JPH10295699A - 止血用具 - Google Patents

止血用具

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JPH10295699A
JPH10295699A JP9107825A JP10782597A JPH10295699A JP H10295699 A JPH10295699 A JP H10295699A JP 9107825 A JP9107825 A JP 9107825A JP 10782597 A JP10782597 A JP 10782597A JP H10295699 A JPH10295699 A JP H10295699A
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JP
Japan
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wire
hemostatic
guide wire
hemostatic agent
positioning means
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Application number
JP9107825A
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English (en)
Inventor
Kazumi Goto
一美 後藤
Masaaki Eguchi
正明 江口
Ryoichi Tsuruya
良一 鶴谷
Nobuyuki Tanimoto
信行 谷本
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Clinical Supply Co Ltd
Unitika Ltd
Original Assignee
Clinical Supply Co Ltd
Unitika Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 組織を傷付けず簡単な構造で止血が容易な止
血用具10を提供する。 【解決手段】 ガイドワイヤ11に可撓性の操作体13を先
端側のみ固定して被覆形成し、操作体13の未固定部分に
軸方向に切込部14を複数切込形成する。切込部14から基
端側に径大の保持部16を設ける。管状の止血剤19をガイ
ドワイヤ11の切込部14および保持部16間に保持し、止血
剤19を覆って保護体18にガイドワイヤ11を嵌挿する。施
術後の残ったシースから血管内に止血用具10を挿入し、
操作体13を先端側にガイドワイヤ11に対して相対的に移
動させ、切込部14周辺を弛ませて放射状に拡径する。止
血用具10を引き抜き、拡径して弛んだ位置決め手段15を
血管3内面に係止位置決めする。保護体18を引き抜き、
止血剤19を膨潤させて穿刺傷に固定し、位置決め手段15
を縮径してガイドワイヤ11を引き抜く。器具交換が不要
で径小小型のため組織を傷つけず迅速容易に止血でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、施術後に止血剤を
用いて止血する止血用具に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、治療や検査などのために例えば血
管内の所定の箇所に導入したカテーテルを取り外して施
術を終了させる際に、カテーテルを導入するために施術
された穿刺傷や切開孔を圧迫などにより止血している。
ところで、カテーテルによる施術は、一般的にヘパリン
などの抗凝血薬処理が施されるため、止血のための圧迫
に少なくとも30分以上の時間を要してしまう。
【0003】そこで、容易に止血できる各種止血用具、
例えば特開昭63−346148号公報、特表平3−5
05048号公報および特表平4−505721号公報
に記載のように、穿刺傷や切開孔の開口面積より広い面
積を有する閉塞部材をカテーテル内を通って穿刺傷や切
開孔を介して血管内に挿入し、閉塞部材に連結して設け
たカテーテルから導出する引き戻し手段にて閉塞部材を
血管内面に当接させて閉塞して止血する構成が知られて
いる。なお、閉塞部材は、数週間を掛けて生分解されて
消失する。
【0004】しかしながら、これら特開昭63−346
148号公報、特表平3−505048号公報および特
表平4−505721号公報に記載のような閉塞部材を
血管内に位置させる止血用具では、閉塞部材が凝血形成
を促進するおそれがあり、また、閉塞部材が生分解され
て消失するまでに血管の内面から剥離して血管内を流過
するおそれもある。
【0005】そこで、止血剤を押し出して穿刺傷や切開
孔を血管の外方から閉塞する止血用具、例えば特開平6
−339483号公報および特表平6−510460号
公報に記載の構成が知られている。
【0006】そして、特開平6−339483号公報に
記載の止血用具は、血管穿刺傷よりも大きい断面積外径
を有する中空シースと、横断面積が表皮から血管穿刺傷
までの穿刺傷である組織溝よりも大きい拡張装置とを有
し、血管造影や血管拡張などの施術後に、施術に使用し
たカテーテルやバルーンカテーテルを除去し、残された
シースにガイドワイヤを挿入してシースを除去する。そ
して、ガイドワイヤを嵌挿するように拡張装置および中
空シースとを組織溝を押し広げつつ、操作する医師が抵
抗の増大を感じる位置である血管穿刺傷まで挿入し、中
空シースの先端部内に装着した止血剤を血管の外面側に
血管穿刺傷を覆うように注出して止血する。なお、血管
までの距離は穿刺針を血管に穿刺した際に血液が針から
最初に出る点での針の長さにより把握される。
【0007】しかしながら、この特開平6−33948
3号公報に記載のものは、組織溝を押し広げつつ挿入す
るため、中空シースの先端部と組織とに摩擦が生じて組
織を傷つけるおそれがあり、施術後の養生期間も長引い
てしまう。また、ガイドワイヤを用いてシースを除去し
た後に止血用具を挿入する器具の交換作業は煩雑である
とともに、構成部材が多く構造が複雑であるため、複数
の医師で交換作業しなければならず、器具交換に時間も
掛かり、迅速な止血処置が図れない。
【0008】一方、特表平6−510460号公報に記
載の止血用具は、管状の外側シースと、この外側シース
内に同軸上に軸方向に移動可能に収容された内側部材と
を有し、上述した特開平6−339483号公報と同様
に、残されたシースにガイドワイヤを挿入してシースを
除去後、ガイドワイヤを嵌挿するように外側シースおよ
び内側部材を組織溝を押し広げつつ血管穿刺傷まで挿入
し、内側部材にて外側シースの先端内に装着した止血剤
を血管の外面側に血管穿刺傷を覆うように注出して止血
する。
【0009】しかしながら、この特表平6−51046
0号公報に記載のものは、特開平6−339483号公
報と同様に、組織溝を押し広げつつ挿入するため、外側
シースの先端部と組織とに摩擦が生じて組織を傷つける
おそれがあり、施術後の養生期間も長引いてしまう。さ
らに、構造が複雑で器具交換が煩雑で時間も要するた
め、迅速な止血処置が図れない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、特開
平6−339483号公報および特表平6−51046
0号公報に記載の止血用具は、組織溝を押し広げつつ挿
入するため、挿入の際に生じる組織との摩擦にて組織を
傷つけるおそれがあり、施術後の養生期間も長期化する
とともに、構造が複雑で時間を要し作業が煩雑な器具交
換が必要で、迅速な止血処置が行えない問題がある。
【0011】本発明は、上記問題点に鑑み、組織を傷付
けることなく簡単な構造で容易に止血が行える止血用具
を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の止血用具
は、生分解可能で膨潤作用を有した止血剤を着脱自在に
保持する弾性を有した線材と、この線材を前記止血剤を
覆って進退可能に嵌挿する管状の保護体と、前記線材の
保持される前記止血剤より先端側に位置して設けられ拡
縮径可能な位置決め手段とを具備したもので、保護体と
ともに止血剤を保持した線材を挿入後に位置決め手段を
拡径させて線材を引き抜くように移動して穿刺傷や切開
孔の縁に係止させて位置決めし、保護体を移動して止血
剤を膨潤させ、位置決め手段を縮径させて線材を除去す
ることにより膨潤する止血剤が穿刺傷や切開孔を閉塞し
て止血するため、器具交換することなく容易に止血剤が
所定の位置に投与され、器具交換による組織の損傷がな
く迅速に止血される。
【0013】請求項2記載の止血用具は、請求項1記載
の止血用具において、位置決め手段は、可撓性を有し一
端側が前記線材の一端側に固定されて前記線材を嵌挿す
る管状の操作体と、この操作体の前記線材に固定された
部分の近傍に位置して略軸方向に沿って複数切り込み形
成された切込部とを備え、前記操作体および前記線材の
少なくともいずれか一方を相対的に移動させることによ
り、切込部近傍が弛んで拡径するもので、位置決め手段
は、線材および一端側を線材の一端側に固定して線材を
嵌挿する可撓性を有した操作体の少なくともいずれか一
方を相対的に移動させることにより、操作体の固定され
た部分の近傍に軸方向に沿って複数切込形成した切込部
近傍が弛んで拡径し、位置決めするため、簡単な構造で
位置決めが容易である。
【0014】請求項3記載の止血用具は、請求項1記載
の止血用具において、位置決め手段は、バルーンである
もので、拡径して穿刺傷や切開孔の縁に係止して位置決
めする位置決め手段がバルーンであるため、簡単な構造
で位置決めが容易である。
【0015】請求項4記載の止血用具は、請求項1ない
し3いずれか一記載の止血用具において、止血剤は、線
材を挿脱自在に嵌挿する管状で、前記線材は、位置決め
手段より前記止血剤の軸方向の寸法より長い距離を介し
て他端側に位置して径方向の外方に向けて突出し、前記
止血剤の移動を規制する保持部を有したもので、線材に
設けた位置決め手段と径方向の外方に向けて突設した保
持部との間に位置して管状の止血剤を線材に挿脱自在に
保持させるため、穿刺傷や切開孔に挿入する際や位置決
め手段を位置決めする際の線材の移動などにて止血剤が
移動することを簡単な構成で容易に防止し、止血剤が所
定の位置に確実に投与される。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の止血用具の実施の
一形態を図面を参照して説明する。
【0017】図2において、1はシースで、このシース
1は、ポリエチレン系やナイロン系、テフロン系などの
合成樹脂製で、血管造影や血管拡張などの施術を行うた
めの図示しないカテーテルやバルーンカテーテルを経皮
2から血管3までの組織4を切開した通路状の穿刺傷5
や切開孔から血管3に穿設した穿刺孔6を介して血管3
内に案内し挿入させる管状に形成されている。
【0018】一方、図1において、10は止血用具で、こ
の止血用具10は、線材としてのガイドワイヤ11を有して
いる。そして、このガイドワイヤ11は、長さが約40〜
50cm、直径が約0.4mmのニッケル−チタン合金やス
テンレススチール、ピアノ線などの金属線にて弾性を付
与されて形成されている。また、一端側である先端側は
先端に向けて縮径して先端に従って柔軟性が増大するよ
うに縮径部12が形成されている。なお、この縮径部12
は、コイル状に形成して柔軟性を持たせた構成としても
よい。
【0019】また、ガイドワイヤ11の表面には、可撓性
を有する管状の操作体13がガイドワイヤ11の柔軟性が低
い基端側を露出させて被覆するように設けられている。
この操作体13は、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ
プロピレン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリテトラフ
ルオロエチレン、あるいは各種複合合成樹脂などの合成
樹脂にて形成されている。また、この操作体13には、X
線不透過物質、例えば硫酸バリウム、タングステン、酸
化タングステン、酸化ビスマスなどが混入されている。
そして、操作体13の内外表面に、摩擦抵抗を低下させる
コーティングを施してもよい。そして、この操作体13
は、一端側がガイドワイヤ11の縮径部12の外周面に密着
固定され、他端側はガイドワイヤ11を軸方向に相対的に
移動可能に嵌挿する状態にガイドワイヤ11を被覆して設
けられている。
【0020】さらに、操作体13には、図1および図3に
示すように、ガイドワイヤ11に密着固定された部分の近
傍で密着されていない部分に、軸方向に沿って切込部14
が複数、例えば2〜4本、製造上の観点から好ましくは
3本切込形成されている。この切込部14により、操作体
13は、他端側を一端側に向けてガイドワイヤ11に対して
相対的に移動させることにより、図4に示すように切込
部14が開口するように弛んで拡径する位置決め手段15を
構成する。なお、切込部14は、拡径寸法が血管3の穿刺
孔6の径より大きく拡径して血管3の内周面に係止する
ように弛んだ状態が得られる長さ寸法に切込形成されて
いる。
【0021】また、操作体13には、切込部14より所定の
距離を介して他端側に、周方向に帯状で径方向の外方に
フランジ状に突出する保持部16が設けられている。
【0022】一方、18は保護体で、この保護体18は、操
作体13が設けられたガイドワイヤ11を進退可能に嵌挿す
る管状で、操作体13と同様に、ポリエチレン、ポリ塩化
ビニル、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリウレタン、
ポリテトラフルオロエチレン、あるいは各種複合合成樹
脂などにて形成されている。なお、この保護体18の内外
面に、操作体13と同様に摩擦抵抗を低下させるコーティ
ングを施してもよい。そして、この保護体18の長さ寸法
は、操作体13を設けたガイドワイヤ11を嵌挿した際に、
一端側から切込部14が露出するとともに、他端側から操
作体13の他端側が露出し、切込部14から保持部16間は覆
う寸法に形成される。
【0023】また、19は止血剤で、この止血剤19は、操
作体13の位置決め手段15を構成する切込部14と保持部16
との間に位置して保護体18にて覆われる長さ寸法で、操
作体13を設けたガイドワイヤ11を嵌挿可能で操作体13の
保持部16を嵌挿不可能な内径寸法の管状に形成されてい
る。そして、この止血剤19は生分解可能で、血液や体液
などと迅速に反応して膨潤、すなわち血液や体液などと
の付着により膨潤もしくはゲル化する物質にて形成さ
れ、穿刺傷5や切開孔を閉鎖する。このような生分解可
能で、血液や体液などと迅速に反応し膨潤、ゲル化する
物質として例えば天然多糖類の一種であるキチン、ある
いはキチンのアセチルアミノ基の一部を脱アセチル化し
たキチンを酸にて中和したものを用いることができる。
【0024】なお、キチンとは、甲殻類、昆虫類などの
外骨格を塩酸処理ならびに苛性ソーダ処理してカルシウ
ム分および蛋白を除去することにより得られるポリ[N
−アセチル−D−グルコサミン]あるいはそれらの誘導
体で、このキチンの誘導体としては、例えばキチンのエ
ーテル化物、エステル化物、ヒドロキシ化物、O−エチ
ル化物などである。具体例としては、ポリ[N−アセチ
ル−6−0−(2−ヒドロキシエチル)−D−グルコサ
ミン]、ポリ[N−アセチル−6−0−エチル−D−グ
ルコサミン]などである。なお、この止血剤19は、穿刺
傷5や切開孔の長さ寸法や開口径により、長さ寸法や外
径寸法などが設定される。すなわち、止血用具10のガイ
ドワイヤ11を被覆する操作体13の位置決め手段15を構成
する切込部14と保持部16との間の距離が、穿刺傷5や切
開孔の長さ寸法に対応して設定される。
【0025】次に、上記実施の一形態の止血用具10を用
いた止血処置の動作を図面を参照して説明する。
【0026】まず、あらかじめガイドワイヤ11に操作体
13を被覆し、操作体13に切込部14および保持部16を設け
る。そして、このガイドワイヤ11の柔軟性の高い先端側
から管状の止血剤19の内周側に嵌挿し、切込部14および
保持部16間に止血剤19を保持する。次に、保護体18の内
周側に止血剤19を覆いガイドワイヤ11の切込部14から先
端部および操作体13の他端側を露出させてガイドワイヤ
11を嵌挿させて止血用具10を形成しておく。
【0027】なお、止血剤19は、施術のために取り付け
られたシース1の経皮2の位置から先端までの長さ寸法
により経皮2から血管3までの長さ寸法より長めのもの
を用いる。
【0028】そして、図2に示すように、血管造影や血
管拡張などの施術後に施術に使用したカテーテルやバル
ーンカテーテルをシース1から引き抜き、シース1のみ
残す状態とする。次に、図5に示すように、この残され
たシース1に止血用具10をガイドワイヤ11の先端側から
挿入する。なお、このガイドワイヤ11の挿入状態は、操
作体13に含有されたX線不透過物質により、X線透視す
ることにより確認される。そして、図6に示すように、
シース1を引き抜く。
【0029】次に、操作体13から露出するガイドワイヤ
11を持って操作体13を経皮2から露出する基端側を経皮
2に対して移動しないように保持しつつガイドワイヤ11
を引き抜くように基端側に向けて操作体13に対して相対
的に移動させる。このガイドワイヤ11の移動により、図
4および図7に示すように、位置決め手段15を構成する
切込部14,14が開口するように切込部14,14周辺の操作
体13が弛んで放射状に拡径する。そして、この状態を維
持して、例えば操作体13の表面からガイドワイヤ11を強
めに摘んだ状態で、止血用具10を引き抜く。この引き抜
きの際、図8に示すように、拡径する位置決め手段15で
ある放射状に拡径して弛んだ部分が血管3の穿刺孔6の
縁の内面に当接して係止され、止血用具10の引き抜きが
規制される。なお、この状態は、操作する医師の感触に
より確認できる。また、X線透視により、位置決め手段
15の拡径状態を認識できる。
【0030】そして、図9に示すように、位置決め手段
15が血管3の内面に係止した状態で保護体18を引き抜
く。この保護体18の引き抜きにより、止血剤19が血液と
接触して直ちに膨潤し、穿刺傷5に位置決め保持され
る。そして、操作体13から露出するガイドワイヤ11を持
って操作体13の経皮2から露出する基端側を経皮2に対
して移動しないように保持しつつガイドワイヤ11を押し
込むように挿入した先端側に向けて操作体13に対して相
対的に移動させる。このガイドワイヤ11の移動により、
図3および図10に示すように、切込部14,14が閉塞し
て切込部14,14周辺の操作体13の弛んだ部分が引っ張ら
れて挿入状態に縮径する。
【0031】この後、図11に示すように、ガイドワイ
ヤ11を引き抜く。このガイドワイヤ11の引き抜きの際、
操作体13が被覆するガイドワイヤ11の径寸法分が膨潤す
る止血剤19の内周側に開口する状態となるため、この開
口を閉塞するために穿刺傷5の近傍の上流側、すなわち
心臓に近い側の経皮2を軽く押圧するようにすると、若
干開口する止血剤19の内周側を介して血液が染み出るこ
とを防止できるとともに、ガイドワイヤ11を容易に引き
抜きできる。そして、ガイドワイヤ11の引き抜き後も止
血剤19が膨潤してガイドワイヤ11の挿通した内側孔が閉
塞され、止血剤19が穿刺傷5および穿刺孔6の外側を閉
塞した状態となる。そして、経皮2から突出した状態の
部分の止血剤19を切断して止血処理が完了する。なお、
血管3の穿刺孔6は一部膨潤した止血剤19にて閉塞され
るが、完全に止血剤19にて閉塞されずとも、穿刺傷5が
閉塞されているため、流血せず血管3の蘇生により短時
間で閉塞する。
【0032】そして、穿刺傷5の近傍の押圧は、止血剤
19の膨潤速度により異なるが、約5分程度押圧すれば、
止血状態が得られる。また、止血剤19は、生分解されて
数日のうちに消失するとともに、蘇生により穿刺傷5お
よび穿刺孔6は閉塞される。
【0033】上記実施の一形態によれば、ガイドワイヤ
11に生分解可能で膨潤作用を有する止血剤19を装着し保
護体18にて止血剤19を覆った止血用具10を、施術後の残
されたシース1を介して血管3内に挿入し、止血剤19よ
り先端側に設けた位置決め手段15を拡径させて血管3の
穿刺孔6の位置に係止させて位置決めし、保護体18を引
き抜いて止血剤19を膨潤させて穿刺傷5に固定させ、位
置決め手段15を縮径させてガイドワイヤ11を除去するこ
とにより止血するため、従来のようにガイドワイヤをシ
ース1に挿入して止血用具10を挿入する器具交換が不要
で、位置決め手段15により容易に止血剤19を穿刺傷5に
投与でき、迅速に止血処置できる。
【0034】さらに、血管3の内面に係止して位置決め
する位置決め手段15より基端側に止血剤19を保持させる
ため、血管3内に止血剤19が位置せず、凝血形成を促進
することがなく、止血剤19が生分解されて消失するまで
に穿刺傷5の部分から離脱して血管3内を流過すること
も防止できる。
【0035】また、ガイドワイヤ11に操作体13を一部の
み固定して移動可能に被覆し、この操作体13に切込部14
を複数設けることにより、位置決め手段15を構成できる
ため、簡単な構造で径小小型の止血用具10が容易に形成
でき、安価で容易に製造でき、簡単な構造で止血作業も
容易にでき止血処置時間を短縮できるとともに、止血用
具10を穿刺傷5に挿入する際に、あらかじめ残されたシ
ース1内を介して挿入可能であるため、組織を押し広げ
て挿入することがなく、組織を損傷せず、穿刺傷5の治
癒期間も短縮でき、施術後の養生期間を短縮できる。
【0036】さらに、ガイドワイヤ11を嵌挿可能に止血
剤19を管状に形成し、ガイドワイヤ11に止血剤19の移動
を規制する保持部16を設けたため、止血用具10を挿入す
る際や位置決め手段15を位置決めする際にガイドワイヤ
11を移動する場合などでも止血剤19が移動せず、穿刺傷
5に確実に投与できるとともに、単にガイドワイヤ11を
被覆する操作体13にフランジ状に径大部分を設ける簡単
な構造で、製造性も向上できる。
【0037】そして、ガイドワイヤ11を被覆する操作体
13にX線不透過物質を含有させたため、位置決め手段15
の拡縮径状態および血管3への位置決め係止状態を視覚
的にも確認でき、止血剤19の所定の位置への確実な投与
が行える。
【0038】なお、上記実施の一形態において、血管3
の施術における止血処置について説明したが、血管3の
施術の止血処置に限られるものではなく、例えば胃の部
分切除の施術などの内部空間を有する部位の施術で、シ
ース1のような管状の器具を用いる施術に特に有効であ
る。
【0039】そして、切込部14を軸方向に沿って切込形
成して説明したが、例えば図12に示すように、スパイ
ラル状に切込形成するなど、略軸方向に沿って形成する
いずれの形状でもできる。
【0040】また、位置決め手段15として、切込部14を
切込形成することにより可撓性を有する一端固定の操作
体13を移動させて拡縮する構成について説明したが、例
えば図13に示すように、位置決め手段としてのバルー
ン20を用いるなど、拡縮径可能ないずれの構成としても
できる。
【0041】そして、操作体13を管状に形成してガイド
ワイヤ11を被覆するように説明したが、例えばバルーン
20を用いる場合には、エアなどの媒体を流過可能な形状
にするなど、位置決め手段15の構成によりいずれの形態
もしくは設けなくてもよい。
【0042】すなわち、図13において、21は弾性を有
した細長筒状の線材で、この線材21内には略同軸上に略
細長筒状の図示しないバルーン用ルーメンが設けられて
いる。そして、線材21の一端には、内側がバルーン用ル
ーメンの内周側に連通する拡縮径可能な例えばラテック
スなどのゴム系材料、ポリウレタン、シリコンなどのバ
ルーン20が設けられている。また、線材21の他端には、
コック22を有したコネクタ23の図示しない雄ねじ部が螺
合してコネクタ23を着脱可能に取り付ける雌ねじ部を有
した接続部24が設けられている。さらに、線材21の外周
面には、バルーン20側の所定の位置に図1ないし図11
に示す実施の形態と同様の保持部16が設けられている。
【0043】そして、線材21の外周面に止血剤19を保持
部16に位置決めさせて嵌挿保持させ、基端側に作業手段
26を設けたピールアウェイ式の保護体18をバルーン20を
露出させて止血剤19を覆うように嵌挿し、図1ないし図
11に示す実施の形態と同様にシース1内に挿入し、接
続部24にコネクタ23を取り付ける。この後、コネクタ23
にシリンジなどを取り付け、バルーン用ルーメンを介し
てバルーン20内に空気などの気体や液体などを注入し、
バルーン20を拡径させてコック22を閉じてバルーン20の
拡径状態を維持して位置決めし、同様に止血剤19を穿刺
傷5および穿刺孔6を閉塞した状態に投与する。なお、
バルーン20を縮径させて線材21を引く抜く際には、コッ
ク22を開いて気体や液体をバルーン20から排出させる。
【0044】一方、上記図1ないし図11に示す実施の
一形態において、操作体13のガイドワイヤ11に対する相
対的移動の状態を維持するためのクリップなどの係止手
段を操作体13やガイドワイヤ11などに設けたり、別途ク
リップなどにて操作体13の表面からガイドワイヤ11を強
めに摘むようにして作業するなどしてもよい。
【0045】また、操作体13にX線不透過物質を含有さ
せて説明したが、例えば図14に示すように、切込部14
の基端側の縁近傍に金やプラチナなどのX線不透過物質
をリング状に形成したマーカ31を設けるなどしてもでき
る。
【0046】一方、保護体18は、例えば図13および図
15に示すように、シース1内に止血用具10を挿入して
もシース1に緩衝せず、シース1内を嵌挿可能に縮径可
能で、保護体18を引き抜く際には拡径して引き抜きやす
いように、基端側に作業手段26を設けたピールアウェイ
式形状とするなどしてもできる。
【0047】そして、保護体18を引き抜いて取り除くこ
とにより、止血剤19を膨潤させて説明したが、保護体18
を操作体13の基端側にこの操作体13が覆われずに露出す
る状態まで引き抜くように移動させ、止血剤19を露出さ
せて膨潤させるなどしてもよい。
【0048】また、止血剤19の基端側への移動を規制す
る保持部16としては、フランジ状に設けずとも、突起状
に突設したり、例えば図16に示すように、所定の位置
から作業体13の端部までを肉厚に被覆した状態に形成し
たり、図17に示すように、所定の位置を径大に拡径し
て保持部となる端面32を有する段状に操作体13を形成す
るなどしてもよい。さらに、保持体16の位置を可変可能
に設けることにより、各施術内容により経皮2から血管
3までの穿刺傷5の長さ寸法が異なる場合でも対応で
き、汎用性を向上できる。
【0049】そして、止血剤19についても、管状に限ら
ず、ガイドワイヤに保持可能ないずれの形態のものでも
よい。
【0050】
【発明の効果】請求項1記載の止血用具によれば、保護
体とともに止血剤を保持した線材を挿入後に位置決め手
段を拡径させて線材を引く抜くように移動して穿刺傷や
切開孔の縁に係止位置決めし、保護体を移動して止血剤
を膨潤させ、位置決め手段を縮径させて線材を除去する
ことにより膨潤する止血剤が穿刺傷や切開孔を閉塞して
止血するため、器具交換することなく容易に止血剤を所
定の位置に投与でき、器具交換による組織の損傷がなく
迅速に止血できる。
【0051】請求項2記載の止血用具によれば、請求項
1記載の止血用具の効果に加え、位置決め手段は、線材
および一端側を線材の一端側に固定して線材を嵌挿する
可撓性を有した操作体の少なくともいずれか一方を相対
的に移動させることにより、操作体の固定された部分の
近傍に軸方向に沿って複数切込形成した切込部近傍が弛
んで拡径し、位置決めするため、簡単な構造で容易に位
置決めできる。
【0052】請求項3記載の止血用具によれば、請求項
1記載の止血用具の効果に加え、拡径して穿刺傷や切開
孔の縁に係止して位置決めする位置決め手段がバルーン
であるため、簡単な構造で容易に位置決めできる。
【0053】請求項4記載の止血用具によれば、請求項
1ないし3いずれか一記載の止血用具の効果に加え、線
材に設けた位置決め手段と径方向の外方に向けて突設し
た保持部との間に位置して管状の止血剤を線材に挿脱自
在に保持させるため、穿刺傷や切開孔に挿入する際や位
置決め手段を位置決めする際の線材の移動などにて止血
剤が移動することを簡単な構成で容易に防止でき、止血
剤を所定の位置に確実に投与できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の止血用具の実施の一形態を示す一部を
切り欠いた断面図である。
【図2】同上施術後に残されたシースを示す説明図であ
る。
【図3】同上止血用具の位置決め手段近傍を示す一部を
切り欠いた側面図である。
【図4】同上位置決め手段を拡径した状況を示す一部を
切り欠いた側面図である。
【図5】同上シースを介して止血用具を挿入した状況を
示す止血処置の説明図である。
【図6】同上シースを除去した状況を示す止血処置の説
明図である。
【図7】同上位置決め手段を拡径した状況を示す止血処
置の説明図である。
【図8】同上位置決め手段を係止位置決めした状況を示
す止血処置の説明図である。
【図9】同上保護体を除去した状況を示す止血処置の説
明図である。
【図10】同上位置決め手段を縮径した状況を示す止血
処置の説明図である。
【図11】同上ガイドワイヤを除去した状況を示す止血
処置の説明図である。
【図12】本発明の止血用具の他の実施の形態を示す位
置決め手段近傍の一部を切り欠いた側面図である。
【図13】本発明の止血用具のさらに他の実施の形態の
拡径したバルーンを係止位置決めした状況を示す止血処
置の説明図である。
【図14】本発明の止血用具のさらに他の実施の形態の
位置決め手段近傍の一部を切り欠いた側面図である。
【図15】本発明の止血用具のさらに他の実施の形態の
保護体の拡径状態の状況を示す止血処置の説明図であ
る。
【図16】本発明の止血用具のさらに他の実施の形態を
示す断面図である。
【図17】本発明の止血用具のさらに他の実施の形態を
示す断面図である。
【符号の説明】
10 止血用具 11 線材としてのガイドワイヤ 13 操作体 14 切込部 15 位置決め手段 16 保持部 18 保護体 19 止血剤 20 位置決め手段としてのバルーン 21 線材 32 保持部としての端面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鶴谷 良一 京都府宇治市宇治小桜23番地 (72)発明者 谷本 信行 京都府宇治市宇治小桜23番地

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生分解可能で膨潤作用を有した止血剤を
    着脱自在に保持する弾性を有した線材と、 この線材を前記止血剤を覆って進退可能に嵌挿する管状
    の保護体と、 前記線材の保持される前記止血剤より先端側に位置して
    設けられ拡縮径可能な位置決め手段とを具備したことを
    特徴とする止血用具。
  2. 【請求項2】 位置決め手段は、 可撓性を有し一端側が前記線材の一端側に固定されて前
    記線材を嵌挿する管状の操作体と、 この操作体の前記線材に固定された部分の近傍に位置し
    て略軸方向に沿って複数切り込み形成された切込部とを
    備え、 前記操作体および前記線材の少なくともいずれか一方を
    相対的に移動させることにより、切込部近傍が弛んで拡
    径することを特徴とした請求項1記載の止血用具。
  3. 【請求項3】 位置決め手段は、バルーンであることを
    特徴とした請求項1記載の止血用具。
  4. 【請求項4】 止血剤は、線材を挿脱自在に嵌挿する管
    状で、 前記線材は、位置決め手段より前記止血剤の軸方向の寸
    法より長い距離を介して他端側に位置して径方向の外方
    に向けて突出し、前記止血剤の移動を規制する保持部を
    有したことを特徴とする請求項1ないし3いずれか一記
    載の止血用具。
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