JPH10288577A - 触覚センサ - Google Patents

触覚センサ

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JPH10288577A
JPH10288577A JP9707997A JP9707997A JPH10288577A JP H10288577 A JPH10288577 A JP H10288577A JP 9707997 A JP9707997 A JP 9707997A JP 9707997 A JP9707997 A JP 9707997A JP H10288577 A JPH10288577 A JP H10288577A
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contact pressure
piezoelectric vibrator
storage unit
measured
signal
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JP9707997A
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Inventor
Mineyuki Maezawa
峰雪 前沢
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Olympus Corp
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Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
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  • Investigating Strength Of Materials By Application Of Mechanical Stress (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、上記問題点を解決するためになさ
れたものであり、より簡単な方法で、精度の高い硬度検
出を実現する触覚センサを提供することにある。 【解決手段】 圧電振動子を自励発振させる発振回路4
と、前記圧電振動子を移動させ被測定物に接触させるサ
ーボモータ9と、前記被測定物と前記圧電振動子との接
触圧力を検出する圧力センサ6と、前記圧電振動子から
の出力信号を検出する周波数カウンタ10やデジタルボ
ルトメータ17と、前記接触圧力の変化に対する前記圧
電振動子からの出力信号の変化率を計測する情報処理部
13とを設け、被測定物への接触圧力の変化に応じた圧
電振動子からの出力信号の変化率を算出し、この出力信
号の変化率に基づいて被測定物の硬度を検出することに
より、接触圧力の大きさに影響されない硬さ検出が可能
となり、検出精度を向上させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粘弾性対象物(被
測定物)の硬さを検出する触覚センサシステムに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来の触覚センサシステムは、所定の周
波数で振動する圧電振動子を被測定物に接触させて、圧
電振動子の発振周波数の変化を測定し、この周波数の変
化から被測定物の硬さを検出している。
【0003】ところが、圧電振動子を被測定物に接触さ
せたときの発振周波数の変化量は、被測定物の硬さによ
って変化するだけではなく、被測定物に接触させるとき
の速度や接触圧によっても変化してしまう。
【0004】上記問題点を考慮して、検出精度を向上さ
せるために、例えば、特開平5−52731号公報に開
示されている硬さセンサでは、圧電振動子が被測定物体
に接触したときの発振周波数の変化量,発振周波数の時
間変化率および被測定物体のへこみ量を基に、ファジィ
推論を行なって被測定物の硬さを検出することで、接触
速度および接触圧の影響を抑えている。
【0005】また、特開平5−340859号公報に開
示されている定圧式光度検出器では、検出精度を向上さ
せるために、振動子を一定速度,一定圧力で被測定物に
接触させて発振周波数の変化量を検知し、被測定物の硬
さを検出している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の硬さセ
ンサ(特開平5−52731号公報)においては、圧電
振動子が被測定物に接触する際の接触速度および接触圧
の影響を抑えるために、ファジィ推論のような複雑な計
算を行なわなければならず、このために装置が大型化し
たり、高価になってしまう。
【0007】また、定圧式硬度検出器(特開平5−34
0859号公報)においては、一定速度,一定圧力で圧
電振動子を接触させて周波数の変化を測定しているもの
の、圧電振動子が被測定物体に接触したときの発振周波
数の変化量は、接触圧が一定であっても被測定物によっ
て異なってしまう場合もあり、検出精度が低くなってし
まう。
【0008】さらに、従来の周波数の変化量を用いる測
定方法では、被測定物が硬い場合には、周波数変化量が
非常に微少であるため、、被測定物の硬度をあらわす成
分が、測定誤差などのノイズ成分に埋もれてしまい検出
精度が低くなってしまう。
【0009】本発明は、上記問題点を解決するためにな
されたものであり、より簡単な方法で、精度の高い硬度
検出を実現する触覚センサを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段及び作用効果】上記課題を
解決するために、本発明は、圧電振動子を自励発振させ
る駆動回路と、前記圧電振動子を移動させ被測定物に接
触させる駆動機構と、前記被測定物と前記圧電振動子と
の接触圧力を検出する圧力検出手段と、前記圧電振動子
からの出力信号を検出する手段と、前記接触圧力の変化
に対する前記圧電振動子からの出力信号の変化率を計測
する演算手段を有するようにしたものである。 (対応する発明の実施の形態)この発明に関する実施の
形態は、第1〜第5の実施の形態が対応する。クレーム
中の構成、駆動機構は、実施の形態ではサーボモータ9
であるが、DCモータやリニアモータ等も含む。圧力検
出手段は、実施の形態では圧力センサであるが、歪みゲ
ージやロードセルなども含む。また、出力信号を検出す
る手段は、実施の形態では周波数カウンタ10やデジタ
ルボルトメータ17であるが、周波数-電圧変換回路や
オシロスコープ等も含む。出力信号の変化率を計測する
手段は、実施の形態では情報処理部13が該当する。 (作用)駆動機構によって、自励発振している圧電振動
子に変位を与えて、前記圧電振動子を被測定物に接触さ
せ、圧力検出手段により当該振動子と前記被測定物との
接触圧と、出力信号を検出する手段により前記圧電振動
子からの出力信号とを検知し、前記接触圧力の変化に対
する前記圧電振動子からの出力信号の変化率を算出する
ことで、被測定物の硬さを検出する。 (効果)被測定物への接触圧力の変化に応じた圧電振動
子からの出力信号の変化率を算出し、この出力信号の変
化率に基づいて被測定物の硬度を検出するので、接触圧
力の大きさに影響されない硬さ検出が可能となり、検出
精度を向上させることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)以下、本発明に係る第1の実施の
形態について説明する。
【0012】第1の実施の形態に係る触覚センサのシス
テム構成を図1に示す。この触覚センサシステムは、触
覚センサプローブ15,DC電源11,触覚センサプロ
ーブ15の発振周波数を測定して情報処理部13に信号
Bを出力する周波数カウンタ10,触覚センサプローブ
15からの圧力を示す信号Aおよび圧力を示す信号Bを
処理して信号C,Dを出力する信号処理部13,情報処
理部13からの信号Cを受信して触覚センサプローブ1
5での変位機構を制御する変位信号制御部12,および
信号処理部13からの信号Dを受信して判定結果を表示
する硬軟表示部14とから構成されている。なお、上記
触覚センサのシステム全体は、図示しない制御部により
制御されている。
【0013】触覚センサプローブ15は、図1に示すよ
うに、圧電振動子1,圧電振動子1を回路構成要素とす
る自励発振回路4,圧電振動子1を固定部材5に固定す
るマウント部材2,圧電振動子1を固定部材5などを介
して変位させるための変位機構8,変位機構8に変位を
与えるサーボモータ9,被測定物とサーボモータ9間の
静的接触圧を測定して情報処理部13に信号Aを出力す
る圧力センサ6,圧力センサ支持部材7,およびこれら
部材を格納し、被測定物に接触するプローブ端面31を
有する外筒3からなる。
【0014】上記構成において、測定開始時に圧電振動
子1が被測定物に接触していない状態とするため、変位
機構8により圧電振動子1は常にプローブ端面31より
も外筒3の内側に収納された状態となっている。
【0015】図2に、情報処理部13の構成を示す。情
報処理部13は、圧力センサ6からの信号Aを入力する
第1のF格納部18,周波数カウンタ10からの信号B
を入力する第1のf格納部19と,第1のF格納部18
に接続された第2のF格納部20,第1のf格納部19
に接続された第2のf格納部21,第1のF格納部18
と第1のf格納部19と第2のF格納部20と第2のf
格納部21とにそれぞれ接続され、各格納部からの出力
から、触覚センサプローブ15の被測定物への接触圧F
に対する圧電振動子1の発振周波数fの傾きαを算出す
るα演算部22,α演算部22に接続されたα’格納部
24,α演算部22とα’格納部24に接続され、両格
納部の値の大小を比較する比較演算部23,比較演算部
23に接続され、比較結果に基づいてαの最大値をメモ
リするαmax格納部25,およびαmax格納部25に後続
した硬軟判別関数部26とから構成される。
【0016】続いて、図1〜図5を参照して上記構成に
おける作用を説明する。図3は、第1の実施の形態に係
る触覚センサのシステムにおける作用を説明するための
フロー図、図4は、触覚センサプローブ15が被測定物
16に接触している状態を示す図、図5は、αmax格納
部25に格納されている、接触圧に対する周波数の傾き
の最大値αmaxと、圧電振動子1の変位速度Vから、被
測定物の硬軟を算出・判別するテーブルを示す図であ
る。図5に示すテーブルは、複数の硬さの粘弾性対象物
について、速度Vで圧電振動子1を変位させたときの、
αmaxと硬さの関係を予め測定して得たデータから作成
するものである。
【0017】被測定物の測定が開始されると、まず、情
報処理部13におけるα’格納部24にα=0がα’と
して入力される(S1)。このとき、圧電振動子1は被
測定物に対して非接触の状態であり、このような無負荷
(接触圧F0=0)の状態において、DC電源11から
発振回路4に電圧が印加されると、圧電振動子1は発振
周波数f0の振動を発生する。
【0018】そして、発振周波数f0と接触圧F0が、各
々発振回路4に後続された周波数カウンタ10と圧力セ
ンサ6によって測定される(S2,S3)。これら測定
信号がデジタル信号に変換された後、情報処理部13
に、信号Aおよび信号Bとして出力され、第2のF格納
部20と第2のf格納部21に一時的にメモリされる。
【0019】情報処理部13からの信号Cにより、変位
信号制御部12からサーボモータ9に信号を与えると、
圧電振動子1が、予め設定された速度Vで一定の距離L
だけ変位する(S4)。触覚センサプローブ15が、生
体やゴムなどのような被測定物16に接触している状態
を図4に示すが、変位信号制御部12からサーボモータ
9に信号を与えると、初期状態で被測定物16に接触し
ていなかった圧電振動子1は、サーボモータの変位によ
って、被測定物16に接触し始める。この接触し始めた
状態で、接触圧Fと発振周波数fが、圧力センサ6と周
波数カウンタ10により測定され、アナログ信号からデ
ジタル信号に変換される(S5,S6)。
【0020】デジタル化された信号は、圧力センサ6か
らは信号Aとして、周波数カウンタ10からは信号Bと
して情報処理部13に入力される。圧電振動子1の発振
周波数fと接触圧Fは、被測定物16の硬さや接触状態
に応じて変化する。情報処理部13のα演算部22で
は、測定値F(信号A)、測定値f(信号B)と、既に
第2のF格納部20および第2のf格納部21にメモリ
されているF0, f0とから、(1)式によって接触圧に
対する周波数の傾きαが算出される(S7)。 α=(f−f0)/(F-F0) (1) (1)式により、αの値を算出した後、αとα’の大小
関係が比較演算部23で比較される(S8)。
【0021】大小関係がα>α’の場合、αはα’とし
てα’格納部24に格納される(S9)。続いて、Fが
F0として第2のF格納部に、fがf0として第2のf格
納部に格納される(S10,S11)。そして、S4に
戻り、α’格納部24から再びサーボモータを駆動する
ための信号Cが変位信号制御部12へ出力される。変位
信号制御部12は信号Cに基づき、一定速度Vでサーボ
モータ9を駆動し一定の距離Lだけ圧電振動子1を変位
させる。
【0022】ここで、第2のF格納部20と第2のf格
納部21は、新たに接触圧Fと発振周波数fが測定され
て、信号Aと信号Bが第1のF格納部18と第1のf格
納部19に入力されるまで、接触圧FをF0として、発
振周波数fをf0として一時的に各々格納しておくもの
である。またα’格納部24は、新たに接触圧Fと発振
周波数fが測定されαが再び計算されるまでαをα’と
してメモリしておくものである。このようにして、大小
関係がα>α’である間は、信号Cにより変位信号制御
部12がサーボモータ9を一定の時間間隔で変位させ
て、被測定物16に対する圧電振動子1の接触圧を変化
させながら、次々にαを計算する。つまり、S4〜S1
1を繰り返し実行する。
【0023】一方、S8において、大小関係がα<α’
の場合、α’はαの最大値(αmax)としてαmax格納部
25に格納される(S12)。硬軟判別関数部26は、
αmax格納部25に後続しており、αmaxとサーボモータ
9の変位速度Vを入力信号として、図5のような硬軟判
別のテーブルによって、被測定物16の硬軟を算出・判
別する(S13)。そして、その結果を硬軟表示部14
に出力し、結果を表示する(S14)。硬軟表示部14
は、人が被測定物16の硬さの比較・理解ができるよう
に、グラフや音、光などで表示するものである。
【0024】また、S13,S14と平行して、変位信
号制御部12には、プローブ端面31が外筒3内部に位
置する初期状態にサーボモータ9が戻るように、信号C
がα’格納部24から与えられる(S15)。その信号
に基づいた変位信号制御部12からの駆動信号によっ
て、サーボモータ9が初期位置に戻れば(S16)、測
定終了となる。
【0025】ここで、図6〜図11を参照して、接触圧
に対する発振周波数の傾きαを用いて、被測定物の硬軟
が判別できる原理を説明する。図6は、圧電振動子1を
被測定物16に押し込んだ場合の時間tに対して、被測
定物が押し込まれる距離L,接触圧Fおよび圧電振動子
1の発振周波数fの変化を示す図、図7は、硬さの異な
る粘弾性材料spl-1, spl-2, spl-3, spl-4につい
て、一定速度Vで圧電振動子1を移動させた時の接触圧
Fと発振周波数fとの関係を示す図、図8は、図7の微
少な接触圧範囲Aの部分を拡大して示す図、図9は、接
触圧に対する発振周波数の変化特性を説明するための
図、図10は、動的粘弾性測定(測定条件:周波数1ra
d/sec,室温)によって得られた各粘弾性材料の粘弾性
率の実数部E’とαmaxの関係を示す図、図11は、圧
電振動子1の移動速度Vを変化させたときの接触圧Fと
発振周波数fとの関係を示す図である。
【0026】図6の被検体の変位Lに示すように、圧電
振動子1は、サーボモータ9の駆動により、t0から変
位を始め、t1で被測定物16に接触してから徐々に被
測定物16に押し込まれて所定の位置まで変位し、その
後、初期位置に戻るべく逆方向に変位してt2において
被測定物16から離れる。圧力センサ6は、t1〜t2間
で圧電振動子1と被測定物16の間の接触圧Fを測定す
る。また、同時に、周波数カウンタ10が発振周波数f
を検出する。なお、図6では、t1時の発振周波数fを基
準とした発振周波数の変化量を図示している。
【0027】硬さの異なる粘弾性材料spl-1,spl-2,sp
l-3,spl-4について、上述のように、圧電振動子1を変
位させながら測定した接触圧Fおよび発振周波数fの関
係を図7に示す。なお、この測定は、圧電振動子1の無
負荷での発振周波数f0=18.55(MHz)、サーボ
モータ9の移動速度V=0.5(mm/min)で行っ
た。また、各粘弾性材料は、spl-1<spl-2<spl-3<spl
-4の順で硬くなっている。図8は、図7の微小な接触圧
範囲Aの部分を拡大したものである。
【0028】図7,図8に示すように、柔らかい材料ほ
ど非常に微小な接触圧Fで発振周波数fが大きく変化
し、その急峻な変化後は、接触圧Fに依らず発振周波数
fはほぼ一定となっている。一方、硬い材料になると、
比較的小さな接触圧範囲では発振周波数fは殆ど変化せ
ず、ある程度接触圧Fが大きくなってから接触圧Fに対
して大きく変化し、その後ほぼ一定の周波数となる。ま
た、spl-4よりも硬い材料の場合は、接触圧Fに対して
発振周波数fが大きく変化するときの接触圧の範囲が、
spl-4よりもさらに高い接触圧となった。
【0029】また、図7,図8は、接触圧に対して発振
周波数がほぼ一定になった後の発振周波数fの値は、被
測定物の硬さに直接関係していないこと,微小な接触圧
範囲で測定を行ったとしても硬い被測定物では周波数変
化が殆どないため、その検出値が測定誤差などのような
ノイズ成分と区別できないことを示している。すなわ
ち、接触圧Fに対する発振周波数fの変化のしかたは被
測定物16の硬さによって異なるため、一定の接触圧条
件下で周波数変化量△fを測定しても、接触圧Fの影響
によって正確な硬軟判別が行えない場合があることが解
る。
【0030】図9を参照して、接触圧Fに対する発振周
波数fの変化特性を説明する。接触圧Fに対する発振周
波数fの傾きをαとすると、接触圧Fが変化するとαも
変化し、発振周波数fが急峻に変化するときに、αは最
大値αmaxとなる。図7,図8から、αmaxの値は、αma
xの値は被測定物が硬いほど小さくなることがわかる。
【0031】図10に、硬さの異なる粘弾性材料の動的
粘弾性測定(測定条件:周波数1rad/sEc、室温)によ
って得られた粘弾性率の実数部E’とαmaxの関係を示
す。このように、αmaxは、被測定物が硬いほど小さく
なることが実験的に確かめられた。そして、αmaxは、
動的粘弾性率の実数部E’と対数関係にあり、被測定物
の硬さを反映することが判明した。
【0032】図11に、同一の被測定物(粘弾性材料sp
l-4)に対して測定時の圧電振動子1の移動速度Vを変
化させた場合の測定結果を示す。同じ粘弾性材料spl-4
を測定する場合でも、圧電振動子1の移動速度Vが変化
すると、αmaxが変化してしまうので、同じ被測定物で
も異なる硬さとして検出されてしまう。従って、図11
により、測定時の圧電振動子の移動速度Vは一定にする
必要があることが判る。
【0033】上述したように、本実施の形態に係る触覚
センサを用いれば、情報処理部13にて算出される接触
圧Fに対する発振周波数fの傾きαの最大値、すなわち
αmaxと、測定時の振動子1の変位速度Vとから、予め
測定されたデータによって作成されたテーブルに基づい
て、被測定物16の硬さを検出することができる。ま
た、このような触覚センサによれば、接触圧Fの影響を
受けずに測定することができるので、従来の硬度センサ
に比較してその検出精度を向上させることができる。
【0034】なお、本実施の形態の各構成は、当然、各
種の変形、変更が可能である。例えば、サーボモータ9
はDCモータやリニアモータとすることができ、周波数
カウンタ10は、周波数-電圧変換回路とすることがで
きる。圧力センサ6は歪みゲージとすることができ、硬
軟判別関数部26はテーブルの代わりに予め測定したデ
ータから作成された近似式であってもよい。また、発振
回路4を触覚センサプローブ15の外部に設置すること
も可能である。 (第2の実施の形態)以下、本発明に係る第2の実施の
形態について説明する。
【0035】第2の実施の形態に係る触覚センサのシス
テム構成を図12に示す。本実施の形態に係る触覚セン
サは、第1の実施の形態に係る触覚センサにおける信号
B(発振周波数)を出力する周波数カウンタ10に代え
て、信号B’(振幅)を出力するデジタルボルトメータ
17を用いている点が、第1の実施の形態に係る触覚セ
ンサとの大きな構成上の差異である。したがって、第1
の実施の形態と重複する構成については、同じ名称およ
び番号を用い、説明を省略する。
【0036】図12の情報処理部13の構成を図13に
示す。情報処理部13は、圧力センサ6からの信号Aを
入力する第1のF格納部18,デジタルボルトメータ1
7からの信号B’を入力する第1のAmp格納部27
と,第1のF格納部18に接続された第2のF格納部2
0,第1のAmp格納部27に接続された第2のAmp
格納部28,第1のF格納部18と第1のAmp格納部
27と第2のF格納部20と第2のAmp格納部28と
にそれぞれ接続され、各格納部からの出力から、触覚セ
ンサプローブ15の被測定物への接触圧Fに対する圧電
振動子1の振幅Ampの傾きαを算出するα演算部2
2,α演算部22に接続されたα’格納部24,α演算
部22とα’格納部24に接続され、両格納部の値の大
小を比較する比較演算部23,比較演算部23に接続さ
れ、比較結果に基づいてαの最大値をメモリするαmax
格納部25,およびαmax格納部25に後続した硬軟判
別関数部26とから構成される。
【0037】ここで、第2のF格納部20と第2のAm
p格納部28は、新たに接触圧Fと振幅Ampが測定さ
れて、信号Aと信号B’が第1のF格納部18と第1の
Amp格納部27に入力されるまで、接触圧FをF0と
して、振幅AmpをAmp0として一時的に各々格納し
ておくものである。またα’格納部24は、新たに接触
圧Fと振幅Ampが測定されαが再び計算されるまでα
をα’としてメモリしておくものである。
【0038】続いて、図5および図12〜図14を参照
して上記構成における作用を説明する。図14は、第2
の実施の形態に係る触覚センサの作用を説明するための
フロー図である。また、図5は、第1の実施の形態で
は、接触圧に対する周波数の傾きの最大値αmaxと、圧
電振動子1の変位速度Vから、被測定物の硬軟を算出・
判別するテーブルとしたが、第2の実施の形態では、接
触圧に対する振幅の傾きの最大値αmaxと、圧電振動子
1の変位速度Vから、被測定物の硬軟を算出・判別する
テーブルとし、第1の実施の形態と同様に、実験データ
に基づいて作成するものである。
【0039】被測定物の測定が開始されると、まず、情
報処理部13におけるα’格納部24にα=0がα’と
して入力される(S21)。このとき、圧電振動子1は
被測定物に対して非接触の状態であり、このような無負
荷(接触圧F0=0)の状態において、DC電源11か
ら発振回路4に電圧が印加されると、圧電振動子1は振
幅Amp0の振動を発生する。
【0040】そして、振幅Amp0と接触圧F0が、各々
発振回路4に後続されたデジタルボルトメータ17と圧
力センサ6によって測定される(S22,S23)。こ
れら測定信号がデジタル信号に変換された後、情報処理
部13に、信号Aおよび信号B’として出力され、第2
のF格納部20と第2のAmp格納部28に一時的にメ
モリされる。
【0041】情報処理部13からの信号Cにより、変位
信号制御部12からサーボモータ9に信号を与えると、
圧電振動子1が、予め設定された速度Vで一定の距離L
だけ変位する(S24)。その後、サーボモータ9を一
旦停止させ、その状態で接触圧Fと振幅Ampが、圧力
センサ6と周デジタルボルトメータ17により測定さ
れ、アナログ信号からデジタル信号に変換される(S2
5,S26)。
【0042】デジタル化された信号は、圧力センサ6か
らは信号Aとして、デジタルボルトメータ17からは信
号B’として情報処理部13に入力される。圧電振動子
1の振幅Ampと接触圧Fは、被測定物16の硬さや接
触状態に応じて変化する。情報処理部13のα演算部2
2では、測定値F(信号A)、測定値Amp(信号B)
と、既に第2のF格納部20および第2のAmp格納部
21にメモリされているF0, Amp0とから、(2)式
によって接触圧に対する振幅の傾きαが算出される(S
27)。 α=(Amp−Amp0)/(F-F0) (2) (2)式により、αの値を算出した後、αとα’の大小
関係が比較演算部23で比較される(S28)。
【0043】大小関係がα>α’の場合、αはα’とし
てα’格納部24に格納される(S29)。続いて、F
がF0として第2のF格納部20に、AmpがAmp0と
して第2のAmp格納部28に格納される(S30,S
31)。そして、S24に戻り、α’格納部24から再
びサーボモータを駆動するための信号Cが変位信号制御
部12へ出力される。変位信号制御部12は信号Cに基
づき、一定速度Vでサーボモータ9を駆動し一定の距離
Lだけ圧電振動子1を変位させる。
【0044】ここで、このようにして、大小関係がα>
α’である間は、信号Cにより変位信号制御部12がサ
ーボモータ9を一定の時間間隔で変位させて、被測定物
16に対する圧電振動子1の接触圧を変化させながら、
次々にαを計算する。つまり、S24〜S31を繰り返
し実行する。
【0045】一方、S28において、大小関係がα<
α’の場合、α’はαの最大値(αmax)としてαmax格
納部25に格納される(S32)。硬軟判別関数部26
は、αmax格納部25に後続しており、αmaxとサーボモ
ータ9の変位速度Vを入力信号として、図5のような硬
軟判別のテーブルによって、被測定物16の硬軟を算出
・判別する(S33)。そして、その結果を硬軟表示部
14に出力し、結果を表示する(S34)。硬軟表示部
14は、人が被測定物16の硬さの比較・理解ができる
ように、グラフや音、光などで表示するものである。
【0046】また、S33,S34と平行して、変位信
号制御部12には、プローブ端面31が外筒3内部に位
置する初期状態にサーボモータ9が戻るように、信号C
がα’格納部24から与えられる(S35)。その信号
に基づいた変位信号制御部12からの駆動信号によっ
て、サーボモータ9が初期位置に戻れば(S36)、測
定終了となる。
【0047】次に、図15〜図17を参照して、接触圧
に対する振幅の傾きαを用いて、被測定物の硬軟が判別
できる原理を説明する。図15は、圧電振動子1を被測
定物16押し込んだ場合の時間tに対して、被測定物が
押し込まれる距離L,接触圧Fおよび圧電振動子1の振
幅Ampの変化を示す図、図16は、硬さの異なる粘弾
性材料spl-1, spl-2, spl-3, spl-4について、一定速度
Vで圧電振動子1を移動させた時の接触圧Fと振幅Am
pとの関係を示す図、図17は、動的粘弾性測定(測定
条件:周波数1rad/sec,室温)によって得られた各粘
弾性材料の粘弾性率の実数部E’とαmaxとの関係を示
す図である。
【0048】図15の被検体の変位Lに示すように、圧
電振動子1は、サーボモータ9の駆動により、t0から
変位を始め、t1で被測定物16に接触してから徐々に
被測定物16に押し込まれて所定の位置まで変位し、そ
の後、初期位置に戻るべく逆方向に変位してt2におい
て被測定物16から離れる。圧力センサ6は、t1〜t2
間で圧電振動子1と被測定物16の間の接触圧Fを測定
する。また、同時に、デジタルボルトメータ17が振幅
Ampを検出する。なお、図15では、t1時の振幅A
mpを基準とした振幅の変化量を図示している。
【0049】硬さの異なる粘弾性材料spl-1,spl-2,sp
l-3,spl-4について、上述のように、圧電振動子1を変
位させながら測定した接触圧Fおよび振幅Ampの関係
を図16に示す。なお、この測定は、圧電振動子1の無
負荷での振幅Amp0=700(mV)、サーボモータ
9の移動速度V=0.5(mm/min)で行った。ま
た、各粘弾性材料は、spl-1<spl-2<spl-3<spl-4の順
で硬くなっている。
【0050】図16に示すように、柔らかい材料ほど非
常に微小な接触圧Fで振幅Ampが大きく変化し、その
急峻な変化後は、接触圧Fに依らず振幅Ampはほぼ一
定となっている。一方、硬い材料になると、比較的小さ
な接触圧範囲で発振周波数f振幅Ampは殆ど変化せ
ず、ある程度接触圧Fが大きくなってから接触圧Fに対
して大きく変化し、その後ほぼ一定の振幅値となる。ま
た、spl-4よりも硬い材料の場合は、接触圧Fに対して
振幅Ampが大きく変化するときの接触圧の範囲が、sp
l-4よりもさらに高い接触圧となった。
【0051】また、図16は、接触圧に対して振幅がほ
ぼ一定になった後の振幅Ampの値は、被測定物の硬さ
に直接関係していないこと,微小な接触圧範囲で測定を
行ったとしても硬い被測定物では周波数変化が殆どない
ため、その検出値が測定誤差などのようなノイズ成分と
区別できないことを示している。すなわち、接触圧Fに
対する振幅Ampの変化のしかたは被測定物16の硬さ
によって異なるため、一定の接触圧条件下で振幅△Am
pを測定しても、接触圧Fの影響によって正確な硬軟判
別が行えない場合があることが解る。
【0052】さらに、図16から、接触圧Fに対する振
幅Ampの傾きαは、振幅Ampが急峻に変化するとき
に最大値αmaxとなり、そのαmaxの値は被測定物が硬い
ほど小さくなることが分かる。
【0053】図17に、硬さの異なる粘弾性材料の動的
粘弾性測定(測定条件:周波数1rad/sec、室温)によ
って得られた粘弾性率の実数部E’とαmaxの関係を示
す。このように、αmaxは、被測定物が硬いほど小さく
なることが実験的に確かめられた。そして、αmaxは、
動的粘弾性率の実数部E’と対数関係にあり、被測定物
の硬さを反映することが判明した。
【0054】上述したように、本実施の形態に係る触覚
センサを用いれば、情報処理部13にて算出される接触
圧Fに対する振幅Ampの傾きαの最大値、すなわちα
maxと、測定時の振動子1の変位速度Vとから、予め測
定されたデータによって作成されたテーブルに基づい
て、被測定物16の硬さを検出することができる。ま
た、このような触覚センサによれば、接触圧Fの影響を
受けずに測定することができるので、従来の硬度センサ
に比較してその検出精度を向上させることができる。
【0055】ところで、振幅から得られるαmaxについ
ても、周波数から得られるαmaxと同様に、測定時の圧
電振動子1の移動速度Vが変化すると見かけ上異なる硬
さとして検出されてしまう。従って、測定時の圧電振動
子の移動速度Vは一定にする必要がある。
【0056】このように、本実施の形態に係る触覚セン
サを用いれば、情報処理部13にて算出される接触圧F
に対する振幅Ampの傾きαの最大値、すなわちαmax
と、測定時の振動子1の変位速度Vをもとに、図5に示
す予め測定されたデータによって作成されたテーブルか
ら、被測定物16の硬さを検出するようにしたので、被
測定物16の硬さを検出する場合に、接触圧Fの影響を
受けずに測定ができ、従来に比較してその検出精度を向
上させることができるなどの効果がある。
【0057】なお、本実施の形態の各構成は、当然、各
種の変形、変更が可能である。例えば、デジタルボルト
メータはオシロスコープであってもよい。 (第3の実施の形態)以下、本発明に係る第3の実施の
形態について説明する。
【0058】図18に、第3の実施の形態に係る触覚セ
ンサのシステム構成図を示す。第1および第2の実施の
形態と重複する部分については、同じ名称および番号を
用い、説明を省略する。
【0059】本実施の形態に係る触覚センサは、第1及
び第2の実施形態の触覚センサにおいて、周波数カウン
タ10とデジタルボルトメータ17を両方とも備えた構
成となっている。本実施の形態において、圧電振動子1
は、厚み縦振動モードのエネルギー閉じ込め型振動子で
ある。また、触覚センサプローブ15の発振回路4は、
圧電振動子1を回路要素の一部とするコルピッツ回路で
ある。
【0060】図19に、情報処理部13の構成を示すよ
うに、本実施の形態に係る情報処理部13は、圧力セン
サ6からの信号Aを入力する第1のF格納部18,周波
数カウンタ10に接続され信号Bを入力する第1のf格
納部19,デジタルボルトメータ17からの信号B’を
入力する第1のAmp格納部27,第1のF格納部18
に接続された第2のF格納部20,第1のf格納部19
に接続された第2のf格納部21,第1のAmp格納部
27に接続された第2のAmp格納部28,第1のF格
納部18と第1のf格納部19と第2のF格納部20お
よび第2のf格納部21とに接続され各格納部からの出
力によって接触圧に対する発振周波数の傾きαfを算出
するαf演算部33と、第1のF格納部18と第1のA
mp格納部27と第2のF格納部20および第2のAm
p格納部28とに接続され各格納部からの出力によって
接触圧に対する振幅の傾きαAを算出するαA演算部3
4,αf演算部33に接続されたα’f格納部37,αf
演算部33とα’f格納部37に接続されたαf比較演算
部35,αf比較演算部35に接続されαfの最大値をメ
モリするαmaxf格納部39,αA演算部32に接続され
たα’A格納部36,αA演算部32とα’A格納部36
に接続されたαA比較演算部34,αA比較演算部34に
接続されαAの最大値をメモリするαmaxA格納部38お
よびαmaxf格納部39とαmaxA格納部38に後続した硬
軟判別関数部26とから構成される。
【0061】ここで、第2のF格納部20,第2のf格
納部21および第2のAmp格納部27は、新たに接触
圧F,発振周波数fおよび振幅Ampが測定されて、信
号A,信号Bおよび信号B’が第1のF格納部18,第
1のf格納部19および第1のAmp格納部27に入力
されるまで、接触圧FをF0、発振周波数fをf0、振幅
AmpをAmp0として一時的に各々メモリしておくも
のである。
【0062】またα’f格納部36は、新たに接触圧F
と発振周波数fが測定され、αfが再び計算されるまで
αfをα’fとしてメモリしておくものである。α’A格
納部36も同様に、新たに接触圧Fと振幅Ampが測定
されαAが再び計算されるまでαAをα’Aとしてメモリ
しておくものである。
【0063】図20に、本実施の形態に係る圧電振動子
1である厚み縦振動モードのエネルギー閉じ込め型振動
子の共振周波数における電気的等価回路を示す。圧電振
動子1の無負荷(接触圧F=0)の場合は、機械端子に
(a)を接続させた回路となる。一方、粘弾性体を圧電
振動子1に付着させた場合、圧電振動子1の共振周波数
frと共振抵抗Zrが変化するため、その等価回路は
(b)を接続させた回路となる。このように粘弾性体を
付着させると、機械端子側が変化する、すなわち、共振
抵抗Zrの変化は粘弾性体のRvに、共振周波数frの変
化はLvに対応するので、電気端子からみたインピーダ
ンスを測定することにより粘弾性体の粘弾性特性を検出
することが可能となる。また、本実施の形態における発
振回路4には、コルピッツ回路が採用されており、圧電
振動子1は発振回路4の回路要素の一部であるので、発
振周波数の変化は圧電振動子1の共振周波数frの変化
に対応し、振幅の変化は圧電振動子1の共振抵抗Zrの
変化に対応する。
【0064】続いて、図18〜図22を参照して、上記
構成における作用を説明する。図21は、第3の実施の
形態に係る触覚センサの作用を説明するためのフロー
図、図22は、接触圧に対する発振周波数の傾きの最大
値αmaxf,接触圧に対する振幅の最大値αmaxAおよび圧
電振動子1の変位速度Vから、被測定物の硬軟を算出・
判別するためのテーブルを示す図である。図22に示す
テーブルは、複数の硬さの粘弾性対象物について、速度
Vで圧電振動子1を変位させたときの、αmaxfおよびα
maxAと硬さの関係を予め測定して得たデータから作成す
るものである。
【0065】被測定物の測定が開始されると、まず、情
報処理部13において、αA=0およびαf=0がα’A
およびα’fとして、α’A格納部36およびα’f格納
部37に入力される(S41,S42)。このとき、圧
電振動子1は被測定物16に対して非接触の状態であ
り、このような無負荷(接触圧F0=0)の状態におい
てDC電源11から発振回路4に電圧が印加されると、
圧電振動子1は発振周波数f0、振幅Amp0の振動を発
生する。
【0066】そして、発振周波数f0,振幅Amp0およ
び圧力F0が、各々発振回路4に後続した周波数カウン
タ10,デジタルボルトメータ17および圧力センサ6
によって測定される(S43,S44,S45)。これ
ら測定信号がデジタル信号に変換された後、情報処理部
13に信号A,信号Bおよび信号B’として出力され、
第2のAmp格納部28、第2のf格納部21と第2の
F格納部20に一時的にメモリされる。
【0067】触覚センサプローブ15のプローブ端面3
1を被測定物16に接触させた状態で、情報処理部13
からの信号C,C’により、変位信号12からサーボモ
ータ9に信号を与えると、圧電振動子1が、予め設定さ
れた速度Vで一定の距離Lだけ変位する(S46)。そ
の後、再び変位信号制御部12から信号を与えてサーボ
モータ9を一旦停止させ、その状態で接触圧F,発振周
波数fおよび振幅Ampが、圧力センサ6,周波数カウ
ンタ10およびデジタルボルトメータ17により測定さ
れ、アナログ信号からデジタル信号に変換される(S4
7,S48,S49)。
【0068】デジタル化された信号は、圧力センサ6か
らは信号Aとして、周波数カウンタ10からは信号Bと
して、デジタルボルトメータ17からは信号B’として
情報処理部13に入力される。圧電振動子1の発振周波
数f,振幅Ampおよび接触圧Fは、被測定物16の硬
さや接触状態に応じて変化する。
【0069】情報処理部13のαA演算部32では、測
定値F(信号A)および測定値Amp(信号B’)と、
既に第2のF格納部20と第2のAmp格納部28にメ
モリされているF0, Amp0とから、(2)式によって
接触圧に対する振幅の傾きαAが算出される(S5
0)。
【0070】また、情報処理部13のαf演算部33で
は、測定値F(信号A)および測定値f(信号B)と、
既に第2のF格納部20と第2のf格納部21にメモリ
されているF0, f0とから、(1)式によって接触圧に
対する周波数の傾きαfが算出される(S51)。
【0071】これらαfとαAの値を算出した後、このα
fとα’fの大小関係、およびαAとα’Aの大小関係が、
αf比較演算部35およびαA比較演算部34で比較され
る(S52,S53)。
【0072】Αf比較演算部35において、大小関係が
αf>α’fの場合、αfはα’fとしてα’f格納部37
にメモリされる(S54)。続いて、fはf0として第
2のf格納部21に、αf算出時に用いられたFがF0と
しては第2のF格納部20に格納される(S55,S5
8)。そして、S46に戻り、α’f格納部37から再
びサーボモータを駆動するための信号Cが変位信号制御
部12へ出力される。
【0073】また、αA比較演算部34において、大小
関係がαA>α’Aの場合、αAはα’Aとしてα’A格納
部36にメモリされる(S56)。続いて、AmpはA
mp0として第2のAmp格納部28に、αA算出時に用
いられたFがF0としては第2のF格納部20に格納さ
れる(S57,S58)。そして、S46に戻り、α’
A格納部36から再びサーボモータを駆動するための信
号C’が変位信号制御部12へ出力される。
【0074】変位信号制御部12は、信号Cまたは信号
C’の少なくともいずれか一方の信号が入力されると、
その信号に基づき一定速度Vでサーボモータ9を駆動し
一定の距離Lだけ圧電振動子1を変位させる。このよう
にして、大小関係がαf>α’fである間は、被測定物1
6に対する圧電振動子1の接触圧を一定の時間間隔で変
化させながら次々にαfを計算する。同様にαA>αA’
である間は、被測定物16に対する圧電振動子1の接触
圧を一定の時間間隔で変化させながら次々にαAを計算
する。つまり、S46〜S58を繰り返す。
【0075】一方、αf比較演算部35において、大小
関係がαf<α’fの場合、α’fはα’fの最大値として
αmaxf格納部39にメモリされる(S59)。また、
αA比較演算部34においても、大小関係がαA<α’A
の場合、α’Aはα’Aの最大値としてαmaxA格納部3
8にメモリされる(S60)。
【0076】以上のようにして、αmaxfとαmaxAの両
方が得られると、αmaxf格納部39とαmaxA格納部3
8に後続した硬軟判別関数部26が、これらの値αmax
f,αmaxAおよびサーボモータ9の変位速度Vを入力
信号として、被測定物16の硬軟を図22に示すテーブ
ルに基づいて算出・判別する(S61)。
【0077】その結果は、硬軟表示部14に出力されて
表示される(S62)。硬軟表示部14は、人が被測定
物16の硬さの比較・理解ができるように、グラフや
音、光などで表示するものである。
【0078】硬軟表示部14に結果を出力する同時に、
変位信号制御部12には、サーボモータ9が初期の外筒
3内部に位置した初期状態に戻るように、信号Eが硬軟
判別関数部26から与えられる。そして、その信号Eに
基づいた変位信号制御部12からの駆動信号によってサ
ーボモータ9が初期位置に戻れば(S63,S64)、
測定終了となる。
【0079】第1および第2の実施の形態で既に説明し
たように、接触圧に対する発振周波数の傾きαfと、接
触圧に対する振幅の傾きαAから得られる、αfとαAの
最大値αmaxfとαmaxAは、動的粘弾性率の実数部E’
と対数関係にあり、被測定物の硬さを反映している。
【0080】このように、本実施の形態に係る触覚セン
サを用いれば、情報処理部13にて算出される接触圧F
に対する発振周波数fの傾きαfの最大値、すなわちαm
axf,接触圧Fに対する振幅Ampの傾きαAの最大
値、すなわちαmaxAおよび測定時の振動子1の変位速
度Vをもとに、予め測定されたデータによって作成され
たテーブルから被測定物16の硬さを検出することがで
きるので、被測定物16の硬さを検出する場合に、接触
圧Fの影響を受けないので、従来の硬度センサと比較し
てその検出精度を向上させることができる。
【0081】また、本実施の形態においては、圧電振動
子1として厚み縦振動モードのエネルギー閉じ込め型振
動子、発振回路4としてコルピッツ回路を用いており、
触覚センサプローブから得られる発振周波数変化と振幅
変化は各々異なる物理量を反映している。したがって、
接触圧に対する発振周波数の傾きαfと、接触圧に対す
る振幅の傾きαAの二つのパラメータを検出することに
よって、粘弾性体に関する異なる情報を得られるように
なる。 (第4の実施の形態)以下、本発明に係る第4の実施の
形態について説明する。
【0082】第1〜第3の実施の形態では、振動子1を
移動させても振動子1が被測定物16に接触していない
場合や、圧電振動子1が被測定物16に変位を与えなが
ら接触していても被測定物16が非常に柔らかい場合な
どでは、測定時の接触圧Fが、その前の測定値である第
2のF格納部の値F0からあまり変化しないことがあ
る。この場合、α演算部22での(1)式による計算を
行う際に、(1)式の分母(F−F0)が零になってし
まうため、演算エラーが生じて測定が行えなくなる。さ
らに、接触圧Fが増加しているにも関わらず、被測定物
16が柔らかい場合には、外部影響や測定機器による測
定バラツキによって、接触圧FがF<F0として検出され
て演算エラーを起こす場合もある。
【0083】さらに、第1〜第3の実施の形態では、α
演算部22において、(1)式のα演算で求められたα
の値がマイナスになる場合がある。これは、圧電振動子
1への温度等の外部影響や測定機器による測定バラツキ
によって、発振周波数fがf<f0として検知されてし
まうためである。このバラツキは被測定物16の硬度や
接触圧Fの増加による影響と比較すると無視できる程度
のものであるが、αの値がマイナスになると、α−α’
がマイナスとなり、見かけ上α’がαの最大値(αma
x)として比較演算部23から出力されてしまう。その
結果、真のαmaxが得られないまま測定が終了してしま
うことになる。
【0084】本実施の形態は、上記課題を解決するため
に、第1〜第3の実施の形態に改良を加えるものであ
る。本実施の形態に係る触覚センサの構成は、情報処理
部13の構成を除いて、第1の実施の形態と同様であ
る。
【0085】図23に、本実施の形態に係る情報処理部
13の構成を示す。同図において、図2に示す構成と重
複する部分については、同じ名称および番号を用い、説
明を省略する。図23に示すように、情報処理部13
は、演算エラー回避手段29と誤作動回避手段30を備
えており、演算エラー回避手段29は第1のF格納部1
8に、誤作動回避手段30はα演算部22に接続されて
いる。
【0086】続いて、図1,図3,図23および図24
を参照して、上記構成における作用を説明する。図24
は、第4の実施の形態に係る触覚センサの作用を説明す
るためのフロー図であり、第1の実施の形態に係る図3
のフロー図のS4〜S8のみを置き換えるものである。
【0087】測定が開始されると、S1〜S3(図3)
により初期設定が行われる。続いて、変位信号制御部1
2からサーボモータ9に信号を与えて、予め設定された
速度Vで一定の距離Lだけ圧電振動子1を変位させる
(S4)。この状態で、接触圧Fが圧力センサ6により
測定され(S71)、信号Aとして第1のF格納部18
に格納される。
【0088】次に、演算エラー回避手段29において、
FとF0との比較演算を行う(S72)。この演算の結
果、F>F0でない場合には、S4に戻り、再び圧電振
動子1を被測定物16に接触する方向へ変位させる。F
>F0の場合には、次のステップに進み、発振周波数f
が周波数カウンタ10により測定され(S73)、続い
て、α演算部22において、α演算を行う(S74)。
【0089】そして、誤作動回避手段30において、α
>0であるかの判定を行い(S74)、α>0でない場
合には、S4に戻り、再び圧電振動子1を被測定物16
に接触する方向へ変位させる。α>0の場合には、次の
S8に進み、以降、第3図と同様の処理を行う。
【0090】このように、F>F0である場合にのみα
の演算を行うことによって、演算にエラーが生じて硬軟
結果が得られないという問題を解決できる。さらに、α
の値がマイナスでない範囲でのみ誤作動回避手段30が
比較演算を行うことによって、測定が最適に行われず終
了してしまうことが回避できる。
【0091】以上、本実施の形態においては、情報処理
部13に演算エラー回避手段29と誤作動回避手段30
を設けたことによって、演算上での計算エラーやバラツ
キによる測定の中断を防ぐことが出来る。また、このよ
うな演算エラー回避手段29および誤動作回避手段30
を用いれば、演算エラーや誤動作を監視するセンサや部
材を新たに設ける必要がなく、プログラムや回路で設定
することが出来るので、触覚センサを小型化することも
可能である。
【0092】なお、本実施の形態の各構成は、当然各種
の変形、変更が可能である。例えば、触覚センサ全体の
装置構成は、第2の実施の形態と同様に、図12に示す
構成とすることができる。その場合には、図23におけ
る情報処理部13内の第1のf格納部19および第2の
f格納部21は、各々第1のAmp格納部27、第2の
Amp格納部28に変更し、αを(2)式から求めれば
良い。また、図18に示す第3の実施の形態に示す構成
とする場合には、情報処理部13には、第1のf格納部
19,第2のf格納部21,第1のAmp格納部27お
よび第2のAmp格納部28が必要となり、αは、
(1)式によるα’fと(2)式によるα’Aの2つの値
を持つようになる。 (第5の実施の形態)以下、本発明に係る第5の実施の
形態について説明する。
【0093】本実施の形態に係る触覚センサの全体の構
成は、情報処理部13を除いて、図1に示す第1の実施
の形態に係る触覚センサの構成と同じである。図25
に、本実施の形態に係る情報処理部13の構成を示す。
同図において、図2に示す構成と重複する部分について
は、同じ名称および番号を用い、説明を省略する。図示
してあるように、情報処理部13は、図2および図13
に示すαmax格納部25の換わりに、β格納部40を備
えている。
【0094】続いて、図1,図3および図25〜図27
を用いて、上記構成における作用を説明する。図26
は、第5の実施の形態に係る触覚センサの作用を説明す
るためのフロー図であり、第1の実施の形態に係る図3
のフロー図のS8以降を置き換えるものである。図27
は、接触圧に対する周波数の傾きの最大値αmaxでの接
触圧βと圧電振動子1の変位速度Vとから被測定物の硬
軟を算出・判別するためのテーブルを示す図である。
【0095】第1の実施の形態と同様にしてS8まで進
み、αとα’の大小を比較演算部23で比較する。比較
の結果、α>α’である場合には、第1の実施の形態と
同様にS10〜S11に進み、S4に戻る。
【0096】一方、α<α’である場合、第2のF格納
部20に格納されているF0が、αmaxでの接触圧βとし
て、β格納部40に格納される(S80)。硬軟判別関
数部26は、β格納部40に後続しており、接触圧βと
サーボモータ9の変位速度Vを入力信号として、図27
に示す硬軟判別のテーブルに従って、被測定物16の硬
軟を算出・判別する(S81)。そして、その結果を硬
軟表示部14に出力して表示する(S82)。
【0097】また、S81,S82と平行して、変位信
号制御部12には、プローブ端面31が外筒3内部に位
置する初期状態にサーボモータ9が戻るように、信号C
がα’格納部24から与えられる(S83)。その信号
に基づいた変位信号制御部12からの駆動信号によっ
て、サーボモータ9が初期位置に戻れば(S84)、測
定終了となる。
【0098】次に、図28を参照して、接触圧βと被測
定物の硬さの関係を説明する。頭28は、動的粘弾性測
定(測定条件:周波数1rad/sec、室温)によって得ら
れた各粘弾性材料の粘弾性率の実数部E’と接触圧βの
関係を示す図である。
【0099】図28に示すように、αmaxが検出された
ときの接触圧βは、被測定物16が硬いほど大きくなる
ことが実験的に確かめられ、動的粘弾性率の実数部E’
と接触圧βが粘弾性対象物の硬さに依存することから、
その接触圧βをもとに被測定物16の硬さを判別するこ
とが可能である。
【0100】本実施の形態によれば、情報処理部13に
て算出される接触圧Fに対する発振周波数fの最大傾き
αmax検出時の接触圧βと、測定時の圧電振動子1の変
位速度Vをもとに、予め測定されたデータによって作成
されたテーブルから被測定物16の硬さを検出するよう
にしたので、被測定物16の硬さを検出する場合に、接
触圧Fの影響を受けずに測定ができ、従来に比較してそ
の検出精度を向上させることができるなどの効果があ
る。
【0101】以上、本発明の各実施の形態について説明
したが、上記実施の形態には、以下のような発明が含ま
れている。 (1).圧電振動子を自励発振させる駆動回路と、前記
圧電振動子を移動させ被測定物に接触させる駆動機構
と、前記被測定物と前記圧電振動子との接触圧力を検出
する圧力検出手段と、前記圧電振動子からの出力信号を
検出する手段と、前記接触圧力の変化に対する前記圧電
振動子からの出力信号の変化率を計測する演算手段を有
するようにしたものである。 (対応する発明の実施の形態)この発明に関する実施の
形態は、第1〜第5の実施の形態が対応する。クレーム
中の構成、駆動機構は、実施の形態ではサーボモータ9
であるが、DCモータやリニアモータ等も含む。圧力検
出手段は、実施の形態では圧力センサであるが、歪みゲ
ージやロードセルなども含む。また、出力信号を検出す
る手段は、実施の形態では周波数カウンタ10やデジタ
ルボルトメータ17であるが、周波数-電圧変換回路や
オシロスコープ等も含む。出力信号の変化率を計測する
演算手段は、実施の形態では情報処理部13が該当す
る。 (作用)駆動機構によって、自励発振している圧電振動
子に変位を与えて、前記圧電振動子を被測定物に接触さ
せ、圧力検出手段により当該振動子と前記被測定物との
接触圧と、出力信号を検出する手段により前記圧電振動
子からの出力信号とを検知し、前記接触圧力の変化に対
する前記圧電振動子からの出力信号の変化率を算出する
ことで、被測定物の硬さを検出する。 (効果)被測定物への接触圧力の変化に応じた圧電振動
子からの出力信号の変化率を算出し、この出力信号の変
化率に基づいて被測定物の硬度を検出するので、接触圧
力の大きさに影響されない硬さ検出が可能となり、検出
精度を向上させることができる。 (2).前記信号検出手段は、前記圧電振動子の出力信
号から発振周波数を検出する手段であり、前記接触圧力
の変化に対する前記発振周波数の最大変化率を検出する
手段をさらに有することを特徴とする(1)に記載の触
覚センサ。 (対応する発明の実施の形態)この発明に関する実施の
形態は、第1、第4の実施の形態が対応する。 (作用)圧電振動子と被測定物との間の接触圧力を変化
させながら圧電振動子を被測定物に接触させ、そのとき
の接触圧力を計測しながら、圧電振動子からの発振周波
数を検出し、前記接触圧力の変化に対する前記発振周波
数の最大変化率を算出する。 (効果)圧電振動子と被測定物との間の接触圧力を変化
させながら、前記接触圧力の変化に対する圧電振動子か
らの発振周波数の最大変化率を算出し、その値から前記
被測定物の硬さを検出するので、圧力に影響されない硬
さ検出が行える。 (3).前記信号検出手段は、前記圧電振動子の出力信
号から発振周波数を検出する手段であり、前記接触圧力
の変化に対する前記発振周波数の変化が最大となる接触
圧力を検出する手段をさらに有することを特徴とする
(1)に記載の触覚センサ。 (対応する発明の実施の形態)この発明に関する実施の
形態は、第5の実施の形態が対応する。 (作用)圧電振動子と被測定物との間の接触圧力を変化
させながら圧電振動子を被測定物に接触させ、そのとき
の接触圧力を計測しながら、圧電振動子からの発振周波
数を検出し、前記接触圧力の変化に対する前記発振周波
数の最大変化率を算出するとともに、前記最大変化率を
与える接触圧力を検出する。 (効果)圧電振動子と被測定物との間の接触圧力を変化
させながら、前記接触圧力の変化に対する圧電振動子か
らの発振周波数の最大変化率を算出し、その最大変化率
を与えるときの接触圧力を検出する。その接触圧力をも
とに前記被測定物の硬さを検出するので、圧力に影響さ
れない硬さ検出が行える。 (4).前記信号検出手段は、前記圧電振動子の出力信
号から振幅を検出する手段であり、前記接触圧力の変化
に対する前記振幅の最大変化率を検出する手段をさらに
有することを特徴とする(1)に記載の触覚センサ。 (対応する発明の実施の形態)この発明に関する実施の
形態は、第2、第4の実施の形態が対応する。 (作用)圧電振動子と被測定物との間の接触圧力を変化
させながら圧電振動子を被測定物に接触させ、そのとき
の接触圧力を計測しながら、圧電振動子からの出力信号
の振幅を検出し、前記接触圧力の変化に対する前記出力
信号の振幅の最大変化率を算出する。 (効果)圧電振動子と被測定物との間の接触圧力を変化
させながら、前記接触圧力の変化に対する前記出力信号
の振幅の最大変化率を算出し、その値から前記被測定物
の硬さを検出するので、圧力に影響されない硬さ検出が
行える。 (5).前記信号検出手段は、前記圧電振動子の出力信
号の振幅を検出する手段であり、前記接触圧力の変化に
対する前記出力信号の振幅変化が最大となる接触圧力を
検出する手段を有することを特徴とする(1)に記載の
触覚センサ。 (対応する発明の実施の形態)この発明に関する実施の
形態は、第5の実施の形態が対応する。 (作用)圧電振動子と被測定物との間の接触圧力を変化
させながら圧電振動子を被測定物に接触させ、そのとき
の接触圧力を計測しながら、圧電振動子からの出力信号
の振幅を検出し、前記接触圧力の変化に対する前記出力
信号の振幅変化が最大となるときの接触圧力を検出す
る。 (効果)圧電振動子と被測定物との間の接触圧力を変化
させながら、前記接触圧力の変化に対する圧電振動子か
らの出力信号の振幅変化が最大となるときの接触圧力を
検出する。その接触圧力をもとに前記被測定物の硬さを
検出するので、圧力に影響されない硬さ検出が行える。 (6).前記信号検出手段は、前記圧電振動子の出力信
号から発振周波数および振幅を検出する手段であり、前
記接触圧力の変化に対する前記発振周波数の最大変化率
および振幅の最大変化率を検出し、発振周波数の最大変
化率および振幅の最大変化率から被測定物の硬さを検出
する手段をさらに有することを特徴とする(1)に記載
の触覚センサ。 (対応する発明の実施の形態)この発明に関する実施の
形態は、第3の実施の形態が対応する。 (作用)圧電振動子と被測定物との間の接触圧力を変化
させながら圧電振動子を被測定物に接触させ、そのとき
の接触圧力を計測しながら、圧電振動子からの出力信号
の振動周波数と振幅を検出し、前記接触圧力の変化に対
する前記圧電振動子からの出力信号の振動周波数と振幅
の二つの最大変化率を算出し、これらの二つの値から測
定対象物の硬さを検出する。 (効果)圧電振動子と被測定物との間の接触圧力を変化
させながら圧電振動子を被測定物に接触させ、そのとき
の接触圧力を計測しながら、前記接触圧力の変化に対す
る前記圧電振動子からの出力信号の振動周波数と振幅の
二つの最大変化率を算出し、これらの二つの値から測定
対象物の硬さを検出するので、周波数だけ、または、振
幅だけでは得られない被測定物の硬さ情報を、圧力に影
響されずに検出できる。 (7).前記圧電振動子を移動させる駆動機構は、被測
定物に対して前記圧電振動子を一定速度で変位させるこ
とを特徴とする(2)〜(6)に記載の触覚センサ。 (対応する発明の実施の形態)この発明に関する実施の
形態は、第1〜5の実施の形態が対応する。 (作用)駆動機構が圧電振動子を一定速度で被測定物に
接触させる。 (効果)接触圧力に対する圧電振動子からの出力信号の
変化が、圧電振動子が被測定物に接触する速度に依存し
て変化するので、圧電振動子が被測定物に接触する速度
を一定にすることにより、測定状態を常に一定にするこ
とができ、安定した出力信号を得ることができる。 (8).前記圧電振動子の変位速度と接触圧と、前記圧
電振動子の発振周波数または振幅の最大変化率と、被測
定物の硬さの関係を予め記憶しておおくテーブルをさら
に有することを特徴とする(2)〜(6)に記載の触覚
センサ。 (対応する発明の実施の形態)この発明に関する実施の
形態は、第1〜第4の実施の形態が対応する。 (作用)予め記憶された、圧電振動子の変位速度と接触
圧と、前記圧電振動子の発振周波数または振幅の最大変
化率と、被測定物の硬さの関係を予めテーブルに記憶し
ておき、被測定物の硬さを検出する。 (効果)測定された圧電振動子の移動速度と接触圧と出
力信号の発振周波数または振幅の最大変化率を予め記憶
された値と比較することにより被測定物の硬さを検出す
るので、複雑な演算を行う必要がない。 (9).前記発振周波数または振幅の最大変化率を検出
する手段は、演算エラー回避手段を有することを特徴と
する(1)〜(6)に記載の触覚センサ。 (対応する発明の実施の形態)この発明に関する実施の
形態は、第4の実施の形態が対応する。 (作用)発振周波数または振幅の最大変化率を検出する
際に、演算エラー回避手段は演算処理の続行または回避
信号を出力する。 (効果)発振周波数または振幅の最大変化率を検出する
際に、演算エラー回避手段は演算処理の続行または回避
信号を出力して、演算上でエラーが生じないようにする
ので、被測定物の硬さを検出する前に測定の続行が不可
能になることを回避する。 (10).前記発振周波数または振幅の最大変化率を検
出する手段は、誤動作回避手段を有することを特徴とす
る(1)〜(6)に記載の触覚センサ。 (対応する発明の実施の形態)この発明に関する実施の
形態は、第4の実施の形態が対応する。 (作用)周波数または振幅の最大変化率を検出する際
に、誤動作回避手段が演算処理の続行または回避信号を
出力する。 (効果)周波数または振幅の最大変化率を検出する際
に、誤作動回避手段は演算処理の続行または回避信号を
出力するので、測定器や外部環境の影響などによる影響
を除去し、被測定物の硬さを検出する前に測定が終了す
ることを回避する。
【0102】なお、本実施の形態の各構成は、当然、各
種の変形、変更が可能である。例えば、周波数カウンタ
10はデジタルボルトメータ17とすることができ、そ
の場合、情報処理部13の第1のf格納部12、第2の
f格納部21は、各々第1のAmp格納部27、第2の
Amp格納部28に変更され、接触圧Fに対する発振周
波数fの最大傾きαmax検出時の接触圧βは、接触圧F
に対する振幅Ampの最大傾きαmax検出時の接触圧β
となる。
【0103】
【発明の効果】被測定物への接触圧力の変化に応じた圧
電振動子からの出力信号の変化率を算出し、この出力信
号の変化率に基づいて被測定物の硬度を検出するので、
接触圧力の大きさに影響されない硬さ検出が可能とな
り、検出精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係る触覚センサの構成図。
【図2】第1の実施の形態に係る情報処理部13の構成
を示す図。
【図3】第1の実施の形態に係る触覚センサの作用を説
明するためのフロー図。
【図4】第1の実施の形態に係る触覚センサプローブが
被測定物に接触している状態を示す図。
【図5】第1の実施の形態に係る被測定物の硬軟を算出
・判別するためのテーブル図。
【図6】第1の実施の形態に係る測定曲線を示す図。
【図7】第1の実施の形態に係る発振周波数と接触圧と
の関係を示す図。
【図8】第1の実施の形態に係る発振周波数と接触圧と
の関係を示す図。
【図9】第1の実施の形態に係る接触圧に対する発振周
波数の変化特性を説明するための図。
【図10】第1の実施の形態に係る粘弾性率とαmaxと
の関係を示す図。
【図11】第1の実施の形態に係るαに対する変位速度
の影響を説明するための図。
【図12】第2の実施の形態に係る触覚センサの構成
図。
【図13】第2の実施の形態に係る情報処理部13の構
成を示す図。
【図14】第2の実施の形態に係る触覚センサの作用を
説明するためのフロー図。
【図15】第2の実施の形態に係る測定曲線を示す図。
【図16】第2の実施の形態に係る振幅と接触圧との関
係を示す図。
【図17】第2の実施の形態に係る粘弾性率とαmaxと
の関係を示す図。
【図18】第3の実施の形態に係る触覚センサの構成
図。
【図19】第3の実施の形態に係る情報処理部13の構
成を示す図。
【図20】第3の実施の形態に係る圧電振動子の電気的
等価回路を示す図。
【図21】第3の実施の形態に係る触覚センサの作用を
説明するためのフロー図。
【図22】第3の実施の形態に係る被測定物の硬軟を算
出・判別するためのテーブル図。
【図23】第4の実施の形態に係る情報処理部13の構
成を示す図。
【図24】第4の実施の形態に係る触覚センサの作用を
説明するためのフロー図。
【図25】第5の実施の形態に係る情報処理部13の構
成を示す図。
【図26】第5の実施の形態に係る触覚センサの作用を
説明するためのフロー図。
【図27】第5の実施の形態に係る被測定物の硬軟を算
出・判別するためのテーブル図。
【図28】第5の実施の形態に係る弾性率とβとの関係
を示す図。
【符号の説明】
1 圧電振動子 2 マウント部材 3 外筒 4 発振回路 5 固定部材 6 圧力センサ 7 圧力センサ支持部材 8 変位機構 9 サーボモータ 10 周波数カウンタ 11 DC電源 12 変位信号制御部 13 情報処理部 14 硬軟表示部 15 触覚センサプローブ 16 被測定物 17 デジタルボルトメータ 18 第1のF格納部 19 第1のf格納部 20 第2のF格納部 21 第2のf格納部 22 α演算部 23 比較演算部 24 α’格納部 25 αmax格納部 26 硬軟判別関数部 27 第1のAmp格納部 28 第2のAmp格納部 29 演算エラー回避手段 30 誤動作回避手段 31 プローブ端面 32 αA演算部 33 αf演算部 34 αA比較演算部 35 αf比較演算部 36 α’A格納部 37 α’f格納部 38 αmaxA格納部 39 αmaxf格納部 40 β格納部

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】圧電振動子を自励発振させる駆動回路と、 前記圧電振動子を移動させ被測定物に接触させる駆動機
    構と、 前記被測定物と前記圧電振動子との接触圧力を検出する
    圧力検出手段と、 前記圧電振動子からの出力信号を検出する信号検出手段
    と、 前記接触圧力の変化に対する前記圧電振動子からの出力
    信号の変化率を計測する演算手段とを有することを特徴
    とする触覚センサ。
  2. 【請求項2】前記信号検出手段は、前記圧電振動子の出
    力信号から発振周波数を検出する手段であり、前記接触
    圧力の変化に対する前記発振周波数の最大変化率を検出
    する手段をさらに有することを特徴とする請求項1記載
    の触覚センサ。
  3. 【請求項3】前記信号検出手段は、前記圧電振動子の出
    力信号から発振周波数を検出する手段であり、前記接触
    圧力の変化に対する前記発振周波数の変化が最大となる
    接触圧力を検出する手段をさらに有することを特徴とす
    る請求項1記載の触覚センサ。
  4. 【請求項4】前記信号検出手段は、前記圧電振動子の出
    力信号から振幅を検出する手段であり、前記接触圧力の
    変化に対する前記振幅の最大変化率を検出する手段をさ
    らに有することを特徴とする請求項1記載の触覚セン
    サ。
  5. 【請求項5】前記信号検出手段は、前記圧電振動子の出
    力信号の振幅を検出する手段であり、前記接触圧力の変
    化に対する前記出力信号の振幅変化が最大となる接触圧
    力を検出する手段を有することを特徴とする請求項1記
    載の触覚センサ。
  6. 【請求項6】前記信号検出手段は、前記圧電振動子の出
    力信号から発振周波数および振幅を検出する手段であ
    り、前記接触圧力の変化に対する前記発振周波数の最大
    変化率および振幅の最大変化率を検出し、発振周波数の
    最大変化率および振幅の最大変化率から被測定物の硬さ
    を検出する手段をさらに有することを特徴とする請求項
    1に記載の触覚センサ。
  7. 【請求項7】前記圧電振動子を移動させる駆動機構は、
    被測定物に対して前記圧電振動子を一定速度で変位させ
    ることを特徴とする請求項2から請求項6のうちいずれ
    か1項記載の触覚センサ。
  8. 【請求項8】前記圧電振動子の変位速度と接触圧と、前
    記圧電振動子の発振周波数または振幅の最大変化率と、
    被測定物との硬さの関係を予め記憶しておくテーブルを
    さらに有することを特徴とする請求項2から請求項6の
    うちいずれか1項記載の触覚センサ。
  9. 【請求項9】前記発振周波数または振幅の最大変化率を
    検出する手段は、演算エラー回避手段を有することを特
    徴とする請求項1から請求項6のうちいずれか1項記載
    の触覚センサ。
  10. 【請求項10】前記発振周波数または振幅の最大変化率
    を検出する手段は、誤動作回避手段を有することを特徴
    とする請求項1から請求項6のうちいずれか1項記載の
    触覚センサ。
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