JPH10293173A - 電波高度計 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の受信部で取得する信号が各高度地点に
おける最適な信号にならないことを解決することにあ
り、いかなる高度においても最適な受信信号を得ること
ができる送信電波適応型の電波高度計を提供することに
ある。 【解決手段】 電波の送信部は、パルス発生器１からの
パルスが入力する送信器２が設けられ、送信電波パルス
の電力の可変制御手段を有し、所要の電力パルスを出力
する。送信アンテナ３は送信器２からの送信電波パルス
を地表７に向けて発射し、反射波を受信アンテナ４で受
信する。受信機５は発信から受信までの時間間隔を計測
し、演算により距離信号を出力する。受信アンテナ４の
受信電力はレベル判定回路６により最適レベルと比較さ
れ、そのレベル偏差が零になるよう送信器２の送信電波
の電力を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、航空機に搭載し、
対地高度を測定する電波高度計、特にパルス方式の電波
高度計に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】電波高度計は大きく分けてパルス方式と
ＦＭＣＷ方式とがある。一般にＦＭＣＷ（Ｆｒｅｇｕｅ
ｎｃｙ Ｍｏｄｕｌａｔｉｏｎ Ｃｏｎｔｉｎｕｏｕｓ
Ｗａｖｅ）方式は、地表面からの平均高度を指示する
ものであり自動着陸時の高度チェックに適している。パ
ルス方式は、機体直下の最短距離を指示するもので、地
上からの一定高度で飛行するときの高度測定に適してい
る。

【０００３】パルス方式による高度測定は送信電波パル
スと受信電波パルスとの時間間隔を測定して高度信号を
得るものである。そして、このパルス方式は広帯域の受
信特性を必要とするため、外来雑音及び干渉を受け易
く、特に低高度での影響が大きい。そのため、高高度の
場合に比較して或る一定高度以下の低高度のときは送信
電波電力を下げて動作の安定化及び精度向上をはかるよ
うにしている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この従
来の固定の高度データにより高高度と低高度とを区別
し、送信電波電力を変えたり受信信号をアッテネータで
変えたりする方式では、受信部で取得する信号が各高度
地点において常に最適な信号とはならず、動作の安定
化、精度向上の点で不十分であった。

【０００５】本発明の目的は、この従来の受信部で取得
する信号が各高度地点における最適な信号にならないこ
とを解決することにあり、いかなる高度においても常に
最適な受信信号を得ることができる送信電波適応型の電
波高度計を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記の目的は、受信部の
受信電波の電力レベルを最適受信レベルと比較判定する
手段と、該判定結果のレベルの偏差を零にするように送
信部の送信電波の電力を補正制御する手段とを設けたこ
とによって達成される。

【０００７】上記の手段によれば、レベルの比較判定手
段によって受信電波電力レベルの最適レベルからのずれ
を判定できる。このずれが常に零になるように送信電波
の電力を制御する。これにより各高度地点において常に
受信レベルを最適な値に保つことができ、測定動作の安
定化、測定値の高精度化をはかれる。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
により説明する。

【０００９】図１は、本発明の一実施形態の送受信部ブ
ロック図を示す。電波高度計は航空機に搭載され、送信
アンテナ及び受信アンテナが機体底面に下方の地表に向
けて設けられる。電波の送信部は、パルス制御信号によ
りパルス発生器１が動作してパルスを発生する。パルス
発生器１からのパルスが入力する送信器２は、送信電波
の電力を可変制御する手段を有し、所要電力の送信電波
パルスを出力することができる。送信アンテナ３は送信
器２からの送信電波を地表７に向けて発射する。地表７
に当って反射してくる電波を受信アンテナ４が受信し、
受信信号を受信器５に供給する。受信器５には送信器２
から送信電波パルスが入力し、送信電波パルスと受信電
波パルスとの時間間隔を計測し、この時間を発射電波の
空中伝播速度から演算した結果の距離信号を出力する。

【００１０】受信アンテナ４から受信器５に供給される
受信信号の受信電波はレベル判定回路６に入力する。レ
ベル判定回路６は最適受信レベルデータを有し、受信電
波の電力レベルをこの最適受信レベルと比較判定する。
そして比較判定結果の偏差にもとづいて制御信号を出力
する。送信器２は送信電波電力の可変制御手段を有し、
レベル判定回路６からの制御信号が入力することによっ
て送信電波電力を上記判定結果のレベル偏差が零になる
よう補正制御する。この補正制御された送信電波が送信
アンテナ３から発射され、地面７からの反射波を受信ア
ンテナ４で受信するから、受信電波の電力レベルは各高
度地点において常に最適受信レベルで受信されるよう自
動適応制御される。

【００１１】このため高高度でも低高度でも各高度地点
において常に最適受信レベルの電力で受信できることに
なる。これにより電波の発射から受信までの時間間隔の
計測が安定して高精度に行なわれ、受信器５からは現在
高度の正確な距離信号の出力が得られる。

【００１２】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、各高度地
点において受信部に入力する受信電波の電力レベルを常
に最適な値に保つことができ、高度測定の動作の安定
化、測定精度の向上をはかることができる。又送信電波
電力の最適化制御によって効率向上がはかれる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態のブロック構成図。

【符号の説明】

１…パルス発生器、２…送信器、３…送信アンテナ、４
…受信アンテナ、５…受信器、６…レベル判定回路、７
…地表。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 送信電波パルスを供給する送信部と、供
   給される送信電波パルスを地表に向けて発射する送信ア
   ンテナと、地表からの反射波を受信する受信アンテナ
   と、上記送信電波パルスと受信電波パルスとの時間間隔
   を計測して距離信号を出力する受信部とを備えた電波高
   度計において、上記受信部の受信電波の電力レベルを最
   適受信レベルと比較判定する手段と、該判定結果のレベ
   ルの偏差を零にするように上記送信部の送信電波の電力
   を補正制御する手段とを設けたことを特徴とする電波高
   度計。