JPH10277589A - 排水処理装置 - Google Patents

排水処理装置

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JPH10277589A
JPH10277589A JP3674998A JP3674998A JPH10277589A JP H10277589 A JPH10277589 A JP H10277589A JP 3674998 A JP3674998 A JP 3674998A JP 3674998 A JP3674998 A JP 3674998A JP H10277589 A JPH10277589 A JP H10277589A
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tank
water
treated
aeration
oxygen
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JP3674998A
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English (en)
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Nobuyuki Shishido
信之 宍戸
Atsuo Tago
敦夫 多胡
Kiyoomi Osai
清臣 小佐井
Kazufumi Momata
和史 茂又
Yoshifumi Bando
嘉文 板東
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Mitsubishi Chemical Engineering Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Engineering Corp
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Publication date
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    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W10/00Technologies for wastewater treatment
    • Y02W10/10Biological treatment of water, waste water, or sewage

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生活排水を高度処理する排水処理装置であっ
て、維持管理が容易で且つ装置構成をコンパクトに出来
る排水処理装置を提供する。 【解決手段】 被処理水として供給された屎尿を含む生
活排水を嫌気処理する撹拌可能な無酸素槽(2)と、無
酸素槽(2)から供給された被処理水を好気処理する曝
気可能かつ濾過可能な曝気濾過槽(3)と、曝気濾過槽
(3)から供給された被処理水を消毒する消毒槽(6)
とを備えている。曝気濾過槽(3)は、当該曝気濾過槽
にて生成された硝化液を無酸素槽(2)に返送可能に構
成され、そして、無酸素槽(2)において、硝化液と最
初の被処理水を混合して窒素化合物を分解する様になさ
れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、排水処理装置に関
するものであり、詳しくは、屎尿を含む生活排水を高度
処理する排水処理装置であって、維持管理が容易で且つ
装置構成をコンパクトに出来る排水処理装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】屎尿を含む生活排水の浄化処理において
は、BOD、CODの他、窒素および燐成分などに関す
る生活環境基準を満足しなければならない。上記の生活
排水の浄化処理は、生物処理と沈降分離を組み合わせて
行われる。斯かる処理方法としては、循環式硝化脱窒
法、嫌気・無酸素・好気法、無酸素・好気法、凝集剤併
用型循環式硝化脱窒法などが挙げられる。これらの処理
方法は、下水道設備を通じて回収される生活排水の一般
的な浄化処理方法である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記の様な
浄化処理方法においては、何れの場合も、汚泥の沈殿槽
と沈殿汚泥の循環装置が必要であり、従って、また、汚
泥性状の変動によってバルキング等の現象が発生し、汚
泥が流出し易く、処理設備の維持管理に高度の熟練を必
要とする。勿論、汚泥が流出した場合には、生物処理槽
における汚泥濃度の制御が難しくなり、処理水質の低下
を惹起する虞がある。しかも、処理工程が複雑かつ大掛
かりであり、沈殿設備などに広い面積を必要とする。
【0004】特に、人口の少ない地域においては、下水
道設備の普及率が低く、生活排水の処理が一層改善され
なけらばならない反面、設備の占有面積が広く、しか
も、汚泥管理や沈殿槽管理に熟練した技術を必要とする
上記の様な処理方法は、実際的に実施し難いと言う実情
がある。本発明は、斯かる実情に鑑みなされたものであ
り、その目的は、屎尿を含む生活排水を高度処理する排
水処理装置であって、維持管理が容易で且つ装置構成を
コンパクトに出来る排水処理装置を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明の排水処理装置は、被処理水として供給され
た屎尿を含む生活排水を嫌気処理する撹拌可能な無酸素
槽(2)と、無酸素槽(2)から供給された被処理水を
好気処理する曝気可能かつ濾過可能な曝気濾過槽(3)
と、曝気濾過槽(3)から供給された被処理水を消毒す
る消毒槽(6)とを備えた排水処理装置であって、曝気
濾過槽(3)は、当該曝気濾過槽にて生成された硝化液
を無酸素槽(2)に返送可能に構成され、そして、無酸
素槽(2)において、硝化液と最初の被処理水を混合し
て窒素化合物を分解する様になされていることを特徴と
する。
【0006】上記の排水処理装置において、無酸素槽
(2)は、被処理水を撹拌しつつ、当該被処理水中の窒
素化合物を嫌気性菌によって分解する。曝気濾過槽
(3)は、無酸素槽(2)から供給された被処理水を曝
気処理し、好気性菌によって硝酸態窒素を含む硝化液を
生成し、そして、生成した硝化液を無酸素槽(2)に返
送する。無酸素槽(2)においては、返送された硝化液
と最初の被処理水を混合し、窒素化合物を分解する。一
方、濾過可能な曝気濾過槽(3)は、無酸素槽(2)と
曝気濾過槽(3)の間で循環処理されて窒素化合物が除
去された被処理水を濾過し、また、消毒槽(6)は、濾
過された前記の被処理水を消毒する。
【0007】また、上記の排水処理装置において、曝気
濾過槽(3)は、当該曝気濾過槽に装填された多層構造
の濾材(4)と、濾材(4)の上部に配置された散気管
(33)と、曝気濾過槽(3)の底部に配置された集水
管(35)と、集水管(35)で捕集された被処理水を
排出する流路(91)と、集水管(35)に逆洗用の水
を供給する流路(92)と、流路(91)からの排出と
流路(92)からの供給を切り替える制御手段とを含
み、前記制御手段は、流路(91)から一定時間だけ被
処理水を排出した後、流路(92)から一定時間だけ洗
浄用の水を供給して逆洗する操作パターンを備え、前記
操作パターンは、その1周期が5〜60分であって、か
つ、1周期における逆洗時間の比率が0.1〜10%で
あるのが好ましい。
【0008】すなわち、上記の制御手段は、濾過水の排
出と洗浄水の供給操作を切り替え、パルス的に洗浄水を
供給する特定の操作パターンを備えているため、曝気濾
過槽(3)における高い平均濾過流量を維持して処理効
率を高めることが出来る。
【0009】また、上記の各構成において、曝気濾過槽
(3)には、当該曝気濾過槽にて生成された硝化液を貯
留する硝化液循環貯槽(43)が付設され、無酸素槽
(2)へ最初の被処理水を供給する流路(81)には、
一定流量で被処理水を供給する計量調整移送装置(2
1)が付設され、無酸素槽(2)へ硝化液循環貯槽(4
3)の硝化液を返送する流路(85)には、一定流量で
硝化液を返送する計量調整移送装置(22)が付設さ
れ、そして、無酸素槽(2)において、最初の被処理水
と硝化液を一定の割合で混合する様になされているのが
好ましい。
【0010】すなわち、無酸素槽(2)における嫌気性
菌による分解処理と曝気濾過槽(3)における曝気処理
を繰り返し、かつ、無酸素槽(2)において最初の被処
理水と硝化液とを定量混合することにより、原水槽
(1)に供給された被処理水の窒素化合物をより高度に
分解処理できる。
【0011】更に、上記の各構成において、燐成分を効
率的に除去するため、曝気濾過槽(3)又はこれに至る
流路(82)は、燐成分を不溶化する凝集剤が添加可能
に構成されているのが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明に係る排水処理装置の実施
の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一
実施形態に係る排水処理装置の概要を示すフロー図であ
る。また、図2〜図3は、本発明の他の実施形態に係る
排水処理装置の概要を示すフロー図である。以下、実施
形態の説明においては排水処理装置を「処理装置」と略
記する。
【0013】先ず、本発明の一実施形態を説明する。本
発明の処理装置は、住宅などから排出される屎尿を含む
いわゆる生活排水を処理する装置であり、図1に示す様
に、被処理水として供給された上記の生活排水を嫌気処
理する撹拌可能な無酸素槽(2)と、無酸素槽(2)か
ら供給された被処理水を好気処理する曝気可能かつ濾過
可能な曝気濾過槽(3)と、曝気濾過槽(3)から供給
された被処理水を消毒する消毒槽(6)とを備えてい
る。
【0014】通常、無酸素槽(2)の上流側には原水槽
(前処理装置)(1)が設けられる。原水槽(1)は、
沈砂池、破砕装置、粗目、細目、微細目の各スクリー
ン、流量調整槽、計量調整移送装置などによって構成さ
れ、予め被処理水から粗大固形物を除去した後、無酸素
槽(2)に流路(81)を通じて供給する様になされて
いる。
【0015】無酸素槽(2)は、外気から遮断され且つ
撹拌羽根が挿入された撹拌槽である。無酸素槽(2)の
内容積は、処理量によって適宜に設定し得るが、通常、
6〜30時間の滞留時間相当の内容積とされる。無酸素
槽(2)においては、嫌気性菌を繁殖させて窒素化合物
(硝酸態窒素)を分解する。無酸素槽(2)の底部近傍
には、被処理水を曝気濾過槽(3)に供給するための配
管およびポンプ(71)が付設され、ポンプ(71)の
吐出側から伸長された流路(82)が曝気濾過槽(3)
の上部に接続される。
【0016】曝気濾過槽(3)は、好気性菌を繁殖させ
て硝化液を生成する曝気操作と濾過操作とを一体的に行
う槽である。曝気濾過槽(3)の内容積も、処理量や濾
材(4)の装填量に応じて例えば6〜30時間の滞留時
間相当の内容積とされる。斯かる曝気濾過槽(3)は、
当該曝気濾過槽に装填された多層構造の濾材(4)と、
濾材(4)の上部に配置された散気管(33)と、当該
曝気濾過槽の底部に配置された集水管(35)と、集水
管(35)で捕集された被処理水を排出する流路(9
1)とを備えている。
【0017】濾材(4)は、比較的粒径の小さな材料か
ら成る緻密な層と、比較的粒径の大きな材料から成る粗
い層とを2〜3層に組み合わせた多層構造に構成され
る。具体的には、濾材(4)は、緻密層(41)とその
下方に配置された支持層(42)とを含む。緻密層(4
1)は、平均粒径が0.1〜20mm程度の砂、粒状活
性炭もしくはアンスラサイト又はこれらの混合物などか
ら成り、その表層に形成される生物膜によって有機物
(BOD)の分解を行い且つ物理的な濾過作用を発揮す
る。支持層(42)は、平均粒径が3〜70mm程度の
砂利などから成り、緻密層(41)を支持してその流出
を防止する。
【0018】散気管(33)は、被処理水中に空気を吹
き込むためのノズルであり、濾材(4)の表層近傍に配
置される。散気管(33)は、ポリプロピレン等の合成
樹脂製の多孔質管によって構成され、空気を供給するた
めのブロワー(72)に配管(86)を介して接続され
る。散気管(33)による曝気量は、当該散気管の断面
積、小孔の開口面積およびブロワー(72)の送風量の
設定により、30〜200リットル/m2 ・分程度に設
計される。
【0019】集水管(35)は、濾材(4)によって濾
過された被処理水を捕集するための管であり、支持層
(42)に埋設される状態で曝気濾過槽(3)の底部に
配置される。集水管(35)の表面には、多数の小孔が
設けられており、集水管(35)で捕集された被処理水
は、流路(91)を通じて排出される様になされてい
る。
【0020】また、曝気濾過槽(3)には、濾材(4)
及び集水管(35)の目詰りを防止するための逆洗機構
が備えられている。斯かる逆洗機構は、集水管(35)
に逆洗用の水(洗浄水)を供給する流路(92)と、流
路(91)からの排出と流路(92)からの供給(逆
流)を切り替える切替弁(89)と、切替弁(89)を
制御する制御手段(図示せず)とを含む。
【0021】流路(92)は、曝気濾過槽(3)の下流
側の水槽(5)から洗浄水を吸入するポンプ(75)の
吐出側に接続されている。水槽(5)には、流路(9
1)から排出された被処理水(濾過水)が前記の洗浄水
として貯留される。すなわち、洗浄水としては、上水を
別途供給することも出来るが、通常、流路(91)を通
じて排出される濾過後の被処理水の一部が供給される。
ポンプ(75)による洗浄水の吐出量は、1000〜5
0000リットル/m2 ・時間程度に設定される。
【0022】切替弁(89)は、集水管(35)の出口
側に設けられており、流路(91)からの被処理水の排
出と流路(92)からの洗浄水の供給とを切り替える機
能を備えている。切替弁(89)としては、電磁駆動や
エアー駆動の3方自動切替弁が使用される。上記の制御
手段は、タイマー機能を含むプログラムコントローラー
等から構成され、通常、切替弁(89)等の各機器の作
動を制御する。そして、斯かる制御手段は、流路(9
1)から一定時間だけ被処理水を排出した後、流路(9
2)から一定時間だけ洗浄用の水を供給して逆洗する切
替弁(89)の操作パターンを備えている。
【0023】制御手段における切替弁(89)の操作パ
ターンは、その1周期が5〜60分、好ましくは5〜3
0分であって、かつ、1周期における逆洗時間の比率が
0.1〜10%、好ましくは0.2〜5%とされる。す
なわち、曝気濾過槽(3)における濾過操作は、5〜6
0分を1サイクルとして連続的に行われる。具体的に
は、例えば、約300〜1200秒の濾過操作を行った
後、約10〜180秒の逆洗操作を行うパターンの繰り
返しによって濾過操作される。
【0024】上記の様な操作パターンを設定する理由は
次の通りである。1回の連続濾過時間があまり長くなる
と、濾材(4)及び集水管(35)の目詰りにより、集
水管(35)から排出される被処理水の流量、すなわ
ち、濾過流量が漸次減少し、かつ、目詰りを解消するた
めに必要な逆洗時間も長くなるため、連続稼働時の平均
濾過流量が低下する。一方、あまり頻繁に逆洗を行う
と、逆洗時間が長くなって濾過時間が短くなるため、同
様に、平均濾過流量が低下する。換言すれば、曝気濾過
槽(3)においては、濾過操作と逆洗操作との繰り返し
のパターンを特定のパターンとすることにより、最大の
処理効率を得ることが出来る。
【0025】また、上記の逆洗機構は、濾材(4)の緻
密層(41)の汚泥成分を除去するための空気による洗
浄手段を備えているのが好ましい。具体的には、緻密層
(41)の内部には、逆洗の際に空気を噴射する空洗管
(34)が配置される。空洗管(34)は、多数の小孔
を備えた管であり、ブロワー(72)に配管(86)を
介して接続される。空洗管(34)による空気の供給量
は、当該空洗管の断面積、小孔の開口面積およびブロワ
ー(72)の送風量の設定により、100〜2000リ
ットル/m2 ・時間程度に設計される。なお、散気管
(33)、空洗管(34)への空気の供給は、ブロワー
(72)の吐出側に設けられた仕切弁の操作によって切
り替えられる。
【0026】本発明の処理装置は、無酸素槽(2)にお
いて窒素成分を除去する際の水素供与体として原水を利
用する様に、曝気濾過槽(3)は、当該曝気濾過槽にて
生成された硝化液を無酸素槽(2)に返送可能に構成さ
れ、そして、無酸素槽(2)において、硝化液と最初の
被処理水を混合して窒素化合物を分解する様になされて
いる。
【0027】すなわち、曝気濾過槽(3)の上部と無酸
素槽(2)の上部とは流路(85)によって接続されて
おり、曝気濾過槽(3)の曝気操作および好気性菌の働
きによって生成される硝化液が曝気濾過槽(3)から無
酸素槽(2)に返送される。無酸素槽(2)に供給され
る被処理水と曝気濾過槽(3)から返送される硝化液と
の流量比は1/2〜1/5程度とされる。なお、2つの
槽に流路(85)を架設しているため、曝気濾過槽
(3)(又は無酸素槽(2))の液面設定により、無酸
素槽(2)(又は曝気濾過槽(3))の液面も設定され
る。
【0028】また、曝気濾過槽(3)は、後述の凝集剤
の添加や供給される被処理水の窒素成分の硝化によるp
Hの変動を補正するため、中和剤を供給可能に構成され
る。中和剤としては、苛性ソーダ等のアルカリ水溶液が
使用される。曝気濾過槽(3)の上部には、上記の中和
剤を収容する貯層(32)からポンプ(74)を介して
伸長された配管(84)が挿入される。ポンプ(74)
の運転は、pH計によって測定される曝気濾過槽(3)
のpH値に基づいて制御され、斯かるpH値は、通常、
6.5〜8程度の範囲に設定される。
【0029】更に、本発明の処理装置においては、汚泥
と共に被処理水中の燐成分を除去するため、曝気濾過槽
(3)は、燐成分を不溶化する凝集剤が添加可能に構成
される。凝集剤としては、3価の金属化合物の水溶液、
典型的には硫酸アルミニウム又はポリ塩化アルミニウム
が使用される。曝気濾過槽(3)の上部には、上記の凝
集剤を収容する貯層(31)からポンプ(73)を介し
て配管(83)が接続される。また、曝気濾過槽(3)
には、余剰汚泥を排出するための配管(88)が付設さ
れる。
【0030】また、曝気濾過槽(3)に付設された上記
の集水管(35)の出口側には、差圧調整手段(90)
を介して上記の流路(91)が接続される。差圧調整手
段(90)は、逆U字状に設けられた配管および当該配
管の間に上下に並列的に架け渡された複数のバイパス弁
から成り、バイパス弁の選択的な使用により、濾過する
際の出口側の水圧を変更し、濾過流量を予め設定する機
能を有する。更に、雨水が大量に混入したと言った異常
事態には、上記バイパス弁の操作によって対処すること
も出来る。
【0031】上記の流路(91)の先端は、被処理水を
貯留する上記の水槽(5)の上部に挿入され、水槽
(5)は、流路(93)を介して消毒槽(6)に接続さ
れる。消毒槽(6)は、濾過された被処理水に塩素など
の消毒剤を最終工程として混合するための貯槽である。
消毒槽(6)の上部には、上記の消毒剤を収容する貯層
(51)からポンプ(76)を介して伸長された配管
(94)が挿入される。そして、消毒槽(6)には、消
毒された被処理水を排出するための出口流路が付設され
る。
【0032】図1に示す処理装置における排水の処理操
作は次の通りである。先ず、原水槽(1)によって固形
成分を除去した被処理水を無酸素槽(2)に供給する。
無酸素槽(2)は、撹拌羽根によって被処理水を撹拌し
つつ、曝気濾過槽(3)から返送される循環硝化液中の
窒素化合物(硝酸態窒素)を嫌気性菌によって分解す
る。そして、撹拌された被処理水は、ポンプ(71)及
び流路(82)を通じて曝気濾過槽(3)に供給され
る。
【0033】曝気濾過槽(3)は、無酸素槽(2)から
供給された被処理水を曝気処理する。曝気処理におい
て、ブロワー(72)は、配管(86)を通じて散気管
(33)に空気を供給し、散気管(33)は、被処理水
中に空気を散気する。これにより、好気性菌を活性化さ
せ、有機物(BOD)及び窒素化合物(アンモニア態窒
素)を酸化し、硝酸態窒素を含む硝化液を生成する。
【0034】また、曝気濾過槽(3)においては、被処
理水のpH値を一定の範囲に制御する。すなわち、被処
理水の硝酸態窒素濃度が高くなり、予め設定された下限
値よりもpH値が下がった場合、pH計に基づいて制御
されるポンプ(74)は、貯層(32)から配管(8
4)を通じて中和剤を添加する。この様な曝気濾過槽
(3)におけるpH値の調整により、好気性菌を常に高
い活性状態に保つことが出来、処理効率を一層高めるこ
とが出来る。
【0035】曝気濾過槽(3)における上記の操作と並
行し、曝気濾過槽(3)と無酸素槽(2)とを接続する
流路(85)は、曝気濾過槽(3)の曝気操作および好
気性菌の働きによって生成された硝化液を無酸素槽
(2)に返送する。無酸素槽(2)において、回転する
撹拌羽根は、返送された硝化液と最初の被処理水を混合
し、嫌気性菌による窒素化合物の分解を促進する。
【0036】また、上記の処理と並行し、曝気濾過槽
(3)の処理操作においては、被処理水中の燐成分を凝
集して排出する。すなわち、ポンプ(73)は、配管
(83)を通じ、貯層(31)に収容された凝集剤を曝
気濾過槽(3)に供給する。その結果、凝集剤によって
燐成分は不溶化され、余剰汚泥と共に曝気濾過槽(3)
から配管(88)を通じて排出される。
【0037】一方、曝気濾過槽(3)は、無酸素槽
(2)と曝気濾過槽(3)の間で循環処理されて有機物
(BOD)、窒素成分および燐成分の除去された被処理
水を濾過する。すなわち、濾材(4)の主に緻密層(4
1)は、被処理水に混入している微細な汚泥成分を分離
濾過する。その際、支持層(42)は、緻密層(41)
の流出を防止して濾材(4)の層構造を維持する。曝気
濾過槽(3)の底部に配置された集水管(35)は、支
持層(42)を通過した被処理水(濾過水)を補集し、
差圧調整手段(90)及び流路(91)を通じて水槽
(5)に排出する。
【0038】上記の濾過操作を一定時間行った後、逆洗
機構を利用して濾材(4)の洗浄を行うため、制御手段
が切替弁(89)を切り替える。ポンプ(75)は、水
槽(5)に収容された被処理水を流路(92)、切替弁
(89)を通じて集水管(35)に供給する。洗浄用の
被処理水の供給は、濾過操作に対して極めて短い時間で
十分である。また、同時に、ブロワー(72)から配管
(87)を通じて空洗管(34)に空気を供給し、緻密
層(41)を空気洗浄する。これにより、濾材(4)の
内部に付着した固形成分を除去することが出来る。
【0039】濾材(4)を洗浄する場合、上記の制御手
段は、上記の特定の操作パターンによって切替弁(8
9)を切り替え、集水管(35)からパルス的に洗浄水
を供給し、そして、逆洗を行った後は切替弁(89)を
最初の状態に切り替えて再び濾過操作を行う。本発明の
処理装置においては、制御手段が特定の操作パターンを
備えているため、高い平均濾過流量を維持し、処理効率
を一層高めることが出来る。その結果、濾過効率が向上
されるため、装置構成を一層コンパクトにすることが出
来る。
【0040】上記の様な一定周期の逆洗操作を伴う曝気
濾過槽(3)から水槽(5)に排出された被処理水(濾
過水)は、流路(93)を通じて消毒槽(6)に供給さ
れる。消毒槽(6)においては供給された被処理水を消
毒する。すなわち、消毒槽(6)に対し、ポンプ(7
6)は、貯槽(51)から吸入した消毒剤を配管(9
4)を通じて供給し、被処理水を滅菌消毒する。そし
て、消毒されて得られた処理水は、安全な水として消毒
槽(6)から排出される。
【0041】次に、本発明の他の実施形態を図2〜図3
に基づいて説明する。図2〜図3に示す本発明の処理装
置は、基本的には図1の装置と同様であり、被処理水と
して供給された屎尿を含む生活排水を嫌気処理する撹拌
可能な無酸素槽(2)と、無酸素槽(2)から供給され
た被処理水を好気処理する曝気可能かつ濾過可能な曝気
濾過槽(3)と、曝気濾過槽(3)から供給された被処
理水を消毒する消毒槽(6)とを備えた処理装置であ
る。
【0042】更に、図2〜図3に示す処理装置において
は、曝気濾過槽(3)で生成された硝化液を無酸素槽
(2)に返送する機構として、曝気濾過槽(3)には、
当該曝気濾過槽にて生成された硝化液を一旦貯留する硝
化液循環貯槽(43)が付設され、無酸素槽(2)に対
しては、最初の被処理水(生活排水)を一定流量で供給
可能になされ、かつ、硝化液循環貯槽(43)の硝化液
を一定流量で返送可能になされ、そして、無酸素槽
(2)において、硝化液と最初の被処理水を一定の割合
で混合してより効率的に窒素化合物を分解する様になさ
れている。なお、図2〜図3において、その機能が図1
と同等の装置や部材には、図1と同等の符号を付してい
る。
【0043】無酸素槽(2)の上流側に設けられる原水
槽(1)は、上述の実施形態と同様に、沈砂池、破砕装
置、粗目、細目、微細目の各スクリーンの他、流路(8
1)に被処理水を送液する水中ポンプ(77)、供給さ
れた被処理水を計量する計量調整移送装置(21)を備
え、計量調整移送装置(21)は、流路(81)によっ
て送液された被処理水の一定量を無酸素槽(2)に供給
し、余剰の被処理水を流路(81b)によって原水槽
(1)に戻す機能を有する。計量調整移送装置(21)
としては堰式の流量計が使用される。
【0044】無酸素槽(2)には、ここで処理されてオ
ーバーフローした被処理水を曝気濾過槽(3)に供給す
る様に流路(82)が接続される。また、上述の実施形
態における凝集剤の配管(83)は流路(82)に接続
される。曝気濾過槽(3)の上流側に凝集剤を添加する
ことにより、一層効率的に凝集剤を混合できる。更に、
配管(83)の下流側の流路(82)には、分流装置
(98)が介装され、無酸素槽(2)で処理され且つ凝
集剤を添加された被処理水は、複数に分流されて複数の
曝気濾過槽(3)(図示省略)に供給する様に構成され
る。すなわち、複数の曝気濾過槽(3)を設置すること
により、処理量の大きな変動にも対応できる。
【0045】また、曝気濾過槽(3)の構成は、上述の
実施形態と略同様であるが、曝気濾過槽(3)には、当
該曝気濾過槽でオーバーフローした被処理水を一旦貯留
して再び無酸素槽(2)に返送する機構が付設される。
具体的には、曝気濾過槽(3)には、オーバーフローし
た被処理水を収容する硝化液循環貯槽(43)が流路
(95)を介して付設される。そして、硝化液循環貯槽
(43)に蓄えられた被処理水は、ポンプ(78)及び
流路(85)を通じて無酸素槽(2)に返送する様に構
成される。
【0046】しかも、無酸素槽(2)には、計量調整移
送装置(21)と同様の計量調整移送装置(22)が設
けられており、計量調整移送装置(22)は、流路(8
5)を通じて戻された硝化液を一定流量で無酸素槽
(2)に供給し、余剰の硝化液を流路(85b)によっ
て硝化液循環貯槽(43)に戻す様に構成される。これ
により、被処理水(供給原水)に対する硝化液供給量比
を一定に保つことが出来るため、一層高度の処理が可能
になる。
【0047】更に、無酸素槽(2)における最初の被処
理水と硝化液との定量混合により窒素化合物の効率的な
分解を促進できる。原水槽(1)から無酸素槽(2)に
供給される最初の被処理水と硝化液循環貯槽(43)か
ら無酸素槽(2)に供給される硝化液の割合は、最終的
な目標水質および処理効率の観点から、供給量で凡そ1
/2〜1/5、好ましくは1/3の割合に設定される。
【0048】また、曝気濾過槽(3)の流路(95)へ
の流出口には、濾材(4)の流出を防止するための排出
装置(36)が付設される。排出装置(36)は、上下
端が解放された筒状の本体と、本体から分岐し且つ流路
(95)に接続される排出口と、本体の下端に取り付け
られた錐状の緩衝部材とから成る。すなわち、排出装置
(36)は、本体下端の緩衝部材の上下の位置を調整
し、本体の下端開口と緩衝部材の隙間を例えば5〜30
mm程度に設定することにより、逆洗操作を行った場合
でも緻密層(41)を構成する濾材(4)の流出を効果
的に防止し得る。
【0049】他方、硝化液循環貯槽(43)から硝化液
を無酸素槽(2)に返送する流路(85)には、無酸素
槽(2)、曝気濾過槽(3)で生成する余剰汚泥を排出
するため、汚泥濃縮槽(44)に通じる流路(96)が
分岐して設けられる。汚泥濃縮槽(44)は、スラリー
状で排出された汚泥を沈降分離すると共に、分離した汚
泥を排出管(99)によって回収し、また、分離した水
をポンプ(79)及び流路(97)によって原水槽
(1)に戻す様に構成される。なお、硝化液循環貯槽
(43)からの汚泥成分の排出は、流路(96)への切
替弁(図示省略)の切替操作により処理量に応じて適宜
のタイミングで行われる。
【0050】曝気濾過槽(3)、曝気濾過槽(3)の濾
材(4)、散気管(33)、空洗管(34)及び集水管
(35)は、上述の実施形態と略同様である。そして、
曝気濾過槽(3)に備えられた逆洗機構は、下流側の水
槽(5)から集水管(35)に逆洗用の水(洗浄水)を
流路(91)に逆流させるポンプ(75)、流路(9
2)及びポンプ(75)を制御する上述の実施形態と同
様の制御手段(図示せず)から成る。また、曝気濾過槽
(3)の出口側の水圧と濾過流量を予め設定する差圧調
整手段(90)、最終的な被処理水を貯留する水槽
(5)及び消毒槽(6)も上述の実施形態と略同様に構
成される。
【0051】上記の様な処理装置における排水の処理操
作においては、先ず、原水槽(1)によって固形成分を
除去した被処理水を計量調整移送装置(21)によって
無酸素槽(2)に一定流量で供給する。無酸素槽(2)
は、撹拌羽根によって被処理水を撹拌しつつ、硝化液循
環貯槽(43)から返送されてくる循環硝化液中の窒素
化合物(硝酸態窒素)を嫌気性菌によって分解し、流路
(82)は、無酸素槽(2)からオーバーフローする被
処理水を曝気濾過槽(3)に供給する。また、流路(8
2)においては、燐成分を凝集するため、貯層(31)
に収容された凝集剤を供給する。
【0052】曝気濾過槽(3)は、無酸素槽(2)から
供給された被処理水を曝気処理する。曝気処理におい
て、ブロワー(72)は、配管(86)を通じて散気管
(33)に空気を供給し、散気管(33)は、被処理水
中に空気を散気する。その結果、好気性菌を活性化さ
せ、有機物(BOD)、窒素化合物を酸化し、曝気濾過
槽(3)において硝酸態窒素(硝酸イオン)を含む硝化
液を生成する。なお、流路(82)に予め供給された凝
集剤によって不溶化した燐成分は、余剰汚泥として有機
汚泥と共に配管(96)から排出される。
【0053】曝気濾過槽(3)に接続された流路(9
5)は、曝気濾過槽(3)にて生成された硝化液を硝化
液循環貯槽(43)に溢出させる。その際、曝気濾過槽
(3)に付設された排出装置(36)は、曝気濾過槽
(3)の濾材(41)の流出を抑制し、主に硝化液だけ
を硝化液循環貯槽(43)に供給する。そして、硝化液
循環貯槽(43)は、ポンプ(78)及び流路(85)
を通じ、曝気濾過槽(3)の曝気操作および好気性菌の
働きによって生成された硝化液を無酸素槽(2)に返送
する。また、計量調整移送装置(22)は、戻された硝
化液を一定流量で無酸素槽(2)に供給する。
【0054】すなわち、本発明の処理装置では、無酸素
槽(2)における嫌気性菌による分解処理と曝気濾過槽
(3)における曝気処理を繰り返し、かつ、無酸素槽
(2)において最初の被処理水と硝化液とを定量混合す
ることにより、原水槽(1)に供給された被処理水の窒
素化合物をより高度に分解処理できる。また、曝気濾過
槽(3)に被処理水を供給する過程で流路(82)に凝
集剤を添加するため、一層効率的に燐成分を不溶化し得
る。
【0055】一方、上記の様な消化液の循環と共に、曝
気濾過槽(3)は、上述の実施形態と同様に有機物(B
OD)、窒素成分および燐成分の除去された被処理水を
濾過する。すなわち、濾材(4)の主に緻密層(41)
は、被処理水に混入している微細な汚泥成分を分離濾過
し、支持層(42)は、緻密層(41)の流出を防止し
て濾材(4)の層構造を維持する。また、集水管(3
5)は、支持層(42)を通過した被処理水(濾過水)
を補集し、流路(91)、差圧調整手段(90)を通じ
て水槽(5)に排出する。そして、水槽(5)に排出さ
れた被処理水(濾過水)は、消毒槽(6)に流出し、消
毒槽(6)において貯槽(51)から供給される消毒剤
によって消毒され、安全な水として系外に排出される。
【0056】また、図2〜図3に示す処理装置において
も、上述の実施例と同様の操作により、逆洗機構を利用
して濾材(4)の洗浄を行う。その場合、上述の実施例
の様に切替弁の切替操作ではなく、ポンプ(75)の駆
動制御によって逆洗操作を行ってもよい。すなわち、ポ
ンプ(75)は、水槽(5)に収容された被処理水を流
路(92)及び(91)を通じて集水管(35)に供給
する。そして、同時に、ブロワー(72)から配管(8
7)を通じて空洗管(34)に空気を供給することによ
り、緻密層(41)を空気洗浄し、集水管(35)の小
孔や濾材(4)の内部に付着した固形成分を除去する。
【0057】逆洗操作は、上述と同様に特定の操作パタ
ーンに基づき、集水管(35)からパルス的に洗浄水を
供給する。これにより、高い平均濾過流量を維持し、処
理効率を一層高めることが出来る。しかも、図2〜図3
に示す処理装置においては、曝気濾過槽(3)に排出装
置(36)が付設されており、排出装置(36)は、逆
洗操作の際、濾材(4)の緻密層(41)を構成するア
ンスラサイト等の微小粒子の流出を抑制するため、濾材
(4)の損失を一層低減でき、かつ、各流路などの機器
における閉塞を有効に防止できる。そして、結果的に
は、濾過効率をより向上でき、装置構成を一層コンパク
トにすることが出来る。
【0058】上述の様に、本発明の処理装置は、従来の
浄化設備の様な大型の沈殿槽を必要としないため、装置
構成をコンパクトにすることが出来かつ少ないスペース
で設置できる。また、汚泥性状の変動による汚泥の流出
がなく、確実に汚泥濃度を管理できる。しかも、汚泥を
循環させるための熟練した技術などが不要であるから、
維持管理が極めて容易である。従って、比較的人口の少
ない場所においても好適に適用し得る。
【0059】
【実施例】
(実施例1)図1に示す構造の排水処理装置を使用して
生活廃水を処理した。無酸素槽(2)としては、水平断
面が1300mm×1300mmで高さが2750mm
の角型槽を使用し、汚泥濃度が0.3〜0.7重量%の
生活排水を装入し、気相を外気と遮蔽した。曝気濾過槽
(3)としては、水平断面が2000mm×1000m
mで高さが2750mmの角型槽を使用し、濾材(4)
は、200〜500mmの高さの支持層(42)と10
0〜500mmの高さの緻密層(41)にて構成した。
支持層(42)は、平均有効直径が5〜50mmの砂利
によって構成した。緻密層(41)は、平均有効直径が
0.5〜15mmのアンスラサイトによって構成した。
【0060】散気管(33)としては、外径が50m
m、長さが700mmで且つ孔径が60〜150μmの
微細孔を備えた多孔質のポリプロピレン管を使用した。
また、集水管(35)としては、内径が40mm、長さ
が800mmで且つ孔径が5mmの小孔を40mmピッ
チで配列したパイプを使用した。曝気濾過槽(3)に添
加する中和剤としては苛性ソーダの水溶液を使用し、凝
集剤としてはポリ塩化アルミニウムをアルミニウムと燐
の比が2/1〜1/1となる様に使用した。
【0061】処理操作においては、被処理水として上記
と同様の生活排水を使用した。処理前の被処理水の水質
を測定したところ、BOD濃度は200ミリグラム/リ
ットル、COD濃度は100ミリグラム/リットル、窒
素濃度は50ミリグラム/リットル、燐濃度は5ミリグ
ラム/リットル、浮遊物濃度は250ミリグラム/リッ
トルであった。
【0062】被処理水は、380リットル/時間の流量
で無酸素槽(2)にポンプ供給し、撹拌羽根によって撹
拌した。無酸素槽(2)における被処理水の滞留時間は
約12時間であった。無酸素槽(2)から取り出された
被処理水は、ポンプ(71)によって曝気濾過槽(3)
に供給した。
【0063】曝気濾過槽(3)の汚泥濃度は0.4〜
0.8重量%に保持された。活性汚泥層には、散気管
(33)を通じてブロワー(72)から空気を供給し、
曝気操作を行った。その際の曝気量は約80リットル/
分に設定した。
【0064】また、燐成分を除去するために凝集剤を添
加した。曝気濾過槽(3)内の被処理水のpH値は、中
和剤を添加することなく、7.2〜7.5に保持され
た。そして、曝気濾過槽(3)から取り出した硝化液を
無酸素槽(2)に返送した。無酸素槽(2)に供給した
被処理水と返送した硝化液との流量比は1/3とした。
【0065】一方、曝気濾過槽(3)においては、10
cmの水頭差を維持しつつ被処理水を重力濾過し、濾材
(4)によって被処理水中の汚泥および浮遊物質を分離
した。濾過した被処理水は、集水管(35)で集水して
水槽(5)に排出した。曝気濾過槽(3)における被処
理水の滞留時間は約9.7時間であった。
【0066】また、上記の濾過操作においては、117
0秒の濾過操作の後、切替弁(89)を切り替えて30
秒の逆洗操作を行うパターンを繰り返した。逆洗におい
ては、集水管(35)から約300リットル/分の流量
で水槽(5)の水を供給し、また、その際、空洗管(3
4)を併用して約800リットル/分の流量で空気を緻
密層(41)に供給した。
【0067】上記の処理操作によって得られた処理水の
水質を測定したところ、BOD濃度は5ミリグラム/リ
ットル以下、COD濃度は10ミリグラム/リットル以
下、窒素濃度は10ミリグラム/リットル以下、燐濃度
は1ミリグラム/リットル以下、浮遊物濃度は5ミリグ
ラム/リットル以下であった。また、濾過操作における
濾過流量は、最大が約500リットル/時間、最少が約
200リットル/時間であり、運転全体を通じた平均処
理流量は約380リットル/時間であった。
【0068】(実施例2)図2〜図3に示す構造の排水
処理装置を使用して生活廃水を処理した。原水層(1)
には、BOD濃度が166.7ミリグラム/リットル、
COD濃度が105.3ミリグラム/リットル、窒素濃
度が60.7ミリグラム/リットル、燐濃度が5.9ミ
リグラム/リットル、浮遊物濃度が186.7ミリグラ
ム/リットル(何れも平均値)の原水を被処理水として
供給した。無酸素槽(2)に供給する被処理水と硝化液
循環貯槽(43)から返送する硝化液との流量比は1/
3に設定した。そして、無酸素槽(2)における滞留時
間を約15時間、曝気濾過槽(3)における滞留時間を
約16時間とした他は実施例1と略同様の条件で処理し
た。
【0069】上記の処理によって得られた処理水の水質
を測定したところ、BOD濃度は2.3ミリグラム/リ
ットル、COD濃度は4.3ミリグラム/リットル、窒
素濃度は9.4ミリグラム/リットル、燐濃度は0.3
ミリグラム/リットル、浮遊物濃度は0.5ミリグラム
/リットル(何れも平均値)であった。そして、実施例
1と略同量の濾過流量が得られた。
【0070】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明の排水処理装
置によれば、装置構成をコンパクトに出来かつ少ないス
ペースで設置できる。また、汚泥性状の変動による汚泥
の流出がなく、確実に汚泥を回収でき、しかも、維持管
理が極めて容易である。従って、比較的人口の少ない場
所においても好適に適用し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る排水処理装置の概要
を示すフロー図
【図2】本発明の他の実施形態に係る排水処理装置の概
要を示すフロー図
【図3】本発明の他の実施形態に係る排水処理装置の概
要を示すフロー図
【符号の説明】
1 :原水槽 2 :無酸素槽 21:計量調整移送装置 22:計量調整移送装置 3 :曝気濾過槽 33:散気管 34:空洗管 35:集水管 31:貯槽(凝集剤) 32:貯槽(中和剤) 36:排出装置 4 :濾材 41:緻密層 42:支持層 43:硝化液循環貯槽 5 :水槽 51:貯槽(消毒剤) 6 :消毒槽 72:ブロワー 85:流路 88:配管 89:切替弁 91:流路 92:流路 98:分流装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小佐井 清臣 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学エンジニアリング株式会社神奈川 事業所内 (72)発明者 茂又 和史 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学エンジニアリング株式会社神奈川 事業所内 (72)発明者 板東 嘉文 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学エンジニアリング株式会社神奈川 事業所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被処理水として供給された屎尿を含む生
    活排水を嫌気処理する撹拌可能な無酸素槽(2)と、無
    酸素槽(2)から供給された被処理水を好気処理する曝
    気可能かつ濾過可能な曝気濾過槽(3)と、曝気濾過槽
    (3)から供給された被処理水を消毒する消毒槽(6)
    とを備えた排水処理装置であって、曝気濾過槽(3)
    は、当該曝気濾過槽にて生成された硝化液を無酸素槽
    (2)に返送可能に構成され、そして、無酸素槽(2)
    において、硝化液と最初の被処理水を混合して窒素化合
    物を分解する様になされていることを特徴とする排水処
    理装置。
  2. 【請求項2】 曝気濾過槽(3)は、当該曝気濾過槽に
    装填された多層構造の濾材(4)と、濾材(4)の上部
    に配置された散気管(33)と、曝気濾過槽(3)の底
    部に配置された集水管(35)と、集水管(35)で捕
    集された被処理水を排出する流路(91)と、集水管
    (35)に逆洗用の水を供給する流路(92)と、流路
    (91)からの排出と流路(92)からの供給を切り替
    える制御手段とを含み、前記制御手段は、流路(91)
    から一定時間だけ被処理水を排出した後、流路(92)
    から一定時間だけ洗浄用の水を供給して逆洗する操作パ
    ターンを備え、前記操作パターンは、その1周期が5〜
    60分であって、かつ、1周期における逆洗時間の比率
    が0.1〜10%である請求項1に記載の排水処理装
    置。
  3. 【請求項3】 曝気濾過槽(3)には、当該曝気濾過槽
    にて生成された硝化液を貯留する硝化液循環貯槽(4
    3)が付設され、無酸素槽(2)へ最初の被処理水を供
    給する流路(81)には、一定流量で被処理水を供給す
    る計量調整移送装置(21)が付設され、無酸素槽
    (2)へ硝化液循環貯槽(43)の硝化液を返送する流
    路(85)には、一定流量で硝化液を返送する計量調整
    移送装置(22)が付設され、そして、無酸素槽(2)
    において、最初の被処理水と硝化液を一定の割合で混合
    する様になされている請求項1又は2に記載の排水処理
    装置。
  4. 【請求項4】 無酸素槽(2)における最初の被処理水
    と硝化液の混合割合が1/2〜1/5に設定された請求
    項3に記載の排水処理装置。
  5. 【請求項5】 曝気濾過槽(3)又はこれに至る流路
    (82)は、燐成分を不溶化する凝集剤が添加可能に構
    成されている請求項1〜4の何れかに記載の排水処理装
    置。
  6. 【請求項6】 濾材(4)は、緻密層(41)とその下
    方に配置された支持層(42)とを含み、緻密層(4
    1)と支持層(42)の略境界部分には、逆洗の際に空
    気を噴射する空洗管(34)が配置されている請求項1
    〜5の何れかに記載の排水処理装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105399267A (zh) * 2015-09-25 2016-03-16 张荣斌 一种城市污水处理的自动控制方法

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CN105399267A (zh) * 2015-09-25 2016-03-16 张荣斌 一种城市污水处理的自动控制方法

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