JPH10286085A - ブレバンディモナス・エスピーp3−4株及びオルトリン酸含有水の処理方法 - Google Patents
ブレバンディモナス・エスピーp3−4株及びオルトリン酸含有水の処理方法Info
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- JPH10286085A JPH10286085A JP9095505A JP9550597A JPH10286085A JP H10286085 A JPH10286085 A JP H10286085A JP 9095505 A JP9095505 A JP 9095505A JP 9550597 A JP9550597 A JP 9550597A JP H10286085 A JPH10286085 A JP H10286085A
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- orthophosphoric acid
- water
- brevundimonas
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 オルトリン酸含有水から優れたオルトリン酸
除去活性を有する新規ブレバンディモナス(Brevundimon
as) 属の細菌及びオルトリン酸含有水からの容易で安定
な生物学的リン除去方法を提供する。 【解決手段】 オルトリン酸取り込み活性を有すること
を特徴とするブレバンディモナス・エスピー(Brevundim
onas sp.) P3−4株(FERM P−16121)。
除去活性を有する新規ブレバンディモナス(Brevundimon
as) 属の細菌及びオルトリン酸含有水からの容易で安定
な生物学的リン除去方法を提供する。 【解決手段】 オルトリン酸取り込み活性を有すること
を特徴とするブレバンディモナス・エスピー(Brevundim
onas sp.) P3−4株(FERM P−16121)。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は水中のオルトリン酸
を高活性に菌体内に取り込む能力を有するブレバンディ
モナス・エスピー(Brevundimonas sp.) P3−4株及び
オルトリン酸含有水の処理方法に関するものである。
を高活性に菌体内に取り込む能力を有するブレバンディ
モナス・エスピー(Brevundimonas sp.) P3−4株及び
オルトリン酸含有水の処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】オルトリン酸は、生活廃水、農集落廃
水、一般下水、食品加工工場などの工場廃水などに広く
含まれている。この廃水中のオルトリン酸が除去されず
に湖沼や湾に流入すると、これら閉鎖性水域で富栄養化
の原因になり、魚などの水生生物の環境が極度に悪化す
る。現在、廃水中からのオルトリン酸を含むリンを除去
する方法としては、各種金属塩を用いた凝集沈殿法や晶
析脱リン法、あるいはA2 O法(嫌気−無酸素−好気
法)や回分式活性汚泥法、嫌気・好気活性汚泥法が利用
されている。しかし、アルミニウムや鉄、カルシウム塩
を用いた凝集沈殿法は薬剤コストがきわめて高くなり、
また生成した沈殿物の処理・処分方法が大きな問題とな
っている。また、晶析脱リン法はヒドロキシルアパタイ
トの種晶を用いて、リンを効率よくヒドロキシルアパタ
イトに変換し、これを除去する方法であるが、生成沈殿
物は少なくなるものの、液中のHCO3-イオンが晶析を
阻害するため、一度酸性にしてHCO3-イオンを除去し
た後、pHを弱アルカリ側に戻す必要がある。このた
め、凝集沈殿法と同様に薬剤によるランニングコストが
高くなるという問題点を有している。一方、A2 O法や
回分式活性汚泥法、好気・嫌気活性汚泥法は、生物の持
つリン蓄積能を利用してリンを除去する方法であり、薬
品を使用しないためランニングコストも低い処理方法で
ある。この方法の原理は、好気条件下でリンを汚泥内に
蓄積させ、リン含有汚泥を水槽から引き抜くものであ
る。活性汚泥をリンと易分解性有機物を含有する水中
で、好気・嫌気条件下に曝すことにより、汚泥内にリン
蓄積細菌を増加させることが可能であるが、この汚泥が
十分なリン除去活性を有するには3〜6ヶ月間の長期間
の馴養期間が必要であった。このような活性汚泥に生息
するリン蓄積細菌としては、これまでにアルスロバクタ
ー(Arthrobacter)属、アシネトバクター(Acinetobacte
r) 属やシュードモナス(Pseudomonas)属、ミクロルナタ
ナス(Microlunatus)属の細菌が報告されている。
水、一般下水、食品加工工場などの工場廃水などに広く
含まれている。この廃水中のオルトリン酸が除去されず
に湖沼や湾に流入すると、これら閉鎖性水域で富栄養化
の原因になり、魚などの水生生物の環境が極度に悪化す
る。現在、廃水中からのオルトリン酸を含むリンを除去
する方法としては、各種金属塩を用いた凝集沈殿法や晶
析脱リン法、あるいはA2 O法(嫌気−無酸素−好気
法)や回分式活性汚泥法、嫌気・好気活性汚泥法が利用
されている。しかし、アルミニウムや鉄、カルシウム塩
を用いた凝集沈殿法は薬剤コストがきわめて高くなり、
また生成した沈殿物の処理・処分方法が大きな問題とな
っている。また、晶析脱リン法はヒドロキシルアパタイ
トの種晶を用いて、リンを効率よくヒドロキシルアパタ
イトに変換し、これを除去する方法であるが、生成沈殿
物は少なくなるものの、液中のHCO3-イオンが晶析を
阻害するため、一度酸性にしてHCO3-イオンを除去し
た後、pHを弱アルカリ側に戻す必要がある。このた
め、凝集沈殿法と同様に薬剤によるランニングコストが
高くなるという問題点を有している。一方、A2 O法や
回分式活性汚泥法、好気・嫌気活性汚泥法は、生物の持
つリン蓄積能を利用してリンを除去する方法であり、薬
品を使用しないためランニングコストも低い処理方法で
ある。この方法の原理は、好気条件下でリンを汚泥内に
蓄積させ、リン含有汚泥を水槽から引き抜くものであ
る。活性汚泥をリンと易分解性有機物を含有する水中
で、好気・嫌気条件下に曝すことにより、汚泥内にリン
蓄積細菌を増加させることが可能であるが、この汚泥が
十分なリン除去活性を有するには3〜6ヶ月間の長期間
の馴養期間が必要であった。このような活性汚泥に生息
するリン蓄積細菌としては、これまでにアルスロバクタ
ー(Arthrobacter)属、アシネトバクター(Acinetobacte
r) 属やシュードモナス(Pseudomonas)属、ミクロルナタ
ナス(Microlunatus)属の細菌が報告されている。
【0003】しかし、これらの細菌では、リン除去活性
の高い活性汚泥に特徴的な嫌気条件下における易分解性
有機物の取り込みを伴ったリン放出や、好気条件下での
急速なリン取り込みなどを必ずしも再現できるものでは
なく、廃水処理に用いるには十分なものではなかった。
また、純粋な培養系では十分なリン取り込み活性が認め
られていても、多種類の微生物が混在する活性汚泥槽
に、これらの細菌を投入すると、リン除去細菌が捕食さ
れたり、生育が遅かったりするために長期間汚泥槽内に
留まることができず、安定なリン除去装置を運転するこ
とができないなどの問題があった。
の高い活性汚泥に特徴的な嫌気条件下における易分解性
有機物の取り込みを伴ったリン放出や、好気条件下での
急速なリン取り込みなどを必ずしも再現できるものでは
なく、廃水処理に用いるには十分なものではなかった。
また、純粋な培養系では十分なリン取り込み活性が認め
られていても、多種類の微生物が混在する活性汚泥槽
に、これらの細菌を投入すると、リン除去細菌が捕食さ
れたり、生育が遅かったりするために長期間汚泥槽内に
留まることができず、安定なリン除去装置を運転するこ
とができないなどの問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】また、ブレバンディモ
ナス・ベシキュラリス(Brevundimonas besicularis) が
リンの取り込み活性を有することが知られているが〔ウ
ォーター サイエンステクノロジー(Wat. Sci. Tec
h.) Vol. 17, Paris, pp 99-111(1985) 〕、その活性は
十分ではものではなかった。本発明は、多量のオルトリ
ン酸を蓄積することのできる微生物及び安易にしかも効
率よく生物学的にオルトリン酸を除去することのできる
オルトリン酸含有水の処理方法を提供することを目的と
するものである。
ナス・ベシキュラリス(Brevundimonas besicularis) が
リンの取り込み活性を有することが知られているが〔ウ
ォーター サイエンステクノロジー(Wat. Sci. Tec
h.) Vol. 17, Paris, pp 99-111(1985) 〕、その活性は
十分ではものではなかった。本発明は、多量のオルトリ
ン酸を蓄積することのできる微生物及び安易にしかも効
率よく生物学的にオルトリン酸を除去することのできる
オルトリン酸含有水の処理方法を提供することを目的と
するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な状況に鑑み、既知及び未知の微生物を好気・嫌気活性
汚泥槽や土壌などからスクリーニングした結果、オルト
リン酸を高活性に菌体内に取込むブレバンディモナス・
エスピー(Brevundimonas sp.) に属する細菌を見出し、
本発明を完成するに至った。すなわち、第1の発明は、
ブレバンディモナス(Brevundimonas) 属に属し、好気条
件下で水中のオルトリン酸を菌体内に取り込みかつ嫌気
条件下でオルトリン酸を放出する能力を有することを特
徴とするブレバンディモナス・エスピー(Brevundimonas
sp.) P3−4株(FERM P−16121)を要旨
とするものである。また、第2の発明は、オルトリン酸
を含有する水に、ブレバンディモナス・エスピー(Brevu
ndimonas sp.) P3−4株(FERM P−1612
1)を好気条件下で接触させて水中のオルトリン酸を菌
体内に蓄積させた後、この菌体を水中から除去すること
を特徴とするオルトリン酸含有水の処理方法を要旨とす
るものである。さらに、第3の発明は、オルトリン酸を
含有する水に、ブレバンディモナス・ディミニュータ(B
revundimonas diminuta) に属する細菌を好気条件下で
接触させて水中のオルトリン酸を菌体内に蓄積させた
後、この菌体を水中から除去することを特徴とするオル
トリン酸含有水の処理方法を要旨とするものである。
な状況に鑑み、既知及び未知の微生物を好気・嫌気活性
汚泥槽や土壌などからスクリーニングした結果、オルト
リン酸を高活性に菌体内に取込むブレバンディモナス・
エスピー(Brevundimonas sp.) に属する細菌を見出し、
本発明を完成するに至った。すなわち、第1の発明は、
ブレバンディモナス(Brevundimonas) 属に属し、好気条
件下で水中のオルトリン酸を菌体内に取り込みかつ嫌気
条件下でオルトリン酸を放出する能力を有することを特
徴とするブレバンディモナス・エスピー(Brevundimonas
sp.) P3−4株(FERM P−16121)を要旨
とするものである。また、第2の発明は、オルトリン酸
を含有する水に、ブレバンディモナス・エスピー(Brevu
ndimonas sp.) P3−4株(FERM P−1612
1)を好気条件下で接触させて水中のオルトリン酸を菌
体内に蓄積させた後、この菌体を水中から除去すること
を特徴とするオルトリン酸含有水の処理方法を要旨とす
るものである。さらに、第3の発明は、オルトリン酸を
含有する水に、ブレバンディモナス・ディミニュータ(B
revundimonas diminuta) に属する細菌を好気条件下で
接触させて水中のオルトリン酸を菌体内に蓄積させた
後、この菌体を水中から除去することを特徴とするオル
トリン酸含有水の処理方法を要旨とするものである。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
まず、本発明のブレバンディモナス・エスピー(Brevund
imonas sp.) P3−4株について説明すると、この菌株
は高活性なリン除去能を有する好気・嫌気活性汚泥槽の
汚泥内から分離されたもので、以下のような菌学的性質
を有している。 (a)形態的性質 細胞の形及び大きさ 0.8〜1μmの桿菌 運動性の有無 極鞭毛と運動性を有する 胞子の有無 無 (b)培養的性質 集落の色調は黄色系であった。 (c)生理学的性質 グラム染色性 陰性 オキシダーゼ 産生能を有す カタラーゼ 産生能を有す 酸の生成能 無 酸素に対する態度 好気性 PHB(ポリヒドロキシブチレート)の蓄積能 有 キノン系 Q−10
まず、本発明のブレバンディモナス・エスピー(Brevund
imonas sp.) P3−4株について説明すると、この菌株
は高活性なリン除去能を有する好気・嫌気活性汚泥槽の
汚泥内から分離されたもので、以下のような菌学的性質
を有している。 (a)形態的性質 細胞の形及び大きさ 0.8〜1μmの桿菌 運動性の有無 極鞭毛と運動性を有する 胞子の有無 無 (b)培養的性質 集落の色調は黄色系であった。 (c)生理学的性質 グラム染色性 陰性 オキシダーゼ 産生能を有す カタラーゼ 産生能を有す 酸の生成能 無 酸素に対する態度 好気性 PHB(ポリヒドロキシブチレート)の蓄積能 有 キノン系 Q−10
【0007】以上の性質から、バージェイズ・マニュア
ル・オブ・システマチック・バクテリオロジー, ボリュ
ーム1, 1984(Bergey’s Manual of Systematic Bacte
riology Vol.1 )やバージェイズ・マニュアル・オブ・
デターミネイティブ・バクテリオロジー, ナインス エ
ディション, 1994(Bergey’s Manual of Determinativ
e bacteriology 9th Edition)、インターナショナル・
ジャーナル・オブ・システマチック・バクテリオロジ
ー, ボリューム44, 499 ページ, 1994(International
Journal of Systematic Bacteriology, Vol.44, 499, 1
994 )を用いて検討したところ、ブレバンディモナス属
の細菌であると同定した。この菌株はブレバンディモナ
ス・デミニュータ(Brevundimonas diminuta)及びブレバ
ンディモナス・ベシキュラリス(Brevundimonas vesicul
aris) と菌学的性質が一致しなかったのでブレバンディ
モナス・エスピー(Brevundimonas sp.) P3 4株と命
名し、工業技術院生命工学技術研究所に寄託した。その
寄託番号はFERM P−16121である。
ル・オブ・システマチック・バクテリオロジー, ボリュ
ーム1, 1984(Bergey’s Manual of Systematic Bacte
riology Vol.1 )やバージェイズ・マニュアル・オブ・
デターミネイティブ・バクテリオロジー, ナインス エ
ディション, 1994(Bergey’s Manual of Determinativ
e bacteriology 9th Edition)、インターナショナル・
ジャーナル・オブ・システマチック・バクテリオロジ
ー, ボリューム44, 499 ページ, 1994(International
Journal of Systematic Bacteriology, Vol.44, 499, 1
994 )を用いて検討したところ、ブレバンディモナス属
の細菌であると同定した。この菌株はブレバンディモナ
ス・デミニュータ(Brevundimonas diminuta)及びブレバ
ンディモナス・ベシキュラリス(Brevundimonas vesicul
aris) と菌学的性質が一致しなかったのでブレバンディ
モナス・エスピー(Brevundimonas sp.) P3 4株と命
名し、工業技術院生命工学技術研究所に寄託した。その
寄託番号はFERM P−16121である。
【0008】この菌株を大量に培養するための培地とし
ては、この菌株が良好に生育し、かつオルトリン酸の取
り込み活性を発現できるような培地であれば、いかなる
組成の培地でもよく、炭素源としては、グルコースやラ
クトース、でんぷんのような炭水化物、エタノールやメ
タノール、グリセリンのようなアルコール、酢酸、アミ
ノ酸、クエン酸のような有機酸及びその塩などが挙げら
れるが、好ましくは炭水化物である。窒素源としては、
特に限定されるものではないが、肉エキスやポリペプト
ン、イースト・エキストラクトのような有機窒素源、硫
酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、塩化アンモニウ
ム、尿素などの無機窒素源が利用できが、好ましくは、
有機窒素源である。無機塩類としては、各種のリン酸
塩、硫酸マグネシウムなどが利用できる。さらに、微量
の無機重金属(鉄塩、マンガン塩など)を必要に応じて
添加してもよい。
ては、この菌株が良好に生育し、かつオルトリン酸の取
り込み活性を発現できるような培地であれば、いかなる
組成の培地でもよく、炭素源としては、グルコースやラ
クトース、でんぷんのような炭水化物、エタノールやメ
タノール、グリセリンのようなアルコール、酢酸、アミ
ノ酸、クエン酸のような有機酸及びその塩などが挙げら
れるが、好ましくは炭水化物である。窒素源としては、
特に限定されるものではないが、肉エキスやポリペプト
ン、イースト・エキストラクトのような有機窒素源、硫
酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、塩化アンモニウ
ム、尿素などの無機窒素源が利用できが、好ましくは、
有機窒素源である。無機塩類としては、各種のリン酸
塩、硫酸マグネシウムなどが利用できる。さらに、微量
の無機重金属(鉄塩、マンガン塩など)を必要に応じて
添加してもよい。
【0009】培養方法としては、振盪培養、通気撹拌培
養などの公知の一般的な微生物の培養方法を適用するこ
とができる。培養温度としては、10〜35℃が好まし
く、特に好ましくは20〜30℃である。培養時のpH
としては、5〜9が好ましく、特に好ましくは6〜8で
ある。培養日数としては、菌体の増殖に応じて適宜設定
すればよいが、2〜5日間が好ましい。また、必要に応
じて、ビタミン類や消泡剤を培養時に添加してもよい。
養などの公知の一般的な微生物の培養方法を適用するこ
とができる。培養温度としては、10〜35℃が好まし
く、特に好ましくは20〜30℃である。培養時のpH
としては、5〜9が好ましく、特に好ましくは6〜8で
ある。培養日数としては、菌体の増殖に応じて適宜設定
すればよいが、2〜5日間が好ましい。また、必要に応
じて、ビタミン類や消泡剤を培養時に添加してもよい。
【0010】次に、本発明のオルトリン酸含有水の処理
方法について説明する。本発明に用いられる細菌として
は、ブレバンディモナス・エスピー(Brevundimonas s
p.) P3−4株又はブレバンディモナス・ディミニュー
タ(Brevundimonas diminuta)に属する細菌、例えばブ
レバンディモナス・ディミニュータ(Brevundimonas di
minuta)IFO−12697、13181、1318
2、14213などが挙げられる。本発明においては、
このような細菌を単独で用いても、複数の菌株を用いて
もよい。また、既存の活性汚泥のような複数の微生物の
混合系に添加してもよいし、これらの細菌のオルトリン
酸の取込み活性を阻害・抑制しない限りにおいて、公知
のリン蓄積細菌と併用してもよい。また、このような細
菌を繊維状担体やプラスチック担体、FRP担体、シリ
コン性担体などの公知の微生物担体に固定化して用いて
もよい。
方法について説明する。本発明に用いられる細菌として
は、ブレバンディモナス・エスピー(Brevundimonas s
p.) P3−4株又はブレバンディモナス・ディミニュー
タ(Brevundimonas diminuta)に属する細菌、例えばブ
レバンディモナス・ディミニュータ(Brevundimonas di
minuta)IFO−12697、13181、1318
2、14213などが挙げられる。本発明においては、
このような細菌を単独で用いても、複数の菌株を用いて
もよい。また、既存の活性汚泥のような複数の微生物の
混合系に添加してもよいし、これらの細菌のオルトリン
酸の取込み活性を阻害・抑制しない限りにおいて、公知
のリン蓄積細菌と併用してもよい。また、このような細
菌を繊維状担体やプラスチック担体、FRP担体、シリ
コン性担体などの公知の微生物担体に固定化して用いて
もよい。
【0011】本発明で処理の対象となるオルトリン酸含
有水としては、家庭廃水、穀類でんぷん製造業、菓子製
造業、発酵食品製造業、乳製品製造業、食肉センター、
砂糖製造業、畜産食料製造業、畜産農業、肉製品製造
業、食肉ハム・ソーセージ製造業、水産練り製品製造
業、水産食料品製造業、有機化学工業、無機化学工業な
どからの廃水が挙げられるが、特に畜産食料製造業、畜
産農業、肉製品製造業、食肉ハム・ソーセージ製造業、
水産練り製品製造業、水産食料品製造業からの廃水に適
している。水中のオルトリン酸の濃度としては、0. 1
〜100mg/リットルが好ましく、さらに好ましくは
1〜15mg/リットルである。
有水としては、家庭廃水、穀類でんぷん製造業、菓子製
造業、発酵食品製造業、乳製品製造業、食肉センター、
砂糖製造業、畜産食料製造業、畜産農業、肉製品製造
業、食肉ハム・ソーセージ製造業、水産練り製品製造
業、水産食料品製造業、有機化学工業、無機化学工業な
どからの廃水が挙げられるが、特に畜産食料製造業、畜
産農業、肉製品製造業、食肉ハム・ソーセージ製造業、
水産練り製品製造業、水産食料品製造業からの廃水に適
している。水中のオルトリン酸の濃度としては、0. 1
〜100mg/リットルが好ましく、さらに好ましくは
1〜15mg/リットルである。
【0012】本発明においては、処理するオルトリン酸
含有水中に細菌の生育及びオルトリン酸取り込みに必要
なエネルギー源となる易分解性有機物、窒素源、微量金
属塩などが含まれていることが好ましい。易分解性有機
物としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉
草酸、イソ吉酸、カプロン酸、クエン酸などの有機酸及
びその塩、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イ
ソロイシン、セリン、トレオニン、グルタミン、グルタ
ミン酸、アスパラギン、アスパラギン酸などのアミノ酸
及びその塩、グルコース、フルクトース、ガラクトー
ス、マンノース、リボース、マルトース、ラクトース、
スクロース、トレハロースなどの糖、メタノール、エタ
ノール、プロパノール、グリセロールなどのアルコール
があげられる。窒素源としては、肉エキスやポリペプト
ン、イースト・エキストラクトのような有機窒素源、硫
酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、塩化アンモニウ
ム、尿素などの無機窒素源があげられる。易分解性有機
物の量としては、易分解性有機物の指標として易分解性
BODを用いれば、易分解性BOD量が、重量比で水中
のオルトリン酸の5倍量以上であることが好ましく、さ
らに1 0倍量以上であることが好ましい。なお、易分解
性BODとは、廃水中のコロイド以上のBOD成分の除
去を目的として、凝集処理を行った後の溶解性BODの
ことであり、その測定方法は次の通りである。すなわ
ち、水に硫酸アルミニウム溶液を、Al3+として50m
g/リットル添加し、アルカリとして水酸化ナトリウ
ム、酸として塩酸を用いてpHを6. 5として凝集処理
を行い、続いて、上澄みを1μmのろ紙でろ過した液の
BOD(生物化学的酸素要求量)を測定すればよい。ま
た、オルトリン酸含有水中の窒素源の量としては、総窒
素量として10〜500mg/lが好ましく、さらに好
ましくは50〜250mg/lである。また、オルトリ
ン酸含有水のpHとしては、5〜10が好ましく、さら
に好ましくは7〜9、特に好ましくは7. 5〜8. 5で
ある。
含有水中に細菌の生育及びオルトリン酸取り込みに必要
なエネルギー源となる易分解性有機物、窒素源、微量金
属塩などが含まれていることが好ましい。易分解性有機
物としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉
草酸、イソ吉酸、カプロン酸、クエン酸などの有機酸及
びその塩、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イ
ソロイシン、セリン、トレオニン、グルタミン、グルタ
ミン酸、アスパラギン、アスパラギン酸などのアミノ酸
及びその塩、グルコース、フルクトース、ガラクトー
ス、マンノース、リボース、マルトース、ラクトース、
スクロース、トレハロースなどの糖、メタノール、エタ
ノール、プロパノール、グリセロールなどのアルコール
があげられる。窒素源としては、肉エキスやポリペプト
ン、イースト・エキストラクトのような有機窒素源、硫
酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、塩化アンモニウ
ム、尿素などの無機窒素源があげられる。易分解性有機
物の量としては、易分解性有機物の指標として易分解性
BODを用いれば、易分解性BOD量が、重量比で水中
のオルトリン酸の5倍量以上であることが好ましく、さ
らに1 0倍量以上であることが好ましい。なお、易分解
性BODとは、廃水中のコロイド以上のBOD成分の除
去を目的として、凝集処理を行った後の溶解性BODの
ことであり、その測定方法は次の通りである。すなわ
ち、水に硫酸アルミニウム溶液を、Al3+として50m
g/リットル添加し、アルカリとして水酸化ナトリウ
ム、酸として塩酸を用いてpHを6. 5として凝集処理
を行い、続いて、上澄みを1μmのろ紙でろ過した液の
BOD(生物化学的酸素要求量)を測定すればよい。ま
た、オルトリン酸含有水中の窒素源の量としては、総窒
素量として10〜500mg/lが好ましく、さらに好
ましくは50〜250mg/lである。また、オルトリ
ン酸含有水のpHとしては、5〜10が好ましく、さら
に好ましくは7〜9、特に好ましくは7. 5〜8. 5で
ある。
【0013】本発明においては、まずオルトリン酸含有
水に、上記の細菌を好気的条件下で接触させて水中のオ
ルトリン酸を菌体内に蓄積させる。オルトリン酸含有水
に添加する細菌の量としては、処理する対象の水中に含
まれるオルトリン酸濃度及び易分解性有機物濃度、pH
などによって異なるが、オルトリン酸含有水1リットル
に対して乾燥菌体重量で100〜5, 000mgが好ま
しく、さらに好ましくは1, 000〜4, 000mgで
ある。また、大量培養した菌株をオルトリン含有水に添
加する場合には、オルトリン酸と易分解性有機物、窒素
源、微量重金属塩類を含む通気撹拌方式で、pHを7〜
9で維持しながら、連続的に7〜10日間程度、好気・
嫌気(1時間好気後、1時間嫌気処理するサイクル)馴
養培養し、オルトリン酸の取り込み活性を増大させてか
ら添加することが好ましい。
水に、上記の細菌を好気的条件下で接触させて水中のオ
ルトリン酸を菌体内に蓄積させる。オルトリン酸含有水
に添加する細菌の量としては、処理する対象の水中に含
まれるオルトリン酸濃度及び易分解性有機物濃度、pH
などによって異なるが、オルトリン酸含有水1リットル
に対して乾燥菌体重量で100〜5, 000mgが好ま
しく、さらに好ましくは1, 000〜4, 000mgで
ある。また、大量培養した菌株をオルトリン含有水に添
加する場合には、オルトリン酸と易分解性有機物、窒素
源、微量重金属塩類を含む通気撹拌方式で、pHを7〜
9で維持しながら、連続的に7〜10日間程度、好気・
嫌気(1時間好気後、1時間嫌気処理するサイクル)馴
養培養し、オルトリン酸の取り込み活性を増大させてか
ら添加することが好ましい。
【0014】接触させる際の好気的条件としては、温度
としては、10〜35℃が好ましく、さらに好ましくは
15〜30℃である。また、通気量としては0.5〜
1.5vvmが好ましく、さらに0.8〜1.2vvm
が好ましい。また、接触時間としては、オルトリン酸濃
度及び菌体量により異なるので、処理水質が水質汚濁防
止法等の法律及び規則、条例等に定められている値まで
低下するように適宜選択すればよい。
としては、10〜35℃が好ましく、さらに好ましくは
15〜30℃である。また、通気量としては0.5〜
1.5vvmが好ましく、さらに0.8〜1.2vvm
が好ましい。また、接触時間としては、オルトリン酸濃
度及び菌体量により異なるので、処理水質が水質汚濁防
止法等の法律及び規則、条例等に定められている値まで
低下するように適宜選択すればよい。
【0015】次いで、本発明においては、オルトリン酸
を蓄積した菌体を水中から除去する。除去方法として
は、一般に行われている方法で行えばよく、例えば、沈
降分離、浮上分離、ろ過、遠心分離などがあげられる。
を蓄積した菌体を水中から除去する。除去方法として
は、一般に行われている方法で行えばよく、例えば、沈
降分離、浮上分離、ろ過、遠心分離などがあげられる。
【0016】また、本発明は、上記のような細菌を含む
(添加した)汚泥を用いて一般に行われている好気・嫌
気活性汚泥法において処理することも可能である。好気
・嫌気活性汚泥法としては、A2 O法、回分式活性汚泥
法、間欠曝気式活性汚泥法などがあげられるが、好まし
くは間欠曝気式活性汚泥法である。ここでいう間欠曝気
式活性汚泥法とは、廃水を活性汚泥と混合し、曝気を行
う好気状態と曝気を停止して撹拌する嫌気状態とを交互
にくり返して処理させたあと、この処理水を最終沈殿池
から放流させ、沈殿汚泥は曝気槽に返送すると共に、余
剰汚泥として抜き出す方法であり、例えば、特開平6−
55190号公報の2槽式間欠曝気活性汚泥法があげら
れる。
(添加した)汚泥を用いて一般に行われている好気・嫌
気活性汚泥法において処理することも可能である。好気
・嫌気活性汚泥法としては、A2 O法、回分式活性汚泥
法、間欠曝気式活性汚泥法などがあげられるが、好まし
くは間欠曝気式活性汚泥法である。ここでいう間欠曝気
式活性汚泥法とは、廃水を活性汚泥と混合し、曝気を行
う好気状態と曝気を停止して撹拌する嫌気状態とを交互
にくり返して処理させたあと、この処理水を最終沈殿池
から放流させ、沈殿汚泥は曝気槽に返送すると共に、余
剰汚泥として抜き出す方法であり、例えば、特開平6−
55190号公報の2槽式間欠曝気活性汚泥法があげら
れる。
【0017】
【実施例】次に、本発明を実施例によって具体的に説明
する。なお、実施例において、オルトリン酸の定量は、
工業廃水試験方法 JISK0102の方法に従った。
すなわち、アスコルビン酸溶液(72g/リットル)と
モリブデン酸アンモニウム溶液(7モリブデン酸6アン
モニウム4水和物6gと酒石酸アンチモニルカリウム
0. 24gを水300ミリリットルに溶解し、これに硫
酸(2+1)120ミリリットルを加え、次にアミド硫
酸アンモニウム5gを加えて溶解した後、水を加えて5
00ミリリットルにしたもの)を体積比で1対5で混合
したモリブデン酸アンモニウム−アスコルビン酸混合溶
液を使用直前に調製した。廃水試料0. 5ミリリットル
と蒸留水4. 5ミリリットルを混合し、0. 4ミリリッ
トルのモリブデン酸アンモニウム−アスコルビン酸混合
溶液と混合して、室温で約15分放置してから、波長8
80nmで吸光度を測定した。オルトリン酸濃度の計算
は、測定の都度、検量線を作成し、その値から求めた。
する。なお、実施例において、オルトリン酸の定量は、
工業廃水試験方法 JISK0102の方法に従った。
すなわち、アスコルビン酸溶液(72g/リットル)と
モリブデン酸アンモニウム溶液(7モリブデン酸6アン
モニウム4水和物6gと酒石酸アンチモニルカリウム
0. 24gを水300ミリリットルに溶解し、これに硫
酸(2+1)120ミリリットルを加え、次にアミド硫
酸アンモニウム5gを加えて溶解した後、水を加えて5
00ミリリットルにしたもの)を体積比で1対5で混合
したモリブデン酸アンモニウム−アスコルビン酸混合溶
液を使用直前に調製した。廃水試料0. 5ミリリットル
と蒸留水4. 5ミリリットルを混合し、0. 4ミリリッ
トルのモリブデン酸アンモニウム−アスコルビン酸混合
溶液と混合して、室温で約15分放置してから、波長8
80nmで吸光度を測定した。オルトリン酸濃度の計算
は、測定の都度、検量線を作成し、その値から求めた。
【0018】実施例1 ブレバンディモナス・エスピー(Brevundimonas sp.) P
3−4株(FERMP−16121)をポリペプトン
1. 0重量%(以下、単に%と記載する)、イーストエ
キストラクト 0. 5%、塩化ナトリウム 0. 5%、
グルコース0. 1%、pH6. 5の培地200ミリリッ
トルで2日間振盪培養し、遠心分離(9, 000回転、
15分間)して菌体を回収した。得られた菌体をポリペ
プトン 0. 05%、酢酸ナトリウム 0. 5%、イー
スト・エキストラクト 0.05%、KH2 PO4 0.
044%、MgSO4 ・7H2 O 0. 01%を含有
するpH6. 5の合成リン廃水1リットルに添加した。
曝気は好気時のみ1リットル/分通気し、好気・嫌気サ
イクルは各1時間毎としてpHは7〜8になるよう維持
した。また、培地は回分式バッチ交換を行い、毎日25
0リットルづつ交換して10日間馴養培養を行った。1
0日後、回収する直前に嫌気条件下で1時間曝した後、
菌体を遠心分離(9, 000回転、15分間)して回収
した。この菌体を乾燥重量で3, 100mgになるよう
に秤量し、14mgオルトリン酸と酢酸ナトリウム、ペ
プトン及びイーストエクストラクトを易分解性BODで
2, 703mg含む培地1リットルに添加し、1vvm
で空気を通気し、培養開始前の培地のpHは6. 5、
7. 0、7. 5、8. 0、8. 5になるように調整し、
培養開始後も30分毎にpHを初期値になるように調整
して5時間好気条件下で取り込みを行わせ、菌体内への
リン取り込み活性(培地中の残存オルトリン酸濃度)を
測定した。
3−4株(FERMP−16121)をポリペプトン
1. 0重量%(以下、単に%と記載する)、イーストエ
キストラクト 0. 5%、塩化ナトリウム 0. 5%、
グルコース0. 1%、pH6. 5の培地200ミリリッ
トルで2日間振盪培養し、遠心分離(9, 000回転、
15分間)して菌体を回収した。得られた菌体をポリペ
プトン 0. 05%、酢酸ナトリウム 0. 5%、イー
スト・エキストラクト 0.05%、KH2 PO4 0.
044%、MgSO4 ・7H2 O 0. 01%を含有
するpH6. 5の合成リン廃水1リットルに添加した。
曝気は好気時のみ1リットル/分通気し、好気・嫌気サ
イクルは各1時間毎としてpHは7〜8になるよう維持
した。また、培地は回分式バッチ交換を行い、毎日25
0リットルづつ交換して10日間馴養培養を行った。1
0日後、回収する直前に嫌気条件下で1時間曝した後、
菌体を遠心分離(9, 000回転、15分間)して回収
した。この菌体を乾燥重量で3, 100mgになるよう
に秤量し、14mgオルトリン酸と酢酸ナトリウム、ペ
プトン及びイーストエクストラクトを易分解性BODで
2, 703mg含む培地1リットルに添加し、1vvm
で空気を通気し、培養開始前の培地のpHは6. 5、
7. 0、7. 5、8. 0、8. 5になるように調整し、
培養開始後も30分毎にpHを初期値になるように調整
して5時間好気条件下で取り込みを行わせ、菌体内への
リン取り込み活性(培地中の残存オルトリン酸濃度)を
測定した。
【0019】その結果を図1に示す。図1は本発明のブ
レバンディモナス・エスピー(Brevundimonas sp.) P3
−4株のpH6.5〜8.5におけるオルトリン酸の取
り込み活性を示す図であり、横軸に培養時間を、縦軸に
培地中のオルトリン酸の残存量を示している。この図か
ら、本発明の菌株はpH6.5〜8.5において培地中
のオルトリン酸を高活性で取り込み、取り込み活性はp
H8.0で最も高いことがわかる。
レバンディモナス・エスピー(Brevundimonas sp.) P3
−4株のpH6.5〜8.5におけるオルトリン酸の取
り込み活性を示す図であり、横軸に培養時間を、縦軸に
培地中のオルトリン酸の残存量を示している。この図か
ら、本発明の菌株はpH6.5〜8.5において培地中
のオルトリン酸を高活性で取り込み、取り込み活性はp
H8.0で最も高いことがわかる。
【0020】実施例2〜6、比較例1 ブレバンディモナス・エスピー(Brevundimonas sp.) P
3−4株(FERMP−16121:実施例2)、ブレ
バンディモナス・ディミニュータ(Brevundimonas dimin
uta)IFO−12697(実施例3)、13181(実
施例4)、13182(実施例5)、14212(実施
例6)及びブレバンディモナス・ベシキュラリス(Brevu
ndimonas vesicularis) IFO−12165(比較例
1)をそれぞれポリペプトン 1. 0%、イーストエキ
ストラクト 0. 5%、塩化ナトリウム 0. 5%、グ
ルコース 0. 1%、pH6. 5の培地200ミリリッ
トルで2日間振盪培養し、遠心分離(9, 000回転、
15分間)して回収した。各菌体をポリペプトン 0.
05%、酢酸ナトリウム 0. 5%、イースト・エキス
トラクト 0. 05%、KH2 PO4 0. 044%、
MgSO4 ・7H2O 0. 01%を含有するpH6.
5の合成リン廃水1リットルに添加した。曝気は好気時
のみ1vvm通気し、好気・嫌気サイクルは各1時間毎
としてpHは7〜8になるよう維持した。また、培地は
回分式バッチ交換を行い、毎日250ミリリットルづつ
交換して10日間馴養培養を行った。10日後、回収す
る直前に嫌気条件下で1時間曝した後、菌体を遠心分離
(9, 000回転、15分間)して回収し、各乾燥菌体
重量が3, 200mgになるよう秤量し、10mgオル
トリン酸と酢酸ナトリウム、ペプトン及びイーストエク
ストラクトを易分解性BODで2, 703mg含む培地
1リットル(pH6. 5)に添加し、1リットル/分で
空気を通気して2時間後のオルトリン酸含有培地からの
除去活性を測定した。その結果を表1に示す。
3−4株(FERMP−16121:実施例2)、ブレ
バンディモナス・ディミニュータ(Brevundimonas dimin
uta)IFO−12697(実施例3)、13181(実
施例4)、13182(実施例5)、14212(実施
例6)及びブレバンディモナス・ベシキュラリス(Brevu
ndimonas vesicularis) IFO−12165(比較例
1)をそれぞれポリペプトン 1. 0%、イーストエキ
ストラクト 0. 5%、塩化ナトリウム 0. 5%、グ
ルコース 0. 1%、pH6. 5の培地200ミリリッ
トルで2日間振盪培養し、遠心分離(9, 000回転、
15分間)して回収した。各菌体をポリペプトン 0.
05%、酢酸ナトリウム 0. 5%、イースト・エキス
トラクト 0. 05%、KH2 PO4 0. 044%、
MgSO4 ・7H2O 0. 01%を含有するpH6.
5の合成リン廃水1リットルに添加した。曝気は好気時
のみ1vvm通気し、好気・嫌気サイクルは各1時間毎
としてpHは7〜8になるよう維持した。また、培地は
回分式バッチ交換を行い、毎日250ミリリットルづつ
交換して10日間馴養培養を行った。10日後、回収す
る直前に嫌気条件下で1時間曝した後、菌体を遠心分離
(9, 000回転、15分間)して回収し、各乾燥菌体
重量が3, 200mgになるよう秤量し、10mgオル
トリン酸と酢酸ナトリウム、ペプトン及びイーストエク
ストラクトを易分解性BODで2, 703mg含む培地
1リットル(pH6. 5)に添加し、1リットル/分で
空気を通気して2時間後のオルトリン酸含有培地からの
除去活性を測定した。その結果を表1に示す。
【0021】
【表1】
【0022】表1から明らかなように、ブレバンディモ
ナス・エスピー(Brevundimonas sp.) P3−4株又はブ
レバンディモナス・ディミニュータ(Brevundimonas dim
inuta)に属する細菌を用いることにより、従来からオル
トリン酸蓄積菌として知られているブレバンディモナス
・ベシキュラリス(Brevundimonas vesicularis) を用い
た場合よりもオルトリン酸濃度を低濃度まで処理するこ
とができ、特に、本発明のブレバンディモナス・エスピ
ー(Brevundimonas sp.) P3−4株を用いるとオルトリ
ン酸の除去率が高かった。
ナス・エスピー(Brevundimonas sp.) P3−4株又はブ
レバンディモナス・ディミニュータ(Brevundimonas dim
inuta)に属する細菌を用いることにより、従来からオル
トリン酸蓄積菌として知られているブレバンディモナス
・ベシキュラリス(Brevundimonas vesicularis) を用い
た場合よりもオルトリン酸濃度を低濃度まで処理するこ
とができ、特に、本発明のブレバンディモナス・エスピ
ー(Brevundimonas sp.) P3−4株を用いるとオルトリ
ン酸の除去率が高かった。
【0023】さらに、実施例2で好気条件下で5時間オ
ルトリン酸を蓄積させたブレバンディモナス属P3−4
株の菌体を、遠心分離(9, 000回転、15分間)し
て回収し、乾燥菌体重量が3, 200mgになるよう秤
量し、2, 703mgの易分解性BODを含む培地1リ
ットル(pH7. 5)に添加し、1リットル/分でヘリ
ウムガスを通気して2時間後のオルトリン酸の培地への
放出活性(培地中のオルトリン酸濃度)を測定したとこ
ろ、培地中には7. 5mgのオルトリン酸が放出されて
いた。
ルトリン酸を蓄積させたブレバンディモナス属P3−4
株の菌体を、遠心分離(9, 000回転、15分間)し
て回収し、乾燥菌体重量が3, 200mgになるよう秤
量し、2, 703mgの易分解性BODを含む培地1リ
ットル(pH7. 5)に添加し、1リットル/分でヘリ
ウムガスを通気して2時間後のオルトリン酸の培地への
放出活性(培地中のオルトリン酸濃度)を測定したとこ
ろ、培地中には7. 5mgのオルトリン酸が放出されて
いた。
【0024】実施例7 ポリペプトン 1. 0%、イーストエキストラクト
0. 5%、塩化ナトリウム 0. 5%、グルコース
0. 1%、pH6. 5の培地200ミリリットルでブレ
バンディモナス属P3−4株(FERM P−1612
1)を2日間振盪培養し、遠心分離(9, 000回転、
15分間)して回収して得た菌体をかまぼこ加工工場の
廃水(オルトリン酸濃度13mg/リットル、易分解性
BOD濃度986mg/リットル、pH6. 8)1リッ
トルに添加し、実施例1と同様に10日間馴養培養を行
った。10日後、菌体を遠心分離(9, 000回転、1
5分間)して回収し、乾燥菌体重量が3, 260mgに
なるように秤量し、かまぼこ加工工場廃水1リットルに
添加した。ここに、1vvmで空気を通気して菌体内へ
のリン取り込み活性を測定した。
0. 5%、塩化ナトリウム 0. 5%、グルコース
0. 1%、pH6. 5の培地200ミリリットルでブレ
バンディモナス属P3−4株(FERM P−1612
1)を2日間振盪培養し、遠心分離(9, 000回転、
15分間)して回収して得た菌体をかまぼこ加工工場の
廃水(オルトリン酸濃度13mg/リットル、易分解性
BOD濃度986mg/リットル、pH6. 8)1リッ
トルに添加し、実施例1と同様に10日間馴養培養を行
った。10日後、菌体を遠心分離(9, 000回転、1
5分間)して回収し、乾燥菌体重量が3, 260mgに
なるように秤量し、かまぼこ加工工場廃水1リットルに
添加した。ここに、1vvmで空気を通気して菌体内へ
のリン取り込み活性を測定した。
【0025】その結果を図2に示す。図2は本発明のブ
レバンディモナス・エスピー(Brevundimonas sp.) P3
−4株のオルトリン酸の取り込み活性を示す図であり、
横軸に培養時間を、縦軸に廃水中のオルトリン酸の残存
量している。この図から本発明の菌株は実工場廃水中の
オルトリン酸も除去することが可能であることがわか
る。
レバンディモナス・エスピー(Brevundimonas sp.) P3
−4株のオルトリン酸の取り込み活性を示す図であり、
横軸に培養時間を、縦軸に廃水中のオルトリン酸の残存
量している。この図から本発明の菌株は実工場廃水中の
オルトリン酸も除去することが可能であることがわか
る。
【0026】
【発明の効果】本発明の新規オルトリン酸蓄積細菌ブレ
バンディモナス・エスピー(Brevundimonas sp.) P3-4
株は、オルトリン酸を含有する水から好気条件下におい
て、高活性に、短時間でオルトリン酸を菌体内に蓄積す
ることができる。また、本発明の除去方法によれば、オ
ルトリン酸を含有する水から効率よく除去することがで
きる。
バンディモナス・エスピー(Brevundimonas sp.) P3-4
株は、オルトリン酸を含有する水から好気条件下におい
て、高活性に、短時間でオルトリン酸を菌体内に蓄積す
ることができる。また、本発明の除去方法によれば、オ
ルトリン酸を含有する水から効率よく除去することがで
きる。
【図1】本発明の菌株を用いて、溶液のpHを6. 5〜
8. 5にしたときの培地中のオルトリン酸濃度変化を示
す図である。
8. 5にしたときの培地中のオルトリン酸濃度変化を示
す図である。
【図2】本発明の菌株を用いて、かまぼこ工場の実廃水
中に接触させたときの培地中のオルトリン酸濃度変化を
示す図である。
中に接触させたときの培地中のオルトリン酸濃度変化を
示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12R 1:01)
Claims (3)
- 【請求項1】 ブレバンディモナス(Brevundimonas) 属
に属し、好気条件下で水中のオルトリン酸を菌体内に取
り込みかつ嫌気条件下でオルトリン酸を放出する能力を
有することを特徴とするブレバンディモナス・エスピー
(Brevundimonas sp.) P3−4株(FERM P−16
121)。 - 【請求項2】 オルトリン酸を含有する水に、ブレバン
ディモナス・エスピー(Brevundimonas sp.) P3−4株
(FERM P−1612)を好気条件下で接触させて
水中のオルトリン酸を菌体内に蓄積させた後、この菌体
を水中から除去することを特徴とするオルトリン酸含有
水の処理方法。 - 【請求項3】 オルトリン酸を含有する水に、ブレバン
ディモナス・ディミニュータ(Brevundimonas diminut
a) に属する細菌を好気条件下で接触させて水中のオル
トリン酸を菌体内に蓄積させた後、この菌体を水中から
除去することを特徴とするオルトリン酸含有水の処理方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9095505A JPH10286085A (ja) | 1997-04-14 | 1997-04-14 | ブレバンディモナス・エスピーp3−4株及びオルトリン酸含有水の処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9095505A JPH10286085A (ja) | 1997-04-14 | 1997-04-14 | ブレバンディモナス・エスピーp3−4株及びオルトリン酸含有水の処理方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10286085A true JPH10286085A (ja) | 1998-10-27 |
Family
ID=14139460
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9095505A Pending JPH10286085A (ja) | 1997-04-14 | 1997-04-14 | ブレバンディモナス・エスピーp3−4株及びオルトリン酸含有水の処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10286085A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015226513A (ja) * | 2014-06-02 | 2015-12-17 | 大阪瓦斯株式会社 | 新規微生物および金属シアノ錯体分解方法 |
JP2016113357A (ja) * | 2014-12-10 | 2016-06-23 | 株式会社前川製作所 | リン酸肥料製造方法及びリン酸肥料製造装置 |
CN108624540A (zh) * | 2018-06-21 | 2018-10-09 | 中林山水(北京)生态科技股份有限公司 | 一种低温厌氧发酵菌剂的制备方法及用途 |
CN110819563A (zh) * | 2019-11-18 | 2020-02-21 | 曲阜师范大学 | 一株短波单孢杆菌3c及其在促进杏鲍菇生长中的应用 |
-
1997
- 1997-04-14 JP JP9095505A patent/JPH10286085A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015226513A (ja) * | 2014-06-02 | 2015-12-17 | 大阪瓦斯株式会社 | 新規微生物および金属シアノ錯体分解方法 |
JP2016113357A (ja) * | 2014-12-10 | 2016-06-23 | 株式会社前川製作所 | リン酸肥料製造方法及びリン酸肥料製造装置 |
CN108624540A (zh) * | 2018-06-21 | 2018-10-09 | 中林山水(北京)生态科技股份有限公司 | 一种低温厌氧发酵菌剂的制备方法及用途 |
CN108624540B (zh) * | 2018-06-21 | 2021-07-13 | 中林山水(北京)生态科技股份有限公司 | 一种低温厌氧发酵菌剂的制备方法及用途 |
CN110819563A (zh) * | 2019-11-18 | 2020-02-21 | 曲阜师范大学 | 一株短波单孢杆菌3c及其在促进杏鲍菇生长中的应用 |
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