JPH10288010A - シ ム - Google Patents

シ ム

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JPH10288010A
JPH10288010A JP31611597A JP31611597A JPH10288010A JP H10288010 A JPH10288010 A JP H10288010A JP 31611597 A JP31611597 A JP 31611597A JP 31611597 A JP31611597 A JP 31611597A JP H10288010 A JPH10288010 A JP H10288010A
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JP
Japan
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shim
ceramic
metal member
cam
valve
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JP31611597A
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English (en)
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Masahito Taniguchi
雅人 谷口
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Niterra Co Ltd
Original Assignee
NGK Spark Plug Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐久性を確保しつつ低摩耗性、耐摩耗性に優
れたシムをうる。 【解決手段】 エンジンの動弁装置用のカム55とバル
ブリフタ54との間に介装されるシム1で、セラミック
部材2と金属部材3とをロー付け接合した。カム55と
摺動接触する側にセラミック部材2を配置し、バルブリ
フタ54と加圧接触する側に金属部材3を配置すること
で、カム55との摺動接触はセラミック2との接触によ
るから摺動摩擦を低減できる。またバルブジャンプ等の
衝撃荷重を受けるバルブリフタ54との接触側には靭性
のある金属部材3を配置できるから耐久性も高い。さら
に、バルブリフタの頂部への隙間嵌め精度は金属部材3
の外径の加工精度で対応できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、吸排気弁を開閉駆
動するエンジンの動弁装置を構成するカムとバルブリフ
タとの間に介装され、その間隙を調節するためのシムに
関する。
【0002】
【従来の技術】図9は、吸排気弁を開閉駆動するエンジ
ンの動弁機構のうちDOHCタイプの構造を示してい
る。このものにおいては、吸排気弁51のバルブステム
52の上端に、シリンダヘッド53に摺動自在に支持さ
れた円筒状のバルブリフタ(タペット)54を被せるよ
うにして取付け、このバルブリフタ54の頂面(端面)
54aに、この頂面54aとカム55との間の間隙(隙
間)の調節をするため、所定厚さで円形や楕円形に形成
されたシム56が介装(載置)されている。
【0003】このような動弁機構では、シム56がカム
55の相手部材(摺動面)をなすことから、その材質に
は従来焼入れ鋼や浸炭鋼などのHRC50以上の高硬度
の金属が採用されている。とはいえ、このような金属製
シム56ではスカッフィングなどの問題に十分対応でき
ないことがある。加えて、エンジンの高出力(高速)
化、低燃費化の一層の要請により、こうした動弁系に要
求される設計条件は益々厳しくなっており、低摩擦性
(摩擦係数が小さいこと)、軽量化などが厳しく要求さ
れている。そこで、このようなシムについてもセラミッ
ク化したいといった要請がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、シムは厚さ
が数mmと薄く、セラミック製とした場合には靭性に劣
るため、エンジンの過(高)回転域で発生しがちなバル
ブのジャンピング現象による衝撃で破損(割れ)する危
険性があるなど耐久性に難点がある。一方、強度確保の
ために厚くすればコストアップや重量増を招いてしま
う。そして従来のカムとバルブリフタとの隙間には介装
が不可能となってしまう。
【0005】こうした中、金属製シム本体の表面にセラ
ミック(TiN)コーティングしたものが一部実用化さ
れているが、このものではそのセラミック層が数μmと
薄く、したがって、耐摩耗性が十分とはいえない。本発
明は、このような従来のシムのもつ問題点を解消し、さ
らにはエンジンの高出力化に寄与することのできるシム
を提供することをその目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の問題点を解消する
ための請求項1に係る発明の構成は、吸排気弁を開閉駆
動するエンジンの動弁装置を構成するカムとバルブリフ
タとの間に介装されるシムであって、一方の主表面がセ
ラミックで他方の主表面が金属となるように、セラミッ
ク部材と金属部材とをロー(ろう)付けにより接合して
なることを特徴とするものである。
【0007】請求項1に係るシムにおいては、カムと摺
動接触する側(一方の主表面)がセラミックとなり、バ
ルブリフタと加圧接触する側(他方の主表面)が金属と
なるようにしてカムとバルブリフタとの間に介装する。
こうすることで、カムとの摺動接触はセラミックとの接
触によるから摺動接触する際の摩擦を低減できる。そし
て反対側には金属部材が位置することから、バルブジャ
ンプ等の衝撃荷重によるセラミックの破損を有効に防止
できる。
【0008】すなわち、上記手段においては、シム全体
が金属製のものに比べると、カムの相手部材としての摺
動面はセラミックであるから摩擦を低減でき、さらに
は、低摩耗性及び軽量化も実現される。一方、全体がセ
ラミック製でないからセラミックの使用量が少くてすむ
ので著しいコストアップを招くこともない。その上に、
バルブリフタとの接触側の金属部材により、バルブのジ
ャンピング現象等による衝撃荷重にも有効に対抗でき
る。しかもセラミック部材は金属部材に比べて熱膨張係
数が小であることから、そのロー付け接合後にはセラミ
ックに圧縮応力が働くため、ロー付け前のセラミックよ
りも耐衝撃性が向上する。さらに、セラミックをコーテ
ィングしたものに比べて、セラミック層を格段と厚くで
きるから信頼性の高い低摩擦性を実現できるし、軽量化
も図られる。
【0009】また、上記の問題点を解消するための請求
項2に係る発明の構成は、吸排気弁を開閉駆動するエン
ジンの動弁装置を構成するカムとバルブリフタとの間に
介装されるシムであって、一方の主表面がセラミックで
他方の主表面が金属となるように、セラミック部材と金
属部材とをロー(ろう)付けにより接合すると共に、該
金属部材の外周面がセラミック部材の外周面より外側に
存在するようにしたことを特徴とするものである。
【0010】本発明では通常、金属部材とセラミック部
材ともに円形板状のものをその両部材の各主面を接合面
としてロー付け接合されて具体化される。そして、請求
項2に係るシムでは金属部材の外周面がセラミック部材
の外周面より外側に存在するようにしたため、次のよう
な作用ないし効果もある。すなわち、シムは、バルブリ
フタの頂部(頂面)の内周面(内壁面)に隙間嵌め状態
でセットされる。この際、その隙間が大きいと、ガタツ
キを生じ騒音発生の原因となることやその内周面に傷を
つけたり摩耗をおこすことより、その隙間は直径で10
0μm以下に設定される。
【0011】すなわち、シムの外径はこのような精度の
隙間嵌めが確保される程度に高寸法精度で仕上げないと
いけないが、請求項2に係るシムでは、金属部材の外周
面がセラミック部材の外周面より外側に存在するため、
隙間嵌めのための寸法精度は、その金属部材の外径の加
工精度で決められる。つまり、シム全体がセラミック製
である場合や、セラミック部材と金属部材が同一径とさ
れてロー付けされてなるシムでは、シムの外径の精度確
保のため、セラミック部材の外周をダイヤモンド砥石で
研削(研磨)仕上げする必要があり、加工コストの大幅
な増大を招いてしまう。これに対し、請求項2に係るシ
ムでは、セラミック部材の外周面は焼成状態でよく、こ
のような研磨を要しないから、低コストで所望とする精
度の隙間が得られる。
【0012】また、セラミック部材がたとえ焼成体にお
いてその外周面の精度が確保されても、未研磨状態では
その表面粗さが粗いため、バルブリフタ(金属)の頂部
の内周面(内壁面)を摩耗させてしまい、所望とする隙
間嵌め状態を維持できないことになる。これに対し、請
求項2に係るシムでは、その内周面には金属部材が接す
るようになるため、このような事態の発生を防止でき
る。なお、シムは通常円板形をなすが、その場合には金
属部材とセラミック部材共に円板形状のものとし、かつ
セラミック部材に対して金属部材が大径のものを用い、
両者を同心状にして互いに主面でロー付けすることで、
一方の主表面がセラミック部材の1主面からなり、他方
の主表面が金属部材の1主面からなると共に、金属部材
の外周面がセラミック部材の外周面より外側に存在する
シムとなる。本発明では、金属部材の外周面がセラミッ
ク部材の外周面より、片側で0.1〜0.5mm程度外
側に存在するように設定するのが、セラミック焼成品の
普通の寸法公差からして適切である。
【0013】請求項3記載のシムは、吸排気弁を開閉駆
動するエンジンの動弁装置を構成するカムとバルブリフ
タとの間に介装されるシムであって、一方の主表面がセ
ラミックで他方の主表面が金属となるように、セラミッ
ク部材と金属部材とをロー付けにより接合すると共に、
該金属部材の外周面がセラミック部材の外周面を包囲す
るように金属部材の接合面側の周縁に沿って周壁を備え
ていることにある。
【0014】この請求項3に係るシムでは、前記の作用
ないし効果に加えて次のような作用効果がある。すなわ
ち、このシムではロー付け時には金属部材の周壁の内側
にセラミック部材を嵌合状態としてロー付けできるか
ら、位置決め治具を要することなく確実に、金属部材の
外周面をセラミック部材の外周面より外側に存在させる
ことができる。したがって、その分、ロー付け作業が容
易となる。加えて、バルブリフタの頂部(頂面)の内周
面(内壁面)に対する金属部材(外周面)の接触面積
(高さ)を大きくできるので、バルブリフタの頂部の内
周面と共にシムの外周面(金属部材)の摩耗防止にも一
層有効であり、結果として隙間の増大防止効果が大き
い。
【0015】そして、本発明のシムに用いる金属部材
は、焼入れ鋼や浸炭鋼を用いればよく、合金工具鋼、ニ
ッケルクロムモリブデン鋼、クロムモリブデン鋼などを
処理したものから適宜のものを用いればよい。もっと
も、カムと摺動接触しないので、従来の金属製シムより
低硬度、低耐摩耗性材料を用いることもできる。なお、
シムの厚さは、一般には2〜4mm程度とされる。そし
て、そのうち金属部材の厚さはセラミック部材の厚さに
対して1〜2倍に設定するのが適切である。なお、セラ
ミック部材の厚さは、シムの径に対して3〜10%、よ
り好ましくは3〜5%となるように設定するのが好まし
い。
【0016】また、請求項3に係るシムにおける金属部
材の周壁の高さはセラミック部材の厚さより低く、50
〜90%程度とし、幅は0.5〜1mm程度とするのが
好ましい。なお、この周壁は連続しているのが好ましい
が、不連続或いは分割されていてもよい。なお、セラミ
ック部材はこの周壁の内側にて隙間嵌め状態でセットさ
れるようにするのが、ロー付けの信頼性も高く適切であ
る。
【0017】なお、セラミックは、窒化けい素(Si3
N4 )、ジルコニア(ZrO2 )、炭化けい素(Si
C)、サイアロンなどから選択すればよいが、このうち
窒化けい素(Si3 N4 )を主成分とするものがとくに
適切である。このものは、他のセラミックに比較して軽
量で靭性が高く、しかもカムをなす鉄系金属との相性に
優れるため、カムの摺動面を摩耗する(傷める)ことも
少いためである。
【0018】そして、上記本発明の各シムにおいては、
セラミックの主表面がクラウン形状に形成されていると
よい。ここにクラウン形状とは、セラミックの主表面が
凸をなす球面状やこれに近似の形など、セラミックの主
表面中央部が外縁に対して数μm〜数十μm高い緩勾配
の山形をいう。このようにクラウン形状としておけば、
シム(セラミック)の表面に対するカムの摺動面(接触
幅)が狭くなる(理論上線となる)ため、セラミック部
材(シムの径)を小さくできる。
【0019】すなわち、通常カムの摺動面はその回転軸
に平行に形成されているが、このようなカムでは、シム
(セラミック部材)の表面が平面(平坦)だと、カムの
摺動面のうちその幅全体が、カムの回転角に関わらず常
にシムの主表面に接触すべきである。つまり、図8に示
したように、シム11が平面で通常の円形の場合には、
シム11に対するカムの摺動接触面は、同図中ハッチン
グ部位で示したように、シムの主表面に摺動接触する長
さLについてカムの幅全体(W1)がシムの主表面の中
にあるよう、シムはこの長さL×W1が内接する以上の
大きさ(実線)とする必要がある。この際、シムの主表
面にクラウンが形成されていれば、同じカムを使用して
もカムの摺動接触面のうち、接触幅W2は破線で示した
ようにカムの幅全体W1より狭くなるため、シムの径
は、同図中2点鎖線で示したように小さくできる。した
がって、クラウンを形成すれば、同じカムを使用する場
合にはシムの小形化を図ることができ、その分軽量化を
実現できる。
【0020】逆に、このようにシムの径を小さくしない
場合には、カムの接触幅W2が狭い分、リフト量の大き
いカムを使用できるから、バルブリフトを大きく確保で
きる。すなわち、カムをその作用角に対するリフト量が
大きいものを使用できるので、吸排気抵抗の低減による
充填、排気効率の向上が図られ、燃焼効率の向上及びエ
ンジンの高出力化に寄与できる。すなわち、本発明によ
れば、カムとの摺動面をなすセラミックの主表面を耐摩
耗性の高いセラミックとしたことから、耐摩耗性が低い
金属製では実現できないクラウンを実現できるので、シ
ムの小径化(小形化)又はバルブリフトを大きくとれ
る。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に係るシムの一
実施形態例について、図1及び図2を参照して詳細に説
明する。図中1は、本実施形態例にかかるシムであり、
平面視円形の薄板状をなし、一定厚さで円形薄板形状を
なすセラミック部材(例えばSi3 N4 )2と、一定厚
さで円形薄板形状をなす金属部材(例えばニッケルクロ
ムモリブデン鋼)3を本例ではTi系活性ロー4でロー
付け接合して形成されており、全体として円板形状を呈
している。
【0022】なお、ロー付け前のセラミック部材2は、
セラミック粉体(Si3 N4 粉末)を主成分とする原材
料に、Y2 O3 −Al2 O3 系焼結助材、及びバインダ
ーを加えて混合して、所定直径、厚さに加圧成形し、そ
して所定温度で焼成した後、その両端面(両主面)を研
磨することにより形成したものである。そして、金属部
材3は、切削仕上げ後、浸炭処理し、端面を研削や研磨
することで形成される。そして、所定厚さの活性ローか
らなるロー材(箔)4を、セラミック部材2と金属部材
3との各主面の間に介在させて加熱リフローすることで
接合一体化されている。
【0023】本形態例のシム1は、図2中2点鎖線で示
したように、バルブリフタ(タペット)54の頂部とカ
ム55との間隙に、カム55と摺動接触する部位がセラ
ミック部材2の主表面2aとなるようにして配置、介装
され、従来と同様にカム55とのクリアランスの調節に
使用される。そしてこの下で、カム55の回転によって
バルブリフタ54を上下動させて吸排気弁を開閉駆動す
る際には、カム55との摺動接触はシム1をなすセラミ
ック部材2との接触によるから、従来の金属製シムに比
べて摺動摩擦を低減できる。一方、バルブリフタ54と
の接触側には靭性のある金属部材3が配置されているか
ら、バルブジャンプ等の衝撃荷重を受けてもシム全体が
セラミックからなるもののように割れることもない。
【0024】なお、本例においてシム1は、その主面が
円形のものとしたが従来同様、円形でなくとも、まった
く同様にして形成できる。また、前記では活性ローによ
ってセラミック部材2と金属部材3とロー付けした場合
を説明したが、セラミック部材2の接合面にロー付け可
能のメタライズ処理をしておき、銀ローなどでロー付け
してもよい。
【0025】さて次に本発明の請求項2に係るシムの一
実施形態例について、図3及び図4を参照して詳細に説
明する。図中1は、本実施形態例にかかるシムであり、
平面視円形の薄板状をなし、一定厚さで円形薄板形状を
なすセラミック部材(例えばSi3 N4 )2と、これよ
り大径で、一定厚さで円形薄板形状をなす金属部材(例
えばニッケルクロムモリブデン鋼(JIS SNCM6
30))3を、両部材の主面2a,3aにて本例ではT
i系活性ロー4でロー付け接合して形成されており、全
体として円板形状を呈している。こうして、セラミック
部材2の1主面2aと金属部材3の1主面3aがシムの
両主表面を成すように形成されている。
【0026】ただし、本例では、セラミック部材2の外
径D2は、25mmとされ、金属部3の外径D3は2
5.5mmとされ、金属部材3の1主面3aにセラミッ
ク部材2の1主面2aを略同心状に配置されてロー付け
されている。しかして、本例では、金属部材3の外周面
3bがセラミック部材2の外周面2bより0.25mm
外側に微小幅、突出するように設定されている。
【0027】なお、ロー付け前のセラミック部材2は、
前形態と同様、セラミック粉体(Si3 N4 粉末)を主
成分とする原材料に、前同様の焼結助材、及びバインダ
ーを加えて混合して、所定直径、厚さに加圧成形し、そ
して所定温度で焼成した後、その両端面(両主面)を研
磨することにより形成したものである。ただし、その外
径D2をなす外周面2bは焼肌(未研磨)状態のままで
ある。一方、金属部材3は、円板形状にその外径D3及
び両主面3aを切削(旋削)仕上げして一応の寸法精度
に仕上げた後、浸炭処理し、端面(両主面)3aを研削
(研磨)することで所定の精度に形成されている。因み
に、金属部材3の外径D3の寸法公差は0.05mm程
度に設定されるが、ダイヤモンド砥石によらない通常の
金属加工で対処できるから従来と同様に低コストでその
精度を出すことができる。しかして、所定厚さ(0.0
5mm)、径(φ30mm)の活性ロー(Ag−Cu−
In−Ti系など)からなるロー材(箔)4を、セラミ
ック部材2と金属部材3との各主面の間に介在させ、両
部材を同心状に位置きめし、真空中800℃で30分間
し、加熱、リフローしてN2 置換冷却することで接合一
体化されている。
【0028】本形態例のシム1は、図4中2点鎖線で示
したように、バルブリフタ(タペット)54の頂部(頂
面)54a上の内壁面54bの内側に所定の設定隙間
δ、例えば片側30μmで遊嵌状に載置され、カム55
と摺動接触する部位がセラミック部材2の主面2aとな
るようにして配置、介装され、従来と同様にカム55と
のクリアランスの調節に使用される。そしてこの下で、
カム55の回転によってバルブリフタ54を上下動させ
て吸排気弁を開閉駆動する際には、前記請求項1の形態
例の場合とまったく同様の作用効果がある。
【0029】そして、バルブリフタ54の頂部(頂面)
54aの内周面(内壁面)54bにおける設定隙間は、
金属部材3の外周面(外径D3)3aの精度に依存す
る。そして、バルブリフタ54の頂部の内壁面54bに
は、金属部材3の外周面3bが当接するから、硬度のセ
ラミック部材が当接する場合のようにその内壁面54b
を過度に摩耗させることもない。
【0030】図5,6は、請求項3に係るシムの実施形
態を示すものであるが、前記した請求項2に係るシムの
実施形態と本質的相違はないので相違点のみ説明する。
すなわち、このシム21は、金属部材23が所定の外径
D3で一定厚さをなす円形基板部20と、そのロー付け
接合面をなす1主面23aの周縁に沿って所定の幅W、
高さHの断面矩形をなす周壁25とから形成されてい
る。一方、セラミック部材22は、金属部材23の周壁
25の内径D25よりやや小さい一定厚さの円板形状と
されている。そして、金属部材23における周壁25の
内側(凹部)の主面23aにセラミック部材22を内挿
状態とし、両主面22a,23a間にロー材4を配置し
てロー付けされている。なお各部の寸法は、金属部材2
3については円形基板部20の厚さが、例えば2mm、
外径D3が31mm、周壁25の幅Wが0.5mm、高
さHが1mmとされ、周壁25における内径D25は3
0mmとされている。また、セラミック部材22は、そ
の外径D2が29.5mm、厚さが2mmとされてい
る。
【0031】このシム21においては、金属部材23の
周壁25がロー付け時の位置決め手段(位置決め治具)
をなすことから、ロー付け作業が容易となる。しかも、
金属部材23は、その円形板部20の外周面20bに加
えて周壁25の外周面25bもバルブリフタ54の頂部
54aの内壁面54bと当接するから、その接触面積を
大きくできる。したがって、バルブリフタ54にセット
されて使用される場合、シム21の外周面をなす金属部
材23の外周面とバルブリフタ54の頂部54aの内壁
面54bの両者とも摩耗を低減することができる。
【0032】なお、前記においてシム1、21は、その
主面が円形のものとしたが本発明では従来同様、円形で
なくとも具体化できることは明らかである。また、前記
では活性ローによってセラミック部材と金属部材とロー
付けした場合を説明したが、セラミック部材の接合面に
ロー付け可能のメタライズ処理をしておき、銀ローなど
でロー付けしてもよい。
【0033】また、図7は、図1に示した請求項1に係
る実施形態のシムにおいて、セラミック部材12のなす
主表面(外側の主面)12aをクラウン形状としたシム
11の形態例であり、同図の形態例とはクラウン形状の
有無が相違するだけであるから、同一部位には同一の符
号を付し、クラウン形状の有無による相違点のみ説明す
る。すなわち、本形態例ではセラミック部材12の主表
面12aが凸をなす球面状に形成され、主表面12aの
中央が外縁に対して所定高さH高いクラウンとされてい
る。しかして、本例のシム11は前例同様にして動弁装
置を構成するカムとバルブリフタとの間に、セラミック
部材12の主表面12aがカムと摺動接触するようにし
て介装される。
【0034】その際、カムは、その摺動面にてセラミッ
ク部材12に接触するがその主表面12aが凸をなす球
面状とされているため、図8に示したように、セラミッ
ク部材12の直径方向に配置されたカム55は、破線で
示したように直径方向において微小幅W2でセラミック
部材12の主表面12aに接触する。すなわち、クラウ
ン形状とされていないシムの場合に同じカム55を用い
る場合には、その幅全体W1でセラミック部材12の主
表面12aに接触するが、クラウン形状とされているシ
ム11を用いる場合には、クラウン形状とされていない
シムを用いる場合よりもシムの直径を2点鎖線で示した
ように小さくできるから、その分軽量化が図られる。
【0035】一方、シム11の直径を従来と同じとすれ
ば、カムのリフト量が大きいものを使用できるから、吸
排気弁のリフトを増大でき、したがって、エンジンの高
出力化に寄与できる。なお、クラウンの高さHは、シム
が円形の場合にはその直径にもよるが、通常、5μm〜
50μmの範囲がよい。5μmより小さいとクラウンの
効果が現れにくい一方、50μmより大きいとカムとの
接触面圧が過大となるためである。
【0036】このようなクラウンは、セラミック部材の
焼結前でも後でも、さらに焼結後においてはロー付けの
前又は後でも研磨することで形成できるが、セラミック
部材に、金属部材より熱膨張係数がなるべく小さいセラ
ミックを使用し、これを一定厚さに形成し、一定厚さの
金属部材にロー材層を介して重ね、その下で所定の高温
に加熱してロー付けにより接合すると同時に接合部を冷
却させることによってセラミック主表面が膨らむように
反らせ、クラウンを形成するとよい。この様にしてクラ
ウンを形成する場合には、セラミック表面の研磨を要し
ないので低コストで形成できる。
【0037】なお、加熱(接合時)温度は、所望とする
クラウン高さが得られるように、セラミック部材、金属
部材の材質に応じて適宜に決めればよい。ただし、この
ようにしてクラウンを形成した場合には、金属部材のな
す主表面(外側の主面)が逆に凹むように反る。したが
って、金属部材を厚めのものとし、セラミック部材のロ
ー付け後において金属部材の主表面を平坦に加工すると
よい。この様な加工を要するとしても、セラミックを研
磨することでクラウン形状を形成することに比べれば容
易にそれを形成できる。なお、セラミックの主表面を、
クラウン形状に形成することは、請求項2及び3に係る
シムにおいても、同様にして具体化でき、同様の作用、
効果があることは明らかである。
【0038】
【実施例】次に図1及び2に示したシムについて、表1
に示した各セラミック部材、金属部材の組み合わせで、
真空条件下でロー付けして、試料No.1〜5の試料(シ
ム)を製造し、これを3.6Lの4気筒DOHCのディ
ーゼルエンジンに組み込み、カムとのクリアランスを通
常の2倍として、定格回転数の140%でモーターリン
グ試験を最大500時間行い、セラミック部材の破損状
況を確認した。試料はいずれもセラミック部材が、外径
30mm、厚さ1.5mm、金属部材が外径30mm、
厚さ2.5mmのものをロー付け接合したものであり、
クラウンはないものである。なお、比較例(試料No.6
〜8)として、全体が窒化けい素、ジルコニア、又は炭
化けい素からなるシム(厚さ4mm)をつくり、同一の
試験をして比較した。結果は表1中に示した通りであ
る。
【0039】
【表1】
【0040】表1中に示されるように、本発明品(試料
No1〜5)では、500時間経過後でも、いずれも破損
しなかった。これに対し、全体がセラミックの比較例
(試料No6〜8)のものでは22時間以内で破損した。
このことは、本発明のシムによれば、カムとの摺動接触
を成す部位がセラミックでありながらも、耐久性が格段
と高いことを実証している。
【0041】さて次に図3及び4に示したシムついて、
表2に示した各セラミック部材、金属部材の組み合わせ
で、真空条件下でロー付けして、実施例試料No.1〜5
の試料(シム)をそれぞれ5個製造し、これを3.6L
の4気筒OHCのディーゼルエンジンに組み込み、カム
とのクリアランスを通常の2倍として、定格回転数の1
40%でモーターリング試験を最大500時間行い、バ
ルブリフタの頂部の内壁面の摩耗状況を確認した。試料
はいずれもセラミック部材が、外径30.5mm、厚さ
1.5mm、金属部材が外径31mm、厚さ2.5mm
のものをロー付け接合したものであり、クラウンはない
ものである。なお、比較例(試料No.6,7)として、
セラミック部材と金属部材の外径が同一となるように外
周面をダイヤモンド砥石で研磨仕上げしたもの(試料N
o.6)と、両部材の外径が同一であるが外周面を研磨
仕上げしてないもの(試料No.7)を、それぞれ同数つ
くり、同一の試験をして比較した。結果は表2中に示し
た通りである。
【0042】
【表2】
【0043】表2中に示されるように、試料No.1〜5
では、セラミックと金属部材の外径が同一となるように
外周面を研磨仕上げした比較例(試料No.6)と同様
に、500時間経過後でも、リフタ頂部の内周壁の摩耗
は確認できなかったのに対し、外径が同一で外周面を研
磨仕上げしていないセラミックと金属部材を接合してな
る比較例(試料No.7)ではリフタ頂部の内周壁の摩耗
が大きく発生した。このことより、金属部材の外周面が
セラミック部材の外周面より外側に存在する実施例品で
は、セラミック部材の外周面を研磨するまでもなく、両
部材の外周面を研磨仕上げして同一径とした比較例(試
料No6)と同じ効果があることが分かる。
【0044】
【発明の効果】本発明の請求項1に係るシムによれば、
全体が金属からなるシムに比べて、低摩擦性、耐摩耗性
に優れるとともに、軽量化が図られる。また、全体がセ
ラミックからなるシムに比べて高い耐久性が得られると
ともに低コスト化が図られる。そして、金属製シム本体
にセラミックがコーティングされたシムに比べて、セラ
ミック層を厚く確保できるから低摩擦性の信頼が高いシ
ムとなすことができる。
【0045】そして、本発明の請求項2に係るシムによ
れば、金属部材の外周面がセラミック部材の外周面より
外側に存在するため、バルブリフタの頂部の隙間嵌めの
ための寸法精度はその金属部材の外径の加工精度で対応
できるから、低コストでその隙間の精度を実現できる。
すなわち、本発明ではセラミック部材の外周面は焼成状
態でよく、したがって、低コストで所望とする寸法精度
(隙間嵌め精度)が得られる。
【0046】さらに、本発明の請求項3に係るシムによ
れば、ロー付け時には金属部材の周壁の内側にセラミッ
ク部材を嵌合状態としてロー付けできるから位置決め治
具を要しない。したがって、その分、ロー付け作業が容
易となる。そして、バルブリフタの頂部(頂面)の内周
面(内壁面)に対する金属部材(外周面)の接触面積
(高さ)を周壁がある分大きくできるので、バルブリフ
タの頂部の内壁面と共にシムの外周面(金属部材)の摩
耗防止にも有効であり、結果として隙間の増大防止効果
を大きくできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の請求項1に係るシムの実施形態例を説
明する一部破断斜視図。
【図2】図1のシムの実施形態例を説明する側面図。
【図3】本発明の請求項2に係るシムの実施形態例を説
明する一部破断斜視図及びその要部拡大図。
【図4】図3のシムの実施形態例を説明する側面図。
【図5】本発明の請求項3に係るシムの実施形態例を説
明する一部破断側面図。
【図6】図5の要部拡大図。
【図7】本発明の別の実施形態例を説明する側面図。
【図8】シムに対するカムの摺動接触面を説明する平面
概念図。
【図9】従来の動弁装置及びシムを説明する図。
【符号の説明】
1,11,21 シム 2,12,22 セラミック部材 2b,12b,22b セラミック部材の外周面 3,23 金属部材 3b,20b,25b 金属部材の外周面 4 ロー材 25 金属部材の周壁 54 バルブリフタ 55 カム

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸排気弁を開閉駆動するエンジンの動弁
    装置を構成するカムとバルブリフタとの間に介装される
    シムであって、一方の主表面がセラミックで他方の主表
    面が金属となるように、セラミック部材と金属部材とを
    ロー付けにより接合してなることを特徴とするシム。
  2. 【請求項2】 吸排気弁を開閉駆動するエンジンの動弁
    装置を構成するカムとバルブリフタとの間に介装される
    シムであって、一方の主表面がセラミックで他方の主表
    面が金属となるように、セラミック部材と金属部材とを
    ロー付けにより接合すると共に、該金属部材の外周面が
    セラミック部材の外周面より外側に存在するようにした
    ことを特徴とするシム。
  3. 【請求項3】 吸排気弁を開閉駆動するエンジンの動弁
    装置を構成するカムとバルブリフタとの間に介装される
    シムであって、一方の主表面がセラミックで他方の主表
    面が金属となるように、セラミック部材と金属部材とを
    ロー付けにより接合すると共に、該金属部材の外周面が
    セラミック部材の外周面を包囲するように金属部材の接
    合面側の周縁に沿って周壁を備えていることを特徴とす
    るシム。
  4. 【請求項4】 セラミック部材が、窒化けい素を主成分
    とするものからなることを特徴とする請求項1、2又は
    3記載のシム。
  5. 【請求項5】 セラミックの主表面が、クラウン形状に
    形成されていることを特徴とする請求項1、2、3又は
    4記載のシム。
JP31611597A 1997-02-17 1997-10-31 シ ム Pending JPH10288010A (ja)

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JP9-49724 1997-02-17
JP4972497 1997-02-17
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001254808A (ja) * 2000-03-13 2001-09-21 Nissan Motor Co Ltd バルブリフタ用シムおよびその製造方法

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JP2001254808A (ja) * 2000-03-13 2001-09-21 Nissan Motor Co Ltd バルブリフタ用シムおよびその製造方法

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