JPH10283484A - 輪郭線抽出方法及び輪郭線抽出装置 - Google Patents

輪郭線抽出方法及び輪郭線抽出装置

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JPH10283484A
JPH10283484A JP9092535A JP9253597A JPH10283484A JP H10283484 A JPH10283484 A JP H10283484A JP 9092535 A JP9092535 A JP 9092535A JP 9253597 A JP9253597 A JP 9253597A JP H10283484 A JPH10283484 A JP H10283484A
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JP
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individual
pixel
straight line
contour
individuals
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JP9092535A
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English (en)
Inventor
Hisao Nishii
久雄 西井
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Tsubakimoto Chain Co
Original Assignee
Tsubakimoto Chain Co
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 撮像対象物を撮像した撮像画像の画像処理を
目的とする画像処理システムにおいて、実用可能な処理
時間の範囲で撮像対象物の輪郭線を抽出する。 【解決手段】 画像処理装置3においてビデオカメラ1
から与えられた撮像画像に2値化処理を施し、この2値
画像に細線化処理を施して、抽出すべき輪郭線に関係の
ある画素に絞り込んだ処理対象画像を得て、次に処理対
象画像の抽出すべき輪郭線に係る輝度レベルを有する全
ての画素のxy座標値を記憶領域に格納し、前記画素を
通過する直線を個体として、その画素の位置情報を記憶
してある記憶アドレスを前記個体の遺伝子に表し、遺伝
的アルゴリズム手法に基づいて世代交代させて、所定数
の直線からなる輪郭線を抽出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ビデオカメラによ
る撮像画像の撮像対象物、例えば直方体状のカートンの
輪郭線を抽出する輪郭線抽出方法及びその実施に使用す
る輪郭線抽出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ビデオカメラによる撮像画像等の処理対
象画像から所定形状の図形が存在する位置を検出する方
法として、テンプレートマッチングがある。この方法
は、位置を検出すべき図形、例えば線分を表す参照画像
(テンプレート)をその大きさ,向き等を変化させて処
理対象画像に重ね合わせ、その参照画像の各画素の輝度
レベルと処理対象画像の各画素の輝度レベルとの類似
(マッチング)の度合いを評価し、処理対象画像の全画
素において最も類似度が高い位置を、前記図形が存在す
る位置として検出する。このテンプレートマッチングは
参照画像の大きさ及び向き等を独立に変化させ、また全
ての画素を処理対象とするために、その処理量は膨大で
ある。さらに、その検出精度は処理対象画像のノイズの
影響を大きく受けるので実用性に欠ける。
【0003】また、処理対象画像から方程式によって表
すことが可能な線分を検出する方法として、Hough 変換
がある。この方法は検出すべき線分の形状を方程式の形
で表現し、処理対象画像の特定の輝度レベルを有する画
素毎にその画素を通過する検出すべき線分のパラメータ
空間への写像を得ることにより、その軌跡の交点の原像
に検出すべき線分を求める。このHough 変換は処理対象
画像のノイズの影響をあまり受けないが、検出すべき線
分の自由度に応じてパラメータ空間を設定しなければな
らず、その設定は困難である。また、その処理量は前述
のテンプレートマッチングと同様に、膨大である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述したように、処理
対象画像から線分を検出するための処理量は膨大であ
り、適解を得るために多くの処理時間が必要になるの
で、例えば流れ作業の一工程のように処理時間が限られ
ている工程に用いるには適さなかった。従って、この処
理量を低減すること、即ち実用可能な処理時間の範囲で
適解を求めることは従来からの課題であった。
【0005】ところで、遺伝的アルゴリズムという問題
解決の手法がある。これは、生物進化の原理に着想を得
た確率的探索・学習・最適化の手法であって、解決のた
めに全探索を行うような問題の解決策として採用され
る。本発明はこのような遺伝的アルゴリズム手法を線分
検出処理に採用して、適解を得るための処理量を低減
し、実用可能な処理時間の範囲で撮像対象物の輪郭線を
抽出することが可能な、輪郭線抽出方法及びその実施に
使用する輪郭線抽出装置の提案を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】第1発明に係る輪郭線抽
出方法は、撮像画像の特定の輝度レベルを有する画素を
通過する直線を個体としてその遺伝子を、前記画素の位
置情報の格納位置を指すポインタ及び前記画素を通過す
る直線の傾きにより表し、複数の個体からなる個体集団
を作成して、前記直線が通過し、しかも前記輝度レベル
を有する他の画素の数を前記個体の適応度の評価基準と
する遺伝的アルゴリズム手法に基づき、前記個体集団を
所定世代まで世代交代させ、所定世代の個体集団から適
応度が高い個体を複数選択し、選択した個体の遺伝子に
表される直線の内、長さが長い方から所定数の直線を抽
出し、これらを撮像対象物の輪郭線とすることを特徴と
する。
【0007】第2発明に係る輪郭線抽出方法は、撮像画
像の特定の輝度レベルを有する画素を通過する直線を個
体としてその遺伝子を、前記画素の位置情報及び該画素
を通過する直線の傾きにより表し、複数の個体からなる
個体集団を作成して、前記直線が通過し、しかも前記輝
度レベルを有する他の画素の数を前記個体の適応度の評
価基準とする遺伝的アルゴリズム手法に基づき、前記個
体集団を所定世代まで世代交代させ、所定世代の個体集
団から最も適応度が高い個体を前記個体集団から選抜
し、選抜した個体数が所定数に達するまで残りの個体集
団を引き継いで所定世代まで世代交代させて個体の選抜
を繰り返し、選抜した個体の遺伝子に表される直線の
内、長さが長い方から所定数の直線を抽出し、これらを
撮像対象物の輪郭線とすることを特徴とする。
【0008】第3発明に係る輪郭線抽出方法は、撮像画
像の特定の輝度レベルを有する画素を通過する直線を個
体としてその遺伝子を、前記画素の位置情報及び該画素
を通過する直線の傾きにより表し、複数の個体からなる
個体集団を作成して、前記直線から所定の距離の範囲に
存在し、しかも前記輝度レベルを有する他の画素の数を
前記個体の適応度の評価基準とする遺伝的アルゴリズム
手法に基づき、前記個体集団を所定世代まで世代交代さ
せ、所定世代の個体集団から適応度が高い個体を複数選
択し、選択した個体の遺伝子に表される直線の内、長さ
が長い方から所定数の直線を抽出し、これらを撮像対象
物の輪郭線とすることを特徴とする。
【0009】第4発明に係る輪郭線抽出装置は、撮像対
象物を撮像するビデオカメラと、該ビデオカメラによる
撮像画像の特定の輝度レベルを有する画素を通過する直
線を個体としてその遺伝子を、前記画素の位置情報の格
納位置を指すポインタ及び前記画素を通過する直線の傾
きにより表し、複数の個体からなる個体集団を作成する
手段と、前記直線が通過し、しかも前記輝度レベルを有
する他の画素の数を前記個体の適応度の評価基準とする
遺伝的アルゴリズム手法に基づき、前記個体集団を所定
世代まで世代交代させる手段と、所定世代の個体集団か
ら適応度が高い個体を複数選択し、選択した個体の遺伝
子に表される直線の内、長さが長い方から所定数の直線
を撮像対象物の輪郭線として抽出する手段と、抽出した
撮像対象物の輪郭線を表示又は出力する手段とを備える
ことを特徴とする。
【0010】第5発明に係る輪郭線抽出装置は、撮像対
象物を撮像するビデオカメラと、該ビデオカメラによる
撮像画像の特定の輝度レベルを有する画素を通過する直
線を個体としてその遺伝子を、前記画素の位置情報及び
該画素を通過する直線の傾きにより表し、複数の個体か
らなる個体集団を作成する手段と、前記直線が通過し、
しかも前記輝度レベルを有する他の画素の数を前記個体
の適応度の評価基準とする遺伝的アルゴリズム手法に基
づき、前記個体集団を所定世代まで世代交代させる手段
と、所定世代の個体集団から最も適応度が高い個体を前
記個体集団から選抜し、選抜した個体数が所定数に達す
るまで残りの個体集団を引き継いで所定世代まで世代交
代させて個体の選抜を繰り返す手段と、選抜した個体の
遺伝子に表される直線の内、長さが長い方から所定数の
直線を撮像対象物の輪郭線として抽出する手段と、抽出
した撮像対象物の輪郭線を表示又は出力する手段とを備
えることを特徴とする。
【0011】第6発明に係る輪郭線抽出装置は、撮像対
象物を撮像するビデオカメラと、該ビデオカメラによる
撮像画像の特定の輝度レベルを有する画素を通過する直
線を個体としてその遺伝子を、前記画素の位置情報及び
該画素を通過する直線の傾きにより表し、複数の個体か
らなる個体集団を作成する手段と、前記直線から所定の
距離の範囲に存在し、しかも前記輝度レベルを有する他
の画素の数を前記個体の適応度の評価基準とする遺伝的
アルゴリズム手法に基づき、前記個体集団を所定世代ま
で世代交代させる手段と、所定世代の個体集団から適応
度が高い個体を複数選択し、選択した個体の遺伝子に表
される直線の内、長さが長い方から所定数の直線を撮像
対象物の輪郭線として抽出する手段と、抽出した撮像対
象物の輪郭線を表示又は出力する手段とを備えることを
特徴とする。
【0012】図7は遺伝的アルゴリズム手法に基づき最
適解を求める処理手順を示すフローチャートである。ま
ず、ある系における解の候補を個体として、これを複数
集めた個体集団を構成する。そして各個体にその形質を
決定する遺伝子を設定する。これを初期集団の生成とい
う(S61)。この遺伝子は具体的には0又は1を組み
合わせた所定長のビット列であって、その組み合わせは
乱数によって決定される。次に所定の評価基準、例えば
遺伝子中の1の個数等に基づき、適応度を算出する(S
62)。評価が良い個体ほど適応度は大きくなる。この
適応度の差異を拡大又は縮小するために所定の方程式を
導入し、適応度を変化させる。これをスケーリングとい
う(S63)。
【0013】スケーリングした適応度に基づき、適応度
が大きい個体を次の世代の親として選択する(S6
4)。そして選択された個体同士のペアを作り、交叉
(二つの異なる遺伝子の部分的な交換)及び突然変異
(ビット値の変更)を行う(S65)。これをオペレー
ションという。このオペレーションの回数又は個体の平
均適応度等に基づき処理を終了するか否かを判定し(S
66)、継続すると判定したときはS62へ処理を移
し、以降の手順を繰り返す。このようにしてオペレーシ
ョンの回数又は個体の平均適応度等の判定条件に達する
までオペレーションを繰り返し、オペレーションを終了
したときに最も適応度が大きい個体を求めるべき解と決
定する。
【0014】このように、遺伝的アルゴリズム手法によ
れば、オペレーションを繰り返すことによって、評価が
最も良い個体、即ち最適解を探索することができる。こ
のアルゴリズムは最適解を算出するために膨大な計算量
を必要とする問題及び解が不連続である問題の最適解の
算出において効果を発揮する。
【0015】ところで、解の候補となる直線、即ち抽出
すべき輪郭線に係る輝度レベルを有する画素を通過する
直線を個体とすると、その遺伝子には位置を表す情報が
不可欠である。一方、遺伝的アルゴリズム手法における
交叉および突然変異によって個体の遺伝子がどのような
ビット列に変換されるかは予測不可能である。従って、
遺伝子に設定する位置情報を画素のxy座標値により表
した場合、ある世代から個体を選択し交叉および突然変
異を経ることによって、その子孫の個体の遺伝子が抽出
すべき輪郭線に係る輝度レベルを有しない画素の位置を
表す虞がある。このような位置情報を表す遺伝子を持つ
個体は抽出すべき輪郭線とは何ら関係がないので不要で
ある。このような遺伝子のことを致死遺伝子という。処
理時間を短縮するためには、致死遺伝子を持つ個体が可
及的に発生しないように個体集団の遺伝子を設定する工
夫が求められる。
【0016】図8は画素の位置情報の記憶領域への格納
及び遺伝的アルゴリズム手法における初期集団の生成を
説明する説明図である。図において、11はビデオカメ
ラによる撮像画像に2値化処理及び細線化処理を施した
処理対象画像である。処理対象画像11の抽出すべき輪
郭線に係る輝度レベルを有する全ての画素のx座標値及
びy座標値を夫々組にして記憶領域に格納する。そし
て、前記画素のxy座標値の格納位置を指すポインタ及
び前記画素を通過する直線の任意に定めた傾きにより染
色体12を定義する。式1及び式2は直交座標における
傾きを表すγ値を算出する式である。
【0017】
【数1】
【0018】式1及び式2においてaはx軸方向の増加
量,bはy軸方向の増加量を表す。γ値は直線と水平線
との角度が0度から180度まで連続的に増加するのに
応じて、0から256までの値を取る。また、ポインタ
のビット幅は抽出すべき輪郭線に係る輝度レベルを有す
る画素の個数により設定する。即ち、前記画素の個数を
4096(=212)個としたとき、ポインタのビット幅
は12ビットに設定する。13はこのようにして生成さ
れた初期集団の遺伝子であって、画素のxy座標値の格
納位置を指す12ビットのポインタ及び傾きを表す8ビ
ットのγ値からなる。
【0019】以上のように、個体の遺伝子に設定する位
置情報としてxy座標値そのものではなく、記憶領域に
格納したxy座標値の格納位置を指すポインタを使用し
て表すことにより、交叉においてどのような個体対から
作られた子孫であっても、またどのような突然変異を経
たとしても、その個体のポインタは必ず記憶領域に格納
したxy座標値のいずれか一組の格納位置を指し示すこ
とになる。従って、致死遺伝子の発生を大幅に抑えるこ
とができ、処理時間を短縮することができる。
【0020】第1,第4発明に係る輪郭線抽出方法及び
輪郭線抽出装置は、特定の画素を通過する直線を個体と
してその位置情報を、その画素の位置情報の格納位置を
指すポインタを使用して表すことにより、遺伝的アルゴ
リズム手法の交叉および突然変異による致死遺伝子の発
生を抑制する。従って無駄な処理が省かれて、実用可能
な処理時間の範囲で適解を求めることができる。
【0021】第2,第5発明に係る輪郭線抽出方法及び
輪郭線抽出装置は、個体集団を所定世代まで世代交代さ
せ、残存する個体のうち最も適応度が高いものを選択
し、選択した個体を所定世代から除き、続いて前記所定
世代の個体集団を初期世代として、以上の手順を選択し
た個体が所定数を満たすまで繰り返すことにより、求解
の効率を向上させる。従って無駄な処理が省かれて、実
用可能な処理時間の範囲で適解を求めることができる。
【0022】図9は直線及び画素の距離と適応度との関
係を説明する説明図である。図において21は画素22
により識別される、ある個体が表す直線である。また、
直線21の上下の斜線領域23は直線21から所定の距
離の範囲を表す。また、24及び図中の他の黒点は全て
特定の輝度レベルを有する画素を表す。図に示すように
直線21が通過する他の画素は画素24の1点しか存在
しない。しかし、その近傍には他の画素が近接して多数
存在しており、直線21は有力な解候補であることが分
かる。そこで、直線21の適応度の算出のために、斜線
領域23のような距離の範囲を設定することによって解
候補として有力な個体の適応度を高めることができる。
【0023】第3,第6発明に係る輪郭線抽出方法及び
輪郭線抽出装置は、特定の画素を通過する直線から所定
の距離の範囲に存在する他の画素の数を前記個体の適応
度の評価基準とする。これにより他の画素が前記直線に
一致しない場合であっても、それに近ければ良い評価を
与えることができるので、比較的早くに良解に収束す
る。従って無駄な処理が省かれて、実用可能な処理時間
の範囲で適解を求めることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】図1は本発明の実施に使用する画
像処理システムの構成を示すブロック図である。図にお
いて1は直方体状のカートン2を撮像するビデオカメラ
である。ビデオカメラ1はそれによる撮像画像からカー
トン2の輪郭線を抽出する、コンピュータを用いてなる
画像処理装置3と接続してある。抽出した輪郭線は画像
処理装置3と接続してあるモニタ4により表示される。
ビデオカメラ1はカートン2の3つの面が見える位置に
設置してある。一方、カートン2はパレット5に載置し
てあって、パレット5により図中右側から左側へ一定速
度で搬送される。またビデオカメラ1の撮像範囲にある
カートン2の3つの面を夫々照明する照明器6,6,6 が設
けられている。
【0025】パレット5に載置されたカートン2が、ビ
デオカメラ1の所定の撮像範囲に到達したときこれを撮
像し、その撮像画像信号を画像処理装置3の入力端子に
与える。画像処理装置3は与えられた撮像画像信号から
カートン2の輪郭線を抽出してこれをモニタ4に与えて
表示させる。
【0026】図2は画像処理装置3の処理手順を示すフ
ローチャートである。まず、ビデオカメラ1から与えら
れた撮像画像に2値化処理を施し(S1)、この2値画
像に細線化処理を施して、抽出すべき輪郭線に関係のあ
る画素に絞り込んだ処理対象画像11を得る(S2)。
次に処理対象画像11の抽出すべき輪郭線に係る輝度レ
ベルを有する全ての画素のxy座標値を記憶領域に格納
して、前記画素を通過する直線を個体としてその遺伝子
を、その画素の位置情報の格納位置を指すポインタ及び
その直線の任意に定めた傾きにより表し、遺伝的アルゴ
リズム手法に基づく輪郭線の抽出処理に備える(S
3)。そして後述するように、遺伝的アルゴリズム手法
に基づいて世代交代させ、所定数の直線からなる輪郭線
を抽出する(S4)。抽出した輪郭線をモニタ4に表示
させる(S5)。
【0027】図3はS3における傾きを表す遺伝子を説
明する説明図である。図において31は処理対象画像1
1から抽出すべき輪郭線の想像線である。また、黒点3
2は特定の輝度レベルを有する画素を表す。黒点32を
通過する直線を個体としてその遺伝子を設定する場合、
まず黒点32を通過する直線の傾きを乱数により決定す
る。例えば、乱数により傾きが3/4と求まったとき、
3/4>0であるから式1を採用して、γ≒52=00
110100(2) と決定する。そして、黒点32のxy
座標を格納してある格納位置を指すポインタと決定した
γ値とにより遺伝子を表す。なお、ここで設定した直線
の傾きは初期値であって、交叉および突然変異によって
次第に抽出すべき輪郭線の想像線31の傾きに近付く。
【0028】図4はS4においてカートン2の輪郭線を
抽出する手順を示すフローチャートである。まず処理対
象画像の画素のxy座標値を格納してある記憶領域から
所定数の画素を選択し、選択した画素を通過する直線を
個体とし、選択した画素のxy座標値を格納してある記
憶アドレスを指し示すポインタ及びこの画素を通過する
直線の傾きを遺伝子に表して、所定数の個体からなる初
期集団を生成する(S41)。次に初期集団の各個体の
適応度を、その個体の遺伝子に表される直線が通過する
他の画素の数に基づき算出し(S42)、算出した適応
度にスケーリングを行って、適応度の差異を拡大又は縮
小する(S43)。スケーリングした適応度に基づき次
世代の親となる個体を選択し(S44)、選択した個体
同士により交叉および突然変異を行って、子孫即ち新た
な世代の個体集団を作る(S45)。
【0029】そして、世代交代の回数が所定数に達した
か否かを判定し、所定数に達していないと判別した場合
はS42へ処理を移し、以降の手順を繰り返す(S4
6)。また、所定数に達すると判別した場合は最も適応
度が高い個体から所定数(この場合、直方体の輪郭線で
あるから6本即ち6個とする)選択し、それらの個体が
表す直線のパラメータを出力して(S47)、終了す
る。
【0030】図5はS4においてカートン2の輪郭線を
抽出する他の手順を示すフローチャートである。図にお
いてS41からS46までの手順は前述の図4と同様で
あるので説明を省略する。S46において世代交代の回
数が所定数に達すると判別した場合は、最も適応度が高
い個体が表す直線のパラメータを出力し、その個体の基
になった処理対象画像の画素のxy座標値を格納してあ
る記憶領域を解放、即ち前記画素を取り除く(S47
a)。そして処理対象画像から取り除いた画素が所定数
(この場合、6個)に達したか否かを判定し、所定数に
達していないと判別した場合はS42へ処理を移し、残
った個体集団に対して以降の手順を繰り返す(S4
8)。また、S48において所定数に達すると判別した
場合は終了する。
【0031】以上のように、S42からS47aまでの
手順を一通り終えた段階で、その個体集団の平均的な適
応度は向上している。従って、適応度が最も高い個体が
表す直線のパラメータを出力した後、その個体の基にな
った処理対象画像の画素を取り除き、残った個体集団を
新たな初期集団として残りの個体を選択し、その個体の
基になった画素を取り除くことにより、求解の効率を向
上させることができる。なお、S48において用いる所
定数(6個)を、抽出すべき直線の数に余裕の数を加え
て設定しておき、抽出すべき直線の特性(直方体の輪郭
線においては3組の略平行な2辺で構成されること)を
満たすか否かにより出力する直線を絞り込むことによっ
て、抽出結果の質をさらに向上させることができる。
【0032】図6はS4においてカートン2の輪郭線を
抽出する更に他の手順を示すフローチャートである。ま
ず処理対象画像の画素のxy座標値を格納してある記憶
領域から所定数の画素を選択し、選択した画素を通過す
る直線を個体とし、選択した画素のxy座標値を格納し
てある記憶アドレスを指し示すポインタ及びこの画素を
通過する直線の傾きを遺伝子に表して、所定数の個体か
らなる初期集団を生成する(S41)。次に初期集団の
各個体の適応度を、その個体の遺伝子に表される直線の
近傍に存在する他の画素の数に基づき算出する(S42
a)。以降のS43からS47までの手順は前述の図4
と同様であるので説明を省略する。
【0033】このように、適応度を個体の遺伝子に表さ
れる直線の近傍に存在する他の画素の数に基づき算出す
ることにより、解候補として有力な個体の適応度が高ま
るために、選択・交叉が効果的に行われ、個体集団の適
応度を高いレベルに比較的早く収束させることができ
る。
【0034】
【発明の効果】以上の如き本発明の輪郭線抽出方法及び
輪郭線抽出装置によっては、遺伝的アルゴリズム手法に
おける遺伝子の設定方法を工夫して致死遺伝子の発生を
抑制するので、実用可能な処理時間の範囲で適解を求め
ることができる。
【0035】以上の如き第2,第4発明の輪郭線抽出方
法及び輪郭線抽出装置によっては、輪郭線を構成する直
線を遺伝的アルゴリズム手法により1本ずつ、しかも継
続して求めるために、求解の効率が向上するので、実用
可能な処理時間の範囲で適解を求めることができる。
【0036】以上の如き第3,第6発明の輪郭線抽出方
法及び輪郭線抽出装置によっては、ある個体が表す直線
が他の画素を通過しない場合であっても、それに近けれ
ば良い評価を与えるために遺伝的アルゴリズム手法にお
ける良解への収束が早くなるので、実用可能な処理時間
の範囲で適解を求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施に使用する画像処理システムの構
成を示すブロック図である。
【図2】画像処理装置の処理手順を示すフローチャート
である。
【図3】傾きを表す遺伝子を説明する説明図である。
【図4】カートンの輪郭線を抽出する手順を示すフロー
チャートである。
【図5】カートンの輪郭線を抽出する他の手順を示すフ
ローチャートである。
【図6】カートンの輪郭線を抽出する更に他の手順を示
すフローチャートである。
【図7】遺伝的アルゴリズム手法に基づき最適解を求め
る処理手順を示すフローチャートである。
【図8】画素の位置情報の記憶領域への格納及び遺伝的
アルゴリズム手法における初期集団の生成を説明する説
明図である。
【図9】直線及び画素の距離と適応度との関係を説明す
る説明図である。
【符号の説明】
1 ビデオカメラ 3 画像処理装置 4 モニタ 6 照明器

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 撮像対象物を撮像した撮像画像から前記
    撮像対象物の輪郭線を抽出する輪郭線抽出方法におい
    て、 撮像画像の特定の輝度レベルを有する画素を通過する直
    線を個体としてその遺伝子を、前記画素の位置情報の格
    納位置を指すポインタ及び前記画素を通過する直線の傾
    きにより表し、複数の個体からなる個体集団を作成し
    て、前記直線が通過し、しかも前記輝度レベルを有する
    他の画素の数を前記個体の適応度の評価基準とする遺伝
    的アルゴリズム手法に基づき、前記個体集団を所定世代
    まで世代交代させ、所定世代の個体集団から適応度が高
    い個体を複数選択し、選択した個体の遺伝子に表される
    直線の内、長さが長い方から所定数の直線を抽出し、こ
    れらを撮像対象物の輪郭線とすることを特徴とする輪郭
    線抽出方法。
  2. 【請求項2】 撮像対象物を撮像した撮像画像から前記
    撮像対象物の輪郭線を抽出する輪郭線抽出方法におい
    て、 撮像画像の特定の輝度レベルを有する画素を通過する直
    線を個体としてその遺伝子を、前記画素の位置情報及び
    該画素を通過する直線の傾きにより表し、複数の個体か
    らなる個体集団を作成して、前記直線が通過し、しかも
    前記輝度レベルを有する他の画素の数を前記個体の適応
    度の評価基準とする遺伝的アルゴリズム手法に基づき、
    前記個体集団を所定世代まで世代交代させ、所定世代の
    個体集団から最も適応度が高い個体を前記個体集団から
    選抜し、選抜した個体数が所定数に達するまで残りの個
    体集団を引き継いで所定世代まで世代交代させて個体の
    選抜を繰り返し、選抜した個体の遺伝子に表される直線
    の内、長さが長い方から所定数の直線を抽出し、これら
    を撮像対象物の輪郭線とすることを特徴とする輪郭線抽
    出方法。
  3. 【請求項3】 撮像対象物を撮像した撮像画像から前記
    撮像対象物の輪郭線を抽出する輪郭線抽出方法におい
    て、 撮像画像の特定の輝度レベルを有する画素を通過する直
    線を個体としてその遺伝子を、前記画素の位置情報及び
    該画素を通過する直線の傾きにより表し、複数の個体か
    らなる個体集団を作成して、前記直線から所定の距離の
    範囲に存在し、しかも前記輝度レベルを有する他の画素
    の数を前記個体の適応度の評価基準とする遺伝的アルゴ
    リズム手法に基づき、前記個体集団を所定世代まで世代
    交代させ、所定世代の個体集団から適応度が高い個体を
    複数選択し、選択した個体の遺伝子に表される直線の
    内、長さが長い方から所定数の直線を抽出し、これらを
    撮像対象物の輪郭線とすることを特徴とする輪郭線抽出
    方法。
  4. 【請求項4】 撮像対象物を撮像するビデオカメラと、 該ビデオカメラによる撮像画像の特定の輝度レベルを有
    する画素を通過する直線を個体としてその遺伝子を、前
    記画素の位置情報の格納位置を指すポインタ及び前記画
    素を通過する直線の傾きにより表し、複数の個体からな
    る個体集団を作成する手段と、 前記直線が通過し、しかも前記輝度レベルを有する他の
    画素の数を前記個体の適応度の評価基準とする遺伝的ア
    ルゴリズム手法に基づき、前記個体集団を所定世代まで
    世代交代させる手段と、 所定世代の個体集団から適応度が高い個体を複数選択
    し、選択した個体の遺伝子に表される直線の内、長さが
    長い方から所定数の直線を撮像対象物の輪郭線として抽
    出する手段と、 抽出した撮像対象物の輪郭線を表示又は出力する手段と
    を備えることを特徴とする輪郭線抽出装置。
  5. 【請求項5】 撮像対象物を撮像するビデオカメラと、 該ビデオカメラによる撮像画像の特定の輝度レベルを有
    する画素を通過する直線を個体としてその遺伝子を、前
    記画素の位置情報及び該画素を通過する直線の傾きによ
    り表し、複数の個体からなる個体集団を作成する手段
    と、 前記直線が通過し、しかも前記輝度レベルを有する他の
    画素の数を前記個体の適応度の評価基準とする遺伝的ア
    ルゴリズム手法に基づき、前記個体集団を所定世代まで
    世代交代させる手段と、 所定世代の個体集団から最も適応度が高い個体を前記個
    体集団から選抜し、選抜した個体数が所定数に達するま
    で残りの個体集団を引き継いで所定世代まで世代交代さ
    せて個体の選抜を繰り返す手段と、 選抜した個体の遺伝子に表される直線の内、長さが長い
    方から所定数の直線を撮像対象物の輪郭線として抽出す
    る手段と、 抽出した撮像対象物の輪郭線を表示又は出力する手段と
    を備えることを特徴とする輪郭線抽出装置。
  6. 【請求項6】 撮像対象物を撮像するビデオカメラと、 該ビデオカメラによる撮像画像の特定の輝度レベルを有
    する画素を通過する直線を個体としてその遺伝子を、前
    記画素の位置情報及び該画素を通過する直線の傾きによ
    り表し、複数の個体からなる個体集団を作成する手段
    と、 前記直線から所定の距離の範囲に存在し、しかも前記輝
    度レベルを有する他の画素の数を前記個体の適応度の評
    価基準とする遺伝的アルゴリズム手法に基づき、前記個
    体集団を所定世代まで世代交代させる手段と、 所定世代の個体集団から適応度が高い個体を複数選択
    し、選択した個体の遺伝子に表される直線の内、長さが
    長い方から所定数の直線を撮像対象物の輪郭線として抽
    出する手段と、 抽出した撮像対象物の輪郭線を表示又は出力する手段と
    を備えることを特徴とする輪郭線抽出装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013246674A (ja) * 2012-05-28 2013-12-09 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 図形検出処理装置、図形検出処理方法及び図形検出処理プログラム

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