JPH10291957A - 芳香族カルボン酸の製造方法および装置 - Google Patents

芳香族カルボン酸の製造方法および装置

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JPH10291957A
JPH10291957A JP10034450A JP3445098A JPH10291957A JP H10291957 A JPH10291957 A JP H10291957A JP 10034450 A JP10034450 A JP 10034450A JP 3445098 A JP3445098 A JP 3445098A JP H10291957 A JPH10291957 A JP H10291957A
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JP
Japan
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slurry
carboxylic acid
oxidation reactor
deflector
aromatic carboxylic
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JP10034450A
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English (en)
Inventor
Satoru Murakami
哲 村上
Toshiyuki Sakata
敏幸 坂田
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Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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Publication date
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  • Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 酸化反応器から生成する芳香族カルボン酸の
スラリーを抜き出す際、スラリーに同伴する非凝縮性ガ
スの量を少なくし、これにより酸素含有ガスの利用効率
を高くできる芳香族カルボン酸の製造方法およびそのた
めの装置を得る。 【解決手段】 酸化反応器1のスラリー排出路8の開口
部9よりも、反応液の攪拌流11の下流側の内壁にディ
フレクタ10を設け、原料導入路6からアルキル芳香族
化合物を溶媒および触媒とともに導入し、ガス導入路7
から酸素含有ガスを導入し、攪拌機3を回転させ、生成
する芳香族カルボン酸を含むスラリーをスラリー排出路
8から抜き出すことによりスラリーに同伴する非凝縮性
ガスの量を少なくする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルキル置換基ま
たは一部酸化したアルキル置換基を含有するアルキル芳
香族化合物を酸素含有ガスにより液相酸化して芳香族カ
ルボン酸を製造する方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】芳香族カルボン酸類は基礎化学品として
重要であり、特に芳香族ジカルボン酸は繊維、樹脂、可
塑剤等の原料として有用である。例えば、テレフタル酸
はポリエステル原料として、近年その需要が増大してい
る。
【0003】従来、芳香族カルボン酸の製造方法として
は、一般に酸化反応槽において、重金属化合物および臭
素化合物を触媒とし、酢酸等の低級脂肪族カルボン酸を
含む反応溶媒中で、メチル置換芳香族化合物を分子状酸
素含有ガスと接触させて液相酸化する方法が採用されて
いる。このような従来の製造方法では、内周壁にバッフ
ルを有し、中央部に攪拌機を有する円筒形の酸化反応器
に、原料としてパラキシレン等のアルキル置換芳香族化
合物、溶媒の酢酸および触媒の混合物、ならびに空気等
の酸素含有ガスを導入して酸化反応を行い、テレフタル
酸等の芳香族カルボン酸を生成させている。
【0004】生成する芳香族カルボン酸は結晶として析
出し、スラリーとなるので、このスラリーを酸化反応槽
からスラリー受槽に抜き出して、精製工程に移送する。
この場合スラリーは酸化反応槽の下部から抜き出される
が、酸化反応器内は一般に空気にて酸化反応を行うた
め、酸素、窒素等の非凝縮ガスが大量に存在しており、
その一部がスラリーに同伴して抜き出されるため酸素含
有ガスのロスが大きいという問題点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、酸化
反応器から生成する芳香族カルボン酸のスラリーを抜き
出す際、スラリーに同伴する非凝縮性ガスの量を少なく
し、これにより酸素含有ガスの利用効率を高くできる芳
香族カルボン酸の製造方法を提案することである。本発
明の他の課題は、酸化反応器から生成する芳香族カルボ
ン酸のスラリーを抜き出す際、スラリーに同伴する非凝
縮性ガスの量を少なくできる芳香族カルボン酸の製造装
置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は次の芳香族カル
ボン酸の製造方法および装置である。 (1) 原料導入路、酸素含有ガス導入路、撹拌機、ス
ラリー排出路、およびディフレクタを有し、かつディフ
レクタは酸化反応器内壁のスラリー排出路の開口部より
も反応液の攪拌流の下流側に設けられている酸化反応器
に、溶媒および触媒の導入とともにアルカリ芳香族化合
物を原料導入路から導入し、酸素含有ガス導入路から酸
素含有ガスを導入し、攪拌機で撹拌しアルキル芳香族化
合物を液相酸化して、芳香族カルボン酸の結晶スラリー
を生成させ、ディフレクタにより同伴する非凝縮性ガス
量が少なくなったスラリーを、反応器からスラリー排出
路を通して引き抜くことを特徴とする芳香族カルボン酸
の製造方法。 (2) アルキル芳香族化合物がパラキシレン、芳香族
カルボン酸がテレフタル酸である上記(1)記載の方
法。 (3) ディフレクタがスラリーの流速を上昇させ、こ
れにより気泡が撹拌流に乗ってスラリー排出路の開口部
から遠ざかるようにすることによりスラリー中の気泡を
減少させる上記(1)または(2)記載の方法。 (4) アルキル芳香族化合物の液相酸化により芳香族
カルボン酸を生成させる酸化反応器と、酸化反応器に溶
媒および触媒の導入とともに原料のアルキル芳香族化合
物を導入する原料導入路と、酸化反応器に酸素含有ガス
を導入するガス導入路と、酸化反応器の反応液を攪拌す
る攪拌機と、酸化反応器から生成する芳香族カルボン酸
を含むスラリーを抜き出すスラリー排出路と、酸化反応
器内壁のスラリー排出路の開口部よりも反応液の攪拌流
の下流側に設けられたディフレクタとを有する芳香族カ
ルボン酸の製造装置。 (5) ディフレクタがスラリーの流速を上昇させ、こ
れにより気泡が撹拌流に乗ってスラリー排出路の開口部
から遠ざかるようにすることによりスラリー中の気泡を
減少させるように設置させる上記(4)記載の装置。 (6) ディフレクタが平板状または曲面状である上記
(4)記載の装置。
【0007】本発明において用いる酸化反応器は、アル
キル芳香族化合物、溶媒、触媒および酸素含有ガスを導
入し、攪拌機で攪拌して液相酸化を行い、芳香族カルボ
ン酸を製造するように構成される。このような酸化反応
器は縦型円筒状に形成されるのが好ましいが、他の形状
であってもよい。
【0008】酸化反応器には溶媒および触媒の導入とと
もに、原料のアルキル芳香族化合物を導入する原料導入
路が設けられる。この原料導入路は反応液の液相中に連
絡されるが、反応器の中間部に連絡するのが好ましい。
溶媒および触媒は原料導入路から導入してもよく、また
別の導入路から導入してもよい。
【0009】酸化反応器は酸素含有ガスを導入するガス
導入路が設けられる。このガス導入路は酸化反応器の下
部に連絡するのが好ましいが、他の部位に連絡してもよ
い。酸素含有ガスは分子状酸素含有ガスであり、例えば
酸素や空気等をあげることができるが、実用的には空気
が好ましい。
【0010】酸化反応器には反応液を攪拌する攪拌機が
設けられる。攪拌機は特に制限されないが、攪拌翼を回
転させる形式のものが好ましい。この場合、円筒形の酸
化反応器の中心軸に沿って設けるのが好ましく、これに
より内周壁に沿った旋回流からなる攪拌流が形成され
る。攪拌力を高めるために、反応器の内周壁に縦方向の
バッフルを設けるのが好ましい。
【0011】酸化反応器には、生成する芳香族カルボン
酸を含むスラリーを抜き出すスラリー排出路が設けられ
る。このスラリー排出路は反応器内のスラリーが有効に
抜き出せる限り、その位置は限定されないが、反応器の
下部に設けるのが好ましい。
【0012】本発明では酸化反応器のスラリー排出路の
開口部よりも、反応液の攪拌流の下流側にディフレクタ
を設ける。このディフレクタは気泡の巻き込みを抑制す
るため、開口部の流速を上昇させるものであればよく、
その形状、大きさ等は制限されず、平板状のもので十分
機能を発揮するが、曲面状その他の形状のものでもよ
い。
【0013】ディフレクタの大きさは、スラリー排出口
の開口部の直径の2〜5倍、好ましくは2〜3倍の幅、
開口部の直径の1〜3倍、好ましくは1〜2倍程度の高
さとなるように取付ける。取付位置は開口部から下流側
に開口部の直径の3倍以下、好ましくは0.5倍以下の
位置に、反応器の内壁から垂直に立上がるように取付け
るのが好ましい。
【0014】本発明において芳香族カルボン酸を製造す
るための原料としては、アルキル置換基または一部酸化
したアルキル置換基を有するアルキル芳香族化合物(以
下、単に酸化原料という場合がある)が使用できる。こ
のような芳香族化合物は単環であっても、多環であって
もよい。上記アルキル置換基としては、例えばメチル
基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基等の炭
素数1〜4のアルキル基をあげることができる。また一
部酸化したアルキル基としては、例えばアルデヒド基、
アシル基、カルボキシル基、ヒドロキシアルキル基等を
あげることができる。
【0015】アルキル置換基を有する芳香族化合物、す
なわちアルキル置換芳香族炭化水素の具体的なものとし
ては、例えばm−ジイソプロピルベンゼン、p−ジイソ
プロピルベンゼン、m−シメン、p−シメン、m−キシ
レン、p−キシレン、トリメチルベンゼン類、テトラメ
チルベンゼン類等の炭素数1〜4のアルキル基を2〜4
個有するジもしくはポリアルキルベンゼン類;ジメチル
ナフタレン類、ジエチルナフタレン類、ジイソプロピル
ナフタレン類等の炭素数1〜4のアルキル基を2〜4個
有するジもしくはポリアルキルナフタレン類;ジメチル
ビフェニル類等の炭素数1〜4のアルキル基を2〜4個
有するポリアルキルビフェニル類などをあげることがで
きる。
【0016】また一部酸化したアルキル置換基を有する
芳香族化合物は、上記化合物におけるアルキル基が一部
酸化されて、上述したようにアルデヒド基、アシル基、
カルボキシル基、ヒドロキシアルキル基等に酸化されて
いる化合物であり、具体的なものとしては、例えば3−
メチルベンズアルデヒド、4−メチルベンズアルデヒ
ド、m−トルイル酸、p−トルイル酸、3−ホルミル安
息香酸、4−ホルミル安息香酸、ホルミルナフタレン類
等をあげることができる。これらは単独で、または2種
以上の混合物として用いられる。
【0017】本発明において触媒としては、重金属化合
物および臭素化合物が用いられるが、それらの化合物と
しては次のようなものが例示される。すなわち、重金属
化合物における重金属としては、例えばコバルト、マン
ガン、ニッケル、クロム、ジルコニウム、銅、鉛、ハフ
ニウム、セリウム等をあげることができる。これらは単
独で、または組合せて用いることができるが、特にコバ
ルトとマンガンとを組合せて用いるのが好ましい。この
ような重金属の化合物としては、例えば酢酸塩、硝酸
塩、アセチルアセトナート塩、ナフテン酸塩、ステアリ
ン酸塩、および臭化物等をあげることができるが、特に
酢酸塩が好ましい。
【0018】臭素化合物としては、例えば分子状臭素、
臭化水素、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化コバル
ト、臭化マンガン等の無機臭素化合物;臭化メチル、臭
化メチレン、ブロモホルム、臭化ベンジル、ブロモメチ
ルトルエン、ジブロモエタン、トリブロモエタン、テト
ラブロモエタン等の有機臭素化合物などをあげることが
できる。これらの臭素化合物も単独で、または2種以上
の混合物として用いられる。
【0019】本発明において、上記重金属化合物と臭素
化合物との組合せからなる触媒は、重金属原子1モルに
対して臭素原子0.05〜10モル、好ましくは0.1
〜2モルの範囲からなるものが望ましい。このような触
媒は、通常、反応溶媒中の重金属濃度として10〜10
000ppm、好ましくは100〜5000ppmの範
囲で用いられる。
【0020】反応溶媒として使用する低級脂肪族カルボ
ン酸の具体的なものとしては、例えば酢酸、プロピオン
酸、酪酸等をあげることができる。低級脂肪族カルボン
酸は単独で反応溶媒として使用することもできるし、水
と混合して混合物の状態で反応溶媒として使用すること
もできる。反応溶媒の具体的なものとしては、例えば酢
酸、プロピオン酸、酪酸およびこれらの混合物、あるい
はこれらの低級脂肪族カルボン酸と水との混合物等をあ
げることができる。これらの中では、酢酸と水との混合
物が好ましく、特に酢酸100重量部に対して水1〜2
0重量部、好ましくは5〜15重量部を混合した混合物
が望ましい。
【0021】反応溶媒の使用量は、液相部における酸化
原料となる芳香族化合物1重量部に対して1〜70重量
部、好ましくは2〜50重量部の範囲、特に好ましくは
2〜6重量部の範囲すなわち溶媒量比が1〜70、好ま
しくは2〜50、特に好ましくは2〜6となる量であ
る。反応溶媒の使用量が上記範囲にある場合、反応溶媒
中の固形分濃度が低くなるため、反応溶媒中への酸素の
拡散を促進させることができ、これにより反応速度を高
くできるとともに、高品質の芳香族カルボン酸を製造す
ることができる。また反応速度を高くすることができる
ので、反応時間を短くして酸化原料の供給速度を速くす
ることができ、これにより反応器の容積効率が高くな
り、生産性も向上する。
【0022】本発明の芳香族カルボン酸の製造方法は、
前記酸化反応器に原料導入路からアルキル芳香族化合
物、溶媒および触媒の混合物を導入し、ガス導入路から
酸素含有ガスを導入し、攪拌機で攪拌しながら酸化反応
を行う。これにより触媒の存在下に、低級脂肪族カルボ
ン酸を含む反応溶媒中で、酸化原料となるアルキル芳香
族化合物が酸素含有ガスにより液相酸化される。
【0023】このとき酸素含有ガスは酸化原料となる芳
香族化合物を芳香族カルボン酸に酸化するのに必要な量
より過剰に供給する。分子状酸素含有ガスとして空気を
使用する場合、酸化原料となる芳香族化合物1kgに対
して2〜20Nm3、好ましくは2.5〜15Nm3の割
合で反応系に供給するのが望ましい。このような酸素含
有ガス中の酸素、窒素等の非凝縮性ガスは気泡として反
応液に分散した状態で攪拌流とともに循環する。
【0024】酸化反応によりアルキル芳香族化合物は酸
化されて芳香族カルボン酸が生成するが、この芳香族カ
ルボン酸は結晶として析出し、スラリーが形成される。
スラリーはスラリー排出路からスラリー受け槽に抜き出
し、後続の精製工程に移送される。反応液中に分散する
酸素、窒素等の非凝縮性のガスもスラリーに同伴して抜
き出されるが、ディフレクタの設置により、スラリーに
同伴して抜き出される非凝縮性ガスの量は少なくなる。
【0025】すなわち反応液、結晶および気泡を含むス
ラリーは、攪拌機の攪拌により反応器の内壁に沿って循
環しているが、スラリー排出路の開口部の下流にディフ
レクタを設けることにより、スラリーの流速が上昇す
る。このため比重の小さい気泡は攪拌流に乗って開口部
から遠ざかることになり、開口部からスラリーに同伴し
て抜き出される気泡が少なくなる。これにより酸化反応
器における酸素含有ガスの利用効率は高くなる。
【0026】これに対しディフレクタを開口部の上流側
に設けると、ディフレクタの後側は負圧部となるため、
気泡がこの部分に吸込まれやすくなる。このためこの部
分からスラリーを抜き出すと、多量の気泡がスラリーに
同伴して抜き出され、折角酸化反応器に導入された酸素
含有ガスが利用されないで抜き出される結果になる。
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、酸化反応器のスラリー
排出路の開口部よりも反応液の攪拌流の下流側にディフ
レクタを設けたので、開口部から抜き出されるスラリー
に同伴する非凝縮性ガスの量は少なくなり、これにより
酸化反応器に導入された酸素含有ガスの利用効率が高く
なる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
により説明する。図1は実施形態の芳香族カルボン酸の
製造装置を示し、(a)は(b)のA−A面で切断した
水平断面図、(b)は(a)のB−B面で切断した垂直
断面図、図2(a)はディフレクタを下流側に設けた場
合、(b)は上流側に設けた場合の説明図である。
【0029】図1において、1は酸化反応器で、縦型円
筒状に形成され、その内壁に沿って垂直方向にバッフル
2が設けられている。酸化反応器1の中央部には垂直方
向に回転翼式の攪拌機3が設けられ、その回転軸4は酸
化反応器1の上壁を貫通して上方に伸び駆動装置5によ
り駆動されるように構成されている。
【0030】酸化反応器1の中間部の周壁には原料導入
路6が連絡している。酸化反応器1の下部には複数のガ
ス導入路7が上向きに連絡している。また酸化反応器1
のガス導入路7のない部分にはスラリー排出路8が開口
している。そしてスラリー排出路8の開口部9よりも、
攪拌流11の下流側には、平板状のディフレクタ10が
垂直に突出するように設けられている。
【0031】上記の装置による芳香族カルボン酸の製造
方法は、酸化反応器1に原料導入路6からアルキル芳香
族化合物、溶媒および触媒の混合物を導入し、ガス導入
路7から酸素含有ガスを導入し、駆動装置5により攪拌
機3を回転させて攪拌しながら酸化反応を行う。これに
より触媒の存在下に、低級脂肪族カルボン酸を含む反応
溶媒中で、酸化原料となるアルキル芳香族化合物が酸素
含有ガスにより液相酸化される。
【0032】このとき酸素含有ガスは酸化原料となる芳
香族化合物を芳香族カルボン酸に酸化するのに必要な量
より過剰に供給する。このような酸素含有ガス中の酸
素、窒素等の非凝縮性ガスは気泡として反応液に分散し
た状態で攪拌流とともに循環する。
【0033】酸化反応によりアルキル芳香族化合物は酸
化されて芳香族カルボン酸が生成するが、この芳香族カ
ルボン酸は結晶として析出し、スラリーが形成される。
スラリーはスラリー排出路8からスラリー受け槽に抜き
出し、後続の精製工程に移送される。反応液中に分散す
る酸素、窒素等の非凝縮性のガスもスラリーに同伴して
抜き出されるが、ディフレクタ10の設置により、スラ
リーに同伴して抜き出される非凝縮性ガスの量は少なく
なる。
【0034】すなわち反応液、結晶および気泡を含むス
ラリーは、攪拌機の攪拌により反応器の内壁に沿って循
環しているが、スラリー排出路8の開口部9の下流にデ
ィフレクタ10を設けることにより、図2(a)に示す
ようにスラリーの攪拌流11は流速が上昇する。このた
め気泡12は攪拌流11に乗って開口部9から遠ざかる
ことになり、開口部9からスラリーに同伴して抜き出さ
れる気泡が少なくなる。これにより酸化反応器における
酸素含有ガスの利用効率は高くなる。
【0035】これに対しディフレクタ10を開口部9の
上流側に設けると、図2(b)に示すように、ディフレ
クタ10の後側は負圧部となるため、気泡12がこの部
分に吸込まれやすくなる。このためこの部分からスラリ
ーを抜き出すと、多量の気泡がスラリーに同伴して抜き
出され、折角酸化反応器1に導入された酸素含有ガスが
利用されないで抜き出される結果になる。
【0036】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。 参考例1 図1の酸化反応器(容量:300 liter、ディフレクタ
10なし)に、原料導入路からパラキシレンを25 lit
er/Hで導入し、ガス導入路7から空気を70Nm3
Hで導入し、攪拌機3を200rpmで回転させて酸化
反応を行い、スラリー排出路8からスラリーを200 l
iter/Hで抜き出したところ、スラリー全流量に対する
非凝縮性ガスの流量は30容量%であった。
【0037】実施例1 参考例1において、酸化反応器1の開口部9から10c
m下流側に、たて50mm、よこ70mmの平板状ディ
フレクタ10を設置して試験したところ、スラリー全流
量に対する非凝縮性ガスの流量は15容量%になった。
【0038】参考例2 実施例1において、ディフレクタ10を上流側に設置し
たところ、スラリー全流量に対する非凝縮性ガスの流量
は40容量%になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の芳香族カルボン酸の製造装置を示
し、(a)は(b)のA−A面で切断した水平断面図、
(b)は(a)のB−B面で切断した垂直断面図であ
る。
【図2】(a)はディフレクタを下流側に設けた場合、
(b)は上流側に設けた場合の説明図である。
【符号の説明】
1 酸化反応器 2 バッフル 3 攪拌機 4 回転軸 5 駆動装置 6 原料導入路 7 ガス導入路 8 スラリー排出路 9 開口部 10 ディフレクタ 11 攪拌流 12 気泡
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年3月24日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正内容】
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は次の芳香族カル
ボン酸の製造方法および装置である。 (1) 原料導入路、酸素含有ガス導入路、撹拌機、ス
ラリー排出路、およびディフレクタを有し、かつディフ
レクタは酸化反応器内壁のスラリー排出路の開口部より
も反応液の攪拌流の下流側に設けられている酸化反応器
に、溶媒および触媒の導入とともにアルキル芳香族化合
物を原料導入路から導入し、酸素含有ガス導入路から酸
素含有ガスを導入し、攪拌機で撹拌しアルキル芳香族化
合物を液相酸化して、芳香族カルボン酸の結晶スラリー
を生成させ、ディフレクタにより同伴する非凝縮性ガス
量が少なくなったスラリーを、反応器からスラリー排出
路を通して引き抜くことを特徴とする芳香族カルボン酸
の製造方法。 (2) アルキル芳香族化合物がパラキシレン、芳香族
カルボン酸がテレフタル酸である上記(1)記載の方
法。 (3) ディフレクタがスラリーの流速を上昇させ、こ
れにより気泡が撹拌流に乗ってスラリー排出路の開口部
から遠ざかるようにすることによりスラリー中の気泡を
減少させる上記(1)または(2)記載の方法。 (4) アルキル芳香族化合物の液相酸化により芳香族
カルボン酸を生成させる酸化反応器と、酸化反応器に溶
媒および触媒の導入とともに原料のアルキル芳香族化合
物を導入する原料導入路と、酸化反応器に酸素含有ガス
を導入するガス導入路と、酸化反応器の反応液を攪拌す
る攪拌機と、酸化反応器から生成する芳香族カルボン酸
を含むスラリーを抜き出すスラリー排出路と、酸化反応
器内壁のスラリー排出路の開口部よりも反応液の攪拌流
の下流側に設けられたディフレクタとを有する芳香族カ
ルボン酸の製造装置。 (5) ディフレクタがスラリーの流速を上昇させ、こ
れにより気泡が撹拌流に乗ってスラリー排出路の開口部
から遠ざかるようにすることによりスラリー中の気泡を
減少させるように設置させる上記(4)記載の装置。 (6) ディフレクタが平板状または曲面状である上記
(4)記載の装置。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原料導入路、酸素含有ガス導入路、撹拌
    機、スラリー排出路、およびディフレクタを有し、かつ
    ディフレクタは酸化反応器内壁のスラリー排出路の開口
    部よりも反応液の攪拌流の下流側に設けられている酸化
    反応器に、溶媒および触媒の導入とともにアルカリ芳香
    族化合物を原料導入路から導入し、 酸素含有ガス導入路から酸素含有ガスを導入し、 攪拌機で撹拌しアルキル芳香族化合物を液相酸化して、
    芳香族カルボン酸の結晶スラリーを生成させ、 ディフレクタにより同伴する非凝縮性ガス量が少なくな
    ったスラリーを、反応器からスラリー排出路を通して引
    き抜くことを特徴とする芳香族カルボン酸の製造方法。
  2. 【請求項2】 アルキル芳香族化合物がパラキシレン、
    芳香族カルボン酸がテレフタル酸である請求項1記載の
    方法。
  3. 【請求項3】 ディフレクタがスラリーの流速を上昇さ
    せ、これにより気泡が撹拌流に乗ってスラリー排出路の
    開口部から遠ざかるようにすることによりスラリー中の
    気泡を減少させる請求項1または2記載の方法。
  4. 【請求項4】 アルキル芳香族化合物の液相酸化により
    芳香族カルボン酸を生成させる酸化反応器と、 酸化反応器に溶媒および触媒の導入とともに原料のアル
    キル芳香族化合物を導入する原料導入路と、 酸化反応器に酸素含有ガスを導入するガス導入路と、 酸化反応器の反応液を攪拌する攪拌機と、 酸化反応器から生成する芳香族カルボン酸を含むスラリ
    ーを抜き出すスラリー排出路と、 酸化反応器内壁のスラリー排出路の開口部よりも反応液
    の攪拌流の下流側に設けられたディフレクタとを有する
    芳香族カルボン酸の製造装置。
  5. 【請求項5】 ディフレクタがスラリーの流速を上昇さ
    せ、これにより気泡が撹拌流に乗ってスラリー排出路の
    開口部から遠ざかるようにすることによりスラリー中の
    気泡を減少させるように設置させる請求項4記載の装
    置。
  6. 【請求項6】 ディフレクタが平板状または曲面状であ
    る請求項4記載の装置。
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