JPH10286836A - 合成樹脂複合板の製造方法 - Google Patents

合成樹脂複合板の製造方法

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JPH10286836A
JPH10286836A JP9114350A JP11435097A JPH10286836A JP H10286836 A JPH10286836 A JP H10286836A JP 9114350 A JP9114350 A JP 9114350A JP 11435097 A JP11435097 A JP 11435097A JP H10286836 A JPH10286836 A JP H10286836A
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護 谷口
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長方形に限らず円形その他任意形状の
合成樹脂複合板を製造することができ、厚みの小さい部
分が存在する場合にも気泡が均一な大きさに形成され、
芯材に亀裂が発生せず、性能が均一な合成樹脂複合板を
得る。 【解決手段】 熱硬化性樹脂発泡体の芯材15とその
上下前後左右を被覆する繊維強化プラスチックの外面層
13、14とからなる合成樹脂複合板を製造する方法に
おいて、外面層の上半部を構成する上側箱形部13およ
び下半部を構成する下側箱形部14を上記の繊維強化プ
ラスチックで別々に成形し、この上下の箱形部13、1
4にそれぞれ熱硬化性樹脂および圧縮ガスとの混合物
(発泡樹脂)15を充填し、しかるのち上下の箱形部1
3、14を合わせ型状に重ね、上記の発泡樹脂15を硬
化させ、芯材とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、発泡プラスチッ
ク板を芯材とし、その表裏両面に繊維強化プラスチック
の外面層を積層した特定形状の合成樹脂複合板を製造す
る方法に関し、道路の側溝の溝蓋、浴槽の蓋板その他の
板材の製造に利用される。
【0002】
【従来の技術】発泡プラスチック板を芯材とし、その表
裏両面に繊維強化プラスチックの外面層を積層した特定
形状の合成樹脂複合板は、軽量で、しかも強度に優れる
ため、種々の分野で広く使用されている。そして、この
合成樹脂複合板を製造する方法として、あらかじめ不飽
和ポリエステル樹脂とガラス繊維を用い、図6に示すよ
うな上下一対の樋状体1、1を成形し、この一対の樋状
体1を合わせ型状に重ねて両側のフランジ1a、1aを
接着して偏平な袋2とし、この袋2の内部空間3に一端
の開口部から不飽和ポリエステル樹脂と圧縮ガス(炭酸
ガスや窒素ガスのような非引火性ガスを圧縮したもの)
の混合物を注入し、しかるのち硬化させる方法が知られ
ている。
【0003】しかしながら、上記の方法は、圧縮ガスと
共に偏平な袋2に注入された不飽和ポリエステル樹脂が
硬化時に発熱し、その放熱の程度が袋の中心部と口部と
で異なるため、生じる気泡の大きさがばらついたり、亀
裂が生じたりして製品の性能が不均一になり、この性能
の不均一は、特に相欠き継ぎ用の板のように厚みの薄い
段部を設けた場合に大きくなり、また繊維強化プラスチ
ックからなる袋の形状すなわち複合板の形状が制限され
るという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、不飽和ポ
リエステル樹脂等の熱硬化性樹脂に空気等を機械力で混
入させて発泡させ、得られた発泡体で芯材を形成し、こ
の芯材を繊維強化プラスチックの外面層と一体化する方
法において、長方形に限らず円形その他任意形状の合成
樹脂複合板を製造することができ、この複合板に相欠き
継ぎ用の段部のように厚みの小さい部分が存在する場合
にも気泡が均一な大きさに形成され、芯材に亀裂が発生
せず、性能が均一な合成樹脂複合板が得られるようにし
たものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めの第1手段は、熱硬化性樹脂発泡体の芯材とその上下
前後左右を被覆する繊維強化プラスチックの外面層とか
らなる合成樹脂複合板を製造する方法において、上記外
面層の上半部を構成する上側箱形部および下半部を構成
する下側箱形部を上記の繊維強化プラスチックで別々に
成形し、この上下の箱形部にそれぞれ熱硬化性樹脂およ
び圧縮ガスとの混合物を充填し、しかるのち上下の箱形
部を合わせ型状に重ね、上記の混合物を硬化させること
を特徴とする。
【0006】第2手段は、熱硬化性樹脂発泡体の芯材と
その上下前後左右の全面を被覆する繊維強化プラスチッ
クの外面層とからなる合成樹脂複合板を製造する方法に
おいて、上記外面層の上面を構成する上面部および外面
層の残りの部分を構成する箱形部を上記の繊維強化プラ
スチックで別々に成形し、上記箱形部に熱硬化性樹脂お
よび圧縮ガスの混合物を充填し、しかるのち箱形部内に
満たされている上記混合物上に上面部を重ね、上記の混
合物を硬化させることを特徴とする。
【0007】上記の第1手段および第2手段において、
外面層の繊維強化プラスチック用熱硬化性樹脂は、不飽
和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂(エポキシア
クリレート樹脂)、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、フ
ラン樹脂等の通常の熱硬化性樹脂であり、用途に応じて
適宜に選択される。特に不飽和ポリエステル樹脂および
ビニルエステル樹脂は、ガラス繊維等の補強繊維に対す
る含浸性が良好で、かつ常温硬化が可能であり、しかも
耐水性および耐薬品性に優れる点で好ましい。また、芯
材用の熱硬化性樹脂は、上記同様のものであり、特に外
面層に用いる熱硬化性樹脂と同種のものが接着性の点で
好ましい。なお、上記の不飽和ポリエステル樹脂は、イ
ソフタル酸系、テレフタル酸系、ビスフェノール系、ヘ
ット酸系等のいずれでもよく、ビニルエステル樹脂は、
ビスフェノール系、ノボラック系等のいずれでもよい。
【0008】また、補強繊維としては、ガラス繊維、炭
素繊維、ナイロンやポリエステル等の合成繊維、綿繊維
等の任意の繊維を用いることができ、用途に応じて選択
されるが、特に強度の点でガラス繊維および炭素繊維が
好ましい。これらの繊維は、通常の繊維強化プラスチッ
クと同様にロービング、チョップドストランド、マッ
ト、クロス等の形で用いることができる。
【0009】第1手段では、繊維強化プラスチックによ
り、合成樹脂複合板の外面層中、その上半部を構成する
上側箱形部および下半部を構成する下側箱形部とが別々
に成形される。すなわち、厚みが半分の芯材に対応する
底の浅い箱形部が2個、上側箱形部および下側箱形部と
して繊維強化プラスチックで成形される。この場合、箱
形部の平面形状は、正方形、長方形、円形、五角形等の
いずれでもよく、目的に応じて任意の形が選択される。
また、箱形部の底面には任意の凹凸を設けることができ
る。そして、成形方法は、ハンドレイアップ法、スプレ
イアップ法、プリプレグ法、マッチドダイ法、プリミッ
クス法等の任意の方法を採用することができ、特にスプ
レイアップ法が好ましい。
【0010】上下の箱形部が成形され、硬化すると、そ
の内側に熱硬化性樹脂および圧縮ガスの混合物が吹付け
や注入によって充填される。上記の混合物は、公知の方
法、例えばビーナスガスマー社の機械配合式発泡システ
ム(MBFシステム)で作ることができる。このMBF
システムは、熱硬化性樹脂を圧縮ガスと均一に混合して
発泡させ、次いで硬化剤と混合してスプレーまたは注型
によって熱硬化性樹脂の発泡体を成形し、常温で硬化す
る方法である。圧縮ガスは、非引火性であれば、任意の
ガス、例えば炭酸ガス、窒素ガス、アルゴンガスおよび
空気等を用いることができ、求める気泡の構造に応じて
適当なガスが選択される。例えば、気泡を大きく、密度
を小さくする場合は、炭酸ガスが好ましく、反対に気泡
を小さく、密度を大きくするときは、窒素ガスが好まし
い。
【0011】上記の熱硬化性樹脂は、圧縮ガスと混合す
るに先立ち、その硬化開始温度よりも低い可塑化溶融温
度に加熱して粘度を低下させ、しかるのち圧縮ガスと混
合するのが好ましく、この場合は圧縮ガスとの混合が容
易になり、得られる芯材の気泡が均一な大きさになる。
例えば、不飽和ポリエステル樹脂は、硬化剤を入れなく
ても、高温になると硬化が始まるので、この硬化開始温
度よりも低い可塑化溶融温度30〜50℃に加熱して粘
度を低下させることが好ましい。また、この加熱の際、
発泡後の熱硬化性樹脂の硬化を助ける硬化促進剤および
気泡を消え難くするための整泡剤等を添加することが好
ましく、これによって圧縮ガスとの混合が一層容易にな
り、しかも繊維強化プラスチックからなる箱形部に充填
した際に大気に触れて冷やされると、粘度が上昇して気
泡が消え難くなる。
【0012】上下2個の箱形部が成形され、硬化する
と、それぞれの内側に熱硬化性樹脂と圧縮ガスの混合物
すなわち発泡樹脂が吹付けや注入によって充填され、次
いでこの2個の箱形部が上記発泡樹脂を中にして合わせ
られ、上記の発泡樹脂が硬化され、この硬化に伴って上
下の箱形部および発泡樹脂の三者が互いに接着により一
体化され、硬化した発泡樹脂を芯材とし、上下の箱形部
を外面層とする合成樹脂複合板が得られる。
【0013】この第1手段は、上下2個の箱形部を成形
し、それぞれに熱硬化性樹脂と圧縮ガスの混合物(発泡
樹脂)を充填するので、比較的厚みの大きい合成樹脂複
合板の製造に適している。そして、この第1手段におい
ては、上側箱形部および下側箱形部の深さを相違させる
ことができる。また、上側箱形部および下側箱形部の外
形を相違させ、一方の箱形部の周囲の一部を他方の箱形
部から突出させることにより、縁部に段差のある合成樹
脂複合板を製造することができる。この場合、一方の箱
形部の突出部内の発泡樹脂表面は、他方の箱形部の縁部
に続く繊維強化プラスチックの舌片で覆うことが好まし
い。
【0014】また、上下の箱形部を同じ正方形または長
方形に、かつ同じ深さに成形し、この2個の箱形部に上
記の発泡樹脂を充填して合わせる際に、2個の箱形部を
長さ方向または幅方向にずらすことにより、相欠き継ぎ
用の段部を備えた合成樹脂複合板が得られる。この場合
も、一方の箱形部の突出部内の発泡樹脂表面は、他方の
箱形部の縁部に続いてあらかじめ形成された繊維強化プ
ラスチックの舌片で覆うことが好ましい。
【0015】第2手段では、繊維強化プラスチックによ
り、合成樹脂複合板の外面層中、芯材の上面に接する上
面部と、上記芯材の前後左右および下面に接する箱形部
とが別々に成形される。すなわち、芯材を収容できる底
の浅い箱形部が繊維強化プラスチックで成形される。こ
の場合、箱形部の平面形状は、正方形、長方形、円形、
五角形等のいずれでもよく、目的に応じて任意の形が選
択される。また、箱形部の底面には任意の凹凸を設ける
ことができる。
【0016】上記の箱形部が成形され、硬化すると、そ
の内側に熱硬化性樹脂および圧縮ガスの混合物(発泡
樹)が前記同様に満たされ、次いでこの混合物を被覆す
る上面部が重ねられて上記の発泡樹脂が硬化され、この
硬化に伴って箱形部、発泡樹脂および上面部の三者が互
いに接着により一体化され、硬化した発泡樹脂を芯材と
し、箱形部および上面部を外面層とする合成樹脂複合板
が得られる。この第2手段は、第1手段に比べて薄手の
合成樹脂複合板を製造するのに適している。
【0017】
【発明の実施の形態】
実施形態1 図1(1)に示す反転可能な上型11およびこの上型1
1と同じ形状の下型12の各内面にガラス繊維と不飽和
ポリエステル樹脂とからなる繊維強化プラスチックをス
プレーアップ法で所望の厚みに積層し、常温で硬化さ
せ、上型11の内面に目的の合成樹脂複合板の外面層の
上半部である上側箱形部13を、また下型12の内面に
合成樹脂複合板の外面層の下半部である下側箱形部14
をそれぞれ紙面に垂直な方向に長い直方体の互いに等し
い形に形成する。
【0018】一方、外気温度3〜30℃の室内に設置さ
れた樹脂タンク(図示されていない)に所定量の不飽和
ポリエステル樹脂、適量の整泡剤および硬化促進剤を投
入、攪拌する。そして、攪拌しながら樹脂温度を硬化開
始温度よりも低い可塑化溶融温度30〜50℃に上昇さ
せる。しかるのち、この粘度が低下した熱硬化性樹脂を
ビーナスガスマー社製の機械配合発泡装置に供給し、該
装置内のインラインヒータで温度を上記の可塑化溶融温
度に維持しながら圧力1000〜5000kpaの非引火
性ガス(例えば、窒素ガス)と混合する。
【0019】得られた熱硬化性樹脂と圧縮ガスの混合物
すなわち発泡樹脂を、スプレーガンを用いて硬化剤と混
合しながら前記の上側箱形部13および下側箱形部14
に充填する。図1(2)において、15は上記熱硬化性
樹脂と圧縮ガスの混合物すなわち発泡樹脂である。続い
て、図1(3)に示すように、上側箱形部13を反転し
て下側箱形部14に重ね、常温下に放置して発泡樹脂1
5を硬化させ、硬化の完了後、上型11を開き、上記の
上側箱形部13および下側箱形部14を外面層とし、硬
化した発泡樹脂15を芯材とする合成樹脂複合板16
(図1(4)参照)を取り出す。なお、得られた合成樹
脂複合板16の上面には、必要に応じて金属製の把手が
取付けられる。
【0020】実施形態2 上記の実施形態1において、上型11を平板状に形成
し、上側箱形部13を平板に置換する以外は、上記の実
施形態1と同様にして平板状の上面部および下側箱形部
14を外面層とし、下側箱形部14に充填され硬化した
発泡樹脂15を芯材とする合成樹脂複合板を得る。そし
て、この合成樹脂複合板の上面に必要に応じて金属製の
把手が取付けられる。
【0021】実施形態3 上記実施形態1の上側箱形部13および下側箱形部14
を成形する際、図2の(1)に示すように上側箱形部1
3の左縁から左方に延びる舌片13aを、また下側箱形
部14の右縁から右方に延びる舌片14aを互いに等し
い幅に成形し、しかるのち実施形態1と同様に発泡樹脂
15を硬化剤と混合しながら充填し、次いで図2の
(2)に示すように、上側箱形部13を反転して下側箱
形部14に重ね、上側箱形部13の舌片13aで下側箱
形部14の左縁内側の発泡樹脂15表面を、また下側箱
形部14の舌片14aで上側箱形部13の右縁内側の発
泡樹脂15表面をそれぞれ押さえて発泡樹脂15を常温
で硬化させる。
【0022】得られた合成樹脂複合板17は、上記の上
側箱形部13、その舌片13a、下側箱形部14および
その舌片14aを外面層とし、硬化した発泡樹脂15を
芯材とするものである。そして、この合成樹脂複合板1
7は、左右両側の舌片13a、14aの部分に相欠き継
ぎ用の段部を備えているので、図2の(3)に示すよう
に一方の舌片13aに他方の舌片14aを重ねる相欠き
継ぎが可能になる。なお、図2(3)の相欠き継ぎを行
う際、舌片13aと舌片14aの間に必要に応じて発泡
ゴムからなるシール用パッキングを挟むことができる。
また、この合成樹脂複合板17の上面には、前記同様に
把手を取付けることができる。
【0023】実施形態4 図3に示すように、上側箱形部13を繊維強化プラスチ
ックで成形する際、左縁に舌片13aを、上記実施形態
3(図2)の上側箱形部13と同様に形成し、下側箱形
部14を実施形態1、2の普通の箱形に成形する。ただ
し、上側箱形部13の舌片13aを含む全長を下側箱形
部14の全長とほぼ等しく設定する。そして、上側箱形
部13および下側箱形部14にそれぞれ発泡樹脂15を
硬化剤と混合しながら充填した後、鎖線で示すように、
上側箱形部13を反転して下側箱形部14に重ね、上側
箱形部13の舌片13aで下側箱形部14の左縁内側の
発泡樹脂15表面を押さえて発泡樹脂15を常温で硬化
させる。
【0024】得られた合成樹脂複合板18は、相欠き継
ぎ用の段部を長さ方向の一端のみに有している。したが
って、この合成樹脂複合板18は、図5に示すように、
実施形態3の合成樹脂複合板17を多数枚相欠き継ぎし
て配列した際、その列の両端に配置するのに好適であ
る。なお、この合成樹脂複合板18に対しても前記同様
に把手を取付けることができる。
【0025】実施形態5 図4に示すように、上側箱形部13を繊維強化プラスチ
ックで成形する際、左右の縁にそれぞれ舌片13aを形
成し、下側箱形部14を普通の箱形に成形する。ただ
し、上側箱形部13の左右の舌片13aを含む全長を下
側箱形部14の全長とほぼ等しく設定する。以下、前記
同様に発泡樹脂15を硬化剤と混合しながら充填した
後、鎖線で示すように、上側箱形部13を反転して下側
箱形部14に重ね、上側箱形部13の舌片13aで下側
箱形部14の左右の縁の内側の発泡樹脂15表面を押さ
えて発泡樹脂15を常温で硬化させる。
【0026】得られた合成樹脂複合板19は、実施形態
3の合成樹脂複合板17と同様に相欠き継ぎ用として用
いることができる。そして、この合成樹脂複合板19を
配列した列の両端には、上記実施形態4の合成樹脂複合
板18が配置される。なお、この合成樹脂複合板19に
対しても前記同様に把手を取付けることができる。
【0027】
【実施例】
実施例1 ガラス繊維およびテレフタル酸系の不飽和ポリエステル
樹脂(日本ユピカ株式会社製、商品名「ユピカ640
0」)を用い、図1(4)に示される道路側溝の覆蓋用
合成樹脂複合板16(全厚38mm、全幅1000mm、全
長3000mm、外面層の厚み1.8mm)を製造した。す
なわち、図1(1)の上型11および下型12の内面に
それぞれ上記のガラス繊維およびテレフタル酸系不飽和
ポリエステル樹脂からなるFRPをスプレーアップ法で
積層し、常温で硬化させて上側箱形部13および下側箱
形部14を同じ形状に作った。
【0028】一方、常温下において、樹脂タンクに上記
のテレフタル酸系不飽和ポリエステル樹脂100重量
部、整泡剤(日本ユピカ株式会社製、商品名「ユピカS
T−V)1重量部および12%オクチル酸コバルト(硬
化促進剤)0.25重量部を投入し、ゆっくり攪拌しな
がら樹脂タンクを加熱して上記樹脂の温度を50℃まで
上昇させた。次いで、上記の不飽和ポリエステル樹脂を
ビーナスガスマー社製の機械配合発泡装置に供給し、該
装置内のインラインヒータで樹脂温度を45℃に維持し
ながら、圧力3500kpa の窒素ガスと混合し、不飽和
ポリエステル樹脂に微細な気泡を均一に発生させた。
【0029】次いで、上記発泡状態の不飽和ポリエステ
ル樹脂(発泡樹脂15)をスプレーアップ法で上記の上
側箱形部13および下側箱形部14の内側に吹付けて充
填した。ただし、吹付けを行いながら、スプレーガンの
入口側において、上記の発泡樹脂に硬化剤(日本油脂株
式会社製、商品名「パーキュアーHB」)を発泡樹脂の
100重量部当たり1重量部添加した。そして、発泡樹
脂15が充填された上側箱形部13を上型11と共に反
転して上側箱形部13と下側箱形部14とを重ね、両者
の発泡樹脂15を合わせて常温で硬化させた。
【0030】得られた合成樹脂複合板16の曲げ強度
は、等分布荷重360kg/m2 に耐え、道路の側溝の覆
蓋として充分な強度を備えていた。また、撓み量は、上
記の等分布荷重で1/200以下であった。そして、重
量は約26kg/m2 、比重は約0.7であり、従来の鋼
板製の覆蓋に比べて著しく軽量であった。また、FRP
で偏平な袋を作り、この袋に一方の口から発泡樹脂を吹
き込む従来法に比べ、二次発泡や亀裂の発生がなく、か
つ気泡のばらつきがなく、品質が良好であった。
【0031】実施例2 実施例1のガラス繊維および不飽和ポリエステル樹脂を
用いて図2(1)の上側箱形部13および下側箱形部1
4を同じ形に成形した。ただし、厚さを19mmに、幅を
600mmに、長さ( 舌片13a、14aを除く)を18
00mmに、舌片13a、14aの突出長を25mmにそれ
ぞれ設定する以外は、実施例1と同様に成形した。ま
た、同じガラス繊維および不飽和ポリエステル樹脂を用
いて図3の上側箱形部13および下側箱形部14を上記
同様に成形した。ただし、上側箱形部13の幅および長
さ(舌片13aを除く)の両者を600mmに舌片13a
の突出長さを25mmに設定した。下側箱形部14は、長
さを625mmに設定する以外は上側箱形部13と同じに
した。
【0032】上記図2(1)の上側箱形部13、下側箱
形部14および図3の上側箱形部13、下側箱形部14
にそれぞれ実施例1に用いた発泡状態の不飽和ポリエス
テル樹脂(発泡樹脂)を硬化剤と共に吹付けにより充填
し、この充填後に図2の上側箱形部13および下側箱形
部14を重ね、また図3の上側箱形部13および下側箱
形部14を重ね、上記の発泡樹脂を常温で硬化させ、両
端に相欠き継ぎ用の段部を有する図2(2)の合成樹脂
複合板17および図3の合成樹脂複合板18を製造し
た。
【0033】得られた合成樹脂複合板17、18は、い
ずれも一端または両端に厚みの小さい段部を有するにも
かかわらず、気泡のばらつきがなく、品質が良好で、軽
く、しかも実施例1と同程度の強度を備えていた。そし
て、この合成樹脂複合板17、18は、道路の側溝の溝
蓋として、図5の形に配列するのに好適であった。
【0034】
【発明の効果】この発明によれば、発泡プラスチック板
を芯材とし、その表裏両面に繊維強化プラスチックの外
面層が積層され、軽量で、かつ強度に優れた合成樹脂複
合板が得られる。しかも、長方形に限らず円形その他任
意形状の合成樹脂複合板を製造することができ、その際
に芯材に亀裂が発生せず、性能が均一になる。特に請求
項1記載の発明によれば、上記複合板に相欠き継ぎ用の
段部のように厚みの小さい部分が存在する複合板も容易
に製造することができる。
【0035】また、請求項2に記載の発明は、芯材の厚
みが小さい複合板を比較的簡単に製造することができ
る。また、請求項3に記載の発明は、芯材用の熱硬化性
樹脂を予熱して粘度を低下させるので、圧縮ガスとの混
合が容易になる。また、請求項4に記載の発明は、上記
予熱の際に硬化促進剤および整泡剤を添加するので、圧
縮ガスとの混合が一層容易になり、しかも気泡が消え難
くなって芯材の気泡が更に均一に形成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態1を示す工程説明図であ
る。
【図2】実施形態3を示す工程説明図である。
【図3】実施形態4を示す工程説明図である。
【図4】実施形態5を示す工程説明図である。
【図5】使用状態の一例を示す側面図である。
【図6】従来方法を説明するFRP製外面層の断面図で
ある。
【符号の説明】
11:上型 12:下型 13:外面層の上半部(FRP製の上側箱形部) 14:外面層の下半部(FRP製の下側箱形部) 13a、14a:舌片 15:熱硬化性樹脂と圧縮ガスの混合物(発泡樹脂、芯
材) 16、17、18、19:合成樹脂複合板

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱硬化性樹脂発泡体の芯材とその上下前
    後左右を被覆する繊維強化プラスチックの外面層とから
    なる合成樹脂複合板を製造する方法において、上記外面
    層の上半部を構成する上側箱形部および下半部を構成す
    る下側箱形部を上記の繊維強化プラスチックで別々に成
    形し、この上下の箱形部にそれぞれ熱硬化性樹脂および
    圧縮ガスとの混合物を充填し、しかるのち上下の箱形部
    を合わせ型状に重ね、上記の混合物を硬化させることを
    特徴とする合成樹脂複合板の製造方法。
  2. 【請求項2】 熱硬化性樹脂発泡体の芯材とその上下前
    後左右の全面を被覆する繊維強化プラスチックの外面層
    とからなる合成樹脂複合板を製造する方法において、上
    記外面層の上面を構成する上面部および外面層の残りの
    部分を構成する箱形部を上記の繊維強化プラスチックで
    別々に成形し、上記箱形部に熱硬化性樹脂および圧縮ガ
    スの混合物を充填し、しかるのち箱形部内に満たされて
    いる上記混合物上に上面部を重ね、上記の混合物を硬化
    させることを特徴とする合成樹脂複合板の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の合成樹脂複合
    板の製造方法において、芯材用の熱硬化性樹脂を圧縮ガ
    スと混合するに先立ち、上記熱硬化性樹脂をその硬化開
    始温度よりも低い可塑化溶融温度に加熱して粘度を低下
    させ、しかるのち圧縮ガスと混合する合成樹脂複合板の
    製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の合成樹脂複合板の製造
    方法において、熱硬化性樹脂を可塑化溶融温度に加熱す
    る際に硬化促進材および気泡を消え難くするための整泡
    剤を添加、混合する合成樹脂複合板の製造方法。
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