JPH10185787A - 疲労試験装置 - Google Patents

疲労試験装置

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JPH10185787A
JPH10185787A JP8347448A JP34744896A JPH10185787A JP H10185787 A JPH10185787 A JP H10185787A JP 8347448 A JP8347448 A JP 8347448A JP 34744896 A JP34744896 A JP 34744896A JP H10185787 A JPH10185787 A JP H10185787A
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JP
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vibration
signal
amplitude
microstructure
fatigue test
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JP8347448A
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English (en)
Inventor
Tomoyoshi Tsuchiya
智由 土屋
Jiro Sakata
二郎 坂田
Yasunori Taga
康訓 多賀
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Toyota Central R&D Labs Inc
Original Assignee
Toyota Central R&D Labs Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い共振周波数の微小構造体の疲労試験を可
能とすること。 【解決手段】 微小構造体10を加振制御部からの加振
信号により共振状態で振動させてその疲労試験を行う疲
労試験装置であり、振動変位検出部が微小構造体10の
振動変位を検出し、得られた振動変位信号に対して発振
制御部がこれに対して所定の位相差(90度+α)を有
する発振制御信号を発生し、これに応じた加振信号が微
小構造体10に印加される。振動変位信号に対してPL
L発振回路56が90度の位相差の方形波を発生し、位
相シフト回路58がこれを所定量α位相シフトし、対応
した加振信号が作成される。よって、微小構造体10に
対する加振力と変位との位相差が一定に維持されるよう
にフィードバック制御され、安定的に振動させて疲労試
験することが可能となる。さらに、微小構造体10の振
動振幅が目標振幅となるように制御してもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、センサ等に用いら
れる微小構造体を高周波で共振状態で振動させ、疲労試
験を行うための疲労試験装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体プロセス技術を用いて機械
構造体を製造する技術、即ち、いわゆるシリコンマイク
ロマシーニング技術を用いた各種シリコンセンサが開発
されている。このようなシリコンセンサは、センサ部の
小型化や、センサ部と検出回路との集積化、さらに高精
度化、低コスト化などを可能としている。このため、加
速度センサや角速度センサなど、自動車搭載用センサと
しての用途をはじめとして、様々な産業分野での応用が
期待されている。
【0003】上記センサでは、物理量(例えば、加速
度)の検知に、慣性質量を成すマス部や、支持体や、バ
ネ材とする梁部を持ち、これらには薄膜シリコンや、薄
片化したシリコンウエハなどからなる微小構造体が用い
られている。このような微小構造体の一般的なサイズ
は、例えばマス支持部の厚みが数μmから数十μmであ
り、マス部は、数百μm平方で厚み数μmから数mm平
方で厚み数百μmであり、マス部の共振周波数は数百H
z〜数十kHzである。
【0004】ところが、各産業で利用され得るセンサ
は、長時間にわたっての使用も考えられているものの、
繰り返し応力印加によるセンサの劣化、バネ定数(また
は感度)などその物理的変化については、未だ明らかに
なっていない。しかし、これらのセンサに高い信頼性が
要求されることは必須であり、従って、信頼性を確保す
るためにセンサに用いられる薄膜や薄片の疲労現象の把
握が必要とされている。
【0005】従来知られている疲労試験では、装置とし
て実際に用いられる際に印加される値よりも十分大きな
応力を機械的機構によって強制的に加え、これによる物
理的特性の変化を測定して、低応力下における現象を予
測している。例えば、特開昭60−111940号公報
では、試験材料を片持ち梁状にして被試験体とし、その
先端に、モータの回転に応じた強制的な繰り返し変位を
与えて疲労試験を行うことが示されている。
【0006】また、疲労試験として、振動体の共振を利
用した共振方式の試験も考えられている。共振方式の疲
労試験では、ある程度高い周波数で比較的容易に振動体
を大振幅振動させることができるため注目されている。
このように振動体を共振させるためには、通常、発振回
路を用いて振動体に加振力を印加し、これによる振動体
の変位と上記加振力との位相差を90゜に保つ。そし
て、このような共振振動によって試験材料の物性値が変
化すると、材料の弾性率が変化することから疲労試験中
に共振周波数や振幅が変動する。そこで、これらの変動
を測定すれば、被試験体の物理的変化、つまり疲労を知
ることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来知
られているような疲労試験では、被試験体である片持ち
梁に強制的に曲げ応力を印加するため、応力を印加する
装置の移動速度によって応力印加速度が制限されてしま
う。そして、その応力印加の繰り返し周波数は、数ヘル
ツ程度であった。
【0008】ところが、疲労試験では、通常109回以
上の荷重回数が必要とされる。従って、上述のような疲
労試験方法では、被試験体から必要なデータを得るのに
多大な時間(数万時間)がかかってしまい、実時間での
試験は困難であった。
【0009】また、共振方式を採用する試験方法の場合
には、常時被試験体の共振状態を維持しなければならな
いため、次のような問題が想定される。
【0010】まず、近年提案されている如き極めて微小
なセンサの微小構造体は、その共振周波数が高く、また
振動の機械的Q(Quority Factor)値が高いために、正
確な制御が難しいことである。また、高い周波数で繰り
返し応力を印加しなければならないので、上述のような
機械的機構では到底対応できない。
【0011】さらに、微小構造体に対する加振装置や振
動の検出装置には位相遅れが発生するため、安定した発
振が難しく、共振振動状態の維持が困難であるという問
題がある。
【0012】本発明は、上記課題に鑑みて成されたもの
であり、共振方式を利用して、高い繰り返し周波数で微
小構造体の疲労試験を行うのに適した疲労試験装置を提
供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の疲労試験装置は、微小構造体である被試験
体を共振状態で振動させ、被試験体の疲労試験を行う疲
労試験装置であって、振動変位検出部が被試験体の振動
変位を検出し、検出して得られた振動変位信号に対し
て、発振制御部が、これと所定の位相差を有する発振制
御信号を発生する。さらに、振動体加振部が発振制御信
号に応じた加振信号を前記被試験振動体に印加して振動
させる。
【0014】このように、発振制御部が、振動変位信号
に対して、常時、予め決められた適切な位相差を有する
発振制御信号を発生することにより、微小構造体に対す
る加振力と変位との位相差が、常に一定に維持されるよ
うにフィードバック制御して、微小構造体を振動させる
ことが可能となる。従って、微小構造体の共振状態(完
全な共振状態以外の振動状態を含む)を安定的に維持し
て、微小構造体の疲労試験を行うことが可能となる。ま
た、共振周波数の高い微小構造体を共振状態で振動させ
て疲労試験を実行することから、より短期間で疲労試験
を実行することが容易となる。
【0015】また、本発明の疲労試験装置では、例え
ば、上記構成に加えて、さらに以下のような態様を採用
することが可能である。
【0016】まず、振動振幅検出部と振幅制御部とをさ
らに設け、振動振幅検出部が、振動変位信号に基づいて
被試験体の振動振幅を検出し、振幅制御部が、検出され
た振動振幅と目標振幅との差に基づいて加振信号の振幅
を制御する構成とすることができる。従って、振動振幅
が常時試験用の目標振幅に一致するようにフィードバッ
クされ、疲労試験中における応力印加条件が一定に維持
され、信頼性の高い疲労試験結果を得ることが可能とな
る。また、被試験体の振動振幅を設定目標振幅に一致す
るように振動させることができれば、目標振幅を通常使
用時よりも大振幅に設定して被試験体を共振状態で振動
させ、被試験体の疲労現象を加速させて、これを検出す
ることが可能となる。
【0017】次に、被試験体である微小構造体を振動さ
せるために、微小構造体の可動部には可動電極を設け
る。一方、疲労試験装置には、加振制御部として、加振
信号発生部に加え、上記可動電極に対向するように加振
用固定電極を設ける。そして、この加振用固定電極に加
振信号を印加することにより、電極間の静電容量を介し
て上記可動電極に加振信号を印加でき、微小構造体を静
電的に加振することが可能となる。また、振動体加振部
としては、高い周波数で振動可能な圧電素子を用いるこ
ともできる。
【0018】さらに、振動変位検出部としては、レーザ
などを用いた変位計を利用すれば微小構造体の振動変位
を検出でき、また、微小構造体の可動部に形成された可
動電極に対向するように変位検出用固定電極を配置すれ
ば、変位検出用固定電極と、可動電極との静電容量変化
から振動変位を検出することが可能となる。
【0019】このように、微小構造体を圧電素子や、非
接触の加振用固定電極で加振させれば、十分高い周波数
で微小構造体を振動させることができ、また、振動変位
を非接触で検出でき、確実にその振動を検出することが
容易となる。
【0020】さらに、上述の構成に加えて、振動変位信
号に基づいてその振動周波数または振幅などを測定し、
これらの測定値の変化を検出する変化検出手段を設ける
ことにより、応力印加による微小構造体の疲労現象を自
動的に解析することが容易となる。
【0021】また、これらの構成により、微小構造体を
共振状態でかつ一定振幅で振動させることができるた
め、本発明の疲労試験装置の構成は、例えば角速度セン
サなどの振動型センサの駆動回路として応用することも
可能となる。駆動回路と疲労試験装置とを共用できれば
より簡単で効率的に実センサにおける疲労現象を把握す
ることも可能となる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
(以下、実施形態という)について図面を用いて説明す
る。
【0023】[実施形態1]図1は、本実施形態1に係
る疲労試験装置の構成を示しており、図2は、図1の微
小構造体10のA−A線に沿った断面構成を示してい
る。
【0024】まず、被試験体である微小構造体について
説明する。微小構造体10では、基板12の平面上に図
中左右方向に移動可能な可動部20がフローティングに
支持されている。可動部20には、基板12に固定され
たアンカー部14から梁16が延びており、可動部20
は、梁16により、アンカー部14に対して左右方向に
移動可能に支持されている。可動部20の左右の側部に
は、それぞれ加振用可動櫛形電極24と、変位検出用可
動櫛形電極21とが形成されている。本実施形態1にお
いて、微小構造体10は、例えば、シリコン基板12上
に形成した犠牲層25を可動部20の形成領域部分だけ
選択的にエッチング除去することによって、厚さ2μm
程度の多結晶シリコン薄膜27よりなる可動部20を基
板12上にフローティングに形成している。可動部20
は200μm平方、梁16の幅2μm、梁16のアンカ
ー部14から可動部20までの長さ400μmというよ
うに極めて微小な構造を有している。そして、この微小
構造体10の共振周波数は、約43.9kHzとなって
いる。
【0025】以上のような微小構造体10を振動させて
その疲労現象を試験する本実施形態の装置は、可動部2
0の振動変位を可動櫛形電極21と変位検出用固定電極
40との静電容量の変化として検出する振動変位検出部
と、検出して得られた振動変位信号に対して一定の位相
差を有する発振制御信号を発生する発振制御部と、この
発振制御信号に応じた位相の加振信号を発生して、これ
を微小構造体10の加振用可動櫛形電極24に印加する
ための加振制御部を有する。また、これらに加えて、振
動変位信号に基づいて可動部20の振動振幅を検出する
振動振幅検出部と、振動振幅が目標振幅と一致するよう
に上記加振信号の振幅を制御するための振幅制御部を有
する。さらに、振動変位信号に基づいて、可動部20の
振動周波数又は振幅の変化を検出する変化検出手段を備
える。
【0026】加振制御部は、加振信号を発生する駆動ア
ンプ50と、この加振信号が印加される加振用固定電極
30とを有しており、加振用固定電極30は、駆動アン
プ50からの加振信号が印加される電極パッド34と、
可動部20の可動櫛形電極24とかみ合うように配置さ
れた櫛形部32を備えている。
【0027】振動変位検出部は、検出用固定電極40と
容量検出回路52とを備え、検出用固定電極40は、上
記可動部の検出用可動櫛形電極21とかみ合うように配
置された櫛形部42および電極パッド44とより構成さ
れている。容量検出回路52は、固定電極40に発生す
る電荷を電圧に変換する変換アンプを備えており、固定
電極40に発生した電荷を上記電極パッド44を介して
得て、検出用可動櫛形電極21と検出用固定電極40と
の静電容量の変化を電圧信号として検出し、これを振動
変位信号として出力する。
【0028】ここで、加振部と検出部にそれぞれ配置さ
れている2組の櫛形電極間(電極24と電極32、電極
21と電極42)の電気容量は、例えば10.5fF
で、可動部20の水平方向(図中の左右方向)の変位1
μmに対する容量変化は、0.7fFである。また、上
記容量検出回路52における電荷/電圧の変換係数は、
1V/pCであり、例えば、検出用固定電極40に9V
のバイアス電圧を印加すると、可動部20の水平方向の
変位1μmに対する容量検出回路52からの出力は、
6.3mVとなるように設定されている。このように、
本実施形態1において、微小構造体10を容易に加振で
き、さらに、十分高い検出感度で可動部20の振動を検
出することができる。
【0029】発振制御部は、PLL発振回路56と、位
相シフト回路58および正弦波変換回路60とを備えて
いる。PLL発振回路56は、容量検出回路52から出
力される振動変位信号に基づき、この振動変位信号に対
して90度位相差を有する方形波を発生する。位相シフ
ト回路58は、PLL発振回路56からの方形波を予め
設定した位相シフト量αだけシフトさせ、正弦波変換回
路60は、振動変位信号に対して所定の位相(90度+
α)だけずれた方形波を、正弦波に変換し、これを発振
制御信号として出力する。
【0030】振動振幅検出部は、本実施形態1において
rms−DCコンバータ54よりなり、容量検出回路5
2からの振動変位信号を実効値(rms値)に変換す
る。
【0031】また、振幅制御部は、コンパレータ/積分
器(以下単にコンパレータという)62および乗算器6
4とを備えている。コンパレータ62は、振動振幅検出
部であるコンバータ54から得られる実効値を積分し、
得られた直流レベルと、所定の目標振幅に対応した目標
振幅レベルとを比較してレベルの差を小さくするように
振幅制御信号を出力する。本実施形態1において乗算器
64はアナログ乗算器であり、正弦波変換回路60より
出力される正弦波の発振制御信号に、このコンパレータ
62からの比較結果に応じた振幅制御信号を乗算し、こ
れを加振制御部の駆動アンプ50に供給する。
【0032】駆動アンプ50は、供給される発振制御信
号に基づいた加振信号を加振用固定電極30に印加す
る。これにより、電極30と可動櫛形電極24との間の
静電容量に静電引力が作用して、上記加振信号が可動櫛
形電極24に印加されることとなり、可動部20がこれ
に応じて図1中左右方向に加振される。
【0033】また、微小構造体10における疲労現象を
検出するための変化検出部は、周波数/電圧(F/V)
コンバータ70と、アナログ・デジタル(A/D)コン
バータ72およびコンピュータ部74とを備える。F/
Vコンバータ70は、振動変位信号をその周波数に応じ
た電圧信号に変換する。A/Dコンバータ72は、F/
Vコンバータ70で得られた周波数に対応したアナログ
電圧信号と、rms−DCコンバータ54で得られた振
動変位信号の直流実効値レベル(つまり検出振幅デー
タ)とを対応するデジタルデータに変換してコンピュー
タ部74に供給する。コンピュータ部74は、供給され
るデジタルデータに基づいて、随時、微小構造体10の
可動部20の振動状態の変化を測定し検出する。
【0034】(装置の動作)次に、疲労試験装置の具体
的な動作について説明する。本実施形態の疲労試験装置
では、上述のように可動部20の振動変位が、検出用固
定電極40と容量検出回路52とからなる振動変位検出
部において、対応するアナログ振動変位信号として検出
される。そして、このアナログ振動変位信号に基づいて
以下のような3つの制御もしくは測定が実行される。
【0035】(i)一定位相差加振制御 PLL発振回路56は、常時、振動変位信号に対して位
相差が90度の方形波を発生する。位相シフト回路58
は、この方形波の位相を所定の位相αだけシフトさせて
出力し、これを正弦波変換回路60が対応する正弦波に
変換して、これを発振制御信号として乗算器64を介し
て駆動アンプ50に供給する。従って、この発振制御部
の動作によって、常時、振動変位信号、つまり、可動部
20での振動変位に対して一定の位相差を有する加振信
号が可動部20に印加されることとなり、可動部20が
共振状態で安定した振動を維持するようにフィードバッ
ク制御される。
【0036】ここで、位相シフト回路58における位相
シフト量αは、α=0であれば、上記可動部20は完全
に共振振動となる。ところが、完全な共振振動となる領
域は、振動変位と加振信号との位相差との関係におい
て、変化の急峻な非線形部分に相当するため、振動変位
に対する加振信号の微妙な位相差のずれによって、振動
状態が大きく変動してしまう。従って、より安定した共
振状態とするためには、位相シフト回路58において、
振動変位信号に対して90度の位相差を有する方形波に
対し、これをさらに微小な位相α(≠0)だけシフトさ
せることが好適である。位相シフト量αは、設定により
所定の値とすることができる。そして、疲労試験装置の
他の部分に位相遅れβがあるような場合、例えば、容量
検出回路52にフィルタが挿入され、そのために位相遅
れβが発生する場合には、この位相遅れβを考慮して位
相シフト量αを設定する。可動部20を完全共振振動さ
せるには、α+β=0となるように設定する。また、上
述のように安定した共振状態での振動とする場合には、
α+βがこの安定した共振状態となるような位相シフト
量となるように、αを設定する。
【0037】(ii)一定振幅加振制御 振動振幅検出部であるrms−DCコンバータ54が、
振動変位信号から振幅値(実効値)を検出する。振幅制
御部では、コンパレータ62がその検出振幅値を積分
し、予め基準電圧として設定されている目標振幅値と比
較し、そして、コンパレータ62は、目標振幅に検出振
幅が一致するように振幅制御信号を出力する。この出力
は、乗算器64にて発振制御信号に乗算され、加振制御
部が対応する加振信号を可動部20に印加する。
【0038】振動変位信号の振幅が、設定電圧で定まる
目標振幅よりも小さい場合は、可動部20への加振信号
の振幅が増大し、可動部20での振幅を大きくするよう
に制御される。
【0039】逆に、振動変位信号の振幅が、目標振幅よ
り大きい場合には、加振信号の振幅は減少し、可動部2
0の振動振幅が小さくなるように制御される。従って、
上述のような構成により、常時、可動部20が目標振幅
で振動するようフィードバック制御される。
【0040】ここで、目標振幅は、例えば電圧値として
任意の値に設定する事ができ、微小構造体10の通常使
用時の振動振幅よりも十分に大きい振幅を目標振幅とし
て設定することにより、微小構造体10に短時間で大き
な応力を印加することが可能となる。従って、微小構造
体10での疲労を通常使用時よりも加速させ、その疲労
現象の経時変化を実時間で試験することが可能となる。
【0041】(iii)振動状態のモニタリング(疲労
現象の測定) 変化検出部のコンピュータ部74は、振動変位検出部か
ら供給される振動変位信号に基づいて、可動部20にお
ける振動周波数と振動振幅のそれぞれについてその経時
変化を随時記憶する。そして、その経時データに基づい
て微小構造体10の振動周波数の変化あるいは振動振幅
の変化を検出し、これにより微小構造体10の物理的変
化、つまり、疲労現象を検出する。なお、経時変化の観
察結果は、例えば、コンピュータ部74に接続された図
示しないプリンタやディスプレイに出力される。
【0042】例えば、微小構造体10の振動振幅が急激
に減少すれば、これにより微小構造体10の破断を検出
する。また、振動周波数変化を観察すれば、応力印加の
繰り返し回数の増加に応じた振動周波数の変化から、微
小構造体10の機械的物性変化の状態を把握することが
可能となる。図3は、この振動周波数の変化を示して
る。図3において、縦軸の周波数は、振動変位信号から
得た可動部20の振動周波数であり、横軸の繰り返し回
数は、加振信号による応力印加回数を表している。図3
に示されるように、本実施形態1の場合、例えば約4
3.9kHz付近でのの振動周波数の変化が、印加回数
0回から1.5×1011回までの間でも観察されてお
り、微小構造体10における機械的物性変化を実時間で
知ることが可能となっている。
【0043】なお、上述のように振動振幅値をより大き
くすれば、微小構造体10の疲労現象がその振幅値に応
じて加速されることから、より短期間で振動振幅変化
や、図3のような振動周波数変化が観察できることとな
る。
【0044】[実施形態2]図4は、実施形態2に係る
疲労試験装置および被試験体の構成を示している。
【0045】実施形態1と異なる点は、被試験体である
微小構造体90の構成と、微小構造体90に加振力を与
えるための加振制御部が、駆動アンプ50と、圧電素子
80とを備えていることである。また、振動変位検出部
としてレーザなどを用いた変位計100を用いている点
も実施形態1と異なる。なお、疲労試験装置の他の構成
については、実施形態1と同様である。よって、レーザ
変位計100で検出された振動変位信号に基づき、発振
制御部と、振動振幅検出部および振幅制御部とが、位相
差および振幅がそれぞれ設定された一定値(位相差90
度+α、目標振幅)になるように発振制御信号を制御す
る。さらに、この発振制御信号に応じた加振信号が駆動
アンプ50から圧電素子80に印加され、これにより、
圧電素子80が図4の上下方向に振動するように構成さ
れている。
【0046】また、加振信号によって振動する圧電素子
80上には、基板91が固定されており、微小構造体9
0は、この基板91に固定部92によってその一端が固
定された2本の梁94と、前記梁94によって片持ち支
持されている可動部96とを備えている。可動部96に
は、可動部96の振動を大きくする目的で重りを付加す
ることもある。本実施形態2においては、重りとして、
可動部96の下部にエポキシ系樹脂の重り98を設け
て、可動部96の質量増加を図っている。
【0047】微小構造体90の梁94および可動部96
は、例えば、シリコン基板91上に形成された厚さ2μ
mの多結晶シリコン薄膜で作成されており、さらに、可
動部96は、例えば、200μm平方、梁94は幅4μ
mで長さ100μmという寸法で構成されている。そし
て、この微小構造体90の共振周波数は、約3.05k
Hzである。
【0048】また、圧電素子80の変位量は、印加電圧
1Vに対して150nmであり、レーザ変位計100の
出力は、可動部96の振動方向の変位1μmに対して1
0mVとなっており、十分な検出感度を備えている。
【0049】以上のような構成において、可動部96を
圧電素子80の振動によって一定の共振状態で振動させ
た場合に、変化検出部で測定された可動部96の振動周
波数の変化は、図5のようになる。
【0050】図5に示されているように、本実施形態2
の場合にも、周波数3.05kHz程度で、繰り返し回
数0〜5.0×109回という比較的短期間内で振動周
波数の変化が観察でき、実時間での微小構造体90の物
性変化を知ることが可能となっている。
【0051】また、可動部96の振動振幅の経時変化を
観察することによっても、微小構造体90の疲労現象を
知ることが可能である。
【0052】なお、本発明の疲労試験装置では、被試験
体として、上述の実施形態1、2において2種類の微小
構造体を例に挙げて説明したが、微小構造体の構造はこ
れには限られない。例えば、実施形態1の可動部を支持
する梁の支持方法やアンカー部の位置もしくは数など、
上述の構成に限らず、センサの用途に応じた様々な構成
の微小構造体を被試験体として使用することができる。
【0053】
【発明の効果】以上示したように、本発明の疲労試験装
置によれば、高い共振周波数を有する微小構造体を共振
状態で安定的に振動させて、その振動状態の変化を検出
することができる。このため、微小構造体の疲労現象を
効率的な共振方式にて試験することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態1の疲労試験装置とその被
試験体の構成を示す概念図である。
【図2】 図1の微小構造体10の構成を示す図であ
る。
【図3】 実施形態1の疲労試験装置を用いて得られた
加振信号による応力の繰り返し印加回数に対する微小構
造体の共振周波数の変化を示す図である。
【図4】 本発明の実施形態2の疲労試験装置とその被
試験体の構成を示す図である。
【図5】 実施形態2の疲労試験装置を用いて得られた
加振信号による応力の繰り返し印加回数に対する微小構
造体の共振周波数の変化を示す図である。
【符号の説明】
10,90 微小構造体、12,91 基板、14 ア
ンカー部、16,94梁、20,96 可動部、21
検出用可動櫛形電極、24 加振用可動櫛形電極、30
加振用固定電極、40 検出用固定電極、50 駆動
アンプ、52容量検出回路、54 rms−DCコンバ
ータ、56 PLL発振回路、58位相シフト回路、6
0 正弦波変換回路、62 コンパレータ/積分器、6
4乗算器、70 F/Vコンバータ、72 A/Dコン
バータ、74 コンピュータ部、80 圧電素子、92
固定部、100 レーザ変位計。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 微小構造体である被試験体を共振状態で
    振動させ、前記被試験体の疲労試験を行う疲労試験装置
    であって、 前記被試験体の振動変位を検出する振動変位検出部と、 検出して得られた振動変位信号に対して所定の位相差を
    有する発振制御信号を発生する発振制御部と、 前記発振制御信号に応じた加振信号を前記被試験振動体
    に印加して振動させるための振動体加振部と、 を有することを特徴とする疲労試験装置。
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