JPH10296840A - ポリエチレン系軟質透明樹脂シート及びその製造方法 - Google Patents

ポリエチレン系軟質透明樹脂シート及びその製造方法

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JPH10296840A
JPH10296840A JP10034838A JP3483898A JPH10296840A JP H10296840 A JPH10296840 A JP H10296840A JP 10034838 A JP10034838 A JP 10034838A JP 3483898 A JP3483898 A JP 3483898A JP H10296840 A JPH10296840 A JP H10296840A
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resin sheet
polyethylene
transparent resin
soft transparent
based soft
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JP10034838A
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English (en)
Inventor
Junji Fujii
淳司 藤井
Toru Yukimoto
徹 行本
Kenichi Fujiwara
健一 藤原
Tomohiro Nagao
知浩 長尾
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Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 環境に対して安全であり、かつ光学的及び機
械的特性にも優れたポリエチレン系軟質透明樹脂シー
ト、及びこのシートの製造方法を提供する。 【解決手段】 本発明のシートは、ポリエチレン系樹脂
よりなる層を含み、下記特性(a〜c)を有する。
(a)引張り弾性率が20〜1000MPa。(b)シートの体
積分率の大部分を占める非結晶樹脂相とは異なる屈折率
を有する異物の個数が任意の断面で500個/mm2以下であ
り、かつこれらの異物の平均長さが10μm以下。(c)
少なくとも一方の面の表面粗さRaが0.2μm以下。この樹
脂シート11は、弾性材18が設けられた第1の冷却ロール
13と、第2の冷却ロール14と、金属製エンドレスベルト
15とを有する製造装置を使用して製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリエチレン系軟
質透明樹脂シート及びその製造方法に関する。得られた
シートは、食品、医薬品、衣料品等の包装用に利用でき
る。また、文房具(ペンケ−ス、筆記具ケ−ス等)、化
粧シ−ト(建装材、家具等)、携帯用バッグ(ファッシ
ョンバッグ、旅行小物用バッグ)、農業用温室カバ−、
テーブルクロス、デスクマット、間仕切り、ドアカーテ
ン等にも使用できる。
【0002】
【背景技術及び発明が解決しようとする課題】従来、柔
軟性と耐熱性を有し、しかも強度の優れた樹脂シート
(又はフィルム)として、ポリ塩化ビニルシートが広く
使用されている。しかし、このようなポリ塩化ビニルシ
ートは、使用中に毒性のある可塑剤やモノマーがブリー
ドアウトしたり、焼却した際に塩化水素が発生したりし
て環境的にも問題があった。
【0003】このような問題点を解決するため、従来、
例えば低立体規則性ポリプロピレンベースのシート(特
公平7-119290号公報、特開平7-171849号公報等)、非結
晶ポリオレフィンベースのシート(特開平5-77371号公
報、特開平6-218892号公報等)等が提案されている。そ
して、これらのシートは、通常、インフレーション法、
Tダイを用いた押出し成形法、ポリシングロール法等に
より製造されている
【0004】しかし、前記低立体規則性ポリプロピレン
ベースのシートは、透明性、光沢、耐熱性、腰の強さに
関して、ポリ塩化ビニルシートほどではない。一方、前
記非結晶ポリオレフィンベースシートのインフレーショ
ン法、Tダイ押出し成形法による成形品は、いずれも低
温ヒートシール性、脆化温度に優れ、剛性、強度などの
機械的性質はポリ塩化ビニルシートに近づく場合がある
が、グロス、ヘイズなどの透明性に関しては、ポリ塩化
ビニルシートに匹敵するものが得られているとは言い難
い。
【0005】そこで、本発明は、環境に対して安全であ
り、かつ光学的及び機械的特性にも優れたポリエチレン
系軟質透明樹脂シート、及び透明性を低下させないで製
造できるこのポリエチレン系軟質透明樹脂シートの製造
方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の第1発明に係る
ポリエチレン系軟質透明樹脂シートは、ポリエチレン系
樹脂よりなる層を含み、下記特性(a〜c)を有するこ
とを特徴とする。
【0007】(a)引張り弾性率が20〜1000MPa この引張り弾性率が20MPaより小さい場合には、シート
の腰が弱すぎるため、実用上の価値が低くなる。また、
1000MPaより大きい場合には、シートが硬質となって、
ハンドリング性が不良になるため、目的とする用途に適
さなくなる。好ましくは、100〜800MPa、より好ましく
は100〜600MPaである。
【0008】(b)シートの体積分率の大部分を占める
非結晶樹脂相とは異なる屈折率を有する異物の個数が任
意の断面で500個/mm2以下であり、かつこれらの異物の
平均長さが10μm以下 シートの透明性を損なう大きな原因の一つは、入射する
光が異物により散乱させられることにある。前記異物の
個数を500個/mm2以下、かつこれらの異物の平均長さを
10μm以下とすることにより、この異物による散乱を大
幅に減少させて、シートの透明性の低下を防止すること
ができるようになる。
【0009】前記断面の方向は任意であり、シートの表
面又は裏面に対して垂直断面又は水平断面のいずれでも
良い。前記平均長さとは、異物の任意の断面の最長と最
短の算術平均であり、例えば球体であれば直径である。
前記異物の実体は、例えば前記非結晶樹脂相と同一の樹
脂よりなる結晶相、前記非結晶樹脂相と異なる樹脂、こ
れらの樹脂以外の有機物質、無機物質(炭酸カルシウ
ム、タルク等である)。
【0010】(c)少なくとも一方の面の表面粗さRaが
0.2μm以下 前記異物による散乱以外にも、シートの透明性を損なう
大きな原因の一つとして、入射する光がシート表面によ
って反射させられることにある。即ち、シートの表面に
凹凸があると、光の入射角の関係で光が反射する割合が
増して、いわゆる乱反射を生じさせる。また、シート表
面の凹凸は、光沢の良否にも大きな影響を与える。表面
粗さを、中心線平均粗さRaで定量的に表現した場合、0.
2μm以下とすることにより、シート表面の凹凸が大幅に
少なくなるため、乱反射や光沢の低下を防止することが
できるようになる。好ましくは、Raを0.05μm以下とす
る。
【0011】前記軟質とは、シートの引張り弾性率が10
00MPa 以下であることを意味する。好ましくは800MPa以
下、より好ましくは600MPa以下である。このポリエチレ
ン系軟質透明樹脂シートの層構造は任意であり、例えば
単層構造でも、他の樹脂種よりなる層を含んだ多層構造
でもよい。多層構造の場合、ポリエチレン系樹脂の含有
割合は、50wt%以上とするのが好ましい。この多層構造
は、例えば共押出し等によって構成できる。また、本発
明のシートには、厚さの比較的薄いフィルムも含まれ
る。
【0012】本発明のポリエチレン系軟質透明樹脂シー
トによれば、塩化ビニルの場合に問題となる有害ガス発
生の虞れがなくなり、環境に対して安全である。また、
軟質ポリエチレン系樹脂よりなるため、透明性、ヘイ
ズ、グロス等の光学的特性が向上し、機械的強度も良好
なものとなる。
【0013】本発明の第2発明に係るポリエチレン系軟
質透明樹脂シートは、第1発明において、前記ポリエチ
レン系樹脂は、エチレンと極性基置換エチレンとの共重
合体であることを特徴とする。
【0014】本発明の第3発明に係るポリエチレン系軟
質透明樹脂シートは、第2発明において、前記エチレン
と極性基置換エチレンとの共重合体は、エチレン−酢酸
ビニル共重合体(EVA)、エチレン−エチルアクリレ
ート共重合体(EEA)、エチレン−アクリル酸共重合
体(EAA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EM
MA)、エチレン−アクリル酸メチル共重合体(EM
A)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)の
金属イオン架橋体、エチレン−アクリル酸共重合体(E
AA)の金属イオン架橋体より選ばれた少なくとも1種
であることを特徴とする。前記樹脂種のうち、選択する
具体的な樹脂種の種類と数、樹脂種の混合割合等は任意
である。
【0015】本発明の第4発明に係るポリエチレン系軟
質透明樹脂シートは、第1発明において、前記ポリエチ
レン系樹脂は、アクリル系熱可塑性エラストマーである
ことを特徴とする。
【0016】本発明の第5発明は、冷却ロールと、この
冷却ロールと樹脂シートを介して当接する金属製エンド
レス部材とを有し、前記冷却ロールと金属製エンドレス
部材との間に樹脂シートが導入されてこの樹脂シートが
冷却される部分の前記金属製エンドレス部材の背面側に
は弾性材が設けられた製造装置を使用したポリエチレン
系軟質透明樹脂シートの製造方法であって、溶融状態に
ある第1〜第21発明のいずれかのポリエチレン系軟質
透明樹脂シートを、前記冷却ロールと接触している前記
金属製エンドレス部材と、前記冷却ロールとに略同時に
接触するようにして前記冷却ロールと金属製エンドレス
部材との間に導入し、前記弾性材を弾性変形させながら
前記軟質透明樹脂シートを面状に圧接して冷却すること
を特徴とする。
【0017】前記溶融状態にある樹脂シートは、例えば
押出機のダイより押し出された直後の樹脂シートであ
る。前記弾性材の材質としては、フッ素系ゴム、シリコ
ーン系ゴム、EPDM等を使用できる。また、弾性材の
厚さは、弾性変形して良好な面圧を得るために、3mm以
上が好ましい。前記金属製エンドレス部材及びロールの
樹脂シートと接触する表面は、鏡面とすることが好まし
く、例えば表面粗さ0.5 S以下とする。エンドレス部材
の材質としては、ステンレス鋼、炭素鋼、チタン合金等
を使用できる。エンドレス部材の厚さは任意であるが、
強度的に0.3mm 以上が好ましい。
【0018】本発明では、前記弾性材の弾性変形を伴っ
て前記樹脂シートを面状に圧接して冷却するため、冷却
と鏡面転写の効率が高まる。また、前記樹脂シートを、
前記冷却ロールと接触している前記金属製エンドレス部
材と、前記冷却ロールとに略同時に接触するようにして
前記冷却ロールと金属製エンドレス部材との間に導入す
ることにより、樹脂シートの圧接と冷却を同時に行うこ
とが可能になり、樹脂シートの透明性を高めることがで
きる。仮に、樹脂シートを金属製エンドレス部材又は冷
却ロールに先に接触させた場合、シート両面への鏡面転
写がなされる前に樹脂シートの冷却、固化が進んでしま
うことになる。
【0019】本発明の第6発明に係るポリエチレン系軟
質透明樹脂シートの製造方法は、第5発明において、前
記金属製エンドレス部材は、少なくとも2個のロール間
に巻装され、前記弾性材はこれらのロールのうちの前記
冷却ロール側の外周面に形成されていることを特徴とす
る。即ち、本発明では、前記金属製エンドレス部材が少
なくとも2個のロール間に巻装された金属製エンドレス
ベルトとなっている。なお、金属製エンドレスベルト内
には、前記2個のロール以外のロールとして、冷却ロー
ル又は張力調整用のロールが設けられていてもよい。
【0020】本発明の第7発明に係るポリエチレン系軟
質透明樹脂シートの製造方法は、第5発明において、一
方の前記金属製エンドレス部材と並走するように、前記
冷却ロールを含んで他方の金属製エンドレス部材が巻装
され、溶融状態にある第1〜第4発明のいずれかのポリ
エチレン系軟質透明樹脂シートを、前記一方と他方の金
属製エンドレス部材に略同時に接触するようにして両金
属製エンドレス部材の間に導入し、前記弾性材を弾性変
形させながら前記軟質透明樹脂シートを面状に圧接して
冷却することを特徴とする。即ち、本発明の場合、2本
の金属製エンドレス部材でポリエチレン系軟質透明樹脂
シートを挟んで冷却するものである。
【0021】本発明の第8発明に係るポリエチレン系軟
質透明樹脂シートの製造方法は、第5発明において、前
記弾性材はロールの外周面に形成され、前記金属製エン
ドレス部材は、この弾性材の外周面に筒状に形成されて
いることを特徴とする。即ち、本発明では、前記金属製
エンドレス部材がロールの外層として形成されている。
【0022】本発明の第9発明に係るポリエチレン系軟
質透明樹脂シートの製造方法は、第5〜第8発明のいず
れかにおいて、前記樹脂シートと直接接触している前記
金属製エンドレス部材及び前記冷却ロールの温度を露点
〜50℃とすることを特徴とする。前記樹脂シートを冷却
するための金属製エンドレス部材及びロールの温度が露
点より低い場合には、シートに水滴斑が発生する。ま
た、50℃を超える場合には、良好な透明性が得られなく
なる。好ましくは、30℃以下である。
【0023】本発明の第10発明に係るポリエチレン系
軟質透明樹脂シートの製造方法は、第5〜第9発明のい
ずれかにおいて、前記弾性材の弾性変形を伴って前記樹
脂シートを面状圧接する際の面圧を0.1MPa〜20.0MPa と
することを特徴とする。面圧を前記0.1MPaより低くする
と、鏡面転写と冷却の効率が劣るようになり、また面圧
を前記20.0MPa より高くすると、エンドレスベルトの場
合には張力が高くなるため、寿命の点から好ましくな
い。
【0024】本発明の第11発明に係るポリエチレン系
軟質透明樹脂シートの製造方法は、第5〜第10発明の
いずれかにおいて、前記弾性材は、その硬度(JIS K630
1 A型に準拠)が95度以下であることを特徴とする。前
記硬度が95度より大きい場合には、弾性力が弱くなり、
樹脂シートを、冷却ロールと金属製エンドレス部材に略
同時に接触させる際に樹脂バンクが生じやすくなる。好
ましくは、硬度を70度以下とする。
【0025】本発明の第12発明に係るポリエチレン系
軟質透明樹脂シートの製造方法は、冷却用の水が流れる
スリットが形成された水盤と、この水盤の下方に配置さ
れた水槽と、この水槽内に少なくとも一部分が水没して
配置された挟圧用の一対のロールとが設けられた製造装
置を使用したポリエチレン系軟質透明樹脂シートの製造
方法であって、溶融状態にある第1〜第4発明のいずれ
かのポリエチレン系軟質透明樹脂シートを前記スリット
に挿通させながら冷却用の水で冷却し、引き続きこの樹
脂シートを前記水槽の水中に前記挟圧用の一対のロール
間を通して導入することを特徴とする。前記冷却用の水
の温度は、10℃以下が好ましい。この水には、必要に応
じて塩化カルシウムを添加しておいてもよい。
【0026】本発明の第13発明に係るポリエチレン系
軟質透明樹脂シートの製造方法は、第5〜第12発明の
いずれかにおいて、得られた樹脂シートに対して、アニ
ーリング処理を施すことを特徴とする。前記アニーリン
グ処理は、例えば80〜130 ℃、好ましくは110 〜130 ℃
で行う。このアニーリング処理によって、シート表面の
硬度を増加させることができるようになる。
【0027】
【発明の実施の形態】
〔第1実施形態〕図1を参照して本実施形態に係るポリ
エチレン系軟質透明樹脂シート11及びその製造方法を説
明する。先ず、本実施形態の製造方法において使用する
製造装置の構成を説明する。この製造装置は、押出機
(図示せず)のTダイ12と、第1の冷却ロール13と第2
の冷却ロール14との間に巻装された金属製エンドレスベ
ルト15と、樹脂シート11と金属製エンドレスベルト15を
介して第1の冷却ロール13と接触する第3の冷却ロール
16と、第2の冷却ロール14の近傍に設けられた第4のロ
ール17とを備えて構成されている。
【0028】前記第1の冷却ロール13は、その外周面に
フッ素ゴム等の弾性材18が被覆されている。この弾性材
18は、その硬度(JIS K6301 A 型に準拠)が95度以下、
厚さが3mm以上のものである。前記金属製エンドレスベ
ルト15は、ステンレス等よりなり、表面粗さが0.5 S以
下の鏡面を有している。第1と第2の冷却ロール13,14
の少なくとも一方は、その回転軸19が回転駆動手段(図
示せず)と連結されている。
【0029】前記第3の冷却ロール16も、表面粗さが0.
5 S以下の鏡面を有している。そして、この冷却ロール
16は、樹脂シート11と金属製エンドレスベルト15を介し
て第1の冷却ロール13と接触し、しかもエンドレスベル
ト15でこの冷却ロール16側に押圧された樹脂シート11を
抱き込むようにして設けられている。即ち、金属製エン
ドレスベルト15とこのエンドレスベルト15と接触してい
る樹脂シート11は、第3の冷却ロール16の外周面の一部
に巻き付くようにして蛇行している。前記第4のロール
17は、樹脂シート11がエンドレスベルト15を介して第2
の冷却ロール14に圧接されるように樹脂シート11をガイ
ドするものである。
【0030】冷却ロールのうち、前記第1及び第3の冷
却ロール13,16 には、表面の温度調整を可能とする水冷
式等の温度調整手段(図示せず)が設けられている。他
の冷却ロール14には、温度調整手段は特に設けられてい
ないが、設けても良い。なお、図1に一点鎖線で示した
ように、エンドレスベルト15内の第1の冷却ロール13の
前に更に冷却ロール31を設けて第1の冷却ロール13に到
るエンドレスベルト15の上流部分を予め冷却するように
してもよい。また、この冷却ロール31は、エンドレスベ
ルト15の張力調整用としても機能する。
【0031】次に、上記製造装置を使用した本実施形態
のポリエチレン系軟質透明樹脂シート11の製造方法を説
明する。先ず、樹脂シート11と直接接触する金属製エン
ドレスベルト15及び第3の冷却ロール16の表面温度が50
℃以下、露点以上に保たれるように、各冷却ロール13,1
4,16 の温度制御をしておく。また、押出機に供給する
樹脂シート11の原料として、ポリエチレン系樹脂よりな
るペレットを用意する。
【0032】そして、前記樹脂シート11の原料を押出機
に投入して溶融混練した後、Tダイ12より押し出された
樹脂シート11を、第1の冷却ロール13と接触しているエ
ンドレスベルト15と、第3の冷却ロール16とに略同時に
接触するようにして第1と第3の冷却ロール13,16 の間
に導入し、これらの第1と第3の冷却ロール13,16 で樹
脂シート11を圧接して50℃以下に冷却する。この際、弾
性材18は、第1と第3の冷却ロール13,16 間の押圧力で
圧縮されるようにして弾性変形し、この弾性材18が弾性
変形している両ロール13,16 の中心からの角度θ1 部分
において樹脂シート11は、両ロール13,16 による面状圧
接となっている。この際の面圧は、0.1MPa〜20.0MPa で
ある。
【0033】引き続き、この樹脂シート11を前記鏡面の
エンドレスベルト15で第3の冷却ロール16に対して圧接
して50℃以下に冷却する。エンドレスベルト15でこの冷
却ロール16側に押圧された樹脂シート11は、冷却ロール
16の中心からの角度θ2 で冷却ロール16に抱き込まれ、
樹脂シート11は、この抱き角度θ2 部分においてエンド
レスベルト15と第3の冷却ロール16により面状に圧接さ
れている。この際の面圧は、0.01MPa 〜0.5MPaである。
【0034】次に、樹脂シート11をエンドレスベルト15
に重なるように沿わせた状態でエンドレスベルト15の回
動と共に第2の冷却ロール14側に移動させ、この樹脂シ
ート11をエンドレスベルト15を介して第2の冷却ロール
14に対して圧接して50℃以下に冷却して本実施形態のポ
リエチレン系軟質透明樹脂シート11を製造する。樹脂シ
ート11を第4のロール17のガイドによりこの冷却ロール
14側に押圧した際、この樹脂シート11は、エンドレスベ
ルト15を介して冷却ロール14の中心からの角度θ3 部分
において面状に圧接されている。この際の面圧は、0.01
MPa〜0.5MPaである。なお、図1の2点鎖線で示すよう
に、樹脂シー11は、第1と第3の冷却ロール13,16 で冷
却した後、直ちにエンドレスベルト15から剥離して引き
取るようにしてもよい。
【0035】本実施形態によれば、ポリエチレン系樹脂
を原料としてTダイ12より押し出された溶融樹脂シート
11に対して、弾性材18が弾性変形している第1と第3の
ロール13, 16の角度θ1部分において両ロール13,16によ
るシート11の面状圧接と冷却を行い、引き続き、角度θ
2部分において金属製エンドレスベルト15と第3の冷却
ロール16によるシート11の面状圧接と冷却を行った後、
第2の冷却ロール14の角度θ3部分においてエンドレス
ベルト15と第2の冷却ロール14によるシート11の面状圧
接と冷却を行うため、得られたシート11は下記特性(a
〜c)を有している。
【0036】(a)引張り弾性率が20〜1000MPa (b)体積分率の大部分を占める非結晶樹脂組成とは異
なる屈折率を有する異物の平均長さが10μm 以下、かつ
シート面の任意の断面内における異物の個数が500 個/
mm2以下 (c)少なくとも一方の面の表面粗さRaが0.2μm以下
【0037】〔第2実施形態〕図2を参照して本実施形
態に係るポリエチレン系軟質透明樹脂シート11及びその
製造方法を説明する。本実施形態の製造方法において使
用する製造装置は、金属エンドレス部材として、第1実
施形態に係る、第1の冷却ロール13と第2の冷却ロール
14との間に巻装された金属製エンドレスベルト15の代わ
りに、第1の冷却ロール13の弾性材18の外周面に形成さ
れた金属製エンドレス層20となっている。
【0038】本実施形態の装置を使用した製造方法で
は、ポリエチレン系樹脂を原料としてTダイ12より押し
出された溶融樹脂シート11に対して、弾性材18が弾性変
形している第1と第3のロール13, 16の角度θ1 部分に
おいて、両ロール13,16 によるシート11の面状圧接と冷
却が行われて前記特性(a〜c)を有するシート11が得
られる。
【0039】〔第3実施形態〕図3を参照して本実施形
態に係るポリエチレン系軟質透明樹脂シート11及びその
製造方法を説明する。先ず、本実施形態で使用する製造
装置の構成を説明する。この製造装置は、押出機のTダ
イ12と、第1の冷却ロール21と第2の冷却ロール22との
間に巻装された第1の金属製エンドレスベルト23と、第
3の冷却ロール24と第4の冷却ロール25との間に巻装さ
れた第2の金属製エンドレスベルト26と、第4の冷却ロ
ール25の近傍に設けられた第5のロール27と、エンドレ
スベルト23,26 への付圧手段として設けられた2対のロ
ール28,29 とを備えて構成されている。
【0040】前記第1の冷却ロール21は、その表面にフ
ッ素ゴム等の弾性材18が被覆されている。この弾性材18
は、その硬度(JIS K6301 A 型に準拠)が95度以下、厚
さが3mm以上のものである。前記第1と第2の金属製エ
ンドレスベルト23,26は、第1と第2のロール21, 22間
及び第3と第4のロール24,25間において、ポリエチレ
ン系軟質透明樹脂シート11を挟んで並走するように設け
られている。これらのエンドレスベルト23,26は、それ
ぞれステンレス等よりなり、表面粗さが0.5S以下の鏡
面を有している。
【0041】前記付圧手段となる2対のロール28,29
は、第1と第2のロール21, 22間及び第3と第4のロー
ル24,25 間の略中間において両エンドレスベルト23,26
を挟んで対向するようにして設けられている。上下のロ
ール28,29 間には、多少間隔があいている。なお、対と
なっている各ロール28,29 は、対向させないで互いにず
らせて配置してもよい。前記第5のロール27は、ポリエ
チレン系軟質透明樹脂シート11が第2のエンドレスベル
ト26を介して第4の冷却ロール25に圧接されるように樹
脂シート11をガイドするものである。前記各冷却ロール
21,22,24,25 には、表面の温度調整を可能とする水冷式
等の温度調整手段(図示せず)が設けられている。
【0042】次に、上記製造装置を使用した本実施形態
のポリエチレン系軟質透明樹脂シート11の製造方法を説
明する。先ず、ポリエチレン系軟質透明樹脂シート11と
直接接触している金属製エンドレスベルト23,26 の表面
温度が50℃以下、露点以上に保たれるように、各冷却ロ
ール21, 22,24,25の温度制御をしておく。
【0043】そして、押出機のTダイ12より押出された
ポリエチレン系軟質透明樹脂シート11を、第1の冷却ロ
ール21と接触している第1の金属製エンドレスベルト23
と、第3の冷却ロール24と接触している第2の金属製エ
ンドレスベルト26とに略同時に接触するようにして第1
と第2の金属製エンドレスベルト23,26 の間に導入し、
第1と第3の冷却ロール21,24でポリエチレン系軟質透
明樹脂シート11を圧接して50℃以下に冷却する。この
際、第1と第3の冷却ロール21,24 間の押圧力で弾性材
18が圧縮されるようにして弾性変形し、弾性材18が弾性
変形している両ロール21,24 の中心からの角度θ1 部分
において樹脂シート11は、両ロール21,24によって面状
に圧接されている。この際の面圧は、0.1MPa〜20.0MPa
である。
【0044】引き続き、両エンドレスベルト23,26 が並
走する区間において、付圧手段となる2対のロール28,2
9 で両エンドレスベルト23,26 に挟まれたポリエチレン
系軟質透明樹脂シート11を圧接して50℃以下に冷却す
る。上下のロール28,29 間における両エンドレスベルト
23,26 で挟まれた樹脂シート11は、対のロール28,29 の
押圧力によって面状に圧接されている。この際の面圧
は、0.01MPa 〜0.5MPaである。
【0045】次に、前記ポリエチレン系軟質透明樹脂シ
ート11を両エンドレスベルト23,26の回動と共に第2と
第4の冷却ロール22,25 に移動させ、この樹脂シート11
を第2のエンドレスベルト26を介して第4の冷却ロール
25に対して圧接して50℃以下に冷却する。第5のロール
27でガイドされてこの冷却ロール25側に押圧されたポリ
エチレン系軟質透明樹脂シート11は、冷却ロール25の中
心からの角度θ3 部分においてエンドレスベルト26に面
状に圧接されている。この際の面圧は、0.01MPa 〜0.5M
Paである。
【0046】本実施形態によれば、弾性材18が弾性変形
している第1と第3のロール21,24の角度θ1 部分にお
ける両ロール21,24 とエンドレスベルト23,26 によるシ
ート11の面状圧接と冷却、付圧手段となる2対のロール
28,29 間におけるシート11の面状圧接と冷却及び角度θ
3 部分における第2の金属製エンドレスベルト26と第4
の冷却ロール25によるシート11の面状圧接と冷却によっ
て、前記特性(a〜c)を有するシート11が得られる。
【0047】〔第4実施形態〕図4を参照して本実施形
態に係るポリエチレン系軟質透明樹脂シート11の製造方
法を説明する。先ず、本実施形態で使用する製造装置の
構成を説明する。この装置は、押出機のTダイ12と、水
盤31と、この水盤31の下方に配置された水槽32と、この
水槽32内に配置されたシート挟圧用の一対のロール33と
を備えて構成されている。また、樹脂シート11のガイド
用のガイドロール34が水槽32内と水槽32の近傍に配置さ
れている。
【0048】前記水盤31は、その中央に冷却用の水が流
れるスリット35が形成されている。このスリット35の長
さは、樹脂シート11の幅より若干大きめとなっている。
前記一対のロール33は、両ロール33が対向して配置さ
れ、これらのロール33間の隙間がスリット35の下方に位
置するように設けられている。これらのロール33は、前
記水槽32内の水36に半分程度が没するようにして配置さ
れている。この装置を使用して次のようにポリエチレン
系軟質透明樹脂シート11を製造する。
【0049】押出機のTダイ12より押出されたポリエチ
レン系軟質透明樹脂シート11を前記スリット35に挿通さ
せながら冷却用の水36で冷却する。引き続き、この樹脂
シート11を水槽32の水36中に挟圧用の一対のロール33間
を通して導入し、ガイドロール34を介して水槽32外に引
き取る。
【0050】また、前記第1〜第4実施形態で得られた
樹脂シート11に対して、アニーリング処理を施してもよ
い。このアニーリング処理は、加熱ロール、又は加熱ロ
ール間に巻装されたベルトを介して行うことができる。
これらの加熱ロール又は加熱ロールの個数は任意であ
る。または、この樹脂シート11を加熱して、溶融状態の
樹脂シート11に対して第1実施形態と同様の処理を施し
てもよい。
【0051】
【実施例】
〔実施例1〕上記第1実施形態において、製造方法の具
体的条件を下記の通りとした。 押出機の直径…90mm、Tダイの幅…800mm。 ポリエチレン系樹脂…L-LDPE(MI:1、密度:0.92
0、引張り弾性率:430MPa)、出光石油化学株式会社
製モアテック0138H(商品名)。 樹脂シートの厚さ…0.2mm。 弾性材の材質…シリコーンゴム、厚さ…12mm、硬度…55
度。 シートの引取り速度…5m/min。 シートと接触しているエンドレスベルトとロールの表面
温度…15℃。
【0052】〔実施例2〜16〕実施例1の製造方法にお
いて、層の組成と重量比を表1のように変えて樹脂シー
ト11を製造した。その他の製造条件は、実施例1と同様
にした。実施例2では、チーグラー系触媒で合成したL-
LDPEのモアテック0168N(商品名、出光石油化学株式会
社)を使用した。このモアテック0168Nは、MI:1g/1
0分、密度:0.935g/cm3、引張り弾性率:770MPaであ
る。実施例3では、主鎖に長鎖分岐を有するメタロセン
系エチレン−オクテン系共重合体(E−O共重合体)で
あるアフィニティーPE1140(商品名、ダウケミカル社)
を使用した。
【0053】実施例4では、主鎖に長鎖分岐を有するメ
タロセン系エチレン−オクテン系共重合体(E−O共重
合体)であるアフィニティーPL1880(商品名、ダウケミ
カル社)を使用した。実施例5では、主鎖に長鎖分岐を
有するメタロセン系エチレン−オクテン系共重合体であ
り、エラストマー的性質を有するエンゲージEG-8100
(商品名、ダウケミカル社)を使用した。実施例6は、
3層構造のシートである。中間層がブテン1(40wt%)
−プロピレンランダム共重合体とランダムポリプロピレ
ンの50wt%/50wt%の混合物であり、表裏層が実施例1
と同じL-LDPEである。
【0054】実施例7は、3層構造のシートである。中
間層がエチレン−エチルアクリレート共重合体であり、
表裏層がホモポリプロピレンである出光PP F205S(商
品名、出光石油化学株式会社製)よりなる。実施例8
は、アイオノマーの単層構造のシートである。実施例9
は、L-LDPE/アイオノマー(IO)/L-LDPEの3層構造
のシートである。実施例10は、IO/メタロセン系E−
O共重合体の2層構造のシートである。
【0055】実施例11は、エチレン酢酸ビニル共重合体
(EVA)の単層構造のシートである。実施例12は、ス
チレン−ブタジエン−メタクリル酸メチル共重合体(S
B)/メタロセン系E−O共重合体/SBの3層構造の
シートである。実施例13は、SB/PP/SBの3層構
造のシートである。実施例14は、SB/メタロセン系E
−O共重合体の2層構造のシートである。実施例15は、
エチレン−エチルアクリレート−無水マレイン酸共重合
体(E-EA-MAH)の単層構造のシートである。実施例16
は、IO/メタロセン系E−O共重合体/IOの3層構
造のシートである。
【0056】〔実施例17〕上記第2実施形態において、
製造方法の具体的条件を下記の通りとした。 押出機の直径…90mm、Tダイの幅…800mm。 ポリエチレン系樹脂…メタロセン系E−O共重合体であ
るアフィニティ-PL1880(商品名、ダウケミカル社)。 樹脂シートの厚さ…0.2mm。 弾性材の材質…シリコーンゴム、厚さ…10mm、硬度…50
度。 弾性ロールと第1ロール間の線圧…150N/cm。 シートの引取り速度…5m/min。 ロールの表面温度…15℃。
【0057】〔実施例18〜23〕実施例18では、実施例17
の製造方法において、シート原料としてLDPE[MI:
4、密度:0.921、東ソー株式会社製ペトロセン190(商
品名)]を使用して樹脂シート11を製造した。その他の
製造条件は、実施例17と同様にした。実施例19は、E-EA
-MAH/メタロセン系E−O共重合体/E-EA-MAHの3層構
造のシートである。
【0058】実施例20は、L-LDPE/EVA/L-LDPEの3
層構造のシートである。実施例21は、PP/EEA/P
Pの3層構造のシートである。実施例22は、エチレン−
メタクリル酸共重合体(EMAA)の単層構造のシート
である。実施例23は、L-LDPE/EVAの2層構造のシー
トである。
【0059】〔実施例24〜31〕上記第3実施形態におい
て、層の組成を下記の通りとした。製造の際の具体的条
件は、実施例1と同様である。実施例24は、PP/E-EA
-MAH/PPの3層構造のシートである。実施例25は、L
L/EMAA/LLの3層構造のシートである。実施例
26は、EMAA/メタロセン系E−O共重合体/EMA
Aの3層構造のシートである。
【0060】実施例27は、PP/EAA/PPの3層構
造のシートである。実施例28は、PP/EMAA/PP
の3層構造のシートである。実施例29は、PP/IO/
PPの3層構造のシートである。実施例30は、PP/エ
チレン−アクリル酸メチル共重合体(EMA)/PPの
3層構造のシートである。実施例31は、EMAA/メタ
ロセン系E−O共重合体の2層構造のシートである。
【0061】〔実施例32,33〕上記第4実施形態におい
て、層の組成を下記の通りとした。製造の際の具体的条
件は、実施例1と同様である。冷却水36の温度は、6℃
である。実施例32は、PP/IO/PPの3層構造のシ
ートである。実施例33は、EMAAの単層構造のシート
である。
【0062】〔比較例1,2〕冷却ロールを使用した従
来のタッチロール式のシート成形法で樹脂シートを製造
した。冷却ロールの温度は、40℃である。比較例1は、
実施例1と同じ樹脂を使用した。比較例2は、PP/メ
タロセン系E−O共重合体/PPの3層構造のシートで
ある。比較例3では、実施例6と同じ層構成、同じ樹脂
とした。
【0063】〔特性の評価〕前記実施例1〜33及び比較
例1〜3で得られた樹脂シートに対して、表面粗さ(シ
ートの一方の側と他方の側)、ヘイズ(全ヘイズ/内部
ヘイズ)、グロス及び引張り弾性率を測定した。それら
の結果を表1〜4に示す。前記表面粗さは、電子線三次
元粗さ解析装置(株式会社エリオニクス製ERA-4000)を
使用して測定した。
【0064】前記ヘイズは、ヘイズ測定機(例えばNDH-
300A、日本電色工業株式会社製)を使用し、シートに光
を照射して透過した光線の全量を表す全光線透過率(T
t)と、シートによって拡散されて透過した拡散光線透
過率(Td)との比によって下記式で求める。前記全光
線透過率(Tt)は、入射光と同軸のまま透過した平行
光線透過率(Tp)拡散光線透過率(Td)との和であ
る。 ヘイズ(H)=Td/Tt×100
【0065】そして、全ヘイズは、シートに光を照射し
た際に得られたTd及びTtより求めた。また、内部ヘ
イズは、シートの両面にシリコーンオイルを塗布した
後、ガラス板でこのシートの両面を挟み、シート外側の
影響を消去して測定した。 全ヘイズ=内部ヘイズ+外部ヘイズ
【0066】前記グロスは、自動式測色色差計(例え
ば、スガ試験機株式会社製AUD-CH-2型-45,60)を使用
し、シートに光を入射角60度で照射し、同じく60度で反
射光を受光したときの反射光束ψs を測定し、屈折率1.
567 のガラス表面からの反射光束ψosとの比により、下
記の通り求めた。 グロス(Gs )=(ψs /ψos)×100 前記引張り弾性率は、JIS K-7113に準じて測定した。
【0067】
【表1】
【0068】
【表2】
【0069】表中の略号と具体的商品は下記の通りであ
る。 EVA:エチレン酢酸ヒ゛ニル共重合体[東ソー株式会社製ウルトラセン6
30(商品名)] EEA:エチレン-エチルアクリレート共重合体[三井・デュポン製エハ゛フレ
ックスA701(商品名)] EAA:エチレン-アクリル酸共重合体[ダウケミカル製フ゜リマコール330
0(商品名)] EMAA:エチレン-メタクリル酸メチル共重合体[三井・デュポン製ニュク
レルN0903HC(商品名)] EMA:エチレン-アクリル酸メチル共重合体[CHEVRON製SP2205(商品
名)]
【0070】E-EA-MAH:エチレン-エチルアクリレート-無水マレイン酸共
重合体[日本ホ゜リオレフィン製アト゛テックスET184(商品名)] SB:スチレンーフ゛タシ゛エン-メタクリル酸メチル共重合体[クラレ製SBホ゜リ
マー(商品名)] E-O:メタロセン系エチレン-オクテン共重合体[ダウケミカル製アフィニテ
ィPL1140(商品名、実施例3)アフィニティPL1880(商品名、
実施例10,12,14,16,19,26,31)] PP:ランタ゛ムホ゜リフ゜ロヒ゜レン[出光石油化学製F-744NP(商品
名)] LDPE:低密度ホ゜リエチレン[東ソー株式会社製ヘ゜トロセン207(商
品名、実施例9)、ヘ゜トロセン190(商品名、実施例18)] LL:直鎖状低密度ホ゜リエチレン[出光石油化学株式会社製モアテ
ック0138H(商品名、実施例1)、モアテック0168N(商品名、
実施例2)、モアテックV-0398CN(商品名、実施例20,23,2
5)]
【0071】
【表3】
【0072】
【表4】
【0073】表1、2より、実施例1〜33によれば、ポ
リエチレン系樹脂を原料として押出機より押し出された
単層又は多層の溶融樹脂シート11に対して、前記製造装
置で冷却、固化を行ったため、得られた樹脂シート11
は、前記a.b.c.の特性を有している。また、異物
の個数(1mm2当たり)と平均長さを位相差顕微鏡で目
視で測定したところ、実施例の場合、個数はいずれも10
0〜400個/mm2に留まり、平均長さは1〜5μmの範囲内
であった。従って、各実施例の樹脂シート11は、全ヘイ
ズと内部ヘイズが低くて透明性が良好であり、またグロ
スが高くて光沢も良好であることがわかる。また、引張
り弾性率が低く、柔軟性に富んでいる。
【0074】一方、表3、4より、比較例1〜3によれ
ば、原料は実施例と同じであるが、タッチロール式のシ
ート成形法で樹脂シートを製造したため、得られた樹脂
シートは、シートの表面粗さが本発明の範囲を外れてい
る。異物の個数は、比較例1を除いて、位相差顕微鏡に
よる目視で500個/mm2以下であった。また、異物の平均
長さは、比較例2が13μm、比較例2が12μmであった。
従って、比較例の樹脂シートは、全ヘイズと内部ヘイズ
が高くて透明性が不良であり、またグロスが低くて光沢
も不良である。更に、引張り弾性率が高くて、柔軟性が
低い。
【0075】
【発明の効果】本発明に係るポリエチレン系軟質透明樹
脂シートによれば、環境に対して安全であり、かつ光学
的及び機械的特性にも優れている。また、本発明に係る
製造方法によれば、透明性を低下させないでこのポリエ
チレン系軟質透明樹脂シートを製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る軟質透明樹脂シー
トの製造方法で使用する製造装置の概略図である。
【図2】本発明の第2実施形態に係るポリエチレン系軟
質透明樹脂シートの製造方法で使用する製造装置の概略
図である。
【図3】本発明の第3実施形態に係るポリエチレン系軟
質透明樹脂シートの製造方法で使用する製造装置の概略
図である。
【図4】本発明の第4実施形態に係るポリエチレン系軟
質透明樹脂シートの製造方法で使用する製造装置の概略
図である。
【符号の説明】
11 樹脂シート 13 第1の冷却ロール 14 第2の冷却ロール 15 金属製エンドレスベルト 16 第3の冷却ロール 17 第4の冷却ロール 18 弾性材 22 金属製エンドレス層 31 水盤 32 水槽
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B29K 105:32 B29L 7:00

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエチレン系樹脂よりなる層を含み、
    下記特性(a〜c)を有することを特徴とするポリエチ
    レン系軟質透明樹脂シート。 (a)引張り弾性率が20〜1000MPa (b)シートの体積分率の大部分を占める非結晶樹脂相
    とは異なる屈折率を有する異物の個数が任意の断面で50
    0個/mm2以下であり、かつこれらの異物の平均長さが10
    μm以下 (c)少なくとも一方の面の表面粗さRaが0.2μm以下
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のポリエチレン系軟質透
    明樹脂シートにおいて、 前記ポリエチレン系樹脂は、エチレンと極性基置換エチ
    レンとの共重合体であることを特徴とするポリエチレン
    系軟質透明樹脂シート。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のポリエチレン系軟質透
    明樹脂シートにおいて、 前記エチレンと極性基置換エチレンとの共重合体は、エ
    チレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−エ
    チルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン−アク
    リル酸共重合体(EAA)、エチレン−メタクリル酸共
    重合体(EMMA)、エチレン−アクリル酸メチル共重
    合体(EMA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(E
    MAA)の金属イオン架橋体、エチレン−アクリル酸共
    重合体(EAA)の金属イオン架橋体より選ばれた少な
    くとも1種であることを特徴とするポリエチレン系軟質
    透明樹脂シート。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載のポリエチレン系軟質透
    明樹脂シートにおいて、 前記ポリエチレン系樹脂は、アクリル系熱可塑性エラス
    トマーであることを特徴とするポリエチレン系軟質透明
    樹脂シート。
  5. 【請求項5】 冷却ロールと、この冷却ロールと樹脂シ
    ートを介して当接する金属製エンドレス部材とを有し、
    前記冷却ロールと金属製エンドレス部材との間に樹脂シ
    ートが導入されてこの樹脂シートが冷却される部分の前
    記金属製エンドレス部材の背面側には弾性材が設けられ
    た製造装置を使用したポリエチレン系軟質透明樹脂シー
    トの製造方法であって、 溶融状態にある請求項1〜4のいずれかに記載のポリエ
    チレン系軟質透明樹脂シートを、前記冷却ロールと接触
    している前記金属製エンドレス部材と、前記冷却ロール
    とに略同時に接触するようにして前記冷却ロールと金属
    製エンドレス部材との間に導入し、 前記弾性材を弾性変形させながら前記軟質透明樹脂シー
    トを面状に圧接して冷却することを特徴とするポリエチ
    レン系軟質透明樹脂シートの製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載のポリエチレン系軟質透
    明樹脂シートの製造方法において、 前記金属製エンドレス部材は、少なくとも2個のロール
    間に巻装され、前記弾性材はこれらのロールのうちの前
    記冷却ロール側の外周面に形成されていることを特徴と
    するポリエチレン系軟質透明樹脂シートの製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項5に記載のポリエチレン系軟質透
    明樹脂シートの製造方法において、 一方の前記金属製エンドレス部材と並走するように、前
    記冷却ロールを含んで他方の金属製エンドレス部材が巻
    装され、 溶融状態にある請求項1〜4のいずれかに記載のポリエ
    チレン系軟質透明樹脂シートを、前記一方と他方の金属
    製エンドレス部材に略同時に接触するようにして両金属
    製エンドレス部材の間に導入し、 前記弾性材を弾性変形させながら前記軟質透明樹脂シー
    トを面状に圧接して冷却することを特徴とするポリエチ
    レン系軟質透明樹脂シートの製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項5に記載のポリエチレン系軟質透
    明樹脂シートの製造方法において、 前記弾性材はロールの外周面に形成され、前記金属製エ
    ンドレス部材は、この弾性材の外周面に筒状に形成され
    ていることを特徴とするポリエチレン系軟質透明樹脂シ
    ートの製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項5〜8のいずれかに記載のポリエ
    チレン系軟質透明樹脂シートの製造方法において、 前記樹脂シートと直接接触している前記金属製エンドレ
    ス部材及び前記冷却ロールの温度を露点〜50℃とするこ
    とを特徴とするポリエチレン系軟質透明樹脂シートの製
    造方法。
  10. 【請求項10】 請求項5〜9のいずれかに記載のポリ
    エチレン系軟質透明樹脂シートの製造方法において、 前記弾性材の弾性変形を伴って前記樹脂シートを面状圧
    接する際の面圧を0.1MPa 〜20.0MPa とすることを特徴
    とするポリエチレン系軟質透明樹脂シートの製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項5〜10のいずれかに記載のポ
    リエチレン系軟質透明樹脂シートの製造方法において、 前記弾性材は、その硬度(JIS K6301A型に準拠)が95
    度以下であることを特徴とするポリエチレン系軟質透明
    樹脂シートの製造方法。
  12. 【請求項12】 冷却用の水が流れるスリットが形成さ
    れた水盤と、この水盤の下方に配置された水槽と、この
    水槽内に少なくとも一部分が水没して配置された挟圧用
    の一対のロールとが設けられた製造装置を使用したポリ
    エチレン系軟質透明樹脂シートの製造方法であって、 溶融状態にある請求項1〜4のいずれかに記載のポリエ
    チレン系軟質透明樹脂シートを前記スリットに挿通させ
    ながら冷却用の水で冷却し、引き続きこの樹脂シートを
    前記水槽の水中に前記挟圧用の一対のロール間を通して
    導入することを特徴とするポリエチレン系軟質透明樹脂
    シートの製造方法。
  13. 【請求項13】 請求項5〜12のいずれかに記載のポ
    リエチレン系軟質透明樹脂シートの製造方法において、 得られた樹脂シートに対して、アニーリング処理を施す
    ことを特徴とするポリエチレン系軟質透明樹脂シートの
    製造方法。
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