JPH10297124A - 熱転写記録媒体 - Google Patents

熱転写記録媒体

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JPH10297124A
JPH10297124A JP9108613A JP10861397A JPH10297124A JP H10297124 A JPH10297124 A JP H10297124A JP 9108613 A JP9108613 A JP 9108613A JP 10861397 A JP10861397 A JP 10861397A JP H10297124 A JPH10297124 A JP H10297124A
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lubricating layer
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐熱性、耐走行摩擦性及び保存特性において優
れた熱転写性記録媒体を提供する。 【解決手段】 支持体の一方の面上に熱転写性インク層
を有し、支持体の他方の面上に耐熱潤滑層を有する熱転
写記録媒体において、該耐熱潤滑層がポリアミドイミド
樹脂と潤滑剤からなり、該潤滑剤はポリアミドイミド樹
脂に対して0.1〜20重量%含有することを特徴とす
る熱転写記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は支持体の一方の面上
に熱転写性インク層が設けられ、他方の面上に耐熱潤滑
層が設けられている熱転写記録媒体に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、ポリエチレンテレフタレート
等の支持体の一方の面上に熱転写性インク層を設けた熱
転写記録媒体を支持体の背面からサーマルヘッドで加熱
して、熱溶融性のインク層を転写させたり(溶融転写
型)、昇華性のインクを昇華させる(昇華転写型)こと
により受容体上に印像を形成する熱転写記録方法が広く
利用されている。前記熱転写記録媒体においては、サー
マルヘッドと摺接する支持体の背面に耐熱性樹脂あるい
はこれに滑剤を混合したものから構成される耐熱潤滑層
を設けてサーマルヘッドが支持体に融着するのを防止す
ることが行われている。例えば、熱転写記録媒体の耐熱
潤滑層に関しては、「ベースフィルムおよび該フィルム
の上面に設けられた熱溶融性インク層からなる感熱転写
材において、前記ベースフィルムの下面にシリコーン樹
脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、フ
ッ素樹脂、ポリイミド樹脂およびニトロセルロースより
なる群から選ばれた1種からなる耐熱性保護膜を設けた
ことを特徴とする感熱転写材。」(特公昭58−133
59号公報)、「プラスチックフィルムの一方の面に熱
転写層を設け、もう一方の面に耐熱樹脂層を設けた感熱
転写材において、耐熱樹脂層が、ポリスルホン、ポリエ
ーテルスルホン、ポリアリレートおよびポリエーテルイ
ミドから選ばれたガラス転移点150℃以上の耐熱性樹
脂と潤滑剤または界面活性剤を含有する溶液を塗布して
設置されていることを特徴とする感熱転写材。」(特公
平5−71397号公報)、「プラスチックフィルムの
一方の面に下記式で示される溶液に可溶なポリイミド系
樹脂の溶液を塗布、乾燥して耐熱性樹脂層を設け、もう
一方の面に熱転写層を設けることを特徴とする熱転写材
の製造方法。」(特公平5−71398号公報)
【0003】
【化1】
【0004】及び「ポリエステルフィルムの少なくとも
片面に、ガラス転移温度が120℃以上であって、イソ
ホロン残基と炭素数が2から10の脂肪族ジカルポン酸
を含有し、アルコール系溶剤に可溶であるポリアミドイ
ミド樹脂がコーティングされていることを特徴とする熱
転写リボン」(特開平8−244369号公報)等の開
示がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術では、耐
熱性の問題はクリアできたとしても、熱転写記録媒体と
しての走行摩擦係数および保存特性(特に、高温高湿保
存後におけるブロッキング特性)において問題が残っ
た。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の問題点を解決すべ
く、本発明者らは鋭意検討の結果、耐熱潤滑層がポリア
ミドイミド樹脂と潤滑剤とからなり、ポリアミドイミド
樹脂に対して潤滑剤を特定の割合で含有するものからな
るものを採用するとき熱転写記録媒体として充分な特性
を有するものが得られ、上記の問題点が解決できること
を見いだし、本発明に到達した。即ち、本発明は、
(1)支持体の一方の面上に熱転写性インク層を有し、
支持体の他方の面上に耐熱潤滑層を有する熱転写記録媒
体において、該耐熱潤滑層がポリアミドイミド樹脂と潤
滑剤からなり、該潤滑剤はポリアミドイミド樹脂に対し
て0.1〜20重量%含有することを特徴とする熱転写
記録媒体に関する。そして更に本発明は(2)前記潤滑
剤が、シリコーンオイル、高級脂肪酸、高級脂肪酸エス
テル、各種界面活性剤、あるいはフッ素系化合物からな
る前記(1)記載の熱転写記録媒体、及び(3)熱転写
性インク層と支持体の間にアンダーコート層を有する前
記(1)又は(2)記載の熱転写記録媒体に関する。以
下に本発明を詳細に説明する。本発明は、支持体の一方
の面上に少なくとも熱転写性インク層を有し、他方の面
上に耐熱潤滑層を有する熱転写記録媒体に適用される。
このような構成例を図1に示す。図1(a)に示す熱転
写記録媒体では、支持体1の一方の面上に熱転写性イン
ク層2が設けられており、他方の面上に耐熱潤滑層3が
設けられている。熱転写性インク層2は必要に応じて単
層であっても2層以上の多層で構成されていてもよい。
図1(b)には熱転写性インク層2と支持体1の間にア
ンダーコート層4を設けた熱転写記録媒体の構成を示
す。 〈耐熱潤滑層〉本発明の耐熱潤滑層にはポリアミドイミ
ド樹脂及び潤滑剤を含有する。本発明の耐熱潤滑層に用
いられるポリアミドイミド樹脂は溶融重合法、溶液重合
法等いずれの重合方法によっても製造できる。溶液重合
法の場合、酸クロリド法、直接重合法、イソシアネート
法等通常の方法で重合できるが、工業的に有利なイソシ
アネート法の場合、イソホロンジイソシアネートを必須
成分とするジイソシアネートの1種あるいは2種以上と
脂肪族ジカルボン酸、および/または芳香族多価カルボ
ン酸の1種あるいは2種以上とを有機溶媒中200℃以
下の温度で互いに反応させて得られる。前記脂肪族ジカ
ルボン酸としては、炭素数が2〜10の脂肪族ジカルボ
ン酸、特にアジピン酸、アゼライン酸が好ましい。前記
芳香族多価カルボン酸としては、トリメリット酸、ピロ
メリット酸、ナフタレン−1,2,4−トリカルボン酸
およびこれらの無水物が好ましい。また、シクロヘキサ
ンジカルボン酸のような脂環族ジカルボン酸も使用可能
である。反応に使用される有機極性溶媒としては、ジエ
チレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコ
ールジエチルエーテル等のエーテル類、シクロヘキサノ
ン、メチルエチルケトン等のケトン類、γ−ブチロラク
トン、酢酸ソロソルブ等のエステル類、N−メチル−2
−ピロリドン、ジメチルイミダゾリジノン、ジメチルア
セトアミド等のアミド類、キシレン、トルエン等の芳香
族炭化水素等が挙げられ、これらの単独あるいは混合物
として用いるのが望ましい。反応温度は、通常50〜2
00℃が好ましく、また反応はイソシアネートと活性水
素化合物の反応に対する触媒、例えばトリエチルアミ
ン、ルチジン、ピコリン、ウンデセン、トリエチレンジ
アミン等の3級アミン類、ナトリウムメチラート、ナト
リウムエチラート、カリウムブトキシド、フッ化ナトリ
ウム、フッ化カリウム等のアルカリ金属、アルカリ土類
金属化合物、あるいはコバルト、チタニウム、スズ、亜
鉛等金属、半金属化合物の存在下で行っても良い。本発
明では、ポリアミドイミド樹脂の末端または分子鎖中に
水酸基、カルボキシル基、エポキシ基、アミノ基、酸無
水物基を含有する多官能シリコン化合物を共重合または
変性することにより、耐熱潤滑層の走行摩擦係数の改善
に効果がある。該シリコン化合物の共重合または変性は
ポリアミドイミド樹脂の合成と同時に行っても良く、ポ
リアミドイミド樹脂の合成が終わってから行っても構わ
ない。本発明の耐熱潤滑層の必須成分である潤滑剤とし
ては、シリコーンオイル、高級脂肪酸、高級脂肪酸エス
テル、各種界面活性剤あるいはフッ素系化合物等を単独
または2種以上混合して使用できる。中でもシリコーン
オイルが最も好ましい。シリコーンオイルとしては、ジ
メチルポリシロキサンの他に、相溶性、反応性、吸着
性、潤滑性などを高めるために、種々の官能基を導入し
た各種変性シリコーンオイルを挙げることができる。具
体例としては、
【0007】
【化2】
【0008】上記式において、Xは長鎖アルキル基、芳
香族を含有するアルキル基、水酸基、水酸基を含有する
アルキル基、アミノ基、アミノ基を含有するアルキル
基、エポキシ基、ポリエーテル基、フルオロアルキル
基、カルボキシル基等を挙げることができるが、これら
化合物に限定されるものではない。また、上記式中の
m、nは粘度範囲が10〜10万csであるように調整
すればよい。高級脂肪酸あるいは高級脂肪酸エステルの
例としては、炭素数12〜24の一塩基性脂肪酸、炭素
数10〜24の一塩基性脂肪酸と炭素数2〜22の一価
から六価アルコールを原料とする連鎖、分岐、環状もし
くは多糖類還元アルコール等のいずれか一つとからなる
モノ脂肪酸エステル、ジ脂肪酸エステル、トリ脂肪酸エ
ステル等が挙げられる。これらの脂肪酸、脂肪酸エステ
ルの炭化水素基は、不飽和結合を含んでいても、分岐し
ていてもかまわない。各種界面活性剤としては、公知の
アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオ
ン系界面活性剤、両性界面活性剤を挙げることができ
る。具体的にはアニオン系界面活性剤としては、カルボ
ン酸塩、高級アルコールの硫酸エステル塩、スルホン酸
塩、高級アルコールのリン酸エステルおよびその塩等を
挙げることができる。カチオン系界面活性剤としては、
アルキルアミン塩、アシルアミン塩、第4級アンモニウ
ム塩等を挙げることができる。ノニオン系界面活性剤と
しては、アルキルポリオキシエチレンエーテル、脂肪酸
ポリオキシエチレンエステル、脂肪酸ポリオキシエチレ
ンソルビタンエステル、脂肪酸ポリオキシエチレンソル
ビトールエステル、アルキルポリオキシエチレンアミ
ン、アルキルポリオキシエチレンアミド、脂肪酸ポリグ
リセリンエステル等を挙げることができる。両性界面活
性剤としては、N−アルキルβ−アミノプロピオン酸塩
のようなアミノ酸型のもの、N−アルキルスルホベタイ
ン、N−アルキルヒドロキシスルホベタインのようなベ
タイン型のもの、あるいはレシチン等を挙げることがで
きるがこれらに限定されることはない。フッ素系化合物
として具体的には、パーフルオロアルキルカルボン酸
塩、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロ
アルキルリン酸エステル、パーフルオロアルキルEO付
加物、パーフルオロポリエーテル等を挙げることができ
るがこれらに限定されることはない。上記潤滑剤は、ポ
リアミドイミド樹脂に対して、0.1〜20重量%、好
ましくは0.5〜15重量%含有する。0.1重量%未
満でも、20重量%を超えても走行摩擦係数およびブロ
ッキング特性が悪化する。耐熱潤滑層は前記耐熱性樹
脂、潤滑剤、必要により硬化剤、他の配合剤を適宜の溶
剤に溶解、分散したものを塗布乾燥することにより形成
できる。耐熱潤滑層の厚みは、0.01〜0.5μmの
範囲、好ましくは0.01〜0.3μmの範囲が好まし
い。0.01μm未満では耐熱性が不十分であり、0.
5μmを超えると塗膜削れが発生し、サーマルヘッドへ
削れ粉が付着する。 〈溶融転写型インク層〉溶融転写型インク層は着色剤と
バインダーから構成され、加熱により軟化、溶融して被
転写体へと移行するものである。着色剤としては、カー
ボンブラック等の顔料および各種染料が使用できる。こ
れら顔料および染料は単独でも2種以上を混合して用い
てもよい。また、体質顔料や白色顔料を混合し、色調を
調節してもよい。更に、バインダーに対する分散性を改
善するために着色剤表面を界面活性剤、シランカップリ
ング剤等で処理してもよい。バインダーとしては、溶融
転写型インク層に通常用いられているワックス類あるい
は熱可塑性樹脂類を特に制限なく使用することができ
る。ワックス類としては、カルナウバワックス、キャン
デリラワックス、モンタンワックス、マイクロクリスタ
リンワックス、パラフィンワックス、木ロウ、油脂系合
成ワックス等が各種用途に合わせて使用できる。熱可塑
性樹脂類としては、ポリアミド系樹脂、アクリル系樹
脂、スチレン−アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、
ロジン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル系樹脂など公知の
ものを使用できる。上記バインダーは、着色剤100重
量部に対して、50〜500重量部含有するのが好まし
い。本発明における溶融転写型インク層形成用塗料は、
上記各成分に有機溶剤を加えて調製する。塗料調製に使
用する溶剤にとくに制限はなく、バインダーの溶解性、
相溶性、分散安定性、乾燥効率等を考慮して適宜選択す
ればよいが、例えばメチルエチルケトン、メチルイソブ
チルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、トルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素類、酢酸エチル、酢酸
ブチル等のエステル類、イソプロパノール、ブタノール
等のアルコール類、ジオキサン、テトラヒドロフラン、
ジメチルホルムアミド、ヘキサン、塩素置換炭化水素類
等の希釈剤ないし溶剤を、単一溶剤またはこれらを任意
比率で混合した混合溶剤として用いることが好ましい。
これらの有機溶剤は100%純粋である必要はなく、主
成分以外に異性体、未反応物、副反応物、分解物、酸化
物、水分等の不純物が含まれていてもかまわないが、こ
れらの不純物は好ましくは5重量%以下、より好ましく
は3重量%以下である。不純物が多いと塗料分散性、塗
料の貯蔵安定性、媒体の保存特性等に悪影響を及ぼす。
これらの有機溶剤は、塗料の粘度が塗布の段階でコーン
プレート型または二重円筒型粘度計によるシェアレート
3000sec~1において5〜100cpとなるよう
に、塗料全体の溶剤の使用割合としては、不揮発分濃度
1〜45重量%、好ましくは5〜40重量%程度となる
ように用いればよいが、その溶剤種、混合比率、使用量
は、塗料に用いられている顔料の種類、比表面積、粒子
サイズ、さらには塗料の希釈安定性等を考慮して、上記
の粘度範囲となるように適宜決定することが好ましい。
また、有機溶剤添加操作は、塗料の製造の各工程におい
て段階的に行うことが好ましく、流量規制してタンク内
に撹拌しながら順次添加したり、配管で塗料と徐々に混
合する等の操作を行うことがよい。そして、可能であれ
ば溶剤添加時または希釈時に濾過および/または分散処
理を行うことがさらに好ましい。これらの操作を行うこ
とにより、塗料の安定性が向上し、また、凝集物、異物
の発生を抑えることが可能となる。溶融転写型インク層
の厚さは、要求される転写特性を考慮して決めることが
でき、好ましい範囲は0.1〜10.0μmであり、更
に好ましくは0.3〜5.0μmである。 〈昇華転写型インク層〉昇華転写型インク層は着色剤で
ある昇華性染料と非熱転移性バインダーから構成され
る。昇華性染料は、約150〜800程度の小さい分子
量を有するものであり、熱昇華温度、色層、耐候性およ
び安定性を考慮して選択される。昇華性染料を担持する
ためのバインダー樹脂としては、染料の転移に必要な熱
量を与えても自身は転移しないものであり、従来公知の
ものがいずれも使用できる。好ましいものを例示すれ
ば、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、
エチルヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルセル
ロース、メチルセルロース、酢酸セルロース等のセルロ
ース系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、
ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリドン、ポリア
クリルアミド等のビニル系樹脂、ポリエステル等が耐熱
性、染料の移行性等の点から好ましい。本発明における
昇華転写型インク層形成用塗料も溶融転写型インク層形
成用塗料同様、上記各成分に有機溶剤を加えて調製す
る。使用される溶剤は上記溶剤と同一である。昇華転写
型インク層の厚さは、好ましい範囲は0.1〜10.0
μmであり、更に好ましくは0.2〜8.0μmであ
る。 〈アンダーコート層〉アンダーコート層は、本発明では
溶融転写型インク層と支持体との接着力を調節する役
割、すなわちサーマルヘッドによる支持体裏面からの加
熱により溶融転写型インク層の剥離性を高める役割を果
たす。アンダーコート層にはワックス類あるいは熱可塑
性樹脂類を特に制限なく使用することができる。ワック
ス類としては、カルナウバワックス、キャンデリラワッ
クス、モンタンワックス、マイクロクリスタリンワック
ス、パラフィンワックス、木ロウ、油脂系合成ワックス
等が各種用途に合わせて使用できる。熱可塑性樹脂類と
しては、ポリアミド系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン
−アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ロジン系樹
脂、エチレン−酢酸ビニル系樹脂など公知のものを使用
できる。また必要に応じて、着色顔料あるいは着色染料
も使用することができる。本発明におけるアンダーコー
ト層形成用塗料は、上記各成分に有機溶剤および/また
は水を加えて調製する。塗料調製に使用する有機溶剤に
とくに制限はなく、ワックス類あるいは樹脂類の溶解
性、相溶性、乾燥効率等を考慮して適宜選択すればよい
が、例えばメチルエチルケトン、メチルイソブチルケト
ン、シクロヘキサノン等のケトン類、トルエン、キシレ
ン等の芳香族炭化水素類、酢酸エチル、酢酸ブチル等の
エステル類、イソプロパノール、ブタノール等のアルコ
ール類、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルホ
ルムアミド、ヘキサン、塩素置換炭化水素類等の希釈剤
ないし溶剤を、単一溶剤またはこれらを任意比率で混合
した混合溶剤として用いることが好ましい。アンダーコ
ート層の膜厚は、0.1〜3.0μm、好ましくは0.
3〜2.5μm、更に好ましくは0.5〜2.0μmの
範囲である。0.1μm未満ではアンダーコート層の効
果が現れず、3.0μmを超えると効果が飽和する。 〈支持体〉支持体には、例えば、普通紙、コンデンサー
紙、ラミネート紙およびコート紙等の紙葉類、ポリエチ
レンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレ
ート(PEN)等のポリエステル類、ポリオレフィン
類、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリ
スルフォンセルローストリアセテート、ポリカーボネー
ト等の公知のフィルムを使用することができ、これらの
うちでは、PET、PEN、芳香族ポリアミドが好まし
い。支持体の厚さは0.5〜10.0μmであることが
好ましい。0.5μm未満では熱転写記録媒体の強度が
不足し、10.0μmを超えるとサーマルヘッドからの
熱伝導が悪化し、熱転写特性が劣化する。 〈塗布方法〉上述したようにして調製した塗料を支持体
へ塗設する方法に特に制限はなく、ワイヤーバー塗布、
リバース塗布、グラビア塗布あるいはエクストルージョ
ンノズル塗布のいずれであってもよい。中でもエクスト
ルージョンノズル塗布が最も好ましい。例えば、熱転写
性インク層を含む多層構成の塗膜を形成する場合には、
支持体上にアンダーコート層と熱転写性インク層とを湿
潤状態で重層塗布するいわゆるウェット・オン・ウェッ
ト塗布方法、あるいはアンダーコート層を塗布・乾燥後
に熱転写性インク層を塗布するいわゆるウェット・オン
・ドライ塗布方法等のいずれも用いることができる。耐
熱潤滑層の塗設は、アンダーコート層および熱転写性イ
ンク層の塗設前であっても塗設後であってもよく、同時
であってもよい。支持体搬送速度は、50〜700m/
分の範囲が好ましい。
【0009】
【実施例】以下に本発明を実施例にて具体的に説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものでないこ
とは云うまでもない。 〈熱転写性インク層用途料の調製〉下記配合物をボール
ミルに投入し、24時間分散して、熱転写性インク層形
成用塗料を作成した。 カーボンブラック(三菱化学社製:#25B) 100重量部 カルナウバワックス(セラリカNODA社製) 20重量部 パラフィンワックス(日本精蝋社製:HNP−9) 50重量部 エチレン酢酸ビニル共重合体(住友化学社製:KF−11) 130重量部 トルエン 600重量部 メチルエチルケトン 600重量部 得られた塗料を、95%カット濾過精度=15.0μm
のデプスフィルターを用いて循環濾過を行った。 〈アンダーコート層用塗料の調製〉下記配合物をハイパ
ーミキサーに投入し、1時間混合撹拌して、アンダーコ
ート層形成用塗料を作成した。 水系ワックスエマルジョン(コニシ社製:WE、固形分濃度=40wt%) 50重量部 イソプロピルアルコール 50重量部 得られた塗料を、95%カット濾過精度=15.0μm
のデプスフィルターを用いて循環濾過を行った。 〈耐熱潤滑層用塗料の調製〉下記配合物をハイパーミキ
サーに投入し、1時間混合撹拌して、耐熱潤滑層形成用
塗料を作成した。 ポリアミドイミド樹脂(東洋紡績社製:HR−14ET) 1重量部 シリコーンオイル(信越化学工業社製:KF−860) (添加量は下表参照 ) エタノール 50重量部 トルエン 50重量部 得られた塗料を、95%カット濾過精度=5.0μmの
デプスフィルターを用いて循環濾過を行った。 〈熱転写記録媒体の作成〉3.5μmのポリエチレンテ
レフタレート支持体(ダイアホイルヘキスト社製:K5
80−3.5W)の一方の面上に、アンダーコート層形
成用塗料を塗布乾燥し、膜厚=0.8μmのアンダーコ
ート層塗膜を形成した。アンダーコート層上に上記熱転
写性インク層形成用塗料を塗布乾燥して、膜厚=1.8
μmの塗膜を形成した。耐熱潤滑層形成用塗料を支持体
の他方の面上に塗布乾燥して、膜厚=0.1μmの塗膜
を形成した。塗布済み原反ロールを1/4インチ幅に切
断し、ワープロ用熱転写記録媒体(インクリボン)作成
した。得られた熱転写記録媒体の特性を表1に示す。 〈特性の評価方法〉走行摩擦係数 島田技研(株)製テープ摩擦試験器を用いる。熱転写記
録媒体の耐熱潤滑層側が直径4mmのステンレス製のピ
ンに接するように180°巻き、テープに10gのバッ
クテンションを負荷し、走行スピード=11mm/秒に
て、任意の一定部分50mmを50回往復走行させ、そ
の50往復後の摩擦係数を求めた。ブロッキング 熱転写記録媒体を巻き取った状態で、40℃、80%R
Hの環境下に24時間放置後、熱転写性インク層と耐熱
潤滑層間のブロッキング評価を下記基準にて行った。 ○:熱転写性インク層と耐熱潤滑層間で貼り付きがない
状態。 ×:熱転写性インク層と耐熱潤滑層が貼り付いてしま
い、NGの状態。
【0010】
【表1】
【0011】シリコーンオイルの代わりに、ステアリン
酸を使用したサンプルの結果を表2に示す。
【0012】
【表2】
【0013】シリコーンオイルの代わりに、ステアリン
酸ブチルを使用したサンプルの結果を表3に示す。
【0014】
【表3】
【0015】
【発明の効果】本発明の熱転写記録媒体は、該耐熱潤滑
層がポリアミドイミド樹脂と潤滑剤(ポリアミドイミド
樹脂に対して0.1〜20重量%含有)からなることに
より、耐熱性は勿論のこと、走行摩擦係数および保存特
性においても充分な特性を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における熱転写記録媒体の断面構造模式
図の一例であり、(a)は支持体の面上に直接、及び
(b)はアンダーコート層を介して熱転写性インク層が
設けられている図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中島 裕 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体の一方の面上に熱転写性インク層を
    有し、支持体の他方の面上に耐熱潤滑層を有する熱転写
    記録媒体において、該耐熱潤滑層がポリアミドイミド樹
    脂と潤滑剤からなり、該潤滑剤はポリアミドイミド樹脂
    に対して0.1〜20重量%含有することを特徴とする
    熱転写記録媒体。
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