JPH10278336A - 静電像形成装置用電荷発生器及びその製造方法 - Google Patents

静電像形成装置用電荷発生器及びその製造方法

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JPH10278336A
JPH10278336A JP9962397A JP9962397A JPH10278336A JP H10278336 A JPH10278336 A JP H10278336A JP 9962397 A JP9962397 A JP 9962397A JP 9962397 A JP9962397 A JP 9962397A JP H10278336 A JPH10278336 A JP H10278336A
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Takeshi Ito
毅 伊藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 膜厚とフィンガー孔径の均一で安定したフィ
ンガー電極を備えた静電像形成装置用電荷発生器及びそ
の製造方法を提供する。 【解決手段】 絶縁基板1上に形成されたライン電極2
と、該ライン電極2の表面に形成された誘電膜3と、該
誘電膜3の表面に形成されたフィンガー孔5を有するフ
ィンガー電極4と、フィンガー電極4の表面に電荷通過
用のチャネル9を有する絶縁膜6を介して形成された、
中心部に電荷流出用のスクリーン孔8を有するスクリー
ン電極8とからなる電荷発生制御素子を複数個配列して
構成した静電像形成装置用電荷発生器において、前記フ
ィンガー電極4を、スパッタ部4−1と、該スパッタ部
4−1上に積層してなる電気メッキあるいは無電解メッ
キによるメッキ金属膜4−2とで構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、静電印刷に用い
られる静電像形成装置用電荷発生器及びその製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電荷を直接誘電性記録媒体上に移
送しデポジッションさせる原理により、誘電性記録媒体
上に静電荷による潜像を形成する方法として、コロナ放
電を利用した電荷発生器が特公平2−62862号公報
に開示されている。図5は、上記公報開示の静電像形成
装置用電荷発生器の一部分の断面を示す図である。図5
において、100 は電荷発生器を構成する1個の電荷発生
制御素子を示している。電荷発生器は多数個の電荷発生
制御素子100 を1次元、あるいは2次元的に配列して構
成されている。電荷発生制御素子100 は、金属よりなる
ライン電極101 と、誘電膜103 と、該誘電膜103 を介し
て前記ライン電極101 と一部対向して配設された金属よ
りなるフィンガー電極105 と、絶縁膜107 と、該絶縁膜
107 及びチャネル106 を介して前記フィンガー電極105
と対向して配設された金属よりなるスクリーン電極109
とで構成されている。そして、フィンガー電極105 には
フィンガー孔が形成されており、スクリーン電極109 に
はスクリーン孔108 が形成されている。
【0003】次に、このように構成されている電荷発生
制御素子100 の動作について説明する。図5において、
誘電膜103 を挟んで配置されたライン電極101 とフィン
ガー電極105 間に、電源102 より交流電圧を印加するこ
とにより、フィンガー孔における誘電膜103 の表面領域
104 において、コロナ放電現象により電荷群が発生す
る。この電荷群のうち、移動度の大きい負電荷が潜像形
成に利用される。フィンガー電極105 に対向して、絶縁
膜107 を介在させて形成したスクリーン電極109に、フ
ィンガー電極105 に印加する電位よりも正の電位を印加
すると、コロナ放電により発生した負電荷は、チャネル
106 を経てスクリーン電極109 に形成されているスクリ
ーン孔108 より抽出される。スクリーン孔108 より抽出
された負電荷は、誘電性記録媒体であるドラム110 に向
けて放出され、ドラム110 にデポジッションし、潜像が
形成される。逆にスクリーン電極109 に、フィンガー電
極105 に対して負の電位を印加した場合は、スクリーン
孔108 からの負電荷の抽出は阻止され、ドラム110 への
潜像は形成されなくなる。
【0004】なお、、上記のように電子等の負電荷を潜
像形成に利用する場合は、ドラム110 の電位は、スクリ
ーン電極109 に対して正電位となっている。正電荷を潜
像形成に利用する場合は、スクリーン電極109 に対して
フィンガー電極105 を正電位とし、ドラム110 の電位は
スクリーン電極109 に対して負電位とする。また、この
ような構成の電荷発生制御素子においては、一般にフィ
ンガー電極105 の厚さが厚いほど、素子の耐久性が向上
することが知られている。
【0005】また、このような静電像形成装置用電荷発
生器の製造方法において、半導体製造技術である薄膜製
造技術、あるいは膜厚製造技術を応用して電荷発生器の
性能向上の試みが、例えば特開昭61−185879号
公報及び特願平8−91798号において提案されてい
る。前者では、絶縁性基板上に蒸着法等により、薄膜の
誘導電極パターンを形成し、その上に蒸着法により誘電
膜層や、放電電極パターンを順次形成する方法や、誘電
膜層の両側に蒸着法等により、誘導電極及び放電電極を
それぞれ形成する方法が開示されている。また、後者に
おいては、フィンガー電極を半導体製造技術を用いて厚
膜化するために、誘電膜表面及び側面に導電性薄膜を形
成して厚膜のフィンガー電極を構成する方法が提案され
ている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の静電
像形成装置用電荷発生器には、次のような問題点が存在
する。すなわち、耐久性を向上させる目的でフィンガー
電極の厚膜化を行う場合に、従来の半導体製造技術であ
るスパッタ法、真空蒸着法、抵抗加熱法等を用いて厚膜
化を行うと、成膜装置への負担が大きくなるばかりでな
く、時間的にも製造コスト的にも、あるいはフィンガー
電極の品質的にも望ましくない。更に、フィンガー電極
に用いられる金属は、一般に下地の誘電膜や石英基板に
比べ、その熱膨脹率が格段に大きいために、フィンガー
電極にクラックを生じたり、また基板の反り等の問題も
有する。また、前記特願平8−91798号において提
案されている方法によると、導電性薄膜の内部は誘電膜
で構成されているため、放電による導電性薄膜の減少
や、また製造時の誘電膜と導電性薄膜とのアライメント
のズレにより、内部の誘電膜が露出し、その結果、その
電荷発生制御素子から放出される電荷量は大きく変化し
てしまうという問題点を有する。
【0007】一方、厚膜技術を用いた製法では、次のよ
うな問題点が存在する。すなわち、従来の電荷発生器で
は、フィンガー電極の平面形状は円形であり、その直径
Rは300dpi(dot per inch)の解像度を有する静電像形
成装置用電荷発生器では約 150μm,600dpiでは約75μ
mとなっている。厚膜製造法で形成したフィンガー電極
にフィンガー孔を形成する場合、一般にウエットエッチ
ング法が用いられるが、この方法ではサイドエッチ等に
よりフィンガー孔径にばらつきが生じ、結果として画質
の低下を招くこととなる。すなわち、厚膜製造法で形成
されたフィンガー電極が必然的に内包する膜厚や膜質の
ばらつきが、ウエットエッチングに悪影響を及ぼし、均
一な孔径のフィンガー孔を開口することが困難となって
いる。この結果、制御電圧を一定としても、電荷発生制
御素子から放出される電荷量はフィンガー孔径に従うば
らつきを有することとなり、誘電性記録媒体であるドラ
ムにデポジッションされる静電像は安定に描かれない。
したがって、このような方式で製造された電荷発生器を
用いて作成された画像には、高画質化に限界がある。
【0008】本発明は、従来の静電像形成装置用電荷発
生器における上記問題点を解消するためになされたもの
で、請求項1〜6記載の各発明は、誘電性記録媒体上へ
の静電荷による潜像を、電荷を直接記録媒体上に移送
し、デポジッションさせる原理により形成する静電像形
成装置用電荷発生器において、従来のものよりも高画質
で耐久性の高い静電像形成装置用電荷発生器及びその製
造方法を提供することを目的とする。請求項毎の目的を
述べると、請求項1記載の発明は、膜厚とフィンガー孔
径の均一なフィンガー電極を短時間で安価に形成できる
ようにした静電像形成装置用電荷発生器を提供すること
を目的とする。請求項2及び3記載の発明は、請求項1
記載の静電像形成装置用電荷発生器において、フィンガ
ー電極の表面状態を改質すること、並びに改質するため
の材料を提供することを目的とする。請求項4及び5記
載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の静電
像形成装置用電荷発生器において、フィンガー電極をき
わめて長期にわたって保護すること、並びに保護するた
め材料を提供することを目的とする。請求項6記載の発
明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の静電像形成
装置用電荷発生器におけるフィンガー電極の製造方法を
提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
め、請求項1記載の発明は、絶縁基板上に形成されたラ
イン電極と、該ライン電極の表面に形成された誘電膜
と、該誘電膜の表面に形成され、中心部に電荷生成用の
フィンガー孔を有するフィンガー電極と、該フィンガー
電極表面に、中心部に電荷を通過せしめる孔部を有する
絶縁膜を介して形成された、中心部に電荷流出用のスク
リーン孔を有するスクリーン電極とからなる電荷発生制
御素子を複数個配列して構成した静電像形成装置用電荷
発生器において、前記フィンガー電極の少なくとも一部
分を、メッキ金属膜で構成するものである。
【0010】これにより、膜厚やフィンガー孔の径の安
定したフィンガー電極を得ることができる。更に、メッ
キ金属膜の形成は、スパッタ膜の形成に比べて、特殊な
装置を必要とすることなく短時間で質の良い均一な厚膜
を得ることができ、また単位時間の処理数が多く、また
処理する基板の大きさを選ばない等の特徴を有する。更
に、スパッタ膜の形成の場合、ターゲットの殆どは、チ
ャンバー等、基板以外の部分にデポジッションされるた
め、所要部分に厚膜を得ようとすると、ターゲットの消
耗は著しい。一般にスパッタのターゲットの消耗は、基
板上にデポジッションされる膜厚の 100倍とも言われて
いる。一方、メッキ液はスパッタのターゲットに比べて
安価で、また、メッキ液中の金属元素の殆どを利用する
ことができ、また、フィンガー電極部分にのみ選択的に
厚膜を形成できるため効率的である。したがって、メッ
キ法によると、質の良い厚膜を効率的に得ることができ
る。
【0011】請求項2記載の発明は、請求項1記載の静
電像形成装置用電荷発生器において、前記フィンガー電
極を構成するメッキ金属膜の表面を、他の金属薄膜で覆
ったことを特徴とする。メッキ金属薄膜は、その製造
上、使用できる金属に限りがある。しかし、メッキ金属
膜の表面を別の金属薄膜で覆うことにより、導電性を向
上させたり、電極表面の酸化を抑えたり、放電による熱
等で変質、変形しないようにフィンガー電極の表面を改
質することができる。したがって、更なる耐久性や画質
の向上が可能となる。
【0012】請求項3記載の発明は、請求項2記載の静
電像形成装置用電荷発生器において、前記金属薄膜を、
Mo ,Ti ,Wのいずれか、あるいはそれらを含む合金
で形成するものであり、このように構成することによ
り、長期間の放電によっても劣化や、変質、変形のない
高耐久性のフィンガー電極が得られ、耐久性の高い静電
像形成装置用電荷発生器を実現することができる。ま
た、フィンガー電極表面が導電性を有するため、放電開
始電圧を低く抑えることができ、したがって、低電圧駆
動をも実現できる。
【0013】請求項4記載の発明は、請求項1記載の静
電像形成装置用電荷発生器において、前記フィンガー電
極の表面、あるいは前記フィンガー電極の表面及び前記
フィンガー孔内の前記誘電膜の表面を誘電保護膜で覆っ
たことを特徴としている。これにより、フィンガー電極
の、放電による劣化や変質、変形等を抑えることがで
き、その結果、耐久性が極めて高く、長期間にわたって
安定したイオン電流を放出する静電像形成装置用電荷発
生器を実現することができる。
【0014】請求項5記載の発明は、請求項4記載の静
電像形成装置用電荷発生器において、前記誘電保護膜
を、Al2 3 ,SiO2 ,Si3 4 ,ZrO2 のいずれかか
らなる薄膜、あるいはそれらの積層薄膜で構成するもの
である。これにより、特に、放電によるフィンガー電極
の劣化を抑えることができ、極めて耐久性の高い静電像
形成装置用電荷発生器を実現することができる。
【0015】請求項6記載の発明は、前記請求項1〜5
のいずれか1項に記載の静電像形成装置用電荷発生器を
製造するための製造方法において、前記誘電膜の表面に
メッキ用の電極膜、もしくは触媒となる金属膜を形成す
る工程と、前記電極膜もしくは金属膜をフィンガー電極
の形状にパターニングする工程と、前記パターニングさ
れた電極膜もしくは金属膜に選択的にメッキ法によりフ
ィンガー電極となるメッキ金属膜を形成する工程とを含
むことを特徴とするものである。この製造方法によれ
ば、少なくとも一部分をメッキ金属膜で構成したフィン
ガー電極を容易に製造することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】次に実施の形態について説明す
る。図1の(A),(B)は、本発明に係る静電像形成
装置用電荷発生器の第1の発明の実施の形態における電
荷発生制御素子の上面図と断面構造図である。図1の
(A),(B)において、1は石英ガラス等よりなる絶
縁基板で、2は絶縁基板1上に形成された金属よりなる
ライン電極である。3は誘電膜で、本実施の形態では四
層構造となっており、SiO2 膜等の第1及び第2誘電膜
3−1,3−3と、該第1及び第2誘電膜3−1,3−
3の間に挟んであるSOG(Spin On Glass )膜3−2
と、第2誘電膜3−3の上部を覆っている、該第2誘電
膜とは異なる、例えばAl2 3 膜等よりなる第3誘電膜
3−4とで構成されている。4はスパッタ法等とメッキ
法の併用により形成されたフィンガー電極であり、4−
1はスパッタ部、4−2はメッキ金属膜である。5はフ
ィンガー孔、6はポリイミド等の有機絶縁膜、7は金属
又は導電性酸化物よりなるスクリーン電極、8はスクリ
ーン孔、9はスクリーン孔下の空間、すなわちチャネル
である。
【0017】次に、図1に示した電荷発生制御素子の製
造工程を、図2の(A)〜(C)に示す製造工程図に基
づいて説明する。まず、図2の(A)に示すように石英
ガラスよりなる絶縁基板1上にライン電極2を形成す
る。ライン電極2の材料としては、Al ,Cu ,Ti ,
Mo ,Wなど、一般に電極材料として知られる金属が用
いられ、単層あるいは積層した複合膜や、合金膜で形成
してもよい。電極の成膜はスパッタリング、真空蒸着あ
るいは抵抗加熱法等により行われる。ライン電極2のパ
ターニングは、半導体製造工程において周知の技術であ
るフォトリソグラフィー法で行い、レジストで覆われて
いない電極材料をウエットエッチングあるいはRIE
(Reactive Ion Etching)等のドライエッチング法で選
択的に除去する。
【0018】ライン電極2を形成した後、図2の(B)
に示すように、第1誘電膜3−1をプラズマCVD(Pl
asma Chemical Vapor Deposition)法、又は常圧CVD
(Atmospheric-Chemical Vapor Deposition )法等の半
導体製造プロセスにより成膜する。この第1誘電膜3−
1は、SiO2 膜、あるいはSi3 4 膜等の無機材料によ
る薄膜で形成するのが望ましい。この第1誘電膜3−1
の膜厚は、 0.2〜2.0μm程度が望ましい。続いて第1
誘電膜3−1上に、塗布ガラスとしてSOG膜(東京応
化社製のOCD膜)3−2をスピンコート法により形成
する。SOG膜3−2を形成した後、第1誘電膜3−1
と同じ材料の第2誘電膜3−3を、第1誘電膜3−1と
同じ方法で成膜する。この第2誘電膜3−3の膜厚は、
2.0〜5.0 μm程度が望ましい。第2誘電膜3−3を形
成した後、第2誘電膜3−3の上部に第3誘電膜3−4
をプラズマCVD又は常圧CVD、あるいはスパッタ法
等で成膜する。第3誘電膜3−4の膜厚は、 0.1〜1.0
μm程度で十分である。第3誘電膜3−4としては、Si
3 4 ,Al2 3 膜などがよい。
【0019】第1〜第3誘電膜3−1,3−3,3−4
及びSOG膜3−2からなる誘電膜3を形成した後、ラ
イン電極パッド部を覆っている誘電膜をエッチングする
(図示せず)。このライン電極パッド部の誘電膜3を開
口して、コンタクトホールを形成する製造プロセスとし
ては、フォトリソグラフィー法で開口パターンを形成
し、レジストで覆われていない誘電膜をウエットエッチ
ングとドライエッチングを併用して除去することによ
り、コンタクトホールを形成する。
【0020】ライン電極パッド部へのコンタクトホール
形成後、誘電膜3の上部にフィンガー電極4を構成する
スパッタ部4−1を形成する。このフィンガー電極4の
スパッタ部4−1の材料としては、Cu ,Al ,W等の
金属、あるいはそれらの合金を用いてもよい。フィンガ
ー電極4のスパッタ部4−1の成膜方法は、スパッタ法
以外の、真空蒸着等や抵抗加熱法を用いてもかまわな
い。ここでフィンガー電極4のスパッタ部4−1は、次
のメッキ金属膜を形成する際に電気メッキを用いる場合
にはメッキ電極に、また、無電解メッキを用いる場合に
は、触媒となるパラジウムなどを吸着するための部材と
なる。また、フィンガー電極4のスパッタ部4−1の膜
厚は、 0.1〜1.0 μm程度であれば十分である。このフ
ィンガー電極4のスパッタ部4−1の成膜後は、フォト
リソグラフィー法によりパターン形成を行い、フィンガ
ー電極形状のスパッタ部4−1を形成する。
【0021】次に、スパッタ部4−1上へのメッキ金属
膜4−2の形成方法について説明する。無電解メッキの
場合には、フィンガー電極4のスパッタ部4−1のパタ
ーニング後、前処理液に浸漬し、スパッタ部の表面を活
性化させる。次に、水洗後、無電解メッキ液に浸漬し、
Ni ,Cu ,Co や、Ni とPの合金、Ni とBの合金
などの無電解メッキを行って、メッキ金属膜4−2を形
成する。メッキ時間は、必要とするメッキ膜厚に応じて
調整される。また、電気メッキを行う場合は、スパッタ
部4−1が形成されている部材を電気メッキ液に浸漬
し、パターニングされたスパッタ部4−1をカソード
(負極)電極として通電することで、スパッタ部4−1
上に選択的にNi ,Cu ,Cr ,Sn 等のメッキ金属膜
4−2を形成する。通電時間は必要とするメッキ膜厚に
応じて調整される。無電解メッキ、電気メッキのいずれ
のメッキ法を用いても、薄膜のスパッタ部4−1の加工
精度で厚膜のメッキ金属膜4−2をパターニングするこ
とができる。
【0022】スパッタ部4−1とメッキ金属膜4−2か
らなるフィンガー電極4の形成後、図2の(C)に示す
ように、ポリイミド等の有機絶縁膜、もしくはSOG
(SpinOn Glass )等の無機絶縁膜からなる絶縁膜6
を、スピンコート法もしくはスクリーン印刷法によって
形成する。電荷発生制御素子の制御電圧を低くするため
に、絶縁膜6の膜厚は50〜70μm程度が望ましい。絶縁
膜6の形成後、その上部にスクリーン電極用金属膜をラ
イン電極2と同じ方法で成膜する。スクリーン電極用金
属膜は、Ti ,Mo ,W等の高融点金属膜、あるいはそ
れらの上部をAl で覆う複合金属膜で形成してもよい。
膜厚は電極の剛性及び耐久性を考慮して、 1.0〜2.0 μ
m程度が望ましい。スクリーン電極用金属膜の成膜後、
フィンガー電極のパターン形成と同じ方法のフォトリソ
グラフィー、ドライエッチングを行いスクリーン孔8を
有するスクリーン電極7を形成するが、レジスト10は剥
離しなくてもよい。
【0023】なお、フィンガー孔5,スクリーン孔8の
形状としては、本実施の形態では円形としたものを示し
ているが、それらの形状は方形や多角形でもよく、ま
た、星型や凹凸を有する形状でもよい。更に、数μm程
度の距離を置いて、複数のスクリーン孔で一つの電荷流
出孔を構成するマルチスクリーン孔構造としてもよい。
【0024】ここまでのプロセスで、図2の(C)に示
す構造のものが形成される。スクリーン電極7の形成
後、該スクリーン電極7をマスクとして、プラズマを用
いたドライエッチング法、あるいは薬液中のウエットエ
ッチング法により、スクリーン電極7で覆われていない
部分の絶縁膜6を選択的に除去し、図1に示したような
スクリーン電極下の空間、すなわちチャネル9を形成す
る。また、このとき同時に図2の(C)に示す、スクリ
ーン電極上部のレジスト10も除去される。以上に説明し
た工程により、図1に示した本実施の形態の電荷発生制
御素子が完成する。
【0025】上記実施の形態の製造方法によれば、半導
体製造手法により、高解像度で且つ高耐久性の静電像形
成装置用電荷発生器を安価で容易に形成することができ
る。
【0026】次に、第2の実施の形態について説明す
る。図3は第2の実施の形態における電荷発生制御素子
の構造を示す図で、図1に示した第1の実施の形態と同
一又は対応する構成要素には同一の符号を付し、その説
明を省略する。第2の実施の形態の特徴は、フィンガー
電極4を構成するメッキ金属膜4−2を、Ti ,Mo ,
W又はそれらを含む合金の金属薄膜4−3で覆った点で
ある。すなわち、メッキ金属膜4−2は、そのメッキと
いう成膜方法から用いることができる金属に制限があ
り、Ti ,Mo ,W等の堅い金属を用いることができな
い。一方、電荷発生制御素子はフィンガー孔5で放電さ
せることにより、電荷を発生させているため、フィンガ
ー電極4はこの放電によりわずかずつ退行する。これに
より、フィンガー孔5は直径が大きくなり、電荷発生制
御素子に対し同じドライブ条件であっても放出される電
荷量が変化してゆく。そこで、フィンガー電極4のメッ
キ金属膜4−2を、Ti ,Mo ,W又はそれらを含む合
金の金属薄膜4−3で覆うことにより、フィンガー電極
4を保護し、これによりフィンガー孔径の変化を防ぎ、
長期にわたり安定した静電像を形成することができる。
【0027】この第2の実施の形態の電荷発生制御素子
の製造方法は、第1の実施の形態と、フィンガー電極4
を構成するメッキ金属膜4−2の形成までは同じであ
る。メッキ金属膜4−2の形成後、メッキ金属膜4−2
の形成されている基板全面に、メッキ金属膜4−2の保
護用の金属薄膜4−3を成膜する。保護用金属薄膜4−
3の材料としては、Ti ,Mo ,Wのいずれか、あるい
はそれらを含む合金を用いる。成膜方法としては、スパ
ッタ法や、真空蒸着法、又は抵抗加熱法等が用いられ
る。成膜後、フォトリソグラフィー法とエッチングを用
いてパターニングし、フィンガー電極4のメッキ金属膜
4−2部分のみを覆うようにする。また、このときフィ
ンガー孔5の側面にメッキ金属膜4−2が露出しないよ
うに注意する。保護用金属薄膜4−3の形成後は、第1
の実施の形態における絶縁膜6の形成以降の製造工程と
同じ工程により、図3に示した電荷発生制御素子を完成
する。
【0028】この第2の実施の形態によれば、繰り返し
の放電によるフィンガー孔壁の後退のない、長期にわた
り安定性の高い電荷発生制御素子が得られる。また、フ
ィンガー電極表面が導電性を有するため、放電開始電圧
を低く抑えることができ、これにより低電圧駆動をも実
現できる。
【0029】次に、第3の実施の形態について説明す
る。図4は第3の実施の形態における電荷発生制御素子
の断面構造を示す図で、図1に示した第1の実施の形態
と同一又は対応する構成要素には同一の符号を付し、そ
の説明を省略する。第3の実施の形態の特徴は、フィン
ガー電極4の形成後、フィンガー電極4を備えた基板全
面をアルミナなど誘電保護膜10により覆った点である。
【0030】この第3の実施の形態の電荷発生制御素子
の製造方法は、図2において、第2の誘電膜3−3を成
膜するまでは第1の実施の形態と同じである。第2の誘
電膜3−3を形成した後、フィンガー電極4をスパッタ
部4−1とメッキ金属膜4−2とで形成する。次に、フ
ィンガー電極4のメッキ金属膜4−2を、第3の誘電膜
に対応する誘電保護膜10で覆う。この時、誘電保護膜10
はメッキ金属膜4−2の表面だけカバーすればよく、フ
ィンガー孔5の底面は誘電保護膜10でカバーしてもしな
くてもよい。ここで、誘電保護膜10としては、Al
2 3 ,SiO2 ,Si34 ,ZrO2 のいずれかを用いた
単層膜、あるいはそれらの積層薄膜を用いる。これ以降
の製造工程は、第1の実施の形態の絶縁膜6の形成以降
の工程と同じである。また、この誘電保護膜10は、図3
に示した第2の実施の形態に付加することもできる。す
なわち、第2の実施の形態における保護用金属薄膜4−
3の形成後、これを誘電保護膜10で覆う。そして、これ
以降の製造工程は、第1の実施の形態の絶縁膜6の形成
以降の工程と同じである。
【0031】この第3の実施の形態によれば、フィンガ
ー電極を誘電保護膜10で覆うことで、フィンガー電極4
を構成するメッキ金属膜4−2の変形、変質を防ぎ、放
電によるフィンガー孔5の側壁の後退を防ぐ。これによ
り、極めて耐久性の高い、高画質の電荷発生器を形成す
ることができる。
【0032】
【発明の効果】以上、実施の形態に基づいて説明したよ
うに、請求項1〜5記載の発明によれば、簡便且つ低コ
ストで、更に初期並びに長期にわたって安定した、厚膜
のフィンガー電極を有する電荷発生制御素子を備えた静
電像形成装置用電荷発生器を提供することができる。ま
た請求項6記載の発明によれば、厚膜のフィンガー電極
を有する電荷発生制御素子を備えた静電像形成装置用電
荷発生器を容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る静電像形成装置用電荷発生器の第
1の実施の形態における電荷発生制御素子の表面と断面
構造を示す図である。
【図2】図1に示した第1の実施の形態に係る電荷発生
制御素子の製造方法を説明するための製造工程図であ
る。
【図3】本発明の第2の実施の形態における電荷発生制
御素子の断面構造を示す図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態における電荷発生制
御素子の断面構造を示す図である。
【図5】従来の静電像形成装置用電荷発生器における電
荷発生制御素子の構成例を示す断面構造図である。
【符号の説明】
1 絶縁基板 2 ライン電極 3 誘電膜 3−1 第1誘電膜 3−2 SOG膜 3−3 第2誘電膜 3−4 第3誘電膜 4 フィンガー電極 4−1 スパッタ部 4−2 メッキ金属膜 4−3 保護用金属薄膜 5 フィンガー孔 6 絶縁膜 7 スクリーン電極 8 スクリーン孔 9 チャネル 10 誘電保護膜

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁基板上に形成されたライン電極と、
    該ライン電極の表面に形成された誘電膜と、該誘電膜の
    表面に形成され、中心部に電荷生成用のフィンガー孔を
    有するフィンガー電極と、該フィンガー電極表面に、中
    心部に電荷を通過せしめる孔部を有する絶縁膜を介して
    形成された、中心部に電荷流出用のスクリーン孔を有す
    るスクリーン電極とからなる電荷発生制御素子を複数個
    配列して構成した静電像形成装置用電荷発生器におい
    て、前記フィンガー電極の少なくとも一部分を、メッキ
    金属膜で構成していることを特徴とする静電像形成装置
    用電荷発生器。
  2. 【請求項2】 前記フィンガー電極は表面にメッキ金属
    膜を備え、該メッキ金属膜の表面を金属薄膜で覆ってい
    ることを特徴とする請求項1記載の静電像形成装置用電
    荷発生器。
  3. 【請求項3】 前記金属薄膜は、Mo ,Ti ,Wのいず
    れか、あるいはそれらを含む合金で形成されていること
    を特徴とする請求項2記載の静電像形成装置用電荷発生
    器。
  4. 【請求項4】 前記フィンガー電極の表面、あるいは前
    記フィンガー電極の表面及び前記フィンガー孔内の前記
    誘電膜の表面を、誘電保護膜で覆っていることを特徴と
    する請求項1〜3のいずれか1項に記載の静電像形成装
    置用電荷発生器。
  5. 【請求項5】 前記誘電保護膜は、Al2 3 ,SiO2
    Si3 4 ,ZrO2 のいずれかからなる薄膜、あるいはそ
    れらの積層薄膜で構成されていることを特徴とする請求
    項4記載の静電像形成装置用電荷発生器。
  6. 【請求項6】 前記請求項1〜5のいずれか1項に記載
    の静電像形成装置用電荷発生器を製造するための製造方
    法において、前記誘電膜の表面にメッキ用の電極膜、も
    しくは触媒となる金属膜を形成する工程と、前記電極膜
    もしくは金属膜をフィンガー電極の形状にパターニング
    する工程と、前記パターニングされた電極膜もしくは金
    属膜に選択的にメッキ法によりフィンガー電極となるメ
    ッキ金属膜を形成する工程とを含むことを特徴とする静
    電像形成装置用電荷発生器の製造方法。
JP9962397A 1997-04-03 1997-04-03 静電像形成装置用電荷発生器及びその製造方法 Withdrawn JPH10278336A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7573178B2 (en) * 2006-09-13 2009-08-11 Fujitsu Media Devices Limited Acoustic wave device, resonator and filter

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