JPH10288724A - 光モジュール - Google Patents

光モジュール

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JPH10288724A
JPH10288724A JP9611797A JP9611797A JPH10288724A JP H10288724 A JPH10288724 A JP H10288724A JP 9611797 A JP9611797 A JP 9611797A JP 9611797 A JP9611797 A JP 9611797A JP H10288724 A JPH10288724 A JP H10288724A
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JP
Japan
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lens
optical module
carrier
optical
light
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JP9611797A
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English (en)
Inventor
Shunji Sakai
俊二 坂井
Tetsuo Katayanagi
哲夫 片柳
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Oki Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Oki Electric Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子冷却素子や温度検出素子等の温度制御部
材を用いること無く、光モジュール自身で温度補償機能
を発揮し、温度制御可能な光モジュールを提供する。 【解決手段】 半導体光制御素子102と、この半導体
光制御素子を実装するためのキャリア106と、この半
導体光制御素子から出射された光を光出力側に集光させ
るレンズ104と、このレンズを保持するためのレンズ
ホルダ108と、光ファイバ112とを具え、レンズホ
ルダの熱膨張率をキャリアの熱膨張率よりも大きくして
あり、かつ、室温にてレンズホルダの高さをキャリアの
高さよりも低くするか、あるいは、レンズホルダの熱膨
張率をキャリアの熱膨張率よりも小さくしてあり、か
つ、室温にてレンズホルダの高さを、キャリアの高さよ
りも高くする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、光モジュール、
特に、それ自身で温度補償機能を有する光モジュールに
関する。
【0002】
【従来の技術】従来の光モジュールとしては、例えば、
半導体レーザモジュールとして、特公平6−10581
9に開示されている。
【0003】この発明を説明するに先立ち、従来の半導
体レーザモジュールの構造を図6を用いて説明すると、
半導体レーザ10と、モニタ用フォトダイオード14
と、光ファイバ20と、これら半導体レーザ10と光フ
ァイバ20とを光結合する光学系(12、18)と、こ
れら半導体レーザ10とモニタ用フォトダイオード14
と光学系(12、18)とを収納し、スリーブ32で被
覆された光ファイバ20を、光結合状態を保つように固
定してなる気密パッケージ16とを具えている。そし
て、この気密パッケージ16の一部には、半導体レーザ
10と光ファイバ20との光結合部の周囲温度を検出す
る温度検出手段30が設けてある。また、この気密パッ
ケージ16の下方には、この温度検出手段30が光結合
部周囲の温度上昇を検出した時、その温度を下げて、こ
の半導体レーザモジュール自身の温度を一定になるよう
に制御する電子冷却素子26が設けてある。また、これ
ら半導体レーザモジュールと、温度検出手段30と、電
子冷却素子26とを収容するパッケージ36を、気密パ
ッケージ16の周囲に設けてある。そして、このパッケ
ージ36には、光ファイバ20の取出し穴38、および
半導体レーザモジュール、温度検出手段30、電子冷却
素子26の各端子に結線されたデュアルインライン気密
封止端子34が設けてある。また、この半導体レーザモ
ジュールの気密パッケージ16は、この気密パッケージ
16と上述したパッケージ36との間に空間が生じるよ
うに配置してあり、さらに、電子冷却素子26は、気密
パッケージ16とパッケージ36との間に介在され、か
つ半導体レーザモジュールの気密パッケージ16の外表
面と、パッケージ36の内壁面に接するように配置して
あり、光ファイバ20は、パッケージ36の取り出し穴
38を介して、このパッケージ36の外部に導き出され
ている。そして、半導体レーザモジュールとパッケージ
36とを、各々が有する電気端子34のみで接続してあ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
光モジュールは、周囲の温度変化による、半導体光制御
素子(半導体レーザ素子)と光学系(レンズ等)との光
軸のずれの発生を防止する観点から、これら光結合部周
囲の温度上昇を検出した時、その温度を下げ、光モジュ
ール自身の温度が一定になるように制御する電子冷却素
子や、温度検出手段(温度検出素子)が必要である。ま
た、これらの電子冷却素子等と、これらの電子冷却素子
等を駆動させるための外部電源とを、電気的に接続する
配線を設ける必要もあった。そのため、スペース的に光
モジュールを小型化することが困難であった。
【0005】さらに、電子冷却素子や温度検出手段は、
一般に高価である。そのため、これらの素子を用いた光
モジュールも、いきおい高価にならざるを得なかった。
【0006】よって、電子冷却素子や温度検出手段(温
度検出素子)等の温度制御部材を用いること無く、光モ
ジュール自身で温度補償機能を発揮し、温度制御可能な
光モジュールの出現が望まれていた。そこで、この発明
の発明者は、半導体光制御素子の光出力能と、この素子
の周囲温度とが、実質的に逆比例的な関係にあることを
利用して、この発明を完成させたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明の第1の実施形
態による光モジュールによれば、パッケージ内に、少な
くとも、半導体光制御素子と、この半導体光制御素子を
実装するためのキャリアと、この半導体光制御素子から
出射された光を光出力側に集光させるレンズと、このレ
ンズを保持するためのレンズホルダと、光ファイバとを
具える光モジュールにおいて、レンズホルダおよびキャ
リアは、それぞれの下部で以て、パッケージの底部に、
それぞれ固定してある。そして、このレンズホルダの熱
膨張率を、キャリアの熱膨張率よりも大きくするととも
に、室温、例えば、20℃における、レンズホルダの高
さを、キャリアの高さよりも低くしてある。
【0008】このように光モジュールを構成すると、室
温、例えば、20℃でこの光モジュールを組み立ててあ
る場合には、その温度では、レンズホルダの高さ(例え
ば、図1における、r1を意味する。)を、キャリアの
高さ(例えば、図1における、r2を意味する。)より
も低くしてあるため、一般に、このレンズホルダに固定
されたレンズの中心点(薄いレンズの場合にはレンズの
中心、厚いレンズの場合にはレンズの光心とも言い、例
えば、図1における、s1を意味する。)の垂直方向に
おける位置が、このキャリア上に実装された半導体光制
御素子の発光点(発光点は一般に一定の面積を有するも
のであるが、この発明において、発光点の面積が問題と
なる場合には、その面積を有する領域の実質的に中央付
近の点を意味する。)の垂直方向における位置(例え
ば、図1における、s2を意味する。)よりも低くな
る。そのため、半導体光制御素子とレンズとの光軸を、
水平方向において、完全に一致させることはできない。
【0009】なお、この発明で、レンズホルダの高さと
は、このレンズホルダにレンズを半田等で固定し、これ
らレンズとレンズホルダとの接合面を固定面として、こ
の固定面から、レンズホルダの底部まで直線を垂下した
場合の、この直線の長さを言う。したがって、図1に示
すように、レンズホルダの底部(底面)で以て、このレ
ンズホルダをパッケージの底部に固定した場合には、図
1におけるr1が、レンズホルダの高さを示すことにな
る。同様に、キャリアの高さとは、このキャリアに半導
体光制御素子を半田等で固定し、これら半導体光制御素
子とキャリアとの接合面を固定面として、この固定面か
ら、キャリアの底部まで直線を垂下した場合の、この直
線の長さを言う。したがって、図1に示すように、キャ
リアの底部(底面)で以て、パッケージの底部に固定し
た場合には、図1におけるr2が、キャリアの高さを示
すことになる。
【0010】ただし、これらのレンズホルダの高さとキ
ャリアの高さの大小を比較できるのは、レンズホルダと
キャリアとを、同一高さの平坦面に、例えば、平坦なパ
ッケージの底部にそれぞれ固定してあることを条件とす
る。よって、同じパッケージの底部であっても、段差等
が設けてあり、このパッケージの底部が同一高さの平坦
面で無い場合には、この発明の光モジュールにおいて、
レンズホルダの高さおよびキャリアの高さとは、前述し
たとおりのレンズとレンズホルダとの接合面である固定
面の高さおよび半導体光制御素子とキャリアとの接合面
である固定面の高さを、それぞれ意味する。
【0011】そして、もちろん、レンズの大きさや、半
導体光制御素子の大きさを、通常の大きさよりも極端に
大きくすれば、レンズホルダの高さを、キャリアの高さ
よりも高くしても、半導体光制御素子とレンズとの光軸
を一致させることができる可能性はある。しかしなが
ら、この発明では、光モジュールの小型化をも目的の一
つとしている。すなわち、一般的な大きさのレンズ(直
径として、約0.4〜0.8mm)や、半導体光制御素
子(厚さとして、約0.05〜0.1mm)を用いるこ
とを意図している。また、これらのレンズや、半導体光
制御素子は一般に熱膨張率の低い材料、例えば、ガラス
系材料から作られている。よって、レンズホルダとキャ
リアの高さの大小およびこれらの熱膨張率の差を考慮す
ることにより、レンズと半導体光制御素子との光軸の一
致性を議論することができる。
【0012】また、この発明で、レンズと半導体光制御
素子の水平方向に対し、上下方向に、光軸のずれや一致
が生じるものとし、レンズホルダとキャリアの配置上、
左右方向の光軸のずれは問題とならない。さらに、この
発明で、室温とは、一例として、20℃の温度を意味す
るが、光モジュールの使用温度範囲の下限の温度、例え
ば、10〜40℃の範囲内の温度であれば良い。
【0013】よって、前述したように光モジュールを構
成すると、室温、例えば、20℃では、半導体光制御素
子から出射された光のうち、光ファイバを介して外部に
取り出すことができる光の光量は一定量に制限される。
しかしながら、レンズホルダの熱膨張率を、キャリアの
熱膨張率よりも大きくしてあり、しかも、レンズホルダ
およびキャリアは、それぞれの下部で以て、パッケージ
の底部に、それぞれ固定してある。なお、パッケージの
底部に、直接的に半田等の通常の固定手段を用いて、レ
ンズホルダおよびキャリアを固定することもできるし、
あるいは、パッケージの底部(底面)に、この底部の平
坦性を向上させて、レンズホルダおよびキャリアの高さ
調整を容易にするため、ガラス板等のベース材を積層し
た後、間接的に、レンズホルダおよびキャリアを固定す
ることもできる。そして、以下の例でも、レンズホルダ
およびキャリアを、それぞれの下部で以て、パッケージ
の底部にそれぞれ固定する際には、直接的または間接的
に固定することができる。
【0014】よって、光モジュールの周囲温度(以下、
雰囲気温度と言う場合もある。)が上昇すると、レンズ
ホルダおよびキャリアは、パッケージの底部と反対方向
にそれぞれ伸びる。そして、しかも、キャリアよりもレ
ンズホルダの方が、熱膨張率および高さの差に起因し
て、垂直方向により大きく伸びることになる。したがっ
て、室温、例えば、20℃では一致させることのできな
かった、半導体光制御素子とレンズとの光軸が、周囲温
度が上昇するのに伴い、自動的に、徐々に一致するよう
になる。そのため、半導体光制御素子から出射された光
のうち、光ファイバを介して、外部に取り出すことがで
きる光の光量が増加する。
【0015】一方、光モジュールの周囲温度が上昇する
と、半導体光制御素子の光出力能が相対的に低下し、外
部に出射できる光の光量が減少する。
【0016】したがって、半導体光制御素子とレンズと
の光軸が一致することによる光量の増加と、半導体光制
御素子の光出力能の低下による光量の減少とが同時期に
生じ、それぞれが相殺される。すなわち、室温、例え
ば、20℃における半導体光制御素子から出射された光
のうち、光ファイバを介して、外部に取り出すことがで
きる光量と、高温時、例えば、70℃において、同様に
取り出すことができる光量とが、実質的に差がない。よ
って、この発明の光モジュールは、電子冷却素子や温度
検出手段(温度検出素子)等の温度制御部材を用いるこ
と無く、素子自身で温度補償機能を発揮し、周囲温度に
かかわらず、一定量の光を取り出すことができる。すな
わち、この発明の光モジュールは、これらの温度制御部
材が不要となる。
【0017】なお、この発明の光モジュールは、室温、
例えば、20℃において外部に取り出すことができる光
量は、半導体光制御素子とレンズとの光軸が一致した場
合に、光ファイバを介して外部に取り出すことができる
光量よりも、光軸が一定量ずれているために少なくな
る。例えば、図3に示すように、光軸のずれが無い場合
(基準位置)の光量を100%としたときに、光軸が1
μmずれると、光軸のずれが無い場合の光量の約50%
の値となり、同様に、光軸が1.5μmずれると、約2
0%の値となる。しかしながら、光軸のずれが無い場合
の光量の約20%以内(光軸のずれとしては、約1.5
μm)の低下であれば、実用上問題無く、より好適に
は、50%以内、最適には、80%以内の光量の低下と
なるような光軸のずれであると良い。さらに、室温にお
いて、光量が低下した場合でも、半導体光制御素子に高
光強度のタイプの素子を用いるか、あるいは通常の光強
度の素子を用いても用途を考慮等すれば、光量(光強
度)が一部制限される点において、特に支障はない。
【0018】また、このように構成した第1の実施形態
の光モジュールを、高温雰囲気、例えば、空気中、70
℃の温度で組み立ててある場合には、以下のようにして
温度補償機能を発揮する。すなわち、前述したように、
レンズホルダの熱膨張率が、キャリアの熱膨張率よりも
大きくしてある。そして、レンズホルダとキャリアとに
おいて、それぞれに固定されている半導体光制御素子と
レンズとの光軸が一致するように、これらのレンズホル
ダとキャリアの高さが調整してある。そして、この状態
で、レンズホルダおよびキャリアを、それぞれの下部で
以て、パッケージの底部に、それぞれ固定してある。従
って、キャリアとレンズホルダとに、それぞれ固定され
ている半導体光制御素子とレンズとの光軸を、精度良く
一致させることができ、この半導体光制御素子から出射
された光を、光ファイバを介して、効率良く、外部に取
り出すことができる。但し、周囲温度が、高温雰囲気、
例えば、空気中、70℃の温度のため、半導体光制御素
子の光出力能が相対的に低下しており、その分、外部に
取り出せる光量が少なくなっている。
【0019】そして、この高温雰囲気で組み立てた光モ
ジュールを、室温、例えば、20℃まで冷却すると、熱
膨張率の差に起因して、さらには、レンズホルダおよび
キャリアは、それぞれの下部で以て、パッケージの底部
に、それぞれ固定されているため、レンズホルダの方が
キャリアよりも、より大きく、パッケージの底部側に向
かって収縮する。従って、半導体光制御素子とレンズと
の光軸が、周囲温度が上昇するのに伴い、自動的に、徐
々に位置ずれを生じるようになる。よって、半導体光制
御素子から出射された光のうち、光ファイバを介して、
外部に取り出すことができる光量が減少する。
【0020】一方、光モジュールの周囲温度が低下し
て、室温、例えば、20℃になるとすると、半導体光制
御素子の光出力能が相対的に向上し、半導体光制御素子
から出射される光の光量が増加する。
【0021】よって、半導体光制御素子とレンズとの光
軸のずれによる光量の減少と、半導体光制御素子の光出
力能の向上による光量の増加とが同時期に生じ、それぞ
れが相殺される。すなわち、室温、例えば、70℃にお
ける半導体光制御素子から出射された光において、光フ
ァイバを介して、外部に取り出すことができる光量と、
高温時、例えば、70℃において取り出すことができる
光量とが、実質的に差がない。
【0022】したがって、この発明の光モジュールは、
この光モジュールの使用温度の上限としての、高温雰囲
気、例えば、空気中で、50〜80℃の範囲内のいずれ
かの温度で組み立てた場合でも、電子冷却素子や温度検
出手段(温度検出素子)等の温度制御部材を用いること
無く、温度補償機能を発揮し、周囲温度にかかわらず、
一定量の光を取り出すことができる。
【0023】また、この発明の第2の実施形態の光モジ
ュールによれば、パッケージ内に、少なくとも、半導体
光制御素子と、この半導体光制御素子を実装するための
キャリアと、この半導体光制御素子から出射された光を
光出力側に集光させるレンズと、このレンズを保持する
ためのレンズホルダと、光ファイバとを具える光モジュ
ールにおいて、レンズホルダおよびキャリアは、それぞ
れの下部で以て、パッケージの底部に、それぞれ固定し
てある。そして、レンズホルダの熱膨張率を、キャリア
の熱膨張率よりも小さくするとともに、室温、例えば、
20℃における、レンズホルダの高さを、キャリアの高
さよりも高くしてあることを特徴とする。
【0024】なお、レンズホルダの高さやキャリアの高
さの意味するところは、第1の実施形態の光モジュール
の例と同様である。
【0025】そして、このように光モジュールを構成す
ると、室温、例えば、20℃の温度にて、この光モジュ
ールを組み立ててある場合には、その温度では、レンズ
ホルダの高さ(レンズの中心点の垂直方向における位
置)が、キャリアの高さ(半導体光制御素子の発光点の
垂直方向における位置)よりも高いため、半導体光制御
素子とレンズとの光軸を、水平方向において一致させる
ことはできない。従って、第1の実施形態の光モジュー
ルと同様に、半導体光制御素子から出射された光におい
て、光ファイバを介して、外部に取り出すことができる
光量は一定量に制限される。
【0026】しかしながら、光モジュールの周囲温度が
上昇し、例えば、70℃になるとすると、キャリアの熱
膨張率を、レンズホルダの熱膨張率よりも大きくしてあ
り、しかも、レンズホルダおよびキャリアは、それぞれ
の下部で以て、パッケージの底部に、それぞれ直接また
は間接的に固定してあるため、レンズホルダの方が、キ
ャリアよりも、パッケージの底部と反対方向に、より大
きく伸びる。従って、第1の実施形態の光モジュールと
同様に、室温、例えば、20℃では一致させることので
きなかった、半導体光制御素子とレンズとの光軸が、温
度が上昇するのに伴い、自動的に徐々に一致するように
なる。そして、例えば、70℃になるとすると、半導体
光制御素子から出射された光のうち、光ファイバを介し
て、外部に取り出すことができる光量が増加する。
【0027】一方、光モジュールの周囲温度が上昇し、
例えば、70℃になるとすると、第1の実施形態で既に
説明したように、半導体光制御素子の光出力能が相対的
に低下し、半導体光制御素子から出射される光の光量が
減少する。
【0028】よって、第1の実施形態の光モジュールと
同様に、第2の実施形態の光モジュールにおいても、半
導体光制御素子とレンズとの光軸が一致することによる
光量の増加と、半導体光制御素子の光出力能の低下によ
る光量の減少とが同時期に生じ、それぞれが相殺され
る。すなわち、この第2の実施形態の光モジュールにお
いても、周囲の温度によらず一定量の光を取り出すこと
ができ、温度補償機能を発揮して、電子冷却素子や温度
検出手段(温度検出素子)等の温度制御部材が不要とな
る。
【0029】また、第2の実施形態の光モジュールにつ
いても、第1の実施形態の光モジュールの構成例におい
て既に説明したように、室温ばかりでなく、高温雰囲
気、空気中、例えば、50〜80℃の温度範囲のいずれ
かの温度、好ましくは、70℃の温度において、半導体
光制御素子とレンズとの光軸を、水平方向で一致させて
組み立てることができる。そして、第1の実施形態の光
モジュールと同様に、高温雰囲気、例えば、空気中、7
0℃から、室温雰囲気、例えば、空気中、20℃に冷却
しても、半導体光制御素子とレンズとの光軸のずれによ
る光量の減少と、半導体光制御素子の光出力能の向上に
よる光量の増加とが、それぞれに相殺され、光ファイバ
を介して、外部に取り出すことができる光量は変化しな
い。すなわち、第2の実施形態の光モジュールは、高温
雰囲気で、半導体光制御素子とレンズとの光軸を一致さ
せて組み立てた場合にも、周囲の温度変化にかかわら
ず、一定量の光を取り出すことができ、電子冷却素子や
温度検出手段(温度検出素子)等の温度制御部材が不要
となる。
【0030】また、この発明の光モジュールにおいて、
好ましくは、半導体光制御素子の、光出力相対値に対す
る温度依存性の関係を示すグラフにおける、この関係を
示す直線の傾きa1の値と、下記の式(1)で表され
る、Tの値とを、実質的に等しくしてあると良い。
【0031】 T=L・a2 (1) L=|(kc −kh )・ΔT・s| (2) kc :キャリアの熱膨張率(1/℃) kh :レンズの熱膨張率(1/℃) ΔT:温度差(℃) s :室温における、レンズの中心点の、垂直方向にお
ける位置(μm) a2:光出力相対値と、レンズと半導体光制御素子の垂
直方向における位置ずれの関係を示すグラフにおける、
その関係の曲線の傾き(1/μm)。
【0032】ここで、より具体的には、半導体光制御素
子の、光出力相対値に対する温度依存性の関係を示すグ
ラフ(例えば、図2)における、その関係を示す直線の
傾きa1(1/℃)は、半導体光制御素子から出射され
る光量の温度変化率を示している。例えば、図2におい
て、二つの点線と、グラフにおける直線とのそれぞれの
交点における、光出力相対値の差(−)を、周囲温度の
差(℃)で割った値が、直線の傾きa1(1/℃)であ
る。
【0033】また、Lは、キャリアの熱膨張率とレンズ
ホルダの熱膨張率の差に起因した光軸のずれの大きさの
絶対値(−)を示している。さらに、a2は、上記に定
義したとおりのものであり、図3において、二つの点線
と、グラフにおける曲線とのそれぞれの交点における、
光ファイバ出力相対値の差(−)を、レンズの位置ずれ
の差(μm)で割った値が、a2(1/μm)である。
図3において、レンズの基準位置から、上下方向にずれ
る場合があるため、2カ所において、点線でa2(1/
μm)を示している。そして、これらLとa2を掛けた
ものが、Tの値(1/μm)である。すなわち、より具
体的に言えば、かかる光軸のずれと光出力相対値に対す
る関係のグラフ(例えば、図3)を、半導体光制御素子
の光出力相対値と温度依存性の関係を示すグラフ(例え
ば、図4)に書き換え、その書き換えたグラフにおける
曲線の傾き、すなわち、T値は、光軸のずれにおける、
光量の温度変化率(1/μm)を示している。図4にお
いて、点線でこのTの値(1/μm)を示す。
【0034】なお、前述した式(2)において、レンズ
や半導体光制御素子の熱膨張率については言及していな
いが、前述したように、この発明の光モジュールにおい
ては、一般的な大きさのレンズ(直径が、例えば0.2
〜0.8mm)や、半導体光制御素子(厚さが、0.0
5〜0.2mm)を用いることを意図している。また、
これらのレンズや、半導体光制御素子は一般に熱膨張率
の低い材料、例えば、ガラス系材料から作られており、
キャリアやレンズの熱膨張率よりも低い。したがって、
式(2)において、光軸のずれに及ぼす影響が小さいた
め、レンズや半導体光制御素子の熱膨張率については言
及していない。
【0035】そして、この発明において、前述したよう
に、Tの値とa1の値とを、それぞれ実質的に等しくし
てあると、光軸が一致することによる光量の増加と、半
導体光制御素子の温度上昇による光出力能の低下による
光量の減少との相殺を、より定量化することができる。
すなわち、第1の実施形態および第2の実施形態の光モ
ジュールにおいて、室温、例えば、20℃で、半導体光
制御素子とレンズとの光軸を予めずらして組み立てた
後、高温雰囲気、例えば、空気中、70℃の温度にした
場合、半導体光制御素子とレンズとの光軸が一致するこ
とによる光量の増加と、半導体光制御素子の温度上昇に
よる光出力能の低下による光量の減少との相殺量を、定
量的に一致させることができる。そして、同様に、高温
雰囲気、例えば、空気中、70℃の温度で、半導体光制
御素子とレンズとの光軸を一致させて光モジュールを組
み立て、室温、例えば、20℃に低下させた場合にも、
半導体光制御素子とレンズとの光軸がずれることによる
光量の低下と、半導体光制御素子の温度低下による光出
力能の向上による光量の増加による相殺量とを、より定
量化することができる。
【0036】また、この発明の光モジュールにおいて、
好ましくは、式(2)における、|(kc−kh)|の
絶対値、すなわち、キャリアとレンズホルダにおける熱
膨張率の差の絶対値の大きさを、1×10-6〜30×1
-6の範囲内の値とすることが良い。
【0037】このように熱膨張率の差を定めて、光モジ
ュールを構成すると、キャリアやレンズの材料として、
耐熱性や機械的特性に優れた、種々の単一金属や合金あ
るいは、セラミック材料等が使用可能となるためであ
る。
【0038】また、この発明の光モジュールにおいて、
好ましくは、式(2)におけるsの値が、0.5〜5.
0mmの範囲内、より好ましくは、1.0〜3.0mm
の範囲内の値とすることが良い。
【0039】このように、室温、例えば、20℃におけ
る、レンズの垂直方向における位置(μm)であるs
(図1におけるs1、または、図5におけるs11およ
びs12を意味する。)の値を設定して光モジュールを
構成すると、組立てられた光モジュールが、過度に大き
くなることなく、小型の光モジュールを提供することが
できる点で好適であり、また光モジュールの製造上も容
易となるためである。
【0040】また、この発明の光モジュールにおいて、
好ましくは、キャリアが、Cu−W系材料で作製されて
いることが良い。かかる材料は、耐熱性や機械的強度に
優れ、キャリア材料として長年の実績があるためであ
る。また、Cu−W系材料の熱膨張率は、約6.0x1
-6/℃であり、半導体光制御素子の一般的材料の熱膨
張率と近似している。そのため、周囲の温度変化によ
り、半導体光制御素子に対して、キャリアとの熱膨張率
の差に起因した、過度の応力がかからない点でも好適で
ある。
【0041】また、この発明の光モジュールにおいて、
好ましくは、レンズホルダが、SUS304を材料とし
て作製されていることが良い。かかるSUS304は、
材料として、耐熱性、機械的強度あるいは加工性に優れ
ているためである。さらに、SUS304の熱膨張率
は、約17x10-6/℃であり、前述した通り、キャリ
アとしての好適材料であるCu−W系材料との熱膨張率
の差が、約11.0x10-6/℃である。よって、前述
したとおり、室温、例えば、20℃におけるレンズの中
心点の垂直方向における位置(μm)であるsを、1.
0〜3.0mmの範囲内の値とできる点で好適である。
【0042】また、この発明の光モジュールにおいて、
好ましくは、この光モジュールを、室温、例えば、10
〜40℃の範囲内のいずれかの温度、好ましくは20℃
にて、半導体光制御素子とレンズとの水平方向の光軸
を、予めずらして、組み立ててあることが良い。このよ
うにすると、温度制御手段を特に必要としないで、光モ
ジュールを組み立てることができるため、製造上きわめ
て都合が良い。
【0043】一方、この発明の光モジュールにおいて、
この光モジュールを、50〜80℃の範囲内のいずれか
の温度、好ましくは、70℃にて、半導体光制御素子と
レンズとの、水平方向の光軸を実質的に一致させて組み
立ててあることも好適である。もちろん、前述したとお
り、かかる高温で光モジュールを組み立てるためには、
製造上、電子冷却素子、あるいは恒温槽等の温度制御手
段を必要とする。しかしながら、半導体光制御素子とレ
ンズとの、光軸合わせが再現性良くできるため、精度良
く、均一な特性の光モジュールを製造できる点で都合が
良い。
【0044】
【発明の実施の形態】以下、図1〜5を参照して、この
発明の光モジュールの実施形態につき説明する。但し、
図1〜5は、この発明が理解できる程度に各構成要素の
形状、大きさ及び配置関係を概略的に示してあるにすぎ
ない。よって、言うまでもなく、この発明はこれらの説
明限定されるものではない。
【0045】図1は、この発明の第1の実施形態の構成
例を説明するための、光モジュール100の切り口を示
す図である。すなわち、パッケージ110内に収容され
たレンズ104や半導体光制御素子102等を、パッケ
ージ110の蓋をしたまま、中央付近で垂直方向に切断
し、室温、例えば、20℃における、切り口を横方向か
ら見た場合の光モジュール100の構成を示している。
そして、かかる切り口において、パッケージ110、パ
ッケージの蓋110aおよびスリーブ120には、切断
面であることを示すため、ハッチングを施してある。但
し、レンズ104や半導体光制御素子102等のその他
の構成部品については、これらの関係が理解されやすい
ように、切断面であってもハッチングは省略してある。
【0046】なお、この発明の光モジュール100に使
用可能な半導体光制御素子として、半導体レーザ素子や
光変調素子、あるいは光スイッチ等、種々のものがあ
る。但し、以下の説明では、便宜上、半導体レーザ素子
の場合につき説明するが、もちろん、この素子に限定さ
れるものではない。
【0047】まず、図1に示される光モジュール100
において、パッケージ110の底部110cに、所定距
離だけ離間させて、キャリア106とレンズホルダ10
8を、半田等の通常の固定手段を用いて固定してある。
このパッケージ110の底部110cの内面は、平坦な
面とする。そして、キャリア106の上部、すなわちキ
ャリア106の頭頂面(前述したように、固定面とも言
う。)には、半導体光制御素子として、半導体レーザ素
子102を、レンズホルダ108、すなわちレンズホル
ダ108の頭頂面(前述したように、固定面とも言
う。)には、レンズ(第1のレンズ)104を、それぞ
れ、同様に半田等の通常の固定手段を用いて固定してあ
る。なお、これらキャリア106およびレンズホルダ1
08の頭頂面も、それぞれ平坦とする。
【0048】そして、以下の光モジュールの構成例で
は、室温、例えば、20℃にて、キャリア106やレン
ズホルダ108等から、光モジュール100を組み立て
た場合について説明するが、高温雰囲気、例えば、空気
中、70℃で、この光モジュール100を組み立て、室
温、例えば、20℃まで冷却しても、実質的に同一の構
成がえられることが確認されている。
【0049】また、この半導体レーザ素子102を固定
する際に、この半導体レーザ素子102を駆動させ所定
のレーザ発光をさせるために、高周波電源と電気接続す
る必要があるが、このための高周波電源や、あるいはこ
の電源と半導体レーザ素子102とを電気接続するため
の入出力端子や電気配線等も、図中省略してある。
【0050】そして、この構成例では、図1のパッケー
ジ110の右側面に、半導体レーザ素子102から出射
された光を外部に取り出すための円形の穴121が開け
てある。この穴121は、外に向かう光軸方向に沿っ
て、階段状のテーパをなしており、すなわち、光軸を芯
とする半径の異なる二つの円から、開口部を光軸に沿っ
て連続形成し、1つの穴として形成してある。そして、
このテーパにおける段差を利用して、サファイア部材
が、パッケージ110の外側から勘合されて、いわゆる
サファイア窓122が形成してある。さらに、このサフ
ァイア窓122の外側には、パッケージ110の右側面
の壁の一部を利用して、円筒状のスリ−ブ120が取り
付けてある。よって、サファイア窓122を介して、半
導体レーザ素子102から出射された光を、このスリ−
ブ120の内部に導入することができる。そして、この
スリ−ブ120の内部には、第1のレンズ104により
集光された光を、さらに光ファイバ112に集光させる
ための、第2のレンズ118が、配置、固定してある。
また、この第2のレンズ118の先には、光ファイバ1
12が、フェルール114を装着した上で、サファイア
窓122と反対側からスリ−ブ120の内部に挿入され
て、適当な位置で固定してある。
【0051】なお、光ファイバ112は、その周囲にフ
ェルール114を装着後、光の反射を防止するために、
光がブリュースタ角で入射できるよう、光軸方向に対し
て、角度をもって斜めに切断してある。そして、その
後、光ファイバ112およびその周囲のフェルール11
4の切断面に表面研磨を施してある。したがって、光フ
ァイバ112とフェルール114との切断面が、それぞ
れ平滑な同一斜面を形成している。よって、図1におい
ても、この光ファイバ112とその周囲に装着されたフ
ェルール114の切断面を端面(一括して、光ファイバ
の端面と言う)116として、斜線で示してある。
【0052】ここで、半導体レーザ素子102におい
て、光(例えば、レーザ光)を発振する中心点すなわ
ち、既に一部説明したとおり、光軸上の一点を意味し、
発光点と称する場合もあるが、この半導体レーザ素子1
02の発光点から、キャリア106を介して、パッケー
ジ110の底部に向かって垂下した場合の直線の距離
が、半導体レーザ素子102の室温、例えば、20℃に
おける垂直方向における位置(μm)であり、図1中、
この距離をs2で表示してある。すなわち、この距離
は、パッケージ110の内側の平坦な底部110cか
ら、半導体レーザ素子102の発光点までの距離であ
る。そして、この光モジュール100の構成例では、室
温、例えば、20℃において、レンズホルダ108の高
さr1が、キャリア106の高さr2よりも低いことが
必要であり、よって、半導体レーザ素子の発光点の垂直
方向における位置s2(この例では、半導体レーザ素子
102の約半分の厚さを含む。)が、後述するs1で表
示される位置よりも高くなる。
【0053】また、レンズホルダ108には、レンズ
(レンズを複数使用する場合には、第1のレンズと称す
る。)104が、固定してある。この図に示すレンズホ
ルダ108は、実質的に、上下方向に2分割されて、レ
ンズ104を保持するための一定の大きさの空間が形成
してあり、前述したレンズ104は、この空間に配置さ
れ、半田等の通常の固定手段により、レンズホルダ10
8に固定してある。そして、このレンズ104におい
て、光を集光させる光軸上の中心点、すなわち光軸上の
一点を意味するが、この中心点から、パッケージ110
に垂下した直線の距離が、レンズ104の室温(20
℃)における垂直方向の位置(距離)(μm)であり、
図1中、この距離は、s1(この例では、レンズ104
の直径の約半分の大きさを含む。)で表示してある。す
なわち、この距離は、パッケージ110の内側の平坦な
底部110cから、レンズ104の中心点までの距離で
ある。
【0054】そして、前述したとおり、この構成例で
は、室温、例えば、20℃にて、レンズホルダ108の
高さが、キャリア106の高さよりも低いことが必要で
あり、よって、前記レンズホルダ108に固定してある
レンズ104の中心点の垂直方向における位置s1が、
キャリア106に固定してある半導体レーザ素子102
の発光点の垂直方向における位置s2よりも低くなる。
【0055】一方、この構成例では、レンズホルダ10
8をSUS304を材料として、キャリア106を、C
u−Wを材料として、それぞれ作製してある。レンズホ
ルダ108の熱膨張率は、17x10-6/℃であり、ま
た、キャリア106の熱膨張率は、6x10-6/℃であ
るので、レンズホルダ108のほうが、キャリア106
よりも、熱膨張率が大きい。そして、室温、例えば、2
0℃で、レンズホルダ108にレンズ104を配置し
て、固定した時の、レンズ104の中心点の垂直方向に
おける位置、すなわち、パッケージ110の内側の平坦
な底部110cから、レンズ104の中心点までの距離
s1が、1598.64μmになるように、レンズホル
ダ108およびレンズ104の大きさを調整してある。
また、同様に、半導体レーザ素子102の発光点の垂直
方向における位置、すなわち、パッケージ110の内側
の平坦な底部110cから、半導体レーザ素子102の
発光点までの距離s2が、1599.5μmになるよう
に、半導体レーザ素子102およびキャリア106の大
きさを調整してある。
【0056】よって、室温、例えば、20℃でこの光モ
ジュール100を組み立てた場合には、その温度では、
レンズ104の垂直方向における位置、すなわち、レン
ズ104の中心点の高さ方向の位置が、半導体レーザ素
子102の垂直方向における位置、すなわち、半導体レ
ーザ素子102の発光点の高さ方向の位置よりも低いた
め、半導体レーザ素子102とレンズ104との光軸を
完全に一致させることはできない。図1における光軸1
24が示すように、半導体レーザ素子102からレンズ
104に向かって光軸が下に傾いており、半導体レーザ
素子102とレンズ104の光軸が、下方向にずれてい
ることがわかる。
【0057】従って、この光軸が、下方向にずれている
状態では、半導体レーザ素子102から出射された光
を、すべて光ファイバ112を介して、外部に取り出す
ことができず、この外部に取り出すことができる光量は
一定量に制限されている。
【0058】この点について、図3を用いて、より詳細
に説明する。図3は、この光モジュール100を組み立
てる際、レンズ104を最終的に固定する前に、意図的
にレンズ104の垂直方向における位置s1を順次に変
えて、室温(20℃)で、光ファイバ112を介して、
外部に取り出すことができる光量を、光量計であるパー
メータ(図示せず)を用いて測定したものである。な
お、光量を測定する際には、レンズ104と光ファイバ
112の光軸のずれが問題とならないように、光ファイ
バ112の光軸上の中心位置も、レンズ104の垂直方
向における位置s1を順次に変える際に、それに合わせ
て調整した。
【0059】すなわち、図3は、横軸にレンズ104
の、垂直方向における基準位置からの位置ずれ(単位μ
m)を取ってあり、縦軸には、光ファイバ出力相対値
(−)が取ってある。なお、レンズ104の垂直方向に
おける基準位置からの位置ずれとは、レンズ104と半
導体レーザ素子102の光軸が水平方向において完全に
一致する場合の、レンズ104の垂直方向における位置
を基準位置として、その基準位置からどれだけずれてい
るか、そのずれた距離を意味している。この構成例で
は、70℃の温度で、レンズ104と半導体レーザ素子
102の水平方向における光軸が、完全に一致するよう
に、これらの半導体レーザ素子102やレンズ104、
および、これらの半導体レーザ素子102およびレンズ
104を固定するレンズホルダ108およびキャリア1
06の位置関係や大きさを調整して構成してあり、70
℃の温度のレンズの中心点の位置が基準位置(図3中、
レンズの垂直方向の位置のずれ量が0の位置である。)
となる。
【0060】この図3から、明らかなように、レンズ1
04と半導体レーザ素子102の光軸が、水平方向にお
いて完全に一致する位置、すなわち基準位置にて、最大
の光ファイバ出力が得られる。そして、その基準位置か
ら、レンズ104の位置が、上下方向に、それぞれ一定
距離ずれるにしたがって、すなわち、この測定例では、
レンズ104と半導体レーザ素子102の光軸がずれる
にしたがって、光ファイバ出力が低下することがわか
る。例えば、基準位置における光量を100%としたと
きに、光軸が、上下方向のいずれか一方に、0.4μm
ずれると、基準位置における光量の約90%の値に、緩
やかな曲線を描いて減少する。そして、同様に、光軸の
ずれが、およそ0.4〜1.2μmの範囲では、ほぼ直
線的に光量が減少し、既に述べたように、光軸が1.0
μmずれると、約50%の値の光量となり、光軸のずれ
が1.2μmでは、約35%の値の光量となる。その
後、さらに光軸がずれると、緩やかな曲線を描いて得ら
れる光の光量が減少し、この光軸のずれが、上下方向の
いずれか一方に2.0μmを越えたあたりで、ほとんど
光が取り出せなくなる。図6に示す従来の光モジュール
において、電子冷却素子等を用いて温度制御を行わない
と、20〜70℃の温度範囲では光軸のずれが、2.0
μmを越えるため、ほとんど光が取り出せなくなるもの
と推定される。
【0061】次に、この構成例の光モジュール100の
周囲温度が上昇した場合について説明する。この構成例
では、前述したように、レンズホルダ108の熱膨張率
を、キャリア106の熱膨張率よりも大きくしてある。
そして、平坦なパッケージ110の底部110cに対し
て、キャリア106とレンズホルダ108の下部、例え
ば底面で以て、このパッケージ110の底部とキャリア
106およびレンズホルダ108とが、それぞれの接合
面で熱移動しないように固定してある。すなわち、周囲
温度が上昇し、キャリア106およびレンズホルダ10
8がそれぞれ熱膨張した場合、その熱膨張した体積は、
パッケージ110の底部110cと反対方向に移動し、
実質的にその方向に伸びる。そのため、光モジュール1
00の周囲温度が上昇すると、キャリア106よりもレ
ンズホルダ108の方が、パッケージ110の底部11
0cと反対方向、すなわち、パッケージ110の蓋11
0aの方向に向かって、垂直方向により大きく伸びる。
したがって、室温、例えば、20℃では一致させること
のできなかった、半導体レーザ素子102とレンズ10
4との光軸が、周囲温度が上昇するのに伴い、自動的
に、徐々に一致するようになる。
【0062】そして、この構成例では、70℃の高温に
おいて、レンズ104の垂直方向における位置s1、す
なわち、パッケージ110の内側の平坦な底部110c
から、レンズ104の中心点までの距離、および、半導
体レーザ素子102の垂直方向における位置s2、すな
わち、パッケージ110の内側の平坦な底部110cか
ら、半導体レーザ素子102の発光点までの距離が、そ
れぞれ、約1600μmとなり、実質的に同一の高さと
なる。よって、レンズ104の位置ずれが少なくなり、
基準位置に近づく。そして、レンズ104と半導体レー
ザ素子102の光軸が一致するようになり、半導体レー
ザ素子102から出射された光のうち、光ファイバ11
2を介して、外部に取り出すことができる光量が、室
温、例えば、20℃で取り出すことができる光量と比較
して増加する。
【0063】一方、光モジュール100の雰囲気温度が
上昇し、例えば、70℃になるとすると、半導体レーザ
素子102の光出力能が相対的に低下し、この素子から
出射される光量が減少する。この点は、図2を用いて詳
細に説明する。図2は、横軸に、半導体光制御素子とし
ての半導体レーザ素子102の周囲温度(℃)を取って
あり、縦軸には、この半導体レーザ素子102から出射
された光量についての、光出力相対値(−)が取ってあ
る。このうち、光出力相対値(−)は、半導体レーザ素
子102を、電子冷却素子上に配置し、電源(図示せ
ず)から、この半導体レーザ素子102に対して、所定
の電圧を印加してレーザ発光をさせ、そのレーザ発光の
光量の温度依存性を、光量計であるパーメータで測定し
たものである。そして、半導体レーザ素子102の下方
に設けられた、電子冷却素子の温度を順次に変え、それ
ぞれの温度で光量を測定したものである。各温度におい
て測定した値は、周囲温度が70℃における、半導体レ
ーザ素子102から出射された光量を、基準位置で得ら
れる光量(この70℃における光量を、1.0とす
る。)として、光出力相対値(−)として示してある。
なお、このレーザ発光の光量の温度依存性の測定におい
て、周囲温度の影響以外、例えば、半導体レーザ素子1
02とパーメータの光軸のずれ等は無視できる状態で測
定した。
【0064】図2に示されるように、周囲温度が、例え
ば、20℃から70℃に上昇するにつれて、ほぼ直線的
に、半導体レーザ素子102から出射されるレーザの光
量は減少する。そして、温度20℃で、約1.7(−)
であった光出力相対値が、70℃では、1.0(−)
と、約60%に減少する。また、この光モジュールの使
用可能温度範囲は、およそ10〜80℃の範囲内であ
る。よって、図2には示していないが、光モジュールの
使用可能な下限温度の10℃および上限温度の80℃の
光出力相対値(−)も、この図から推定することがで
き、それぞれ、約1.8(−)と約0.8である。
【0065】そして、この発明の第1の実施形態の光モ
ジュール100を、室温、例えば、20℃で組み立てた
のち、この光モジュール100の周囲温度を強制的に変
化させ、光ファイバ112を介して、外部に取り出すこ
とができる光量を、パーメータで実際に測定した。その
結果を、図4に示す。この図4においては、横軸に、周
囲温度(℃)を取ってあり、縦軸には、温度70℃で得
られる光量を基準(1.0)として、各周囲温度におけ
る、光ファイバ出力相対値(−)が取ってある。なお、
レンズ104と光ファイバ112の光軸のずれは無視で
きる状態で、光ファイバ112を介して、外部に取り出
すことができる光量を、パーメータで測定した。
【0066】図4から明らかなように、光モジュール1
00の周囲温度が上昇すると、それに伴って、緩やかに
曲線を描いて光ファイバ出力相対値(−)が上昇してい
る。すなわち、半導体レーザ素子102とレンズ104
との光軸が、周囲温度が上昇するのに伴い、徐々に一致
しているものと推定される。
【0067】なお、図4には、第1の実施形態における
周囲温度と光ファイバ出力相対値の関係を示す曲線以外
に、直線が表示してある。この直線は、曲線内における
直線部分の傾きTを示したものである。この傾きTの値
に関して、既に説明したように、このTの値とa1の値
とを、それぞれ実質的に等しくしてあると、光軸が一致
することによる光量の増加と、半導体光制御素子、例え
ば半導体レーザ素子の温度上昇による光出力能の低下に
よる光量の減少との、それぞれの相殺を、より定量化す
ることができる点で好適である。すなわち、光モジュー
ルの周囲温度の変化に対して、同程度で、定量的に半導
体光制御素子の光出力相対値と、レンズとの光軸のずれ
による光ファイバ出力相対値とが、それぞれ相殺しなが
ら変化することになる。より具体的に言うと、室温、例
えば、20℃で、半導体光制御素子とレンズとの光軸を
予めずらして組み立てた後、高温雰囲気、例えば、空気
中、70℃の温度にした場合、半導体光制御素子とレン
ズとの光軸が一致することによる光量の増加と、半導体
光制御素子の温度上昇による光出力能の低下による光量
の減少とが、ほぼ一致することになり、相殺量を、定量
化することができる。そして、高温雰囲気で、光モジュ
ールを組み立て、室温に低下させた場合も、半導体光制
御素子とレンズとの光軸がずれることによる光量の減少
と、半導体光制御素子の温度低下による光出力能の向上
による光量の増加とが、ほぼ一致し、相殺量を、同様
に、定量化することができる。
【0068】以上のとおり、第1の実施形態の光モジュ
ール100の周囲温度が上昇しても、既に説明したよう
に、半導体レーザ素子102とレンズ104との光軸が
一致することによる光量の増加と、半導体レーザ素子1
02の光出力能の低下による光量の減少とが同時期に起
こり、それらが相殺されるため、光ファイバ112を介
して、外部に取り出すことができる光量が実質的に変化
しない。すなわち、光モジュール100が、自分自身で
周囲温度変化に対して自動的に温度補償をするため、電
子冷却素子や温度検出手段(温度検出素子)等の温度制
御部材を用いる必要が無い。そして、これらの温度制御
部材やこれらの温度制御部材のための配線等を除去でき
るため、光モジュールを小型化することもできる。
【0069】次に、この発明の第2の実施形態の光モジ
ュールの構成例を説明する。すなわち、図5は、パッケ
ージ230内に収容された第1のレンズ236、第2の
レンズ238や半導体光制御素子226等を、パッケー
ジ230の蓋をはずして、中央付近で垂直方向に切断
し、室温、例えば、20℃における、切り口を横方向か
ら見た場合の光モジュール200の構成を示している。
そして、かかる切り口において、パッケージ230に
は、切断面であることを示すため、ハッチングを施して
あるが、第1および第2のレンズ236、238や半導
体光制御素子226等のその他の構成部品については、
これらの関係が理解されやすいように、切断面であって
もハッチングは省略してある。
【0070】なお、この構成例においては、半導体光制
御素子として光変調素子を用いて説明するが、この発明
は、もちろんこれに限定されるものではない。ここで、
この発明の第2の実施形態は、第1の実施形態の光モジ
ュールと、レンズホルダとキャリアの熱膨張率の大小が
逆になっており、それに伴い、レンズホルダ(レンズの
垂直方向における位置)とキャリア(半導体光制御素子
の垂直方向における位置)の、それぞれの高さの大小が
逆になっている。しかしながら、半導体光制御素子の光
出力能と、この素子の周囲温度とが、実質的に逆比例的
な関係にあることを利用して、周囲の温度変化にかかわ
らず、一定量の光を取り出すことを可能としている点に
ついては、同一である。よって、第2の実施形態の説明
においては、第1の実施形態と異なる点を中心に説明
し、重複する点については、適宜省略する。
【0071】まず、図5に示される光モジュール200
において、パッケージ230の底部230cに、所定距
離だけ離間させて、キャリア228および、このキャリ
ア228を挟んで二つの第1のレンズホルダ240と、
第2のレンズホルダ242を、半田等の通常の固定手段
を用いて固定してある。そして、キャリア228の上部
(固定面または頭頂面と言う場合もある。)には、半導
体光制御素子として、光変調素子226を、第1のレン
ズホルダ240には第1のレンズ236を、第2のレン
ズホルダ242には第2のレンズ238を、それぞれ、
同様に半田等の通常の固定手段を用いて固定してある。
【0072】以下、この構成例は、ヒータ(図示せず)
を用いて、このヒータ上にパッケージ230を乗せ、高
温雰囲気、例えば、空気中、70℃の条件にて、キャリ
ア228や第1および第2のレンズホルダ240、24
2等の構成部品から、光モジュール200を組み立てて
あり、その後、室温、例えば、20℃に戻した(冷却)
場合の構成を説明する。この点で、室温、例えば、20
℃で組み立てた、第1の実施形態の光モジュールと異な
っている。そして、このように高温雰囲気で、光モジュ
ール200を組み立てると、光変調素子226と第1お
よび第2のレンズ236、238との光軸を一致させた
状態で、キャリア228や第1および第2のレンズホル
ダ240、242を、パッケージ230の底部230c
に固定することができる。よって、精度良く、しかも再
現性良くこれらの構成部品を固定することができ、製造
上好都合である。
【0073】但し、第1の実施形態と同様に、室温、例
えば、20℃で、この光モジュール200を、予め、光
変調素子226と第1および第2のレンズ236、23
8との光軸をずらして組み立てても、実質的に同一の構
成がえられることが確認されている。また、この光変調
素子226をキャリア228上に固定する際に、光変調
素子226を駆動させ、所定の光信号を得るために、こ
の光変調素子226を高周波電源と電気接続する必要が
あるが、この高周波電源や、あるいは、この高周波電源
と光変調素子226とを電気接続するための入出力端子
や高周波電気配線等も、図中省略してある。
【0074】そして、この構成例では、光変調素子22
6に対し、光源(図示せず)から出射された光を、光を
正確に入力させるための入力用光ファイバ232およ
び、光変調素子226で変調された光を外部に取り出す
ための出力用光ファイバ234が、コネクタ(図示せ
ず)等の通常の固定手段を用いて、パッケージ230の
パッケージ本体230bの両側面の一部を利用して設け
てある。そのため、これらの入力用光ファイバ232お
よび出力用光ファイバ234を介して、光モジュール2
00内に、正確に光を導入したり、あるいは外部に取り
出すことができる。よって、導入された光は、第1のレ
ンズ(非球面レンズ)236により、光変調素子226
の光の入力側に集光させられる。光変調素子226に入
力された光は、高周波電源(図示せず。)から印加され
た高周波信号により、所定の光信号に変換される。そし
て、この変換された光を出力用光ファイバ234に集光
させるための第2のレンズ(非球面レンズ)238が、
光変調素子226の出力側に設けてあり、この第2のレ
ンズ238で集光された光を、出力用光ファイバ234
を介して、外部に取り出すことができる。
【0075】そして、また、この構成例では、光変調素
子226の中心点から、パッケージの底部110cに向
かって垂下した場合の直線の距離、すなわち、光変調素
子226の垂直方向における位置であり、図5中、この
位置は、s2で表示されている。この第2の実施形態の
光モジュール200の構成例において、高温、例えば、
70℃の温度の時、このs2の長さと、第1および第2
のレンズ236、238の垂直方向における位置s1
1、s12とがそれぞれ同一であり、この点は、第1の
実施形態の光モジュール100の構成例と同一である。
【0076】しかしながら、この構成例では、後述する
ように、室温、例えば、20℃において、レンズホルダ
240、242の高さr11、r12を、キャリア22
8の高さr2よりも高くしてある。よって、この光変調
素子226の垂直方向における位置s2の高さは、第1
および第2のレンズ236、238の垂直方向における
位置s11、s12の高さよりも低くなる。したがっ
て、この点で、第2の実施形態の光モジュール200
は、第1の実施形態の光モジュール100の構成例と異
なっている。
【0077】すなわち、より具体的に言うと、第1およ
び第2のレンズ236、238の中心点から、パッケー
ジの底部230cに垂下した直線の距離が、第1および
第2のレンズ236、238の室温、例えば、20℃に
おける垂直方向における位置であり、図2中、この位置
は、s11、s12で表されている。そして、高温、例
えば、70℃においては、第1および第2のレンズホル
ダ240、242にそれぞれ固定、配置してある、第1
および第2のレンズ236、238の垂直方向の位置s
11、s12と、キャリア228に固定してある光変調
素子226の垂直方向の位置s2とが、それぞれ実質的
に同一である。したがって、この光モジュール200
を、高温雰囲気、例えば、空気中、70℃の温度で組み
立てた状態では、光変調素子226と第1および第2の
レンズ236、238の光軸を完全に一致させることが
できる。よって、光変調素子226と第1および第2の
レンズ236、238の光軸のずれによる、光量の減少
は無い。
【0078】しかしながら、図2に示すとおり、半導体
レーザ素子の例と同様に、光変調素子226も、高温、
例えば、70℃では、光出力能が低下することが知られ
ており、光出力能が低下した分、出力用光ファイバ23
4を介して、外部に取り出すことができる光量は減少す
る。
【0079】よって、高温、例えば、70℃の温度にお
いて、この構成例の光モジュール200では、光変調素
子226と第1および第2のレンズ236、238の光
軸がそれぞれ一致することによる、高い光量と、光変調
素子226の低い光出力能に起因した低い光量とが、そ
れぞれ相殺されて、そして、一定量の光を外部に取り出
すことができる。
【0080】次に、第2の実施形態の光モジュール20
0を、室温、例えば、20℃に、冷却(室温状態に放置
する場合を含む。)した場合の、光量の変化について説
明する。すなわち、この構成例の光モジュール200に
おいては、第1および第2のレンズホルダ240、24
2を石英ガラスで、キャリア228を、Cu−Wでそれ
ぞれ作製してある。第1および第2のレンズホルダ24
0、242の熱膨張率は0.4x10-6/℃であり、ま
た、キャリア228の熱膨張率は、6.0x10-6/℃
であるので、第1および第2のレンズホルダ240、2
42のほうが、キャリア228よりも、熱膨張率は小さ
い。
【0081】したがって、この構成例の光モジュール2
00を組立て後、高温、例えば、70℃から、室温、例
えば、20℃に冷却すると、第1および第2のレンズホ
ルダ240、242とキャリア228の熱膨張率の差に
起因して、キャリア228が第1および第2のレンズホ
ルダ240、242よりも大きく収縮する。そのため、
光変調素子226と第1および第2のレンズ236、2
38の垂直方向における位置が異なり、これらの構成部
品間で光軸がずれることになる。図5でも、光軸250
が示すように、第1のレンズ236の垂直方向における
位置の方が光変調素子226の垂直方向における位置よ
りも高いため、第1のレンズ236から、光変調素子2
26に向かって光軸が下側にずれている。そして、一方
で、第2のレンズ238の垂直方向における位置の方が
光変調素子226の垂直方向における位置よりも高いた
め、光変調素子226から、第2のレンズ238に向か
っては、光軸が上方向にずれている。
【0082】従って、このように光軸250が、上下方
向にずれている状態では、入力用光ファイバ232を介
して光変調素子226に対して、光源から入力された光
を、すべて光変調素子226に導入することができな
い。さらに、この光変調素子226から出射された光
を、すべて出力用光ファイバ234を介して、外部に取
り出すこともできない。よって、この構成例では、入力
された光の光量のうち、外部に取り出すことができる光
量は一定量に制限されて、減少している。しかしなが
ら、図3に示す半導体レーザ素子の例と同様に、光変調
素子226も、室温、例えば、20℃では、光出力能が
向上することが知られており、光出力能が向上した分、
出力用光ファイバ234を介して、外部に取り出すこと
ができる光量は増加している。
【0083】よって、光モジュール200の雰囲気温度
が、室温、例えば、20℃に低下した場合にも、既に説
明したように、光変調素子226と第1および第2のレ
ンズ236、238の光軸がずれることによる光量の減
少と、光変調素子226の光出力能の向上による光量の
増加とが同時期に起こり、それらが相殺されて、外部に
取り出すことができる光量は実質的に変化しない。すな
わち、光モジュール200が、自分自身で周囲温度の変
化に対して自動的に温度補償をし、この光モジュール2
00の組立時の温度である高温、例えば、70℃におい
て外部に取り出すことができる光量と、室温、例えば、
20℃で取り出すことができる光量とが、実質的に変化
せず、周囲温度にかかわらず、一定の光量を取り出すこ
とができる。
【0084】従って、この第2の実施形態の光モジュー
ルにおいても、第1の実施形態の光モジュールと同様、
電子冷却素子や温度検出手段(温度検出素子)等の温度
制御部材や、あるいは、これらの温度制御部材を駆動す
るために電源等と電気接続するための配線やコネクタ等
を省略することができる。
【0085】
【発明の効果】この発明の光モジュールによれば、半導
体光制御素子と、この半導体光制御素子を実装するため
のキャリアと、この半導体光制御素子から出射された光
を光出力側に集光させるレンズと、このレンズを保持す
るためのレンズホルダと、光ファイバとを具え、レンズ
ホルダの熱膨張率をキャリアの熱膨張率よりも大きくし
てあり、かつ、室温にてレンズホルダの高さをキャリア
の高さよりも低くするか(第1の実施形態)、あるい
は、レンズホルダの熱膨張率をキャリアの熱膨張率より
も小さくしてあり、かつ、室温にてレンズホルダの高さ
を、キャリアの高さよりも高くする(第2の実施形態)
ことにより、周囲の温度変化によらず一定量の光量が得
られるようになった。すなわち、簡易な方法で、光モジ
ュール自身に温度補償機能を付加することができるよう
になった。
【0086】よって、従来の光モジュールにおいて、必
須構成部品であった電子冷却素子や温度検出手段(温度
検出素子)等、あるいは、これらの素子を駆動させるた
めの外部電源とを接続する配線等が不要となり、光モジ
ュールを小型化することが可能となった。
【0087】また、高価な電子冷却素子や温度検出手段
を省くことができ、そのため、安価な光モジュールを提
供することも可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態の光モジュールを説
明するための、垂直方向の切り口を示す図である。
【図2】この発明の第1の実施形態に使用される半導体
レーザ素子における周囲温度と光出力相対値との関係を
示す図である。
【図3】この発明の第1の実施形態におけるレンズの位
置ずれと光ファイバ出力相対値との関係を示す図であ
る。
【図4】この発明の第1の実施形態における周囲温度と
光ファイバ出力相対値との関係を示す図である。
【図5】この発明の第2の実施形態の光モジュールを説
明するための、垂直方向の切り口を示す図である。
【図6】従来の光モジュールを説明するための、垂直方
向の切り口を示す図である。
【符号の説明】
100、200:光モジュール 102、226:半導体光制御素子(半導体レーザ素
子、光変調素子) 104:レンズ(第1のレンズ) 106、228:キャリア 108:レンズホルダ 110、230:パッケージ 110a:パッケージの蓋 110b、230b:パッケージ本体 110c、230c:パッケージの底部 112:光ファイバ 114:フェルール 116:光ファイバの端面 118:第2のレンズ 120:スリーブ 121:穴 122:サファイア窓 124、250:光軸 232:入力用光ファイバ 234:出力用光ファイバ 236:第1のレンズ 238:第2のレンズ 240:第1のレンズホルダ 242:第2のレンズホルダ

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パッケージ内に、少なくとも、半導体光
    制御素子と、この半導体光制御素子を実装するためのキ
    ャリアと、この半導体光制御素子から出射された光を光
    出力側に集光させるレンズと、このレンズを保持するた
    めのレンズホルダと、光ファイバとを具える光モジュー
    ルにおいて、 前記レンズホルダおよび前記キャリアは、それぞれの下
    部で以て、前記パッケージの底部に、それぞれ固定して
    あり、 前記レンズホルダの熱膨張率を、前記キャリアの熱膨張
    率よりも大きくするとともに、室温における、前記レン
    ズホルダの高さを、前記キャリアの高さよりも低くして
    あることを特徴とする光モジュール。
  2. 【請求項2】 パッケージ内に、少なくとも、半導体光
    制御素子と、この半導体光制御素子を実装するためのキ
    ャリアと、この半導体光制御素子から出射された光を光
    出力側に集光させるレンズと、このレンズを保持するた
    めのレンズホルダと、光ファイバとを具える光モジュー
    ルにおいて、 前記レンズホルダおよび前記キャリアは、それぞれの下
    部で以て、前記パッケージの底部に、それぞれ固定して
    あり、 前記レンズホルダの熱膨張率を、前記キャリアの熱膨張
    率よりも小さくするとともに、室温における、前記レン
    ズホルダの高さを、前記キャリアの高さよりも高くして
    あることを特徴とする光モジュール。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の光モジュール
    において、 前記半導体光制御素子の、光出力相対値に対する温度依
    存性の関係を示すグラフにおける、その関係を示す直線
    の傾きa1の値と、下式(1)で表されるTの値とを、
    実質的に等しくしてあることを特徴とする光モジュー
    ル。 T=L・a2 (1) L=|(kc −kh )・ΔT・s| (2) kc :キャリアの熱膨張率(1/ ℃) kh :レンズの熱膨張率(1/ ℃) s :室温における、レンズの垂直方向の位置(μm) a2:光出力相対値に対する、レンズと半導体光制御素
    子の垂直方向のずれの関係を示すグラフにおける、その
    関係を示す曲線の傾き
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の光モジュールにおい
    て、 前記式(1)および式(2)における、|(kc −k
    h )|で示される差の絶対値が、1x10-6〜30x1
    -6であることを特徴とする光モジュール。
  5. 【請求項5】 請求項3または4に記載の光モジュール
    において、前記sの値が、0.5〜5.0mmであるこ
    とを特徴とする光モジュール。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項に記載の光
    モジュールにおいて、前記キャリアが、Cu−Wを材料
    として作製されていることを特徴とする光モジュール。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1項に記載の光
    モジュールにおいて、前記レンズホルダが、SUS30
    4を材料として作製されていることを特徴とする光モジ
    ュール。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれか1項に記載の光
    モジュールにおいて、該光モジュールを、室温にて、前
    記半導体光制御素子と、前記レンズとの光軸を、予めず
    らして組み立ててあることを特徴とする光モジュール。
  9. 【請求項9】 請求項1〜7のいずれか1項に記載の光
    モジュールにおいて、該光モジュールを、50〜80℃
    の温度にて、前記半導体光制御素子と、前記レンズとの
    光軸を、実質的に一致させて組み立ててあることを特徴
    とする光モジュール。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006108694A (ja) * 1999-01-26 2006-04-20 Presstek Inc レーザイメージング装置及びレーザダイオードパッケージ
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CN115616716A (zh) * 2022-09-08 2023-01-17 成都光创联科技有限公司 光器件、光模块及光功率调节方法

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