JPH10276575A - 自走式グリ−ン転圧用車両 - Google Patents

自走式グリ−ン転圧用車両

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JPH10276575A
JPH10276575A JP9106766A JP10676697A JPH10276575A JP H10276575 A JPH10276575 A JP H10276575A JP 9106766 A JP9106766 A JP 9106766A JP 10676697 A JP10676697 A JP 10676697A JP H10276575 A JPH10276575 A JP H10276575A
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Yoshiyuki Harui
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】少なくとも3本の小径長軸の転圧ローラー
を備え、該転圧ローラーにより自走可能なグリ−ン転圧
用車両において、該転圧ローラーの少なくとも2本は周
面を軟質材で被覆され、駆動及び操舵可能であり、少な
くとも他の1本は長手方向に相互に回転自由な、複数の
部分に分割された硬質又は軟質のローラーであることを
特徴とする自走式グリ−ン転圧用車両。 【効果】本発明の自走式グリ−ン転圧用車両は、グリー
ン上でも走行時と同様に、操舵ハンドルによりゴム等の
軟質材を被覆した、少なくとも2本の長軸の転圧ローラ
の軸角度を傾斜することにより、正確で滑らかな操舵操
作を容易に行えるようにし、更に他の硬質又は軟質の転
圧ローラーを、長手方向にほぼ等長の複数個の部分に分
割して、各個部分が自由に回転が可能としたことによ
り、操舵装置で操作された方向変換動作によって生じる
円弧運動の内外周長差を吸収して操舵効果を助けると同
時に、従来からの問題点であったグリーンの芝面損傷を
解決することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、走行用車輪によっ
てゴルフ場内を自走し、グリ−ン上では走行用車輪を挙
げ、転圧ローラーを接地してグリ−ン表面を整備する自
走式グリ−ン転圧用車両に関する。
【0002】
【従来の技術】グリ−ン表面の、プレイ及び更新作業に
よって生じた芝の表面の損傷を、転圧ロ−ラ−の転圧に
よって凹凸をならし、滑らかな好ましい状態に整備する
ためのローラー掛け装置には、多くの種類のものが利用
されているが、大別して目的地までの移動をそれ自体で
行う自走式タイプのもの、及び他の車両に積載されて運
搬されるタイプのものに区分される。後者は、移動に必
要な部材を持たないため構造が簡単で、故障や整備も容
易な反面、運搬のための別の車両を必要とし、荷台から
の挙げ下ろしの労力と時間のロスは避けがたい。しかも
転圧効果を高めるために、ロ−ラ−掛け装置の重量をか
なり大きくする必要から、その取扱いにはかなりの危険
を伴う。一方、前者は、移動に適した走行用車輪を備
え、目的地に到達した後、転圧ロ−ラーを接地させてロ
−ラー作業に入るため、他の運搬手段を必要とせず、そ
れ自身で全ての機能を具備するため便利であるが、構造
が複雑となり、運転・整備共に操作が煩雑で、コストと
熟練を要するという問題があった。更に両タイプに共通
した問題点として、操舵精度は決してよいものではな
く、方向変換によってローラー掛け装置が描く、円弧の
内外周長差による芝面のねじれは、グリーン表面の状態
を著しく損ねるものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の自走式転圧用
車両は、車体を希望する方向に、容易にしかも精度良く
操舵し、目的地までの走行とグリーン上での転圧作業と
の切替えを、労力を費やすこと無く短時間で容易に行
い、ローラー掛けを迅速に、無駄なく実施し、作業員の
疲労を軽減しつつ作業効率を向上し、芝面の乱れやねじ
れのないプレイに好適なグリーンを形成することにあ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】かかる問題解決のため、
本自走式グリーン転圧用車両の転圧ローラーは、走行車
輪より細径で軸方向に長いローラーを少なくとも3本備
え、その内の少なくとも2本はゴム、ポリウレタン等の
弾力性に富んだ耐久性の高い軟質材料で被覆され、グリ
ーン上でのスリップを防止して、安定な走行と確実な操
舵を可能にする。これらの機能を更に高めるには、軟質
材を被覆した転圧ローラーの本数を増すことが望ましい
が、通常は2本のゴム被覆ローラーにより、十分スリッ
プのない安定した走行と操舵が可能である。該転圧ロー
ラーを操舵する方法には特に制約はなく、例えば該ロー
ラーの回転軸を適当な支承手段によりフレームにセット
し、フレームのほぼ中央位置に上方に突き出したシャフ
トを設けてシャーシに回転可能に装着し、操舵軸からの
リンク機構によりシャーシに対して該フレームを該シャ
フトの回りに回転・傾斜せしめるようにしてもよい。又
該転圧ローラーをセットしたフレームの1端には、油圧
モーター等を設けて該転圧ローラーに回転軸回りの回転
駆動力を与えて、グリーン上で走行させることができ
る。転圧ローラーの少なくとも他の1本は、ローラー掛
け効果を高めるため、外表面を金属やセラミックス等の
硬質材料又はゴム等の軟質材料で作成するが、特に硬質
材料としてはアルミ材等が好適な材料である。該硬質又
は軟質のローラーを長手方向の複数部分に分割すること
は、本発明の要素技術として、特に重要である。ここ
で、該硬質又は軟質ローラーの分割数及び分割長さにつ
いて、特に制限はないが、一般的に見て、ローラー長が
1メ−トル近辺の場合、ほぼ等長の4つの部分に分割す
ることが好ましい。該長手方向に分割された硬質又は軟
質ローラーは、シャーシに対して回転軸が傾斜しない固
定状態に設置され、表面をゴム被覆された前記ローラー
の回転駆動により、自走する車体の移動に伴って従動的
に回転される。これらの転圧ローラーは、いずれも末端
に向かって細径化する外形形状をもち、走行用車輪の回
転軸と転圧ローラーの回転軸とは、相互に実質的に平行
又は直角に交差する形に配置される。
【0005】本自走式グリーン転圧用車両の操舵を可能
にするため、前記転圧ローラー及び前記走行用車輪の少
なくとも1つを操舵する必要があるが、それぞれのロー
ラーを独立した二つの操舵装置により、個別に操作して
もよいが、一つの操舵装置によって両ローラーを操舵可
能に連結し、各作業状況に応じてそれぞれの操舵操作が
切替えられるようにしてもよい。該操舵操作の切替え機
構については、任意の機構を選択し得るが、好例として
本発明の実施例に記載するように、切替えのための特別
な機構を持たず、走行用車輪を操舵機構と2本の鎖で連
結し、走行用車輪の昇降挙動と付随した鎖の緊張状態の
差異により、操舵操作の連結・遮断を行わしめてもよ
い。
【0006】本自走式グリーン転圧用車両の走行用車輪
は、車体を安定に保つために必要な個数の車輪をシャー
シの外縁に配置し、同軸上に配置された左右両輪を同速
度で駆動し、駆動力を持たない残りの車輪を回転自由に
保持して、操舵軸に連結する。走行用車輪を浮揚位置に
挙げると、シャーシの下側中央部に設けた転圧ローラー
が接地する。走行用車輪の昇降は、一つの油圧シリンダ
とピストンを用いてリンク結合により、全ての車輪が同
時的に操作され、最下の接地位置と最上の浮揚位置の二
ポジションで安定的に保持される。しかし、車体の安定
性が正常に保たれるのであれば、各個の走行用車輪を逐
次的、或いは複数のグループに分けて個別に昇降させて
も差し支えない。該車輪の走行及び昇降操作等全ての駆
動手段には、安定性に優れた油圧機構を用いるのが好ま
しく、動力源としてディ−ゼルエンジンの他、ガソリン
エンジン、電気モーター等を使用し得る。
【0007】
【作用】グリーン上の芝面は、なだらかな仕上がり状態
を必要とするが、ローラー掛け作業の際、ローラーの操
舵操作を誤ると、芝面をねじったり、ひどい時にはかじ
ったりする恐れがある。本発明の転圧ローラーでは、グ
リーン上でも走行時と同様に、操舵ハンドルによりゴム
等の軟質材を被覆した、少なくとも2本の長軸の転圧ロ
ーラの軸角度を傾斜することにより、正確で滑らかな操
舵操作を容易に行えるようにし、更に他の硬質又は軟質
の転圧ローラーを、長手方向にほぼ等長の複数個の部分
に分割して、各個部分が自由に回転が可能としたことに
より、操舵装置で操作された方向変換動作によって生じ
る円弧運動の内外周長差を吸収して操舵効果を助けると
同時に、上記の従来からの問題点であったグリーンの芝
面損傷を解決した。更に該転圧ローラーの両端を末端に
向かって若干小径化するテーパー形状とすることによ
る、ローラー掛けが重複した場合の芝面の過剰の凹みを
減少して、なだらかな仕上がりを確保する。
【0008】走行用車輪を支える支持アームの昇降動作
により、車体の安定性を保って、走行車輪を設置位置と
浮揚位置に移動させ、グリーン間の移動とグリーン上で
のローラー掛け作業間の移行を容易に、円滑に行うこと
が可能になる。該昇降機構の一つとして、例えば実施例
として後記するように、全支持アームの昇降動作を連結
するリンク機構とシャーシに固定された1個の油圧シリ
ンダとピストンによって、一斉に同時的に動作させると
車体の安定性を保持したまま、接地位置と浮揚位置の二
ポジション間を、短時間で円滑に移行し、両位置での支
持アームの固定も確実に行わせることができる。本発明
のグリーン転圧用車両の場合、走行用車輪の個数には特
に制約はないが、一般的にはゴルフ場内の未舗装の通路
に、車輪の重複通行による深い轍のつくことを避けるに
は、3個とする方が好ましい。又、旋回半径も小さい。
【0009】本自走式グリーン転圧用車両における、走
行用車輪と転圧ローラーの配置には、特に制限はなく、
走行用車輪も転圧ローラーも共に、回転軸を通常の車両
と同様に、操縦座席に対して左右方向に配置するのが一
般的であろう。しかし、車体形状が座席の前後方向に長
いような場合、1回のローラー掛け面積を大きくとるた
めに、長い転圧ローラーを車体の下に収容し、上方から
の落下物等による損傷を防いで、転圧ローラーの回転軸
を、車体の長さに合わせて座席の前後方向に配置するこ
とも可能である。本実施例では、走行用車輪の回転軸を
座席の左右方向に、軸方向に長い転圧ローラーの回転軸
を座席の前後方向に配置した例を示す。本配置により、
グリーン上の車体の移動は、操縦者の左右方向となり、
操縦者は芝面をハンドル等の障害物なしに、直下に観察
しながら作業を進めることができ、ローラー掛け作業に
は好適である。
【0010】本発明の転圧用車両の操舵用ハンドルは、
操舵軸を介して走行用前輪と2本のチェーンにより、又
転圧ローラーのローラー取付けフレームとはリンク機構
により連結されている。走行用前輪が走行位置にある場
合には、操舵軸から前輪の支持アームに伸びる左右2本
の連結チェーンはほぼ緊張状態にあって、操舵軸の回転
が左右いずれかのチェーンを引張って前輪に伝達され
る。この動きは、同時にリンク機構で操舵軸下部に連結
された転圧ローラーにも伝達されるが、転圧ローラーは
接地状態にないため操舵効果は持たない。走行用車輪が
浮揚位置に移動すると、前輪用支持アームがシャーシ側
に回転して操舵軸に接近して連結チェーンが緩むため、
操舵軸の回転はチェーンの緩みに吸収されて伝達されな
い状態となる。一方、走行用車輪が浮揚位置に移動する
と、代わって転圧ローラーが接地し、操舵軸の操作を受
けて転圧ローラー回転軸が傾斜し、グリーン上での方向
転換が可能となる。
【0011】本発明の自走グリーン転圧用車両では、車
体上部に操縦用の座席を設けることが好ましい。作業者
がこの操縦用の高い位置の座席に座ることにより、これ
まで車体の一部に妨げられて十分に見通し難かった前方
の視野を確保し、芝面の状況をしっかり観察して操舵
し、グリーン上の往復移動時のローラー掛け端面の接続
を的確に行うため、特に下り勾配の斜面に向かって進行
する場合でも、高い視点から確実に見通すことによっ
て、ローラー掛け作業の重複も抜けも減少することがで
き、整地効率の向上と均整化が図れるようになる。また
作業時の歩行が不要になって、作業者の疲労も大幅に軽
減される。作業者を搭乗可能にしたため、転圧ローラー
の加圧効果が、作業者自身の重量によって増大する効果
も生まれるようになる。
【0012】
【実施例】図1に本発明の自走式グリーンローラー1を
概略斜視図で示す。本車両は、作業員座席2の後方に設
けたエンジン3により、座席側面の操作パネル4上の電
磁弁切替えスイッチの操作により、油圧回路を経てそれ
ぞれ回転軸上に油圧モーターを備えた2個の走行車輪6
に油圧を送り前後進走行する。グリーン上では、図2に
示すように走行用車輪をシャーシ斜め上方の浮揚位置に
挙げ、車体下部に設けた3本の転圧ローラーにより、横
方向に移動しつつローラー掛け作業を行う。作業員用の
座席2は、車体上部に設けられ、作業員は広い視野で周
囲を眺め、移動及びローラー掛け等の作業を進めること
ができ、特に進行方向が下り坂になっている場合などで
は、この座席位置からの広い視野は、車体操作上極めて
有効である。操舵用ハンドル7は、両端に操作用グリッ
プ8、8’を備え、途中で座席の方へ僅かに湾曲した操
舵軸9がシャーシ10に回転自由に支承される。図3に
示すように、操舵軸9の下部に固定された左右方向に伸
びるアーム11と、前輪支持ブラケット15に前輪支持
アーム16を支承する回転軸14の上端に固定されたア
ーム13とを対向した位置に配置する。二つのアーム
は、それぞれの両端の間にほぼ直線的に張られた2本の
チェーン12、12’ で連結され、ハンドルグリップ
の転回操作が、前輪に伝達されて車体を操舵する。前輪
支持ブラケット15は、シャーシ10の前面に設けられ
た軸受けブロック17にシャフト18により支承され、
前輪を図1に示す接地位置から図2に示す浮揚位置に移
動する際、後述するようにシャフト18を回転軸とし
て、時計針方向に回転される。操舵軸9は、破線で示す
シャーシ10の下方に伸び、下端で片方向のア−ム19
が前記アーム11に対して平行に固定され、リンクロッ
ド20、21を経てゴム被覆転圧ローラー22、22’
の取付けフレーム24の回転中心位置に設けられたブ
ラケット25に連結される。取付けフレーム24は、ブ
ラケット25の中心点から上方に突出する回転軸26に
より、シャーシ10に固定される。
【0013】本実施例で使用する転圧ローラーは、ゴム
を被覆した2本の駆動ローラー22、22’ と1本の
固定ローラー23を、互いに平行に、走行用車輪の回転
軸に対して直角に配置する。固定ローラーのシャフト3
4は、図示しないブラケットによりシャ−シ10に固定
され、駆動源を持たないが、2本のゴム被覆ローラー2
2、22’ は、各々の回転軸27、27’ をローラ
ー取付けフレーム24の両端から両側に突出した一対の
ブラケット28、28’ 、29、29’ により支承
される。ハンドルグリップ8、8’の操作は、リンク2
0の矢印A方向の運動になり、ローラー取付けフレーム
24の矢印B方向の揺動運動に変換され、ゴム被覆転圧
ローラー22、22’ の回転軸27、27’ を傾斜
させ、車体のグリーン上での操舵が行われる。2本のゴ
ム被覆ローラーは、取付けフレーム24の一端に固定し
た油圧モーター30の回転軸上のギア31から、チェー
ン33で駆動されるゴム被覆ローラー回転軸に固定され
たギア32、32’ により同方向に回転され、車体を
作業者の横方向に進行させる。ここでハンドルグリップ
8、8’を転回すると、図4に3本の転圧ローラーのみ
を模式的に示すように、左手方向進行の場合はハンドル
7の左端の指す方向に、右手方向進行の場合はハンドル
7の右端の指す反対方向に、車体はゆっくり旋回する。
【0014】ここでゴム被覆ローラーを2本にしたの
は、ローラー本数の増加により転圧圧力が分散されて、
マイルドな圧接効果が得られることと、操舵効果を高め
るためである。固定ローラー23は、操舵によって発生
する円弧運動の内外周長差による芝面のねじれを防ぐた
めに、ローラーの長手方向に4部分に分割する。各個の
ローラーは、図6に示すように、車体の長手方向に固定
された共通のシャフト34上に、それぞれベアリングや
ドライメタル等の適当な自由回転手段51で支承し、相
互の回転を干渉しない距離を、例えば適当な厚さのカラ
ー等を挟むことにより設けて配置し、両側からもカラー
等で軸方向のずれを防止すると、進行方向を湾曲させる
時に生じる内外周長差は4つの部分の自由回転ローラー
の回転数の差によってスムースに吸収され、操舵効果を
高めるばかりでなく芝面に異常部分を発生させることも
なく、優れたローラー掛け効果が得られるのである。こ
こで固定ローラーの分割数には特に制約はなく、ローラ
ーを長くする程分割数を多くすべきであるが、ローラー
長さを約1000 mm に設定した本実施例の場合、
4分割が好適であった。ローラーを余り長くすると、グ
リーン上の微妙なアンギュレーションに追随できない場
合も起きるため、通常本実施例程度の長さと分割数が好
適である。転圧ローラーの外形形状として、中央部分を
平坦な円筒形状とし、両端を僅かに小径化することが好
ましい。これはローラー掛けをした芝の両端部分が、往
復の繰り返しローラー転圧によって、中央部分より強く
圧迫されることを防ぐためである。このために例えば長
さ約 1000mm 、中央部分の直径約150 mm
のローラーの場合、両端の約 100〜200 mmの
部分の、直径を約10±2mm程度減少するのが好まし
い。本実施例の固定転圧ローラーは、図6に示すよう
に、全長 960 mm の固定ローラーをほぼ等長の
4つの部分に分割し、中央に挟まれた2部分23’ は
直径140mm の円筒形とし、両端の部分23’’の
中央部分側は同径の140mm とし、末端から130
mm の部分から次第に小径化した円筒と円錐台を接合
した形状とし、末端の直径を130mm として、良好
な結果を得た。ただしグリーンの仕上げ面の均整さを重
視するため、入念にローラー掛けする必要があるような
場合には、両側の2部分23’’全体を小径化するよう
なテーパー状として重複部分を大きくとってローラー掛
けしてもよい。この両端細径化形状は、固定ローラーば
かりではなく、ゴム被覆ローラーにも適用すべきであ
り、それによって更に好ましいローラー掛け効果が得ら
れることになる。
【0015】図5に走行用車輪の昇降機構を示す。車体
の斜め後方に支持アーム36、36’の一端に支承され
た後輪6、6’は、それぞれ給油パイプで直列接続され
た油圧モータの軸上に固定される。支持アーム36、3
6’ は、シャフト35によって連結され、シャフト3
5の両側部分の少なくとも2か所で、シャーシ10に固
定される軸受けブロック37、37’ によって回転自
由に支承される。シャフト35の中間部に設けられた二
つの突起状ブロック38、39には各々小孔が設けられ
ており、それぞれの小孔を貫く細径ピンにより、ブロッ
ク38は油圧シリンダ41のピストンロッド40の先端
が連結される。シャーシに固定されたシリンダ41の押
出圧力により、ピストンロッド40は最先端位置に保持
され、後輪支持アーム36、36’ を接地位置に固定
するが、シリンダ41の吸引圧力を受けて最後端位置に
引き込まれると、ブロック38を介してシャフト35を
反時計針方向に回転し、それに結合された後輪支持アー
ム36、36’ を同方向に円弧運動させ、後輪6、
6’を浮揚位置まで持ち挙げる。シャフト35の反時計
針方向の回転運動は、ブラケット39の小孔に細径ピン
で連結されたU字型ジョイントをもったロッド43にジ
ョイントで連結されたL字型ロッド44を前輪方向に押
し、軸受けブラケット45に支承された中間シャフト4
6を時計針方向に回転し、シャフト46から突起したL
字型ロッド47を前輪方向へ押し、U字型ジョイント4
8で連結されたロッド49を前方へ押し出し、ロッド4
9の先端でピン結合されたレバー50の先端を押して、
シャフト18の回りに時計針方向に回転させる。シャー
シ前面に突出した軸受けブラケット17に支承されたシ
ャフト18は前輪支持ブラケット15の後端面に結合さ
れているため、レバー50のシャフト18を中心とした
時計針方向の回転は、支持ブラケット15を時計針方向
に回転して、前輪支持アーム16と共に前輪5を浮揚位
置に持ち挙げ固定する。走行用車輪が浮揚位置に持ち挙
げられると、シャーシの下面に設けられた転圧ローラー
が接地され、ローラー作業に入れる状態となる。支持ブ
ラケット15の回転により、操舵軸9のアームから伸び
ていた2本のチェーン12、12’は緩められ、操舵軸
の回転を伝達する機能を失い、前輪5は浮揚位置で操舵
機構の影響を受けることなく、静止した状態に保持され
る。グリーンでのローラー作業を終え、次のグリーンに
向けて走行移動するには、上記とは逆に油圧シリンダ4
1のピストンロッド40を最先端位置に移動すると、上
述のリンク運動が逆に進行して浮遊位置に保持された走
行用車輪は、全て走行位置に戻って固定され、転圧ロー
ラーは地面から離れた状態に保持され、走行可能な態勢
となる。本自走式グリーン転圧用車両の全ての駆動力
は、座席2の後方に搭載したエンジン3を座席の足元前
方に配置されたペダル(図示せず)で操作し、操作パネ
ル4上に装備されたスイッチを切替えることにより、前
後進走行、走行車輪の昇降、ローラー走行によるグリー
ンの整備を手軽に、効率的に、仕上がり状態も良好に実
施することができ、従来のローラー転圧作業に比べて3
割以上の時間短縮が可能となり、しかも作業員の労働に
よる疲労もはるかに軽減され得る等、多大の効果を発揮
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本自走式グリーン転圧用車両の走行状態を示す
斜視図である。
【図2】本自走式グリーン転圧用車両のローラ掛け状態
を示す斜視図である。
【図3】本自走式グリーン転圧用車両の操舵機構を説明
するための概略斜視図である。
【図4】本自走式グリーン転圧用車両のグリーン上で
の、転圧ローラーによる操舵原理を示す説明図である。
【図5】本自走式グリーン転圧用車両の走行車輪の昇降
機構を説明するための概略斜視図である。
【図6】4部分に分割された硬質表面の転圧ローラーの
側断面図である。
【符号の説明】
1 自走式グリーン転圧用車両 2 座席 3 エンジン 4 操作パネル 5 走行用前輪 6 走行用後輪 7 操舵用ハンドル 8、8’操舵グリップ 9 操舵軸 10 シャーシ 11 、13 操舵用アーム 12、12’ 操舵用チェーン 14 前輪操舵用回転軸 15 前輪支持ブラケット 16 前輪支持アーム 17 軸受けブロック 18 前輪支持ブラケット用シャフト 19 後輪操舵用アーム 20、21 後輪操舵用ロッド 22、22’ ゴム被覆転圧ローラー 23 固定転圧ローラー 24 ゴム被覆転圧ローラー取付けフレーム 25 ブラケット 26 回転軸 27、27’ 、34 転圧ローラー回転軸 28、28’ 、29、29’ 支持ブラケット 30 油圧モーター 31、32、32’ ギア 33 チェーン 35 シャフト 36、36’ 走行用後輪支持アーム 37 軸受けブロック 38、39 ブロック 40 ピストンロッド 41 油圧シリンダ 42、48 U字形ジョイント 43 ロッド 44、47 L字型ロッド 45 軸受けブラケット 46 中間シャフト 49 ロッド 50 レバー 51 ベアリング 52、52’ カラー

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも3本の小径長軸の転圧ローラ
    ーを備え、該転圧ローラーにより自走可能なグリ−ン転
    圧用車両において、該転圧ローラーの少なくとも2本は
    周面を軟質材で被覆され、駆動及び操舵可能であり、少
    なくとも他の1本は長手方向に相互に回転自由な、複数
    の部分に分割された硬質又は軟質のローラーであること
    を特徴とする自走式グリ−ン転圧用車両。
  2. 【請求項2】 硬質の転圧ローラーは、長手方向に相互
    に回転自由な、少なくとも4部分に分割された請求項1
    記載の自走式グリ−ン転圧用車両。
  3. 【請求項3】 転圧ロ−ラーは、いずれも中央部分が平
    坦な円筒形をなし、両端に向かって小径化する外形形状
    を有することを特徴とする請求項1及び2記載の自走式
    グリ−ン転圧用車両。
  4. 【請求項4】 走行用車輪と、少なくとも3個の小径長
    軸の転圧ローラーを備え、該走行用車輪は接地と浮揚の
    二位置間を昇降し、各位置での固定が可能であり、目的
    地まで該走行用車輪で移動し、目的地では該走行用車輪
    を浮揚位置に挙げ、前記転圧ローラーにより自走するこ
    とを特徴とする請求項1、2及び3記載の自走式グリ−
    ン転圧用車両。
  5. 【請求項5】 車体の上部に設けた操縦席に座った位置
    から見て、走行用車輪の回転軸を左右方向に向け、転圧
    ロ−ラーの回転軸を前後方向に向けて配置することを特
    徴とする請求項1、2、3及び4記載の自走式グリ−ン
    転圧用車両。
  6. 【請求項6】 走行用車輪を支持するアームは、操舵軸
    に固定されたアームに対して、少なくとも2本の金属製
    チェ−ンで連結され、該走行用車輪が接地位置にある時
    は、該チェ−ンはいずれもほぼ緊張状態にあり、該走行
    用車輪が浮遊位置にある時は該チェ−ンはいずれも弛緩
    状態に保たれることを特徴とする請求項1、2、3、4
    及び5記載の自走式グリ−ン転圧用車両。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002176821A (ja) * 2000-08-22 2002-06-25 Textron Inc 二枚刃式回転型芝刈機
JP2011505819A (ja) * 2007-12-13 2011-03-03 レデキシム・ハンデル−エン・エクスプロイタティーマートスハーペイ・ベスローテン・フェンノートシャップ 土壌通気装置
JP2013507133A (ja) * 2009-10-15 2013-03-04 トゥルー−ターフ ピーティーワイ リミテッド ローラ清掃アセンブリ
WO2017136889A1 (en) * 2016-02-10 2017-08-17 Graden Industries Pty Ltd Greens roller

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