JPH10287614A - 高純度テレフタル酸の製造方法 - Google Patents

高純度テレフタル酸の製造方法

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JPH10287614A
JPH10287614A JP10033327A JP3332798A JPH10287614A JP H10287614 A JPH10287614 A JP H10287614A JP 10033327 A JP10033327 A JP 10033327A JP 3332798 A JP3332798 A JP 3332798A JP H10287614 A JPH10287614 A JP H10287614A
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washing water
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temperature
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Toshinori Takano
利則 高野
Hiroshi Suzuki
弘 鈴木
Norio Taniguchi
憲生 谷口
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Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 パラキシレン酸化工程の条件を変えることな
く、簡単な操作により製品の高純度テレフタル酸の透過
率を迅速に制御することができ、これによりきめの細か
い制御が可能で、製品の不純物含有量が一定幅の高純度
テレフタル酸を製造することができる高純度テレフタル
酸の製造方法を提案する。 【解決手段】 パラキシレンの液相酸化によって得られ
る粗テレフタル酸を反応器6に導入し、水素添加触媒の
存在下に水素添加処理し、晶析8、固液分離11、再水
スラリー化14および固液分離16を行って高純度テレ
フタル酸を製造する方法において、製品高純度テレフタ
ル酸の透過率を測定し、その測定値が一定値を維持する
ように、再水スラリー化に供給する洗浄水の温度を制御
することを特徴とする高純度テレフタル酸の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はパラキシレンの液相
酸化によって得られる粗テレフタル酸(CTA)を水素
添加処理して高純度テレフタル酸(PTA)を製造する
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】パラキシレンを分子状酸素含有ガスによ
り液相で酸化すると、テレフタル酸のほかに、主たる不
純物として4−カルボキシベンズアルデヒド(以下、4
−CBAという)を含む粗テレフタル酸が生成する。と
ころがポリエステル繊維の製造には高純度テレフタル酸
が原料として要求されるため、上記粗テレフタル酸の精
製が必要になる。
【0003】高純度テレフタル酸を製造する方法とし
て、粗テレフタル酸を水素添加触媒の存在下に水素添加
処理する方法が知られている(例えば特開平4−665
53号)。この方法では4−CBAを水素添加すること
により、水溶性のパラトルイル酸に還元し、晶析、固液
分離等によりパラトルイル酸をテレフタル酸から分離す
ることにより、高純度テレフタル酸を製造するものであ
る。
【0004】上記の水素添加処理は反応器に固形触媒の
固定層を形成し、この触媒層に粗テレフタル酸水溶液を
通液しながら水素を供給して行われる。これによりテレ
フタル酸に含まれる4−CBAはパラトルイル酸に還元
される。その後低温にして晶析を行うと、テレフタル酸
は結晶として析出するが、パラトルイル酸その他の不純
物の大部分は母液側に残留する。そこで固液分離を行う
と、大部分の不純物は母液側に残り、一部の不純物が付
着したテレフタル酸結晶が得られる。
【0005】この結晶に付着した不純物を除去して高純
度テレフタル酸を製造するために洗浄が行われる。洗浄
の一般的な方法は、得られた結晶に水を加えて再水スラ
リー化し、結晶に付着した不純物を液側に移行させる。
その後固液分離を行うと、不純物は液側に残こり、不純
物の少ない高純度テレフタル酸が得られる。
【0006】このような高純度テレフタル酸は繊維等の
原料として使用されるため、高純度であるとともに、一
定の品質を維持することが要求される。従って不純物の
含量も一定であることが要求される。高純度テレフタル
酸の不純物としては4−CBAが還元されたパラトルイ
ル酸のほか、多種多様のものがあり、これらは代用特性
として製品高純度テレフタル酸の透過率を測定すること
により制御されている。
【0007】製品高純度テレフタル酸に含まれる不純物
は、水素添加反応に供する原料粗テレフタル酸の不純物
量によって変動する。従来、高純度テレフタル酸の不純
物を一定範囲に維持するためには、主として粗テレフタ
ル酸の製造工程、すなわちパラキシレンの酸化工程の酸
化条件を制御することにより粗テレフタル酸の不純物量
を一定範囲に維持することが行われていた。
【0008】しかしパラキシレンの酸化条件を変えるこ
とにより粗テレフタル酸の不純物量を制御しても、製品
高純度テレフタル酸の不純物量に影響が出るまでに時間
がかかり速効性に欠け、製品の透過率をきめ細かく管理
するのに適していない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、パラ
キシレン酸化工程の条件を変えることなく、簡単な操作
により製品の高純度テレフタル酸の透過率を迅速に制御
することができ、これによりきめの細かい制御が可能に
なり、製品の不純物含有量が一定幅の高純度テレフタル
酸を製造することができる高純度テレフタル酸の製造方
法を提案することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は次の高純度テレ
フタル酸の製造方法である。 (1) パラキシレンの液相酸化によって得られる粗テ
レフタル酸を水素添加触媒の存在下に水素添加処理し、
水素添加処理後の反応液からテレフタル酸の結晶を析出
させ、析出した結晶を母液より分離し、分離した結晶を
洗浄水で洗浄し、得られる高純度テレフタル酸の透過率
を測定し、この透過率が所定値を維持するように洗浄水
の温度を制御することを特徴とする高純度テレフタル酸
の製造方法。 (2) 結晶の洗浄は、固液分離により分離した結晶を
洗浄水で再スラリー化し、これにより結晶に付着した不
純物を洗浄水側に移動させ、その後固液分離する方法で
ある上記(1)記載の方法。 (3) 結晶の洗浄は、晶析後固液分離により分離した
後の移動する結晶層に洗浄水を吹き付けて、再スラリー
化と固液分離を繰り返す方法である上記(1)記載の方
法。 (4) 結晶の洗浄は、晶析後の固液分離により分離し
た後の移動する結晶層を、洗浄水と向流接触させて溶媒
置換する方法である上記(1)記載の方法。 (5) 洗浄水の温度の制御は、透過率の測定値が設定
値の上限を超えたとき洗浄水の温度を下げ、設定値の下
限を超えたとき洗浄水の温度を上げる方法である上記
(1)ないし(4)のいずれかに記載の方法。 (6) 洗浄水の温度の制御は、波長340nmまたは
400nmにおける結晶の透過率が80〜95%となる
ように制御する上記(1)ないし(5)のいずれかに記
載の方法。
【0011】本発明において水素添加処理の対象となる
粗テレフタル酸はパラキシレンの液相酸化によって得ら
れる粗テレフタル酸である。このようなテレフタル酸は
一般に主たる不純物として4−CBAを0.1〜0.4
重量%程度含有している。
【0012】上記のパラキシレンの液相酸化は溶媒およ
び触媒を用いて行われる。パラキシレンの液相酸化にお
ける溶媒としては、酢酸、プロピオン酸、n−酪酸、イ
ソ酪酸、n−吉草酸、トリメチル酢酸、カプロン酸など
の脂肪酸、あるいはこれらと水との混合物を例示でき
る。これらの中では酢酸または後述の如く水を含む酢酸
が好ましい。
【0013】パラキシレンの液相酸化触媒としては、重
金属化合物および/または臭素含有化合物が一般的であ
る。重金属化合物における重金属としてはニッケル、コ
バルト、鉄、クロム、マンガン、ジルコニウム、銅、
鉛、ハフニウム、セリウム等をあげることができる。こ
れらは単独で、または組合せて用いることができるが、
特にコバルトとマンガンとを組合せて用いるのが好まし
い。このような重金属の化合物としては、例えば酢酸
塩、硝酸塩、アセチルアセトナート塩、ナフテン酸塩、
ステアリン酸塩、および臭化物等をあげることができる
が、特に酢酸塩が好ましい。
【0014】臭素化合物としては、例えば分子状臭素、
臭化水素、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化コバル
ト、臭化マンガン等の無機臭素化合物;臭化メチル、臭
化メチレン、ブロモホルム、臭化ベンジル、ブロモメチ
ルトルエン、ジブロモエタン、トリブロモエタン、テト
ラブロモエタン等の有機臭素化合物などをあげることが
できる。これらの臭素化合物も単独で、または2種以上
の混合物として用いられる。
【0015】本発明において、上記重金属化合物と臭素
化合物との組合せからなる触媒は、重金属原子1モルに
対して臭素原子0.05〜10モル、好ましくは0.1
〜2モルの範囲からなるものが望ましい。このような触
媒は、通常、反応触媒中の重金属濃度として10〜10
000ppm、好ましくは100〜5000ppmの範
囲で用いられる。
【0016】コバルトおよびマンガン化合物を用いる場
合は、コバルト化合物の使用量は通常溶媒に対してコバ
ルトとして10ないし10,000ppm、好ましくは
100ないし3000ppmが好ましい。またマンガン
化合物はコバルトに対するマンガンの原子比として0.
001ないし2であり、同様に臭素化合物はコバルトに
対する原子比として0.1ないし5が好ましい。
【0017】パラキシレンの液相酸化は分子状酸素含有
ガスを用いて行われる。このような酸素含有ガスとして
は通常不活性ガスで稀釈された酸素が用いられ、例えば
空気や酸素富化された空気が利用される。酸化反応の温
度は通常150ないし270℃、好ましくは170ない
し220℃であり、圧力は少なくとも反応温度において
混合物が液相を保持できる圧力以上であり、通常0.5
ないし4MPa(ゲージ圧)である。さらに反応時間は
装置の大きさ等にもよるが、通常滞留時間として20分
ないし180分間程度である。反応系内の水分濃度は通
常3ないし30重量%であり、好ましくは5ないし15
重量%である。
【0018】本発明では上記の液相酸化反応により得ら
れる粗テレフタル酸は反応器において、水素添加触媒の
存在下に水素添加処理を行う。この場合、液相酸化反応
における母液から分離した粗テレフタル酸を水スラリー
化し、得られるスラリーを加熱、加圧してテレフタル酸
水溶液として反応器に導入し、水素添加処理する。反応
器は内部に触媒を充填し、テレフタル酸水溶液と接触し
た状態で水素を供給できるものであればその形状、構造
等は制限されない。
【0019】好ましい反応器としては、固形の触媒を充
填して固定層を形成し、これに粗テレフタル酸水溶液を
通液するように導入路および導出路を有し、さらに水素
を供給できるように水素供給路を有するものが好まし
い。粗テレフタル酸は上向流でもよいが、下向流通液す
るように導入路が反応器の上部に、導出路が下部に連絡
するのが好ましく、水素は上部から供給するように、水
素供給路を反応器上部に連絡するのが好ましい。
【0020】水素添加触媒としては、従来から用いられ
ているものが使用でき、例えばパラジウム、ルテニウ
ム、ロジウム、オスミウム、イリジウム、白金、白金
黒、パラジウム黒、鉄、コバルト−ニッケル等が用いら
れるが、固定層を形成できるようにこれらを担体、好ま
しくは活性炭等の吸着性の担体に担持した固形触媒が好
ましい。
【0021】水素添加処理は定常状態においては、原料
粗テレフタル酸を10〜40重量%、好ましくは24〜
30重量%濃度の水スラリーとし、これを温度230℃
以上、好ましくは240〜300℃、圧力1〜11MP
a、好ましくは3〜9MPa(ゲージ圧)に加熱、加圧
してテレフタル酸を溶解させ、得られるテレフタル酸水
溶液を、反応器に供給して触媒層を通過させながら、水
素ガスを粗テレフタル酸水溶液中の4CBAの1.5モ
ル倍以上、好ましくは2モル倍以上供給して水素添加を
行う。水素添加の反応温度は230℃以上、好ましくは
255〜300℃、圧力は1〜11MPa、好ましくは
3〜9MPa(ゲージ圧)、水素分圧は0.05MPa
以上、好ましくは0.05〜2MPa程度とされる。
【0022】水素添加処理により、粗テレフタル酸中の
4−CBAは低温で水溶性のパラトルイル酸に還元され
るので、300℃以下、好ましくは100〜280℃で
晶析し、固液分離を行うことにより、テレフタル酸スラ
リーからパラトルイル酸を分離して精製テレフタル酸を
得る。この精製テレフタル酸には母液に含まれている不
純物が付着しているので、洗浄により結晶に付着してい
る不純物を除去して高純度テレフタル酸を製造する。
【0023】洗浄は精製テレフタル酸結晶を洗浄水(一
般には純水)により洗浄して、結晶に付着している不純
物を除去する。洗浄の具体的な方法としては、晶析後母
液から固液分離により分離した結晶を洗浄水により再ス
ラリー化し、これにより結晶に付着した不純物を洗浄水
側に移行させ、その後固液分離して乾燥することにより
不純物の少ない高純度テレフタル酸を得る方法が一般的
である。
【0024】このほか洗浄の方法としては、晶析後のテ
レフタル酸スラリーをロータリーフィルタや遠心分離機
等を用いる固液分離により、分離した後の移動する結晶
層に洗浄液を吹付けて再スラリー化と固液分離を繰返え
す方法、ならびに特開平7−149690号に示されて
いるように晶析後のテレフタル酸スラリーをロータリー
フィルタや遠心分離機等を用いる固液分離により、分離
した後の移動する結晶層を、洗浄水と向流接触させて溶
媒置換する方法などがあげられる。
【0025】いずれの洗浄方法を採用する場合も、最終
的に固液分離および乾燥して高純度テレフタル酸を製造
するが、品質確認のため乾燥後の高純度テレフタル酸を
サンプリングして透過率を測定する。透過率の測定は一
般に高純度テレフタル酸をアルカリ水溶液に溶解し、分
光光度計により波長340nmまたは400nmで測定
される。
【0026】本発明ではここで測定される透過率の測定
値が一定値、例えば80〜95%、好ましくは91〜9
4%となるように洗浄水の温度を制御する。この場合、
透過率の測定値が上限値を超えたとき、洗浄水の温度を
任意の幅(例えば10℃)下げ、下限値を超えたときは
任意の幅(例えば10℃)上げるように制御する。
【0027】高純度テレフタル酸に付着する不純物濃度
は結晶表面に近いほど高く、この不純物が洗浄水中に溶
出する際洗浄水の温度が高いほど溶出量が多い。このた
め透過率の測定値が上限を超えたとき洗浄水の温度を下
げると、洗浄水中への不純物の溶出量が減少し、逆に下
限値を超えたとき温度を上げることにより溶出量が増加
し、その結果高純度テレフタル酸結晶に含まれる不純物
量(色度成分)の含有量は一定範囲の値に維持される。
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、製造された高純度テレ
フタル酸の透過率を一定値に維持するように、晶析を行
ったテレフタル酸結晶の洗浄水の温度を制御するように
したので、パラキシレン酸化工程の条件を変えることな
く簡単な操作により、製品高純度テレフタル酸の透過率
を迅速に制御することができ、これによりきめの細かい
制御が可能になり、製品の不純物含有量が一定幅の高純
度テレフタル酸を製造することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図1
により説明する。図1は実施形態による高純度テレフタ
ル酸の製造方法を示すフローシートである。
【0030】図1において、1は粗テレフタル酸(CT
A)水スラリー化槽であり、高純度テレフタル酸の製造
は、まずCTA水スラリー化槽1に、粗テレフタル酸
(CTA)2および水3を供給し攪拌してスラリーを形
成する。このスラリーは加熱、加圧してCTAを溶解
し、このテレフタル酸水溶液4および水素5を水素添加
反応器に供給して水素添加処理を行う。水素添加処理し
た反応液7は減圧し冷却して晶析槽8に導入し晶析を行
う。
【0031】生成するスラリー9は固液分離装置10に
おいて固液分離を行い、分離後廃水11を排出する。こ
れによりパラトルイル酸、色度成分等の水溶化成分は除
去される。分離した結晶12は洗浄水(純水)13を加
えてTA再水スラリー化槽14において再水スラリー化
する。スラリー15は固液分離装置16に導入して固液
分離し、分離液は回収して水3としてCTA水スラリー
化槽1に戻す。分離した結晶17はTA乾燥器18にお
いて乾燥し、高純度テレフタル酸(PTA)19を製造
する。
【0032】上記の製造工程において、TA乾燥器18
からPTAのサンプル20を透過率測定装置21に送っ
て透過率を測定し、その測定値22を演算制御装置23
に入力する。演算制御装置では測定値22と設定値を比
較し、測定値が上限を超える場合は洗浄水の温度を例え
ば10℃下げ、下限を超える場合は10℃上げるように
制御信号24を洗浄水温度調節装置25に入力する。
【0033】洗浄水温度調節装置25は制御信号24に
基づいて洗浄水13の温度を調節し、TA再水スラリー
化槽14に送る。これにより結晶12から洗浄水中に溶
解する不純物の溶解量が制御され、結果として製品PT
A19の透過率、すなわち不純物特に色度成分の含有量
が一定範囲に維持される。
【0034】演算制御装置23における洗浄水の温度制
御幅算出手段で使用される洗浄水の温度とPTA透過率
の相関式について述べる。この相関式は、yとしてTA
乾燥器18から出るPTA19の透過率[%]を取り、
xとしてTA再水スラリー化槽14へ供給される洗浄水
の温度[℃]を取って、それらの実測値に基づいて統計
的手法により作成したものである。ここでPTAの透過
率は、PTAを15重量%で含む2NKOH水溶液を分
光光度計で透過率を測定した値を示し、分光光度計の波
長が340nmの場合T−340、400nmの場合T
−400とする。
【0035】一般にyを目的変数とし、xを説明変数と
する時の回帰分析には一次、多次回帰分析や多項式回帰
分析がある。一般に回帰式は次数の上がる方が精度は向
上する。以下にPTA透過率の一例としてのT−340
との関係について、処理の容易な一次式で近似した結果
を示す。洗浄水の温度とPTAの透過率についての実測
値による回帰係数(a)および回帰定数(b)はそれぞ
れ0.02及び90と求められた。またこの時のデータ
数(n)および相関係数(r)はそれぞれ12及び0.
96であった。
【0036】従って、PTA透過率をyとし、リスラリ
ー水の温度をxとすれば、両者の相関関係は、 y=a・x+b すなわち y=0.02・x+90 …(1) として表せる。
【0037】データ数(n)および相関係数(r)か
ら、PTAの透過率と洗浄水の温度との間には、相関関
係があることが解る。すなわち、一方の量が増加すれば
他方の量も増加する正の相関がある。このことから、洗
浄水の温度を10[℃]上げれば、PTA T−340
は0.2[%]上昇する事が解る。
【0038】なお実測値は測定条件によって日々変化す
るので、上記(1)式が常に当てはまるとは限らない
が、定期的に見直しを実施すればよい。また上記は自動
制御の場合を示すが、手動の場合も同様に制御すること
が可能である。さらに上記説明は結晶の洗浄方法として
再水スラリー化−固液分離法について説明したが、洗浄
水の吹付による洗浄法、洗浄水との向流接触による洗浄
法など、他の洗浄方法の場合にも同様に制御することが
できる。
【0039】上記のように、水素添加処理し晶析を行っ
た後、テレフタル酸結晶を洗浄する洗浄水の温度を、製
品高純度テレフタルの透過率に基づいて制御することに
より、パラキシレン酸化工程の条件を変えなくても簡単
な操作により製品PTAの透過率を迅速に制御すること
が可能になり、これにより不純物含有量が一定幅の高純
度テレフタル酸を製造することができる。
【0040】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0041】実施例1 反応器に水素添加触媒としてパラジウムを活性炭に担持
した触媒を10m3充填し、0.36重量%の4−CB
Aを含む粗テレフタル酸を25重量%の濃度に含む粗テ
レフタル酸スラリーを流量60T/Hで供給し、温度2
80℃、水素分圧0.7MPaで水素添加処理を行い、
温度100℃、圧力0.1MPa(ゲージ圧)で晶析を
行い、固液分離後、洗浄水を加えて30重量%の濃度と
なるように再水スラリー化し、これを固液分離して結晶
を乾燥し、高純度テレフタル酸を製造する系において、
製品高純度テレフタル酸の透過率を測定し、その測定値
が93.5%を超えたとき洗浄水の温度を10℃低く、
91.5%より低くなったとき10℃高くするように制
御したところ、製品高純度テレフタル酸のT340は9
1〜94%の範囲に維持された。
【0042】比較例1 実施例1の系において、洗浄水の温度を100℃の一定
温度運転したところ、製品高純度テレフタル酸のT34
0は90〜95%となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の高純度テレフタル酸の製造方法を示
すフローシートである。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パラキシレンの液相酸化によって得られ
    る粗テレフタル酸を水素添加触媒の存在下に水素添加処
    理し、 水素添加処理後の反応液からテレフタル酸の結晶を析出
    させ、 析出した結晶を母液より分離し、 分離した結晶を洗浄水で洗浄し、 得られる高純度テレフタル酸の透過率を測定し、 この透過率が所定値を維持するように洗浄水の温度を制
    御することを特徴とする高純度テレフタル酸の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 結晶の洗浄は、固液分離により分離した
    結晶を洗浄水で再スラリー化し、これにより結晶に付着
    した不純物を洗浄水側に移動させ、その後固液分離する
    方法である請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 結晶の洗浄は、晶析後固液分離により分
    離した後の移動する結晶層に洗浄水を吹き付けて、再ス
    ラリー化と固液分離を繰り返す方法である請求項1記載
    の方法。
  4. 【請求項4】 結晶の洗浄は、晶析後の固液分離により
    分離した後の移動する結晶層を、洗浄水と向流接触させ
    て溶媒置換する方法である請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】 洗浄水の温度の制御は、透過率の測定値
    が設定値の上限を超えたとき洗浄水の温度を下げ、設定
    値の下限を超えたとき洗浄水の温度を上げる方法である
    請求項1ないし4のいずれかに記載の方法。
  6. 【請求項6】 洗浄水の温度の制御は、波長340nm
    または400nmにおける結晶の透過率が80〜95%
    となるように制御する請求項1ないし5のいずれかに記
    載の方法。
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