JPH10292050A - ポリカーボネートペレットの製造方法 - Google Patents

ポリカーボネートペレットの製造方法

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JPH10292050A
JPH10292050A JP10886897A JP10886897A JPH10292050A JP H10292050 A JPH10292050 A JP H10292050A JP 10886897 A JP10886897 A JP 10886897A JP 10886897 A JP10886897 A JP 10886897A JP H10292050 A JPH10292050 A JP H10292050A
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polycarbonate
powder
vent
solvent
water
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JP10886897A
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Toshimasa Tokuda
俊正 徳田
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Teijin Chemicals Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安全性の見地から成形品中に残存する塩素含
有量を著しく低減したポリカーボネートペレットを容易
に製造する方法を提供する。 【解決手段】 ポリカーボネートの有機溶媒溶液からポ
リカーボネート粉粒体を得る粉粒化工程と、次いで得ら
れた粉粒体を溶融押出してポリカーボネートペレットを
得る溶融押出工程によりポリカーボネートペレットを製
造するに当り、該粉粒化工程は、非及び/又は貧溶媒を
特定量含有させたポリカーボネートスラリーからポリカ
ーボネート粉粒体を分離する工程であり、該溶融押出工
程は、ベント付き押出機を用い、ベント前の水の注入添
加部から、水を特定量注入添加し、ベントから脱揮しな
がらペレット化する工程であるポリカーボネートペレッ
トの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塩素含有量が極め
て少いポリカーボネートペレットの製造方法に関する。
更に詳しくは、非及び/又は貧溶媒を含有させたポリカ
ーボネートのスラリーから粉粒体を得た後、押出機にて
水を注入添加しながら脱揮する塩素含有量が極めて少い
ポリカーボネートペレットの製造方法及びそれから得ら
れる成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリカーボネートの溶液法や界面
重縮合法においては、溶媒としてハロゲン系の有機溶
媒、特に塩化メチレンが用いられており、ポリカーボネ
ートは、塩化メチレンの溶液として得られ、この溶液か
ら塩化メチレンを分離除去する必要がある。しかしなが
ら、塩化メチレンはポリカーボネートとの親和性が強い
ため、これの十分な分離除去は極めて困難である。近
年、環境や安全等の問題の高まりから、ポリカーボネー
ト成形品中の塩化メチレンの残存量の規制が厳しくな
り、特に米国規格ではポリカーボネートボトルに保存し
た水中の塩素溶出容認量は0.005ppm以下という
極めて厳しい規制がだされている。
【0003】従来、ポリカーボネートの脱溶媒を容易に
するために、温水中で多孔質化することが提案されてい
る(特開昭60−54329号公報、特公昭46−37
424号公報)。しかしながら、この方法では脱溶媒が
十分でなく、しかも得られる粉粒体は嵩比重が低下し、
次いで行う溶融押出時の噛み込みが悪化するようにな
る。また、ポリカーボネートの有機溶媒溶液に、ポリカ
ーボネートの非溶媒を添加して造粒する方法(特公昭4
6−31468号公報、特公昭55−21773号公
報、特開昭64−31690号公報等)、ポリカーボネ
ートの水スラリーに非溶媒を添加する方法(特開平5−
32793号公報や特開平5−179003号公報)が
提案されている。しかしながら、これらの方法によって
も未だ脱溶媒は不十分である。ポリカーボネートの有機
溶媒溶液から得られたポリカーボネート粉粒体をベント
付押出機によってペレット化する際に、水を添加し、ベ
ントから脱揮する方法(特開昭62−294528号公
報、特公平5−48162号公報、特公平7−2364
号公報、特開平5−27647号公報)が提案されてい
る。しかしながら、この方法によっても未だ脱溶媒は不
十分である。また、特定量の有機溶媒と水とを含有する
ポリカーボネートを押出機に供給し、押出機内で微粉砕
した後溶融させることなく圧縮押出して微粉体の凝集体
とする乾燥性のよい粉粒体の製造法が提案されている
(国際公開番号WO95/08585)。特に、この方
法によって得られる微粉体の凝集体に、水と非溶媒を加
えてスラリーになし、撹拌した後分離乾燥すれば脱溶媒
した粉粒体が得られることが知られているが、かかる方
法は操作が煩雑であり、より簡易な方法で十分に脱溶媒
された粉粒体を得る方法が求められている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、安全
性の見地から成形品中に残存する溶媒量即ち塩素含有量
を著しく低減したポリカーボネートペレットを容易に製
造する方法を提供することである。
【0005】本発明者は、上記課題を達成せんとして鋭
意研究を重ねた結果、非及び/又は貧溶媒を含有したポ
リカーボネートスラリーから分離して得たポリカーボネ
ート粉粒体を、更にベント付押出機を用い、ベント前で
水を添加してペレット化することにより、ペレット中の
残留塩素を、夫々単独では到達し得ない著しく少ない量
に低減することが可能になることを見出した。即ち、両
者の相乗効果が得られることを見出し、本発明を完成し
たものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、ポリカーボネ
ートの有機溶媒溶液からポリカーボネート粉粒体を得る
粉粒化工程と、次いで得られた粉粒体を溶融押出してポ
リカーボネートペレットを得る溶融押出工程によりポリ
カーボネートペレットを製造するに当り、該粉粒化工程
は、非及び/又は貧溶媒をポリカーボネート1重量部に
対し0.001〜1.2重量部含有させたポリカーボネ
ートスラリーからポリカーボネート粉粒体を分離する工
程であり、該溶融押出工程は、少くとも一箇所のベント
と少くとも一箇所のベントの直前に水の注入添加部を設
けた押出機を用い、少くとも一箇所の水の注入添加部か
ら、水を水の注入添加部一箇所当り、ポリカーボネート
100重量部に対し0.2〜4重量部添加し、ベントか
ら脱揮しながらペレット化する工程であることを特徴と
するポリカーボネートペレットの製造方法である。
【0007】本発明でいう有機溶媒は、少くとも一種の
良溶媒を主たる対象とし、重合を阻害しない程度の量で
あれば、貧溶媒や非溶媒が混合されていてもよい。ここ
でいう良溶媒、貧溶媒及び非溶媒とは例えばビスフェノ
ールAとカーボネート前駆物質から得られるポリカーボ
ネートの場合、W.F.CHRISTOPHER,D.
W.FOX著「ポリカーボネート」1962年、32〜
33頁の表3−1における分類中の“Good Sol
vent”及び“Fair Solvent”に該当す
る溶媒が良溶媒、“Poor Solvent”、“V
ery Poor Solvent”及び“Weak
precipitant”に該当する溶媒が貧溶媒、
“Strong precipitant”に該当する
溶媒が非溶媒である。良溶媒の代表例としては塩化メチ
レン、テトラクロロエタン、トリクロロエタン等があげ
られ、なかでも塩化メチレンが好ましい。貧溶媒の代表
例としてはベンゼン、トルエン、アセトン、酢酸エチル
等があげられる。本発明でいう非溶媒とは水以外の溶媒
であり、その代表例としてはヘキサン、シクロヘキサ
ン、ヘプタン等があげられる。かかる貧溶媒や非溶媒は
単独で用いても、二種以上併用してもよく、特にシクロ
ヘキサン、ヘプタン、酢酸エチルが好ましい。
【0008】本発明で対象とするポリカーボネートは、
二価フェノールとホスゲン又はホスゲン誘導体を有機溶
媒の存在下に反応して得られる芳香族ポリカーボネート
であり、これにジカルボン酸成分を共重合したポリエス
テルカーボネートであってもよい。ここで使用する二価
フェノールとしては例えばハイドロキノン、レゾルシ
ン、4,4′−ジヒドロキシジフェニル、ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)−1−フェニルエタン、2,2−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)プロパン(通称ビスフェノール
A)、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4
−ヒドロキシフェニル)フロパン、2,2−ビス(3,
5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3−イソプロピル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン、2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)−4−イソプロピルシクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5
−トリメチルシクロヘキサン、α,α′−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼン、
α,α′−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−p−ジイ
ソプロピルベンゼン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)フルオレン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)−5,7−ジメチルアダマンタン、4,4′−
ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4′−ジヒドロ
キシジフェニルスルホキシド、4,4′−ジヒドロキシ
ジフェニルスルフィド、4,4′−ジヒドロキシジフェ
ニルオキシド等が挙げられる。これらは単独で用いて
も、二種以上併用してもよい。また、少量の三官能以上
の化合物を分岐剤として用いても、脂肪族二官能性化合
物を少量共重合してもよい。
【0009】二価フェノールとホスゲンとの反応は、通
常酸結合剤及び有機溶媒の存在下に行う。酸結合剤とし
ては例えば水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のアル
カリ金属水酸化物、ピリジン等が用いられる。有機溶媒
としては前記の良溶媒が用いられる。また、反応促進の
ために例えば第三級アミンや第四級アンモニウム塩等の
触媒を用いることができ、分子量調節剤として例えばフ
ェノール、p−tert−ブチルフェノール、p−クミ
ルフェノール等の末端停止剤を使用するのが好ましい。
反応温度は通常0〜40℃、反応時間は数分〜5時間、
反応中のpHは10以上に保つのが好ましい。ポリカー
ボネートの分子量は、溶媒として塩化メチレンを用い、
0.7g/100ml濃度で測定した溶液の比粘度が
0.16〜1.3のものが好ましい。0.16未満のも
のは脆くて実用性に劣り、1.3を越えるものは溶融流
動性が悪くなり、溶融成形し難くなる。
【0010】本発明では、上記ポリカーボネートの有機
溶媒溶液からポリカーボネートの粉粒体を得る粉粒化工
程において、ポリカーボネートスラリーに非及び/又は
貧溶媒を含有させ、このスラリーからポリカーボネート
粉粒体を分離し、好ましくは乾燥を行い、次いで得られ
た粉粒体を特定の溶融押出工程へ供することが特徴であ
る。
【0011】本粉粒化工程においては、ポリカーボネー
トスラリー中に存在する非及び/又は貧溶媒の含有割合
が重要であり、その添加時期については特に限定されな
い。本工程の具体的な方法としては、(1)ポリカーボ
ネートの有機溶媒溶液を、ポリカーボネート粒子が存在
するか又は存在しない加熱水中に供給して有機溶媒を除
去し、得られたポリカーボネートの水スラリーに、非及
び/又は貧溶媒を添加し、次いでポリカーボネート粉粒
体を分離する方法、(2)ポリカーボネートの有機溶媒
溶液に、非及び/又は貧溶媒を添加し、次いでポリカー
ボネート粒子が存在するか又は存在しない加熱水中に供
給して有機溶媒を除去し、得られたポリカーボネートの
水スラリーからポリカーボネート粉粒体を分離する方法
等があげられる。
【0012】かかるポリカーボネートスラリーからポリ
カーボネート粉粒体を分離する方法としては、特別の手
段は必要でなく、ろ過、遠心分離、乾燥等任意の方法が
用いられ、次の溶融押出工程の前に乾燥を行うことが好
ましい。この際、粉粒体中の有機溶媒が、非及び/又は
貧溶媒に置換され、ある程度塩素含有量の減少したポリ
カーボネート粉粒体を得ることができる。
【0013】ポリカーボネートスラリー中の非及び/又
は貧溶媒の含有割合は、ポリカーボネート1重量部に対
し0.001〜1.2重量部であり、0.01〜1.0
重量部の範囲が好ましい。非及び/又は貧溶媒の含有割
合が0.001重量部より少ないと、非及び/又は貧溶
媒のポリカーボネート中への浸透量が不十分であり塩素
含有量の低減の効果が低く、1.2重量部より多く含有
しても、効果の向上は見られず、また回収処理量も多く
なり好ましくない。
【0014】本発明にあつては、かくして得られたポリ
カーボネート粉粒体を溶融押出工程に供し、少くとも一
箇所のベントと少くとも一箇所のベントの前に水の注入
添加部を設けた押出機を用い、少くとも一箇所の水の注
入添加部から、水を水の注入添加部一箇所当り、ポリカ
ーボネート粉粒体100重量部に対し0.2〜4重量
部、好ましくは0.5〜3重量部注入添加し、ベントか
ら脱揮しながらペレット化する。水の添加はベント部の
直前で注入添加するのが好ましい。また、ベント付押出
機としては、ベント部が二箇所以上設けられている多段
ベント付押出機が好ましく、ベント数と水の注入添加箇
所共に二箇所以上、特に二〜五箇所設けたものが好まし
い。また、押出機の形式としては二軸押出機が好まし
い。水の添加量は、あまりに少ないと十分な塩素含有量
の低減効果が得られ難く、またあまりに多いとベント部
での脱揮が不十分になり、ポリカーボネートの加水分解
を生じ易くなるので、一箇所での水の添加量を、前記範
囲とすることが好ましい。
【0015】各ベントの真空度は、50Torr以下に
するのが好ましい。更に好ましくは30Torr以下で
ある。真空度が十分でないと添加した水がベント部で十
分に除去されず、ポリカーボネートに加水分解等の悪影
響を及ぼすようになるので好ましくない。押出機の樹脂
温度は通常の押出温度でよく、例えばビスフェノールA
とカーボネート前駆物質から得られるポリカーボネート
の場合260〜320℃の範囲が好ましい。
【0016】本発明で得られるポリカーボネートペレッ
トは、例えば射出成形法、圧縮成形法、押出成形法、溶
液キャスティング法等任意の方法で成形することがで
き、そのガラス転移温度が特に高いものはキャスティン
グ法が好ましい。本発明の製造方法によって得られるポ
リカーボネートペレットから成形される成形品は、塩素
含有量が極めて少なく、特に大小種々の水ボトル(0.
1〜50リットル程度の飲料水や清涼飲料水ボトル)に
用いた場合に保存水中に溶出する塩素化合物の量が極め
て少なく安全性に優れるため、水ボトル用途として好適
に用いることができる。また、得られるポリカーボネー
トペレットには、必要に応じて熱安定剤、酸化防止剤、
光安定剤、着色剤、帯電防止剤、滑剤、離型剤等の添加
剤を加えることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に実施例を挙げて本発明を更
に説明する。なお、実施例中の部及び%は重量部及び重
量%であり、塩素含有量、非又は貧溶媒の残留量は下記
の方法によって測定した。 (1)塩素含有量;三菱化学(株)製の塩素イオウ分析
装置TSX10型を用いて燃焼法により測定した。 (2)非又は貧溶媒の残留量;ヘッドスペース法(25
0℃、2時間)により、FID−GCにて測定した。
【0018】[参考例1]ポリカーボネートスラリーA
の製造;溶液供給口、水蒸気導入口、温水導入口、蒸気
排出口、溢流口を設けたニーダーに嵩密度が0.6g/
mlのポリカーボネート粒子と温水を仕込み、これにビ
スフェノールAとホスゲンから常法により合成、精製し
た比粘度0.451のポリカーボネートの塩化メチレン
溶液(濃度15%)を撹拌下一定速度で連続的に供給
し、同時に圧力2.7kg/cm2 の水蒸気と41℃の
温水を導入し、水温を41℃に維持しながらポリカーボ
ネート30%の水スラリーを連続的に排出した。水スラ
リー中のポリカーボネートの塩素含有量は40%であっ
た。このポリカーボネートスラリーをポリカーボネート
スラリーAとする。
【0019】[参考例2]ポリカーボネート粉粒体Bの
製造;ビスフェノールAとホスゲンから常法によって合
成、精製した比粘度0.280のポリカーボネートの塩
化メチレン溶液(濃度13.5%)1容量部に対し、ヘ
プタンを0.25容量部(ポリカーボネート重量/ヘプ
タン重量=1)加え、参考例1で用いたニーダーにて水
温を50℃に維持しながら造粒した。得られたポリカー
ボネートスラリー中のヘプタンの含有量はポリカーボネ
ート1部に対しヘプタン0.7部の割合であった。かか
るポリカーボネートスラリーからポリカーボネート粉粒
体を分離した後、145℃で7時間乾燥して塩素含有量
が5ppmでヘプタン残存量が900ppmの粉粒体を
得た。この粉粒体をポリカーボネート粉粒体Bとする。
【0020】[実施例1]ポリカーボネートスラリーA
(スラリー濃度30%)にヘプタンを、ポリカーボネー
ト1部に対し0.4部添加し、60分撹拌した後70℃
で30分、95℃で30分撹拌しながら溶媒を留去した
後、分離したポリカーボネート粉粒体を160℃で7時
間乾燥した。この粉粒体の塩素含有量は10ppm、ヘ
プタン残存量は450ppmであった。この粉粒体を、
三箇所のベントと夫々のベントの直前に水注入添加部を
設けた神戸製鋼(株)製46φ二軸押出機KTX−46
(エレメント構成;溶融ゾーン、水添加ゾーンにニーデ
ィングスクリューエレメント使用)により、スクリュー
回転数を150rpm、吐出量を50kg/時、シリン
ダー温度を220〜260℃、水の注入添加量をポリカ
ーボネート100部に対し、第1ベントの直前の水の注
入添加量を0、第2ベント直前の水の注入添加量を1.
0部、第3ベントの直前の水の注入添加量を1.0部に
し、第1ベントの真空度を25Torr、第2ベントの
真空度を10Torr、第3ベントの真空度を9Tor
rにし、溶融押出してペレット化した。得られたペレッ
トの塩素含有量は0.5ppm、ヘプタン残存量は20
ppmであった。
【0021】[実施例2]スクリュー回転数を250r
pmにし、第2ベント直前の水の注入添加量を1.5
部、第3ベントの直前の水の注入添加量を1.5部、第
1ベントの真空度を22Torr、第2ベントの真空度
を14Torr、第3ベントの真空度を13Torrに
する以外は実施例1と同様に溶融押出してペレット化し
た。得られたペレットの塩素含有量は0.3ppm、ヘ
プタン残存量は15ppmであった。
【0022】[実施例3]スクリュー回転数を300r
pm、第1ベントの直前の水の注入添加量を1.2部、
第2ベント直前の水の注入添加量を1.3部、第3ベン
トの直前の水の注入添加量を1.4部、第1ベントの真
空度を25Torr、第2ベントの真空度を30Tor
r、第3ベントの真空度を30Torrにする以外は実
施例1と同様に溶融押出してペレット化した。得られた
ペレットの塩素含有量は0.2ppm、ヘプタン残存量
は15ppmであった。
【0023】[実施例4]ヘプタンに代えてシクロヘキ
サンを、ポリカーボネート1部に対し0.4部用いる以
外は実施例1と同様にしてポリカーボネート粉粒体を得
た。この粉粒体の塩素含有量は4ppm、シクロヘキサ
ン残存量は550ppmであった。この粉粒体を用い、
実施例1と同様に溶融押出して得たペレットの塩素含有
量は0.2ppm、シクロヘキサン残存量は30ppm
であった。
【0024】[実施例5]ヘプタンに代えて酢酸エチル
をポリカーボネート1部に対し0.4部用いる以外は実
施例1と同様にしてポリカーボネート粉粒体を得た。こ
の粉粒体の塩素含有量は5ppm、酢酸エチル残存量は
40ppmであった。この粉粒体を用い、実施例1と同
様に溶融押出して得たペレットの塩素含有量は0.3p
pm、酢酸エチル残存量は10ppmであった。
【0025】[実施例6]参考例2で得たポリカーボネ
ート粉粒体Bを用い、実施例1で用いた二軸押出機によ
り実施例1と同様の条件で溶融押出して得たペレットの
塩素含有量は0.3ppm、ヘプタン残存量は40pp
mであった。
【0026】[比較例1]実施例1において、ポリカー
ボネートスラリーAにヘプタンを添加しない以外は実施
例1と同様にしてポリカーボネート粉粒体を得た。この
粉粒体の塩素含有量は415ppmであった。この粉粒
体を用い、実施例1と同様に溶融押出して得たペレット
の塩素含有量は7ppmと高かった。
【0027】[比較例2]実施例1において、二軸押出
機における水の注入添加をしない以外は実施例1と同様
にしてポリカーボネートペレットを得た。このペレット
の塩素含有量は4ppmと高く、ヘプタン残存量は95
ppmであった。
【0028】[比較例3]実施例1において、ポリカー
ボネートスラリーAにヘプタンを添加せず、且つ二軸押
出機における水の注入添加をしない以外は実施例1と同
様にしてポリカーボネートペレットを得た。このペレッ
トの塩素含有量は25ppmと高かった。
【0029】以上の結果をまとめて表1に示した。表1
中の非又は貧溶媒の種類を示す記号は下記のものを示
す。 HP;ヘプタン CH;シクロヘキサン EA;酢酸エチル
【0030】
【表1】
【0031】[実施例7]実施例1で得たペレットを用
いて射出吹込成形で内容量1リットルの水ボトルを成形
し、FDA規格に従ってイオン交換水を満たして35℃
での塩化メチレンの水中への平衡溶出量をテクマー社製
のパージアンドトラップ装置を用いGC−MSで測定し
たところ0.002mg/リットルであった。
【0032】[比較例4]比較例1で得たペレットを用
いて実施例7と同様にして1リットルの水ボトルを成形
し平衡溶出量を求めたところ0.025mg/リットル
であった。
【0033】
【発明の効果】本発明によって得られるポリカーボネー
トペレットは、塩素含有量が極めて少なく、それから得
られる成形品に残存する塩素量も極めて少なく、特に大
小種々の水ボトルに用いた場合に、保存水中に溶出する
塩素化合物の量は極めて少なく好適である。このよう
に、本発明は特に安全性の高いポリカーボネートが得ら
れるので極めて有用である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリカーボネートの有機溶媒溶液からポ
    リカーボネート粉粒体を得る粉粒化工程と、次いで得ら
    れた粉粒体を溶融押出してポリカーボネートペレットを
    得る溶融押出工程によりポリカーボネートペレットを製
    造するに当り、該粉粒化工程は、非及び/又は貧溶媒を
    ポリカーボネート1重量部に対し0.001〜1.2重
    量部含有させたポリカーボネートスラリーからポリカー
    ボネート粉粒体を分離する工程であり、該溶融押出工程
    は、少くとも一箇所のベントと少くとも一箇所のベント
    の前に水の注入添加部を設けた押出機を用い、少くとも
    一箇所の水の注入添加部から、水を水の注入添加部一箇
    所当り、ポリカーボネート粉粒体100重量部に対し
    0.2〜4重量部注入添加し、ベントから脱揮しながら
    ペレット化する工程であることを特徴とするポリカーボ
    ネートペレットの製造方法。
  2. 【請求項2】 非及び/又は貧溶媒が、シクロヘキサ
    ン、ヘプタン及び酢酸エチルよりなる群から選ばれる少
    くとも一種の非及び/又は貧溶媒である請求項1記載の
    ポリカーボネートペレットの製造方法。
  3. 【請求項3】 溶融押出工程が、少くとも二箇所のベン
    トと少くとも二箇所のベントの直前に水の注入添加部を
    設けた押出機を用い、少くとも二箇所の水の注入添加部
    から、水を水の注入添加部一箇所当り、ポリカーボネー
    ト粉粒体100重量部に対し0.2〜4重量部になる量
    注入添加し、各ベントから50Torr以下の真空度で
    脱揮する請求項1記載のポリカーボネートペレットの製
    造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3の方法のいずれかによって
    製造された塩素含有量が1ppm以下のポリカーボネー
    トペレットを成形してなる成形品。
  5. 【請求項5】 成形品が、ボトルである請求項4記載の
    成形品。
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