JPH10277713A - 連続鋳造用ノズル - Google Patents

連続鋳造用ノズル

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Publication number
JPH10277713A
JPH10277713A JP8311397A JP8311397A JPH10277713A JP H10277713 A JPH10277713 A JP H10277713A JP 8311397 A JP8311397 A JP 8311397A JP 8311397 A JP8311397 A JP 8311397A JP H10277713 A JPH10277713 A JP H10277713A
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JP
Japan
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nozzle
graphite
oxidation
inner hole
boron compound
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Application number
JP8311397A
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English (en)
Inventor
Yasushi Rikimaru
靖 力丸
Yoshiharu Iizuka
祥治 飯塚
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Kurosaki Refractories Co Ltd
Original Assignee
Kurosaki Refractories Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 連続鋳造ノズルの内孔面や接続部の耐酸化性
を向上させ、しかも耐熱衝撃性や強度の低下が問題にな
らないよう、ノズルの構造及び材質の配置を適正化する
ことにより耐用性に優れた連続鋳造用ノズルの提供。 【解決手段】 硼素化合物を0.2〜20重量%と残部
がカーボン含有耐火物とからなる耐酸化性材質を内孔面
3から厚み3〜15mmで配置した連続鋳造用ノズル
で、また、硼素化合物を0.2〜20重量%と残部がカ
ーボン含有耐火物とからなる耐酸化性材質を内孔面3か
ら厚み3〜15mmで配置しかつ接合部に上端から厚み
3〜150mmで配置した連続鋳造用ノズル。硼素化合
物はZrB2、T1B2、CaB6、およびB4Cから選ば
れる1種または2種以上である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は鋼などの金属の連続
鋳造において、取鍋からタンディッシュへの溶融金属の
注入に使用するロングノズル及びタンディッシュからモ
ールドへの溶融金属の注入に使用する浸漬ノズル等の連
続鋳造用耐火物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、鋼の連続鋳造において使用され
る耐火物としてロングノズルや浸漬ノズルが挙げられる
が、これらの耐火物は、取鍋からタンディッシュ、およ
びタンディッシュからモールドヘ溶鋼を注入するために
使用される。使用する目的は溶鋼が大気と接触する事を
防ぐことにより溶鋼の酸化を抑制し、また、注入される
溶鋼の飛散を防ぎ、整流化した状態で注入することによ
り、溶鋼上に浮遊するスラグや非金属介在物などの不純
物が溶鋼中へ巻き込まれることを抑制し鋼品質を改善す
ると同時に操業の安全性を確保することにある。
【0003】従来の技術による連続鋳造用ノズルは、黒
鉛等や有機樹脂等の炭素含有原料と様々な酸化物を組み
合わせることにより、長時間使用に適するように設計さ
れているが、近年の耐用性向上の要請に対し、特に、ノ
ズル内孔面や接合面の耐用において不十分である。ノズ
ル内孔面は注入された溶鋼による磨耗と浸食、上部嵌合
部から進入する空気による酸化のために著しく損耗し長
時間使用の障害となっている。また、上部の接合面にお
いては前述の空気の浸入による酸化と交換作業時の酸素
の吹き付けにより酸化が生じる。
【0004】上部接合部から侵入する空気は、黒鉛等の
炭素含有原料を酸化し浸食を加速する。連続鋳造用ノズ
ルは、黒鉛等の酸化を防止するために酸化防止剤を塗布
して使用するが、塗布剤は一般的に低融点のガラス粉末
からなっており、ノズルの予熱時の酸化防止や、溶鋼に
接触しない外周部の酸化防止を目的としている。予熱時
のように溶鋼に接触しない状態であれば、低融点のガラ
ス粉末が溶融状態となり耐火物を被覆し、空気との接触
を遮断し酸化防止効果を発揮する。しかしながら、ノズ
ルの内孔部は溶鋼の注入初期に溶鋼に接触すると酸化防
止塗布剤が容易に流失してしまう。その後ノズル内孔面
は溶鋼と空気に曝される。従って、酸化防止剤の塗布で
はノズル内孔面における黒鉛等の酸化を防ぐことが困難
である。また、炭素含有耐火物の酸化防止としては特開
昭58−74579号公報に、黒鉛3〜30重量部、耐
火原料70〜97重量部にAl,Si、Fe、Niの1
種以上の金属粉末1〜7重量部および炭化硼素0.3〜
5重量部を含有することが記載され、金属類と炭化硼素
により耐酸化性を向上させている。
【0005】しかしながら、炭素含有耐火物に添加され
た金属は加熱により炭化物を生成し、耐火物の空隙を充
填するため、黒鉛などの柔らかい炭素原料の性質が発揮
されなくなり、弾性率を増加させ耐熱衝撃性の低下につ
ながる問題がある。一方、炭化硼素を使用した場合に
は、焼成中あるいは使用中に炭化硼素が酸化しB23
生成するため、このB23がその他の耐火性骨材と反応
してガラス結合を生成し、弾性率が高くなり耐熱衝撃性
が低下したり、熱間での強度が低下する問題がある。
【0006】さらに、特開平6−126397号公報に
は鋳造中に溶鋼と接触しない上部に位置する耐火性部材
との接合面にその上面より下方に5mmから120mm
の範囲に低融点ガラス成分を含むAl23−S102
SIC−Cからなる耐酸化性耐火材質層を配置して一体
となる連続鋳造用ノズルが開示されている。
【0007】この場合には、600〜800°C付近の
比較的低い温度での酸化防止効果が不十分である。つま
り、ガラスを添加した耐酸化性材質が600〜 800
°Cという比較的低温に長時間さらされると酸化する原
因は、この温度が黒鉛が酸化される温度であるにもかか
わらず、低融点ガラスを添加したAl23−SiO2
SiC−C系材質の酸化防止機能が十分ではないためで
ある。低融ガラスの軟化点が、例えば、600°C以下
のような低い温度であり、600〜800°Cにおいて
粘性がかなり低下していたとしても、ガラスはカーボン
に対して濡れ性が悪いため、低融ガラスはカーボンを被
覆したり気孔を埋めるような移動が困難である。このた
め、低融ガラスを添加したAl23−SiO2−SiC
−C系材質は低温でのカーボンの酸化を十分防止できな
いのである。
【0008】以上から、ノズル内孔面や接合部の耐用性
を向上するためには耐熱衝撃性や強度を低下させずに耐
酸化性や耐食性を向上することが必要となる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、上記
の問題点に鑑み、連続鋳造ノズルの内孔面や接続部の耐
酸化性を向上させ、しかも耐熱衝撃性や強度の低下が問
題にならないよう、ノズルの構造及び材質の配置を適正
化することにより耐用性に優れた連続鋳造用ノズルを提
供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、硼素化合物を
0.2〜20重量%と残部がカーボン含有耐火物とから
なる耐酸化性材質を内孔面から厚み3〜15mmで配置
した連続鋳造用ノズルである。
【0011】また、硼素化合物を0.2〜20重量%と
残部がカーボン含有耐火物とからなる耐酸化性材質を内
孔面から厚み3〜15mmで配置しかつ接合部に上端か
ら厚み3〜150mmで配置した連続鋳造用ノズルであ
る。
【0012】硼素化合物はZrB2、T1B2、Ca
6、およびB4Cから選ばれる1種または2種以上であ
る。
【0013】カーボン含有耐火物がアルミナ−黒鉛質、
アルミナ−シリカ−黒鉛質、マグネシア−黒鉛質、ジル
コニア−黒鉛質またはアルミナ−シリカ−炭化珪素−黒
鉛質である。
【0014】
【発明の実施の形態】黒鉛または炭素含有耐火物の耐酸
化性を向上する手法としては金属類の添加や低融点ガラ
スの添加などが挙げられるが、本発明者は硼素化合物の
特性に注目し、ノズル内孔面の酸化を防止するために、
各種炭素含有耐火物への添加を試みた。その結果、硼素
化合物を0.2〜20重量と残部がカーボン含有耐火物
からなる耐酸化性材質を内孔面から3〜15mmに配置
することにより内孔面の耐用性に優れた連続鋳造用ノズ
ルを考案した。ここでノズルの内孔面とは、ノズルの上
端面および下端面と外表面を除いた内面を指す。
【0015】本発明による耐酸化性材質は連続鋳造用ノ
ズルの内孔面から厚み3〜 15mmの範囲に配置する
ことが必要である。3mm未満では本材質を配置するこ
とがノズルの製造上困難であり、また、厚みの点で効果
が不十分である。15mm以上になると本体の厚みが減
少し、耐熱衝撃性や強度が不十分となる。つまり、硼素
化合物を含有した材質は焼成中あるいは使用中にB23
とその他の耐火性骨材が反応してガラス結合を生成し、
弾性率が高くなり耐熱衝撃性が低下する場合があり、ま
た、B23が過剰に生成すると熱間での強度が低下する
場合があるからである。
【0016】この耐酸化性材質を配置するには、例え
ば,成形する際にノズルの本体材質と同時に成形して配
置することができる。つまり、所定の原料割合で混練さ
れたそれぞれの混練物を、成形時に成形型等に区分して
配置した後、加圧することで、耐酸化性材質が本体材質
と一体化して配置することができる。
【0017】硼素化合物は硼砂、硼珪酸ガラスなど硼素
酸化物を含有するもの、ZrB2、TiB2、CaB6
どの硼化物、B4Cなどの炭化物に区分されるが、いず
れも黒鉛の酸化防止効果を有している。このうち酸化物
を含有するものはそれ自体の融点が比較的低く、また,
アルミナやシリカと低融ガラスを生成しやすいため、炭
素含有耐火物に添加すると低融ガラスが空隙を埋め、空
気の侵入を遮断することにより酸化防止効果を発揮す
る。しかしながら、黒鉛は約600°Cから酸化を受け
るが、硼砂、硼珪酸ガラスなどの融点は600〜900
°Cのものが多く、耐火物がこのような比較的低温に長
時間曝される場合はガラスが軟化し空隙を埋める効果を
得にくいため酸化防止効果が不足する場合もある。
【0018】この点、硼化物や炭化物は酸化開始温度が
黒鉛より低いことが特徴である。このため、侵入した空
気中の酸素は黒鉛より先に硼素化合物に捕捉されるた
め、黒鉛の酸化が抑制される。従って、硼素化合物とし
ては硼化物や炭化物が好ましく、入手しやすさの面を考
慮するとZrB2、TiB2、CaB6、B4Cから選ばれ
る1種または2種以上であることが好ましい。
【0019】硼素化合物の含有量としては0.2〜20
重量%であることが必要である。0.2重量%未満では
酸化防止効果が不十分であり、20重量%を越えると、
酸化防止効果は向上するが硼素化合物が酸化して生成す
るB23が過剰となり、耐熱性が低下する場合や耐熱衝
撃性が低下する場合あり、好ましくない。
【0020】本発明による耐酸化性材質において硼素化
合物を除く残部の炭素含有耐火物としては連続鋳造用ノ
ズルの材質として一般的に使用されているものが使用で
き、ノズル本体と同一材質あるいはノズル本体と異なる
材質でもよい。
【0021】例えば、残部の炭素含有耐火物として鋳造
用ノズルに一般的に使用されているアルミナ−シリカ−
黒鉛質を使用することができる。アルミナは化学的耐食
性や強度に優れ、シリカは熱膨張が低いため耐熱衝撃性
に優れている。黒鉛は熱伝導率が高いので耐熱衝撃性に
優れ、酸化物スラグに対する耐食性にも優れている。こ
のため、それぞれの特性がバランスした基本的な材質で
あり、黒鉛等の酸化を防止することで耐用性が向上しや
すい。また、本体の材質としてもアルミナ−シリカ−黒
鉛質が一般的に使用されており、この耐酸化性材質にお
いても、アルミナ−シリカ−黒鉛質を使用すると強度や
熱膨張が類似した材質となるため、一体として配置して
も使用中の亀裂や割れ等のトラブルになりにくい。ま
た、同材質系のため製造時における焼成中の亀裂の発生
等が少ないので、構造上の制約がなく、種々の構造が可
能となる。この点については、他にアルミナ−黒鉛質や
アルミナ−シリカ−炭化珪素−黒鉛質についても同じ理
由で使用できる。
【0022】しかしながら、耐酸化性材質は使用条件に
よって、ジルコニア−黒鉛質やマグネシア−黒鉛質に硼
素化合物を含有させることも可能である。酸素含有量の
多い鋼やMn含有量の多い鋼の場合はアルミナ−シリカ
−黒鉛質の溶損が大きく、耐食性に優れたジルコニア−
黒鉛質やマグネシア−黒鉛質が必要となる。マグネシア
−黒鉛質は、アルミナ−シリカ−黒鉛質に比較して耐食
性に優れるが内孔面の酸化が問題になる場合は耐用性が
向上しない。このため、硼素化合物を含有させることに
より耐酸化性の向上が可能となり、良好な耐用性が期待
できる。この場合には、本体と耐酸化性材質が異なって
も良い。つまり製造面で若干の制約があるが、耐食性向
上による効果が大きく、耐食性重視の場合にはこのよう
な材質が使用できる。
【0023】この他に耐酸化性材質として、耐食性があ
りしかも本体材質としても使用できるアルミナ−スピネ
ル−黒鉛質等に硼素化合物を含有させることも可能であ
る。連続鋳造用ノズルの上部には、上部の耐火物と接合
するための接合部を有し、前述のように耐酸化性が必要
である。従って、本発明による耐火物は図1−(b)、
図1−(c)のように接合部に適用しても問題はなく、
内孔面と組み合わせることによりさらに高い耐用が得ら
れるのである。
【0024】図1−(b)は接合部4を含む内孔面3に
適用した例であり、接合部4の耐酸化性と内孔面3の耐
酸化性が向上する。図1−(c)は接合部4と内孔面3
に適用した例である。
【0025】接合部4で酸化される部分は、外周面7以
外の面である上端面5や内孔面3であり、耐酸化性材質
はこの上端面5から3mm以上の厚みで配置すれば良い
が、接合部4はこれより下の部分より肉厚が厚く強度的
に有利な構造であるため、接合部4全体を耐酸化性材質
としてもかまわない。つまり、前述のように耐酸化性材
質は硼素化合物が酸化して生成するB23により耐熱衝
撃性が低下する問題があるが、接続部4は肉厚が厚いた
めに、B23による耐熱衝撃性低下の影響は少ないので
ある。従つて、接合部4においては上端面5から厚み3
〜150mmに耐酸化性材質を配置すればよい。ロング
ノズルや浸漬ノズルの接続部は通常、上端から150m
m以上であるため、耐酸化性材質を配置する上限は先端
面から150mmである。
【0026】図2は浸漬ノズル2の例であり、使用条件
にあわせて適用部分を選択することが可能である。これ
以外に浸漬ノズル2の内孔面3全体に適用することも可
能である。浸漬ノズル2については、内孔部に溶鋼中の
非金属介在物、特にアルミナが析出、堆積しノズル流路
を閉塞する現象があり、長時間の鋳造作業を阻害してい
る。なお、8は浸潰ノズルのスラグライン部である。本
発明による連続鋳造用ノズルは、硼素化合物を含有して
おり、浸漬ノズル内孔部では稼働表面で溶鋼から析出す
るアルミナと耐火物中の硼素化合物が反応し、付着物を
流失しやすくし、付着防止効果が期待される。従来の付
着防止材質の場合、使用条件により稼働表面が酸化され
る場合は、溶鋼による磨耗が問題となり、十分な耐用性
が得られない。酸化防止のために黒鉛の含有量を減らす
場合はノズルの耐熱衝撃性が問題となる。硼素含有材質
の場合は耐酸化性に優れしかも付着防止効果が期待さ
れ、内孔部から限定された範囲に適用することによりノ
ズル全体の耐熱衝撃性や強度が確保されるので耐用性の
向上が可能となる。
【0027】硼素化合物を含有する材質をノズルの内孔
面に適用する際の問題点として化学的浸食に対する耐食
性の低下が挙げられる。FeOやMnOなどの浸食性酸
化物に対してB23は耐食性が低く、化学的浸食の点で
耐用が低下することが考えられる。しかしながら、連続
鋳造用ノズルの内孔部は、溶鋼による磨耗浸食と黒鉛の
酸化が原因となる損耗が支配的であり、例えば、化学的
浸食に対して耐食性に優れるジルコニア−黒鉛質を内孔
部に適用した場合でも黒鉛の酸化や磨耗による浸食が支
配的な場合は十分な耐用性が得られていない。本発明に
よる連続鋳造用ノズルは上記のように黒鉛の酸化が原因
となり十分な耐用性が得られない場合は酸化防止効果に
よる耐用性向上効果の方が大きいことを示すものであ
る。
【0028】本発明による連続鋳造用ノズルの製造方法
の例としては、まず所定の硼素化合物と炭素原料および
その他の耐火性原料に、フェノール樹脂等の有機バイン
ダーを添加して混合して胚土が得られる。
【0029】この硼素化合物を含有した胚土をノズル成
型用型の所定の位置に充填し、ノズルの他の部分を形成
するアルミナ−シリカ−黒鉛質やジルコニア−黒鉛質等
からなる胚土を充填し、静水圧プレスで成形し成形体を
得る。
【0030】このように、耐酸化性材質をノズル内孔の
任意の場所やノズルの接合部に同時に成形することで容
易に配置することができる。
【0031】この成形体を、熱処理することでノズルが
得られる。
【0032】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに説明す
る。
【0033】表1は、図1−(a)の形状のロングノズ
ルにおいて、本体をアルミナ−シリカ−黒鉛質とし、マ
グネシア−黒鉛質にZrB2を含有させた耐酸化性材質
を内孔面から7mmの厚みで配置し、硼素化合物の添加
量を検討した実施例と比較例を示す。
【0034】
【表1】 耐酸化性材質の黒鉛としては粒径が500〜200μm
である天然の鱗状黒鉛を使用し、マグネシアはMgO含
有量が99.5%である電融マグネシアを使用した。マ
グネシアの粒径は粗粒として1000〜300μmの粒
径を、微粒として200〜50μmの粒径のものを使用
した。ZrB2はZrとHfの合量で78重量%、Bを
18重量%含有し鉱物組成がZrB2を主とするもので
粒径が50μm以下の微粉を使用した。
【0035】ノズル本体材質は、黒鉛が30重量%、ア
ルミナ微粉が45重量%、シリカ微粒が25重量%から
なるアルミナ−シリカ−黒鉛質を配置した。
【0036】これらの配合割合で混合した原料粉末にフ
ェノール樹脂を添加し、十分に混練し、胚土とした。成
形は、成形枠に耐酸化性材質の胚土とノズル本体材質の
胚土とを区分して充填し静水圧プレスにて成形し、ノズ
ル形状とした。この後、1200°Cで熱処理すること
でロングノズルを得た。
【0037】これらのノズルをガスバーナーにより10
00℃に予熱してから1600℃の溶鋼を250t通過
させるテストを行った。テスト後のノズルを縦に切断し
て酸化により黒鉛が消失した酸化層の厚みを測定し、酸
化層の厚みが1.5mmであった実施例1を100とし
て指数化して評価した。また同時に、熱衝撃による亀裂
の発生状況についても観察した。
【0038】実施例1〜4はいずれも本発明の範囲内の
ものであり、硼素化合物を含有しない比較例1に対して
酸化層厚みが薄く耐酸化性に優れ、しかも耐熱衝撃性に
問題がない事が明らかである。硼素化合物を過剰に含有
する比較例2は、熱衝撃による亀裂が観察され不良であ
った。硼素化合物を使用しない比較例1は、酸化が激し
く、損傷も大きい結果であった。
【0039】表2は、図2−(a)の形状の浸漬ノズル
において、本体をアルミナ−黒鉛質とし、内孔にはアル
ミナ−黒鉛質にTiB2、CaB6あるいはB4Cを含有
させた耐酸化性材質を内孔面から7mmの厚みで配置
し、硼素化合物の種類を検討した実施例と比較例を示
す。
【0040】
【表2】 表2において黒鉛としては粒径が500〜200μmで
ある天然の鱗状黒鉛を使用し、アルミナはAl23含有
量が99.5%である電融アルミナを使用した。粒径は
粗粒として500〜300μmの粒径を、微粒として2
00〜50μmの粒径のものを使用した。TiB2、C
aB6、およびB4C粒径が50μm以下の微粉を使用
した。表2の配合物は表1の実施例と同様の方法で浸漬
ノズルを製造し、耐酸化性、耐熱衝撃性及び内孔へのア
ルミナ付着性を評価した。
【0041】比較例3は予熱中に内孔部が摩耗により著
しく溶損した。特に、上部内孔は注入時に溶鋼が衝突し
溶損が大きかった。ノズル下部の内孔部には2〜7mm
の厚みでアルミナ付着が見られた。これに対して実施例
5〜9は内孔部の酸化が見られず、摩耗による溶損も軽
微であり良好な耐用を示した。また、内孔部のアルミナ
付着は見られなかった。
【0042】表3は、図1のロングノズルにおいて、本
体をアルミナ−シリカ−黒鉛質とし、内孔にアルミナ−
シリカ−黒鉛質にB4Cを含有させた耐酸化性材質を内
孔面から種々の厚みで配置した実施例と比較例を示す。
【0043】
【表3】 表3において黒鉛としては粒径が500〜200μmで
ある天然の鱗状黒鉛を使用し、アルミナはAl23含有
量が99.5%である電融アルミナを、シリカは溶融シ
リカを使用した。粒径は粗粒として500〜300μm
の粒径を、微粒として200〜50μmの粒径のものを
使用した。B4Cは粒径が50μm以下の微粉を使用し
た。表3の配合物は表1の実施例と同様の方法でノズル
耐火物とし、耐酸化性を評価した。実施例10〜13は
いずれも本発明の範囲内であり耐酸化性と耐熱衝撃性が
良好である。
【0044】これに対し、比較例4は、内孔部もノズル
本体と同材質同な硼素化合物を含有しない場合であり、
テスト後の酸化が激しい。また、比較例5はB4Cを含
有する耐酸化性材質を配置する層が厚いため使用中に熱
衝撃のため亀裂が発生した。
【0045】
【発明の効果】本発明による連続鋳造用ノズルは硼素化
合物を含有する耐酸化性材質をノズルの内孔面から3〜
15mmに配置し、内孔面の耐酸化性を向上することに
より、耐用性に優れる連続鋳造用耐火物を提供すること
を可能としている。
【0046】硼素化合物を含有する耐酸化性材質を内孔
面と上部接合部に適用することにより、内孔面と接合部
の耐酸化性を向上することが可能となり、連続鋳造用ノ
ズルの耐用性が向上した。
【0047】硼素化合物を含有する耐酸化性材質をノズ
ルの内孔面から3〜15mmに配置することで、内孔面
へのアルミナ付着防止に対しても効果が認められた。
【0048】硼素化合物として使用するZrB2、Ti
2、CaB6、およびB4Cは酸化開始温度が黒鉛より
低いことが特徴であり、ノズル内孔部に侵入した空気中
の酸素は黒鉛より先に硼素化合物に捕捉されるため、黒
鉛等の酸化が抑制されノズルの耐用性が向上する。
【0049】耐酸化性材質のカーボン含有耐火物として
アルミナ−シリカ−黒鉛質、アルミナ−黒鉛質あるいは
アルミナ−シリカ−炭化珪素−黒鉛質を使用すること
で、ロングノズルや浸漬ノズルの本体として汎用されて
いる材質と同ーとなり使用中のトラブルがない。
【0050】耐酸化性材質のカーボン含有耐火物として
マグネシア−黒鉛質あるいはジルコニア−黒鉛質を使用
することで、ノズル内孔の耐食性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるロングノズルの実施例を示す縦断
面図である。
【図2】本発明による浸漬ノズルの実施例を示す縦断面
図である。
【符号の説明】
1 ロングノズル 2 浸漬ノズル 3 内孔面 4 接合部 5 上端面 6 下端面 7 外表面 8 浸潰ノズルのスラグライン部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硼素化合物を0.2〜20重量%と残部
    がカーボン含有耐火物とからなる耐酸化性材質を内孔面
    から厚み3〜15mmで配置した連続鋳造用ノズル。
  2. 【請求項2】 硼素化合物を0.2〜20重量%と残部
    がカーボン含有耐火物とからなる耐酸化性材質を内孔面
    から厚み3〜15mmで配置しかつ接合部に上端から厚
    み3〜150mmで配置した連続鋳造用ノズル。
  3. 【請求項3】 硼素化合物がZrB2、TiB2、CaB
    6、およびB4Cから選ばれる1種または2種以上である
    ことを特徴とする請求項1または2記載の連続鋳造用ノ
    ズル。
  4. 【請求項4】 カーボン含有耐火物がアルミナ−黒鉛
    質、アルミナ−シリカ−黒鉛質、マグネシア−黒鉛質、
    アルミナ−スピネル−黒鉛質、ジルコニア−黒鉛質また
    はアルミナ−シリカ−炭化珪素ー黒鉛質であることを特
    徴とする請求項1、2または3記載の連続鋳造用ノズ
    ル。
JP8311397A 1997-04-01 1997-04-01 連続鋳造用ノズル Pending JPH10277713A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008194745A (ja) * 2007-02-15 2008-08-28 Nippon Steel Corp ロングノズル
KR101527858B1 (ko) * 2013-09-26 2015-06-10 주식회사 포스코 노즐

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JP2008194745A (ja) * 2007-02-15 2008-08-28 Nippon Steel Corp ロングノズル
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