JPH10288023A - エンジンの潤滑装置 - Google Patents

エンジンの潤滑装置

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JPH10288023A
JPH10288023A JP9093892A JP9389297A JPH10288023A JP H10288023 A JPH10288023 A JP H10288023A JP 9093892 A JP9093892 A JP 9093892A JP 9389297 A JP9389297 A JP 9389297A JP H10288023 A JPH10288023 A JP H10288023A
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正示 宮崎
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エンジンの潤滑油を目標油温に速やかに導く
ことができ、過冷却に伴う流動抵抗増による駆動エネル
ギの損失を低減し、燃費向上を図る。 【解決手段】 エンジン駆動のオイルポンプ2によりオ
イル溜14の油をオイルクーラ6に圧送し、同オイルク
ーラを通過した圧油をエンジン潤滑部12側に供給し、
特に、オイルクーラ6を迂回するバイパス通路7に設け
られた油温制御弁8が、オイルクーラ6へ流入する圧油
の量を制御し、油温センサ9が圧油の油温を検出し、そ
の上で、コントローラ15が圧油の目標油温Oαに対す
る油温偏差ΔOtが所定偏差幅e内に入ると油温制御弁
8を所定のデューティー比Duで制御し、所定偏差幅e
外では油温制御弁8を連続開閉制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オイルポンプから
の圧油をエンジン潤滑部に供給するエンジンの潤滑装
置、特に、エンジン駆動のオイルポンプからの圧油をオ
イルクーラで冷却するようにしたエンジンの潤滑装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関はその内部に多くの摺動部を備
え、この摺動部の潤滑や冷却のために潤滑油供給系を備
えている。この潤滑油供給系はエンジンに直接駆動され
るオイルポンプを油圧供給源とし、このオイルポンプの
吐出した圧油を流量圧力調整手段で調整し、オイルクー
ラで油温の過度の上昇を防止し、その上で圧油をエンジ
ン内部のメインギャラリを介して各摺動部に分散供給
し、各摺動部を通過後の低圧油をドレーン路を通してオ
イル溜に戻すようにしている。
【0003】この潤滑油供給系内の潤滑油はエンジン内
の各潤滑部の摩擦抵抗を低減させると共に同部の熱を吸
収し、これをオイルクーラで冷却水側に放熱している。
この場合、潤滑油の油温はエンジンの発熱量とオイルク
ーラの放熱量のバランスにより上下し、オイルクーラの
容量が小さいと油温が過度に上昇し、オイルやエンジン
摺動部の耐久性を低下させるという問題を生じ、逆にオ
イルクーラの容量が過度に大きいと低油温での運転域が
多くなり、この低油温に伴う摩擦抵抗増による無駄な駆
動エネルギの消費という問題を生じる。そこで、通常
は、エンジンの発熱量が最大と成る高回転高負荷運転時
において、過度な油温増を抑えられ目標油温を確保でき
るだけの放熱容量を備えたオイルクーラが採用されてい
る。
【0004】例えば、図8に示す潤滑油供給系は、オイ
ルポンプ100からの圧油を受ける吐出路101と、同
吐出路の圧油の過度の圧力上昇を防止するリリーフ弁1
02と、吐出路101上のオイルフィルタ103及びそ
の下流のオイルクーラ104と、同オイルクーラを迂回
するバイパス路105上に配備されオイルクーラの流量
を調整するバイパス弁106と、メインギャラリ107
へ供給される圧油を定圧化する調圧弁108と、メイン
ギャラリ107より図示しないエンジン内の各摺動部を
経てオイル溜109に達するドレーン路110とを備え
る。
【0005】この場合、低油温で圧油の粘性が高い時や
異常により下流のメインギャラリ側の油圧が高くなった
時には、オイルクーラ104の上流の油圧が増加し、バ
イパス弁106が大きく開いてオイルクーラ104を迂
回する油量が増し、オイルクーラ104上流の油圧の過
度の上昇を抑え、しかも、オイルクーラ104を通過す
る圧油量を低減させて暖機促進を図る。一方、圧油が目
標油温近傍に達し流動抵抗が低下した暖機後において
は、オイルクーラ104上流の油圧が下がり、バイパス
弁106が閉じられてオイルクーラ104を通過する圧
油量が増大し、オイルクーラ104がその容量相当の冷
却能力を発揮し、たとえエンジンの発熱量が最大と成る
高回転高負荷運転時においても油温の過度の上昇を防止
できる。
【0006】なお、エンジンのメインギャラリへ供給さ
れる圧油を全てオイルクーラで冷却し、流量圧力調整手
段で調圧及び調量するという潤滑油供給系の一例が特開
平1−45912号公報に開示される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、特開平1−
45912号公報に開示されるエンジンの潤滑油供給系
では、オイルポンプの圧油を全てオイルクーラに通して
冷却しており、このため、例えばエンジン負荷の小さい
運転時や、低回転時には過剰冷却が進み易い。更に、図
8のエンジンの潤滑油供給系の場合のようにバイパス路
105のバイパス弁106が感圧式であると、吐出路1
01の圧油が低温で粘度が高い時、あるいは、異常によ
り下流のメインギャラリ側の圧力が高くなった時以外の
運転域では、圧油の大部分はバイパス路105を通過す
ること無くオイルクーラ104に流入する。このため、
ここでのバイパス弁106は過度の圧力上昇を抑えるこ
とには適するが、大部分の運転域で過剰冷却が進み易
く、油温調整の機能は十分ではない。特に、潤滑油の油
温を目標油温に速やかに導くという機能は低く、結果と
してエンジン本体内の摺動部での摩擦抵抗の低下を図れ
る運転域が狭まり、エンジンのエネルギ損失が増してし
まう。
【0008】本発明の目的は、エンジンの潤滑油を目標
油温に速やかに導くことができ、過冷却に伴う流動抵抗
増による駆動エネルギの損失を低減し、摩擦抵抗の低下
した運転域を広げて燃費向上を図れるエンジンの潤滑装
置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、エン
ジン駆動のオイルポンプによりオイル溜の油をオイルク
ーラに圧送し、同オイルクーラを通過した圧油をエンジ
ン潤滑部に供給し、特に、上記オイルクーラを迂回する
バイパス通路に設けられた油温制御弁が、上記オイルク
ーラへ流入する圧油の量を制御し、油温センサが上記圧
油の油温を検出し、その上で、コントローラが上記圧油
の目標油温に対する油温偏差が所定偏差幅内に入ると上
記油温制御弁を所定のデューティー比で制御し、上記所
定偏差幅外では上記油温制御弁を連続開閉制御する。従
って、圧油の目標油温に対する油温偏差が所定偏差幅内
に入ると、即ち、目標値に近づくと、油温制御弁を所定
のデューティー比で制御して油温の変化率を小さく抑え
て油温がオーバーシュートすることなく目標油温に速や
かに収束するように制御でき、上記所定偏差幅に入る前
後では、油温制御弁を連続開閉制御して油温の変化率を
高めて油温が目標油温に早く近づくようにその制御の応
答性を高めるようにできる。
【0010】請求項2の発明は、請求項1記載のエンジ
ンの潤滑装置において、特に、エンジン負荷検出手段に
より上記エンジンの負荷を検出し、その上で、上記コン
トローラが上記吐出油の目標油温に対する油温偏差が所
定偏差幅内に入った上で、上記エンジン負荷が設定値以
下の時は、上記油温制御弁を所定のデューティー比で制
御し、上記エンジン負荷が設定値を上回る時は、上記油
温制御弁を連続閉制御する。従って、吐出油の油温偏差
が所定偏差幅内に入った上で、エンジン負荷が設定値を
下回る時は、油温制御弁を所定のデューティー比で制御
して油温の変化率を小さく抑えて油温がオーバーシュー
トすることなく目標油温に速やかに収束するように制御
でき、エンジン負荷が設定値以上の時は、油温制御弁を
連続閉制御して吐出油を全てオイルクーラに導き、油温
の過度の上昇を抑えるという制御を応答性良く行うこと
ができる。
【0011】
【発明の実施の形態】図1には本発明の適用されたエン
ジンの潤滑装置を示した。この潤滑装置は図示しない車
両用のディーゼルエンジンに装備され、同エンジンのエ
ンジン本体1内の図示しない各摺動部に圧油を分流して
それぞれに供給し、各摺動部の潤滑及び冷却を行ってい
る。このエンジンの潤滑装置は、潤滑油循環系A及び同
潤滑油循環系内の潤滑油の流動を制御する制御手段Bと
で構成される。
【0012】ここで潤滑油循環系Aは、図示しないエン
ジン回転伝達系に連動して回転する油圧発生源としての
オイルポンプ2と、オイルポンプ2からの圧油を送油す
る吐出路3と、吐出路3上でオイルポンプ2の直後の位
置に配備される油圧制御弁4と、吐出路3上のオイルフ
ィルタ5及びその下流のオイルクーラ6と、同オイルク
ーラを迂回するバイパス路7と、バイパス路7上に配備
されオイルクーラ6に流入する圧油量を調整する油温制
御弁8と、吐出路3上でバイパス路7の下流側に配置さ
れ圧油の油温を検出する油温センサ9及び油圧を検出す
る油圧センサ11と、エンジン本体1内の各エンジン潤
滑部に連通するメインギャラリ12と、メインギャラリ
12より図示しないエンジン内の各摺動部を経て流下す
るオイルをオイル溜14に導くドレーン路13とを備え
る。
【0013】吐出路3上の油圧制御弁4は比例制御弁で
あり、この油圧制御弁4は圧油をオイル溜14に直接戻
すリークポート405を開閉する弁体401をバネ40
2で閉弁付勢している。バネ402のバネ受け403の
中央にはチェック弁408を配備すると共に同弁を可動
鉄芯404で閉弁付勢し、この可動鉄芯404を開放駆
動するソレノイド406を後述のコントローラ15に接
続している。なお、弁体401は吐出路3上の圧油を流
入する中央穴hを形成され、この中央穴hを流動する制
御油の流速に応じリークポート405をバネ402の弾
性力に抗して開放し、圧油をオイル溜14に直接戻すこ
とができる。中央穴hよりチェック弁408に流入した
制御油はドレーンポート407を経てオイル溜14に戻
される。
【0014】この場合、後述するように弁開度相当の出
力値Ipでソレノイド406を駆動するとチェック弁4
08がこの出力値Ipに応じて変位し、このチェック弁
408を通過する制御油の流速に応じて弁体401がバ
ネ402に抗して変位しリークポート405を所定の開
度に切り換える。そして、そのリークポート405の開
度、即ち、出力値Ipに比例した相当量の圧油が直接オ
イル溜14に戻され、これにより、吐出路3よりメイン
ギャラリ12に向かう圧油を目標油圧(制御圧)Pαに
調整することができる。オイルフィルタ5は吐出路3の
圧油を全て濾過し、下流のオイルクーラ6及びバイパス
路7側に供給する。オイルクーラ6は吐出路3からの圧
油をエンジン本体1より循環してくる冷却水で冷却し、
メインギャラリ12側に供給する。油温センサ9及び油
圧センサ11は、オイルクーラ6の下流側でバイパス路
7との合流部aの直後に配置され、オイルクーラ6で冷
却された圧油と冷却されてないバイパス路7からの圧油
との混合圧油の油温Ot及び油圧Poを検出する。
【0015】バイパス路7上に配備された油温制御弁8
はデューティー弁であり、この油温制御弁8は流出ポー
ト805を開閉する弁体801をバネ802で閉弁付勢
し、このバネ802のバネ受け803の中央にチェック
弁808を配備すると共に同弁を可動鉄芯804で閉弁
付勢し、この可動鉄芯804を開放駆動するソレノイド
806を後述のコントローラ15に接続している。弁体
801は中央穴iより圧油を流入でき、この流入した制
御油はチェック弁808よりドレーンポート807を経
てオイル溜14に戻される。なお、ここで用いる油温制
御弁8のソレノイド806は、可動鉄芯804及びチェ
ック弁808を介し弁体801を駆動するので、弁体を
直接駆動するソレノイドよりその励磁力が小さくて済
み、ソレノイド及び制御弁全体の小型化を図り易く成っ
ている。
【0016】ここでの油温制御弁8は、オン時に可動鉄
芯804が退却作動してチェック弁808を開放させ
る。この際、中央穴iよりドレーンポート807に向か
う制御油の流速に応じて弁体801が移動して流出ポー
ト805を開放させ、これにより圧油をバイパス路7及
び合流位置aを通過させてメインギャラリ12に流入さ
せる。この場合、単位時間当たりの開放(オン)時間の
比であるデューティー比Duに応じチェック弁808を
通過する制御油量が変化する。即ち、デューティー比D
u(=0)では制御油の流速がゼロで、弁体801はバ
ネ802で閉弁付勢され、流出ポート805及びバイパ
ス路7は閉鎖され、この時圧油は全てオイルクーラ6を
経てメインギャラリ12に供給される。
【0017】一方、デューティー比Du(=100)で
は制御油の流速が最大となり、弁体801はバネ802
の閉弁付勢力に抗して移動し、流出ポート805及びバ
イパス路7を全開し、オイルクーラ6の流量を低減さ
せ、メインギャラリ12に向かう圧油の油温(合流部a
の直後の油温)を増加させる。ところで、潤滑油循環系
A内の潤滑油の流動を制御する制御手段Bは、油圧制御
弁4を比例制御し、油温制御弁8を所定のデューティー
出力で駆動するコントローラ15により構成される。コ
ントローラ15には、エンジンの負荷としてのレバー開
度位置Lq信号がエンジン負荷検出手段をなす負荷セン
サ16により、エンジン回転数Ne信号がエンジン回転
センサ17により、エンジンの冷却水温Wt信号が水温
センサ18により、圧油の油温Ot信号が油温センサ9
により、圧油の油圧Poが油圧センサ11によりそれぞ
れ入力される。
【0018】このコントローラ15は次のような機能を
備える。即ち、圧油の目標油温Otに対する油温偏差Δ
Otが所定偏差幅である不感帯幅e内に入ると油温制御
弁8を所定のデューティー比Duで制御し、所定偏差幅
(不感帯幅)e外では油温制御弁8を連続開閉制御す
る。更に、圧油の目標油温Otに対する油温偏差ΔOt
が所定偏差幅である不感帯幅e内に入った際に、エンジ
ン負荷としてのレバー開度位置Lq信号が設定値Lq1
以下では油温制御弁8を所定のデューティー比Duで制
御し、エンジン負荷が設定値Lq1を上回ると油温制御
弁8を連続閉制御する。
【0019】このようなエンジンの潤滑装置の作動及び
同装置内のコントローラの行う制御処理を図6及び図7
の各制御ルーチン及び図2の制御特性線図に沿って説明
する。
【0020】コントローラ15は図示しないエンジンキ
ーのオンに伴い図示しないメインルーチンの制御処理に
入り、各センサや各制御弁の初期設定や故障判定を行
い、その上で、順次、油圧及び油量調整のための油圧制
御ルーチン(図6参照)、本発明の制御機能の要部を成
す油温油温制御ルーチン(図7参照)に達し、各制御処
理を行う。図6の油圧制御ルーチンに達すると、ステッ
プa1では各センサよりエンジン回転数Ne、負荷とし
てのレバー開度位置Lq、圧油の油圧Po、圧油の油温
Otの各データをそれぞれ取り込み、これら最新値によ
り各データの所定の記憶エリアの値を更新する。ステッ
プa2では図3の吐出圧マップM1より目標油圧を設定
する。この場合、現在のエンジン回転数Ne及び負荷と
してのレバー開度位置Lqに応じた圧油の目標油圧Pα
(ポンプ吐出圧)を求める。
【0021】なお、この吐出圧マップM1は、図3に破
線で示すように、レバー開度位置Lq(負荷)が0%よ
り100%側に増大するのに応じて目標油圧Pαを増加
させ、即ち吐出量を増加させるように設定する。このよ
うな設定により、図示しない各エンジン摺動部の潤滑信
頼性を高めることができる。ステップa3,a4では、
現状油圧Poと目標油圧Pαの差圧Δpを算出し、この
差圧Δpを打ち消す、即ち目標油圧Pαが得られる弁開
度(ここでは開度相当の出力値)Ipを所定の差圧Δp
−弁開度変換マップ(図示せず)で決定する。この後、
ステップa5では今回の弁開度Ipの出力で油圧制御弁
4を駆動し、即ちリークポート405より直接オイル溜
14に戻る圧油の漏れ量を調整し、これによって吐出路
3の下流のメインギャラリ12へ供給される圧油を目標
油圧Pα、即ち目標流量に調整し、メインルーチンに戻
る。
【0022】上述の油圧制御ルーチンでは、レバー開度
位置(負荷)Lqが増大(100%側)していると、目
標油圧Pαを高め、即ち、エンジン潤滑部への圧油の供
給量を高め、潤滑特性を良好に維持できる。逆に、レバ
ー開度位置(負荷)Lqが低い(0%側)と、目標油圧
Pαを低下させ、即ち、エンジン潤滑部への潤滑油の無
駄な供給を抑え、エンジンのエネルギ損失を低減し燃費
の向上を図れる。一方、図7の油温制御ルーチンに達す
ると、ステップb1では各センサより負荷としてのレバ
ー開度位置Lq、圧油の油温Ot、エンジンの冷却水温
Wtの各データをそれぞれ取り込み、各データの所定の
記憶エリアの値を更新する。ステップb2では圧油の油
温Otがエンジンの冷却水温Wtを上回るか否か判断
し、上回ると(図2の時点t0参照)暖機完了としてス
テップb3に、そうでないと、冷態始動時と見做しステ
ップb7に進む。
【0023】ステップb7ではデューティー比Du(=
0)に設定し、ステップb12においてDu(=0)相
当の出力で油温制御弁8を駆動する。この場合チェック
弁808が閉じて制御油は流れず、弁体801が流出ポ
ート805及びバイパス路7を閉鎖する。この時、図2
中の暖機領域E0にあり、水温Wtが油温Otより高
く、低油温Otの圧油は全てオイルポンプ2よりオイル
クーラ6に流入し、水温Wt(>Ot)の冷却水により
温められて油温の上昇を早め、即ち、エンジンの暖機促
進を図れる。ここではオイルクーラ6を加熱器として用
いて油温Otの上昇を早め、エンジンのエネルギ損失を
早期に低減させることができる。圧油の油温Otがエン
ジンの冷却水温Wtより高まり暖機完了ではステップb
3に進む。ここでは現在の実油温Otと目標油温Oαと
の偏差ΔOtを求める。次いで、ステップb4で偏差Δ
Otが不感帯(デューティー制御帯)e内に入ったか否
か判断し、入らない間はステップb6に進み、入るとス
テップb5に進む。ステップb6では、更に、目標油温
Oαより実油温Otが大きいか否か判断し、Yesでス
テップb9にNoでステップb8に進む。
【0024】ステップb8に達すると、この運転域では
実油温Otが目標油温Oαより低く、暖機域(図2中の
領域E0)を脱した直後、あるいは低温での一般走行域
にあると見做し、実油温Otを目標油温Oαに急速に近
付ける(高める)べく、バイパス路7を全開(ON)す
るための最大のデューティー比Du(=100)を設定
し、ステップb12においてデューティー比Du(=1
00)で油温制御弁8を駆動してメインルーチンに戻
る。これにより、油温制御弁8ではチェック弁808が
開き制御油が流れ、弁体801が流出ポート805及び
バイパス路7を全開し、オイルクーラ6に流入する圧油
量は急減して油温の急速上昇を図れ、即ち、エンジンの
暖機促進を図ることができる。
【0025】ここで、図2、図5に2点鎖線で示す無制
御状態時(バイパス路7が閉じ、オイルクーラ6で圧油
が過冷却される状態)のような場合であると、エンジン
回転数Neが低い一般走行運転域では油温があまり上昇
せず、この運転域が長引くと圧油の粘性によるエネルギ
損失が増加するが、図1のエンジンの潤滑装置の場合で
は、エンジン回転数Neが低い一般走行運転域でも、目
標油温Oα(図5参照)を設定し、同油温に早期に近づ
くように、即ち応答性を向上させるように制御できるの
で、早期に圧油の粘性によるエネルギ損失の増を抑え、
従来装置より、燃費向上を図れる。
【0026】次に、ステップb4で偏差ΔOtが不感帯
(デューティー制御帯)e内に入った(図2の時点t
1)としてステップb5に達すると、ここでは、実負荷
としてのレバー開度位置Lqが一定値Lq1を上回り、
且つ、負荷変化率dLq/dtが設定変化率βを上回る
か否か判断し、Yesでステップb9に、Noでステッ
プb10に進む。ここでの一定値Lq1は一般走行を判
定するレバー開度位置に基づき設定される。負荷変化率
dLq/dtは前回と今回のレバー開度位置の偏差(=
Lqn−Lqn-1)を1制御周期dtで除算して求めら
れ、設定変化率βは油温上昇がこのまま急激に生じ目標
油温Oαを上回る比率が高いと見做される所定の変化率
値に設定される。不感帯(デューティー制御帯)e内に
あって、レバー開度位置Lqが一定値Lq1を上回り、
負荷変化率dLq/dtが設定変化率βより大きい場合
には、ステップb5よりステップb9に進む。
【0027】ここでは、この後、油温が目標油温Oαを
上回ると予測されることより、ここでは急速冷却処理に
入る。即ち、ここでは、バイパス路7を閉じ、オイルク
ーラ6に圧油を全て流入させるべく、デューティー比D
u(=0)に設定し、ステップb12においてデューテ
ィー比Du(=0)相当の出力で油温制御弁8を駆動
し、メインルーチンに戻る。これによって、油温制御弁
8のチェック弁808が閉じ制御油が流れず、弁体80
1が流出ポート805及びバイパス路7を全閉し、オイ
ルクーラ6に圧油を全て流入させて冷却水で油温の急速
上昇を抑制し、即ち、油温が目標油温Oαを大きく上回
るオーバーシュートを抑制し、実油温を目標油温Oαに
速やかに収束させるように予測制御を行う。なお、この
ステップb9には上述のステップb6で油温が目標油温
Oαを上回るとの判断に応じて達する場合があり、この
場合も急速冷却処理を至急行うことと成る。
【0028】エンジン運転域が不感帯(デューティー制
御帯)e内にあるとしてステップb5に達し、ここでレ
バー開度位置Lqが一定値Lq1以下、あるいは負荷変
化率dLq/dtが設定変化率β以下の場合は、目標油
温Oαを実油温Otが急激に上回ることはない場合であ
り、ステップb10に進む。ここでは、この後、油温が
目標油温Oαに速やかに収束するようにデューティー制
御処理に入る。即ち、ここでは、ステップb3で求めた
油温の偏差ΔOt相当のデューティー比増減量ΔDuを
求め、現在のデューティー比Duにデューティー比増減
量ΔDuを加算あるいは減算して、今回のデューティー
比Duを更新する。なお、ここでのステップb10の演
算処理に代えて、実油温Ot相当のデューティー比Du
を図4に示すようなデューティー比マップM2により直
接演算し、今回のデューティー比として設定することも
可能である。この場合も不感帯eに入ると油温上昇に応
じデューティー比Du2を減少させ、バイパス路7をし
ぼり、オイルクーラ6に流入する圧油量を増加させ、油
温上昇率を低下させるよう設定する。
【0029】その後ステップb11に達すると、今回の
デューティー比Du相当の出力で油圧制御弁4を駆動
し、メインルーチンに戻る。即ち、ここでは、デューテ
ィー比Du2相当の出力で可動鉄芯804がチェック弁
808の開き量を調整することとなり、その開き量相当
の制御油が流れ、弁体801が制御油の流量相当移動し
て流出ポート805及びバイパス路7を開き、オイルク
ーラ6に流入する圧油量を増減し、合流点aの下流側の
油温を増減調整し、即ち、実油温を目標油温Oαに収束
させるようにデューティー制御(図2参照)を行うこと
ができる。
【0030】図1のエンジンの潤滑装置によれば、圧油
の目標油温Otに対する油温偏差ΔOtが所定偏差幅で
ある不感帯幅e外では油温制御弁8を連続開閉制御し、
これによって、油温制御弁8のチェック弁808が閉じ
てバイパス路7を全閉し、オイルクーラ6に圧油を全て
流入させて冷却水で油温の急速上昇を抑制し、即ち、油
温が目標油温Oαを大きく上回るオーバーシュートを抑
制し、実油温を目標油温Oαに速やかに収束させるよう
に予測制御を行う。更に、圧油の目標油温Otに対する
油温偏差ΔOtが所定偏差幅である不感帯幅e内に入る
と、この時の油温偏差ΔOtや実油温Otに基づきデュ
ーティー比Duを更新し、そのデューティー比Duで油
温制御弁8を駆動制御し、これによって、実油温を目標
油温Oαに速やかに収束させることができ、速やかに目
標油温を確保でき、過冷却に伴う流動抵抗増による駆動
エネルギの損失を低減し、燃費向上を図れる。
【0031】上述のところにおいて、図1のエンジンの
潤滑装置は吐出路3のオイルポンプ2の直下に油圧制御
弁4を配備して、油圧及び油量を調整していたが、同油
圧制御弁4を装置簡素化のため排除し、油温制御弁8の
みを装備したエンジンの潤滑装置を用いても良く、この
場合も本発明を適用し、同様の作用効果を得られる。更
に、図1のエンジンの潤滑装置の油温制御弁8はバイパ
ス路7をしぼり調整する弁体801と同弁体の移動量を
操作するチェック弁808及び同チェック弁を開閉駆動
するソレノイド806とを組み合わせた構成を採ってい
るが、直接バイパス路をしぼり調整する弁体をソレノイ
ドで駆動するデューティー弁で構成しても良く、この場
合も図1の装置と同様の作用効果を得られる。
【0032】更に、図1のエンジンの潤滑装置はディー
ゼルエンジンに装備されるものとして説明したが、これ
に限定されるものではなく、オイルクーラとこれを迂回
するバイパス路を有した潤滑油循環系を備えるガソリン
エンジン等のその他のエンジンにも本発明を同様に適用
でき、同様の作用効果を得られる。
【0033】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明は、圧油
の目標油温に対する油温偏差が所定偏差幅内に入ると、
即ち、目標値に近づくと、油温制御弁を所定のデューテ
ィー比で制御して油温の変化率を小さく抑えて油温がオ
ーバーシュートすることなく目標油温に速やかに収束す
るように制御でき、所定偏差幅に入る前後では、油温制
御弁を連続開閉制御して油温の変化率を高めて油温が目
標油温に速やかに近づくように、即ち、制御の応答性を
高めるようにできる。
【0034】請求項2の発明は、特に、吐出油の油温偏
差が所定偏差幅内に入った上で、エンジン負荷が設定値
を下回る時は、油温制御弁を所定のデューティー比で制
御して油温の変化率を小さく抑えて油温がオーバーシュ
ートすることなく目標油温に速やかに収束するように制
御でき、エンジン負荷が設定値以上の時は、油温制御弁
を連続閉制御して吐出油を全てオイルクーラに導き、油
温の過度の上昇を抑えるという制御を応答性良く行うこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の適用されたエンジンの潤滑装置の全体
構成図である。
【図2】図1中のコントローラが行う油温制御特性線図
である。
【図3】図1中のコントローラが用いるポンプ吐出圧設
定マップの特性線図である。
【図4】図1中のコントローラが使用可能な油温対応デ
ューティー比設定マップの特性線図である。
【図5】図1中のコントローラの油温制御で用いる目標
油温とエンジン回転数との相関を示す特性線図である。
【図6】図1中のコントローラが行う油圧制御ルーチン
のフローチャートである。
【図7】図1中のコントローラが行う油温制御ルーチン
のフローチャートである。
【図8】従来のエンジンの潤滑装置の概略構成図であ
る。
【符号の説明】
1 エンジン 2 オイルポンプ 3 吐出路 4 油圧制御弁 6 オイルクーラ 7 バイパス通路 8 油温制御弁 9 油温センサ 12 メインギャラリ(エンジン潤滑部側) 14 オイル溜 15 コントローラ 16 負荷センサ e 不感帯(デューティー制御帯) Lq レバー開度位置(エンジン負荷) Ot 油温

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジン駆動のオイルポンプによりオイル
    溜の油をオイルクーラに圧送し、同オイルクーラを通過
    した圧油をエンジン潤滑部に供給するエンジンの潤滑装
    置において、 上記オイルクーラを迂回するバイパス通路に設けられ、
    上記オイルクーラへ流入する圧油の量を制御する油温制
    御弁と、 上記圧油の油温を検出する油温センサと、 上記圧油の目標油温に対する油温偏差が所定偏差幅内に
    入ると上記油温制御弁を所定のデューティー比で制御
    し、上記所定偏差幅外では上記油温制御弁を連続開閉制
    御するコントローラとを備えたことを特徴とするエンジ
    ンの潤滑装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載のエンジンの潤滑装置におい
    て、 上記エンジンの負荷を検出するエンジン負荷検出手段を
    備え、 上記コントローラは上記圧油の目標油温に対する油温偏
    差が所定偏差幅内に入った際に、上記エンジン負荷が設
    定値以下では上記油温制御弁を所定のデューティー比で
    制御し、上記エンジン負荷が設定値を上回ると上記油温
    制御弁を連続閉制御することを特徴とする請求項1記載
    のエンジンの潤滑装置。
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