JPH10298169A - 漁網防汚剤 - Google Patents
漁網防汚剤Info
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- JPH10298169A JPH10298169A JP11886497A JP11886497A JPH10298169A JP H10298169 A JPH10298169 A JP H10298169A JP 11886497 A JP11886497 A JP 11886497A JP 11886497 A JP11886497 A JP 11886497A JP H10298169 A JPH10298169 A JP H10298169A
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- antifouling agent
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- ethenyl
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Abstract
(57)【要約】
【課題】フジツボに卓越した効果を示し、なおかつ一般
に漁網防汚剤用として用いられる溶剤に対する溶解度の
高い化合物及び全ての成分が溶解した漁網防汚剤を提供
すること。 【解決手段】一般式 【化1】 (式中、Rは炭素数2〜9の直鎖または分岐鎖のアルキ
ル基、または炭素数2〜9の直鎖または分岐鎖のアルケ
ニル基を示し、Yは低級アルキル基、またはハロゲン原
子および/または低級アルキル基で置換されていてもよ
いフェニル基を示し、Xはハロゲン原子を示し、nは1
〜5の整数を示し、nが2以上のとき、Xは同一または
相異なっていてもよい。)で表される化合物、及び該化
合物の少なくとも1種を含有する漁網防汚剤。 【効果】フジツボに対して防汚効果が高く、溶剤(一般
にはキシレン)に対する溶解度も高い化合物、及び全て
の成分が溶剤に溶解し作業性や保存性に優れた、フジツ
ボに卓効を示す漁網防汚剤が提供される。
に漁網防汚剤用として用いられる溶剤に対する溶解度の
高い化合物及び全ての成分が溶解した漁網防汚剤を提供
すること。 【解決手段】一般式 【化1】 (式中、Rは炭素数2〜9の直鎖または分岐鎖のアルキ
ル基、または炭素数2〜9の直鎖または分岐鎖のアルケ
ニル基を示し、Yは低級アルキル基、またはハロゲン原
子および/または低級アルキル基で置換されていてもよ
いフェニル基を示し、Xはハロゲン原子を示し、nは1
〜5の整数を示し、nが2以上のとき、Xは同一または
相異なっていてもよい。)で表される化合物、及び該化
合物の少なくとも1種を含有する漁網防汚剤。 【効果】フジツボに対して防汚効果が高く、溶剤(一般
にはキシレン)に対する溶解度も高い化合物、及び全て
の成分が溶剤に溶解し作業性や保存性に優れた、フジツ
ボに卓効を示す漁網防汚剤が提供される。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、漁網、ロープ等の
繊維状のものへの水棲生物の付着を防止するための漁網
防汚剤に関する。中でも漁網等に付着すると除去の困難
なフジツボの付着を防止するための漁網防汚剤に関す
る。
繊維状のものへの水棲生物の付着を防止するための漁網
防汚剤に関する。中でも漁網等に付着すると除去の困難
なフジツボの付着を防止するための漁網防汚剤に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、漁網、ロープ等の繊維状のものへ
の水棲生物の付着を防止するための漁網防汚剤の有効成
分として有機スズ化合物が用いられていた。有機スズ化
合物は広範な生物に活性を示し、フジツボにも有効であ
った。しかし、有機スズ化合物による海洋汚染のため、
近年使用が大幅に制限されている。
の水棲生物の付着を防止するための漁網防汚剤の有効成
分として有機スズ化合物が用いられていた。有機スズ化
合物は広範な生物に活性を示し、フジツボにも有効であ
った。しかし、有機スズ化合物による海洋汚染のため、
近年使用が大幅に制限されている。
【0003】一方、有機スズ化合物にかわる有機化合物
が同様な防汚剤として検討されてきたが、従来の有機化
合物からなる漁網防汚剤は、防汚性能の点において、特
にフジツボに対する効果において、未だ満足できるもの
ではなかった。
が同様な防汚剤として検討されてきたが、従来の有機化
合物からなる漁網防汚剤は、防汚性能の点において、特
にフジツボに対する効果において、未だ満足できるもの
ではなかった。
【0004】また、特開平7−300402号公報にフ
ジツボに卓越した効果を示す化合物が開示されている
が、この化合物は漁網防汚剤に使用される溶剤類(通常
は引火性、価格等の面からキシレンが使われる)に対す
る溶解性が非常に小さいため、漁網防汚剤として用いる
場合には、分散状態としなければならない。このよう
な、固形分が分散された状態の漁網防汚剤(一般に顔料
型といわれる。)は、全ての成分が溶解した漁網防汚剤
(一般にクリヤー型といわれる。)に比べ作業性や保存
性において種々の欠点を有している。即ち、第一の欠点
としては、貯蔵中に漁網防汚剤中に分散された固形分が
沈降してしまうため、使用前に再分散しなければならな
いことが挙げられる。容器が、漁網防汚剤用として最も
一般的なドラム缶の場合には、沈降した固形分を均一に
再分散するのは非常に困難であり、更には貯蔵期間が長
い場合には沈降した固形分の再分散が不可能なこともあ
る。第二の欠点としては、漁網、ロープなどの繊維状の
ものに使用する場合には、繊維の中まで分散状態の固形
分を浸透させるのが困難なことが挙げられる。このよう
に、この化合物は漁網防汚剤用の薬剤として用いるには
実用上解決すべき問題が残されていた。
ジツボに卓越した効果を示す化合物が開示されている
が、この化合物は漁網防汚剤に使用される溶剤類(通常
は引火性、価格等の面からキシレンが使われる)に対す
る溶解性が非常に小さいため、漁網防汚剤として用いる
場合には、分散状態としなければならない。このよう
な、固形分が分散された状態の漁網防汚剤(一般に顔料
型といわれる。)は、全ての成分が溶解した漁網防汚剤
(一般にクリヤー型といわれる。)に比べ作業性や保存
性において種々の欠点を有している。即ち、第一の欠点
としては、貯蔵中に漁網防汚剤中に分散された固形分が
沈降してしまうため、使用前に再分散しなければならな
いことが挙げられる。容器が、漁網防汚剤用として最も
一般的なドラム缶の場合には、沈降した固形分を均一に
再分散するのは非常に困難であり、更には貯蔵期間が長
い場合には沈降した固形分の再分散が不可能なこともあ
る。第二の欠点としては、漁網、ロープなどの繊維状の
ものに使用する場合には、繊維の中まで分散状態の固形
分を浸透させるのが困難なことが挙げられる。このよう
に、この化合物は漁網防汚剤用の薬剤として用いるには
実用上解決すべき問題が残されていた。
【0005】特開昭55−154962号公報に記載の
化合物も前記化合物と同様に溶剤に対する溶解性が非常
に小さいため、同様の欠点を有していた。
化合物も前記化合物と同様に溶剤に対する溶解性が非常
に小さいため、同様の欠点を有していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は漁網等
へのフジツボの付着防止に卓越した効果を示し、なおか
つ漁網防汚剤用として一般に用いられる溶剤に対する溶
解性の高い化合物を提供すること、更には、この化合物
を用いて、全ての成分が溶解した漁網防汚剤を提供する
ことである。
へのフジツボの付着防止に卓越した効果を示し、なおか
つ漁網防汚剤用として一般に用いられる溶剤に対する溶
解性の高い化合物を提供すること、更には、この化合物
を用いて、全ての成分が溶解した漁網防汚剤を提供する
ことである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく鋭意研究した結果、下記一般式(化3)に示
す化合物がフジツボの漁網等への付着防止に卓越した効
果を示し、なおかつ漁網防汚剤用として一般に用いられ
る溶剤に対する溶解性が高いことを見出し、これらの知
見に基づき本発明を完成した。
解決すべく鋭意研究した結果、下記一般式(化3)に示
す化合物がフジツボの漁網等への付着防止に卓越した効
果を示し、なおかつ漁網防汚剤用として一般に用いられ
る溶剤に対する溶解性が高いことを見出し、これらの知
見に基づき本発明を完成した。
【0008】すなわち本発明は、一般式
【0009】
【化3】 (式中、Rは炭素数2〜9の直鎖または分岐鎖のアルキ
ル基、または炭素数2〜9の直鎖または分岐鎖のアルケ
ニル基を示し、Yは低級アルキル基、またはハロゲン原
子および/または低級アルキル基で置換されていてもよ
いフェニル基を示し、Xはハロゲン原子を示し、nは1
〜5の整数を示し、nが2以上のとき、Xは同一または
相異なっていてもよい。)で表される化合物、および一
般式(化3)で表される化合物の少なくとも1種を含有
する漁網防汚剤を提供することにより前記課題を解決し
たものである。
ル基、または炭素数2〜9の直鎖または分岐鎖のアルケ
ニル基を示し、Yは低級アルキル基、またはハロゲン原
子および/または低級アルキル基で置換されていてもよ
いフェニル基を示し、Xはハロゲン原子を示し、nは1
〜5の整数を示し、nが2以上のとき、Xは同一または
相異なっていてもよい。)で表される化合物、および一
般式(化3)で表される化合物の少なくとも1種を含有
する漁網防汚剤を提供することにより前記課題を解決し
たものである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の化合物、漁網防汚
剤について詳細に説明する。
剤について詳細に説明する。
【0011】まず、本発明の化合物について説明する。
【0012】本発明化合物は、一般式(化3)で表され
るものであり、式中、Rはアルキル基(ここでアルキル
基とは炭素数2〜9の直鎖または分岐鎖のアルキル基を
意味し、具体的には例えばエチル基、n−プロピル基、
i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブ
チル基、sec−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキ
シル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル
基等を包含する。)、またはアルケニル基(ここでアル
ケニル基とは炭素数2〜9の直鎖または分岐鎖のアルケ
ニル基を意味し、具体的には例えばエテニル基、1−メ
チルエテニル基、1−プロペニル基、2−メチル−1−
プロペニル基等を包含する。)を示し、Yは低級アルキ
ル基(ここで低級アルキル基とは炭素数1〜8の直鎖、
分岐鎖、および/または脂環構造を有してもよいアルキ
ル基を意味し、具体的には例えばメチル基、エチル基、
n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−
ブチル基、t−ブチル基、sec−ブチル基、n−ペン
チル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘ
キシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基等を包含す
る。以下、低級アルキル基は同意とする。)、または、
低級アルキル基および/またはハロゲン原子(ここでハ
ロゲン原子とは、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、フ
ッ素原子を包含する。以下、ハロゲン原子は同意とす
る。)で置換されていてもよいフェニル基を示し、Xは
ハロゲン原子を示し、nは1〜5の整数を示し、nが2
以上のとき、Xは同一または相異なっていてもよい。こ
のような構造を有する本発明化合物としては、具体的に
は例えば1−(2−クロロフェニル)−2−シアノ−2
−(4−フェニル−2−チアゾリル)エテニル=プロピ
オナート、1−(2−クロロフェニル)−2−シアノ−
2−(4−フェニル−2−チアゾリル)エテニル=エナ
ンタート、1−(2−クロロフェニル)−2−シアノ−
2−(4−フェニル−2−チアゾリル)エテニル=イソ
ブチラート、1−(2−クロロフェニル)−2−シアノ
−2−(4−フェニル−2−チアゾリル)エテニル=ピ
バラート、1−(2−クロロフェニル)−2−シアノ−
2−(4−フェニル−2−チアゾリル)エテニル=デカ
ナート、1−(2−クロロフェニル)−2−シアノ−2
−(4−フェニル−2−チアゾリル)エテニル=アクリ
ラート、1−(2−クロロフェニル)−2−シアノ−2
−(4−フェニル−2−チアゾリル)エテニル=メタク
リラート、1−(2−クロロフェニル)−2−シアノ−
2−(4−フェニル−2−チアゾリル)エテニル=クロ
トナート、1−(2−クロロフェニル)−2−シアノ−
2−(4−t−ブチル−2−チアゾリル)エテニル=プ
ロピオナート、1−(2−クロロフェニル)−2−シア
ノ−2−(4−t−ブチル−2−チアゾリル)エテニル
=エナンタート、1−(2−ブロモフェニル)−2−シ
アノ−2−〔4−(2−メチルフェニル)−2−チアゾ
リル〕エテニル=デカナート、1−(2−クロロフェニ
ル)−2−シアノ−2−〔4−(2−メチルフェニル)
−2−チアゾリル〕エテニル=アクリラート、1−(2
−クロロフェニル)−2−シアノ−2−〔4−(2−メ
チルフェニル)−2−チアゾリル〕エテニル=メタクリ
ラート、1−(2−クロロフェニル)−2−シアノ−2
−〔4−(2−メチルフェニル)−2−チアゾリル〕エ
テニル=クロトナート等を例示できる。
るものであり、式中、Rはアルキル基(ここでアルキル
基とは炭素数2〜9の直鎖または分岐鎖のアルキル基を
意味し、具体的には例えばエチル基、n−プロピル基、
i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブ
チル基、sec−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキ
シル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル
基等を包含する。)、またはアルケニル基(ここでアル
ケニル基とは炭素数2〜9の直鎖または分岐鎖のアルケ
ニル基を意味し、具体的には例えばエテニル基、1−メ
チルエテニル基、1−プロペニル基、2−メチル−1−
プロペニル基等を包含する。)を示し、Yは低級アルキ
ル基(ここで低級アルキル基とは炭素数1〜8の直鎖、
分岐鎖、および/または脂環構造を有してもよいアルキ
ル基を意味し、具体的には例えばメチル基、エチル基、
n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−
ブチル基、t−ブチル基、sec−ブチル基、n−ペン
チル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘ
キシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基等を包含す
る。以下、低級アルキル基は同意とする。)、または、
低級アルキル基および/またはハロゲン原子(ここでハ
ロゲン原子とは、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、フ
ッ素原子を包含する。以下、ハロゲン原子は同意とす
る。)で置換されていてもよいフェニル基を示し、Xは
ハロゲン原子を示し、nは1〜5の整数を示し、nが2
以上のとき、Xは同一または相異なっていてもよい。こ
のような構造を有する本発明化合物としては、具体的に
は例えば1−(2−クロロフェニル)−2−シアノ−2
−(4−フェニル−2−チアゾリル)エテニル=プロピ
オナート、1−(2−クロロフェニル)−2−シアノ−
2−(4−フェニル−2−チアゾリル)エテニル=エナ
ンタート、1−(2−クロロフェニル)−2−シアノ−
2−(4−フェニル−2−チアゾリル)エテニル=イソ
ブチラート、1−(2−クロロフェニル)−2−シアノ
−2−(4−フェニル−2−チアゾリル)エテニル=ピ
バラート、1−(2−クロロフェニル)−2−シアノ−
2−(4−フェニル−2−チアゾリル)エテニル=デカ
ナート、1−(2−クロロフェニル)−2−シアノ−2
−(4−フェニル−2−チアゾリル)エテニル=アクリ
ラート、1−(2−クロロフェニル)−2−シアノ−2
−(4−フェニル−2−チアゾリル)エテニル=メタク
リラート、1−(2−クロロフェニル)−2−シアノ−
2−(4−フェニル−2−チアゾリル)エテニル=クロ
トナート、1−(2−クロロフェニル)−2−シアノ−
2−(4−t−ブチル−2−チアゾリル)エテニル=プ
ロピオナート、1−(2−クロロフェニル)−2−シア
ノ−2−(4−t−ブチル−2−チアゾリル)エテニル
=エナンタート、1−(2−ブロモフェニル)−2−シ
アノ−2−〔4−(2−メチルフェニル)−2−チアゾ
リル〕エテニル=デカナート、1−(2−クロロフェニ
ル)−2−シアノ−2−〔4−(2−メチルフェニル)
−2−チアゾリル〕エテニル=アクリラート、1−(2
−クロロフェニル)−2−シアノ−2−〔4−(2−メ
チルフェニル)−2−チアゾリル〕エテニル=メタクリ
ラート、1−(2−クロロフェニル)−2−シアノ−2
−〔4−(2−メチルフェニル)−2−チアゾリル〕エ
テニル=クロトナート等を例示できる。
【0013】一般式(化3)で示される本発明化合物
は、例えば下記フロー(化4)に示すように、塩基の存
在下、対応するエテニルアルコール(I)と対応する酸
ハロゲン化物(II)とを不活性溶媒中で反応させるこ
とにより製造できる。
は、例えば下記フロー(化4)に示すように、塩基の存
在下、対応するエテニルアルコール(I)と対応する酸
ハロゲン化物(II)とを不活性溶媒中で反応させるこ
とにより製造できる。
【0014】
【化4】 (式中、R、X、Y、およびnは前記と同じ意味を示
し、Aはハロゲン原子を示す。)
し、Aはハロゲン原子を示す。)
【0015】本発明化合物の製造において使用するエテ
ニルアルコール(I)は、特開平7−300402号公
報および特開昭55−154963号公報に記載の方法
に従い、対応するチアゾリルアセトニトリルと対応する
酸ハロゲン化物とを不活性溶媒中で反応させることによ
って、これら公報に記載の化合物の互変異性体として製
造できる。エテニルアルコール(I)の具体例として
は、1−(2−クロロフェニル)−2−シアノ−2−
(4−フェニル−2−チアゾリル)エテニルアルコー
ル、1−(2−ブロモフェニル)−2−シアノ−2−
(4−フェニル−2−チアゾリル)エテニルアルコー
ル、1−(2−クロロフェニル)−2−シアノ−2−
(4−t−ブチル−2−チアゾリル)エテニルアルコー
ル、1−(2−クロロフェニル)−2−シアノ−2−
〔4−(2−メチルフェニル)−2−チアゾリル〕エテ
ニルアルコール、1−(2−ブロモフェニル)−2−シ
アノ−2−(4−t−ブチル−2−チアゾリル)エテニ
ルアルコール等を例示できる。
ニルアルコール(I)は、特開平7−300402号公
報および特開昭55−154963号公報に記載の方法
に従い、対応するチアゾリルアセトニトリルと対応する
酸ハロゲン化物とを不活性溶媒中で反応させることによ
って、これら公報に記載の化合物の互変異性体として製
造できる。エテニルアルコール(I)の具体例として
は、1−(2−クロロフェニル)−2−シアノ−2−
(4−フェニル−2−チアゾリル)エテニルアルコー
ル、1−(2−ブロモフェニル)−2−シアノ−2−
(4−フェニル−2−チアゾリル)エテニルアルコー
ル、1−(2−クロロフェニル)−2−シアノ−2−
(4−t−ブチル−2−チアゾリル)エテニルアルコー
ル、1−(2−クロロフェニル)−2−シアノ−2−
〔4−(2−メチルフェニル)−2−チアゾリル〕エテ
ニルアルコール、1−(2−ブロモフェニル)−2−シ
アノ−2−(4−t−ブチル−2−チアゾリル)エテニ
ルアルコール等を例示できる。
【0016】本発明化合物の製造において使用する酸ハ
ロゲン化物(II)としては、炭素数3〜10のアルカ
ン酸または炭素数3〜10のアルケン酸のハライドであ
ればよく、具体的にはデカノイルクロリド、カプロイル
クロリド、イソブチリルクロリド、イソブチリルブロミ
ド、ピバロイルクロリド、エナンチルクロリド、アクリ
ロイルクロリド、メタクリロイルクロリド、クロトニル
クロリド等が挙げられる。その使用量は、エテニルアル
コール(I)1モルに対して通常1.0〜1.5モル、
好ましくは1.01〜1.20モルの範囲であればよ
い。
ロゲン化物(II)としては、炭素数3〜10のアルカ
ン酸または炭素数3〜10のアルケン酸のハライドであ
ればよく、具体的にはデカノイルクロリド、カプロイル
クロリド、イソブチリルクロリド、イソブチリルブロミ
ド、ピバロイルクロリド、エナンチルクロリド、アクリ
ロイルクロリド、メタクリロイルクロリド、クロトニル
クロリド等が挙げられる。その使用量は、エテニルアル
コール(I)1モルに対して通常1.0〜1.5モル、
好ましくは1.01〜1.20モルの範囲であればよ
い。
【0017】本発明化合物の製造において使用する塩基
としては、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の無
機塩基、トリエチルアミン、ピリジン等の有機塩基を挙
げることができる。その使用量はエテニルアルコール
(I)1モルに対して通常1.0〜2.0モル、好まし
くは1.2〜1.7モルの範囲であればよい。
としては、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の無
機塩基、トリエチルアミン、ピリジン等の有機塩基を挙
げることができる。その使用量はエテニルアルコール
(I)1モルに対して通常1.0〜2.0モル、好まし
くは1.2〜1.7モルの範囲であればよい。
【0018】本発明化合物の製造において使用する溶媒
としては、当反応において原料その他に対して不活性な
溶媒であればよく、具体的には例えばトルエン、キシレ
ン等に代表される芳香族炭化水素系溶媒、n−ヘキサ
ン、シクロヘキサン等に代表される脂肪族炭化水素系溶
媒、クロロホルム、クロロベンゼン等に代表されるハロ
ゲン化炭化水素系溶媒、アセトン、メチルイソブチルケ
トン等に代表されるケトン系溶媒が挙げられる。その使
用量はエテニルアルコール(I)1モルに対して通常は
0.3〜3l、好ましくは0.5〜2lの範囲であれば
よい。
としては、当反応において原料その他に対して不活性な
溶媒であればよく、具体的には例えばトルエン、キシレ
ン等に代表される芳香族炭化水素系溶媒、n−ヘキサ
ン、シクロヘキサン等に代表される脂肪族炭化水素系溶
媒、クロロホルム、クロロベンゼン等に代表されるハロ
ゲン化炭化水素系溶媒、アセトン、メチルイソブチルケ
トン等に代表されるケトン系溶媒が挙げられる。その使
用量はエテニルアルコール(I)1モルに対して通常は
0.3〜3l、好ましくは0.5〜2lの範囲であれば
よい。
【0019】当反応の反応温度は、0℃〜溶媒系の還流
温度、好ましくは10〜100℃の範囲である。
温度、好ましくは10〜100℃の範囲である。
【0020】本発明化合物は漁網防汚剤用として一般に
用いられる溶剤(例えばキシレン)に対する溶解性が高
いという性質を有している。
用いられる溶剤(例えばキシレン)に対する溶解性が高
いという性質を有している。
【0021】次に、本発明の漁網防汚剤について説明す
る。
る。
【0022】本発明の漁網防汚剤は一般式(化3)で表
される本発明化合物の少なくとも1種を含有するもの
で、他の成分として漁網防汚剤用として一般に用いられ
る溶剤、塗膜形成樹脂からなり、必要であるならば、有
効成分の海水への溶出を制御するための各種添加剤、フ
ジツボ以外の水棲生物の付着防止に有効な有機薬剤を配
合することもできる。但し、塗膜形成樹脂、各種添加
剤、有機薬剤は全て漁網防汚剤用として一般に用いられ
る溶剤に溶解するものである。
される本発明化合物の少なくとも1種を含有するもの
で、他の成分として漁網防汚剤用として一般に用いられ
る溶剤、塗膜形成樹脂からなり、必要であるならば、有
効成分の海水への溶出を制御するための各種添加剤、フ
ジツボ以外の水棲生物の付着防止に有効な有機薬剤を配
合することもできる。但し、塗膜形成樹脂、各種添加
剤、有機薬剤は全て漁網防汚剤用として一般に用いられ
る溶剤に溶解するものである。
【0023】本発明の漁網防汚剤に用いられる溶剤とし
ては、芳香族炭化水素系溶媒、好ましくはキシレンを例
示できる。必要に応じて、これにプロパノール、ブタノ
ール等のアルコール類や、メチルイソブチルケトン等の
ケトン類を混合したものも使用できるが、その場合は全
溶剤中のアルコール類やケトン類を5重量%以下とする
のが好ましい。
ては、芳香族炭化水素系溶媒、好ましくはキシレンを例
示できる。必要に応じて、これにプロパノール、ブタノ
ール等のアルコール類や、メチルイソブチルケトン等の
ケトン類を混合したものも使用できるが、その場合は全
溶剤中のアルコール類やケトン類を5重量%以下とする
のが好ましい。
【0024】本発明の漁網防汚剤に用いる一般式(化
3)で表される本発明化合物と前記溶媒の使用量の比
(本発明化合物重量/溶媒重量)は、(0.5〜20)
g/100g、好ましくは(1〜10)g/100gと
すればよい。
3)で表される本発明化合物と前記溶媒の使用量の比
(本発明化合物重量/溶媒重量)は、(0.5〜20)
g/100g、好ましくは(1〜10)g/100gと
すればよい。
【0025】本発明の漁網防汚剤に用いられる塗膜形成
樹脂としては、上記溶剤系に溶解するものであれば特に
制限はなく、例示すれば、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹
脂、スチレン−ブタジエン樹脂、ブテン樹脂、シリコー
ン樹脂等の合成樹脂、ロジン等の天然樹脂、クマロン樹
脂等の石油系樹脂などが挙げられ、これらの中から2種
以上を混合して用いることも差し支えない。使用量は樹
脂の種類にもより一概には云えないが、漁網防汚剤10
0重量部に対して1〜30重量部、好ましくは3〜20
重量部の範囲とすることができる。
樹脂としては、上記溶剤系に溶解するものであれば特に
制限はなく、例示すれば、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹
脂、スチレン−ブタジエン樹脂、ブテン樹脂、シリコー
ン樹脂等の合成樹脂、ロジン等の天然樹脂、クマロン樹
脂等の石油系樹脂などが挙げられ、これらの中から2種
以上を混合して用いることも差し支えない。使用量は樹
脂の種類にもより一概には云えないが、漁網防汚剤10
0重量部に対して1〜30重量部、好ましくは3〜20
重量部の範囲とすることができる。
【0026】本発明の漁網防汚剤に必要に応じて用いら
れる各種添加剤としては、上記溶剤に溶解するものであ
れば特に制限はなく、例示すれば塩素化パラフィン、ワ
セリン、流動パラフィン、変性シリコーンオイルなどが
挙げられる。使用量は、添加剤の種類にもより一概には
云えないが、漁網防汚剤100重量部に対して0.1〜
20重量部、好ましくは0.5〜10重量部の範囲とす
ることができる。
れる各種添加剤としては、上記溶剤に溶解するものであ
れば特に制限はなく、例示すれば塩素化パラフィン、ワ
セリン、流動パラフィン、変性シリコーンオイルなどが
挙げられる。使用量は、添加剤の種類にもより一概には
云えないが、漁網防汚剤100重量部に対して0.1〜
20重量部、好ましくは0.5〜10重量部の範囲とす
ることができる。
【0027】本発明の漁網防汚剤に必要に応じて用いら
れる、フジツボ以外の水棲生物の付着防止に有効な有機
薬剤としては、上記溶剤に5℃において1重量%以上溶
解するものであれば特に制限はなく、例示すれば、2,
3−ジクロロ−N−(2’,6’−ジエチルフェニル)
マレイミド、2,3−ジクロロ−N−(2’−エチル−
6’−メチルフェニル)マレイミド、N−(2,4,6
−トリクロロフェニル)マレイミド等の置換フェニルマ
レイミド類、テトラエチルチウラムジスルフィド、テト
ラクロロイソフタロニトリル、2−チオシアノメチルチ
オベンゾチアゾール、3,4−ジクロロフェニルイソチ
オシアネート、4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−
3(2H)イソチアゾロン等を挙げることができる。こ
れらの有機薬剤は1種または2種以上を使用しても差し
支えない。使用量は用いる有機薬剤の種類にもより一概
には云えないが、漁網防汚剤100重量部に対して1〜
30重量部、好ましくは2〜20重量部の範囲とするこ
とができる。
れる、フジツボ以外の水棲生物の付着防止に有効な有機
薬剤としては、上記溶剤に5℃において1重量%以上溶
解するものであれば特に制限はなく、例示すれば、2,
3−ジクロロ−N−(2’,6’−ジエチルフェニル)
マレイミド、2,3−ジクロロ−N−(2’−エチル−
6’−メチルフェニル)マレイミド、N−(2,4,6
−トリクロロフェニル)マレイミド等の置換フェニルマ
レイミド類、テトラエチルチウラムジスルフィド、テト
ラクロロイソフタロニトリル、2−チオシアノメチルチ
オベンゾチアゾール、3,4−ジクロロフェニルイソチ
オシアネート、4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−
3(2H)イソチアゾロン等を挙げることができる。こ
れらの有機薬剤は1種または2種以上を使用しても差し
支えない。使用量は用いる有機薬剤の種類にもより一概
には云えないが、漁網防汚剤100重量部に対して1〜
30重量部、好ましくは2〜20重量部の範囲とするこ
とができる。
【0028】
【発明の効果】本発明によりフジツボに対しての防汚効
果が高く、溶剤(一般にはキシレン)に対する溶解性も
高い化合物が提供される。また、本発明化合物を用いる
ことにより、フジツボに対しても卓越した付着防止効果
を示し、かつ全ての成分が溶剤に溶解し、作業性や保存
性に優れた漁網防汚剤が提供される。
果が高く、溶剤(一般にはキシレン)に対する溶解性も
高い化合物が提供される。また、本発明化合物を用いる
ことにより、フジツボに対しても卓越した付着防止効果
を示し、かつ全ての成分が溶剤に溶解し、作業性や保存
性に優れた漁網防汚剤が提供される。
【0029】
【実施例】以下に、(合成例)、(生物活性試験例)、
(溶解性試験例)、(漁網防汚剤処方例)および(漁網
防汚剤浸漬試験例)により本発明をさらに具体的に説明
するが、本発明はこれら実施例によりなんら限定される
ものではない。
(溶解性試験例)、(漁網防汚剤処方例)および(漁網
防汚剤浸漬試験例)により本発明をさらに具体的に説明
するが、本発明はこれら実施例によりなんら限定される
ものではない。
【0030】(合成例1)攪拌機、温度計、ジムロート
および滴下ロートを備えた1l四ツ口反応フラスコに、
1−(2−クロロフェニル)−2−シアノ−2−(4−
フェニル−2−チアゾリル)エテニルアルコール16
9.3g、炭酸ナトリウム79.5g、アセトン500
gを加え、室温で攪拌した。室温にて、プロピオニルク
ロリド50.9gを1時間で滴下した。滴下終了後、同
温度にて3時間攪拌を続けた。反応混合物を水3lにあ
け、20分間攪拌した。析出した褐色結晶をろ過、水
洗、乾燥し、152.5gの1−(2−クロロフェニ
ル)−2−シアノ−2−(4−フェニル−2−チアゾリ
ル)エテニル=プロピオナートを得た。〔純度99.2
%(高速液体クロマトグラフィー、全面積法)、融点;
139〜142℃〕
および滴下ロートを備えた1l四ツ口反応フラスコに、
1−(2−クロロフェニル)−2−シアノ−2−(4−
フェニル−2−チアゾリル)エテニルアルコール16
9.3g、炭酸ナトリウム79.5g、アセトン500
gを加え、室温で攪拌した。室温にて、プロピオニルク
ロリド50.9gを1時間で滴下した。滴下終了後、同
温度にて3時間攪拌を続けた。反応混合物を水3lにあ
け、20分間攪拌した。析出した褐色結晶をろ過、水
洗、乾燥し、152.5gの1−(2−クロロフェニ
ル)−2−シアノ−2−(4−フェニル−2−チアゾリ
ル)エテニル=プロピオナートを得た。〔純度99.2
%(高速液体クロマトグラフィー、全面積法)、融点;
139〜142℃〕
【0031】(合成例2)攪拌機、温度計、ジムロート
および滴下ロートを備えた200ml四ツ口反応フラス
コに、1−(2−クロロフェニル)−2−シアノ−2−
(4−フェニル−2−チアゾリル)エテニルアルコール
16.9g、炭酸ナトリウム8.0g、アセトン50g
を加え、室温で攪拌した。室温にて、エナンチルクロリ
ド8.9gを10分間で滴下した。滴下終了後、同温度
にて3時間攪拌を続けた。反応混合物を水500mlにあ
け、10分間攪拌した。析出した褐色結晶をトルエン、
ヘキサン混合溶媒で再結晶し、10.4gの1−(2−
クロロフェニル)−2−シアノ−2−(4−フェニル−
2−チアゾリル)エテニル=エナンタートを得た。〔純
度98.0%(高速液体クロマトグラフィー、全面積
法)、融点:104〜107℃〕
および滴下ロートを備えた200ml四ツ口反応フラス
コに、1−(2−クロロフェニル)−2−シアノ−2−
(4−フェニル−2−チアゾリル)エテニルアルコール
16.9g、炭酸ナトリウム8.0g、アセトン50g
を加え、室温で攪拌した。室温にて、エナンチルクロリ
ド8.9gを10分間で滴下した。滴下終了後、同温度
にて3時間攪拌を続けた。反応混合物を水500mlにあ
け、10分間攪拌した。析出した褐色結晶をトルエン、
ヘキサン混合溶媒で再結晶し、10.4gの1−(2−
クロロフェニル)−2−シアノ−2−(4−フェニル−
2−チアゾリル)エテニル=エナンタートを得た。〔純
度98.0%(高速液体クロマトグラフィー、全面積
法)、融点:104〜107℃〕
【0032】(合成例3)攪拌機、温度計、ジムロート
および滴下ロートを備えた200ml四ツ口反応フラス
コに、1−(2−クロロフェニル)−2−シアノ−2−
(4−フェニル−2−チアゾリル)エテニルアルコール
16.9g、炭酸カリウム11.0g、アセトン80g
を加え、室温で攪拌した。室温にて、イソブチリルクロ
リド6.4gを10分間で滴下した。滴下終了後、同温
度にて3時間攪拌を続けた。反応混合物を水600ml
にあけ、10分間攪拌した。析出した褐色結晶をトルエ
ンで再結晶し、9.4gの1−(2−クロロフェニル)
−2−シアノ−2−(4−フェニル−2−チアゾリル)
エテニル=イソブチラートを得た。〔純度98.1%
(高速液体クロマトグラフィー、全面積法)、融点;1
30〜132℃〕
および滴下ロートを備えた200ml四ツ口反応フラス
コに、1−(2−クロロフェニル)−2−シアノ−2−
(4−フェニル−2−チアゾリル)エテニルアルコール
16.9g、炭酸カリウム11.0g、アセトン80g
を加え、室温で攪拌した。室温にて、イソブチリルクロ
リド6.4gを10分間で滴下した。滴下終了後、同温
度にて3時間攪拌を続けた。反応混合物を水600ml
にあけ、10分間攪拌した。析出した褐色結晶をトルエ
ンで再結晶し、9.4gの1−(2−クロロフェニル)
−2−シアノ−2−(4−フェニル−2−チアゾリル)
エテニル=イソブチラートを得た。〔純度98.1%
(高速液体クロマトグラフィー、全面積法)、融点;1
30〜132℃〕
【0033】(合成例4)攪拌機、温度計、ジムロート
および滴下ロートを備えた200ml四ツ口反応フラス
コに、1−(2−クロロフェニル)−2−シアノ−2−
(4−フェニル−2−チアゾリル)エテニルアルコール
16.9g、炭酸カリウム11.0g、アセトン80g
を加え、室温で攪拌した。室温にて、ピバロイルクロリ
ド7.2gを10分間で滴下した。滴下終了後、同温度
にて3時間攪拌を続けた。反応混合物を水600mlに
あけ、10分間攪拌した。析出した褐色粘稠物をトルエ
ン、ヘキサン混合溶媒で再結晶し、13.3gの1−
(2−クロロフェニル)−2−シアノ−2−(4−フェ
ニル−2−チアゾリル)エテニル=ピバラートを得た。
〔純度99.1%(高速液体クロマトグラフィー、全面
積法)、融点;135〜137℃〕
および滴下ロートを備えた200ml四ツ口反応フラス
コに、1−(2−クロロフェニル)−2−シアノ−2−
(4−フェニル−2−チアゾリル)エテニルアルコール
16.9g、炭酸カリウム11.0g、アセトン80g
を加え、室温で攪拌した。室温にて、ピバロイルクロリ
ド7.2gを10分間で滴下した。滴下終了後、同温度
にて3時間攪拌を続けた。反応混合物を水600mlに
あけ、10分間攪拌した。析出した褐色粘稠物をトルエ
ン、ヘキサン混合溶媒で再結晶し、13.3gの1−
(2−クロロフェニル)−2−シアノ−2−(4−フェ
ニル−2−チアゾリル)エテニル=ピバラートを得た。
〔純度99.1%(高速液体クロマトグラフィー、全面
積法)、融点;135〜137℃〕
【0034】(合成例5)撹拌機、温度計、ジムロート
および滴下ロートを備えた500ml四ツ口反応フラス
コに、1−(2−クロロフェニル)−2−シアノ−2−
(4−フェニル−2−チアゾリル)エテニルアルコール
67.7g、炭酸ナトリウム31.8g、アセトン25
0gを加え、室温で撹拌した。室温にて、アクリロイル
クロリド19.9gを30分間で滴下した。滴下終了
後、同温度にて2時間撹拌を続けた。反応混合物を、水
1.5lにあけ、30分間攪拌した。析出した褐色結晶
をトルエン500mlに溶解し、300mlの水で3回
水洗した。トルエンを濃縮し、析出した淡黄色結晶をろ
過乾燥し、42gの1−(2−クロロフェニル)−2−
シアノ−2−(4−フェニル−2−チアゾリル)エテニ
ル=アクリラートを得た。〔純度99.0%(高速液体
クロマトグラフィー、全面積法)、融点;128〜12
9℃〕
および滴下ロートを備えた500ml四ツ口反応フラス
コに、1−(2−クロロフェニル)−2−シアノ−2−
(4−フェニル−2−チアゾリル)エテニルアルコール
67.7g、炭酸ナトリウム31.8g、アセトン25
0gを加え、室温で撹拌した。室温にて、アクリロイル
クロリド19.9gを30分間で滴下した。滴下終了
後、同温度にて2時間撹拌を続けた。反応混合物を、水
1.5lにあけ、30分間攪拌した。析出した褐色結晶
をトルエン500mlに溶解し、300mlの水で3回
水洗した。トルエンを濃縮し、析出した淡黄色結晶をろ
過乾燥し、42gの1−(2−クロロフェニル)−2−
シアノ−2−(4−フェニル−2−チアゾリル)エテニ
ル=アクリラートを得た。〔純度99.0%(高速液体
クロマトグラフィー、全面積法)、融点;128〜12
9℃〕
【0035】(合成例6)撹拌機、温度計、ジムロート
および滴下ロートを備えた500ml四ツ口反応フラス
コに、1−(2−クロロフェニル)−2−シアノ−2−
(4−フェニル−2−チアゾリル)エテニルアルコール
67.7g、炭酸ナトリウム31.8g、アセトン25
0gを加え、室温で撹拌した。室温にて、メタクリロイ
ルクロリド23.0gを30分間で滴下した。滴下終了
後、同温度にて3時間撹拌を続けた。反応混合物を、水
1.5lにあけ、30分間攪拌した。析出した褐色粘稠
物をトルエン500mlに溶解し、300mlの水で3
回水洗した。トルエンを濃縮し、析出した淡黄色結晶を
ろ過乾燥し、46.5gの1−(2−クロロフェニル)
−2−シアノ−2−(4−フェニル−2−チアゾリル)
エテニル=メタクリラートを得た。〔純度99.1%
(高速液体クロマトグラフィー、全面積法)、融点12
5〜127℃〕
および滴下ロートを備えた500ml四ツ口反応フラス
コに、1−(2−クロロフェニル)−2−シアノ−2−
(4−フェニル−2−チアゾリル)エテニルアルコール
67.7g、炭酸ナトリウム31.8g、アセトン25
0gを加え、室温で撹拌した。室温にて、メタクリロイ
ルクロリド23.0gを30分間で滴下した。滴下終了
後、同温度にて3時間撹拌を続けた。反応混合物を、水
1.5lにあけ、30分間攪拌した。析出した褐色粘稠
物をトルエン500mlに溶解し、300mlの水で3
回水洗した。トルエンを濃縮し、析出した淡黄色結晶を
ろ過乾燥し、46.5gの1−(2−クロロフェニル)
−2−シアノ−2−(4−フェニル−2−チアゾリル)
エテニル=メタクリラートを得た。〔純度99.1%
(高速液体クロマトグラフィー、全面積法)、融点12
5〜127℃〕
【0036】(生物活性試験例1〜6)ろ過滅菌した天
然海水中で孵化したタテジマフジツボのヌープリウス幼
生を、珪藻を餌料として付着期幼生であるキプリス幼生
へ馴養し、この幼生10個体をろ過滅菌した天然海水4
lと共に直径3cmのシャーレに入れた。本発明化合物
10mgをシクロヘキサノンとツイーン80(花王アト
ラス社の商品)からなる乳化剤で1gの乳剤として、人
工海水で所定の濃度に希釈し、得られた希釈液1mlを
上記試験用シャーレに添加した。シャーレは20℃の恒
温室に静置し、24時間後の死亡個体数を調べた。この
試験を3回繰り返し、所定濃度でのタテジマフジツボの
死亡率を求めた結果を(表1)に示した。
然海水中で孵化したタテジマフジツボのヌープリウス幼
生を、珪藻を餌料として付着期幼生であるキプリス幼生
へ馴養し、この幼生10個体をろ過滅菌した天然海水4
lと共に直径3cmのシャーレに入れた。本発明化合物
10mgをシクロヘキサノンとツイーン80(花王アト
ラス社の商品)からなる乳化剤で1gの乳剤として、人
工海水で所定の濃度に希釈し、得られた希釈液1mlを
上記試験用シャーレに添加した。シャーレは20℃の恒
温室に静置し、24時間後の死亡個体数を調べた。この
試験を3回繰り返し、所定濃度でのタテジマフジツボの
死亡率を求めた結果を(表1)に示した。
【0037】
【表1】
【0038】(生物活性無処理試験例)本発明化合物を
用いなかった以外は(生物活性試験例1〜6)と同様に
して死亡率を求める試験を行い、(表1)に(無処理試
験例)として結果を示した。
用いなかった以外は(生物活性試験例1〜6)と同様に
して死亡率を求める試験を行い、(表1)に(無処理試
験例)として結果を示した。
【0039】(生物活性比較試験例)本発明化合物の代
わりに酸化ビス(トリブチルスズ)〔bis(tributyltin)
oxide;以下、単に「TBTO」と略記することがあ
る。〕を試験化合物として用いた以外は(生物活性試験
例1〜6)と同様にして死亡率を求める試験を行ない、
(表1)に(活性比較試験)として結果を示した。
わりに酸化ビス(トリブチルスズ)〔bis(tributyltin)
oxide;以下、単に「TBTO」と略記することがあ
る。〕を試験化合物として用いた以外は(生物活性試験
例1〜6)と同様にして死亡率を求める試験を行ない、
(表1)に(活性比較試験)として結果を示した。
【0040】(溶解性試験例1〜6)本発明化合物を一
旦キシレンに所定濃度まで加熱溶解した後、5℃の冷蔵
庫に60日間保存して、その時点(5℃/60日経過
後)での溶解性を調べた。その結果を(表2)にキシレ
ン100重量部に溶解していた化合物の重量部で示し
た。
旦キシレンに所定濃度まで加熱溶解した後、5℃の冷蔵
庫に60日間保存して、その時点(5℃/60日経過
後)での溶解性を調べた。その結果を(表2)にキシレ
ン100重量部に溶解していた化合物の重量部で示し
た。
【0041】
【表2】
【0042】(溶解性比較試験例1〜3)(溶解性試験
例1〜6)と同様にして、特開平7−300402号公
報および特開昭55−154962号公報に記載の化合
物の溶解性を調べ(表2)に(比較試験例1〜3)とし
て結果を示した。
例1〜6)と同様にして、特開平7−300402号公
報および特開昭55−154962号公報に記載の化合
物の溶解性を調べ(表2)に(比較試験例1〜3)とし
て結果を示した。
【0043】(漁網防汚剤処方例)(合成例1)の化合
物を用い漁網防汚剤を製造した。(表3)に配合成分、
配合量(%)を示した。
物を用い漁網防汚剤を製造した。(表3)に配合成分、
配合量(%)を示した。
【0044】
【表3】
【0045】(漁網防汚剤浸漬試験例)(漁網防汚剤処
方例)で製造した漁網防汚剤をポリエチレン製の10節
ハイゼックス網を50cm四方に切断したものに処理し
た。これを尾鷲湾の水面下1.5mに浸漬し3ヶ月後の
フジツボの付着状況を観察した結果を(表4)に示し
た。
方例)で製造した漁網防汚剤をポリエチレン製の10節
ハイゼックス網を50cm四方に切断したものに処理し
た。これを尾鷲湾の水面下1.5mに浸漬し3ヶ月後の
フジツボの付着状況を観察した結果を(表4)に示し
た。
【0046】
【表4】
【0047】(漁網防汚剤比較浸漬試験例)(漁網防汚
剤処方例)から(合成例1)の化合物をキシレンに置き
換えた漁網防汚剤を製造し、(漁網防汚剤浸漬試験例)
と同様の試験を行なった結果を(表4)に示した。
剤処方例)から(合成例1)の化合物をキシレンに置き
換えた漁網防汚剤を製造し、(漁網防汚剤浸漬試験例)
と同様の試験を行なった結果を(表4)に示した。
Claims (3)
- 【請求項1】一般式 【化1】 (式中、Rは炭素数2〜9の直鎖または分岐鎖のアルキ
ル基、または炭素数2〜9の直鎖または分岐鎖のアルケ
ニル基を示し、Yは低級アルキル基、またはハロゲン原
子および/または低級アルキル基で置換されていてもよ
いフェニル基を示し、Xはハロゲン原子を示し、nは1
〜5の整数を示し、nが2以上のとき、Xは同一または
相異なっていてもよい。)で表される化合物。 - 【請求項2】請求項1に記載の化合物の少なくとも1種
を含有する漁網防汚剤。 - 【請求項3】一般式 【化2】 〔式中、Rは炭素数2〜9の直鎖または分岐鎖のアルキ
ル基、または炭素数2〜9の直鎖または分岐鎖のアルケ
ニル基(但し、エテニル基及び1−メチルエテニル基を
除く。)を示し、Yは低級アルキル基、またはハロゲン
原子および/または低級アルキル基で置換されていても
よいフェニル基を示し、Xはハロゲン原子を示し、nは
1〜5の整数を示し、nが2以上のとき、Xは同一また
は相異なっていてもよい。〕で表される化合物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11886497A JPH10298169A (ja) | 1997-04-22 | 1997-04-22 | 漁網防汚剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11886497A JPH10298169A (ja) | 1997-04-22 | 1997-04-22 | 漁網防汚剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10298169A true JPH10298169A (ja) | 1998-11-10 |
Family
ID=14747025
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11886497A Pending JPH10298169A (ja) | 1997-04-22 | 1997-04-22 | 漁網防汚剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10298169A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2001068589A1 (fr) * | 2000-03-17 | 2001-09-20 | Nippon Soda Co.,Ltd. | Composes acrylonitrile et agents pesticides |
EP1114820A4 (en) * | 1998-09-17 | 2005-01-19 | Nippon Soda Co | THIAZOLYLCINNAMONITRILES AND PEST CONTROL AGENTS |
-
1997
- 1997-04-22 JP JP11886497A patent/JPH10298169A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1114820A4 (en) * | 1998-09-17 | 2005-01-19 | Nippon Soda Co | THIAZOLYLCINNAMONITRILES AND PEST CONTROL AGENTS |
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