JPH10286484A - 粉砕分級方法 - Google Patents

粉砕分級方法

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JPH10286484A
JPH10286484A JP9542197A JP9542197A JPH10286484A JP H10286484 A JPH10286484 A JP H10286484A JP 9542197 A JP9542197 A JP 9542197A JP 9542197 A JP9542197 A JP 9542197A JP H10286484 A JPH10286484 A JP H10286484A
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pulverized
collision
pulverizing
crushed
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JP9542197A
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Inventor
Takuya Nishigori
錦織  卓哉
Yasuo Kamoshita
康夫 鴨下
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 装置への原料の固着がない粉砕分級方法を提
供する。 【解決手段】 原料を気体流に分散させ衝突させること
により粉砕し、開口を有する回転部材の開口に粉砕物を
分散した気体を通過させ、通過する粉砕物と通過しない
粉砕物とに選別し、通過しない粉砕物は原料と合流し、
また衝突により粉砕する粉砕分級方法において、原料に
サリチル酸系金属化合物を含有させることを特徴とする
粉砕分級方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】原料を粉砕し、所望の粒径乃
至重量の粉体を分別する粉砕分級製造方法に関するもの
である。例えば、原料を粉砕し、所望の粒径分布のみを
取り出し利用する電子写真用トナーの製造方法等に用い
られる。
【0002】
【従来の技術】原料を粉砕し、所望の粒径乃至重量の粉
体を分別する装置として、ホソカワミクロン社製カウン
タージェットミルAFGや日本ニューマチック社製ID
S粉砕分級機などがある。カウンタージェットミルは容
器下方に複数の圧縮空気ノズルが設けられ、容器に堆積
した粉体をノズルから噴出する気体に巻き込み原料同士
衝突させ粉砕を行い、容器上方の回転ローターを介しブ
ロワで吸引することで所望のサイズまで粉砕された粉体
は回転ローターを通過する。大きいサイズの粒子は回転
ローター部で戻され下方に落下しさらに粉砕される仕組
みとなっている。IDS粉砕分級機は、原料を遠心力分
級機に供給し、所望の粒径以下の粒子を取り出した後、
ノズルより吹き出す気体流に原料を分散させ、衝突板に
衝突させ粉砕する。粉砕物は原料と合流し分級機へ再度
供給される。これら装置は粉体一般の粉砕分級に使用さ
せており、電子写真用トナーの製造においても粉砕分級
工程として用いられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】電子写真用トナーは画
像を熱定着するために比較的軟化点、ガラス転移点が低
い材料を用いる。また、近年高速化や低温定着の要請か
らさらに低軟化点、低ガラス転移点に向かう傾向にあ
る。上記の粉砕分級機等でトナー(特に低軟化点、低ガ
ラス転移点のもの)を分級する際、原料の装置への固着
や粗大粒子の混入などの問題が発生する。
【0004】本現象は粉砕物がローターや衝突板等の機
内に衝突するエネルギーが熱となり瞬間的に粉体が軟化
するため、発生すると考えられる。また軟化しない粉体
においても付着性、凝集性が強い場合、同様の現象が想
定される。また、近年のトナーは粉体特性や帯電特性の
高性能化の要求により粒子形状の丸め化のコントロール
をも要求される。上記のカウンタージェットミルを用い
るとローター通過時の衝突や高速気流エネルギー等によ
り粒子表面形状を滑らかにすることが可能であり、その
観点からも回転分級ローターを有する装置を使用するこ
とは有益であるが、同様の問題が発生する。
【0005】
【課題を解決するための手段】発明者らは本課題を解決
し、安定した製造を行うべく検討した結果、原料を気体
流に分散させ衝突させることにより粉砕し、開口を有す
る回転部材の開口に粉砕物を分散した気体を通過させ、
通過する粉砕物と通過しない粉砕物とに選別し、通過し
ない粉砕物は原料と合流し、また衝突により粉砕する粉
砕分級方法や開口を有する回転部材の開口に原料及び粉
砕物を分散した気体を通過させ、通過する原料及び粉砕
物と通過しない原料及び粉砕物とに選別し、通過しない
粉砕物及び原料を衝突により粉砕し、原料と合流させる
粉砕分級方法において、原料にサリチル酸系金属化合物
を含有させることで本問題を解決した。
【0006】さらに粉砕工程に粒子同士の衝突を利用す
ることにより固着をより抑制できる。サリチル酸系金属
化合物の離型効果により装置への付着が軽減されると考
えられる。僅かずつ付着が生じたとしても回転体の遠心
力とサリチル酸系金属化合物の離型効果によって付着物
が剥がれると考えられる。本発明により機内の定期清掃
の間隔を延ばし、工業上多大なる利益を実現した。さら
に粉体表面の形状を滑らかにすることができ、丸め化の
コントロールも実現した。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる粉砕分級方法
においては、原料及び粉砕物を気体流に分散させ衝突さ
せる。気体流に原料及び粉砕物を分散させる方法として
は、容器等に堆積させた原料及び粉砕物にノズルより圧
縮空気を吹き出し原料及び粉砕物を舞い上げさせて分散
する方法や、ホッパー等堆積させた原料及び粉砕物にホ
ッパーの底の部分に配管とノズルを設け、ノズルより圧
縮気体を吹き出し、分散させて流す方法やテーブルフィ
ーダー等に粉体を堆積させ、気体の流路にフィードし分
散させ流す方法などが挙げられる。
【0008】衝突させる方法としては、原料及び粉砕物
を分散した気体流進行方向に衝突板等の部材を対向させ
衝突させる方法(日本ニューマチック社製I式ジェット
ミルなど)や少なくとも一方の面に凹凸を形成させた部
材同士の面を10mm以下の間隔で対向させ、この部材
面を相対移動させることにより凹部に渦流を発生させ、
気体流をこの対向させた隙間を通過させることにより渦
流内で粒子同士を衝突させたり、粒子と凹凸面を衝突さ
せる方法や圧縮空気の吹き出しノズルを複数配置し、気
体流の合流域で粒子同士を衝突させる方法などが挙げら
れる。本発明のサリチル酸系金属化合物添加により装置
への固着は抑制されるものの衝突板等に衝突させる方法
は衝突時に固着することもありうるので渦流内での粒子
同士の衝突や気体流合流域での粒子同士の衝突がより好
ましい。
【0009】開口を設けた回転部材を回転させ、粉砕物
を分散した気体を回転部材の外側から内側に向けてこの
開口を通して流す。回転体を気体が通過する際、粒径の
大きい粒子や重量の重たい粒子は外側に戻され、粒径の
小さい粒子や重量の軽い粒子のみが気体流に乗り通過す
る。回転部材の回転により気体流にも回転が生じ、その
遠心力で粒径の大きい粒子や重量の重たい粒子は外側へ
弾き出され、粒径の小さい粒子や重量の軽い粒子のみが
通過すると考えられる。
【0010】回転部材としては、円筒状や円錐状ロータ
ーを用い、スリット状の開口を設けることが一般的であ
る。外側へ弾き出された粒子は原料と合流し、再度粉砕
される。これらの装置としては、ホソカワミクロン社製
カウンタージェットミルAFGやイノマイザなどがあ
る。カウンタージェットミルは気体流の合流域で粒子同
士を衝突させるものであり、イノマイザは回転する粉砕
ローターとライナ間の隙間の渦流により粒子同士を衝突
させるものである。
【0011】以上の工程により粉砕分級された粉体の収
集方法は特に限定されないが、一般的方法としては、回
転部材を通過した粉体はフィルターやサイクロンにより
収集できる。回転部材の外側に戻された粉体は重力のみ
により回転部材下方に落下堆積させて収集しても良い。
また、回転気流によりサイクロンの如く落下堆積させて
も良い。
【0012】ホソカワミクロン社製粉砕分級機カウンタ
ージェットミルAFG型(図1)の場合、容器下方に複
数の圧縮空気ノズル2が設けられ、容器に堆積した粉体
をノズルから噴出する気体に巻き込み粒子同士を衝突さ
せ粉砕を行い、容器上方の回転ローター3を介しブロワ
で吸引することで所望のサイズまで粉砕された粉体は回
転ローター3を通過する。大きいサイズの粒子は回転ロ
ーター部で戻され下方に落下しさらに粉砕される仕組み
となっている。
【0013】もし、粉体の付着性や凝集性が強いものや
衝突エネルギーの熱により溶けやすいものや軟化しやす
いものは、回転部材開口を通過する際、回転部材と衝突
し、少しずつ付着していく危険がある。本発明に使用さ
れる粉体にはサリチル酸系金属化合物を含有させる。こ
のサリチル酸系金属化合物の離型効果により、回転部材
や機内への付着が軽減される。
【0014】本発明に使用されるサリチル酸系金属化合
物としては、金属成分として、Be 2+、Mg2+、C
2+、Hg2+、Sn2+、Pb2+、Fe2+、Co2+、Ni
2+、Zn 2+などの2価金属、Al3+、Sc3+、Fe3+
Co3+、Ni3+、Cr3+、Y3+などの3価金属などが使
用できる。上記金属成分と錯体構造や塩構造を形成する
サリチル酸系成分としては、サリチル酸もしくはその誘
導体、例えば、サリチル酸、サリチル酸アミド、サリチ
ル酸アミン、サリチルアルデヒド、サリチロサリチル
酸、ジターシャリブチルサリチル酸などが挙げられる。
特にジターシャリブチルサリチル酸クロム錯体やジター
シャリブチルサリチル酸亜鉛塩が好ましく使用できる。
【0015】本発明に用いられるサリチル酸系金属化合
物の添加量は粉体の組成や粒径や添加方法により異な
り、適度な離型効果を有する範囲で特に限定されない
が、0.2〜15重量%の範囲が好ましく、さらに好ま
しくは0.5〜8重量%の範囲であり、より好ましくは
0.9〜5重量%の範囲である。本発明を電子写真用ト
ナーに適用する場合、サリチル酸系金属錯体あるいはサ
リチル酸系金属塩は、帯電制御剤としての効果も併せ持
っており、一般に負帯電の帯電制御効果にも優れてい
る。
【0016】本発明に用いられるサリチル酸系金属化合
物の添加方法は特に限定されないが、ヘンシェルミキサ
ー等により、原料に直接混合する方法、原料中に内添さ
せる方法等が挙げられる。原料中に内添する方法として
は、原料の製造工程の好適な階段で添加すればよい。例
えば、各種添加物とバインダー樹脂の混練粉砕物である
電子写真用トナーの製造の場合、添加物の表面処理等に
用いることで添加しても良い。バインダー樹脂の重合製
造段階で添加しても良い。混練段階で添加しても良い。
バインダー樹脂とのプレ混練を行い、プレ混練品を用い
て混練することで分散状態をより均一にしても良い。
【0017】サリチル酸系金属化合物の離型効果により
分級装置の精度を要求される分級ゾーンへの付着が軽減
されると考えられる。回転部材を用いることで極僅かに
付着したとしても遠心力により付着物は剥がれ、外側へ
戻されると考えられる。サリチル酸系金属化合物を添加
することで付着物の剥がれ易さが向上すると考えられ
る。サリチル酸系金属化合物がなくても回転部材の回転
数を上げて遠心力を強くすれば付着物が剥がれる力は増
すが、回転数を変えることにより分級ポイント(回転部
材開口を通過するか、外側へ戻されるかの境目の粒径)
も変化してしまうため事実上困難である。
【0018】回転部材の消耗を抑制する目的で回転部材
に耐磨耗処理を施す場合がある。耐磨耗処理としては、
表面に酸化膜を形成させたり、セラミックをコートした
りする方法があるが、それらの処理は表面に小さな凹凸
ができ、付着しやすくなる。そうした場合、本発明はさ
らに効果を発揮する。本発明に用いられる粉体として
は、付着性や凝集性が強いもの、衝突等のエネルギーに
よって溶融や軟化のしやすいもの(例えば、高分子物質
(特に熱可塑性樹脂)を主成分とするもの)において、
効果を発揮する。
【0019】本発明に用いられる粉体の内、電子写真用
トナーを例にすると、トナーの主成分であるバインダー
樹脂は熱可塑性樹脂が用いられる。トナーは熱によっ
て、紙へ溶融定着させるため、バインダー樹脂のガラス
転移点やフローテスター軟化点が低い方が低い温度で定
着させるので望ましい。しかしながら、ガラス転移点や
フローテスター軟化点が低いと上記の如く、衝突等のエ
ネルギーによって溶融や軟化のしやすい方向であり、ト
ナーに望まれる性能と分級製造のしやすさは相反する方
向である。すなわち、バインダー樹脂のガラス転移点や
フローテスター軟化点が低いトナーにおいて、本発明は
効果を特に発揮する。
【0020】バインダー樹脂としては、トナーに適した
公知の種々のものが使用できる。例えば、ポリスチレ
ン、ポリクロロスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、
スチレン−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピ
レン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレ
ン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合
体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリ
ル酸エステル共重合体(スチレン−アクリル酸メチル共
重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレ
ン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸
オクチル共重合体及びスチレン−アクリル酸フェニル共
重合体等)、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体
(スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−
メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸
ブチル共重合体、スチレン−メタクリル酸オクチル共重
合体及びスチレン−メタクリル酸フェニル共重合体
等)、スチレン−α−クロルアクリル酸メチル共重合体
及びスチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル
共重合体等のスチレン系樹脂(スチレンまたはスチレン
置換体を含む単独重合体または共重合体)、塩化ビニル
樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、エ
ポキシ樹脂、飽和ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステ
ル樹脂、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレ
ン、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン
樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重
合体、キシレン樹脂並びにポリビニルブチラール樹脂等
があるが、本発明に用いるのに好ましい樹脂としては、
スチレン系樹脂、飽和もしくは不飽和ポリエステル樹脂
及びエポキシ樹脂等を挙げることができる。
【0021】さらに好ましくはある程度の低温定着性と
現像器内での融着、微粉砕のしにくさの両立の点で架橋
性ポリエステル樹脂を用いると良い。架橋性ポリエステ
ル樹脂は、2価のカルボン酸単量体と2価のアルコール
単量体と3価以上の多価カルボン酸単量体や多価アルコ
ール単量体との重縮合によって得られる。2価のアルコ
ール単量体としては、エチレングリコール、ジエチレン
グリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピ
レングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,
4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4
−ブテンジオール等のジオール類、ビスフェノールA、
ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプ
ロピレン化ビスフェノールA等のエーテル化ビスフェノ
ール類、その他の2価のアルコール単量体が挙げられ
る。2価のカルボン酸単量体としては、イソフタル酸、
テレフタル酸、アジピン酸、セバシン酸、ジフェン酸、
ナフタレンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン
酸、これらの酸の無水物もしくは低級アルキルエステル
を主成分とするものが挙げられる。3価以上の多価カル
ボン酸としては、トリメリト酸、シクロヘキサントリカ
ルボン酸、ナフタレントリカルボン酸、ブタントリカル
ボン酸、ヘキサントリカルボン酸、オクタンテトラカル
ボン酸、及びこれらの酸の無水物、その他を挙げること
ができる。3価以上の多価アルコール単量体としては、
トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリ
セリン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
【0022】また、光沢性、透明性が要求されるフルカ
ラー用に用いられるバインダー樹脂としては、スチレン
系樹脂やポリエステル樹脂の内、非架橋性であり、分子
量分布の狭いものが好ましく、非架橋性ポリエステル樹
脂がより好ましい。重量平均分子量が数平均分子量の5
倍以下のものが好ましく、さらに3倍以下のものがより
好ましい。
【0023】非架橋性ポリエステル樹脂は、2価のカル
ボン酸単量体と2価のアルコール単量体とを主成分とす
る重縮合によって得られる。2価のアルコール単量体と
2価のカルボン酸単量体としては、架橋性ポリエステル
樹脂と同様のものが挙げられる。実質的に非架橋性樹脂
の性質を失わない程度、すなわち線形ポリマーに対し高
々分岐構造を与える程度の範囲内で3価以上の多価カル
ボン酸単量体や多価アルコール単量体等を約2モル%程
度以下添加しても良い。
【0024】ポリエステル樹脂の内、単量体としてテレ
フタル酸を含有したものは、ガラス転移点が高めとな
り、機内への付着を軽減する方向である。また、1種類
ずつで使用するに限らず、2種以上のバインダー樹脂を
併用することもできる。本発明に用いられる熱可塑性樹
脂であるバインダー樹脂の軟化点は、フローテスター法
で測定した値が、160℃以下であるものが好ましく、
135℃以下であるものが一層好ましい。160℃を越
える場合は、充分な低温定着性が得られず、定着強度が
悪化する傾向にあるので好ましくない。光沢性、透明性
が要求されるフルカラー用に用いられるバインダー樹脂
としては、120℃以下であるものが好ましく、110
℃以下であるものがより好ましい。軟化点は低いほど定
着性の点で優れており、好ましいが軟化点を低下させる
ことに伴い後述のガラス転移点も低下するため、ガラス
転移点低下の弊害と合わせ樹脂設計する。
【0025】また、該バインダー樹脂のガラス転移温度
は、示差熱分析装置で測定したときの転移開始(変曲
点)が50℃以上75℃以下であるのが好ましい。ガラ
ス転移温度が50℃未満の場合、長期保管時の熱安定性
が悪く、トナーの凝集や固化を招き使用上問題がある。
さらに75℃以上の場合は、トナーの融着や微粉粉砕に
マージンがあるもののガラス転移点を増加させることに
伴い軟化点も増加するため、定着性が悪化する傾向があ
る。トナーの平均粒径は5〜20μmが好適である。
【0026】トナーの粒径の測定は一般的には、コール
ターカウンターによる方法が広く用いられている。今回
の発明で使用したトナーの平均粒径は、コールターカウ
ンターTA−II型に100μmのアパチャーを使用し、
トナー粒子をアイソトンに分散し、第3チャンネル〜第
16チャンネルを使用しトナー粒径分布を測定し体積平
均により決定した。
【0027】熱可塑性樹脂であるバインダー樹脂の軟化
点はフローテスター法を用いて測定した。フローテスタ
ー(島津製作所製CFT500)において、直径1mm
長さ10mmのノズルを用い、加熱体を80℃に設定し
バインダー樹脂1gを投入する。プラジャーを軽く押し
当て、300秒間余熱した後、30kg/平方cmの圧
力をかけ、6℃/分の速度で昇温する。昇温によりバイ
ンダー樹脂は軟化しノズルからバインダー樹脂が押し出
され、プラジャーは下降する。下降の開始から終了まで
のプラジャーの下降距離の中点に相当するときの温度を
もって、軟化点とする。
【0028】熱可塑性樹脂であるバインダー樹脂のガラ
ス転移点は示差熱分析装置(島津製作所製DT−30
型)を用い、バインダー樹脂約20mgを試料セルに投
入し測定部にセットし、一度10℃/分の昇温速度で1
00℃まで加熱し室温まで冷却した後、再び10℃/分
で昇温し、このときのDTA曲線の変曲温度部の前後の
なめらかな曲線部分それぞれから接線を引き、それら接
線同士の交点をもってガラス転移点とする。
【0029】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に
限定されるものではない。 実施例1 分岐型ポリエステル系樹脂 80重量部 (構成モノマー;ポリオキシプロピレン化ビスフェノールA、 ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、テレフタル酸、トリメリト酸 フローテスター軟化点111℃ ガラス転移点65℃) 帯電制御剤(オリエント化学社製E81) 20重量部 (ジターシャリブチルサリチル酸クロム錯体) を配合、混練、粗砕し、E81プレ混練品を調達した。 分岐型ポリエステル系樹脂(E81プレ混練品と同じ樹脂) 60重量部 顔料 ピグメントブルー 15 40重量部 を配合、混練、粗砕し、シアン顔料プレ混練品を調達した。 さらに上記プレ混練品を用い、 分岐型ポリエステル系樹脂(E81プレ混練品と同じ樹脂) 74重量部 シアン顔料プレ混練品 10重量部 E81プレ混練品 25重量部 を配合し、2軸混練機で混練し、粗砕を行い、トナー原料粗砕物を得た。
【0030】本トナー原料粗砕物をホソカワミクロン社
製カウンタージェットミル400AFGを用い、粉砕分
級を行った。本装置は粉砕された粉体がスリット状の開
口を有する回転ローター部で分級され、所望の粒径より
大きい粒子は回転ローターを通過せず、粉砕ゾーンへ落
下し再度粉砕される構造になっている。約30kg/時
のフィードレートで約5時間で約160kgの粉砕分級
物(平均粒径約8.5μmで5μm以下の微粉末を25
〜40体積%含む。)を連続で得ることができた。
【0031】 実施例2 分岐型ポリエステル系樹脂(実施例1と同じ樹脂) 100重量部 顔料 ピグメントブルー 15 5重量部 帯電制御剤(オリエント化学社製E84) 2重量部 (ジターシャリブチルサリチル酸亜鉛塩) を配合し、2軸混練機で混練し、粗砕を行い、トナー原料粗砕物を得た。 本トナー原料粗砕物をホソカワミクロン社製カウンター
ジェットミル400AFGを用い、実施例1同様に粉砕
分級を行った。約30kg/時のフィードレートで約3
時間30分で約100kgの粉砕分級物(平均粒径約8
μmで5μm以下の微粉末を30〜40体積%含む。)
を連続で得ることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に使用できる粉砕分級方法の一例を示す
図。
【符号の説明】
1 原料フィード 2 粉砕用圧縮空気ノズル 3 分級ローター 4 粉砕分級物

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原料を気体流に分散させ衝突させること
    により粉砕し、開口を有する回転部材の開口に粉砕物を
    分散した気体を通過させ、通過する粉砕物と通過しない
    粉砕物とに選別し、通過しない粉砕物は原料と合流し、
    また衝突により粉砕する粉砕分級方法において、原料に
    サリチル酸系金属化合物を含有させることを特徴とする
    粉砕分級方法。
  2. 【請求項2】 開口を有する回転部材の開口に原料及び
    粉砕物を分散した気体を通過させ、通過する原料及び粉
    砕物と通過しない原料及び粉砕物とに選別し、通過しな
    い粉砕物及び原料を衝突により粉砕し、原料と合流させ
    る粉砕分級方法において、原料にサリチル酸系金属化合
    物を含有させることを特徴とする粉砕分級方法。
  3. 【請求項3】 回転部材が円筒状あるいは円錐状の形状
    を有し、スリット状の開口を有することを特徴とする請
    求項1または2に記載の粉砕分級方法。
  4. 【請求項4】 衝突は原料及び粉砕物同士の衝突である
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載
    の粉砕分級方法。
  5. 【請求項5】 衝突は原料及び粉砕物を分散した複数の
    気体流の合流域での原料及び粉砕物同士の衝突であるこ
    とを特徴とする請求項4に記載の粉砕分級方法。
  6. 【請求項6】 少なくとも一方の面に凹凸を形成させた
    部材同士の面を10mm以下の間隔で対向させ、この部
    材面を相対移動させることにより凹部に渦流を発生さ
    せ、原料及び粉砕物を分散した気体流をこの対向させた
    隙間を通過させる際に衝突させることを特徴とする請求
    項4に記載の粉砕分級方法。
  7. 【請求項7】 サリチル酸系金属化合物の含有量が0.
    9重量%から5重量%の範囲であることを特徴とする請
    求項1乃至6のいずれか1項に記載の粉砕分級方法。
  8. 【請求項8】 粉体が熱可塑性樹脂を含有することを特
    徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の粉砕分
    級方法。
  9. 【請求項9】 熱可塑性樹脂のフローテスター軟化点が
    120℃以下であることを特徴とする請求項8に記載の
    粉砕分級方法。
  10. 【請求項10】 熱可塑性樹脂のガラス転移点が75℃
    以下であることを特徴とする請求項8または9に記載の
    粉砕分級方法。
  11. 【請求項11】 本方法によって得られた粉砕分級物が
    乾式電子写真用トナーあるいはその原料であることを特
    徴とする請求項8乃至10のいずれか1項に記載の粉砕
    分級方法。
  12. 【請求項12】 本方法によって得られた粉砕分級物が
    カラートナーあるいはその原料であることを特徴とする
    請求項11に記載の粉砕分級方法。
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