JPH10291849A - NOx浄化機能を有するセメント系水硬性組成物 - Google Patents

NOx浄化機能を有するセメント系水硬性組成物

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JPH10291849A
JPH10291849A JP9103071A JP10307197A JPH10291849A JP H10291849 A JPH10291849 A JP H10291849A JP 9103071 A JP9103071 A JP 9103071A JP 10307197 A JP10307197 A JP 10307197A JP H10291849 A JPH10291849 A JP H10291849A
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cement
hydraulic composition
nox
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cement clinker
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JP9103071A
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Kiyoshi Kamiya
清志 神谷
Yoshihiko Murata
義彦 村田
Yutaka Yamada
裕 山田
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Mitsubishi Materials Corp
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Mitsubishi Materials Corp
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    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B7/00Hydraulic cements
    • C04B7/36Manufacture of hydraulic cements in general
    • C04B7/48Clinker treatment
    • C04B7/52Grinding ; After-treatment of ground cement
    • C04B7/522After-treatment of ground cement
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B20/00Use of materials as fillers for mortars, concrete or artificial stone according to more than one of groups C04B14/00 - C04B18/00 and characterised by shape or grain distribution; Treatment of materials according to more than one of the groups C04B14/00 - C04B18/00 specially adapted to enhance their filling properties in mortars, concrete or artificial stone; Expanding or defibrillating materials
    • C04B20/10Coating or impregnating
    • C04B20/1055Coating or impregnating with inorganic materials
    • C04B20/1066Oxides, Hydroxides
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    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
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Abstract

(57)【要約】 【課題】内容物が十分均一に分散混合され、NOx浄化
機能の向上し、かつ保存安定性に優れたセメント系水硬
性組成物を得ること 【解決手段】本発明のセメント系水硬性組成物は、セメ
ントクリンカーと二酸化チタンを混合し、得られたセメ
ントクリンカー混合物を同時粉砕して得られる。またこ
のセメントクリンカー混合物に石膏、消石灰又は吸着性
物質、特に活性炭の少なくとも一種が含有されている。
これらのセメント系水硬性組成物は、水と混練して硬化
体として使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、NOx浄化機能を
有するセメント系水硬性組成物に関し、更に詳しくは本
発明は、NOx浄化性能が向上したセメント系水硬性組
成物に関するもので、更にはこのセメント系水硬性組成
物を水で混練して作製された、高いNOx浄化性能を示
すセメント硬化体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】 近年、自動車、特にジーゼル自動車か
らでる排気ガス中に含まれているNOX による大気環境
の汚染は、自動車数の増加、それに伴う交通渋滞等で増
加している。このような中で、このNOX の濃度を低下
させる物質として金属酸化物が知られており、この中で
も二酸化チタンが強い光触媒作用を有することも知られ
ている。このような二酸化チタンの強い光触媒作用に注
目して二酸化チタンを利用してNOX を除去する研究
は、近年ますます盛んになり二酸化チタンを混合してシ
ートやパネルを形成し、建築物の外壁に用いてNOX
除去することが実用化されつつある。
【0003】具体的に特開平2−273514号公報に
は、二酸化チタンの半導体と粘土とを練り合わせ、乾燥
して得られる有害物質の除去剤が開示されている。また
特開平6−327965号公報には、エチレン等の有害
物質の除去剤として、水硬性化合物の水和凝集物に0.
5〜5eVの禁止帯幅を有する半導体(例えば二酸化チ
タン等)を分散してなる有害物質除去剤が開示されてお
り、また特開平7−171408号公報には、難分解性
結着剤を介して光触媒粒子を基体上に接着した光触媒が
開示されている。更に特開平8−243402号公報に
は、無機硬化体の表面部に酸化チタン及び酸化促進剤の
一部又は全部が存在している如き光触媒材料が開示され
ている。これらはいずれも二酸化チタンを各種の結合材
に混合して得られた混合物は粒状体や被覆の形態で使用
されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
如き各公報に記載の有害物質除去部材や光触媒材料は、
二酸化チタンを難分解性結着剤や水硬性化合物に添加し
て混合しているものの、そのNOx浄化性能は、今一つ
十分でなく、その改良が望まれている。そこで本発明者
等は、二酸化チタンのNOx浄化機能を向上させる点に
つき、種々検討したところ、微粉の二酸化チタンが凝集
することなく十分に分散混合されるには、セメント系水
硬性組成物において、セメントの製造工程の途中で得ら
れるセメントクリンカーの粉砕の段階で二酸化チタンを
添加混合、粉砕を行うことで、粉砕と同時に二酸化チタ
ンの均一混合が可能であり、しかも二酸化チタンが粉砕
されたセメントクリンカー粒子の表面に付着してNOx
浄化機能を向上させることができることを見出し、この
知見に基づいて本発明はなされたものである。
【0005】したがって、本発明が解決しようとする第
1の課題は、内容物が十分均一に分散混合され、NOx
浄化機能の向上したセメント系水硬性組成物を提供する
ことにある。また本発明が解決しようとする第2の課題
は、内容物が十分均一に分散混合され、NOx浄化機能
の向上すると共に保存安定性に優れたセメント系水硬性
組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の上記課題は、以
下の各発明によりそれぞれ達成される。
【0007】(1)セメントクリンカーと二酸化チタン
を混合し、得られたセメントクリンカー混合物を同時粉
砕することを特徴とするNOx浄化機能を有するセメン
ト系水硬性組成物。 (2)セメントクリンカー混合物に石膏が含有されてい
ることを特徴とする前記第1項に記載のNOx浄化機能
を有するセメント系水硬性組成物。 (3)セメントクリンカー混合物に消石灰が含有されて
いることを特徴とする前記第1項に記載のNOx浄化機
能を有するセメント系水硬性組成物。 (4)セメントクリンカー混合物に吸着性物質が含有さ
れていることを特徴とする前記第1項乃至第3項のいず
れかに記載のNOx浄化機能を有するセメント系水硬性
組成物。 (5)吸着性物質が活性炭であることを特徴とする前記
第1項乃至第4項のいずれかに記載のNOx浄化機能を
有するセメント系水硬性組成物。 (6)前記第1項乃至第5項のいずれかに記載のNOx
浄化機能を有するセメント系水硬性組成物を水で混練し
て形成された硬化体。
【0008】このように本発明は、セメントクリンカー
に二酸化チタンを混入した後、得られたセメントクリン
カー混合物を粉砕することにより製造されたNOx浄化
機能を有するセメント系水硬性組成物であり、このよう
な製造方法により得られたセメント系水硬性組成物は、
粉砕されたセメントクリンカー粒子の表面に付着して均
一に分散することができるので、優れたNOx浄化機能
の向上が見られる。本発明では、このようにして得られ
たセメント系水硬性組成物は、このままでもNOx浄化
性能を有するが、セメント系水硬性組成物に水を加えて
混練して作製された硬化体は、優れたNOx浄化性能を
発揮するので、硬化体として使用するのが実用的であ
る。
【0009】また本発明において、セメントクリンカー
混合物に石膏が含有されていることを特徴とするもの
で、これにより得られたセメント系水硬性組成物は、セ
メント配合物からなり、NOx浄化機能が向上し、通常
のセメントと同等の長期間の保存安定性のあるものが得
られる。更に本発明において、セメントクリンカー混合
物に消石灰が含有されていることにより、pHが向上
し、その結果NOxを可溶性塩として光触媒の系外に排
出して光触媒の浄化効率を向上させることができる。ま
たこのセメント系水硬性組成物をコンクリート表面等に
適用する場合には、コンクリートの経時による中性化乃
至酸性化を防ぐことができる利点を有する。
【0010】更に本発明においては、セメントクリンカ
ー混合物に吸着性物質を含有する場合には、得られたセ
メント系水硬性組成物は、昼間、光が当たっている状態
では、NOxが光触媒によって分解除去され、更に夜間
では、NOxは吸着性物質に吸着されて除去される。更
にまた昼間になり光が当たると吸着性物質に吸着された
NOxが光触媒によって分解除去される。したがって、
昼夜にわたってNOxの除去が可能となるという浄化性
能を更に向上させることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を挙
げるが、本発明は、これに限定されるものではない。
【0012】本発明のセメント系水硬性組成物は、セメ
ントクリンカーに二酸化チタンを混入した後、得られた
セメントクリンカー混合物を粉砕することを特徴とする
ものであり、セメントクリンカーとしては、セメントの
製造において、セメント原料がロータリキルンで焼成さ
れ、冷却して得られた粉砕前のクリンカーが好ましい。
しかし、セメントクリンカーは、粉砕中又は粉砕後のも
のでもよく、更にセメントクリンカーは粉砕後では、分
級前又は分級後の各粒度のいずれのものを用いてもよ
い。
【0013】またセメントクリンカーは、普通ポルトラ
ンドセメント、早強ポルトランドセメント、中庸熱ポル
トランドセメント、超早強ポルトランドセメント、耐硫
酸塩ポルトランドセメント、白色ポルトランドセメン
ト、高炉セメント、フライアッシュセメント、シリカセ
メント、アルミナセメント、マグネシアセメント、低発
熱セメント、超速硬セメント等を製造しうる範囲のもの
が用いられてもよい。
【0014】この他、セメントクリンカーに添加される
好ましい添加材としては、石膏や消石灰があり、石膏は
特別のものなく、セメントの技術分野において通常用い
られるものでよい。また消石灰は、通常の製造方法で得
られたものでよい。本発明に用いられる二酸化チタン
は、アナターゼ型二酸化チタン粉末、ルチル型二酸化チ
タン粉末のいずれも使用することができ、好ましくはア
ナターゼ型二酸化チタン粉末がよい。二酸化チタンは、
その粒径は微粒の方がより良好なNOx浄化機能が得ら
れるが、通常、5〜250nmがよく、好ましくは10
〜100nmのものが使用される。
【0015】本発明において、二酸化チタンの酸化促進
剤として、Fe、Zn等の単体、酸化物、水酸化物、ハ
ロゲン化物及び塩類からなる群より選択された少なくと
も一種が挙げられ、具体的には硫酸鉄、硝酸銀等が挙げ
られる。これらの酸化促進剤を用いることによりNOx
浄化機能をいっそう向上させることができる。この酸化
促進剤は、セメントクリンカー中に二酸化チタンと共に
添加してもよいことは言うまでもない。
【0016】本発明において、セメントクリンカー混合
物には、吸着性物質を加えることができ、吸着物質とし
ては、特に限定されるものではないが、好ましくは活性
炭、シリカゲル、ゼオライト、マガディアイト、ペタラ
イト等が挙げられる。マガディアイトは、Na2 Si14
29nH2 Oの化学式を有し、吸着性物質として有効で
ある。更にペタライトは外観が石英に似て白色や灰色の
鉱物で、鉱物学的には長石族に属する珪酸塩鉱物(Li
2 OAl2 3 8SiO2 )である。吸着性能に優れて
いる。これらの吸着性物質は、いずれも吸着性能に優れ
ている。これらのうち、特に好ましくは活性炭、シリカ
ゲルである。
【0017】この吸着性物質の作用を更に詳しく説明す
ると、日中の太陽光(これに含有される紫外線)により
光触媒の作用でNOx が分解除去されるばかりでなく夜
間では該吸着材料にNOxが吸着され、これが日中にな
ると、吸着れたNOxは紫外線の作用により分解され
る。
【0018】本発明では、セメントクリンカーと二酸化
チタンとの混合物を含むセメントクリンカー混合物を粉
砕するが、この粉砕機としては、ボールミル、ロッドミ
ル、振動ミル、堅型ミル、チューブミル等の各種の粉砕
機を用いることができる。好ましくはボールミル粉砕機
である。セメントクリンカー混合物の粉砕時間は、30
分〜3時間でセメントクリンカーが粉砕されると共に二
酸化チタンは十分均一に分散される。セメントクリンカ
ー混合物は、十分粉砕され、かつ均一に分散された状態
では、二酸化チタンは、粉砕されたセメントクリンカー
粒子の表面に付着しており、その結果NOx浄化機能が
一段と向上する。
【0019】本発明のNOx浄化機能を有するセメント
系水硬性組成物において、セメントクリンカーと二酸化
チタンとの混合割合は、セメントクリンカー100重量
部に対して、二酸化チタン5重量部〜200重量部であ
り、好ましくはセメントクリンカー100重量部に対し
て、二酸化チタン10重量部〜100重量部である。二
酸化チタンが少ない場合には、実質的にNOx浄化機能
が乏しく、二酸化チタンの量が上限を越えると、コスト
的に好ましくない。
【0020】本発明のセメント系水硬性組成物におい
て、石膏の添加量は、セメントクリンカー100重量部
に対して1重量部〜10重量部であり、好ましくはセメ
ントクリンカー100重量部に対して2重量部〜7重量
部である。石膏の量は、セメントクリンカー100重量
部に対して2重量部未満のときは、セメントの保存安定
性が十分でなく、また石膏の量が、7重量部を越える
と、セメントの凝結遅延、硬化不良等の障害が起きるの
で好ましくない。
【0021】本発明のセメント系水硬性組成物におい
て、消石灰の量は、セメントクリンカー100重量部に
対して1重量部〜50重量部であり、好ましくはセメン
トクリンカー100重量部に対して5重量部〜30重量
部である。消石灰の量は、セメントクリンカー100重
量部に対して1重量部未満のときは、pHの向上に寄与
しないので、NOxの分解生成物の中和が十分でなく、
また消石灰の量が、50重量部を越えると、かえって二
酸化チタンの量が相対的に減り浄化性能が落ちるので好
ましくない。
【0022】更に本発明のセメント系水硬性組成物にお
いて、吸着性物質の量は、その種類にもよるが、セメン
トクリンカー100重量部に対して5重量部〜50重量
部であり、好ましくはセメントクリンカー100重量部
に対して10重量部〜30重量部である。吸着性物質の
量は、セメントクリンカー100重量部に対して5重量
部未満のときは、二酸化チタンの吸着が十分行えないの
で、浄化性能を向上させることができない。また吸着性
物質の量が、50重量部を越えると、かえって二酸化チ
タンの量が相対的に減り浄化性能が落ちるので好ましく
ない。
【0023】本発明のセメント系水硬性組成物は、NO
x浄化機能が一段と優れている点で、NOx浄化を目的
として使用することができ、建材、道路用ブロック、舗
装用部材、触媒等の形態で使用される。なお、この他、
光を照射して、空気の浄化、水の浄化をすることができ
る。更に、抗菌・防カビ、防汚染等の用途に使用するこ
とができる。また光触媒の量を多くすることにより光が
当たらなくても抗菌・防カビ、防汚染等の用途に使用す
ることができる。
【0024】
【実施例】以下に本発明を実施例を挙げて更に詳しく説
明するが、本発明はこの例にのみ限定されるものではな
い。
【0025】〔実施例1〕ロータリーキルンから取り出
され、冷却された普通ポルトランドセメント用クリンカ
ー(三菱マテリアル(株)、黒崎工場製)100重量部
を容量75リットルのボールミル粉砕機に投入し、つい
で二酸化チタン粉末(アナターゼ型の比表面積300m
2 /gの触媒用、平均粒径30nm)25重量部を加え
て、1時間、セメントクリンカーと二酸化チタン粉末と
を混合しながら同時にセメントクリンカーを粉砕した。
比較として、セメント100重量部に二酸化チタン25
重量部を添加し1時間混合した。本発明のセメント系水
硬性組成物は、セメントクリンカーが粉砕されると共に
二酸化チタン粉末は十分混合された。また得られた混合
物を顕微鏡観察したところ、セメントクリンカー粒子の
表面に二酸化チタンが均一に付着していた。比較では、
二酸化チタンが凝集しているものもあり、十分均一なも
のは得られないばかりか単なる混合体でありセメント粒
子表面には殆ど付着していなかった。この同時粉砕水硬
性組成物は保存安定性に優れていた。
【0026】〔実施例2〕表1に示す割合で普通ポルト
ランドセメント用クリンカー(三菱マテリアル(株)、
黒崎工場製)、酸化チタン(堺化学(株)、光触媒用S
SP−25、比表面積220m2 /g(BET法))及
び石膏(東京電力(株)鹿島火力発電所排脱石膏SO3
=45.5%)を内容積60リットルのボールミルに投
入し、25mmφの鋼球を30kg入れ、ポールミルを
回転速度65rpmで3000回転して粉砕した。粉砕
して得られた粉砕物の比表面積は、JIS−R−520
1セメントの物理試験方法に規定される方法でブレーン
値を測定した。
【0027】粉砕して得られた水硬性組成物100重量
部、骨材(ニッチツ(株)、珪砂4号)200重量部に
水30重量部をホバートミキサーで混練し、得られた混
練モルタルを一層加圧成形法(プレス成形法、面圧10
0kgf/cm2 、プレス時間1分)で平板を成形し
た。成形体の寸法は、長さ1cm×幅1cm×厚み1c
mとした。この平板からなる成形体は、20℃の湿空養
生を1周行った後、60℃の通風乾燥機で12時間乾燥
した後、NOx除去率を以下のNOxの除去性能試験方
法で測定した。NOx除去率は、以下の式により算出し
た。
【0028】
【式1】
【0029】比較例は、普通ポルトランドセメントと酸
化チタンを横軸型渦流式高速混合機で混合したものを使
用した。得られた結果を表1に示す。
【0030】〔NOxの除去性能試験方法〕試験は試験
体を密閉容器に入れ、入口から1ppmのNOxガスを
含む模擬ガスを流した。出口からでるガスの濃度を測定
し、これからNOxの除去率を測定した。試験は24時
間行い、10分毎の除去率を平均した数値を試験結果と
した。なお、この試験では、10W×3本の紫外線ラン
プを24時間点灯したままで試験を行った。また紫外線
波長365nm、紫外線強度0.5mW/cm2 、NO
xガス流量1.5リットル/分、供試体面積(平板)1
00cm2 である。
【0031】
【表1】
【0032】表1から明らかなように、粉砕物の比表面
積が変わらないが、NOx除去率に優れたものが得られ
ることがわかる。またこの粉砕物は保存安定性にも優れ
ている。
【0033】〔実施例3〕実施例1において、ボールミ
ル粉砕機に、セメントクリンカー、二酸化チタン、石
膏、消石灰及び吸着物質の混合物を表2のように各種の
組合せで造り粉砕した。得られた粉砕物についてNOx
浄化機能を測定した。得られた結果を表2に示す。な
お、表2中のNOx浄化機能向上比は、比較例のNOx
浄化効率を1とした時の比率である。
【0034】〔NOxの除去性能試験方法〕試験は試験
体を密閉容器に入れ、入口から1ppmのNOxガスを
含む模擬ガスを流した。出口からでるガスの濃度を測定
し、これからNOxの除去率を測定した。試験は24時
間行い、10分毎の除去率を平均した数値を試験結果と
した。なお、この試験では、10W×3本の紫外線ラン
プを24時間点灯したままで試験を行った。また、吸着
物質を含む試料では、紫外線ランプを2時間毎に点灯、
消灯を繰り返した。したがって24時間の試験時間中、
ランプが点灯していたのは12時間であった。
【0035】
【表2】
【0036】表2から明らかなように、本発明の試料で
は、いずれもNOxの除去率が、比較例のものに比して
向上していることがわかる。
【0037】〔実施例4〕実施例3で使用したNOx浄
化機能を有するセメント系水硬性組成物を使用し、モル
タル硬化体を作製してNOx浄化性能を測定した。即ち
NOx浄化機能を有するセメント系水硬性組成物100
重量部に、珪砂200重量部、水30重量部を加え、混
練し、得られた混練物をプレス成形法によって平板を成
形した。この平板からなる試験体を2周湿空養生して硬
化体を形成した後、NOx浄化性能を測定した。得られ
た結果を表3に示す。なお、NOx浄化性能試験方法
は、実施例3と同じ方法で行った。
【0038】
【表3】
【0039】表3から明らかなように、本発明の試料で
は、いずれもNOxの除去率が、比較例のものに比して
向上していることがわかる。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、セメントクリンカーに
二酸化チタンを混入した後、得られたセメントクリンカ
ー混合物を粉砕することにより製造されたNOx浄化機
能を有するセメント系水硬性組成物であることにより、
粉砕されたセメントクリンカー粒子の表面に付着して均
一に分散することができるので、NOx浄化機能が一段
と向上する。
【0041】また本発明において、セメントクリンカー
混合物に石膏が含有されていることにより得られたセメ
ント系水硬性組成物は、セメント配合物からなり、NO
x浄化機能が向上し、長期間の保存安定性のあるものが
得られる。更に本発明において、セメントクリンカー混
合物に消石灰が含有されていることにより、pHが向上
し、その結果NOxが除去され、生成した硝酸を可溶性
塩として光触媒の系外に排出することができる。したが
って、二酸化チタンの浄化効率を向上させると共に環境
にも好ましい。またこのセメント系水硬性組成物をコン
クリート表面等に適用する場合には、コンクリートの経
時による中性化乃至酸性化を防ぐことができる利点を有
する。
【0042】更に本発明においては、セメントクリンカ
ー混合物に吸着性物質を含有する場合には、得られたセ
メント系水硬性組成物は、昼夜にわたってNOxの除去
が可能となるという浄化性能を更に向上させることがで
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C04B 14/36 ZAB

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セメントクリンカーと二酸化チタンを混合
    し、得られたセメントクリンカー混合物を同時粉砕する
    ことを特徴とするNOx浄化機能を有するセメント系水
    硬性組成物。
  2. 【請求項2】セメントクリンカー混合物に石膏が含有さ
    れていることを特徴とする請求項1に記載のNOx浄化
    機能を有するセメント系水硬性組成物。
  3. 【請求項3】セメントクリンカー混合物に消石灰が含有
    されていることを特徴とする請求項1に記載のNOx浄
    化機能を有するセメント系水硬性組成物。
  4. 【請求項4】セメントクリンカー混合物に吸着性物質が
    含有されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3
    のいずれかに記載のNOx浄化機能を有するセメント系
    水硬性組成物。
  5. 【請求項5】吸着性物質が活性炭であることを特徴とす
    る請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のNOx浄化
    機能を有するセメント系水硬性組成物。
  6. 【請求項6】請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の
    NOx浄化機能を有するセメント系水硬性組成物を水で
    混練して形成された硬化体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH1135940A (ja) * 1997-07-18 1999-02-09 Mitsubishi Materials Corp 有機質土用セメント系固化材
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