JPH10279661A - エポキシ樹脂組成物および半導体装置 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物および半導体装置

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JPH10279661A
JPH10279661A JP8300297A JP8300297A JPH10279661A JP H10279661 A JPH10279661 A JP H10279661A JP 8300297 A JP8300297 A JP 8300297A JP 8300297 A JP8300297 A JP 8300297A JP H10279661 A JPH10279661 A JP H10279661A
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epoxy resin
resin composition
epoxy
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JP8300297A
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Katsuhiro Niwa
勝弘 丹羽
Masayuki Tanaka
正幸 田中
Atsuto Tokunaga
淳人 徳永
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐半田クラック性、耐剥離性などの信頼性、
および成形時の流動性、硬化性、金型からの離型性など
の成形性がすぐれた半導体封止用樹脂組成物を提供する
ことである。 【解決手段】エポキシ樹脂(A)、フェノール系硬化剤
(B)、有機ホスフィンからなる硬化促進剤(C)、お
よび無機充填剤(D)を含有するエポキシ樹脂組成物で
あって、前記エポキシ樹脂(A)が、エポキシ基を2個
以上有し、少なくとも2個のエポキシ基の間に2個以上
の芳香族環を有し、少なくとも2個の芳香族環の間に、
1個以上の炭素−炭素二重結合を有する構造を持つもの
であるエポキシ樹脂を含有するエポキシ樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体装置を封止
するために使用する半導体封止用エポキシ樹脂組成物に
関する。さらに詳しくは、樹脂封止半導体装置を実装す
る際のハンダ付け工程において封止樹脂にクラックが発
生するのを防止した半導体封止用エポキシ樹脂組成物、
特に耐湿信頼性および成形性(流動性、硬化性)などに
すぐれた半導体封止用エポキシ樹脂組成物に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】エポキシ樹脂は耐熱性、耐湿性、電気特
性および接着性などにすぐれており、さらに配合処方に
より種々の特性が付与できるため、塗料、接着剤および
電気絶縁材料などの工業材料として利用されている。
【0003】たとえば、半導体装置などの電子回路部品
の封止方法としては、従来より金属やセラミックスによ
るハーメチックシールと、フェノール樹脂、シリコーン
樹脂およびエポキシ樹脂などによる樹脂封止が提案され
ているが、近年では、経済性、生産性および物性のバラ
ンスの点から、エポキシ樹脂による樹脂封止が中心にな
っている。
【0004】一方、最近はプリント基板への部品実装に
おいても高密度化、自動化が進められており、従来のリ
ードピンを基板の穴に挿入する“挿入実装方式”に代
り、基板表面に部品を半田付けする“表面実装方式”が
盛んになってきた。
【0005】それに伴い、パッケージも従来のDIP
(デュアル・インライン・パッケージ)から、高密度実
装、表面実装に適した薄型のFPP(フラット・プラス
チック・パッケージ)に移行しつつある。
【0006】そして、表面実装方式への移行に伴い、従
来あまり問題にならなかった半田付け工程が大きな問題
になってきた。
【0007】すなわち、従来のピン挿入実装方式では、
半田付け工程はリード部が部分的に加熱されるだけであ
ったが、表面実装方式では、パッケージ全体が熱媒に浸
され加熱される。
【0008】この表面実装方式における半田付け方法と
しては、半田浴浸漬、不活性ガスの飽和蒸気による加熱
(ベーパーフェイズ法)や赤外線リフロー法などが用い
られるが、いずれの方法でもパッケージ全体が210〜
270℃の高温に加熱されることになるため、従来の封
止樹脂で封止したパッケージにおいては、半田付け時に
樹脂部分にクラックが発生したり、チップと樹脂との間
に剥離が生じたりして、信頼性が低下して製品として使
用できないという問題がおきるのである。
【0009】半田付け工程におけるクラックの発生は、
後硬化してから実装工程の間までに吸湿した水分が、半
田付け加熱時に爆発的に水蒸気化、膨脹することに起因
するといわれており、その対策としては、後硬化したパ
ッケージを完全に乾燥し密封した容器に収納して出荷す
る方法が用いられている。
【0010】しかるに、乾燥パッケージを容器に封入す
る方法は、製造工程および製品の取扱作業が繁雑になる
うえ、製品価格が高価になる欠点がある。
【0011】また、エポキシ樹脂による封止方法として
は、エポキシ樹脂に硬化剤および無機充填剤などを配合
した組成物を用い、半導体素子を金型にセットして、低
圧トランスファー成形機により封止する方法が一般的に
用いられている。
【0012】そして、使用する成形機もまた、近年のパ
ッケージの薄型化・小型化と成形の自動化にともなっ
て、従来のコンベンショナル方式からマルチプランジャ
ー方式に変りつつある。ここで、コンベンショナル方式
とは1ポットで多数のデバイスを一括成形するものであ
り、成形性にすぐれるのに対し、マルチプランジャー方
式は、基本的に1ポットで1〜2デバイスを成形する方
式であり、自動化はできるもの、生産性の点ではコンベ
ンショナル方式よりも劣っている。
【0013】しかるにこの成形方式の移行に併ない、樹
脂組成物への成形性の要求特性も一層厳しくなってきて
いる。具体的には、パッケージの薄型化・小型化の要求
からはこれまで以上の流動性が要求され、また自動化と
生産性の点からは、成形時においてすぐれた硬化性と離
型性および低バリ性が、かなり厳しく要求されるように
なってきた。
【0014】また、デバイスの高集積化に応じたアルミ
配線の微細化にともない、高温高湿環境下に樹脂封止半
導体装置を放置した場合に、封止樹脂自体や、封止樹脂
とリードフレームとの界面を通って水分が侵入すること
によって、半導体が故障するのを防止する性能、つまり
耐湿信頼性にも、より高いものが要求されるようになっ
てきた。
【0015】かかる実情に基づき、従来から半導体封止
用エポキシ樹脂組成物の改良が種々検討されてきた。例
えば、エポキシ樹脂にビフェニル型エポキシ樹脂を用
い、スチレン系ブロック共重合体ゴムやシリコーンゴム
を配合する方法(特開昭63−251419号公報)、
エポキシ樹脂にビフェニル型エポキシ樹脂、充填剤に特
定の粒径を有するシリカを用いる方法(特開平1−87
616号公報)などが提案されている。
【0016】しかしながら、最近、表面実装型のICパ
ッケージは、さらに進展し、多ピン化、薄型化、小型
化、高性能化が進んでいる。すなわちメモリー用途のI
Cで主に使用されるSOP(スモール・アウトライン・
パッケージ)やTSOP(シン・スモール・アウトライ
ン・パッケージ)においては、ICチップの多機能化に
伴い、ICチップが大型化し、多ピン化するにもかかわ
らず、より薄く小型のICパッケージが必要とされてい
る。またリードフレームの材料も鉄系の42アロイから
銅に変わりつつある。さらにBGA(ボール・グリッド
・アレイ)やCSP(チップ・サイズ・パッケージ)な
どのエリアアレイ型のパッケージも出現している。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】このような状況に鑑み
て、本発明が解決しようとする課題は、耐半田クラック
性、耐剥離性などの信頼性、および成形時の流動性、硬
化性、金型からの離型性などの成形性がすぐれた半導体
封止用樹脂組成物を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに本発明は以下の構成をとる。 1.「エポキシ樹脂(A)、フェノール系硬化剤
(B)、硬化促進剤(C)、および無機充填剤(D)を
含有するエポキシ樹脂組成物において、前記エポキシ樹
脂(A)が、エポキシ基を2個以上有し、少なくとも2
個のエポキシ基の間に2個以上の芳香族環を有し、少な
くとも2個の芳香族環の間に、1個以上の炭素−炭素二
重結合を有する構造を持つものがあるエポキシ樹脂を含
有し、硬化促進剤(C)として化学式(II)で示される
化合物を含有することを特徴とするエポキシ樹脂組成
物。
【化3】 (ただしR1〜R3は同一でも異なっていても良く、一価
の有機基を示す。)」、 2.「エポキシ樹脂(A)が、化学式(I)で表される
ものである前記のエポキシ樹脂組成物。
【化4】 (ただし、芳香族環および二重結合炭素に結合している
水素は、一価の有機基によって置換されていてもよ
い。)」、 3.「硬化促進剤(C) がトリフェニルホスフィンで
あることを特徴とする前記いずれかのエポキシ樹脂組成
物。」、 4.「無機充填剤(C)がエポキシ樹脂組成物全体の8
6〜95重量%含有する前記いずれかのエポキシ樹脂組
成物。」、 5.「臭素原子及びアンチモン原子の含有量がそれぞれ
0.1%以下である前記いずれかのエポキシ樹脂組成
物。」、および 6.「前記いずれかのエポキシ樹脂組成物で半導体素子
素子を封止してなることを特徴とする半導体装置。」
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の構成を詳述する。
なお本発明において「重量」とは「質量」を意味する。
本発明におけるエポキシ樹脂(A)はエポキシ基を2個以
上有し、少なくともその2個のエポキシ基の間に2個以
上の芳香族環を有し、少なくともその2個の芳香族環の
間に、1個以上の炭素−炭素二重結合を有する構造を持
つものがあるエポキシ樹脂を含有する。前記芳香族環に
結合した水素原子は一価の有機基によって置換されてい
てもかまわず、置換基の好ましい例としては、メチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基、アクリル基、メ
タクリル基などを挙げることができる。これらの好まし
い例としては、化学式(I)、さらに化学式(I−1)
で示される化合物が例示される。
【化5】
【化6】
【0020】上記(I)および(I−1)式で表される
エポキシ樹脂において、芳香環および二重結合炭素に結
合した水素原子は、一部または全部が1価の有機基で置
換されていてもよい。そして有機基の炭素数としては1
〜10の範囲が好ましく使用される。置換基の好ましい
例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル
基、アクリル基、メタクリル基などを挙げることができ
る。(I)および(I−1)式で表されるエポキシ樹脂
において、エポキシ基の付加反応によって、重合したも
のも使用できる。
【0021】さらに化学式(I)の構造に対して、炭素
−炭素二重結合と芳香族環との間に、1個以上のメチレ
ン基を有する化合物、炭素−炭素二重結合と芳香族環と
の間に、1個以上のエーテル基を有する化合物、炭素−
炭素二重結合と芳香族環との間に、1個以上のアミド基
を有する化合物、炭素−炭素二重結合と芳香族環との間
に、1個以上のエステル結合を有する化合物、炭素−炭
素二重結合と芳香族環との間に、1個以上のカルボニル
基を有する化合物なども使用できる。本発明において、
エポキシ樹脂(A)の配合量は特に限定はしないが、通
常2〜15重量%、好ましくは2〜10重量%、さらに
好ましくは2〜8重量%である。さらに本発明の特徴を
有するエポキシ樹脂(a)はエポキシ樹脂(A)中、50
重量%以上、さらに70重量%以上が好ましい。
【0022】本発明で使用されるフェノール系硬化剤
(B)は、エポキシ樹脂(A)と反応して硬化させるも
のであれば特に限定されないが、通常は2個以上のフェ
ノール性水酸基を有する化合物が使用できる。これらの
具体例としては、例えばフェノールノボラック樹脂、ク
レゾールノボラック樹脂、ビスフェノールAやレゾルシ
ンから合成される各種ノボラック樹脂、ポリビニルフェ
ノールなどの各種多価フェノール化合物、無水マレイン
酸、無水フタル酸、無水ピロメリット酸などの酸無水
物、およびメタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニ
ルメタン、ジアミノジフェニルスルホンなどの芳香族ジ
アミンなどが挙げられる。
【0023】エポキシ樹脂組成物の硬化剤としては、耐
熱性、耐湿性および保存性の点から、フェノールノボラ
ック樹脂、クレゾールノボラック樹脂などが好ましく用
いられる。用途によっては二種以上の硬化剤を併用して
もよい。また、封止剤の流動性の点から、フェノール系
硬化剤の溶融粘度がICI(150℃)粘度で6poise
(6Pa・s) 以下、さらに4poise (4Pa ・s) 下、さらに
2poise (2Pa・s) 以下のものが好ましく使用される。
【0024】本発明において、硬化剤(B)の配合量
は、組成物中、通常2〜15重量%、好ましくは2〜1
0重量%、さらに好ましくは2〜8重量%である。
【0025】さらには、エポキシ樹脂(A)と硬化剤
(B)の配合比は、機械的性質および耐湿信頼性の点か
らエポキシ樹脂(A)に対する硬化剤(B)の官能基の
化学当量比が0.5〜1.6、特に0.8〜1.3の範
囲にあることが好ましい。
【0026】また、本発明の半導体封止用エポキシ樹脂
組成物においては、上記エポキシ樹脂(A)と硬化剤
(B)との反応を促進させるための硬化促進剤(C)と
しては、化学式(II)で示される化合物を含有するもの
が用いられる。
【化7】 (ただしR1〜R3は同一でも異なっていても良く、一価
の有機基を示す。) 化学式(II)で表される化合物の好ましい例としては、
トリフェニルホスフィン、トリ-n-ブチルホスフィン、
トリ-n-オクチルホスフィン、トリシクロヘキシルホス
フィン、トリベンジルホスフィン、トリ-p-トリルホス
フィン、ビスジフェニルホスフェノエタン、ビスジフェ
ニルホスフィノブタンなどを挙げることができる。より
好ましくはトリフェニルホスフィンである。この化学式
(II)で表される化合物は2種類以上を同時に添加する
こともできる。
【0027】また他の硬化促進剤を含んでいてもかまわ
ない。他の硬化促進剤の具体例としては、例えば 2−メチルイミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾー
ル、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニ
ルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾー
ルおよび2−ヘプタデシルイミダゾールなどのイミダゾ
ール化合物、トリエチルアミン、ベンジルジメチルアミ
ン、α−メチルベンジルジメチルアミン、2−(ジメチ
ルアミノメチル)フェノール、2,4,6−トリス(ジ
メチルアミノメチル)フェノールなどのアミン化合物、
ジルコニウムテトラメトキシド、ジルコニウムテトラ
プロポキシド、テトラキス(アセチルアセトナト)ジル
コニウムおよびトリ(アセチルアセトナト)アルミニウ
ムなどの有機金属化合物、およびテトラフェニルホスホ
ニウム・テトラフェニルボレ−トなどの化合物、1,8
−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7および
その塩、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデ
セン−7の誘導体およびその塩、1,5−ジアザビシク
ロ(4,3,0)ノネン−5およびその塩、1,5−ジ
アザビシクロ(4,3,0)ノネン−5の誘導体、テト
ラ有機ボレート化物および塩を挙げることができる。
【0028】化学式(II)で表される硬化促進剤の添加量
としては特に限定はしないが、エポキシ樹脂(A)に対
し0.05〜20重量%、さらに0.1〜10重量%の
範囲が好ましい。
【0029】本発明で使用する無機充填剤(C)として
は、溶融シリカ、結晶性シリカ、炭酸カルシウム、炭酸
マグネシウム、アルミナ、マグネシア、クレー、タル
ク、ケイ酸カルシウム、酸化チタン、酸化アンチモンな
どの金属酸化物、アスベスト、ガラス繊維およびガラス
球などが挙げられるが、中でも非晶性シリカは線膨脹係
数を低下させる効果が大きく、低応力化に有効ななため
好ましく用いられる。非晶性シリカの例としては、石英
を溶融して製造した非晶性シリカがあげられ、破砕状の
ものや球状のものが用いられる。
【0030】非晶性シリカとは、一般的には真比重が
2.3以下のものを意味する。この非晶性シリカの製造
においては必ずしも溶融状態を経る必要はなく、任意の
製造方法を用いることができ、例えば結晶性シリカを溶
融する方法および金属ケイ素の酸化による方法、アルコ
キシシランの加水分解など、各種原料からの合成方法が
使用できる。
【0031】無機充填剤の粒径および組成については、
特に限定はないが、例えば平均粒径(メディアン径を意
味する。以下同じ。)4〜17μmの破砕溶融シリカ9
9〜80重量%と平均粒径0.1〜3μmの球状溶融シ
リカ1〜20重量%からなるシリカ組成物、平均粒径4
〜17μmの破砕溶融シリカ95〜40重量%と平均粒
径5〜30μmの球状溶融シリカ5〜60重量%からな
るシリカ組成物、平均粒径3〜30μmの球状溶融シリ
カ99〜5重量%と平均粒径0.1〜3μmの球状溶融
シリカ1〜50重量%からなるシリカ組成物などが好ま
しい。ここでいう重量%は全シリカ量に対するものであ
る。また無機充填剤全体に注目した場合、平均粒径は1
0〜30μmの範囲にあることが好ましい。
【0032】これらの組成物を用いて得られる半導体封
止用エポキシ樹脂組成物の流動性と耐ハンダクラック性
が優れるという点で好ましい。また上記の組合せに限ら
ず、平均粒径または粒度分布の異なる無機充填剤を2種
以上組み合わせることもできる。
【0033】無機充填剤(C)の配合割合は、得られる
半導体封止用エポキシ樹脂組成物の成形性および低応力
性を考慮して、組成物全体の86〜95重量%の範囲と
することが好ましく、より好ましくは88〜92重量%
である。一方、流動性に代表される成形性が求められる
場合には、無機充填剤を60重量%以上86重量%未満
とすることもできる。また粒度分布の広がりについて
は、特に限定はしないが、好ましくはロジンラムラー分
布におけるn値が1.0〜0.6であることが成形性の
点において好ましい。また無機充填剤を水にて煮沸した
際、その水の電気伝導度が低く、また中性となるものが
好ましい。また封止しようとする半導体素子の回路パタ
ーンの大きさより、大きい粒径のものが少ない無機充填
剤の利用が好ましい。
【0034】また得られる半導体装置のソフトエラーの
問題を回避するために、ウラン、トリウムなどα線放出
物質の濃度が、組成物中極めて少なくすることが好まし
い。次に、本発明では、エポキシ樹脂組成物中にシラン
カップリング剤を添加することもできる。シランカップ
リング剤としては、ハロゲン原子、アミノ基、エポキシ
基、二重結合基などの官能基を有する有機基がケイ素原
子に直結し、かつアルコキシ基などの加水分解性基がケ
イ素原子に直結したたもの、およびそのアルコキシ基の
部分加水分解縮合物が一般的に用いられる。加水分解性
の基としてはアルコキシ基、なかでも、メトキシ基、エ
トキシ基が好ましく用いられる。シランカップリング剤
中の有機基としては、窒素原子、酸素原子、ハロゲン原
子、硫黄原子などによって置換された炭化水素基のもの
が例示される。またすべてが2級であるアミノ基が結合
した有機基を有するシランカップリング剤が好ましく用
いられる。シランカップリング剤の配合割合としては組
成物全量に対して0.1〜2重量%添加することが流動
性及び充填性の点で好ましい。さらにシランカップリン
グ剤は前もって無機充填剤と混合しておくこともでき
る。
【0035】シランカップリング剤の具体的な例として
は、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ
−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシシラン、γ
−(2,3−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリメ
トキシシラン、γ−(N−フェニルアミノ)プロピルト
リメトキシシラン、γ−(N−フェニルアミノ)プロピ
ルメチルジメトキシシラン、γ−(N−メチルアミノ)
プロピルトリメトキシシラン、γ−(N−メチルアミノ
プロピル)メチルジメトキシシラン、γ−(N−エチル
アミノ)プロピルトリメトキシシラン、γ−(N−エチ
ルアミノ)プロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリ
シドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(N−エチ
ルアミノ)プロピルメチルトリメトキシシラン、γ−メ
タクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタク
リロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカ
トプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカトプロピル
メチルジメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−
γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(ア
ミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシ
ラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピル
トリエチルシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシ
ラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ
−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロ
ピルメチルジメトキシシラン、γ−(N,N−ジメチル
アミノ)プロピルトリメトキシシランなどが挙げられ
る。
【0036】本発明の組成物では、必須成分ではないが
ブロム化合物、望ましくは臭素原子を有する有機化合物
を配合できる。またブロム化合物は、通常、樹脂組成物
に難燃剤として添加されるもので、特に限定されない。
存在するブロム化合物の好ましい具体例としては、ブ
ロム化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ブロム化フェ
ノールノボラック型エポキシ樹脂などのブロム化エポキ
シ樹脂、ブロム化ポリカーボネート樹脂、ブロム化ポリ
スチレン樹脂、ブロム化ポリフェニレンオキサイド樹
脂、テトラブロモビスフェノールA、デカブロモジフェ
ニルエーテルなどがあげられ、なかでも、ブロム化ビス
フェノールA型エポキシ樹脂、ブロム化フェノールノボ
ラック型エポキシ樹脂などのブロム化エポキシ樹脂が、
成形性の点から特に好ましい。
【0037】本発明の組成物では、必須成分ではないが
アンチモン化合物を配合できる。これは通常半導体封止
用エポキシ樹脂組成物に難燃助剤として添加されるもの
で、特に限定されず、公知のものが使用できる。アンチ
モン化合物の好ましい具体例としては、三酸化アンチモ
ン、四酸化アンチモン、五酸化アンチモン、アンチモン
酸ソーダがあげられる。
【0038】これら難燃剤、難燃助剤は、樹脂組成物か
ら成形時発生する不要物の廃棄の容易さ、および半導体
装置の信頼性の観点からハロゲン原子およびアンチモン
原子それぞれが、樹脂組成物に対して0.2重量%以
下、さらには実質的に配合されていないことが好まし
い。
【0039】本発明のエポキシ樹脂組成物は、さらに次
に挙げる各種添加剤を任意に含有することができる。
【0040】カーボンブラックおよび酸化鉄などの各種
着色剤や各種顔料、シリコーンゴム、オレフィン系共重
合体、変性ニトリルゴム、変性ポリブタジエンゴムなど
の各種エラストマー、シリコーン、ポリエチレンなどの
各種熱可塑性樹脂、フッ素系、シリコーン系などの界面
活性剤、長鎖脂肪酸、長鎖脂肪酸の金属塩、長鎖脂肪酸
のエステル、長鎖脂肪酸のアミドおよびパラフィンワッ
クスなどの各種離型剤およびハイドロタルサイト類など
のイオン捕捉剤、有機過酸化物などの架橋剤。
【0041】本発明のエポキシ樹脂組成物は、上記各成
分を加熱混練することによって製造できる。たとえばバ
ンバリーミキサー、ニーダー、ロール、単軸もしくは二
軸の押出機およびコニーダーなど公知の混練方法を用い
て溶融混練することにより製造される。溶融混練の温度
としては、通常70〜150℃の範囲が使用される。
【0042】本発明のエポキシ樹脂組成物は、さらに粉
砕して粉末の形状、粉末を打錠して得られるタブレット
の形状、加熱混練で溶融し、型内で冷却固化したタブレ
ットの形状、加熱混練で溶融し、押し出ししてさらに切
断したペレットの形状などの状態で使用できる。そして
これらの形状から半導体素子の封止に供され半導体装置
の製造が行われる。半導体素子を基板に固定した部材に
対して、本発明のエポキシ樹脂組成物を、例えば120
〜250℃、好ましくは150〜200℃の温度で、ト
ランスファ成形、インジェクション成形、注型法などの
方法で成形して、エポキシ樹脂の硬化物によって封止さ
れた半導体装置が製造される。また必要に応じて追加熱
処理(例えば、150〜200℃、2〜16時間)を行
うことができる。
【0043】ここで本発明に好適な半導体装置としては
SOP,SOJ、TSOPなどのSO型、圧型QFP,
BGA,CSPなどのICパッケージ形態があげられ
る。その他にDIP型、フラットパック型、PLCC型
などのICパッケージ、さらにプリン配線板あるいはヒ
ートシンクに半導体素子が直接固着されたもの、ハイブ
リッドのICのフルモールドタイプの半導体装置があげ
られる。さらに銅リードフレーム、42アロイ系フレー
ムの基板にも適用可能である。
【0044】なお、プリント基板の材質としては、特に
制限はなく、例示すると金属酸化物、ガラス系の無機絶
縁物、フェノール、エポキシ、ポリイミド、ポリエステ
ルなどのシート基材、ガラス布基材、ガラスマット基
材、ポリサルフォン、テフロン、ポリイミドフィルム、
ポリエステルフィルムなどの有機絶縁物、金属ベース基
板、メタルコア基板、ホーロー引き天板などの金属系基
板があげられる。またヒートシンク材料としては、銅
系、鉄系の材料があげられる。
【0045】かくして構成される本発明の半導体封止用
樹脂組成物は、耐半田クラック性、耐剥離性などの信頼
性、および成形時の流動性、硬化性、金型からの離型性
などの成形性がすぐれた特徴のもとに、半導体封止装置
を与えることができる。
【0046】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。なお、表中で示した配合量は重量部を意味する。
【0047】<実施例1〜3、比較例1〜9>表1に示
した成分を、表2、表3、表4に示した組成比でミキサ
ーによりドライブレンドした。これを、ロール表面温度
80℃のミキシングロールを用いて7分間加熱混練後、
冷却・粉砕して半導体封止用エポキシ樹脂組成物を製造
した。
【0048】
【表1】
【化8】
【0049】各種物性は以下の方法で行い、結果を表
2、表3、表4に示した。
【0050】流動性:EMMI型評価用金型を用いて1
75℃で成形速度25m/secでスパイラルフローを測定
した。 硬化性:成形温度175℃、成形時間60秒の条件で直
径4インチ、厚さ3mmの円板を成形し、成形直後のバー
コル硬度を求めた。70以上の値があれば、硬化性が十
分と判断される。 耐クラック性:160ピンQFP(外形:28×28×
2.5mm、模擬半導体素子:10×10×0.5mm、フ
レーム材料:銅、チップ表面:ポリイミド膜)を175
℃2分の条件で10個成形し、180℃で6時間硬化さ
せた後、85℃、85%RHの条件で150時間それぞ
れ加湿処理後、IRリフロー炉を用いて250℃で10
秒間加熱処理した。その後外部クラックの有無個数を調
べクラックの入ったパッケージを不良パッケージとし、
その個数をnとしたとき(1- n/10)×100の値を耐クラッ
ク性を示す数値とした。値が100%に近いほど耐クラ
ック性に優れことを意味する。一方IRリフロー炉を用
いて250℃10秒間加熱処理したサンプルを超音波探
傷器でリードフレームからの剥離を観察し、剥離したパ
ッケージを不良パッケージとし、その個数をnとしたと
き(1- n/10)×100の値を耐クラック性を示す数値とし
た。値が100%に近いほど耐剥離性に優れることを意
味する。 金型汚れ:成形温度175℃、成形時間90秒の条件
で、160ピンQFPを10個成形した。パッケージの
上面および下面に対応する金型部の汚れた部分の面積を
調べ、その面積をパッケージの上面および下面に対応す
る金型部の面積で割りさらに100をかけ、金型汚れの
度合いを%で表示した。
【0051】
【表2】
【0052】表2にみられるように、実施例1〜3のエ
ポキシ樹脂組成物は、流動性、硬化性、耐クラック性、
耐剥離性、金型汚れなどすべての物性において優れてい
る。
【0053】
【表3】
【0054】
【表4】
【0055】これに対して表3、表4に示した比較例
は、耐クラック性、耐剥離性、金型汚れなどの点で、劣
っていることが分かる。
【0056】
【発明の効果】耐半田クラック性、耐剥離性などの信頼
性、および成形時の流動性、硬化性、金型からの離型性
などの成形性がすぐれた半導体封止用樹脂組成物を提供
することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01L 23/29 H01L 23/30 R 23/31

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エポキシ樹脂(A)、フェノール系硬化
    剤(B)、硬化促進剤(C)、および無機充填剤(D)
    を含有するエポキシ樹脂組成物であって、前記エポキシ
    樹脂(A)が、エポキシ基を2個以上有し、少なくとも
    2個のエポキシ基の間に2個以上の芳香族環を有し、少
    なくとも2個の芳香族環の間に、1個以上の炭素−炭素
    二重結合を有する構造を持つものがあるエポキシ樹脂を
    含有し、硬化促進剤(C)として化学式(II)で示され
    る化合物を含有することを特徴とするエポキシ樹脂組成
    物。 【化1】 (ただしR1〜R3は同一でも異なっていてもよく、一価
    の有機基を示す。)
  2. 【請求項2】 エポキシ樹脂(A)が、化学式(I)で
    表されるものである請求項1記載のエポキシ樹脂組成
    物。 【化2】 (ただし、芳香族環および二重結合炭素に結合している
    水素は、一価の有機基によって置換されていてもよ
    い。)
  3. 【請求項3】硬化促進剤(C) がトリフェニルホスフ
    ィンであることを特徴とする請求項1または2記載のエ
    ポキシ樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 無機充填剤(C)がエポキシ樹脂組成物
    全体の86〜95重量%含有する請求項1〜3いずれか
    に記載のエポキシ樹脂組成物。
  5. 【請求項5】臭素原子及びアンチモン原子の含有量がそ
    れぞれ0.1%以下であることを特徴とする請求項1〜
    4記載のエポキシ樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5いずれかのエポキシ樹脂
    組成物で半導体素子素子を封止してなることを特徴とす
    る半導体装置。
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