JPH1028033A - 磁性体同調フィルタ装置 - Google Patents

磁性体同調フィルタ装置

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JPH1028033A
JPH1028033A JP19830396A JP19830396A JPH1028033A JP H1028033 A JPH1028033 A JP H1028033A JP 19830396 A JP19830396 A JP 19830396A JP 19830396 A JP19830396 A JP 19830396A JP H1028033 A JPH1028033 A JP H1028033A
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JP
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frequency
coupling loop
switch
pin diode
frequency signal
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Hiroyuki Ito
伊藤  弘之
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Abstract

(57)【要約】 【課題】マイクロ波スペクトラムアナライザに使用す
る、低周波信号、高周波信号のいずれに対しても良好な
平坦度を有する磁性体同調フィルタを実現する。 【解決手段】スイッチ回路12を、以下の構成とした。
第1および第2のPINダイオードD1、D2を、直流
的に直列に、かつ高周波的に並列に接続する。第1の直
流阻止コンデンサC1を、第1および第2のPINダイ
オードD1、D2と磁性体同調フィルタ1の入力結合ル
ープ1a間に接続する。第2の直流阻止コンデンサC2
を、第1のPINダイオードD1と接地間に接続する。
チョークコイルLを、第1のPINダイオードD1と第
2の直流阻止コンデンサC2間に接続する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スペクトラムアナ
ライザに使用される、バンド切替スイッチを内蔵する磁
性体同調フィルタであって、特にマイクロ波スペクトラ
ムアナライザに使用される磁性体同調フィルタ装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】
〔マイクロ波スペクトラムアナライザ〕本願発明を利用
するマイクロ波スペクトラムアナライザの構成を図4に
示す。マイクロ波スペクトラムアナライザの入力部は、
低周波信号変換部と高周波信号変換部とから構成され
る。これらの帯域は、例えば、低周波信号帯域は10k
Hz〜3GHz、高周波信号帯域は3GHz〜21GH
zである。低周波信号変換部の入力側には低域フィルタ
が、高周波信号変換部の入力側には磁性体同調フィルタ
が配置され、入力を希望周波数の信号のみに制限し各信
号変換部で不要なレスポンスが発生するのを防いでい
る。入力信号の切替手段として、以前は機械的なリレー
が用いられていたが、寿命の点で問題があった。そのた
め、半導体スイッチを磁性体共振器に組み込み磁性体フ
ィルタに内蔵させた電子的なスイッチにより、入力信号
をどちらかの変換部に切り替える方式が採用されてき
た。磁性体としてはYIG(イットリウム鉄ガーネッ
ト)が、半導体としてはPINダイオードが多くの場合
採用されている。
【0003】〔従来のスイッチ内蔵磁性体同調フィル
タ〕まずYIG共振器の構造と動作について図5に基づ
いて簡単に説明する。YIG共振器1は、球状に加工さ
れたYIG1c、YIG1cと同心状に配置された入力
結合ループ1a及び出力結合ループ1bから構成され
る。入力結合ループ1aと出力結合ループ1bは互いに
直交する平面内に配置された円弧状の導体線であり、入
力結合ループ1aの出力側及び出力結合ループ1bの入
力側は接地されている。この他、YIG1cの共振周波
数を制御するためYIG1cに直流磁界を加える直流磁
界供給手段30が必要であり、磁極間空隙を有する電磁
石が使用されている。YIG共振器1は空隙内に配置さ
れる。このような構造において入出力結合ループ間の伝
送特性は、中心周波数がYIGに加わる直流磁界に比例
する帯域フィルタの特性を示す。中心周波数fと直流磁
界H0 には次式の関係がある。 f(MHz)=γH0 (oe) γ=2.8MHz/oe したがって帯域フィルタの中心周波数は電磁石のコイル
電流によって制御する事ができる。
【0004】(特開平01−220510号公報)次に
従来のスイッチ内蔵磁性体同調フィルタを図6に基づい
て説明する。YIG同調フィルタに内蔵されるスイッチ
(以下YIG共振器スイッチと呼ぶ)は、入力結合ルー
プ1a、出力結合ループ1b、YIG1cから構成され
るYIG共振器1、入力結合ループ1aの出力側に並列
に接続されるスイッチ回路2から構成される。スイッチ
回路2は、入力結合ループ1aに接続される直流阻止コ
ンデンサC、直流阻止コンデンサCとアース間に接続さ
れるPINダイオードD、チョークコイルLから構成さ
れる。直流阻止コンデンサCはPINダイオードDの直
流バイアスが測定器の入力端及び低周波信号変換部に漏
れるのを防ぐ。また、チョークコイルLはPINダイオ
ードDに直流バイアスを加えるとともに、高周波信号が
バイアス用電源部に漏れるのを防ぐ。
【0005】次に、高周波信号変換部へ接続するYIG
共振器スイッチの動作を説明をする。スイッチを高周波
信号変換部へ接続する場合は、PINダイオードDに順
電圧を加える。この場合、PINダイオードDの高周波
的な抵抗値は2〜5Ωになり、入力結合ループ1aの出
力側は直流阻止コンデンサCとPINダイオードDを介
して高周波的に接地され、高周波入力信号はYIG1c
を介して出力結合ループ1bに伝達される。この時、Y
IG1cは加えられる直流磁界に比例した周波数の入力
信号のみを通し、高周波信号変換部での不要なレスポン
スの発生を防ぐ。順バイアス時のPINダイオードDの
高周波的な抵抗、ダイオードパッケージのリード等のイ
ンダクタンスを小さくすることにより、入力結合ループ
1aの出力側の接地が完全になり、YIG同調フィルタ
の上限周波数付近での挿入損を改善できる。
【0006】(特開平06−148242号公報)この
ため、図7に示すようにPINダイオードD1、及びD
2を並列に2個使用して、上記の高周波的なインピーダ
ンスを改善することも考えられる。
【0007】次に、低周波信号変換部へ接続するYIG
共振器スイッチの動作を説明をする。スイッチを低周波
信号に接続する場合はPINダイオードDに逆電圧を加
える。この場合、PINダイオードDはほぼ開放状態に
なり、入力結合ループ1aの出力側は低周波変換部で終
端され、入力信号は低周波信号変換部に伝達される。
【0008】このようにYIG共振器1の入力結合ルー
プ1aに低周波信号変換部を接続し、出力結合ループ1
bに高周波信号変換部を接続して、PINダイオードD
のバイアスにより入力結合ループの接地・非接地を切り
替えることで、機械的なリレーに替わるスイッチを実現
できる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
〔バイアス回路の課題〕しかし、マイクロ波スペクトラ
ムアナライザの入力周波数範囲は極めて広く、低周波・
高周波信号帯域を合わせ10kHz〜21GHzのよう
に6デケードに及ぶ。そのため、図6の構成のYIG共
振器スイッチを設計する場合、以下の課題がある。スイ
ッチを高周波信号変換部に接続する場合の入力結合ルー
プ1aの出力側の接地が良好になるように、例えば、L
=40nH、C=20pFの回路定数を選ぶと、図9に
示すように、これらの共振が178MHzに発生し、ス
イッチを低周波信号変換部に接合する場合の低周波信号
帯域の平坦度を劣化させる。
【0010】図8に示すようにチョークコイルLと直列
に抵抗Rを挿入し共振のQを低下させ、平坦度の劣化を
防ぐことも理論的には可能である。この場合、良好な平
坦度を得るためには図10に示すように500Ω以上の
抵抗が必要になる。しかし、PINダイオードDの順バ
イアス時30〜50mAの電流が必要であり、これは5
00Ωの抵抗に対して15〜25Vの電位差を生じ、電
源部の負担を増すこととなる。
【0011】〔PINダイオードを2個使う場合の課
題〕図7のようにPINダイオードD1及びD2を2個
使う場合、前述した並列化の効果によりYIG同調フィ
ルタの特性を改善できるが、順バイアス時のバイアス電
流が2倍となり、電源部の負担を増すこととなる。
【0012】本発明は、このような点を考慮してなされ
たものであり、その目的は、測定器の入力端、低周波
信号変換部への直流バイアスの漏れを阻止し、低周波
信号、高周波信号のいずれに対しても良好な平坦度を提
供し、高周波信号帯域上限付近での磁性体同調フィル
タの挿入損を抑え、PINダイオードの順バイアス電
流も増加させない事を可能とする磁性体同調フィルタ装
置を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明の磁性体共振器スイッチでは、図1に示すよう
に、以下の(a)〜(c)を特徴とする回路構成をとっ
た。(a)半導体スイッチとしてPINダイオードを使
用し、高周波的にPINダイオードD1及びD2を2個
並列に配置する。(b)入力信号を低周波信号変換部に
接続する場合、PINダイオードD1がほぼ開放状態に
なることに着目し、直流阻止コンデンサC2を、PIN
ダイオードD1とアース間に配置し、PINダイオード
D1と直流阻止コンデンサC2の接続点にチョークコイ
ルLを接続する。(c)PINダイオードD1及びD2
を直流的に直列に接続する。
【0014】〔作用〕上記(a)により、順バイアス時
のPINダイオードの高周波的なインピーダンスを小さ
くし、入力結合ループ1aの出力側の接地を良好にし、
磁性体同調フィルタの上限周波数付近での挿入損を改善
できる。(b)により、共振回路を形成するLがC1か
ら切り離され、磁性体共振器スイッチを低周波信号変換
部に接続する場合の平坦度の劣化は根本的に解決され
る。したがってチョークコイルLに直列に抵抗を挿入す
る必要もなく、電源部の負担も生じない。(c)によ
り、PINダイオードD1及びD2の順バイアス電流を
30〜50mAに抑え、電源部の負担を抑えることがで
きる。
【0015】
【発明の実施の形態】次に本発明の一実施形態について
図3を参照して説明する。本実施形態では、本発明によ
るスイッチ回路12を付加したYIG共振器1にさらに
2段のYIG共振器11及び21を従属接続して、全体
として3段のYIG同調フィルタを構成している。この
ように3段の構成とする目的は、帯域フィルタとしての
良好な選択度すなわち通過域対阻止域の減衰量の比をと
ることである。本実施形態では70dB以上が得られて
いる。
【0016】入力信号はYIG共振器1の入力結合ルー
プ1aに加えられる。入力結合ループ1aは低周波信号
変換部に前置される低域フィルタに接続されている。ま
た、YIG共振器1の出力結合ループ1bはYIG共振
器11の入力結合ループ11aに、YIG共振器11の
出力結合ループ11bはYIG共振器21の入力結合ル
ープ21aに、YIG共振器21の出力結合ループ21
bは高周波信号変換部に接続される。
【0017】YIG共振器を複数従属接続する場合、所
望の通過域特性、例えば6GHzにおける3dB帯域
幅40MHz、挿入損4dB、最大平坦の通過域特
性、を得るため、複数のYIGに対して均一な直流磁界
を印加する必要がある。このため電磁石の磁極断面積を
大きくし磁界の均一性を確保している。
【0018】スペクトラムアナライザで10kHz〜3
GHzの信号を観測する場合、バイアス端子に負電圧、
例えば−12Vを加える。この時2個のPINダイオー
ドD1及びD2は逆方向にバイアスされほぼ開放状態に
なり、YIG共振器スイッチ1の入力結合ループ1aに
加えられた入力信号は低周波変換部に前置される低域フ
ィルタに伝達される。直流阻止コンデンサC1、チョー
クコイルLは、開放状態のPINダイオードD1により
分離されているため、どのような定数値を選んでも低周
波信号帯域の平坦度を劣化させる事はない。図2に本発
明による低周波信号帯域の平坦度を示す。
【0019】スペクトラムアナライザで3GHz〜21
GHzの信号を観測する場合、バイアス端子に正電圧、
例えば+2Vを加える。この電圧は、PINダイオード
D1及びD2の高周波抵抗を十分小さく、例えば2Ωに
するための順電流、例えば50mAから、対応する順電
圧の2倍の値として求まる。またPINダイオードD1
及びD2は直流的に直列に接続されているため、順電流
は1個分でよい。この時PINダイオードD1及びD2
は順方向にバイアスされ、高周波的には各々2Ωの抵抗
と等価になり、入力結合ループ1aの出力側は直流阻止
コンデンサC1、C2及びPINダイオードD1、D2
により高周波的にほぼ接地され、入力結合ループ1aに
加えられた高周波信号はYIG1cに結合される。YI
G1cは印加されている直流磁界に応じて前述の式で決
まる周波数の信号のみを出力結合ループ1bに結合させ
る。共振器11、21にも同一の磁界が印加されている
ため、入力信号は共振器11、21を通過し、高周波変
換部に伝達される。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように、本願発明の磁性体
同調フィルタ装置は、磁性体同調フィルタと、バンド切
替スイッチとを内蔵するスイッチ内蔵磁性体同調フィル
タ装置のうち、バンド切替スイッチを、(1)直流的に
直列に、かつ高周波的に並列に接続された第1および第
2のPINダイオードと、(2)第1および第2のPI
Nダイオードと磁性体同調フィルタの入力結合ループ間
に接続された第1の直流阻止コンデンサと、(3)第1
のPINダイオードと接地間に接続された第2の直流阻
止コンデンサと、(4)第1のPINダイオードと該第
2の直流阻止コンデンサ間に接続されたチョークコイ
ル、とを備えた構成とした。
【0021】そのため、従来にない以下に示す効果があ
る。(a)順バイアス時のPINダイオードの高周波的
なインピーダンスを小さくし、入力結合ループの出力側
の接地を良好にし、YIG同調フィルタの上限周波数付
近での挿入損を改善できる。(b)共振回路を形成する
LがC1から切り離され、スイッチを低周波信号変換部
に接続する場合の平坦度の劣化は根本的に解決される。
したがってLに直列に抵抗を挿入する必要もなく、電源
部の負担も生じない。(c)PINダイオードに順バイ
アス電流を30〜50mAに抑え、電源部の負担を抑え
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の概念を説明するためのブロック図であ
る。
【図2】本発明の磁性体同調フィルタ装置の周波数特性
を示した図である。
【図3】本発明の一実施態様を示すブロック図である。
【図4】本発明を利用するマイクロ波スペクトラムアナ
ライザの構成図である。
【図5】YIG共振器を示すブロック図である。
【図6】従来のスイッチ内蔵磁性体同調フィルタを示す
ブロック図である。
【図7】従来のスイッチ内蔵磁性体同調フィルタを示す
ブロック図である。
【図8】従来のスイッチ内蔵磁性体同調フィルタを示す
ブロック図である。
【図9】従来のスイッチ内蔵磁性体同調フィルタの周波
数特性を示した図である。
【図10】従来のスイッチ内蔵磁性体同調フィルタの周
波数特性を改良するための例を示した図である。
【符号の説明】
1…YIG共振器、1a…入力結合ループ、1b…出力
結合ループ、1c…YIG、2…スイッチ回路、12…
スイッチ回路、30…直流磁界供給手段、C…直流阻止
コンデンサ、C1…第1の直流阻止コンデンサ、C2…
第2の直流阻止コンデンサ、D…PINダイオード、D
1…第1のPINダイオード、D2…第2のPINダイ
オード、L…チョークコイル。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入力信号を周波数に応じて切り替えるため
    のスイッチを内蔵する磁性体同調フィルタ装置におい
    て、 該スイッチが、直流的に直列に、かつ高周波的に並列に
    接続された第1および第2のPINダイオード(D1、
    D2)と、 該フィルタ装置の入力端を直流的にしゃ断する第1のコ
    ンデンサ(C1)と、 該第1のPINダイオードと接地間に接続された第2の
    コンデンサ(C2)と、 該第1のPINダイオードと該第2のコンデンサ間に接
    続されたチョークコイル(L)とからなることを特徴と
    する磁性体同調フィルタ装置。
JP8198303A 1996-07-09 1996-07-09 磁性体同調フィルタ装置 Expired - Lifetime JP3027719B2 (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006010465A (ja) * 2004-06-25 2006-01-12 Toshiba Corp 磁場検出方法、及び磁気センサ
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CN110492207A (zh) * 2019-09-26 2019-11-22 西南应用磁学研究所 旋磁滤波器环球多耦合切换谐振电路

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