JPH10126896A - 補聴器の検査用装置 - Google Patents

補聴器の検査用装置

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JPH10126896A
JPH10126896A JP29818196A JP29818196A JPH10126896A JP H10126896 A JPH10126896 A JP H10126896A JP 29818196 A JP29818196 A JP 29818196A JP 29818196 A JP29818196 A JP 29818196A JP H10126896 A JPH10126896 A JP H10126896A
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JP
Japan
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hearing aid
sound
acoustic tube
hearing
signal
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Application number
JP29818196A
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English (en)
Inventor
Masami Miura
雅美 三浦
Susumu Yabe
進 矢部
Yoshihiko Ideoka
良彦 出岡
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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  • Measurement Of The Respiration, Hearing Ability, Form, And Blood Characteristics Of Living Organisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 補聴器の特性を確実、かつ、忠実にに知るこ
とができるできるとともに、検査者の安全を確保できる
補聴器の検査用装置を提供する。 【解決手段】 収音部10と、信号処理回路20と、イ
ヤホン部30とを設ける。収音部10は、外耳道の中の
音波の平面波伝播を音響的にシミュレートする音響管1
1と、音響管11における音波を収音して音声信号を出
力するマイクロフォンユニット15とから構成する。信
号処理回路20には、音声信号を補聴器の使用者の聴覚
特性に対応した特性の信号に変換するシミュレータ回路
23と、音声信号の最大レベルを制限するリミッタ2
6、28とを設ける。イヤホン部30は、信号処理回路
20からの音声信号を音波に変換するイヤホンユニット
35と、この変換された音波を検査者の外耳道の中に平
面波伝播させる別の音響管31とから構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、補聴器の検査用
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】補聴器は一般に難聴者が使用するもので
あるが、その動作状態や調整状態などの確認あるいは検
査をするとき、その補聴器の出力音(音響出力)を健聴
な検査者が実際に耳で聞いて行う必要がある。
【0003】このため、補聴器の動作状態や調整状態な
どを確認する場合には、音導管式聴診器のような音導管
を使用している。すなわち、その音導管は、合成ゴムや
ビニールなどにより形成された長さが30cm程度のパイプ
であり、その一端を補聴器のイヤホンに押しつけるとと
もに、他端を検査者の耳に差し込み、補聴器のイヤホン
からの出力音を、その音導管を通じて検査者が聞くよう
にしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記のよう
な方法で補聴器の状態の確認を行う場合には、次のよう
な問題点を生じてしまう。 1.補聴器の出力音が音導管を長く伝播するので、音質の
変化あるいは低下を生じ、補聴器の動作の確認に誤りを
生じることがある。 2.補聴器の出力音が、音導管を通じて検査者の耳に直接
入ってくるので、検査者が補聴器の音量を下げておくこ
とを忘れると、例えば130dBもの高レベルの音圧が検査
者の耳に入り、検査者が音響的な外傷を受けることがあ
る。 3.健聴な検査者が補聴器の出力音を聴くだけなので、そ
の補聴器により難聴者がどの程度聞きやすくなっている
かを確認できない。
【0005】この発明は、これらの問題点を解決し、検
査者の安全を確保できるとともに、特に補聴器の効果を
確実に知ることのできる検査用装置を提供しようとする
ものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】このため、この発明にお
いては、収音部と、信号処理回路と、イヤホン部とを有
し、上記収音部は、外耳道の中の音波の平面波伝播を音
響的にシミュレートする音響管と、この音響管における
上記音波を収音して音声信号を出力するマイクロフォン
ユニットとを有し、上記信号処理回路は、上記音声信号
を補聴器の使用者の聴覚特性に対応した特性の信号に変
換するシミュレータ回路と、上記音声信号の最大レベル
を制限するリミッタとを有し、上記イヤホン部は、上記
信号処理回路からの音声信号を音波に変換するイヤホン
ユニットと、この変換された音波を検査者の外耳道の中
に平面波伝播させる別の音響管とを有する補聴器の検査
用装置とするものである。したがって、補聴器のイヤホ
ンの出力音は、収音部により収音されて音声信号とさ
れ、この音声信号が難聴シミュレートされてからイヤホ
ンユニットに供給されて音に変換され、これが検査者の
耳に供給される。
【0007】
【発明の実施の形態】図1はこの発明による検査用装置
の一例を示すもので、符号10は、その収音部である。
この収音部10は、補聴器のイヤホンの出力音(音響出
力)を収音して音声信号に変換して出力するとともに、
このとき、その補聴器の使用者の外耳道を音響的にシミ
ュレートするものである。このため、この収音部10
は、例えば図2に示すように構成されている。
【0008】すなわち、図2において、音響管11は、
その一部が補聴器を使用しているときの使用者の外耳道
に対応するもので、これは、金属あるいはプラスチック
により断面が円形のパイプ状に形成され、その内径は外
耳道の内径に相当する5〜8mmとされるとともに、長さ
は例えば7〜8cmとされている。
【0009】そして、この音響管11の図における左側
の端部11Aは開放とされ、ここに、補聴器の検査時、
その検査対象の補聴器のイヤホン(図の場合には、耳穴
型補聴器のイヤホン部分)1が挿入される。さらに、こ
の挿入を確実にし、かつ、外界からの遮音を確実にする
ため、端部11Aの外周には、例えばシリコンゴムによ
り形成されたカップリングアダプタ12が設けられてい
る。また、音響管11の図における右側の端部11Bの
内部には、グラスファイバなどの吸音材13が充填され
て音響的に無反射終端とされている。
【0010】さらに、音響管11の壁面のうち、端部1
1Aから例えば10mm以上離れた位置に、開口(透孔)1
4が形成されるとともに、ここにマイクロフォンユニッ
ト15が設けられる。この場合、マイクロフォンユニッ
ト15は、例えばエレクトレット式の無指向性のものと
することができるが、マイクロコンピュータユニット1
5が音響管11の音波伝播を妨げないように、その前面
の音響管11の内部への突出量が小さくされている。
【0011】そして、図1に示すように、マイクロフォ
ンユニット15からの音声信号がスイッチ回路21に供
給されるとともに、一般的な音場の音響を収音するマイ
クロフォン41が設けられ、このマイクロフォン41か
らの音声信号がスイッチ回路21に供給される。
【0012】そして、スイッチ21により2つの音声信
号の一方が選択され、その選択された音声信号が、マイ
クロフォンアンプ22を通じて難聴シミュレータ回路2
3に供給される。この難聴シミュレータ回路23の一例
については後述するが、このシミュレータ回路23は、
この補聴器の使用者の聴覚特性をシミュレートするもの
で、このシミュレータ回路23において、アンプ22か
らの音声信号は、難聴者が知覚する音に対応する音声信
号、すなわち、難聴者に聞こえる音をシミュレートした
音の音声信号に変換される。
【0013】さらに、このシミュレータ回路23からの
音声信号がスイッチ24に供給されるとともに、アンプ
22から音声信号がスイッチ回路24に供給され、スイ
ッチ24からは2つの音声信号の一方が選択されて取り
出される。
【0014】そして、その選択された音声信号が、音量
調整用の可変抵抗器25を通じて第1のリミッタ26に
供給されて最大音量が検査者に聴覚的な外傷を与えない
振幅に制限され、この振幅制限された音声信号が、出力
アンプ27によりパワー増幅されてから第2のリミッタ
28を通じてイヤホン部30に供給される。
【0015】なお、リミッタ28は、第1のリミッタ2
6と同様、最大音量が検査者に聴覚的な外傷を与えない
ように、音声信号を振幅制限するものであるが、アンプ
27とイヤホン部30との音声信号ラインに設けられる
ので、ダイオードリミッタとされる。
【0016】また、イヤホン部30は、音声処理回路2
0からの音声信号を音響に変換するとともに、平面波伝
播させて補聴器の検査者の耳に供給するものであり、こ
のため、このイヤホン部30は、例えば図3に示すよう
に構成されている。
【0017】すなわち、図3において、音響管31は、
補聴器のイヤホンを装着しているときの検査者の外耳道
に対応するもので、これは、収音部10の音響管11と
同様の構成とされ、図における右側の端部31Aは開放
とされ、この端部31Aが、補聴器の検査時、検査者の
外耳道3に挿入される。
【0018】さらに、この挿入を確実にし、かつ、外界
からの遮音を確実にするため、端部31Aの外周には、
例えばシリコンゴムにより形成された耳栓式のイヤーピ
ース32が設けられている。さらに、音響管31の図に
おける左側の端部31Bの内部には、グラスファイバな
どの吸音材33が充填されて音響的に無反射終端とされ
ている。
【0019】また、音響管31の壁面のうち、端部31
Aから例えば30mm以内の位置に、開口(透孔)34が形
成されるとともに、ここにイヤホンユニット35が設け
られる。この場合、イヤホンユニット35は、例えばヘ
ッドホンステレオなどにおいて使用されているダイナミ
ック式のイヤホン(耳穴式ヘッドホン)と同様の電気音
響変換素子とすることができる。
【0020】さらに、このイヤホンユニット35が音響
管31の音波伝播を妨げないように、その前面の音響管
31の内部への突出量が小さくされている。そして、リ
ミッタ28からの音声信号がイヤホンユニット35に供
給される。
【0021】また、イヤホンユニット35の後部に、カ
ップ状の箱体36が設けられるとともに、この箱体36
にはポート37が設けられ、これら箱体36およびポー
ト37により、例えば周波数2〜4kHzで共振する共振
器が構成される。また、箱体37の内部には、吸音材3
8が設けられ、その共振の大きさが所定のレベルとされ
る。
【0022】さらに、図1において、アンプ22からの
音声信号がレベル検出回路51に供給されて音声信号の
レベルが検出され、その検出出力が表示素子、例えばL
ED52に供給され、このLED52の発光が音声信号
のレベルにしたがって制御される。また、アンプ22か
らの音声信号が、外部出力端子53に取り出されるとと
もに、この端子53には、必要に応じて測定装置あるい
は記録装置100が接続される。
【0023】なお、図示はしないが、実際の検査用装置
においては、収音部10および信号処理回路20が箱体
に収納されるとともに、リミッタ28とイヤホンユニッ
ト35とを接続するコードが適当な長さとされる。
【0024】このような構成によれば、対象となる補聴
器の動作状態や調整状態などを、次のようにして確認あ
るいは検査することができる。すなわち、難聴シミュレ
ータ回路23の周波数特性および入出力特性などを、補
聴器の使用者の聴覚特性(難聴の特性)に対応させてお
く。また、スイッチ21、24を図1の状態に接続して
おく。さらに、図2に示すように、音響管11の端部1
1Aに補聴器のイヤホン1をセットするとともに、図3
に示すように、音響管31を検査者の外耳道3に差し込
む。
【0025】すると、イヤホン1から出力音が音響管1
1の端部11Aに入力されるが、このとき、端部11B
には吸音材13が充填されていて音響的に無反射終端と
されているので、イヤホン1の出力音は、音響管11の
内部を平面波として伝播する。
【0026】そして、この平面波伝播する音波がマイク
ロホンユニット15により収音され、その音声信号が信
号処理回路20を通じてドライブユニット31に供給さ
れ、図3に示すように、音として放射される。そして、
その放射された音波が、音響管31の内部を平面波伝播
し、さらに、検査者の外耳道3を通じて鼓膜4に到達す
る。そして、この場合、マイクロフォンユニット15か
らの音声信号は、難聴シミュレータ回路23において、
この補聴器の使用者の聴覚特性にしたがった特性とされ
てドライブユニット31に供給されている。
【0027】したがって、検査者は、補聴器の特性と、
この補聴器の使用者の聴覚特性とが合成された特性で補
聴器の収音した音を聞くことになるので、検査者は、実
際に補聴器を使用する人の状態および立場で補聴器の音
を聞いて補聴器の動作状態や調整状態などを確認あるい
は検査することになる。
【0028】また、このとき、スイッチ24からの音声
信号のレベルが検出回路51により検出され、その検出
出力によりLED52がドライブされ、例えば、補聴器
の出力音圧が100dB未満のときには、LED52は点灯
しないが、100dBを越えると、緑色に点灯させられ、120
dBを越えると、赤色に点灯させられる。
【0029】さらに、スイッチ21を図とは逆の状態に
接続すると、検査者はマイクロフォン41の収音した音
を、難聴シミュレータ回路23を通じて聞くことになる
ので、難聴者が実際に知覚している音を聞くことにな
る。また、スイッチ23を図とは逆の状態に接続する
と、マイクロフォンユニット15の収音した音を、難聴
シミュレータ23を通じることなく聞くことになる。
【0030】こうして、この検査用装置によれば、補聴
器の動作状態や調整状態などを確認あるいは検査するこ
とができるが、特にこの検査用装置によれば、検査者
は、補聴器の特性と、この補聴器の使用者の聴覚特性と
が合成された特性で補聴器の収音した音を聞くことにな
る。
【0031】したがって、検査者は、実際に補聴器を使
用する人の状態および立場で補聴器の音を聞いて補聴器
の動作状態や調整状態などを確認あるいは検査すること
ができ、例えばその補聴器により難聴者がどの程度聞き
やすくなっているかを確認することができるとともに、
補聴器を最良の状態に調整することができる。
【0032】さらに、補聴器の出力音が音導管を長く伝
播するようなことがないので、音質の変化あるいは低下
を生じることがなく、補聴器の動作の確認に誤りを生じ
ることがない。
【0033】また、音響管11のうち、端部11Aとマ
イクロフォン15との間の部分が、その補聴器の使用者
の外耳道を音響的にシミュレートすることになり、その
使用者の鼓膜に達する音響と等価な音響がマイクロフォ
ン15により収音されることになる。さらに、補聴器を
使用するときには、外耳道がイヤホンにより塞がれるこ
とにより気室が形成され、この気室により共振を生じる
が、この共振による周波数特性の変化が部材36〜38
により再現される。
【0034】したがって、補聴器の動作状態や調整状態
などを確認あるいは検査するとき、その補聴器を実際に
使用する状態で確認あるいは検査をすることができると
ともに、検査者は補聴器の音質を正確に認識することが
できる。
【0035】さらに、イヤホンユニット35から放射さ
れた音波の一部は、鼓膜4に到達して反射するが、この
反射波は音響管31の端部31Bに充填された吸音材3
3により吸収される。また、ドライブユニット35から
放射されて端部31Bに向かった音波も吸音材33によ
り吸収される。したがって、音響管31や外耳道3の内
部に定在波を生じることがなく、ドライバユニット35
から検査者の鼓膜4までの周波数特性に乱れを生じるこ
とがない。
【0036】また、カップリングアダプタ12およびイ
ヤーピース32により外界とは音響的に遮蔽されるの
で、検査音に対する外界雑音の影響が小さい。さらに、
例えば、補聴器の出力が120dBであっても可変抵抗器2
5により80dBに減衰させることができるので、補聴器が
大音量のときであっても、安全に確認あるいは検査を行
うことができる。
【0037】さらに、信号処理回路20において、イヤ
ホンユニット35に供給される音声信号の最大レベルが
リミッタ26、28により制限されるので、検査者が補
聴器の音量を下げておくことを忘れたときに、高レベル
の音圧が検査者の耳に入ることがなく、検査者に音響的
な外傷を与えることがない。
【0038】また、LED52の点灯状態により補聴器
の出力音圧を知ることができる。また、端子53にマイ
クロフォンユニット15の収音した補聴器の出力音の音
声信号が出力されるので、この端子53に記録装置やモ
ニタ装置などを接続しておくことにより、補聴器の特性
を電気的に確認あるいは検査するとき、これを容易に行
うことができる。
【0039】ところで、図5は、難聴者の聴力の測定結
果の一例を示すもので、符号HLは最小可聴値(言葉の
聞き取りが可能な最小レベル)を示し、符号UCLは不
快閾値(音が大きすぎて不快に感じるレベル)を示す。
例えば、周波数が500Hzの場合、レベルが50dB〜95dBで
あれば、その音を聞き取ることができる。したがって、
HLとUCLとの間のレベル範囲が受聴可能なレベル範
囲である。
【0040】このように難聴者は、一般に、最小可聴値
が高くなっているとともに、受聴可能なレベル範囲が、
周波数によって異なっている。
【0041】そこで、難聴シミュレータ回路23は、例
えば図4に示すように構成される。すなわち、アンプ2
2からの音声信号がバンドパスフィルタ231に供給さ
れて有効な周波数帯域、例えば100Hz〜8kHzの周波数成
分の音声信号S231が取り出され、この信号S231がA/
Dコンバータ232に供給されて量子化ビット数が例え
ば16ビットのデジタル音声信号S232にA/D変換さ
れ、この信号S232がDSP233に供給される。
【0042】このDSP233は、信号S231を複数の
帯域に分割するとともに、その帯域ごとにレベル圧縮を
行うように信号S232を処理するもので、図の場合に
は、信号S232の供給される3つのフィルタ61L、6
1M、61Mと、3つのレベル圧縮回路62L、62
M、62Hと、加算回路63とを等価的に実現している
ものである。
【0043】そして、フィルタ61Lは、ほぼ1kHz以
下を通過帯域とするローパスフィルタとされ、このフィ
ルタ61Lからは信号S231のピッチおよび第1フォル
マントの成分のデジタル信号S1Lが取り出される。ま
た、フィルタ61Mは、ほぼ1kHz〜3kHzを通過帯域
とするバンドパスフィルタとされ、このフィルタ61M
からは信号S231の第2フォルマントの成分のデジタル
信号S1Mが取り出される。さらに、フィルタ61Hは、
ほぼ3kHz以上を通過帯域とするハイパスフィルタとさ
れ、このフィルタ61Hからは信号S231の第3フォル
マントおよび子音の成分のデジタル信号S1Hが取り出さ
れる。
【0044】そして、これら信号S1L、S1M、S1Hが、
レベル圧縮回路62L、62M、62Hにそれぞれ供給
される。
【0045】この場合、難聴者の聴力特性が図5の特性
であれば、周波数が500Hzのとき、難聴者の最小可聴値
が50dBで、不快閾値が95dBであるが、これを健聴者であ
る検査者の最小可聴値(例えば0dB)および不快閾値
(例えば110dB)に対応させ、レベル圧縮回路62Lの
入出力特性は、図6に示すように、入力レベルが50dBの
ときに出力レベルが0dBになる点と、入力レベルが95dB
のときに出力レベルが110dBになる点とを結んだ特性と
される。
【0046】そして、他のレベル圧縮回路62M、62
Hもレベル圧縮回路62Lと同様とされ、補聴器の使用
者の最小可聴値から不快閾値までの範囲を入力ダイナミ
ックレンジとするとともに、検査者の最小可聴値から不
快閾値までの範囲を出力ダイナミックレンジとするレベ
ル圧縮特性とされる。なお、これらレベル圧縮回路62
L〜62Hの圧縮特性は、マイクロコンピュータ235
により設定される。
【0047】そして、圧縮回路62L〜62Hからの信
号S2L、S2M、S2Hが加算回路63に供給されて加算さ
れ、その加算信号がDSP233の出力信号S233とし
て取り出され、この信号S233が、D/Aコンバータ2
34に供給されてアナログ音声信号にD/A変換され、
この音声信号がシミュレータ回路23の出力信号として
取り出され、上記のようにスイッチ24に供給される。
【0048】したがって、難聴シミュレータ回路23
は、例えば図5の聴力特性をシミュレートした特性とな
り、補聴器が図5の聴力特性を補助する特性に調整され
ていれば、検査者は補聴器の収音した音を正常な音とし
て聞くことができる。あるいは補聴器の収音した音が正
常に聞こえるように補聴器を調整すれば、その補聴器は
図5の聴力特性を示した者にとって最良の補聴器とな
る。
【0049】ちなみに、音声レベルの範囲は60dB〜90dB
であって補聴器の特性に敏感なので、シミュレータ回路
23を使用して補聴器を選択、調整あるいは確認できる
効果は大きい。また、これまでの補聴器は、例えば100d
Bを越える大きいレベルについてのみ自動利得制限回路
が機能するが、これでは使用者が満足できないことも理
解できる。むしろ、主な音声レベルの範囲である60dB〜
90dBにおいて、入出力特性を設定あるいは調整できる補
聴器が要求されていることがわかる。
【0050】したがって、補聴器を使用する人の聴覚特
性にしたがってシミュレータ回路23の特性を設定する
ことにより、補聴器の選択、調整あるいは評価を最善の
ものとすることができる。
【0051】なお、上述において、イヤホン部30の音
響管31は、例えば図7に示すように、へ字状に折り曲
げた形状とすることもでき、このようにすれば、イヤホ
ン部30を検査者の耳に装着するとき、これが安定であ
る。
【0052】また、部材36〜38の代わりに、音声処
理回路20に共振回路を設けることにより、外耳道が補
聴器のイヤホンにより塞がれて形成される気室の共振を
実現することもできる。
【0053】さらに、LED52により出力音圧を表示
するとき、例えば周波数を低城(1kHz以下)、中域
(2kHz付近)、高城(4kHz付近)に分けて表示すれ
ば、音声などの入力信号の増幅の様子が周波数帯域ごと
に大まかにわかるので、高価で測定に時間のかかる補聴
器特性測定装置を使用しなくても、補聴器の異常の発見
ができる。
【0054】また、シミュレータ23がシミュレートす
る聴覚特性は、マイクロコンピュータ235に接続され
たスイッチ(図示せず)より設定することができ、ある
いは他の聴覚検査機器からのデータをマイクロコンピュ
ータ235により受信して設定することもできる。
【0055】さらに、DSP233が実現するフィルタ
61L〜61Hの数やその通過帯域を変更することもで
き、音声信号S231を例えばオクターブごとの帯域に分
割することもできる。
【0056】
【発明の効果】この発明によれば、補聴器の動作状態や
調整状態などの確認あるいは検査、音質の確認を正確に
行うことができる。また、検査者の聴覚を確実に保護す
ることができる。さらに、これらのことにより補聴器の
確認作業や調整作業の効率化に貢献できる。
【0057】また、検査者は、補聴器を実際に使用する
人の状態および立場で、補聴器の選択、確認、調整ある
いは検査をすることができ、例えばその補聴器により難
聴者がどの程度聞きやすくなっているかを容易に確認す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一形態を示す系統図である。
【図2】この発明の一部の一形態を示す断面図である。
【図3】この発明の一部の一形態を示す断面図である。
【図4】この発明の一部の一形態を示す系統図である。
【図5】聴覚特性の測定例を示す図である。
【図6】この発明の一部の特性の一形態を示す図であ
る。
【図7】この発明の一部の他の形態を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
10…収音部、11…音響管、12…カップリングアダ
プタ、13…吸音材、15…マイクロフォンユニット、
20…信号処理回路、23…難聴シミュレータ回路、2
5…可変抵抗器、26および28…リミッタ、30…イ
ヤホン部、31…音響管、32…イヤーピース、33…
吸音材、35…イヤホンユニット、36…箱体、37…
ポート、38…吸音材

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】収音部と、 信号処理回路と、 イヤホン部とを有し、 上記収音部は、 外耳道の中の音波の平面波伝播を音響的にシミュレート
    する音響管と、 この音響管における上記音波を収音して音声信号を出力
    するマイクロフォンユニットとを有し、 上記信号処理回路は、 上記音声信号を補聴器の使用者の聴覚特性に対応した特
    性の信号に変換するシミュレータ回路と、 上記音声信号の最大レベルを制限するリミッタとを有
    し、 上記イヤホン部は、 上記信号処理回路からの音声信号を音波に変換するイヤ
    ホンユニットと、 この変換された音波を検査者の外耳道の中に平面波伝播
    させる別の音響管とを有する補聴器の検査用装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の補聴器の検査用装置にお
    いて、 上記音響管は上記外耳道の径に対応する径とされるとと
    もに、 その一方の端部が開放されて上記補聴器のイヤホンから
    の出力音が供給され、 他方の端部に吸音材が充填されて無反射とされ、 上記マイクロフォンユニットは、上記音響管の壁面に上
    記音波の伝播を妨げないように取り付けられているよう
    にした補聴器の検査用装置。
  3. 【請求項3】請求項2に記載の補聴器の検査用装置にお
    いて、 上記別の音響管は上記検査者の外耳道の径に対応する径
    とされるとともに、 その一方の端部が開放されて上記検査者の耳に装着され
    るものとされ、 他方の端部に吸音材が充填されて無反射とされ、 上記イヤホンユニットが、上記別の音響管の壁面に取り
    付けられているようにした補聴器の検査用装置。
  4. 【請求項4】請求項3に記載の補聴器の検査用装置にお
    いて、 上記シミュレータ回路は、上記補聴器の使用者の最小可
    聴値から不快閾値までの範囲を入力ダイナミックレンジ
    とするとともに、 上記検査者の最小可聴値から不快閾値までの範囲を出力
    ダイナミックレンジとするレベル変換を行うようにした
    補聴器の検査用装置。
  5. 【請求項5】請求項4に記載の補聴器の検査用装置にお
    いて、 上記レベル変換を、上記音声信号の所定の周波数帯域ご
    とに行うようにした補聴器の検査用装置。
  6. 【請求項6】請求項5に記載の補聴器の検査用装置にお
    いて、 上記検査者の外耳道に供給される音波の周波数特性を補
    正するイコライザ手段を有する補聴器の検査用装置。
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