JPH10277532A - 地盤汚染拡散防止工法 - Google Patents

地盤汚染拡散防止工法

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JPH10277532A
JPH10277532A JP9096386A JP9638697A JPH10277532A JP H10277532 A JPH10277532 A JP H10277532A JP 9096386 A JP9096386 A JP 9096386A JP 9638697 A JP9638697 A JP 9638697A JP H10277532 A JPH10277532 A JP H10277532A
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JP
Japan
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contaminated
ground
water
groundwater
wall
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JP9096386A
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English (en)
Inventor
Takeshi Nakazawa
武志 仲沢
Ichirou Hanatake
一郎 華嶽
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Fujita Corp
Original Assignee
Fujita Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 地盤1の下部の不透水層2の有無に拘らず、
止水壁10で包囲した汚染地盤領域1T からの汚染物質
の拡散を有効に防止する。 【解決手段】 地盤1に、汚染源3の周辺の汚染地盤領
域1T を取り囲むように止水壁10が打設され、その下
端部10aは不透水層には達していない。汚染地盤領域
T には井戸11を掘削し、ポンプ12で汚染地下水G
T を汲み上げることによって、外側の非汚染地盤領域
C から清浄な地下水GWC を止水壁10の下側から流
入させ、汚染地盤領域1T 内に鉛直上方への地下水流を
生じさせることによって、鉛直下方への汚染物質の拡散
が有効に防止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、汚染された地盤か
らの汚染地下水の拡散によって地盤の汚染領域が拡大す
るのを防止するための技術分野に属するものである。
【0002】
【従来の技術】地中に混入した廃棄物等の汚染源から溶
出する汚染地下水の拡散によって、地盤の汚染領域が拡
大するのを防止するための典型的な従来技術において
は、図3に示すように、地中の汚染源3による地盤1の
汚染地盤領域1T を止水壁Wで包囲するといった方法が
採用されている。前記止水壁Wは、例えばシートパイル
の打ち込みやグラウティング工法によって、地盤1の下
側の岩盤あるいは粘性土層等からなる不透水層2に達す
るように構築され、これによって汚染地盤領域1Tから
その周囲の非汚染地盤領域1C への汚染地下水GWT
流出・拡散を阻止するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来工法によれ
ば、止水壁Wの継手部分や、止水壁Wと不透水層2との
間に僅かでも隙間がある場合は、そこから汚染地盤領域
T 内の汚染地下水GWTが非汚染地盤領域1C へ流出
してしまう。しかも、止水壁Wによる止水性が完璧なも
のであっても、この場合は、止水壁Wで包囲された汚染
地盤領域1T の汚染地下水位GWT Lが地表からの雨水
の浸透等によって上昇するため、結局は汚染地下水GW
T が地表を経由して非汚染地盤領域1C へ拡散される恐
れがある。
【0004】また、図3では止水壁Wを不透水層2に接
触させた状態で構築することによって汚染源3を封じ込
めているが、図4に示すように、地盤1における止水壁
Wの打設可能な深さに不透水層2が存在しない場合は、
汚染地盤領域1T を止水壁Wで包囲しても、この汚染地
盤領域1T の下部は流体力学的には開放された状態にあ
るので、汚染源3から溶出した汚染物質が、図中太矢印
で示すように地表からの浸透水の流れ等によって鉛直下
方に拡散することになる。このため、止水壁Wの下側を
経由して非汚染地盤領域1C へ汚染が拡散されてしま
い、有効な汚染拡散防止策とはならない。
【0005】本発明は、上記のような事情のもとになさ
れたもので、その主な技術的課題とするところは、地盤
下部の不透水層の有無に拘らず、止水壁で包囲した汚染
地盤領域からの汚染物質の拡散を有効に防止することに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述した技術的課題を有
効に解決するための手段として、本発明に係る地盤汚染
拡散防止工法は、地中の汚染地盤領域の周囲に、下端縁
が地中の不透水層に接しない止水壁を打設し、この止水
壁で包囲された前記汚染地盤領域に井戸を掘削してこの
井戸内に湧き出た地下水をポンプで汲み上げることによ
り、前記汚染地盤領域に汚染物質の鉛直下方への拡散速
度よりも速い鉛直上方への地下水流を発生させるもので
ある。なお、ここでいう「不透水層」とは、地下水をま
ったく通さないか又は極めて通しにくい岩盤や粘土質の
地盤からなる層のことである。
【0007】すなわち、本発明の地盤汚染拡散防止工法
によれば、外周を止水壁で包囲された汚染地盤領域内の
汚染地下水を汲み上げると、これに伴って、周囲の非汚
染地盤領域内の清浄な地下水が止水壁の下側地盤を廻っ
て汚染地盤領域内へ流入するので、汚染地盤領域下層か
ら上層へ向けて鉛直上方への地下水流を生じ、この人工
的な水流が、汚染地盤領域での汚染物質の鉛直下方への
拡散を阻む。したがって、鉛直下方への汚染拡散速度よ
りも、鉛直上方への清浄な地下水流が速ければ、止水壁
の下側からの汚染拡散を有効に防止できる。
【0008】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係る地盤汚染拡散
防止工法の好ましい実施形態を概略的に示すものであ
る。この図において、参照符号1は地下水で飽和された
上部の地盤であり、地盤1内の一部には水溶性の汚染物
質を有する廃棄物などが混入した土塊からなる汚染源3
が存在している。
【0009】地盤1には、汚染源3の周辺を平面略長方
形状に取り囲むように止水壁10が打設されており、そ
の下端部10aは汚染源3よりも深い位置に達してい
る。この止水壁10は、シートパイルを打ち込むか、あ
るいは既知のグラウティング工法によって、セメント、
モルタルあるいはベントナイト等遮水性を有するグラウ
ト材で地中連続壁体を施工することによって打設するこ
とができる。
【0010】止水壁10で包囲された地盤領域では、汚
染源3からの汚染物質の溶出・拡散によって地下水が汚
染されるが、この汚染物質の水平方向への拡散は止水壁
10によって遮断されるため、止水壁10の内側が汚染
地盤領域1T となる。しかし、止水壁10の下端部10
aは岩盤や粘土層等からなる不透水層に接していないの
で、汚染地盤領域1T の下部は流体力学的には開放され
た状態にあり、この状態では、汚染源3の周囲で飽和し
た汚染物質は雨水の浸透や地下水の流れの場の影響等に
よって徐々に鉛直下方へ拡散されて行くことになる。
【0011】そこで、この実施形態においては汚染地盤
領域1T には、地下水位GWLよりも深い所要数の井戸
11を掘削し、この井戸11内に湧き出した汚染地下水
GWT をポンプ12で汲み上げる。これによって、汚染
地盤領域1T 内の地下水位GWT Lが低下して行くの
で、止水壁10の外側の非汚染地盤領域1C における地
下水位GWLとの水位差ΔGWLによって、前記非汚染
地盤領域1C の清浄な地下水GWC が、止水壁10の下
側地盤を廻って汚染地盤領域1T 内へ流入し、汚染地盤
領域1T 内では下層から上層へ向けて地下水GWC の上
昇流を生じる。そしてその上昇流速度は、ポンプ12で
の揚水による水位差ΔGWLが大きいほど速くなるた
め、水位差ΔGWLが所定以上になると、汚染地盤領域
T における鉛直下方への汚染拡散速度よりも鉛直上方
への清浄な地下水GWC の上昇流速が大きくなり、下方
への汚染拡散が有効に防止される。
【0012】したがって、例えば止水壁10の外側の非
汚染地盤領域1C にも井戸(図示省略)を掘削し、この
井戸に設けた水位センサと汚染地盤領域1T の井戸11
に設けた水位センサによって水位差ΔGWLを常時計測
し、この水位差ΔGWLが所定値以下となった時にポン
プ12が駆動され、水位差ΔGWLが所定値以上となっ
た時にポンプ12が停止するように、ポンプ12の制御
系を構成すれば、不必要に地下水を汲み上げることな
く、鉛直下方への汚染物質の拡散を確実に防止できる。
【0013】また、非汚染地盤領域1C からの清浄な地
下水GWC の流入によって汚染地下水GWT の汚染濃度
が低下するので、汚染源3からの汚染物質の溶出による
汚染源3自体の浄化も促進される。なお、汲み上げた汚
染地下水GWT は図示されていない水浄化装置によって
清浄化された後、近くの河川や水路などに放水される
か、地上に散水される。
【0014】またこの方法によれば、汚染地盤領域1T
内の地下水位GWT Lが止水壁10の外側の地下水位G
WLより低くなり、言い換えれば同一深さにおける汚染
地盤領域1T の地下水圧が止水壁10の外側の地下水圧
より低くなるため、例えば止水壁10の継手部分等に僅
かな隙間があっても、この隙間から汚染物質が外側へ流
出することがない。
【0015】図2は本発明に係る地盤汚染拡散防止工法
の好ましい他の実施形態を概略的に示すものである。こ
の実施形態によれば、地下水に飽和された地盤1の下部
には、止水壁10の打設可能な深さに岩盤あるいは粘土
層等からなる不透水層2が存在しているにも拘らず、地
盤1内の汚染源3を取り囲むシートパイル又はグラウト
材からなる止水壁10は、その下端部10aが不透水層
2に達しない深さに打設してある。したがって先に説明
した図1に示す実施形態と同様、止水壁10で包囲され
た汚染地盤領域1T に所要数の井戸11を掘削し、この
井戸11内に湧き出した汚染地下水GWT をポンプ12
で汲み上げると、非汚染地盤領域1C からの清浄な地下
水GWC が止水壁10の下端部10aと不透水層2との
間を通じて汚染地盤領域1T に流入し、汚染地盤領域1
T に鉛直上方の地下水流を生じるので、汚染拡散が有効
に防止される。
【0016】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に係る地盤汚染拡散防止工法によると次のような効果が
実現される。 (1) 汚染地盤領域を包囲するように打設した止水壁の下
端を不透水層に接触させることができない条件でも、汚
染物質が止水壁の下側から拡散されるのを有効に防止す
ることができる。 (2) 汚染地下水の汲み上げに伴って清浄な地下水が流入
するので、汚染地盤領域の浄化が促進される。 (3) 汚染地盤領域の地下水位が低下するため、地表から
の汚染地下水の流出による汚染拡散が起こらない。 (4) 汚染地盤領域の地下水位の低下によって、その水圧
が止水壁の外側の地下水圧より低くなるため、止水壁の
止水性が完全なものでなくても汚染拡散が起こらない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る地盤汚染拡散防止工法の好ましい
一実施形態を概略的に示す地盤の断面斜視図である。
【図2】本発明に係る地盤汚染拡散防止工法の好ましい
他の実施形態を概略的に示す地盤の断面斜視図である。
【図3】従来工法の一例を概略的に示す地盤の断面斜視
図である。
【図4】上記従来工法において汚染地盤領域の下部に不
透水層が存在しない場合を概略的に示す地盤の断面斜視
図である。
【符号の説明】
1 地盤 1T 汚染地盤領域 1C 非汚染地盤領域 2 不透水層 3 汚染源 10 止水壁 11 井戸 12 ポンプ GWC 清浄な地下水 GWT 汚染地下水

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地中の汚染地盤領域の周囲に、下端縁が
    地中の不透水層に接しない止水壁を打設し、この止水壁
    で包囲された前記汚染地盤領域に所要数の井戸を掘削し
    てこの井戸内に湧き出た地下水をポンプで汲み上げるこ
    とにより、前記汚染地盤領域に汚染物質の鉛直下方への
    拡散速度よりも速い鉛直上方への地下水流を発生させる
    ことを特徴とする地盤汚染拡散防止工法。
JP9096386A 1997-04-01 1997-04-01 地盤汚染拡散防止工法 Pending JPH10277532A (ja)

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JP9096386A JPH10277532A (ja) 1997-04-01 1997-04-01 地盤汚染拡散防止工法

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JP (1) JPH10277532A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007130602A (ja) * 2005-11-11 2007-05-31 Kurita Water Ind Ltd 汚染土壌・地下水の封じ込め工法
JP2007167823A (ja) * 2005-12-26 2007-07-05 Kobelco Eco-Solutions Co Ltd 汚染土壌浄化設備および汚染土壌浄化方法
JP2016211294A (ja) * 2015-05-12 2016-12-15 大成建設株式会社 拡散防止壁とその造成方法
CN116770901A (zh) * 2023-08-14 2023-09-19 水利部交通运输部国家能源局南京水利科学研究院 一种污染场地的双层竖向阻隔墙结构及主动调控方法

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