JPH10284923A - 導波管スロットアンテナ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】この発明は、高精度なアンテナ利得を確保した
うえで、使用領域の多様化を図り得るようにすることに
ある。 【解決手段】複数の導波管スロットアンテナ１０をそれ
ぞれアンテナ固定台１１に取付けて、このアンテナ固定
台１１を取付ベース１２に移動自在に配設すると共に、
該アンテナ固定台１１に調整歯車１１ｃを設けて、この
調整歯車１１ｃを取付ベース１２のラック１２ｂに歯合
調整自在に歯合させ、この調整歯車１１ｃの回転操作に
より、アンテナ固定台１１が取付ベース１２に対して移
動案内されて複数の導波管スロットアンテナ１０の配列
間隔が可変設定されるように構成したものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、例えば船舶レー
ダ、港湾レーダ、気象レーダ等の地上用レーダや、人工
衛星等の飛翔体に搭載される飛翔体用アレイアンテナの
放射素子として用いられる導波管スロットアンテナ装置
に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、この種の導波管スロットアンテ
ナ装置は、図２に示すように方形導波管で複数のスロッ
ト１ａを備えた複数の導波管スロットアンテナ１を形成
して、これら複数の導波管スロットアンテナ１は、その
スロット１ａを上面にして固定橋脚２に所定の間隔を有
して形成される嵌合部２ａに嵌合されて配列配置される
（図２（ａ）参照）。この固定橋脚２は、取付ベース３
に位置決めされて固定され、複数の導波管スロットアン
テナ１がそのスロット１ａを上面にして所定の間隔に位
置決めされて配列配置される。

【０００３】そして、このような導波管スロットアンテ
ナ装置は、その複数の導波管スロットアンテナ１でそれ
ぞれ電波を伝送して、例えばＥ面に形成した複数のスロ
ット１ａで所望の電力の電波をそれぞれ抽出して空間に
向けて放射する。

【０００４】ところが、上記導波管スロットアンテナ装
置では、導波管スロットアンテナ１を固定橋脚２を介し
て取付ベース３に所定の配列間隔で固定配置している構
成上、そのビーム走査角に応じて干渉を起こしてグレー
ティングローブが発生し、アンテナ利得が劣化されてア
ンテナ性能が低下される虞れがあるために、導波管スロ
ットアンテナ１の配列間隔に応じて、その使用領域に制
約を有するという問題がある。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】以上述べたように、従
来の導波管スロットアンテナ装置では、使用領域に制約
を有するという問題を有する。この発明は上記の事情に
鑑みてなされたもので、高精度なアンテナ利得を確保し
たうえで、使用領域の多様化を図り得るようにした導波
管スロットアンテナ装置を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】この発明は、スロットを
有した導波管で構成される複数の導波管スロットアンテ
ナと、この複数の導波管スロットアンテナを支持する複
数のアンテナ固定台と、この複数のアンテナ固定台が移
動調整自在に装着される移動案内部が設けられ、前記複
数の導波管スロットアンテナを配列配置する取付ベース
と、この取付ベースの移動案内部に装着された前記アン
テナ固定台を該移動案内部に沿って移動調整して、前記
導波管スロットアンテナの配列位置を設定する調整手段
とを備えて導波管スロットアンテナ装置を構成したもの
である。

【０００７】上記構成によれば、アンテナ固定台は、調
整手段の調整操作により、移動案内部に沿って移動さ
れ、その移動位置に応じて導波管スロットアンテナの配
列間隔を可変設定する。これにより、使用領域毎に、グ
レーティングローブの発生のない、高効率なアンテナ利
得の確保が可能となり、広い領域における使用が可能と
なる。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態につ
いて、図面を参照して詳細に説明する。図１はこの発明
の一実施の形態に係る導波管スロットアンテナ装置を示
すもので、複数の導波管スロットアンテナ１０は、例え
ば同様に方形導波管で形成され、その周壁の一辺には、
軸方向に対して交差する複数のスロット１０ａが軸方向
に所定の間隔に形成される。

【０００９】これら複数の導波管スロットアンテナ１０
は、そのスロット１０ａの形成される一辺と逆側の他辺
がそれぞれアンテナ固定台１１に形成される凹状の嵌合
部１１ａに嵌合されて固着される。そして、これら複数
のアンテナ固定台１１は、取付ベース１２に移動調整自
在に組付け配置される。

【００１０】すなわち、複数のアンテナ固定台１１に
は、案内凸部１１ｂが嵌合部１１ａと逆側の端部にそれ
ぞれ設けられ、この案内凸部１１ｂは、上記取付ベース
１２に形成される案内溝１２ａに矢印Ａ，Ｂ方向（軸方
向と略直交する方向）に移動自在に収容される。

【００１１】また、アンテナ固定台１１には、位置調整
操作用の調整歯車１１ｃが、案内凸部１１ｂの移動方向
に対応してそれぞれ回転操作自在に設けられる。そし
て、これらアンテナ固定台１１の調整歯車１１ｃは、そ
れぞれ取付ベース１２に形成されるラック１２ｂに歯合
調整自在に歯合される。この取付ベース１２のラック１
２ｂは、上記案内溝１２ａに略平行に設けられ、アンテ
ナ固定台１１の調整歯車１１ｃの回転操作により、該調
整歯車１１ｃを歯合案内する。

【００１２】上記調整歯車１１ｃは、例えば操作ハンド
ルが一体的に設けられて、この操作ハンドルの回転操作
により、ラック１２ｂに対して歯合調整されるように構
成したり、あるいは別体の操作工具を用いて回転操作さ
れてラック１２ｂに対して歯合調整されるように構成さ
れる。

【００１３】上記構成により、アンテナ固定台１１は、
その案内部１１ｂが取付ベース１２の案内溝１２ａに収
容された状態で、その調整歯車１１ｃが取付ベース１２
のラック１２ｂに歯合され、その歯合位置に応じて矢印
Ａ，Ｂ方向の配列位置が調整されて、相互間の配列間隔
が例えばｄ寸法に設定される。そして、アンテナ固定台
１１の導波管スロットアンテナ１０には、それぞれ図示
しない送信機から電波が送信され、その複数のスロット
１０ａでそれぞれ電波の所望の電力を選択して放射す
る。

【００１４】また、導波管スロットアンテナ１０をアン
テナ固定台１１を介して間隔ｄ寸法で配列配置した状態
において、その各導波管スロットアンテナ１０の間隔ｄ
寸法と、そのビーム走査角との関係からグレーティング
ローブが発生した場合には、上記アンテナ固定台１１の
調整歯車１１ｃを選択的に回転操作して、該調整歯車１
１ｃを取付ベース１２のラック１２ｂに対して矢印Ａあ
るいはＢ方向に移動調整する。これにより、アンテナ固
定台１１は、その案内凸部１１ｂが取付ベース１２の案
内溝１２ａに沿って矢印ＡあるいはＢ方向に移動案内さ
れて、導波管スロットアンテナ１０の間隔ｄ寸法が可変
され、グレーティングローブの発生が解消される。

【００１５】このように、上記導波管スロットアンテナ
装置は、複数の導波管スロットアンテナ１０をそれぞれ
アンテナ固定台１１に取付けて、このアンテナ固定台１
１を取付ベース１２に移動自在に配設すると共に、該ア
ンテナ固定台１１に調整歯車１１ｃを設けて、この調整
歯車１１ｃを取付ベース１２のラック１２ｂに歯合調整
自在に歯合させ、この調整歯車１１ｃの回転操作によ
り、アンテナ固定台１１が取付ベース１２に対して移動
案内されて複数の導波管スロットアンテナ１０の配列間
隔が可変設定されるように構成した。

【００１６】これによれば、調整歯車１１ｃを回転操作
することにより、アンテナ固定台１１が取付ベース１２
に対して矢印ＡあるいはＢ方向に移動案内されて、その
移動位置に応じて導波管スロットアンテナ１０の配列間
隔を可変して、導波管スロットアンテナ１０の配列間隔
とビーム走査角との関係から発生するグレーティングロ
ーブの発生が解消される。従って、導波管スロットアン
テナ１０の配列間隔を可変設定することにより、広範囲
に亘って高効率なアンテナ利得の確保が実現できるた
め、その汎用性の向上が図れる。

【００１７】なお、上記実施の形態では、導波管スロッ
トアンテナ１０を方形導波管を用いて構成した場合で説
明したが、これに限ることなく、例えば円筒導波管等の
各種導波管を用いて構成することが可能である。

【００１８】また、上記実施の形態では、アンテナ固定
台１１を取付ベース１２に対して移動調整するのに調整
歯車１１ｃ及びラック１２ｂで構成した歯車機構を用い
て構成した場合で説明したが、この構成に限ることな
く、その他、各種構造の調整機構を構成することが可能
である。

【００１９】さらに、上記実施の形態では、アンテナ固
定台１１に案内凸部１１ｂを設け、取付ベース１２に案
内溝１２ａを設けて移動案内自在に組合せた移動案内機
構を構成した場合で説明したが、これに限ることなく、
案内凸部をアンテナ固定台１１に設けて、案内凸部を取
付ベース１２に設けた移動案内機構を構成するようにし
てもよい。よって、この発明は上記実施の形態に限るこ
となく、その他、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種
々の変形を実施し得ることは勿論のことである。

【００２０】

【発明の効果】以上詳述したように、この発明によれ
ば、高精度なアンテナ利得を確保したうえで、使用領域
の多様化を図り得るようにした導波管スロットアンテナ
装置を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施の形態に係る導波管スロット
アンテナ装置を示した図。

【図２】従来の導波管スロットアンテナ装置を示した
図。

【符号の説明】

１０…導波管スロットアンテナ。 １０ａ…スロット。 １１…アンテナ固定台。 １１ａ…嵌合部。 １１ｂ…案内凸部。 １１ｃ…調整歯車。 １２…取付ベース。 １２ａ…案内溝。 １２ｂ…ラック。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 スロットを有した導波管で構成される複
   数の導波管スロットアンテナと、 この複数の導波管スロットアンテナを支持する複数のア
   ンテナ固定台と、 この複数のアンテナ固定台が移動調整自在に装着される
   移動案内部が設けられ、前記複数の導波管スロットアン
   テナを配列配置する取付ベースと、 この取付ベースの移動案内部に装着された前記アンテナ
   固定台を該移動案内部に沿って移動調整して、前記導波
   管スロットアンテナの配列位置を設定する調整手段とを
   具備した導波管スロットアンテナ装置。
2. 【請求項２】 前記調整手段は、取付ベースの移動案内
   部に沿ってラックを形成して、前記アンテナ固定台に対
   して前記ラックに移動自在に歯合する調整歯車を設け、
   この調整歯車の回転調整により該調整歯車をラックに対
   して歯合調整されて前記アンテナ固定台が移動案内部に
   沿って移動案内され、前記導波管スロットアンテナの配
   列位置を調整するように構成したことを特徴とする請求
   項１記載の導波管スロットアンテナ装置。
3. 【請求項３】 前記導波管スロットアンテナは、スロッ
   トがアンテナ固定台と逆側に形成されることを特徴とす
   る請求項１又は２に記載の導波管スロットアンテナ装
   置。