JPH10280001A - 粉末冶金用鋼粉の製造方法 - Google Patents

粉末冶金用鋼粉の製造方法

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JPH10280001A
JPH10280001A JP9091769A JP9176997A JPH10280001A JP H10280001 A JPH10280001 A JP H10280001A JP 9091769 A JP9091769 A JP 9091769A JP 9176997 A JP9176997 A JP 9176997A JP H10280001 A JPH10280001 A JP H10280001A
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JP
Japan
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powder
heat treatment
water
steel
finish
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JP9091769A
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Keiichi Maruta
田 慶 一 丸
Kuniaki Ogura
倉 邦 明 小
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JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】水アトマイズ鋼粉の製造において、大幅に反応
性を促進し生産性が向上し、工程削減による大幅なコス
トダウンを達成できる製造方法を提供する。 【解決手段】C≦0.25重量%を含む鋼溶湯を水アト
マイズにより噴霧し、噴霧後に該粉末中に含まれる水分
量を5〜30重量%に脱水し、該粉末を湿潤状態のまま
還元性雰囲気で仕上げ熱処理することを特徴とする鉄系
粉末の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水を用いた噴霧に
より製造される粉末冶金用鋼粉の低コストでの製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に水アトマイズ鋼粉の製造工程は、
所定の組成の溶鋼を高圧の水で噴霧するアトマイズ工
程、脱水工程、乾燥工程、粉砕分級工程を行い、ここま
でで得られた仕上げ還元工程前の粉末をアトマイズ生粉
と称し、次に、この生粉中のC,O,N等の除去やアト
マイズ工程による急冷組織を焼鈍軟化する目的の仕上げ
還元工程、還元処理された粉末を解砕粉化する解砕分級
工程からなる。このうち乾燥工程はアトマイズ鉄粉製造
を律速する工程であり、コストダウンが求められてい
る。つまり工程の短縮、設備費、用役費の削減などコス
トダウン効果が大きい。
【0003】一方、粉末冶金用鋼粉の生産性を向上させ
るために、従来は種々の提案がなされている。たとえば
特開昭61−44101号公報には鋼粉を余熱後に仕上
げ熱処理炉へ挿入し、仕上げ熱処理の能力を増大させる
方法が開示されている。また特開昭61−110701
号公報には移動床炉内を進行方向に分割して各処理工程
を独立させて移動床上の原料粉が焼結する位置より以降
で雰囲気ガスをファンで撹拌することにより、炉内の反
応生成ガスが原料粉上に滞留することを防止することで
反応を促進する方法が開示されている。しかしこれらの
方法はいずれも鋼粉を仕上還元する工程の中で、原料粉
充填層上の雰囲気に関するものであり、原料粉充填層の
表面部での反応は促進されるが、原料粉充填層内部での
反応はおそくなり、結果的には生産性は不十分なままで
あった。
【0004】また、アトマイズ生粉は一般に酸素が高
く、この酸素を低下させるために種々の提案がなされて
いる。たとえば特開平5−195024号公報には水ア
トマイズする際の噴霧媒である水に有機酸を混入してア
トマイズ生粉の酸素量低減を図る方法が開示されてい
る。また特開平7−41811号公報には水アトマイズ
された粉末が落下、回収される容器に有機酸を含有した
水溶液を満たして、金属粉末を浸漬させて酸化を防止す
る方法が開示されている。しかしこれらの技術はいずれ
もアトマイズに用いる水に有機酸を混合する方法であ
り、廃液処理等の問題がある上に、アトマイズ生粉の酸
化防止には一定の効果があるが粉末のCやN量が増加す
る等の副作用も大きかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上述べた
ような従来技術の欠点に鑑み、アトマイズ鋼粉の製造に
おいて工程の省略、仕上還元時の反応促進によって大幅
なコストダウンを図り、安価な粉末冶金用水アトマイズ
鋼粉を製造する技術を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
め、本発明者らは鋭意研究をおこなった。その結果、ア
トマイズ鋼粉を製造する過程で、各工程での粉末の酸素
量を測定し、最も酸素量が増加するのはアトマイズ後の
乾燥工程であることをつきとめた。
【0007】さらに鋼粉を仕上げ還元するために充填す
る際に、鋼粉に水が含有されたまま充填すると鋼粉充填
密度が低くなり、この状態で炉内へ挿入することで、鋼
粉充填層内へのガスの通気抵抗を少なくし、その結果仕
上げ熱処理時の反応が著しく進行することを見いだし
た。
【0008】本発明は以上の知見に基ずいてなされたも
のである。すなわち本発明は、C≦0.25重量%を含
む溶鋼を水アトマイズにより噴霧し、噴霧後に該粉末中
に含まれる水分量を5〜30重量%に脱水し、該粉末を
湿潤状態のまま還元性雰囲気で仕上げ熱処理することを
特徴とする鉄系粉末の製造方法を提供する。ここで、前
記仕上げ熱処理の雰囲気の露点が20〜45℃とする請
求項1記載の水アトマイズ鋼粉の製造方法が好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態につい
て述べる。水アトマイズする前の溶鋼中の炭素量は0.
25wt%以下とする。C≦0.25wt%としたのは
以下の理由による。アトマイズ後に乾燥工程を省き湿潤
状態のまま粉末を仕上げ熱処理に挿入する場合、粉末の
酸化はむしろ抑えられる。仕上げ熱処理時には、雰囲気
中の水蒸気による脱炭反応の他に、粉末中のCとOが直
接反応して最終的にC量の適正な低減が行われるのでア
トマイズする前の溶鋼中の炭素量を極端に減らす必要は
ない。しかし粉末のC量が高くなりすぎると仕上げ熱処
理時の脱炭が不良となり、最終的な製品品質の劣化をま
ねく。これは粉末のC量が高くなると粉末の断面硬度が
上昇し、粉末の圧縮性が大幅に低減するからである。そ
こでアトマイズする溶鋼段階でのC量は0.25wt%
以下とした。
【0010】溶鋼を水アトマイズし粉末にした後に脱水
工程を実施するが、鋼粉中の水分量は5〜30wt%と
する。30%超水分を含んだ状態では粉末は未だスラリ
ー状であり、このままでは粉末を充填しても充填密度は
低下しないし、逆に仕上げ熱処理時に脱酸が進行しなく
なる。また水分量5%未満では鋼粉を充填した際に充填
密度が低下する効果がほとんど無い、そこで水分量は5
〜30wt%とした。脱水工程は真空脱水機、振動脱水
機等により加熱することなく行う。
【0011】次に粉末が湿潤状態のまま乾燥をおこなわ
ずに充填する。水分が含まれた粉末を充填すると、同じ
粉末を乾燥状態で充填したときよりも充填密度が低く保
たれる。この状態で仕上げ還元をおこなう。還元雰囲気
はH2 、H2 含有N2 又はAr雰囲気または真空が用い
られる。この段階で粉末中に残ったC,O,N等が除去
される。この時、充填密度を低く保つと雰囲気ガスや反
応によって発生したCO,CO2 ガス等の通気性が高
く、その結果反応が促進される。
【0012】仕上げ熱処理時の雰囲気の露点は20〜4
5℃が好ましい。露点が45℃を越えると鋼粉中酸素量
が増加して粉末が硬くなり、圧縮性が低下してくる。ま
た露点が20℃未満では熱処理時の脱炭反応が遅くなる
ので、さけるべきである。仕上げ還元熱処理の温度は8
00〜1100℃が好ましい。この範囲とすると粉末同
士の強固な焼結を促進させずに、十分に脱炭、脱酸、脱
窒素(N)が促進される利点があるからである。仕上げ
還元時間は好ましくは30〜180分、より好ましくは
60〜90分とする。
【0013】
【実施例】以下、実施例によって本発明を詳細に説明す
る。本発明はこれらの例に限定されない。
【0014】(1)実施例1〜5は次のようにした。高
周波溶解炉で電解鉄を溶解し、違うC量の溶鋼をアトマ
イズした。得られた粉末を真空脱水機にかけて脱水をお
こなった。この段階で鋼粉中に含まれる水分量は15%
であり、この湿潤状態のまま連続式の熱処理炉に挿入
し、通炉量と仕上熱処理後のC量、O量を調べた。熱処
理炉の炉温は950℃に設定した。炉内の雰囲気は露点
25℃に調整したH2 を使用した。仕上げ熱処理直前お
よび直後の各粉末のC量,O量および通炉量をまとめて
表1に示す。直前の湿潤粉末の分析は、サンプリングし
て即エタノール中に浸漬した後に真空乾燥して供試材と
した。実施例1〜5の通炉量は、仕上げ粉の特性がC≦
0.004wt%、O≦0.25wt%となる場合の処
理量(t/h)のことである。
【0015】一方、比較例としては、比較例1のC量が
異なる溶鋼を水アトマイズした粉末と、上述と同じ組成
の溶鋼を水アトマイズした粉末とを真空脱水機で実施例
と同様に脱水し、その直後にスチームドライヤーで15
0℃で乾燥をおこなった。分級後に熱処理炉に挿入し、
炉温950℃、露点25℃で仕上げ熱処理をおこなっ
た。比較例2〜6は実施例と同じC≦0.004wt
%、O≦0.25wt%となる通炉量とし、比較例1
は、実施例5と同じ通炉量とし、仕上げ熱処理後のC量
とO量を調べた。
【0016】仕上げ熱処理後の鋼粉中C,O量および仕
上げ炉の生産量をまとめて表1に示す。実施例1〜5の
粉末では仕上げ熱処理炉へ挿入直前の粉末O量は、乾燥
したものに比較して60%程度に低く抑えられている。
また実施例1〜5では仕上げ熱処理炉へ挿入直前の水分
量は15%あり、鉄粉充填層密度は2.6g/cm3
度になっている。これに対して乾燥まで実施した比較例
2〜6では鉄粉充填層密度は3.1g/cm3 程度あ
る。
【0017】仕上げ熱処理後の粉末は全て適正なC,O
(C≦0.004wt%、O≦0.25wt%)量にな
っている。ただし実施例1〜5の粉末は比較例2〜6の
粉末より、通炉量で示された生産性は約1.4倍に向上
している。また粉末のC量が0.25wt%を越えた比
較例1は、仕上げ熱処理前の粉末C量が高すぎで、実施
例5と同じ通炉量とすると、仕上げ後の粉末C量が高す
ぎ、脱炭が適正におこなわれていないことを示してい
る。
【0018】(2)ここでは雰囲気の露点の影響につい
て調べた。実施例3で使用したものと同じ処理をした仕
上還元熱処理前の水アトマイズ生粉を使用して、仕上げ
熱処理時の炉温は950℃と一定とし、雰囲気露点を変
え、実施例の通炉量は仕上げ粉の特性が仕上熱処理後に
C≦0.004wt%、O≦0.25wt%となる通炉
量とした。比較例は実施例の6.5t/hrでの通炉量
で通炉した場合のC量とO量を調べた。表2に仕上げ後
の粉末のC,O量を示す。露点が低い比較例7,8では
脱炭が不完全になり、熱処理後の粉末C量が高くなる。
一方露点が高すぎる比較例9では脱炭は進行するが、逆
に粉末の脱酸が不完全になり熱処理後の粉末O量が高く
なっている。これは雰囲気中の水蒸気がおおくなると粉
末が再酸化するためである。実施例3,6,7の場合に
は露点が適正であり、比較例2〜6に示した生産量に比
較して高い生産性で適正なC,O量の粉末が得られる。
【0019】(3)ここでは脱水後の鉄粉中に含まれる
水分量について調べた。実施例3で使用したものと同じ
C量とO量の水アトマイズ生粉を使用し鋼粉中の水分量
を変えた。鋼粉中水分量は脱水をおこなう時間を変えて
調整した。熱処理温度は950℃、露点25℃とした。
実施例の通炉量は仕上げ粉の特性が仕上熱処理後にC≦
0.004wt%、O≦0.25wt%となる通炉量と
した。比較例は実施例の6.5t/hrでの通炉量で通
炉した場合のC量とO量を調べた。表3に仕上げ熱処理
後のC,O量を示す。水分量2%の比較例10では鉄粉
充填層の密度も脱水工程後乾燥工程を通した比較例2〜
6とほとんど変わらず高いので、脱炭不足で仕上げ熱処
理後の粉末C量が適正値を保ち得ない。また逆に水分量
38%の比較例11では仕上げ熱処理時の脱酸が適正に
進行しなくなっている。実施例8〜11では鉄粉充填層
密度が比較例10より13〜20%低くなっていて、従
来の比較例2〜6に比較して高い生産性で適正なC,O
量の粉末が得られる。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】
【表3】
【0023】
【発明の効果】本発明の製造方法を用いることによっ
て、水アトマイズ鋼粉の製造において、大幅に反応性を
促進し生産性が向上し、工程削減による大幅なコストダ
ウンを達成できる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】C≦0.25重量%を含む溶鋼を水アトマ
    イズにより噴霧し、噴霧後に該粉末中に含まれる水分量
    を5〜30重量%に脱水し、該粉末を湿潤状態のまま還
    元性雰囲気で仕上げ熱処理することを特徴とする鉄系粉
    末の製造方法。
  2. 【請求項2】前記仕上げ熱処理の雰囲気の露点が20〜
    45℃とする請求項1記載の水アトマイズ鋼粉の製造方
    法。
JP9091769A 1997-04-10 1997-04-10 粉末冶金用鋼粉の製造方法 Withdrawn JPH10280001A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101966591A (zh) * 2010-09-09 2011-02-09 东北大学 高氮不锈钢粉末的一步操作生产法
CN105149605A (zh) * 2015-10-20 2015-12-16 昆山德泰新材料科技有限公司 一种雾化铜粉的分离装置
CN108927516A (zh) * 2018-07-18 2018-12-04 东莞华晶粉末冶金有限公司 粉末冶金手机中框烧结工艺

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