JPH10291811A - 窒化アルミニウム質粉末の製造方法 - Google Patents
窒化アルミニウム質粉末の製造方法Info
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Abstract
供することを主な目的とする。 【解決手段】Al系粉末であって当該粉末中にMg成分
を50ppm〜1%含有する粉末を、窒素を含む非酸化
性雰囲気中で加熱処理することを特徴とする窒化アルミ
ニウム質粉末の製造方法。
Description
質粉末の製造方法に関する。
という)の工業的生産方法は、直接窒化法と還元法に大
別される。還元法は、アルミナ粉末とカーボン粉末の混
合粉末を窒素ガス雰囲気中で加熱して還元窒化する方法
である。ところが、還元法では、高価なアルミナを原料
として使用する点、還元が吸熱反応で進行する点、脱炭
工程を必要とする点等から製造コストが直接窒化法より
も高い。
末を窒素雰囲気中で加熱して窒化合成後に粉砕する方法
である。直接窒化法によれば、還元法よりも比較的低コ
ストでAlNを製造することが可能である。
導体分野のアルミナの代替材料として使用するには、ア
ルミナに比べてコストが数倍にも高くなる。これは、こ
の製造工程に起因するものである。すなわち、直接窒化
法では、金属アルミニウム粉末に所定量の融着防止用A
lN粉末を添加した後、800〜1200℃程度の高温
で比較的長い時間保持して窒化処理を行っているため、
単位時間当たりの生産性及び生産に要するエネルギーコ
スト面で問題がある。また、融着防止用のAlNの使用
量は金属アルミニウム粉末の通常2〜6倍(混合比率A
l/AlN=1/2〜1/6)を必要とするため、この
比率が最終製品であるAlN粉末の収率(生産性)にも
著しい影響を及ぼす。
lN粉末を比較的効率良く製造する方法を提供すること
を主な目的とする。
問題点に鑑み、鋭意研究を重ねた結果、窒化アルミニウ
ムに特定の化合物を一定量含有させることによって上記
目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至
った。
当該粉末中にMg成分を50ppm〜1%含有する粉末
を、窒素を含む非酸化性雰囲気中で加熱処理することを
特徴とする窒化アルミニウム質粉末の製造方法に係るも
のである。
ともに説明する。
にMg成分を通常50ppm〜1%(重量)、好ましく
は100〜3000ppm含有する。50ppm未満の
場合には、マグネシウムの添加効果が不十分になるおそ
れがある。また、1%を超える場合には、得られる焼結
体の熱伝導率が低下するおそれがある。
分が上記所定量含有できる限り特に制限されず、アルミ
ニウム−マグネシウム合金粉末及び純マグネシウム粉末
の少なくとも1種を含有させることにより実施できる。
従って、Al系合金における組み合わせ例としては、
純アルミニウム粉末及びアルミニウム−マグネシウム合
金粉末、純アルミニウム粉末、アルミニウム−マグネ
シウム合金粉末及び純マグネシウム粉末、純アルミニ
ウム粉末及び純マグネシウム粉末、アルミニウム−マ
グネシウム合金粉末単独、アルミニウム−マグネシウ
ム合金粉末及び純マグネシウム粉末等が挙げられる。こ
の中でも、上記の組み合わせが好ましい。
使用でき、市販品であっても良い。また、その製造方法
も限定されない。例えば、アルミニウム−マグネシウム
合金粉末は、通常はアトマイズ法によって製造される
が、その他メルト・スピニング法、回転円盤法、湿式破
砕法等によって製造したものであっても良い。なお、ア
トマイズ法における噴霧媒は、空気が主として用いられ
るが、粉末中の含有酸素量を低減させる場合は窒素、ア
ルゴン等の不活性ガス(非酸化性ガス)を用いることが
できる。
等に応じて適宜変更できるが、通常150μm以下、好
ましくは70μm以下とすれば良い。また、これら粉末
の形状も特に制限されず、例えば真球状、回転楕円状、
涙滴状、扁平状、針状、不定形状等のいずれであっても
良い。
量は、用いるAl系粉末の種類等に応じて適宜変更すれ
ば良く、通常0.1〜1.0重量%程度、好ましくは
0.1〜0.5重量%とすれば良い。0.1重量%未満
の場合には、窒化反応の前に粉末が溶融し、Al系粉末
どうしの融着が起こる結果、窒素ガスと接触する表面積
が著しく低下することがある。そのため、得られた窒化
アルミニウム質粉末中に未反応のAl成分が多量に残留
するおそれがある。一方、1.0重量%を上回る場合に
は、最終製品中の酸素量が多量となる結果、その焼結体
における熱伝導率を低下させるおそれがある。
の融着をより確実に防止するために、必要に応じて窒化
アルミニウム粉末を添加しても良い。添加量は、一般に
多いほど融着を防止する効果が高くなるが、1バッチ当
たりで生産できる窒化アルミニウム質粉末の実質的な歩
留まりが低下するので、通常はAl系粉末100重量部
に対して100重量部以下、好ましくは50重量部以下
とする。但し、添加量は、厳密に言えば主としてAl系
粉末の蓄熱量により決定されるので、特に少量の生産に
対しては窒化アルミニウム粉末の添加を必要としない場
合がある。これに対し、大量生産する場合には、窒化反
応が発熱反応であるために蓄熱量も大きくなる結果、融
着する可能性も高くなるので、上記所定量を加えれば良
い。このように、生産量によっても適宜変更することが
可能である。用いる窒化アルミニウム粉末の平均粒径
は、通常3〜30μm程度、好ましくは3〜10μmと
すれば良い。
囲気下で加熱処理する。窒素を含む雰囲気として窒素ガ
ス雰囲気以外に、アンモニア等の窒素化合物の雰囲気で
あっても良い。圧力も特に制限されず、常圧〜5kg/
cm2程度の範囲で行うこともできる。
限されない。特に、本発明では、700℃未満、殊に6
90℃以下の温度でも実施することができる。なお、温
度があまり低すぎると反応に要する時間が長くなるの
で、それを避ける観点から言えば通常550℃以上、好
ましくは650℃以上で加熱することが好ましい。昇温
速度も、Al系粉末の組成、加熱温度等により適宜設定
すれば良いが、通常60℃/分以下、好ましくは40℃
/分以下とする。60℃/分よりも速い場合には、マグ
ネシウムの拡散が不十分な状態でアルミニウムの部分的
溶解が開始するので反応後の窒化率が低くなるおそれが
ある。
良い。粉砕方法は、ボールミル等の公知の方法で行えば
良く、特に酸化を防ぐ目的で非酸化性雰囲気下で行うこ
とが望ましい。粉砕の程度は、最終製品の用途等によっ
ても異なるが、粉砕後の平均粒径が通常0.5〜30μ
m程度、好ましくは1〜10μmとすれば良い。
トリックス内に比較的拡散しやすく、粉末表面の近傍の
酸素と容易に結合する。この時、酸素と結合していたア
ルミニウム原子は活性な状態となり、雰囲気中の窒素原
子と結合し、窒化反応が促進される。いったん窒化反応
が進行すると、この反応が発熱反応であることから熱的
に活性化され、連続的に窒化反応が進行することとな
る。
のMg成分を含むAl系粉末を原料としているので、比
較的低い反応雰囲気温度で、しかもより短い反応時間で
所望の窒化アルミニウム質粉末を得ることができる。ま
た、Al系粉末が溶融する前に窒化反応が開始するの
で、従来技術よりも融着防止用窒化アルミニウム粉末の
添加量を低減化することができる。
窒化反応時間の短縮化、さらには融着防止用窒化アルミ
ニウムの添加量の低減化を図ることができ、その結果と
して優れた生産効率、収率等を達成でき、より安価な窒
化アルミニウム質粉末の提供が可能となる。
ミニウム質粉末は、高い熱伝導率を達成でき、例えばI
C基板等の半導体部品材料として有用である。
徴とするところをより一層明確にする。なお、本実施例
における各物性の測定方法は次の通りである。
堀場製作所(株)製)により測定した。
応後の主相がAlNであることはX線回折分析法により
測定した。
〜3mmにプレス成形を行い、450℃で1時間大気脱
脂を行い、次いで1850℃で3時間の窒素雰囲気下で
常圧焼結することにより焼結体を作製した。得られた焼
結体について、レーザー・フラッシュ法(熱定数測定装
置「LFTCM−FA8510B」理学電気(株)製)
により熱伝導率を測定した。
篩いにより63μm以下に分級した。得られた合金粉末
と純アルミニウム粉末(−63μm、純度99.9%)
を表1に示すMg濃度となるように混合した。混合粉末
500gを黒鉛るつぼ(容積1リットル)中に入れ、窒
素ガス雰囲気中(常圧)で昇温速度30℃/分で900
℃まで加熱し、その温度で1時間保持して窒化処理を行
った。これらの試料について、窒化率及び熱伝導率を測
定した。その結果を表1に示す。
99.9%)のみを用いた以外は、実施例1と同様にし
て窒化処理を行った。得られた試料について、窒化率及
び熱伝導率を測定した。その結果を表1に示す。
かは、実施例1と同様にして試料を作製した。この試料
について、窒化率及び熱伝導率を測定した。その結果を
表1に示す。
て試料を作製した。この試料について、窒化率及び熱伝
導率を測定した。その結果を表1に示す。
料を作製した。この試料について、窒化率及び熱伝導率
を測定した。その結果を表1に示す。 実施例6 Al−5重量%Mg合金を空気アトマイズ法で作製し、
篩いにより63μm以下に分級した。得られた合金粉末
と純アルミニウム粉末(−63μm、純度99.9%)
をMg濃度250ppmとなるように混合し、さらに融
着防止用AlN粉末(平均粒径5μm)を上記混合粉末
中10重量%となるように混合した。
と同様にして窒化処理を行い、試料を作製した。この試
料について、窒化率及び熱伝導率を測定した。その結果
を表1に示す。
99.9%)のみを用いた以外は、実施例6と同様にし
て試料を作製した。この試料について、窒化率及び熱伝
導率を測定した。その結果を表1に示す。
99.9%)及び純マグネシウム粉末(−150μm)
を用いた以外は、実施例2と同様にして試料を作製し
た。この試料について、窒化率及び熱伝導率を測定し
た。その結果を表1に示す。
実施例2と同様にして試料を作製した。この試料につい
て、窒化率及び熱伝導率を測定した。その結果を表1に
示す。
製した粉末を用いることにより含有酸素量を0.07重
量%とした以外は、実施例2と同様にして試料を作製し
た。この試料について、窒化率及び熱伝導率を測定し
た。その結果を表1に示す。
を用いることにより含有酸素量を1.1重量%とした以
外は、実施例2と同様にして試料を作製した。この試料
について、窒化率及び熱伝導率を測定した。その結果を
表1に示す。
得られた窒化アルミニウム質粉末は、高い窒化率が達成
でき、また熱伝導率も良好であることがわかる。
Claims (4)
- 【請求項1】Al系粉末であって当該粉末中にMg成分
を50ppm〜1%含有する粉末を、窒素を含む非酸化
性雰囲気中で加熱処理することを特徴とする窒化アルミ
ニウム質粉末の製造方法。 - 【請求項2】Al系粉末中における含有酸素量が、0.
1〜1.0重量%である請求項1記載の製造方法。 - 【請求項3】Al系粉末が、アルミニウム−マグネシウ
ム合金粉末及び純マグネシウム粉末の少なくとも1種を
含有する請求項1記載の製造方法。 - 【請求項4】Al系粉末に、さらに窒化アルミニウム粉
末を含有する請求項1乃至3のいずれかに記載の製造方
法。
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---|---|---|---|
JP09994897A JP3918161B2 (ja) | 1997-04-17 | 1997-04-17 | 窒化アルミニウム質粉末の製造方法 |
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2008001661A1 (fr) * | 2006-06-30 | 2008-01-03 | Tama-Tlo Ltd. | Procédé de fabrication de matériaux contenant du nitrure d'aluminium |
JP2008230873A (ja) * | 2007-03-19 | 2008-10-02 | Osaka Univ | 蛍光体原料用金属材料、及び蛍光体の製造方法、蛍光体、並びに蛍光体含有組成物、発光装置、画像表示装置及び照明装置 |
JP2009525254A (ja) * | 2006-01-31 | 2009-07-09 | オスラム シルヴェニア インコーポレイテッド | 希土類活性化アルミニウム窒化物粉末およびその製造方法 |
JP2012231113A (ja) * | 2011-04-13 | 2012-11-22 | Denso Corp | 窒素とアルミニウムと他金属とを含む多元化合物の複合材料、その製造方法、絶縁フィルム、絶縁接着剤及び熱交換器 |
JP2019506355A (ja) * | 2015-12-24 | 2019-03-07 | リサーチ コーポレーション ファウンデーション オブ ヨンナム ユニバーシティ | 窒化アルミニウム及び窒化アルミニウム基複合相物質の合成方法 |
-
1997
- 1997-04-17 JP JP09994897A patent/JP3918161B2/ja not_active Expired - Fee Related
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