JPH10277593A - 汚水処理装置と汚水処理方法 - Google Patents

汚水処理装置と汚水処理方法

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JPH10277593A
JPH10277593A JP9100932A JP10093297A JPH10277593A JP H10277593 A JPH10277593 A JP H10277593A JP 9100932 A JP9100932 A JP 9100932A JP 10093297 A JP10093297 A JP 10093297A JP H10277593 A JPH10277593 A JP H10277593A
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JP
Japan
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biological treatment
treatment tank
sewage
tank
phosphorus
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JP9100932A
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English (en)
Inventor
Yasutoshi Shimizu
康利 清水
Takamasa Tsuji
隆正 辻
Katsuji Uryu
勝嗣 瓜生
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Toto Ltd
Original Assignee
Toto Ltd
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W10/00Technologies for wastewater treatment
    • Y02W10/10Biological treatment of water, waste water, or sewage

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生物学的な処理手法と化学的な処理手法とを
併用し、相乗的にリン成分の分離効率を高める新たな処
理手法を提供する。 【解決手段】 汚水処理装置10は、有機性汚水が大型
夾雑物除去槽12,流量調整槽14を経由して移送され
る第1生物処理槽16とその処理汚水が移送される第2
生物処理槽18とを備える。第1生物処理槽16は、脱
リン菌によるリン成分除去のための生物処理を行い、そ
の底部の第1曝気管34により、間歇的に曝気される。
また、第1生物処理槽16には、リン凝集剤(Fe
2(SO4))が非曝気の間に添加され、このリン凝集剤
によるリンの沈殿化も行われる。第2生物処理槽18
は、脱リン菌によるリン成分の生物処理を行い、その底
部の第2曝気管40から、間歇的に曝気される。この
際、第1,第2生物処理槽における間欠的な曝気は、一
方の生物処理槽が曝気されていれば、他方は非曝気とな
るようになされている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、汚水に含まれるリ
ン成分を除去して汚水を浄化する汚水処理装置と汚水処
理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般家庭等から排出される生活廃水に
は、これが排出される河川や湖沼或いは海の水質汚濁を
もたらす栄養塩類であるリン成分が含まれている。この
ため、生活廃水をいわゆる脱リンに処して河川等に排出
することがなされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この脱リンの処理は、
リン成分を汚泥化する微生物を用いた生物学的な処理手
法と、リンを含む沈殿物を生成するリン凝集剤を用いた
化学的な処理手法とに大別される。この場合、前者の生
物学的な処理手法では、次のような手法が採られてい
る。まず、好気状態とした処理槽と嫌気状態とした処理
槽をそれぞれ複数用意してそれぞれの処理槽にリン成分
を摂取する微生物、いわゆる脱リン菌を生息させてお
く。そして、汚水を嫌気処理槽→好気処理槽→嫌気処理
槽→好気処理槽といった順に順次送り込み、各処理槽で
リン成分を汚泥化していた。一方、後者の化学的な処理
手法では、汚水の供給管や汚水の撹拌・沈殿槽にリン凝
集剤を添加して沈殿化させる手法を採ることが一般的で
ある。
【0004】しかしながら、この両処理手法であって
も、汚水からのリン成分の除去率は前者で40〜80
%,後者で40〜60%であり、十分とはいえなかっ
た。ところで、この両処理手法は、それぞれ独自の処理
系で用いられており、併用するような試みはなされいな
いのが現状である。これは、次のような理由によると思
われる。
【0005】上記の嫌気処理槽,好気処理槽における好
気・嫌気の状態は、その上流の処理槽から流入してくる
処理水により多少の変動はあるものの、好気処理槽では
好気状態のまま、嫌気処理槽では嫌気状態のままであ
る。このような各処理槽にリン凝集剤を添加しても、両
処理手法は相乗的にリン成分の分離(汚泥化・沈殿化)
をもたらさないと考えられているためである。
【0006】本発明は、上記問題点を解決するためにな
され、生物学的な処理手法と化学的な処理手法とを併用
し、相乗的にリン成分の分離効率を高める新たな処理手
法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】か
かる課題を解決するため、第1の発明の汚水処理装置
は、汚水に含まれるリン成分を除去して前記汚水を浄化
する汚水処理装置であって、微生物による生物処理を経
て前記リン成分を汚泥化する第1,第2の生物処理槽
と、該第1,第2の生物処理槽内を交互に曝気する曝気
手段と、前記第1の生物処理槽に前記汚水を流入する第
1の流入手段と、前記第1の生物処理槽で前記生物処理
を受けた処理槽内汚水を前記第2の生物処理槽に流入す
る第2の流入手段と、前記第2の生物処理槽で前記生物
処理を受けた処理槽内汚水を固液分離し、分離液を排出
する排出手段と、少なくとも前記第1,第2の生物処理
槽のいずれかにリンを含む沈殿物を生成するリン凝集剤
を添加する添加手段とを備えることを特徴とする。
【0008】上記構成を有する第1の発明の汚水処理装
置では、微生物による生物処理を経てリン成分を汚泥化
する第1,第2の生物処理槽を交互に曝気して、各処理
槽では好気状態と嫌気状態を繰り返し、一方の処理槽が
好気状態にあるときには他方の処理槽を嫌気状態とす
る。そして、第1の生物処理槽には汚水を流入して、こ
の第1の生物処理槽で、汚水中のリン成分を汚泥化す
る。一方、第2の生物処理槽には第1の生物処理槽の処
理槽内汚水を流入して、この第2の生物処理槽で、処理
槽内汚水中のリン成分を汚泥化する。つまり、第1の生
物処理槽での第1段の生物処理と第2の生物処理槽での
第2段の生物処理とを、それぞれの処理槽の環境を好気
・嫌気に交互に切り換えて行うと共に、第1段,第2段
と続く一連の生物処理を、好気状態での処理と嫌気状態
での処理の連続或いは嫌気状態での処理と好気状態の処
理の連続とする。このため、嫌気・好気の環境の交互切
り換えにより、各処理槽では失活をもたらす環境からの
環境の切り換え、例えば好気性微生物であれば嫌気状態
から好気状態への切り替えにより、微生物の活動(生物
処理)の活発化を期待でき、環境固定のままの場合以上
のリン成分の汚泥化を図ることができる。
【0009】また、このように交互に嫌気と好気が切り
換えられる第1,第2の生物処理槽の少なくともいずれ
かの処理槽には、リン凝集剤が添加され、当該リン凝集
剤によりリンを含む沈殿物を生成する。そして、このリ
ンを含む沈殿物生成を、リン凝集剤が添加される生物処
理槽における好気状態での生物処理と嫌気状態での生物
処理と閉校して行う。また、第2の処理槽の処理槽内汚
水は、固液分離されてその分離液が処理槽から排出され
る。
【0010】従って、この第1の発明の汚水処理装置で
は、好気状態或いは嫌気状態のいずれかに処理槽内状態
が固定された処理槽にリン凝集剤を添加するのではな
く、嫌気・好気の環境が交互に切り換えられる処理槽に
リン凝集剤を添加する。よって、微生物による生物処理
とリン凝集剤による化学的な処理とが相乗的なリン成分
の分離(汚泥化・沈殿化)をもたすことが期待でき、リ
ン成分の分離効率を高めることができる。
【0011】この場合、微生物は、いわゆる脱リン菌と
称されるものであり、その代表的なものとしては、Pseu
domonas 属、Acinetobacter 属、Moraxella 属等が挙げ
られる。また、リン凝集剤としては、アルミニウム,
鉄,ランタン,カルシウム,マグネシウム等の金属若し
くはその金属塩、或いはこれらを含む化合物,混合物を
挙げることができる。そして、その際の添加量は、リン
を含む沈殿物形成に必要な量の約0.5倍モル以上5倍
モル以下程度であればよい。
【0012】上記の構成を有する第1の発明の汚水処理
装置において、前記排出手段は、前記第2の生物処理槽
の処理槽内汚水に浸漬され、前記曝気により生じた気泡
に晒される固液分離膜と、該固液分離膜により分離され
た分離液を、前記曝気手段が前記第2の生物処理槽を曝
気している間に排出する手段とを有する。
【0013】この第1の態様の汚水処理装置では、固液
分離膜を曝気により生じた気泡に晒すことにより、分離
膜表面へのリン成分の汚泥或いは沈殿物の付着・堆積を
抑制できる。よって、固液分離膜での分離効率の低下を
抑制して、処理効率を高めることができる。
【0014】また、上記の第1の発明又はその第1の態
様の汚水処理装置において、前記添加手段は、前記曝気
手段による曝気が停止されている間に前記リン凝集剤を
添加する手段を有する。
【0015】この第2の態様の汚水処理装置では、リン
凝集剤による沈殿物を曝気の際の気泡によりできるだけ
破壊しないようにして沈殿物の成長(凝集サイズアッ
プ)をもたらす。これにより、固液分離膜等における目
詰まりの抑制を通して、処理効率を高めることができ
る。
【0016】また、第2の発明の汚水処理方法は、汚水
に含まれるリン成分を除去して前記汚水を浄化する汚水
処理方法であって、微生物による生物処理を経て前記リ
ン成分を汚泥化する第1の生物処理槽に前記汚水を流入
する工程(a)と、微生物による生物処理を経て前記リ
ン成分を汚泥化する第2の生物処理槽に前記第1の生物
処理槽で前記生物処理を受けた処理槽内汚水を流入する
工程(b)と、前記第2の生物処理槽で前記生物処理を
受けた処理槽内汚水を固液分離し、分離液を排出する工
程(c)と、前記第1,第2の生物処理槽内を交互に曝
気する工程(d)と、少なくとも前記第1,第2の生物
処理槽のいずれかにリンを含む沈殿物を生成するリン凝
集剤を添加する工程(e)とを備えることを特徴とす
る。
【0017】上記構成を有する第2の発明の汚水処理方
法では、まず、第1の生物処理槽に汚水を流入して、こ
の第1の生物処理槽で微生物による第1段の生物処理を
経たリン成分の汚泥化を行い、第1の生物処理槽の処理
槽内汚水を第2の生物処理槽に流入して、この第2の生
物処理槽でも第2段の生物処理を経たリン成分の汚泥化
を行う。そして、第2の生物処理槽の処理槽内汚水を固
液分離して、その分離液を排出する。この第1,第2段
の生物処理を行う各処理槽を交互に曝気して、各処理槽
では好気状態と嫌気状態を繰り返し、一方の処理槽が好
気状態にあるときには他方の処理槽を嫌気状態とする。
これにより、第1の生物処理槽での第1段の生物処理と
第2の生物処理槽での第2段の生物処理とを、それぞれ
の処理槽の環境を好気・嫌気に交互に切り換えて行うと
共に、第1段,第2段と続く一連の生物処理を、好気状
態での処理と嫌気状態での処理の連続或いは嫌気状態で
の処理と好気状態の処理の連続とする。このため、嫌気
・好気の環境の交互切り換えにより、各処理槽では失活
をもたらす環境からの環境の切り換え、例えば好気性微
生物であれば嫌気状態から好気状態への切り替えによ
り、微生物の活動(生物処理)の活発化を期待でき、環
境固定のままの場合以上のリン成分の汚泥化を図ること
ができる。
【0018】また、このように交互に嫌気と好気が切り
換えられる第1,第2の生物処理槽の少なくともいずれ
かの処理槽には、リン凝集剤が添加され、当該リン凝集
剤によりリンを含む沈殿物を生成する。そして、このリ
ンを含む沈殿物生成を、リン凝集剤が添加される生物処
理槽における好気状態での生物処理と嫌気状態での生物
処理と閉校して行う。
【0019】従って、この第2の発明の汚水処理方法で
は、好気状態或いは嫌気状態のいずれかに処理槽内状態
が固定された処理槽にリン凝集剤を添加するのではな
く、嫌気・好気の環境が交互に切り換えられる処理槽に
リン凝集剤を添加する。よって、微生物による生物処理
とリン凝集剤による化学的な処理とが相乗的なリン成分
の分離(汚泥化・沈殿化)をもたすことが期待でき、リ
ン成分の分離効率を高めることができる。
【0020】上記の構成を有する第2の発明の汚水処理
方法において、前記工程(c)は、前記第2の生物処理
槽の処理槽内汚水に浸漬され前記曝気により生じた気泡
に晒された固液分離膜による固液分離を、前記工程
(d)により前記第2の生物処理槽が曝気している間に
行って、分離した分離液を排出する工程を有する。
【0021】この第1の態様の汚水処理方法では、固液
分離膜を曝気により生じた気泡に晒すことにより、分離
膜表面へのリン成分の汚泥或いは沈殿物の付着・堆積を
抑制できる。よって、固液分離膜での分離効率の低下を
抑制して、処理効率を高めることができる。
【0022】また、上記の第1の発明又はその第1の態
様の汚水処理方法において、前記工程(e)は、前記工
程(d)による曝気が停止されている間に前記リン凝集
剤を添加する工程を有する。
【0023】この第2の態様の汚水処理装置では、リン
凝集剤による沈殿物を曝気の際の気泡によりできるだけ
破壊しないようにして沈殿物の成長(凝集サイズアッ
プ)をもたらす。これにより、固液分離膜等における目
詰まりの抑制を通して、処理効率を高めることができ
る。
【0024】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を実施
例に基づき説明する。図1は、実施例の汚水処理装置1
0を模式的に示す模式断面図である。図示するように、
汚水処理装置10は、有機性汚水が最初に流入する大型
夾雑物除去槽12を有し、その後段に、流量調整槽14
と第1生物処理槽16と第2生物処理槽18とを備え
る。これら各槽は、それぞれ区画壁20により区画形成
されており、いわゆるモジュール構成をなす。
【0025】流量調整槽14に流入されその底部に滞留
した有機性汚水は、移流管22を上昇して移流口24か
ら流量調整槽14に流入する。そして、流量調整槽14
から第1生物処理槽16へは、第1生物処理槽16に設
置された水面センサ26からの信号に応じて駆動するポ
ンプ28により、第1生物処理槽16から第2生物処理
槽18へは、第2生物処理槽18に設置された水面セン
サ30からの信号に応じて駆動するポンプ32により、
前段の槽内の処理液が送られる。なお、ポンプ28,3
2による処理液の流入は、流入を受ける処理槽の水位が
最低水位(L.W.L)と最高水位(H.W.L)の間
に維持されるように行われる。
【0026】第1生物処理槽16は、Pseudomonas 属、
Acinetobacter 属、Moraxella 属等の脱リン菌を生息さ
せてこの脱リン菌の生物処理を行わせるためのものであ
り、その底部には、気泡を噴出する第1曝気管34を有
する。また、汚水処理装置10は、第1生物処理槽16
に間歇的にリン凝集剤(Fe2(SO4))を添加するた
めの凝集剤貯留タンク36と、このタンク内の凝集剤を
後述するタイミングで第1生物処理槽16に添加するポ
ンプ38とを有する。
【0027】第2生物処理槽18は、上記の脱リン菌を
生息させてこの脱リン菌の生物処理を行わせるためのも
のであり、その底部には、気泡を噴出する第2曝気管4
0を有する。また、第2生物処理槽18は、第2曝気管
40の上方に当たる箇所に膜分離装置42を浸漬して備
える。このため、第2曝気管40から噴出された気泡
は、第2生物処理槽18内を膜分離装置42の表面に接
触しつつ上昇することになる。
【0028】第1生物処理槽16の第1曝気管34と第
2生物処理槽18の第2曝気管40とは、三方切換弁4
4を経由してブロア46と接続されている。よって、三
方切換弁44により管路が解放された側の曝気管は、こ
のブロア46から送られたエアーを該当する処理槽内
に、その底部から噴出して処理槽を曝気する。この三方
切換弁44の管路の切換制御については後述する。
【0029】膜分離装置42は、左右の集水管42a,
42bに中空糸状膜48を架設して備え、この中空糸状
膜48により第2生物処理槽18内の汚水を固液分離
し、中空糸状膜48内部の中空部に浸透した液を分離液
とする。そして、膜分離装置42は、集水管42a,4
2bに配管50を介して接続された吸引ポンプ52で中
空糸状膜48の中空部を吸引することで、分離液を排出
する。吸引ポンプ52は、水面センサ30からの信号に
応じて駆動するよう構成されており、吸引ポンプ52に
よる分離液の排出は、第2生物処理槽18の水位が最低
水位(L.W.L)と最高水位(H.W.L)の間に維
持されるように行われる。なお、第1生物処理槽16お
よび第2生物処理槽18の底部に堆積した堆積物(汚
泥,沈殿物)は、定期的に処理槽外に排出されるよう構
成されている。
【0030】また、膜分離装置42の中空糸状膜48
は、内部の中空部に到る膜細孔径が5〜100nmとさ
れており、膜分離装置42による固液分離を行うに当た
っては、その水理学滞留時間(HRT)が1/8日〜
1.0日となるようにした。
【0031】次に、汚水処理装置10の運転の様子、即
ち第1生物処理槽16並びに第2生物処理槽18の曝気
の様子や凝集剤貯留タンク36からのリン凝集剤の添加
の様子について、図2のタイミングチャートを用いて説
明する。まず、第1,第2生物処理槽の曝気の様子につ
いて説明する。三方切換弁44は所定間隔ごとに交互に
その管路を開閉するので、この図2に示すように、第1
生物処理槽16並びに第2生物処理槽18の各処理槽で
は、それぞれ交互に曝気され、第1生物処理槽16が曝
気されている間は第2生物処理槽18では曝気されな
い。これにより、各処理槽では交互に嫌気状態(非曝気
期間)と好気状態(曝気期間)が繰り返され、一方の処
理槽、例えば第1生物処理槽16が嫌気状態にあるとき
には他方の第2生物処理槽18は好気状態となる。
【0032】そして、第1生物処理槽16への有機性汚
水の移送は、当該処理槽の曝気終了を待って所定時間に
亘り行われ、第1生物処理槽16には新たな有機性汚水
が嫌気状態(非曝気期間)の間に送られる。また、この
第1生物処理槽16への凝集剤貯留タンク36からのリ
ン凝集剤の添加も、当該処理槽の曝気終了を待って所定
時間に亘り行われ、第1生物処理槽16にはリン凝集剤
が嫌気状態(非曝気期間)となった当初に添加される。
この場合のリン凝集剤の添加量は、リン凝集剤(Fe2
(SO4))によりリンを含む沈殿物(リン酸鉄)の形
成に必要な量の等モル以上とした。更に、第2生物処理
槽18への第1生物処理槽16の処理汚水の移送は、当
該処理槽の曝気終了を待って所定時間に亘り行われ、第
2生物処理槽18には、第1生物処理槽16で一旦処理
を受けた新たな処理汚水が嫌気状態(非曝気期間)の間
に送られる。その一方、第2生物処理槽18での膜分離
装置42による固液分離並びに分離液の排出は、当該処
理槽での曝気開始から所定時間遅延して開始され、この
曝気が終了するまで継続される。
【0033】ここで、本実施例の汚水処理装置10と同
程度の規模の従来の汚水処理装置、即ち、第1曝気管3
4を有しない第1生物処理槽と、第2曝気管40により
常時曝気を行う第2生物処理槽とを有する汚水処理装置
(生物学的処理手法の汚水処理装置)と、撹拌・沈殿処
理槽に単にリン凝集剤を添加するだけの化学的処理手法
の汚水処理装置との処理能力(リン成分の除去能力)の
比較について説明する。この場合、化学的処理手法の汚
水処理装置については、その規模を汚水処理装置10並
びに生物学的処理手法の汚水処理装置と単純に同一とす
ることはできないので、処理能力の比較に当たっては、
除去率で比較することとした。その結果を図3に示す。
この図3から明らかなように、本実施例の汚水処理装置
10では、処理開始から15日程度でリン除去率が90
%に達し、その後は長期間に亘って95%前後の高いリ
ン除去率を安定して確保できた。これに対し、生物学的
処理手法或いは化学的処理手法の従来の汚水処理装置で
は、40〜80%程度のリン除去率しか得ることはでき
ず、しかも、その呈する除去率は不安定であった。な
お、図3のデータ収集に当たっては、水理学的滞留時間
を12時間とし、反応槽内MLSS濃度を10kg/m
3 とした。
【0034】以上説明した本実施例の汚水処理装置10
では、微生物による生物処理を経てリン成分を汚泥化す
る第1生物処理槽16,第2生物処理槽18を交互に曝
気して、各処理槽では好気状態と嫌気状態を繰り返し、
一方の処理槽が好気状態にあるときには他方の処理槽を
嫌気状態とする。そして、第1生物処理槽16には嫌気
状態にあるときに汚水を流入して、この第1生物処理槽
16で、汚水中のリン成分を嫌気状態と好気状態とで交
互に微生物により生物処理し汚泥化する。一方、第2生
物処理槽18にはこの第1生物処理槽16の処理汚水を
同じく嫌気状態にあるときに流入して、この第2生物処
理槽18で、処理汚水中のリン成分を嫌気状態と好気状
態とで交互に微生物により生物処理し汚泥化する。つま
り、第1生物処理槽16での第1段の生物処理と第2生
物処理槽18での第2段の生物処理とを、それぞれの処
理槽の環境を好気・嫌気に交互に切り換えて行うと共
に、第1段,第2段と続く一連の生物処理を、第1生物
処理槽16における好気状態での処理と第2生物処理槽
18における嫌気状態での処理の連続或いは第1生物処
理槽16における嫌気状態での処理と第2生物処理槽1
8における好気状態の処理の連続とする。このため、嫌
気・好気の環境の交互切り換えにより、第1生物処理槽
16,第2生物処理槽18の各処理槽では失活をもたら
す環境からの環境の切り換え、例えば好気性微生物であ
れば嫌気状態から好気状態への切り替えにより、微生物
の活動(生物処理)の活発化を期待でき、環境固定のま
まの場合以上のリン成分の汚泥化を図ることができる。
【0035】そして、このように交互に嫌気と好気が切
り換えられる第1生物処理槽16には、リン凝集剤(F
2(SO4))を非曝気の間に添加し、当該リン凝集剤
によりリンを含む沈殿物(リン酸鉄)を生成する。しか
も、この沈殿物生成を、第1生物処理槽16での好気状
態での生物処理と嫌気状態での生物処理と並行して行
う。従って、この汚水処理装置10によれば、第1生物
処理槽16,第2生物処理槽18での好気・嫌気の交互
切換による微生物の生物処理と嫌気・好気の環境が交互
に切り換えられる第1生物処理槽16へのリン凝集剤添
加による化学的な処理との併用を通して、相乗的に高い
効率でリン成分を分離(汚泥化・沈殿化)することがで
きる。
【0036】また、膜分離装置42により固液分離を行
い分離液を得る際には、第2曝気管40からの曝気を通
して中空糸状膜48を気泡に晒し、この中空糸状膜48
の膜表面へのリン成分の汚泥或いは沈殿物の付着・堆積
を抑制する。また、第1生物処理槽16へのリン凝集剤
の添加を非曝気の間に行って、リン凝集剤による沈殿物
を曝気の際の気泡によりできるだけ破壊しないようにし
沈殿物の成長(凝集サイズアップ)をもたらす。このた
め、中空糸状膜48の膜細孔の目詰まりを防止してこの
中空糸状膜48での分離効率の低下を抑制し、処理効率
を高めることができる。
【0037】以上本発明の実施例について説明したが、
本発明は上記の実施例や実施形態になんら限定されるも
のではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種
々なる態様で実施し得ることは勿論である。
【0038】例えば、第2生物処理槽18を膜分離装置
42を有しない生物処理槽とし、その後段に、第1生物
処理槽16と同じ構成の第3生物処理槽と、第2生物処
理槽18と同じ構成の第4生物処理槽とを設け、この第
3,第4生物処理槽のそれぞれを交互に曝気し、一方が
曝気している間には他方は非曝気とするような汚水処理
装置とすることもできる。つまり、上記の実施例のよう
に、第1生物処理槽16と第2生物処理槽18のみを有
する汚水処理装置に限られるものではない。
【0039】また、上記の実施例では、リン凝集剤を第
1生物処理槽16に添加するよう構成したが、第2生物
処理槽18にリン凝集剤を添加したり、第1生物処理槽
16と第2生物処理槽18の両処理槽に添加するよう構
成することもできる。更に、第2生物処理槽18内に膜
分離装置42を設置したが、当該分離装置を第2生物処
理槽18の外部に設け、この外部の膜分離装置42に第
2生物処理槽18から処理液を移送するよう構成するこ
ともできる。また、第2生物処理槽18から第1生物処
理槽16に処理液を返送し処理液の循環を採るように構
成することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の汚水処理装置10を模式的に示す模式
断面図。
【図2】第1生物処理槽16並びに第2生物処理槽18
の曝気の様子や凝集剤貯留タンク36からのリン凝集剤
の添加の様子を説明するためのタイミングチャート。
【図3】本実施例の汚水処理装置10の効果を、生物学
的処理手法を採る従来の汚水処理装置と、リン凝集剤を
添加するだけの化学的処理手法を採る従来の汚水処理装
置と対比して示すグラフ。
【符号の説明】
10…汚水処理装置 16…第1生物処理槽 18…第2生物処理槽 26…水面センサ 28…ポンプ 30…水面センサ 32…ポンプ 34…第1曝気管 36…凝集剤貯留タンク 38…ポンプ 40…第2曝気管 42…膜分離装置 42a,42b…集水管 44…三方切換弁 46…ブロア 48…中空糸状膜 52…吸引ポンプ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 汚水に含まれるリン成分を除去して前記
    汚水を浄化する汚水処理装置であって、 微生物による生物処理を経て前記リン成分を汚泥化する
    第1,第2の生物処理槽と、 該第1,第2の生物処理槽内を交互に曝気する曝気手段
    と、 前記第1の生物処理槽に前記汚水を流入する第1の流入
    手段と、 前記第1の生物処理槽で前記生物処理を受けた処理槽内
    汚水を前記第2の生物処理槽に流入する第2の流入手段
    と、 前記第2の生物処理槽で前記生物処理を受けた処理槽内
    汚水を固液分離し、分離液を排出する排出手段と、 少なくとも前記第1,第2の生物処理槽のいずれかにリ
    ンを含む沈殿物を生成するリン凝集剤を添加する添加手
    段とを備えることを特徴とする汚水処理装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の汚水処理装置であって、 前記排出手段は、 前記第2の生物処理槽の処理槽内汚水に浸漬され、前記
    曝気により生じた気泡に晒される固液分離膜と、 該固液分離膜により分離された分離液を、前記曝気手段
    が前記第2の生物処理槽を曝気している間に排出する手
    段とを有する汚水処理装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2記載の汚水処理装
    置であって、 前記添加手段は、 前記曝気手段による曝気が停止されている間に前記リン
    凝集剤を添加する手段を有する汚水処理装置。
  4. 【請求項4】 汚水に含まれるリン成分を除去して前記
    汚水を浄化する汚水処理方法であって、 微生物による生物処理を経て前記リン成分を汚泥化する
    第1の生物処理槽に前記汚水を流入する工程(a)と、 微生物による生物処理を経て前記リン成分を汚泥化する
    第2の生物処理槽に前記第1の生物処理槽で前記生物処
    理を受けた処理槽内汚水を流入する工程(b)と、 前記第2の生物処理槽で前記生物処理を受けた処理槽内
    汚水を固液分離し、分離液を排出する工程(c)と、 前記第1,第2の生物処理槽内を交互に曝気する工程
    (d)と、 少なくとも前記第1,第2の生物処理槽のいずれかにリ
    ンを含む沈殿物を生成するリン凝集剤を添加する工程
    (e)とを備えることを特徴とする汚水処理方法。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の汚水処理方法であって、 前記工程(c)は、 前記第2の生物処理槽の処理槽内汚水に浸漬され前記曝
    気により生じた気泡に晒された固液分離膜による固液分
    離を、前記工程(d)により前記第2の生物処理槽が曝
    気している間に行って、分離した分離液を排出する工程
    を有する汚水処理方法。
  6. 【請求項6】 請求項4又は請求項5記載の汚水処理方
    法であって、 前記工程(e)は、 前記工程(d)による曝気が停止されている間に前記リ
    ン凝集剤を添加する工程を有する汚水処理装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011020050A (ja) * 2009-07-15 2011-02-03 Kurarisu Kankyo Kk 廃水処理方法及び装置

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