JPH10295015A - 外傷防護電線および延線方法 - Google Patents

外傷防護電線および延線方法

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JPH10295015A
JPH10295015A JP11517697A JP11517697A JPH10295015A JP H10295015 A JPH10295015 A JP H10295015A JP 11517697 A JP11517697 A JP 11517697A JP 11517697 A JP11517697 A JP 11517697A JP H10295015 A JPH10295015 A JP H10295015A
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JP
Japan
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wire
electric wire
electrical wire
winding
wound
Prior art date
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JP11517697A
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English (en)
Inventor
Kazuo Yokoyama
一雄 横山
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Fujikura Ltd
Original Assignee
Fujikura Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電線表面に突起部のある低風音電線を電線ド
ラムに巻き込む場合における電線外傷を防止する。ま
た,電線製造工程において,電線ドラムに巻き込む際に
外傷防止のために帆布を挿入すること等を不要とし,電
線製造工程の能率低下の問題を解消する。 【解決手段】 電線表面に突起部12を有する電線(低
風音電線)10の周囲に,電線10の最外層素線より硬
度の高くない外傷防護用の線状体20を電線10の全長
に亘って螺旋状に巻き付ける。この線状体20は,巻き
付け状態における電線表面からの突出高さh1が突起部
12の高さh2と同等以上になる断面形状を持つ。この
外傷防護電線15を電線ドラムに巻き込んだ時,線状体
20の存在により,層間および列間で電線10どうしが
直接接触することはなく,電線10の突起部12等に外
傷が発生することを防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は,風音低減のため
の突起を電線表面に有する低風音電線をドラム巻きする
際などにおける外傷防止を図った外傷防護電線に関し,
また,この外傷防護電線を延線する延線方法に関する。
【0002】
【従来の技術】架空送電線には,図4に示すように,軽
量かつ高張力を容易に実現できるテンションメンバーで
ある亜鉛メッキ鋼撚り線1を中心に配置し,その外周に
導電路となるアルミ線2を撚り合わせた複合撚り線であ
る鋼心アルミ撚り線(ACSR)が一般に使用されてい
る。
【0003】この鋼心アルミ撚り線は,亜鉛メッキ鋼丸
素線およびアルミ丸素線により構成された円形断面を有
することから,電線ドラムに多層巻きした場合,撚り線
どうしが線接触する比較的良好な接触状態となり,外傷
発生の問題は少ないので,電線製造においては,撚り線
した後,電線ドラムに直接巻き込んで多層巻きとし,こ
の多層巻きの状態で出荷される。
【0004】近年,送電線から発生する電線風音(風騒
音)を低減する目的で,図5および図6に示すような電
線表面に突起部4を設けた鋼心アルミ撚り線が低風音電
線として使用されている。これは,突起部4によって電
線表面の空気の流れの剥離を遅れさせることにより風音
低減を実現したもので,この実現のために,アルミ外層
素線の一部に突起部4を設けたものである。突起部4の
高さは一般に1.5mm〜2.5mm程度となってい
る。
【0005】このように,電線表面に突起部4を有する
低風音電線を電線ドラムに直接巻き込み,多層巻きにし
た場合,この直接の多層巻きの状態では,突起部4と突
起部4,あるいは突起部4と平滑部(突起部4以外の電
線表面を指す)3とが点接触となることから,電線ドラ
ムへの巻き込み張力および電線自重等によって突起部4
に容易に外傷が発生することになる。また,電線ドラム
へ巻き込んでいく際,隣接する電線に接触しながら巻き
込まれるので,容易に突起部4に擦り傷が発生すること
になる。
【0006】低風音電線は突起部4の存在のために,突
起部のない通常の丸撚り線と比べて本来的にコロナ特性
が低いが,前述の突起部4の外傷は,突起部4にさらに
凹凸を形成することになるため,コロナ特性をさらに低
下させるという問題がある。
【0007】このような点を考慮し,低風音電線の製造
工程においては,電線ドラムへの巻き込み時の突起部4
の外傷防止のため,多層巻きの層間にはドラム巻き込み
幅と同等の幅を有する帆布を挿入すると共に,隣接する
電線どうしの接触防止の目的で電線と電線の間に適当な
空隙を設けたり,電線と電線の間に介在物を設ける等の
対策が採られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら,こうし
た従来の方法では,層間に帆布を巻き込む毎に製造機械
を一時停止する必要があるため,製造工数が大幅に増大
する欠点がある。特に,縦型多条巻きドラムを使用した
完全プレハブ電線の製造においては,電線を巻き込む区
画幅が通常のドラムに比べて1/2〜1/3と狭いた
め,電線の巻き込み列数が少ないことから層間への帆布
の巻き込み間隔が短時間となり,大幅な製造工数の増大
を引き起こす欠点がある。
【0009】また,隣り合った電線と電線の間に適当な
空隙を設けることは巻き込み列数の低下につながり,電
線巻き量の低下を引き起こす欠点がある。特に縦型多条
巻きドラムを使用した完全プレハブ電線においては区画
幅が狭いことから,電線巻き込み列数の低下は重大な欠
点となる。
【0010】本発明は上記従来の欠点を解消するために
なされたもので,帆布を挿入すること等が不要で製造機
械を一時停止させたり製造工数を大幅に増やしたりする
ことのない比較的簡単な方法で,電線の外傷を有効に防
止することができる外傷防護電線を提供することを目的
とし,さらに,この外傷防護電線を延線する際に,延線
作業に支障を来すことのない延線方法を提供することを
目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する請求
項1の外傷防護電線は,電線表面に風音防止のための突
起部を有する電線の周囲に,電線の最外層素線より硬度
の高くない外傷防護用の線状体を螺旋状に巻き付けると
ともに,この線状体は,巻き付け状態における電線表面
からの突出高さが前記突起部の高さと同等以上になる断
面形状を有することを特徴とする。
【0012】請求項2は,電線ドラムに巻き込まれた請
求項1記載の外傷防護電線を延線車を用いて延線する方
法であって,前記電線ドラムと前記延線車との間に,線
状体巻き取り用ボビンを内蔵した巻き取り機を配置し,
延線速度に同調させて前記ボビンを電線周囲で回転させ
ることにより線状体を連続して取り外しながら電線を延
線することを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】以下,本発明の実施の形態を図1
〜図3に示した実施例を参照して説明する。図1(a)
は本発明の一実施例の外傷防護電線15の外観図,図1
(b)は同断面図である。この外傷防護電線15は,図
示のように,電線表面に風音低減のための突起部12を
有する電線(いわゆる低風音電線)10の周囲に,外傷
防護のための線状体20を電線10の全長に亘って螺旋
状に巻き付けた構成であり,そして前記線状体20は,
巻き付け状態における電線表面からの突出高さh1が突
起部12の高さh2と同等以上になる断面形状を有する
ものである。
【0014】対象とする電線10自体は公知の低風音電
線であり,アルミ覆鋼線10aからなる撚り線の周囲に
例えば扇形断面のアルミ最外層素線10bを配置すると
共に,そのアルミ最外層素線10bのうちの一部に高さ
の高いアルミ最外層素線(10’bで示す)を用いるこ
とによって,電線表面に突起部12を形成したものであ
る。11は電線10における平滑部(突起部12以外の
電線表面)を示す。
【0015】実施例では前記線状体20として丸素線を
用いている。したがって,線状体20の電線表面からの
突出高さh1は,線状体20の直径に相当する。
【0016】線状体20の巻き付けピッチに関しては,
外傷防止のためには小さいほど好ましいが,小さ過ぎる
と線状体20の使用量が著しく増大する上,巻き付け工
程の効率が低下する。一方,巻き付けピッチを大きくす
れば,線状体20の巻き付け工程の効率は良くなるが,
外傷防護材としての機能が低くなる。これらの点を考慮
して,巻き付け方向は最外層素線10bと逆方向とし,
巻き付けピッチについては電線10の最外層素線10b
の撚りピッチと同等以下にするのが好ましい。同等以下
であれば,電線ドラムに巻き込んだ時,層間または列間
での電線10相互の直接接触は防止される。ただし,巻
き付け方向を最外層素線10bと同一方向にすることを
除外するものではない。この場合は,巻き付けピッチを
十分小さくする必要がある。
【0017】線状体20の材質としては,この線状体2
0で最外層素線10bに外傷を与えないように,例えば
アルミ,アルミ合金,ゴム又はプラスチック等ように,
最外層素線10bの硬度と同等以下の硬度を持つ材質を
用いる。
【0018】電線10の全長に亘って線状体20を巻き
付ける手段は,種々の方法が考えられるが,例えば撚り
線機にて電線10を製造する場合には,最外層素線10
bの集合時に同時に連続して撚り込むことも可能であ
る。また,プレハブ計尺等の巻き返し工程においては,
図2に示すように,電線巻き取りドラム32の前段に,
線状体20をボビン32aに内蔵させたラッシングマシ
ン33を設置し,ボビン32aを電線10の周囲で矢印
のように回転させることで,容易にしかも連続的に巻き
付けることができる。なお,図2において,30は電線
送り出しドラム,31は電線用キャプスタン31であ
る。
【0019】上記の外傷防護電線15を架線する場合,
架線現場において延線車に電線が入る前に線状体20を
取り外すことが必要である。この場合には,図3に示す
ように,延線車34と電線ドラム35との間に,線状体
巻き取り用ボビン36を内蔵した巻き取り機37を設置
し,電線10の延線速度に比例して(同調させて)線状
体巻き取り用ボビン36を電線10の周囲で矢印のよう
に回転させることにより,容易に連続して取り外しなが
ら延線することができる。
【0020】なお,上記実施例では,線状体20を丸素
線として説明したが,例えば半円形素線あるいはその他
の断面形状からなる線材を用いることができる。ただ
し,その断面形状は,電線10に巻き付けた状態での電
線表面からの突出高さh1が突起部12の高さh2と同
等以上となるように設定する。
【0021】また,実施例では線状体20を1条巻きす
る例を示したが,複数条となる形態で巻き付けてもよ
い。
【0022】
【発明の効果】本発明によれば,電線表面に風音低減の
ための突起部を有する電線の周囲に,電線の最外層素線
より硬度の高くない外傷防護用の線状体を螺旋状に巻き
付けるとともに,この線状体は,巻き付け状態における
電線表面からの突出高さが前記突起部の高さと同等以上
になる断面形状を有する構成としたので,電線ドラムへ
巻き込んだ場合において電線の層間および列間での電線
相互の直接接触を電線に損傷を与えないこの線状体によ
り防ぐことができ,巻き込みにおける電線の外傷を防止
することができる。したがって,従来のように電線製造
工程において帆布を挿入すること等が不要となり,製造
機械を一時停止させたり製造工数を大幅に増やしたりす
る問題が解消された。
【0023】また,請求項2の延線方法によれば,この
外傷防護電線の延線現場において,線状体巻き取り用ボ
ビンを内蔵した巻き取り機によって線状体を連続して取
り外すことができるので,線状体を巻き付けたことに伴
って延線作業に支障を来す問題は生じない。また,この
線状体の取り外し作業は簡単であり,延線現場での作業
性を低下させることもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の一実施例の外傷防護電線の一
部分の側面図,(b)は同断面図である。
【図2】本発明の外傷防護電線を製造する工程,すなわ
ち低風音電線に線状体を巻き付ける工程を示す図であ
る。
【図3】本発明の外傷防護電線を延線する際に,外傷防
護電線から線状体を取り外す工程を説明する図である。
【図4】従来の一般的な送電線である鋼心アルミ撚り線
を示す断面図である。
【図5】従来の低風音電線を示す断面図である。
【図6】従来の他の低風音電線を示す断面図である。
【符号の説明】
10 電線(低風音電線) 11 平滑部 12 突起部 15 外傷防護電線 20 外傷防護用の線状体 h1 突出高さ h2 突起部の高さ 30 電線送り出しドラム 31 電線用キャプスタン 32 電線巻き取りドラム 33 ラッシングマシン 34 延線車 35 電線ドラム 36 線状体巻き取り用ボビン 37 巻き取り機

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電線表面に風音低減のための突起部を有
    する電線の周囲に,電線の最外層素線より硬度の高くな
    い外傷防護用の線状体を螺旋状に巻き付けるとともに,
    この線状体は,巻き付け状態における電線表面からの突
    出高さが前記突起部の高さと同等以上になる断面形状を
    有することを特徴とする外傷防護電線。
  2. 【請求項2】 電線ドラムに巻き込まれた請求項1記載
    の外傷防護電線を延線車を用いて延線する方法であっ
    て,前記電線ドラムと前記延線車との間に,線状体巻き
    取り用ボビンを内蔵した巻き取り機を配置し,延線速度
    に同調させて前記ボビンを電線周囲で回転させることに
    より線状体を連続して取り外しながら電線を延線するこ
    とを特徴とする延線方法。
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