JPH10294997A - 音声信号の処理回路および検査用装置 - Google Patents

音声信号の処理回路および検査用装置

Info

Publication number
JPH10294997A
JPH10294997A JP10121397A JP10121397A JPH10294997A JP H10294997 A JPH10294997 A JP H10294997A JP 10121397 A JP10121397 A JP 10121397A JP 10121397 A JP10121397 A JP 10121397A JP H10294997 A JPH10294997 A JP H10294997A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
circuit
sound
signal
detection circuit
point detection
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10121397A
Other languages
English (en)
Inventor
Masami Miura
雅美 三浦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP10121397A priority Critical patent/JPH10294997A/ja
Publication of JPH10294997A publication Critical patent/JPH10294997A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Measurement Of The Respiration, Hearing Ability, Form, And Blood Characteristics Of Living Organisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 補聴器の特性を確実、かつ、忠実に知ること
ができる検査用装置およびそのための回路を提供する。 【解決手段】 入力された音声信号の子音成分に対して
振幅の変更を行なう振幅変更回路65を設ける。音声信
号について有声音の開始点を検出する開始点検出回路7
3と、音声信号について有声音の終了点を検出する終了
点検出回路73とを設ける。開始点検出回路73および
終了点検出回路73の出力にしたがって振幅変更回路6
5の利得を制御する制御回路74を設ける。制御回路7
4は、開始点検出回路73が開始点を検出したとき、振
幅変更回路65に対して利得を小さくする制御信号を供
給するとともに、終了点検出回路73が終了点を検出し
たとき、振幅変更回路65に対して利得を戻す制御信号
を供給する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、健聴者
が、難聴者の音の聞こえる状態を疑似体験したり、補聴
器の動作状態や調整状態などを直接聞いて確認したりす
る場合に好適な音声信号の処理回路および検査用装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】難聴者に音が聞こえるときの“聞こえ状
態”を疑似体験できるシミュレータ装置が開発され、補
聴器の開発などに使用されている。例えば、健聴な検査
者が補聴器の動作状態などの調整や検査をするとき、そ
の補聴器の出力音(音響出力)を、シミュレータ装置を
通じて聞くようにすれば、難聴者が補聴器を使用したと
きの聞こえ状態を実際に知ることができ、より確かな調
整や検査を行うことができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、これまでの
シミュレータ装置は、単一周波数ごとに測定された音の
周波数特性や聴覚の非線形性である聴覚の補充現象をシ
ミュレートするだけであり、聴覚障害の種類が限られて
いるので、次のような問題点を生じてしまう。
【0004】1.単一周波数ごとに測定した周波数別の聴
力をもとに周波数特性をシミュレートしているので、異
なる周波数成分の間のマスキング作用により生じる聴覚
の周波数特性の変化を再現できず、実際の音声の音色な
どをシミュレートできない。 2.単一周波数ごとに測定した周波数別の聴力および不快
閾値(入力された音声のレベルが大きすぎて不快に感じ
るようになるときの値)をもとに補充現象をシミュレー
トしているので、異なる周波数成分の相互の影響が反映
されない。
【0005】この発明は、このような問題点を解決しよ
うとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】このため、この発明にお
いては、入力された音声信号の子音成分に対して振幅の
変更を行なう振幅変更回路と、上記音声信号について有
声音の開始点を検出する開始点検出回路と、上記音声信
号について上記有声音の終了点を検出する終了点検出回
路と、上記開始点検出回路および上記終了点検出回路の
出力にしたがって上記振幅変更回路の利得を制御する制
御回路とを有し、上記制御回路は、上記開始点検出回路
が上記開始点を検出したとき、上記振幅変更回路に対し
て上記利得を小さくする制御信号を供給するとともに、
上記終了点検出回路が上記終了点を検出したとき、上記
振幅変更回路に対して上記利得を戻す制御信号を供給す
るようにした音声信号の処理回路とするものである。し
たがって、有声音によるマスキングや継時マスキングに
見合う大きさだけ、子音成分が減衰され、マスキングや
継時マスキングがシミュレータされる。
【0007】
【発明の実施の形態】図1は、この発明によるシミュレ
ータ回路の一形態を示すものであるが、マスキング現象
は、低域の音声成分が高域の音声成分へ及ぼす影響が大
きく、音声では有声音が子音をマスキングする場合が顕
著である。
【0008】そこで、図1に示すシミュレータ回路にお
いては、音声信号を有声音の成分と子音の成分とに帯域
分割し、有声音の成分のレベルにしたがって子音の成分
のレベルを制御することにより、マスキングをシミュレ
ートするようにした場合である。
【0009】すなわち、処理前の音声信号S61が、入力
端子61を通じて有声音の帯域を通過帯域とするフィル
タ62に供給されてその有声音の信号成分S62が取り出
され、この信号成分S62が加算回路63に供給される。
また、端子61からの信号S61が、子音の帯域を通過帯
域とするフィルタ64に供給されて子音の信号成分S64
が取り出され、この信号成分S64が、可変振幅抑圧回
路、例えば可変アッテネータ回路65を通じて加算回路
63に供給される。
【0010】したがって、加算回路63においては、信
号成分S62と信号成分S64とが加算されるので、可変ア
ッテネータ回路65の減衰量G65が基準値(例えば0d
B)であるとすれば、加算回路63からは、音声信号S6
1に含まれる有声音の信号成分S62および子音の信号成
分S64を、等しい割り合いで有する音声信号S63が得ら
れることになる。そして、この信号S63がシミュレータ
回路23の出力信号として端子64に取り出される。
【0011】さらに、端子61からの信号S61が、前処
理のため、バンドパスフィルタ71およびレベル算出回
路22に順に供給される。この場合、バンドパスフィル
タ71は、有声音の開始点および終了点を検出しやすく
し、かつ、雑音による影響が小さくなるように、信号S
61からピッチ成分とフォルマント成分とを、信号S71と
して抽出するものである。したがって、バンドパスフィ
ルタ71の通過帯域は、例えば150Hz 〜1000Hzとされて
いる。
【0012】また、レベル算出回路72は、例えば、信
号S71を両波整流するとともに、その低域成分(例えば
60Hz以下の成分)を取り出すことにより、信号S62のレ
ベルを示す信号S72を形成するものである。
【0013】そして、このレベル算出回路72の算出信
号S72が検出回路73に供給されて有声音の開始点およ
び終了点が検出され、その検出信号S73が制御回路74
に供給されて制御信号S74が形成され、この信号S74が
可変アッテネータ回路65に減衰量G65の制御信号とし
て供給される。
【0014】この場合、有声音の開始点および終了点の
検出と、可変アッテネータ回路65の減衰量G65の大き
さとは、例えば図2に示すような関係とされる。すなわ
ち、算出信号S72の示す有声音のレベルがマスキングの
開始判定のしきい値より小さいときには、可変アッテネ
ータ回路65の減衰量G65は基準値とされているが、有
声音のレベルがその開始判定のしきい値よりも大きくな
ると、減衰量G65は、数ミリ秒から十数ミリ秒の立ち上
がり期間をもって最大値まで次第に大きくされる。
【0015】また、算出信号S72の示す有声音のレベル
がマスキングの終了判定のしきい値よりも大きいときに
は、減衰量G65は大きいままとされるが、有声音のレベ
ルがその終了判定のしきい値よりも小さくなると、減衰
量G65は、数十ミリ秒から200 ミリ秒程度の立ち下がり
期間をもって基準値まで次第に小さくされる。
【0016】このような構成によれば、処理前の音声信
号S61に、有声音の信号成分がしきい値以上のレベルで
含まれていると、その開始点から終了点までの期間、信
号S74により可変アッテネータ回路65の減衰量G65が
大きくなるので、その開始点から終了点までの期間、可
変アッテネータ回路65を通じる子音の信号成分S64が
小さくなる。
【0017】したがって、有声音の開始点から終了点ま
での期間、端子64に出力される音声信号S63の子音の
信号成分S64のレベルが小さくなるので、信号S63の再
生音は、有声音により子音が疑似的にマスキングされた
ことになる。
【0018】また、有声音の終了点からの時間間隔が短
い期間には、いわゆる継時マスキング(エネルギーの大
きい母音と子音とが続くとき、その母音により子音がマ
スクされるマスキング現象)が大きいが、そのとき、端
子64に出力される音声信号S63の子音の信号成分S64
は大きく減衰されるので、継時マスキングもシミュレー
トされたことになる。
【0019】図3は、検出回路73および制御回路74
が、検出信号S72から制御信号S74を形成する方法の一
形態を示す。すなわち、この場合には、図1に示した回
路の全部がデジタル化されるとともに、例えばDSPに
より構成される。また、音声信号S61はもとの処理前の
アナログ音声信号をA/D変換したデジタル音声信号と
され、音声信号S63はD/A変換されてから出力され
る。
【0020】そして、検出回路73および制御回路74
においては、デジタル音声信号S61の1サンプルごと
に、図3の処理ルーチン100が実行され、可変アッテ
ネータ回路65の減衰量G65が例えば図2に示すように
制御させる。なお、ルーチン100および以下の説明に
おいて、各変数の意味は以下のとおりである。
【0021】 e(i) :音声信号S61の第i番目のサンプルの示すレベル。 threshold1:マスキングの終了判定のしきい値。信号S61がこの値よりも 小さくなったとき、マスキングが終了と判定する。 threshold2:マスキングの開始判定のしきい値。信号S61がこの値よりも 大きくなったとき、マスキングが開始と判定する。 threshold1≦threshold2に設定される。 w :減衰量G65を制御するための重み係数。0≦w ≦1 w =0ときG15=基準値、w =1のときG15=最大減衰値。 d1 :係数w を減少させるときのステップ幅。 d2 :係数w を増加させるときのステップ幅。
【0022】すなわち、ルーチン100においては、ま
ず、ステップ101において、第i番目のサンプルの信
号レベルe(i)が開始判定のしきい値threshold2よりも小
さいかどうかが判別され、小さいときには、処理はステ
ップ101からステップ102に進む。
【0023】そして、このステップ102において、第
i番目のサンプルの信号レベルe(i)が終了判定のしきい
値threshold1よりも小さいかどうかが判別され、小さい
ときには、処理はステップ102からステップ103に
進み、このステップ103において、係数w がステップ
幅d1だけ小さくされ、ルーチン100を終了する。した
がって、図2に示すように、マスキングの終了点が検出
されたときには、以後、減衰量G65は次第に小さくなっ
ていく。
【0024】また、ステップ102において、第i番目
のサンプルの信号レベルe(i)が終了判定のしきい値thre
shold1以上のときには、処理はステップ102からこの
ルーチン100を終了する。したがって、図2に示すよ
うに、マスキングの終了が検出されるまでの期間(減衰
量G65の大きい期間)は、その減衰量G65が保持され
る。
【0025】さらに、ステップ101において、第i番
目のサンプルの信号レベルe(i)が開始判定のしきい値th
reshold2以上のときには、処理はステップ101からス
テップ104に進み、このステップ104において、係
数w がステップ幅d2だけ大きくされ、ルーチン100を
終了する。したがって、図2に示すように、マスキング
の開始点が検出されたときには、以後、減衰量G65は次
第に大きくなっていく。
【0026】こうして、ルーチン100によれば、有声
音のレベルにしたがって可変アッテネータ回路65の減
衰量G65を制御することにより、子音のレベルを制御し
ているので、マスキングや継時マスキングをシミュレー
タすることができる。
【0027】図4は、音声波形の観測結果を示すもの
で、図4Aはルーチン100によるシミュレート処理を
行っていないもとの音声信号S61の波形、図4Bはルー
チン100によるシミュレート処理を行った音声信号S
63の波形である。なお、このときの発声内容は、「1行
目に書いてください」である。
【0028】そして、矢印Aおよび矢印Bの部分では、
振幅が小さくされ、マスキングがシミュレートされてい
る。したがって、上述のシミュレート処理によれば、難
聴者や老人のマスキング時の聞こえ状態を再現すること
ができる。
【0029】図5は、上述のシミュレータ回路を補聴器
の検査用装置に適用した場合の一形態を示すもので、符
号10は、その収音部である。この収音部10は、補聴
器のイヤホンの出力音(音響出力)を収音して音声信号
に変換して出力するとともに、このとき、その補聴器の
使用者の外耳道を音響的にシミュレートするものであ
る。このため、この収音部10は、例えば図6に示すよ
うに構成されている。
【0030】すなわち、図6において、音響管11は、
その一部が補聴器を使用しているときの使用者の外耳道
に対応するもので、これは、金属あるいはプラスチック
により断面が円形のパイプ状に形成され、その内径は外
耳道の内径に相当する5〜8mmとされるとともに、長さ
は例えば7〜8cmとされている。
【0031】そして、この音響管11の図における左側
の端部11Aは開放とされ、ここに、補聴器の検査時、
その検査対象の補聴器のイヤホン(図の場合には、耳穴
型補聴器のイヤホン部分)1が挿入される。さらに、こ
の挿入を確実にし、かつ、外界からの遮音を確実にする
ため、端部11Aの外周には、例えばシリコンゴムによ
り形成されたカップリングアダプタ12が設けられてい
る。また、音響管11の図における右側の端部11Bの
内部には、グラスファイバなどの吸音材13が充填され
て音響的に無反射終端とされている。
【0032】さらに、音響管11の壁面のうち、端部1
1Aから例えば10mm以上離れた位置に、開口(透孔)1
4が形成されるとともに、ここにマイクロフォンユニッ
ト15が設けられる。この場合、マイクロフォンユニッ
ト15は、例えばエレクトレット式の無指向性のものと
することができるが、マイクロコンピュータユニット1
5が音響管11の音波伝播を妨げないように、その前面
の音響管11の内部への突出量が小さくされている。
【0033】そして、図5に示すように、マイクロフォ
ンユニット15からの音声信号がスイッチ回路21に供
給されるとともに、一般的な音場の音響を収音するマイ
クロフォン41が設けられ、このマイクロフォン41か
らの音声信号がスイッチ回路21に供給される。
【0034】さらに、スイッチ21により2つの音声信
号の一方が選択され、その選択された音声信号が、マイ
クロフォンアンプ22を通じてシミュレータ回路23に
供給される。このシミュレータ回路23は、例えば図1
〜図4により説明したように構成されているものであ
り、したがって、このシミュレータ回路23において、
アンプ22からの音声信号は、難聴者が知覚するマスキ
ング現象に対応した音声信号に変換される。
【0035】そして、シミュレータ回路23からの音声
信号が、音量調整用の可変抵抗器24を通じて第1のリ
ミッタ25に供給されて最大音量が検査者に聴覚的な外
傷を与えない振幅に制限され、この振幅制限された音声
信号が、出力アンプ26によりパワー増幅されてから第
2のリミッタ27を通じてイヤホン部30に供給され
る。なお、リミッタ27は、第1のリミッタ25と同
様、最大音量が検査者に聴覚的な外傷を与えないよう
に、音声信号を振幅制限するものであるが、アンプ26
とイヤホン部30との音声信号ラインに設けられるの
で、ダイオードリミッタとされる。
【0036】また、イヤホン部30は、音声処理回路2
0からの音声信号を音響に変換するとともに、平面波伝
播させて補聴器の検査者の耳に供給するものであり、こ
のため、このイヤホン部30は、例えば図7に示すよう
に構成されている。
【0037】すなわち、図7において、音響管31は、
補聴器のイヤホンを装着しているときの検査者の外耳道
に対応するもので、これは、収音部10の音響管11と
同様の構成とされ、図における右側の端部31Aは開放
とされ、この端部31Aが、補聴器の検査時、検査者の
外耳道3に挿入される。
【0038】さらに、この挿入を確実にし、かつ、外界
からの遮音を確実にするため、端部31Aの外周には、
例えばシリコンゴムにより形成された耳栓式のイヤーピ
ース32が設けられている。さらに、音響管31の図に
おける左側の端部31Bの内部には、グラスファイバな
どの吸音材33が充填されて音響的に無反射終端とされ
ている。
【0039】また、音響管31の壁面のうち、端部31
Aから例えば30mm以内の位置に、開口(透孔)34が形
成されるとともに、ここにイヤホンユニット35が設け
られる。この場合、イヤホンユニット35は、例えばヘ
ッドホンステレオなどにおいて使用されているダイナミ
ック式のイヤホン(耳穴式ヘッドホン)と同様の電気音
響変換素子とすることができる。
【0040】さらに、このイヤホンユニット35が音響
管31の音波伝播を妨げないように、その前面の音響管
31の内部への突出量が小さくされている。そして、リ
ミッタ27からの音声信号がイヤホンユニット35に供
給される。
【0041】また、イヤホンユニット35の後部に、カ
ップ状の箱体36が設けられるとともに、この箱体36
にはポート37が設けられ、これら箱体36およびポー
ト37により、例えば周波数2〜4kHzで共振する共振
器が構成される。また、箱体37の内部には、吸音材3
8が設けられ、その共振の大きさが所定のレベルとされ
る。
【0042】さらに、図5において、シミュレータ回路
23からの音声信号がレベル検出回路51に供給されて
音声信号のレベルが検出され、その検出出力が表示素
子、例えばLED52に供給され、このLED52の発
光が音声信号のレベルにしたがって制御される。また、
シミュレータ回路23からの音声信号が、外部出力端子
53に取り出されるとともに、この端子53には、必要
に応じて測定装置あるいは記録装置100が接続され
る。
【0043】なお、図示はしないが、実際の検査用装置
においては、収音部10および信号処理回路20が箱体
に収納されるとともに、リミッタ27とイヤホンユニッ
ト35とを接続するコードが適当な長さとされる。
【0044】このような構成によれば、対象となる補聴
器の動作状態や調整状態などを、次のようにして確認あ
るいは検査することができる。すなわち、シミュレータ
回路23の周波数特性および入出力特性などを、補聴器
の使用者の聴覚特性、特にマスキング現象に対応させて
おく。また、スイッチ21を図5の状態に接続してお
く。さらに、図6に示すように、音響管11の端部11
Aに補聴器のイヤホン1をセットするとともに、図7に
示すように、音響管31を検査者の外耳道3に差し込
む。
【0045】すると、イヤホン1から出力音が音響管1
1の端部11Aに入力されるが、このとき、端部11B
には吸音材13が充填されていて音響的に無反射終端と
されているので、イヤホン1の出力音は、音響管11の
内部を平面波として伝播する。
【0046】そして、この平面波伝播する音波がマイク
ロホンユニット15により収音され、その音声信号が信
号処理回路20を通じてドライブユニット31に供給さ
れ、図7に示すように、音として放射される。そして、
その放射された音波が、音響管31の内部を平面波伝播
し、さらに、検査者の外耳道3を通じて鼓膜4に到達す
る。そして、この場合、マイクロフォンユニット15か
らの音声信号は、シミュレータ回路23において、補聴
器の使用者の聴覚特性にしたがったマスキング特性とさ
れてドライブユニット31に供給されている。
【0047】したがって、検査者は、補聴器の特性と、
この補聴器の使用者の聴覚特性とが合成された特性で補
聴器の収音した音を聞くことになるので、検査者は、実
際に補聴器を使用する人の状態および立場で補聴器の音
を聞いて補聴器の動作状態や調整状態などを確認あるい
は検査することができる。
【0048】また、このとき、シミュレータ回路23か
らの音声信号のレベルが検出回路51により検出され、
その検出出力によりLED52がドライブされ、例え
ば、補聴器の出力音圧が100dB 未満のときには、LED
52は点灯しないが、100dB を越えると、緑色に点灯さ
せられ、120dB を越えると、赤色に点灯させられる。
【0049】さらに、スイッチ21を図とは逆の状態に
接続すると、検査者はマイクロフォン41の収音した音
を、シミュレータ回路23を通じて聞くことになるの
で、難聴者が実際に知覚している音を聞くことになる。
【0050】こうして、この装置によれば、補聴器の動
作状態や調整状態などを確認あるいは検査することがで
きるが、特にこの検査用装置によれば、検査者は、補聴
器の特性と、この補聴器の使用者の聴覚特性とが合成さ
れた特性で補聴器の収音した音を聞くことになる。
【0051】したがって、検査者は、実際に補聴器を使
用する人の状態および立場で補聴器の音を聞いて補聴器
の動作状態や調整状態などを確認あるいは検査すること
ができ、例えばその補聴器により難聴者がどの程度聞き
やすくなっているかを確認することができるとともに、
補聴器を最良の状態に調整することができる。
【0052】さらに、補聴器の出力音が音導管を長く伝
播するようなことがないので、音質の変化あるいは低下
を生じることがなく、補聴器の動作の確認に誤りを生じ
ることがない。
【0053】また、音響管11のうち、端部11Aとマ
イクロフォン15との間の部分が、その補聴器の使用者
の外耳道を音響的にシミュレートすることになり、その
使用者の鼓膜に達する音響と等価な音響がマイクロフォ
ン15により収音されることになる。さらに、補聴器を
使用するときには、外耳道がイヤホンにより塞がれるこ
とにより気室が形成され、この気室により共振を生じる
が、この共振による周波数特性の変化が部材36〜38
により再現される。
【0054】したがって、補聴器の動作状態や調整状態
などを確認あるいは検査するとき、その補聴器を実際に
使用する状態で確認あるいは検査をすることができると
ともに、検査者は補聴器の音質を正確に認識することが
できる。
【0055】さらに、イヤホンユニット35から放射さ
れた音波の一部は、鼓膜4に到達して反射するが、この
反射波は音響管31の端部31Bに充填された吸音材3
3により吸収される。また、ドライブユニット35から
放射されて端部31Bに向かった音波も吸音材33によ
り吸収される。したがって、音響管31や外耳道3の内
部に定在波を生じることがなく、ドライバユニット35
から検査者の鼓膜4までの周波数特性に乱れを生じるこ
とがない。
【0056】また、カップリングアダプタ12およびイ
ヤーピース32により外界とは音響的に遮蔽されるの
で、検査音に対する外界雑音の影響が小さい。さらに、
例えば、補聴器の出力が120dB であっても可変抵抗器2
4により80dBに減衰させることができるので、補聴器が
大音量のときであっても、安全に確認あるいは検査を行
うことができる。
【0057】さらに、信号処理回路20において、イヤ
ホンユニット35に供給される音声信号の最大レベルが
リミッタ25、27により制限されるので、検査者が補
聴器の音量を下げておくことを忘れたときに、高レベル
の音圧が検査者の耳に入ることがなく、検査者に音響的
な外傷を与えることがない。
【0058】また、LED52の点灯状態により補聴器
の出力音圧を知ることができる。また、端子53にマイ
クロフォンユニット15の収音した補聴器の出力音の音
声信号が出力されるので、この端子53に記録装置やモ
ニタ装置などを接続しておくことにより、補聴器の特性
を電気的に確認あるいは検査するとき、これを容易に行
うことができる。
【0059】図8に示すルーチン200は、シミュレー
タ回路23を上記のようにデジタル化した場合に使用で
きる他の処理ルーチンを示すもので、このルーチン20
0においては、 threshold=threshold1=threshold2 とされている。また、ルーチン200においては、 threshold :マスキングの開始判定および終了判定のし
きい値。信号S61がこの値よりも小さいと終了と判定
し、この値よりも大きいと開始と判定する。 とされ、他はルーチン100と同様とされる。
【0060】そして、ステップ201において、第i番
目のサンプルの信号レベルe(i)がしきい値threshold と
比較され、レベルe(i)がしきい値threshold よりも小さ
ければ、ステップ202において、係数w がステップ幅
d1だけ小さくされ、そうでなければ、ステップ203に
おいて、係数w がステップ幅d2だけ大きくされる。
【0061】そして、このルーチン200は、ルーチン
100に比べ、処理が簡単であり、DSPの負担が軽く
なる。
【0062】なお、上述において、イヤホン部30の音
響管31は、例えば図9に示すように、へ字状に折り曲
げた形状とすることもでき、このようにすれば、イヤホ
ン部30を検査者の耳に装着するとき、これが安定であ
る。
【0063】また、部材36〜38の代わりに、音声処
理回路70に共振回路を設けることにより、外耳道が補
聴器のイヤホンにより塞がれて形成される気室の共振を
実現することもできる。
【0064】さらに、LED52により出力音圧を表示
するとき、例えば周波数を低城(1kHz以下)、中域
(2kHz付近)、高城(4kHz付近)に分けて表示すれ
ば、音声などの入力信号の増幅の様子が周波数帯域ごと
に大まかにわかるので、高価で測定に時間のかかる補聴
器特性測定装置を使用しなくても、補聴器の異常の発見
ができる。
【0065】また、シミュレータ回路23がシミュレー
トする聴覚特性は、マイクロコンピュータにより設定す
ることができ、あるいは他の聴覚検査機器からのデータ
をマイクロコンピュータにより受信して設定することも
できる。
【0066】
【発明の効果】この発明によれば、聴覚のマスキングが
シミュレートされ、健聴者が、補聴器の動作状態や調整
状態などの確認あるいは検査、音質の確認を行うとき、
それらを正確に行うことができる。また、これらのこと
により補聴器の確認作業や調整作業の効率化に貢献でき
る。
【0067】さらに、検査者は、補聴器を実際に使用す
る人の状態および立場で、補聴器の選択、確認、調整あ
るいは検査をすることができ、例えばその補聴器により
難聴者がどの程度聞きやすくなっているかを容易に確認
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一形態を示す系統図である。
【図2】この発明を説明するための図である。
【図3】この発明の一形態を示すフローチャートであ
る。
【図4】この発明を説明するための波形図である。
【図5】この発明の一形態を示す系統図である。
【図6】この発明の一部の一形態を示す断面図である。
【図7】この発明の一部の一形態を示す断面図である。
【図8】この発明の他の形態を示すフローチャートであ
る。
【図9】この発明の一部の他の形態を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
10…収音部、11…音響管、12…カップリングアダ
プタ、13…吸音材、15…マイクロフォンユニット、
20…信号処理回路、23…難聴シミュレータ回路、2
5…可変抵抗器、26および28…リミッタ、30…イ
ヤホン部、31…音響管、32…イヤーピース、33…
吸音材、35…イヤホンユニット、36…箱体、37…
ポート、38…吸音材、62…有声音帯域フィルタ、6
3…加算回路、64…子音帯域フィルタ、65…可変ア
ッテネータ回路、71…バンドパスフィルタ、72…レ
ベル算出回路、73…検出回路、74…制御回路、10
0…処理ルーチン

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入力された音声信号の子音成分に対して振
    幅の変更を行なう振幅変更回路と、 上記音声信号について有声音の開始点を検出する開始点
    検出回路と、 上記音声信号について上記有声音の終了点を検出する終
    了点検出回路と、 上記開始点検出回路および上記終了点検出回路の出力に
    したがって上記振幅変更回路の利得を制御する制御回路
    とを有し、 上記制御回路は、上記開始点検出回路が上記開始点を検
    出したとき、上記振幅変更回路に対して上記利得を小さ
    くする制御信号を供給するとともに、 上記終了点検出回路が上記終了点を検出したとき、上記
    振幅変更回路に対して上記利得を戻す制御信号を供給す
    るようにした音声信号の処理回路。
  2. 【請求項2】収音部と、 信号処理回路と、 イヤホン部とを有し、 上記収音部は、 外耳道の中の音波の平面波伝播を音響的にシミュレート
    する音響管と、 この音響管における上記音波を収音して音声信号を出力
    するマイクロフォンユニットとを有し、 上記信号処理回路は、 上記マイクロフォンからの上記音声信号の子音成分に対
    して振幅の変更を行なう振幅変更回路と、 上記音声信号について有声音の開始点を検出する開始点
    検出回路と、 上記音声信号について上記有声音の終了点を検出する終
    了点検出回路と、 上記開始点検出回路および上記終了点検出回路の出力に
    したがって上記振幅変更回路の利得を制御する制御回路
    とを有し、 上記イヤホン部は、 上記信号処理回路からの音声信号を音波に変換するイヤ
    ホンユニットと、 この変換された音波を検査者の外耳道の中に平面波伝播
    させる別の音響管とを有し、 上記制御回路は、上記開始点検出回路が上記開始点を検
    出したとき、上記振幅変更回路に対して上記利得を小さ
    くする制御信号を供給するとともに、 上記終了点検出回路が上記終了点を検出したとき、上記
    振幅変更回路に対して上記利得を戻す制御信号を供給す
    るようにした検査用装置。
  3. 【請求項3】請求項2に記載の検査用装置において、 上記音響管は上記外耳道の径に対応する径とされるとと
    もに、 その一方の端部が開放されて補聴器のイヤホンからの出
    力音が供給され、 他方の端部に吸音材が充填されて無反射とされ、 上記マイクロフォンユニットは、上記音響管の壁面に上
    記音波の伝播を妨げないように取り付けられているよう
    にした検査用装置。
  4. 【請求項4】請求項3に記載の検査用装置において、 上記別の音響管は上記検査者の外耳道の径に対応する径
    とされるとともに、 その一方の端部が開放されて上記検査者の耳に装着され
    るものとされ、 他方の端部に吸音材が充填されて無反射とされ、 上記イヤホンユニットが、上記別の音響管の壁面に取り
    付けられているようにした検査用装置。
JP10121397A 1997-04-18 1997-04-18 音声信号の処理回路および検査用装置 Pending JPH10294997A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10121397A JPH10294997A (ja) 1997-04-18 1997-04-18 音声信号の処理回路および検査用装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10121397A JPH10294997A (ja) 1997-04-18 1997-04-18 音声信号の処理回路および検査用装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10294997A true JPH10294997A (ja) 1998-11-04

Family

ID=14294643

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10121397A Pending JPH10294997A (ja) 1997-04-18 1997-04-18 音声信号の処理回路および検査用装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10294997A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6292571B1 (en) 1999-06-02 2001-09-18 Sarnoff Corporation Hearing aid digital filter
US8081769B2 (en) 2008-02-15 2011-12-20 Kabushiki Kaisha Toshiba Apparatus for rectifying resonance in the outer-ear canals and method of rectifying
JP2014060467A (ja) * 2012-09-14 2014-04-03 Kyocera Corp 測定装置及び測定方法
JP2014103701A (ja) * 2014-03-12 2014-06-05 Kyocera Corp 測定装置及び測定方法
JP2015033110A (ja) * 2013-08-07 2015-02-16 アシダ音響株式会社 イヤホン
JP2020010149A (ja) * 2018-07-06 2020-01-16 カシオ計算機株式会社 音声信号処理装置、音声信号処理方法、および補聴器

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6292571B1 (en) 1999-06-02 2001-09-18 Sarnoff Corporation Hearing aid digital filter
US8081769B2 (en) 2008-02-15 2011-12-20 Kabushiki Kaisha Toshiba Apparatus for rectifying resonance in the outer-ear canals and method of rectifying
JP2014060467A (ja) * 2012-09-14 2014-04-03 Kyocera Corp 測定装置及び測定方法
JP2015033110A (ja) * 2013-08-07 2015-02-16 アシダ音響株式会社 イヤホン
JP2014103701A (ja) * 2014-03-12 2014-06-05 Kyocera Corp 測定装置及び測定方法
JP2020010149A (ja) * 2018-07-06 2020-01-16 カシオ計算機株式会社 音声信号処理装置、音声信号処理方法、および補聴器

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11029195B2 (en) Earhealth monitoring system and method II
US11665488B2 (en) Auditory device assembly
EP2640095B1 (en) Method for fitting a hearing aid device with active occlusion control to a user
US8837757B2 (en) System, method and hearing aids for in situ occlusion effect measurement
EP2202998A1 (en) A device for and a method of processing audio data
CN101480069A (zh) 用于原位阻塞效应和直接传输声音测量的助听器和方法及通气孔大小确定方法
CN109327789A (zh) 头戴式耳机响应测量和均衡
CN110942781B (zh) 声音处理方法及声音处理设备
TWI713374B (zh) 用於主動式降噪的音頻調校方法以及相關音頻調校裝置
US11516604B2 (en) System and method for evaluating an ear seal using external stimulus
JPH10294997A (ja) 音声信号の処理回路および検査用装置
JP4909263B2 (ja) バイノーラル音信号の主観的特性の判定法
US11736861B2 (en) Auto-calibrating in-ear headphone
US11206502B1 (en) System and method for evaluating an ear seal using normalization
JPH10126896A (ja) 補聴器の検査用装置
CN108476363A (zh) 改进数字反馈抑制电路初始化的听力设备
CN111862924A (zh) 用于主动式降噪的音频调校方法以及相关音频调校装置
Lokki et al. Measurements on active earplugs and effect of ear canal resonance on spectral balance
CN220307386U (zh) 具有用于测试的引线的耳机及耳机佩戴测试系统
CN217741875U (zh) 一种耳道定向拾音装置及系统
US11887577B2 (en) System and method for evaluating an acoustic characteristic of an electronic device
CN113366565B (zh) 用于评估电子设备的声学特性的系统和方法
JPH10117400A (ja) 補聴器の検査用装置
CN118018934A (zh) 助听器语音质量评估方法、系统、设备及可读存储介质
Cox et al. Hearing-aid-processed signals: A new approach