大きな変化があるかどうかを測定するために比較
された。歯肉サンプルから得られた微生物の単離および
同定の結果は次の通りである。(1) 無治療通常対照動物
は他のいかなるグループにおける動物よりも若干多く微
生物の存在を示しそして成長の量およびバクテリア組成
によって容易に同定された。(2) メトロニダゾールが投
与された糖尿動物は他のいかなるグループよりも歯肉サ
ンプルからの成長が少なくそしておもにグラム陽性球菌
を有した。(3) 無治療糖尿対照動物およびデジメチルア
ミノテトラサイクリンを投与された糖尿動物は歯肉サン
プルから得られた成長量において、そして各サンプルの
バクテリア組成において本質的に識別不可能であった。
これらの結果は第2表にまとめられる。これら生体内研
究は明らかに予期されたことではあるが、メトロニダゾ
ールはクレバス状のミクロフローラにおいてグラム陰性
好気性微生物を優先的に抑制し、一方デジメチルアミノ
テトラサイクリンもしくはCMTは抗生テトラサイクリ
ンの効果と対比してクレバス状ミクロフローラに対する
検出可能な如何なる影響も有しないということを示して
いた。ゴルブ等(歯根膜研究雑誌第18巻、第516
頁、1983)は抗生テトラサイクリンがメトロニダゾ
ールについて上記した効果と同様に糖尿ラットのクレバ
ス状フローラにおけるグラム陰性嫌気性微生物を抑制す
ることを示した。
【0009】
【表2】
【0010】〔抗コラーゲン溶解酵素活性の証拠〕 試験管内証拠:哺乳類コラゲナーゼのようにカルシウム
依存性メタロプロテアーゼであるバクテリアコラゲナー
ゼ(C.ヒストリチウムより)はCMTの0.20もし
くは60μg/mlの存在下において〔 3H−メチル〕
コラーゲンと共に18時間、27℃で孵置されそしてそ
の結果は第1図に示される。CMTの不存在下におい
て、孵置混合物中のバクテリアコラゲナーゼレベルを1
0〜100ngから増大することは予期されたことでは
あるが、放射能ラベルされたコラーゲン基質(40〜9
0%)の崩壊を増大する。同様なパターンは20μg/
mlのCMTが添加された時に見られるが、しかしバク
テリアコラゲナーゼ(10〜100ng)のすべてのレ
ベルで、コラーゲンの衰退はCMT不存在下においてみ
られるよりも低かった。CMTの濃度を60μg/ml
に増加することは本質的に完全に試験された酵素レベル
のすべてにおいてコラゲナーゼ活性を阻害した。他の実
験が行われた。この実験においてはバクテリアコラゲナ
ーゼの単一レベルが(a) CMTの広範囲の濃度(0.
2,10,20そして60μg/ml)で、および(b)
メタロプロテアーゼ、EDTA、およびフェナントロリ
ンの既知の阻害物質によって孵置された。第1実験にお
けると同様に、10ngのコラゲナーゼがCMT不存在
下において27℃の孵置で18時間後に利用出来る放射
能ラベルされたコラーゲン基質の約半分を崩壊した(第
2図)。2μg/mlCMTの非常に低い濃度は約20
%までコラゲナーゼ活性を阻害したが、一方10〜60
μg/mlCMTの濃度は約90%活性を削減した。こ
れらより高濃度CMTはテトラサイクリン(CMTを含
む)の金属結合特性がそれらの抗コラーゲン溶解酵素の
性質の少なくとも部分的にでも原因となっていると云う
仮説に矛盾することなくキレート剤、EDTA、および
フェナントロリンと同じ程度にまでコラゲナーゼ活性を
阻害した。第3の実験が行われそして結果は第3図に提
供される。この実験において、放射能ラベルされたコラ
ーゲン分子はコラーゲン溶解酵素活性を有するとして知
られているラット白血球の抽出物と共に孵置された(1
8時間、27℃)。この哺乳類コラゲナーゼは調整0〜
60μg/mlCMTと共に、もしくはコラゲナーゼ−
阻害物質、EDTAもしくは、フェナントロリンと共に
孵置された。コラゲナーゼはそれ自体によって利用出来
るコラーゲン基質の約55%を崩壊した。この実験にお
いて、2〜10μg/mlのCMTはコラゲナーゼ活性
を約20%にまで削減し、一方20および60μg/m
lは約85%活性を削減した。二つの金属キレート剤、
EDTAとフェナントロリンは白血球コラゲナーゼが正
常な活性に対して金属イオン、カルシウムおよび亜鉛の
存在に依存することが知られているので、予期されるよ
うにこの哺乳類コラゲナーゼの活性を完全に阻害した。
何故にこの哺乳類コラゲナーゼ調薬がバクテリアコラゲ
ナーゼ調薬よりも高いCMT濃度を必要としたかの理由
は同程度の阻害を達成するために2倍の量が必要であっ
たと信じられている。第1に哺乳類コラゲナーゼは高度
に精製されたバクテリア酵素に比べて比較的不純な酵素
であった。かくしてCMTはコラゲナーゼとの反応に加
えて白血球調製において他のメタロ−プロテアーゼ(た
とえばゲラチナーゼ)と反応した可能性があり、かくし
て阻害物質CMT/コラゲナーゼ比を効果的に削減す
る。第2に、白血球は高レベルのカルシウムイオンを含
みそして初期の実験はコラゲナーゼ/テトラサイクリン
混合物へのカルシウムの添加は酵素活性の阻害に打克つ
ことが出来ることを示した。
【0011】〔生体内証拠〕4つに分割されたラットの
グループが提供された、一つのグループ(対照)は全対
照調査を通じて無治療の状態にしておかれ、第2(糖尿
もしくはDグループ)は前に述べたようにストレプトゾ
トシンのI.V.注射によって糖尿病にされ、第3のグ
ループは糖尿病にされその後抗生メトロニダゾールを1
日当たり75mg経口投与され(D+メトロニドグルー
プ)、そして第4グループは糖尿病にされそして“CM
T”を1日当たり20mg毎日のペースで経口的に投与
された(D+“CMT”グループ)。これらの投薬量は
ヒトに対して治療のために投与された場合のこれら薬剤
の各々の毎日の投薬量の1/10である。1/10の値
はミノサイクリンを用いた以前の研究における糖尿ラッ
トに対する投薬量と同一でありそしてそれはラットの結
合組織に有益な変化を生ずることが見出された。実験対
照調査の間数度ラットが体重を測定された。実験の最終
日(37日目)に、血液のサンプルはグルコース分析の
ために各々のラットからとられ、該動物は体重を測定さ
れそして殺された。各々のラットからの完全な皮膚
(頭、足、生殖器の部分を除く)と口腔歯肉が解体さ
れ、重さを測定され、細かく刻まれ、抽出され(すべて
の手順は4℃で行われた)そして該抽出物は部分的に硫
酸アンモニウム沈澱によって精製される。皮膚および歯
肉抽出物のコラゲナーゼ活性は基質として放射能ラベル
されたコラーゲンと共に孵置を行った後測定された(皮
膚抽出物は14Cグリシンラベルされたコラーゲン微小繊
維と共に35℃、48時間孵置され、一方歯肉抽出物は
3H−メチル〕コラーゲン分子と共に27℃、18時
間孵置された。ラットを殺すのに先立って、副歯肉斑局
面サンプルがあごの部分から各々の動物について採取さ
れた。サンプルは直ちに予備調整されたブロスの中へ入
れられた(嫌気性微生物を保護するために)そして嫌気
性条件下に孵置され、そしてグラム陽性、グラム陰性、
および運動性の微生物の比較的多数が測定された。第4
図にみるように、37日にわたる対照調査で対照ラット
は体重を増加するが、一方無治療糖尿病(Dグループ)
は徐々に体重を失くした。毎日のメトロニダゾール治療
はDラットにおける体重損失を遅らせる効果はなく、一
方DラットのCMTによる毎日の治療は完全に体重損失
を阻止した。加うるに、実験の終わりに際して(30日
目)CMTで処理した該“D”ラットは非糖尿対照に匹
敵する状況で体重を増加し始めた。一方非治療のDラッ
トは同じ期間体重が減少し続けた。第5図のデータは類
似の変化のパターンを示す。DおよびD+メトロニドグ
ループは37日対照調査の終わりまでに皮膚主要部の5
0%以上を喪失し、一方毎日のペースでCMTによって
Dラットを治療することは皮膚主要部の喪失を阻止した
(皮膚喪失は糖尿状態の余病である)。第3表のデータ
は糖尿グループのすべて(Dグループ;D+メトロニド
グループ;D+CMTグループ)が正常血糖(104m
g%)対照ラットと比べてひどく過血糖(638〜85
0mg%血液グルコースレベル)であることを示す。糖
尿ラットをメトロニダゾールで治療することはたとえメ
トロニダゾール(抗微生物)−治療ラットにおける血液
グルコースが若干削減する(第3表)としても糖尿皮
膚,第3表、もしくは糖尿歯肉,第6表、において病理
学的に過剰なコラゲナーゼ活性に絶対的な影響を持たな
い。たとえCMT治療が血液グルコース濃度に対してメ
トロニダゾールよりもより少ない影響を有するものと思
われても、著しく対照的にこの変性テトラサイクリンは
第3図および第6図に示すように約50%まで皮膚およ
び歯肉コラゲナーゼ活性を劇的に阻害した。これらのデ
ータはCMTが生体内において標準抗生テトラサイクリ
ンと同様に哺乳類コラゲナーゼ活性(およびコラーゲン
再吸収)を阻害するが、クレバス状ミクロフローラに顕
著に影響することなくしてこの治療学的効果を達成する
ことが出来ると云うことを示すものである。
【0012】
【表3】 本発明の特殊な非抗微生物性もしくは非抗バクテリア性
テトラサイクリンはそれ自体、もしくは例えば塩酸塩の
ような塩の形で適宜用いられる。他の水溶性塩、例えば
ナトリウムもしくはカリウム塩もまた用いられ得る。
【0013】本発明のテトラサイクリンはまた上記した
ように本発明のテトラサイクリンが抗コラーゲン溶解剤
として総合的に有効であると思われるので経口投与のた
めにカプセルにされ得る。本発明のテトラサイクリンは
また錠剤、カプセル、万能薬等の形状で調合され得る。
本発明のテトラサイクリンは筋肉内もしくは腹膜への投
与のために溶液もしくは懸濁液の形状で調合され得る。
加うるに、テトラサイクリンはまた例えば歯根膜病の治
療の場合において例えば歯根膜嚢の中へ直接に供与する
ためのような局所的もしくは局部的使用のためポリマー
担体もしくは供与システムに取り入れられるかまたは調
製され得る。本発明のテトラサイクリンの中へ取り入れ
るために用いられる適当なポリマー物質はエチレンビニ
ルアセテート,ポリカプロラクタム,ポリウレタン,エ
チレンセルロースを含み、そしてそれらはテトラサイク
リンがそれらの中に取り入れられもしくは分散された
後、繊維、シート、フィルムもしくは粒子、もしくは歯
根膜病等の治療のために、もしくは病的コラーゲン破壊
もしくは再吸収を示す患部への直接塗布のために適当な
形状に形成もしくは造形され得る粒状物質に適宜形成も
しくは造形される。本発明と同じ分野の専門家にとって
は明白なように、前述の開示を対照すれば、本発明の実
施においてその精神あるいは範囲から逸脱することなく
多くの調節、修正、代用が可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図は試験管内でのバクテリアコラゲナーゼ活性にお
ける本発明のテトラサイクリンの影響をグラフ的に説明
するものであり、試験管内でのバクテリアコラゲナーゼ
活性の増大するレベル(10〜100ng)に対するC
MTの二つの異なった濃度(20〜60μg/ml)の
影響を示す。第2図は試験管内でのバクテリアコラゲナ
ーゼ活性に関して本発明のテトラサイクリンの増大する
濃度の影響をグラフ的に説明するものであり、試験管内
でのバクテリアコラゲナーゼ(10ng)活性に対する
“CMT”の増大した濃度(2〜60μg/ml)の影
響を示す。第3図は試験管内でのラット顆粒球コラゲナ
ーゼ活性に対する本発明のテトラサイクリンの増大する
濃度の影響をグラフ的に説明するものであり、試験管内
でのラット顆粒球コラゲナーゼ活性に対する“CMT”
の増加する濃度(2〜60μg/ml)の影響を示す。
第4図は本発明のテトラサイクリンの経口投与を受けた
糖尿ラットの体重を他の薬剤を投与された他のラットと
比較してグラフ的に説明するものであり、糖尿ラットに
メトロニダゾールもしくは“CMT”(20mg/日)
を経口投与した場合の体重増加に対する影響を示す。第
5図は本発明のテトラサイクリンを投与された糖尿ラッ
トの皮膚重量に対する影響をグラフ的に説明するもので
あり、糖尿ラットにメトロニダゾールもしくは“CM
T”(20mg/日)経口投与した場合の糖尿病を誘引
しそして薬剤治療を開始してから37日後の皮膚質量に
対する影響を示す。第6図は本発明のテトラサイクリン
の投与の後の歯肉組織におけるコラゲナーゼ活性に対す
る糖尿病ラットにおける影響をグラフ的に説明するもの
であり、糖尿ラットにメトロニダゾールもしくは“CM
T”を経口投与した場合の歯肉組織内のコラゲナーゼ活
性に対する影響を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 トーマス エフ.マクナマラ アメリカ合衆国 11777 ニューヨーク, ポート ジェファーソン,フェアウェイ ドライブ 34 (72)発明者 ヌンガバラム エス.ラママーシー アメリカ合衆国 11787 ニューヨーク, スミスタウン,ライマン コート 10 (72)発明者 ローン エム.ゴルブ アメリカ合衆国 11787 ニューヨーク, スミスタウン,ウィットニー ゲート 29

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】テトラサイクリンとその担体とからなる組
    成物であって、該テトラサイクリンは該組成物が実質的
    に有効な抗バクテリア活性を有せずかつ抗コラーゲン破
    壊酵素活性または抗コラゲナーゼ活性を有するような抗
    バクテリア性を示す以下の服用量で含有され、該担体は
    ヒトに投与されて該テトラサイクリンを放出するために
    適したものであり、該テトラサイクリンは該組成物中に
    ヒトに対する有効な抗コラゲナーゼ量で存在しているこ
    とを特徴づけられている状態の治療に用いられる非抗バ
    クテリア性テトラサイクリン組成物
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