JPH10279392A - シリコン単結晶の育成方法 - Google Patents

シリコン単結晶の育成方法

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JPH10279392A
JPH10279392A JP8074397A JP8074397A JPH10279392A JP H10279392 A JPH10279392 A JP H10279392A JP 8074397 A JP8074397 A JP 8074397A JP 8074397 A JP8074397 A JP 8074397A JP H10279392 A JPH10279392 A JP H10279392A
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JP
Japan
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melt
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solidified layer
layer
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JP8074397A
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Hiroshi Morita
洋 森田
Teruo Izumi
輝郎 和泉
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Nippon Steel Corp
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Sumitomo Sitix Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】シリコン単結晶の電気抵抗率歩留まりの向上。 【解決手段】溶融坩堝1でシリコン原料を完全に溶解し
た後、溶融坩堝の下部から冷却して坩堝内の下部に凝固
層4を形成させ、その凝固層を再溶融しながら溶融液3の
表面に種結晶9を接触させ、それを上方に引き上げなが
ら凝固させるシリコン単結晶5の育成方法であって、前
記凝固層4を形成するとき溶融液3に磁場強度が時間とと
もに変化する磁場を印加しながら凝固させるシリコン単
結晶の育成方法。上記の凝固層を形成した後、静磁場を
印加しながら結晶を引き上げるシリコン単結晶の育成方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、引き上げ方向に
ばらつきの小さい電気抵抗率を有するシリコン単結晶を
育成する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】シリコン単結晶には、石英坩堝にシリコ
ン原料を充填して発熱体によって高温に加熱してシリコ
ン溶融液を作成し、溶融液表面の温度を調節した後、溶
融液面に種結晶を接触させ、それを上方に引き上げなが
ら凝固させる育成方法(以下、これを単に「CZ法」と
記載する)が多用されている。
【0003】シリコン単結晶は、半導体製品としての性
能(電気抵抗率、電気伝導型)を確保するために、微量
のりん(P)、ボロン(B)などの元素(以下、これら
を総称して「ドーパント」と記載する)が添加されてい
る。たとえば、Pのようなドーパント元素は、単結晶育
成中では結晶と溶融液との界面における平衡偏析係数が
0.35であるので、結晶の引き上げによって溶融液のP濃
度が高くなり、これにともない単結晶中のP濃度は次第
に高くなる。結晶中のP濃度が高いほど電気抵抗率は低
くなるので、CZ法で得られた単結晶の電気抵抗率(以
下、これを単に「抵抗率」と記載する)は引き上げ終期
に向かい次第に低くなる。
【0004】図5は、シリコン単結晶の長手方向の電気
抵抗率分布を模式的に示す図である。この図は、単結晶
を育成した後、長手方向に薄い円板を切り出し、抵抗率
を四端針法(四端子法ともいう)によって測定した測定
値を長手方向にプロットしたグラフである。同図に示す
ように、抵抗率がR1からR2までの範囲にある単結晶を要
求された場合には、たとえばA材では長さL1の部分が該
当する。このときの歩留りは、(L1/L)として計算さ
れ、これを「抵抗率歩留り」という。したがって、B材
として示すような抵抗率分布を有する単結晶は、抵抗率
歩留りが高く、よいとされている。
【0005】上記のドーパントの偏析を防止して抵抗率
歩留りを向上させることを目的とした連続CZ法、溶融
液の対流を抑制して酸素濃度制御および抵抗率歩留り向
上を目的とした磁場印加CZ法(MCZ法と呼ばれてい
る)が用いられている。また、ドーパントの偏析の防止
と溶融液の対流の抑制とを同時に実現するCZ法とし
て、溶融液の下部に凝固層を形成させた状態から単結晶
の引き上げを開始し、凝固層を再溶融しながら引き上げ
る溶融層法(以下、これを単に「溶融層CZ法」と記載
する)が開発された。
【0006】図6は、溶融層CZ法において凝固層の生
成から単結晶の引き上げまでの過程を模式的に示す図で
あり、(a)は原料を充填した状態を示す図、(b)は原料を
すべて溶融液とした状態を示す図、(c)は溶融液の下部
に凝固層を形成した状態を示す図、(d)は結晶を引き上
げている状態を示す図である。
【0007】溶融層CZ法は、図6(a)に示すようにドー
パントを含む多結晶シリコン原料Mを溶融坩堝1に充填し
た後、図(b)に示すように加熱用ヒーター2によってすべ
ての原料を溶解して溶融液3とする。次いで、溶融坩堝1
の下部から冷却し、図(c)に示すように溶融液3の下部に
凝固層4を形成する。凝固層を形成した後、溶融液の温
度を調整して種結晶を用いて単結晶5を引き上げる。単
結晶5を引き上げると溶融液が減少するので、図(d)に示
すように凝固層4の上部を再溶融させる。
【0008】溶融層CZ法は、ドーパントの偏析を防止
するとともに、溶融液の下部を低温に保つことができる
ので熱対流を抑制することができ、得られたシリコン単
結晶には次のような特徴がある。
【0009】成長方向の抵抗率変動および酸素濃度変
動が小さい、 酸素の濃度の制御範囲が広く、低酸素の単結晶が得ら
れる、 (Grown-in)欠陥密度が低く、酸化膜耐圧歩留りも良好
である。
【0010】溶融層CZ法は、通常のCZ法装置から加
熱装置を変更することによって実施することができる。
【0011】図7は、溶融層CZ法で単結晶を引き上げ
る装置の一例を示す縦断面図である。図において符号6
はシリコン単結晶5の引上げ雰囲気を減圧するチャンバ
ーであり、チャンバーの内部には溶融坩堝1が配置さ
れ、溶融坩堝の外側にはこれを囲んで抵抗加熱法で構成
された加熱用ヒーター2が、更にその外側に断熱材で円
筒状に構成された保温筒7が配設されている。溶融坩堝
内にはヒーターによって溶融された結晶育成用原料、つ
まりシリコン原料の溶融液3とシリコンの凝固層4が収容
されている。その溶融液の表面に引上げワイヤ8の先端
に取り付けた種結晶9の下端を接触させ、この種結晶を
上方に引き上げることによって、その下端に溶融液が凝
固したシリコン単結晶5を成長させていく。
【0012】このとき溶融坩堝は回転軸10によって、ま
たシリコン単結晶は引上げワイヤの上部に設けた回転機
構(図示せず)によってお互いに反対方向に回転させら
れる。減圧チャンバー内は、約 10 Torr に減圧され、
ガス供給口11からアルゴンガスを供給し、シリコン溶融
液の表面から発生するSiO ガスおよびカーボン坩堝やヒ
ーターから発生するCOガスなどをガス排出口12から排出
する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】溶融層CZ法は、CZ
法に比べてドーパントの偏析が少なく、抵抗率歩留りが
向上する効果が得られている。理論的には凝固層が再溶
融によって消失するまで上記の効果を持続させることが
可能である。しかしながら単結晶の抵抗率と凝固層の挙
動を調査した結果、実際には凝固層消失以前に上記の効
果が失われてドーパントの含有量が増加し、抵抗率が低
下していることが明らかになった。
【0014】本発明の目的は、凝固層が再溶融によって
消失するまで上記の効果を持続可能で、抵抗率歩留りを
向上させることが可能な溶融層CZ法を提供することに
ある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者は、溶融層CZ
法で育成した単結晶の抵抗率の変化と凝固層の挙動を調
査した結果、抵抗率の低下が凝固層の消失以前に生じて
いることが明らかになり、これを改善するには溶融液の
下部を冷却して凝固させるとき磁場強度が時間とともに
変化する磁場を印加させることが有効であることを見い
だし、本発明を完成した。
【0016】本発明の要旨は、下記に示す単結晶育成方
法にある(図1参照)。
【0017】溶融坩堝1でシリコン原料を完全に溶解し
た後、溶融坩堝の下部から冷却して坩堝内の下部に凝固
層4を形成させ、その凝固層を再溶融しながら溶融液3の
表面に種結晶9を接触させ、それを上方に引き上げなが
ら凝固させるシリコン単結晶5の育成方法であって、前
記凝固層4を形成するとき溶融液3に磁場強度が時間とと
もに変化する磁場を印加しながら凝固させるシリコン単
結晶の育成方法。
【0018】上記凝固層を形成するとき溶融液に磁場強
度が時間とともに変化する磁場を印加しながら凝固さ
せ、その後静磁場を印加しながら結晶を引き上げるシリ
コン単結晶の育成方法。
【0019】ここで「磁場強度が時間とともに変化する
磁場」とは、電磁石コイル13の電流を周期的に変動させ
てつくられる時間的に変化する磁場であり、溶融液3の
流れを促進する磁場である。
【0020】
【発明の実施の形態】溶融層CZ法では、結晶の引き上
げに伴って凝固層を再溶融させることにより、溶融液中
のドーパント濃度を目標範囲に制御し、単結晶の抵抗率
分布を一定にする。そのため凝固層消失後はCZ法と同
様、抵抗率分布が低下していくのは極めて自然である。
しかしながら、本発明者らは単結晶の抵抗率と凝固層の
挙動を調査した結果、凝固層消失以前に単結晶の抵抗率
が低下する。すなわち、凝固層が消失する以前に溶融層
CZ法の効果が失われていることを明らかにした。
【0021】さらに、凝固層中のドーパント濃度を調査
した結果、上記の現象は凝固層中のドーパント分布が不
均一なために生じることがわかった。凝固層のドーパン
ト濃度は、凝固層上部の溶融液を急冷凝固して、両者の
境界を明確にして化学分析法によって分析した。
【0022】図3は、凝固層中のドーパント濃度の分布
を示す図であり、(a)は凝固層の一部断面とその寸法を
示す図、(b)はドーパントの半径方向の分布を示す図、
(c)はドーパントの高さ方向の分布を示す図である。同
図から、従来の溶融層CZ法によって生成された凝固層
のドーパント濃度は、坩堝の半径方向では、図3(b)の破
線で示すように坩堝の中心部で高く、周辺部側で低い。
また、坩堝の高さ方向では、図3(c)の破線で示すように
坩堝の底部側で高く、溶融液に接していた側で低いこと
がわかる。
【0023】その理由は、次のように考えられる。
【0024】凝固層形成時の溶融液と凝固層との境界面
における凝固層のドーパント濃度CSSと溶融液のドーパ
ント濃度CLLとの関係は、下記のように表される。
【0025】CSS=keCLL ここでkeは、実効偏析係数を示しており、次のように表
される。
【0026】 ke=ko/{ko+(1−ko)exp(−R・δ/D)} ここでkoは平衡偏析係数、Rは凝固層の成長速度、Dは
溶融液中のドーパントの拡散係数、δは拡散層の厚さを
表している。
【0027】ここで拡散層の厚さδが増加すると実効偏
析係数keの値が増加し、溶融液のドーパント濃度CLL
一定でも凝固層のドーパント濃度CSSが増加することが
わかる。また、凝固層の成長速度Rが増加するとやはり
実効偏析係数keの値が増加し、溶融液のドーパント濃度
LLが一定でも凝固層のドーパント濃度CSSが増加する
ことがわかる。これより以下のように考えられる。
【0028】(1)凝固層の半径方向のドーパント濃度が
坩堝の中心部で高くなるのは、溶融層CZ法では溶融液
の熱対流が小さく、特に坩堝中央部で流速が小さくなる
が、凝固層成長界面で流速が低いと、ドーパントの拡散
境界層が厚くなり、凝固層のドーパント濃度が高くなる
ためである。
【0029】(2)坩堝の高さ方向で底部側のドーパント
濃度が高くなるのは、凝固層形成初期では凝固速度が大
きいためである。
【0030】図8は、溶融層CZ法で生成された凝固層
のドーパント濃度分布と引き上げ中の凝固層の再溶融の
進行状況を示す模式図である。溶融層CZ法で生成され
た凝固層の再溶融の進行は、破線で示すように溶融液に
接した坩堝の周辺部から始まり、底部中央部へと進む。
一方、凝固層のドーパント濃度は、溶融液に接した坩堝
の周辺部で最も低く、底部中央部が最も高い。したがっ
て、溶融液中のドーパント濃度は、再溶融の初期で低
く、終期に近づくと高くなることがわかる。このように
溶融液中のドーパント濃度が溶融層CZ法を実施するう
えでの目標値からずれて上昇するため、引き上げ終期で
は凝固層がまだ存在していても単結晶中のドーパント濃
度が上昇する。
【0031】この知見から、凝固層のドーパント濃度を
均一にすれば単結晶のドーパント濃度が引き上げ方向に
均一になる。凝固層のドーパント濃度を均一にするに
は、溶融液を撹拌して溶融液と凝固層との界面に存在す
る拡散層を薄く、均一にすればよいことを見いだした。
【0032】本発明は、溶融層CZ法における凝固層の
形成を溶融液に磁場強度が時間とともに変化する磁場
(以下、これを単に「振動磁場」と記載する)を印加し
ながら行うことに特徴がある。
【0033】図1は、本発明で使用する磁場印加装置を
設けた溶融層CZ装置の一例を示す縦断面図である。図
において符号13で示す電磁石コイルをチャンバー6の外
側に設ける以外は図7に示す通常の溶融層CZ装置と同
様である。図1に示すのは、横磁場を印加する装置であ
るが、縦磁場やカプス磁場を印加する装置でもよい。
【0034】図2は、本発明の実施例に使用した磁場強
度を変化させた磁場を示す図であり、(a)および(b)は直
線的に、(c)は曲線的に変動させる磁場を示す図であ
る。同図(a)に示す図は、たとえば0.10テスラから0.20
テスラの間を6分間隔で直線的に変動させる磁場を示す
図、(b)は0.05テスラから0.15テスラの間を10分間隔で
直線的に変動させる磁場を示す図、(c)は−0.05テスラ
から+0.05テスラの間を10分間隔で曲線的に変動させる
磁場を示す図である。
【0035】図1に示す磁場印加装置を設けた溶融層C
Z装置を用い、ドーパントとしてPを添加し、図2(a)に
示す振動磁場を印加しながら凝固させ、図6(c)に示す凝
固層が形成されたとき、上部溶融液を急冷凝固して、凝
固層中のドーパント濃度を分析し、図3に実線で示し
た。図3から、振動磁場を印加しながら凝固させた凝固
層中のドーパント濃度は、半径方向および垂直方向にお
いて変動が小さくなる。この理由については、未だ定か
でないが、振動磁場が作用することによって溶融液に流
れが発生して撹拌され、溶融液と凝固層との界面におけ
る拡散層の厚さが薄く、均一になるためと考えられる。
【0036】図4は、CZ法、溶融層CZ法および振動
磁場を印可しながら凝固させた凝固層を有する溶融層C
Z法で育成された単結晶の抵抗率分布を示す図である。
【0037】通常のCZ法で育成した単結晶中のドーパ
ント濃度分布は、結晶成長の進行につれて溶融液中のド
ーパント濃度が高くなるので、図4において一点鎖線で
示すように終端部の抵抗率は低くなる。溶融層CZ法で
育成した単結晶のドーパント濃度分布は、引き上げの前
半では溶融液のドーパント濃度が低く、単結晶の頭部か
ら中央部までの抵抗率の低下の割合が小さいが、破線で
示すように中央部から終端部までの低下の割合が大き
い。これらに対し、本発明の振動磁場を印加しながら凝
固させた凝固層を有する溶融層CZ法で育成された単結
晶の抵抗率分布は、実線で示すように全長にわたり緩や
かに低下しており、たとえば抵抗率9〜11Ωcmの範囲と
する歩留りが高い。
【0038】
【実施例】
(実施例1)図1に示すシリコン単結晶の製造装置を用
い、横磁場、縦磁場およびカプス磁場を印加して、70 k
gの多結晶シリコンにドーパントとして0.6gのりん
(P)を溶解し、単結晶の引き上げ試験を行った。
【0039】試験条件をつぎに示す。
【0040】単結晶の目標抵抗率:10 Ω・cm、(±1
Ω・cm) 石英坩堝:内径16インチ(406 mm)、高さ350 mm、 坩堝の回転速度:凝固層生成中は1rpm、単結晶引き上
げ中は5rpm、 加熱のヒーター電力:シリコン原料の溶解中は90 kW、
凝固層生成中は58 kW、単結晶引き上げ中は約60 kW、 磁界印加の磁場強度:凝固層生成中は、図2(a)に示すよ
うに、0.1テスラから0.2テスラまでを3分間で増加さ
せ、その後3分間で0.1テスラまで減少させる振動磁場
を印加し、引き上げ時には磁場を印加しなかった、 単結晶の引き上げ直径:6インチ、 単結晶の引き上げ長さ:1300 mm、 単結晶の引き上げ速度:0.8 mm/min、 単結晶の回転速度:15 rpm、 単結晶の引き上げ本数:各6本。
【0041】比較例として磁場を印加せずに凝固させる
方法も同様の条件で行った。
【0042】評価として、得られた単結晶について抵抗
率歩留りを求めた。抵抗率歩留りは、単結晶の成長方向
に試料を採取し、四端針法を用いて抵抗率を測定した。
そして、抵抗率が9〜11Ωcmの範囲にある長さを元の長
さで除した値を抵抗率歩留りとした。それらの結果を表
1に示す。
【0043】
【表1】
【0044】得られた単結晶の抵抗率歩留りは、溶融液
の凝固中に横磁場を印加した場合96%、縦磁場を印加し
た場合95%、カプス磁場を印加した場合94%であった。
しかし、磁場を印加しないものは52%であった。
【0045】(実施例2)磁場印加方法を変えたほかは
実施例1と同様とする試験を行った。
【0046】磁界印加の磁場強度:凝固層生成中は、図
2(c)に示すように、−0.05テスラから0.05テスラまでを
10分間で増加させ、その後10分間で−0.05テスラまで減
少させる振動磁場を印加し、引き上げ時は0.1テスラの
静磁場を印加した。
【0047】得られた単結晶の抵抗率歩留りは、実施例
1の場合とほぼ同様であるが、酸素濃度分布は、横磁場
を印加した場合11×1017atoms/cc、縦磁場を印加した場
合14×1017atoms/cc、カプス磁場を印加した場合12×10
17atoms/ccであった。しかし、磁場を印加しないものは
13×1017atoms/ccであった。
【0048】
【発明の効果】本発明の磁場強度が変動する振動磁場を
印加して凝固層を生成する溶融層CZ法によって育成し
たシリコン単結晶は、長手方向のドーパント濃度偏析が
少なく、高い抵抗率歩留りが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で使用する磁場印加装置を設けた溶融層
CZ装置の一例を示す縦断面図である。
【図2】本発明の実施例に使用した磁場強度を変化させ
た磁場を示す図であり、(a)および(b)は直線的に、(c)
は曲線的に変動させる磁場を示す図である。
【図3】凝固層中のドーパント不純物濃度の分布を示す
図であり、(a)は凝固層の一部断面と寸法を示す図、(b)
はドーパント不純物の半径方向の分布を示す図、(c)は
ドーパントの高さ方向の分布を示す図である。
【図4】CZ法、溶融層CZ法および振動磁場を印可し
ながら凝固させた凝固層を有する溶融層CZ法で育成さ
れた単結晶の抵抗率分布を示す図である。
【図5】シリコン単結晶の長手方向のドーパント濃度分
布を模式的に示す図である。
【図6】溶融層CZ法において凝固層の生成から単結晶
の引き上げまでの過程を模式的に示す図であり、(a)は
原料を充填した状態を示す図、(b)は原料をすべて溶融
液とした状態を示す図、(c)は溶融液の下部に凝固層を
形成した状態を示す図、(d)は結晶を引き上げている状
態を示す図である。
【図7】溶融層CZ法で単結晶を引き上げる装置の一例
を示す縦断面図である。
【図8】溶融層CZ法で生成された凝固層のドーパント
濃度分布と引き上げ中の凝固層の再溶融の進行状況を示
す模式図である。
【符号の説明】
1.溶融坩堝 2.加熱用ヒーター 3.シリコン溶融液 4.凝固層 5.シリコン単結晶 6.減圧チャンバー 7.保温筒 8.引き上げワイヤ 9.種結晶 10.回転軸 11.ガス供給口 12.ガス排出口 13.電磁石コイル M.シリコン原料

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】坩堝でシリコン原料を完全に溶解した後、
    坩堝の下部から冷却して坩堝内の下部に凝固層を形成さ
    せ、その凝固層を再溶融しながら溶融液の表面に種結晶
    を接触させ、それを上方に引き上げながら凝固させるシ
    リコン単結晶の育成方法であって、前記凝固層を形成す
    るとき溶融液に磁場強度が時間とともに変化する磁場を
    印加しながら凝固させることを特徴とするシリコン単結
    晶の育成方法。
  2. 【請求項2】坩堝でシリコン原料を完全に溶解した後、
    坩堝の下部から冷却して坩堝内の下部に凝固層を形成さ
    せ、その凝固層を再溶融しながら溶融液の表面に種結晶
    を接触させ、それを上方に引き上げながら凝固させるシ
    リコン単結晶の育成方法であって、前記凝固層を形成す
    るとき溶融液に磁場強度が時間とともに変化する磁場を
    印加しながら凝固させ、その後静磁場を印加しながら結
    晶を引き上げることを特徴とするシリコン単結晶の育成
    方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2020033217A (ja) * 2018-08-29 2020-03-05 信越半導体株式会社 単結晶育成方法

Cited By (2)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020033217A (ja) * 2018-08-29 2020-03-05 信越半導体株式会社 単結晶育成方法
WO2020044716A1 (ja) * 2018-08-29 2020-03-05 信越半導体株式会社 単結晶育成方法

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