JPH10275193A - アナログ乗算器 - Google Patents

アナログ乗算器

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JPH10275193A
JPH10275193A JP8105597A JP8105597A JPH10275193A JP H10275193 A JPH10275193 A JP H10275193A JP 8105597 A JP8105597 A JP 8105597A JP 8105597 A JP8105597 A JP 8105597A JP H10275193 A JPH10275193 A JP H10275193A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ひずみや混変調ひずみの発生がなく、ビデオ
帯や中間周波数帯のミキサや位相検波等に適した広帯域
アナログ乗算器を、小規模CMOS回路で提供する。 【解決手段】 乗算動作に必要な加減算信号を無ひずみ
で供給する加算回路11を備えているため、中心となる
M1 〜M4 のMOSトランジスタの出力からは2つの入
力信号電圧Vx ,Vy の積に比例した電流が得られ、不
要な高周波ひずみや入力信号のひずみに起因する混変調
ひずみを抑えることができ、理想的なアナログ乗算動作
が実現できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、MOS型半導体
集積回路においてアナログ信号処理を行う場合の基本と
なるアナログ乗算器に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、デジタル機器の増大とデジタル信
号処理技術の進歩によってデジタル信号処理に適したC
MOS集積回路が半導体市場の大部分を占めるようにな
ってきている。ところが、映像や音声は入出力信号がア
ナログであるため、アナログで処理する方が簡単であっ
たり、デジタルで処理する場合でもA/D、D/A変換
やその前後のフィルタ処理およびクロック発生のための
発振器などにアナログ回路が必要である。
【0003】アナログ回路にはバイポーラが向いてお
り、CMOSはアナログスイッチやサンプルホールドな
どの一部の回路を除いては不向きとされてきた。しか
し、バイポーラやBiCMOSプロセスはややコスト高
になる上、CMOSでのデジタルアナログ混載による1
チップ化という要求が強く、CMOSでアナログ信号処
理を行うための回路開発が盛んになってきている。
【0004】アナログ信号処理で頻度が高く、トータル
性能に大きな影響を及ぼす重要な機能として「アナログ
乗算器」がある。バイポーラでは「ダブルバランス回
路」と呼ばれる便利な組み合せトランジスタ回路があ
る。多くの場合、これを用いてアナログ乗算器を構成
し、ミキサ回路や位相検波器に利用している。ところ
が、CMOSでアナログ乗算器を作る場合、単にバイポ
ーラをCMOSに置き換えた回路やその変形回路では必
ず大きな高調波ひずみや混変調ひずみを発生する、とい
う問題がある。これはCMOS素子が通常アナログ回路
で利用する飽和領域(ピンチオフ領域)で本質的に2乗
特性を有するということと、素子のトランスコンダクタ
ンス(Gm)がバイポーラに比べてずっと低いため、バ
イポーラでポピュラーな「抵抗による線形化」が難しい
ことに起因している。
【0005】そこで、CMOSでアナログ乗算器を構成
する手法として、図13に示す回路構成が知られてい
る。この回路はMOSトランジスタM1 、M2 、M3 、
M4 の4つのCMOS素子で構成する組み合せトランジ
スタ回路であり、各トランジスタのソースを定電圧点V
s に接続している。トランジスタM2 には2つの入力の
和信号「Vx +Vy 」を、トランジスタM3 には2つの
入力の和の反転信号「−Vx −Vy 」を、それぞれ入力
する。これらのトランジスタのドレインを接続して第1
の出力電流Io1としている。トランジスタM4 には2つ
の入力の差信号「Vx −Vy 」を、MOSトランジスタ
M1 には2つの入力の差の反転信号「−Vx +Vy 」
を、それぞれ入力する。これらのトランジスタのドレイ
ンを接続して第2の出力電流Io2としている。
【0006】ここで、この回路動作を計算するにあたっ
て、全MOSトランジスタはいずれも飽和領域(ピンチ
オフ領域)で動作しているものとし、簡単のために短チ
ャネル効果は考慮しないものとする。また、各MOSト
ランジスタへの4つの入力はその直流電圧は等しい電圧
VB であるとする。この時、各MOSトランジスタの特
性は主要なパラメータであるkとVthを用いて、 I=(k/2)(VGS−Vth)2と表わすことができ
る。ここで、kはゲート幅をW、ゲート長をL、ゲート
容量をCox、チャネルのキャリア移動度をμとして「μ
CoxW/L」で表わされる定数である。この記述式に従
って、M1 〜M4 の各MOSトランジスタの動作は次の
ように表すことができる。
【0007】 M1:I11=(k/2)(−Vx +Vy +VB −Vs −Vth)2 …(1) M2:I12=(k/2)(Vx +Vy +VB −Vs −Vth)2 …(2) M3:I21=(k/2)(−Vx −Vy +VB −Vs −Vth)2 …(3) M4:I22=(k/2)(Vx −Vy +VB −Vs −Vth)2 …(4) ここで、出力電流Io1−Io2を計算すると、 Io1−Io2=(I12+I21)−(I11+I22) =(I12−I22)−(I11−I21) =2kVy(Vx +VB −Vs −Vth) −2kVy(−Vx +VB −Vs −Vth) =4kVx Vy … (5) となる。この式(5)から明らかなように、上記差電流
Io1−Io2を出力とすると、この電流は2つの入力信号
Vx とVy の積に比例することになり、アナログ乗算し
た出力が得られることになる。また、図13のそれぞれ
の出力端子と例えばVccとの間に抵抗を接続すれば、出
力端子間には2つの入力信号Vx とVy の積に比例した
電圧出力を得ることができる。このように、図13の回
路は4つのCMOS素子によってアナログ演算セルとし
て動作する。
【0008】しかしながら、実際にはこの回路の入力に
は2つの入力信号とその反転信号の組み合せによる加算
回路が必要である。実はCMOSではこのような加算回
路の実現が難しい。例えば図14に示したような抵抗分
割による加算回路が考えられるが、これはCMOSトラ
ンジスタM5 〜M8 の素子そのものの2乗特性によって
加算出力に2次ひずみを重畳してしまう。これは先に述
べた、素子のトランスコンダクタンス(Gm)がバイポ
ーラに比べてずっと低いためバイポーラでポピュラーな
「抵抗による線形化」が難しいということに起因してい
る。
【0009】図14のCMOSトランジスタM5 〜M8
の代わりに、CMOSオペアンプをボルテージホロワ接
続にした回路を用いる方法もあるが、これはCMOSオ
ペアンプの周波数帯域の制約によって低い周波数でしか
利用できず、ビデオ帯域や中間周波数(IF)の帯域で
はやはりひずみ発生や振幅低下などの問題を伴うため実
用的でない。オペアンプを用いると素子数が増加して回
路規模が大きくなってしまう、という点も問題であっ
た。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】以上述べてきたよう
に、従来、アナログ乗算器をCMOSだけで実現しよう
とすると、必ず大きなひずみや混変調ひずみを発生する
ことになり、信号品位を著しく劣化させることが避けら
れなかった。
【0011】この発明の目的は、ひずみや混変調ひずみ
の発生がなく、ビデオ帯や中間周波数帯のミキサや位相
検波等に適した広帯域アナログ乗算器を、小規模CMO
S回路で提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明においては、上
記課題を解決するため、第1および第2の入力はそれぞ
れ位相が互いに反転の関係にある正極信号と負極信号か
らなる差動信号であり、それぞれソース接地接続された
第1の電界効果トランジスタとドレイン接地接続された
第2の電界効果トランジスタとからなり、前記第1の電
界効果トランジスタのドレイン電流を、前期第2の電界
効果トランジスタのソース端子に入力するように構成
し、前記第1の電界効果トランジスタのゲートを第1の
入力端子とし、前記第2の電界効果トランジスタのゲー
トを第2の入力端子とし、第2の電界効果トランジスタ
のソースを出力端子する第1〜第4の加算回路とを備
え、前記第1の加算回路の第1の入力端子と前記第3の
加算回路の第1の入力端子に第1の入力の正極信号を入
力し、前記第2の加算回路の第1の入力端子と前記第4
の加算回路の第1の入力端子に第1の入力の負極信号を
入力し、前記第1の加算回路の第2の入力端子と前記第
2の加算回路の第2の入力端子に第2の入力の正極信号
を入力し、前記第3の加算回路の第2の入力端子と前記
第4の加算回路の第2の入力端子に第2の入力の負極信
号を入力し、前記第1の加算回路の出力信号を第3の電
界効果トランジスタのゲートソース間に印加し、前記第
2の加算回路の出力信号を第4の電界効果トランジスタ
のゲートソース間に印加し、前記第3の加算回路の出力
信号を第5の電界効果トランジスタのゲートソース間に
印加し、前記第4の加算回路の出力信号を第6の電界効
果トランジスタのゲートソース間に印加し、結果として
第3の電界効果トランジスタのドレイン電流と第6の電
界効果トランジスタのドレイン電流の和と、第4の電界
効果トランジスタのドレイン電流と第5の電界効果トラ
ンジスタのドレイン電流の和との差電流かまたはこの差
電流に比例する差電圧を出力してなることを特徴とす
る。
【0013】また、第1および第2の入力はそれぞれ位
相が互いに反転の関係にある正極信号と負極信号からな
る差動信号であり、第1の入力端子と第2の入力端子を
備える第1〜第4の加算回路を有し、前記第1の加算回
路の前記第1の入力端子と前記第3の加算回路の前記第
1の入力端子に前記第1の入力の正極信号を入力し、前
記第2の加算回路の第1の入力端子と前記第4の加算回
路の前記第1の入力端子に前記第1の入力の負極信号を
入力し、前記第1の加算回路の前記第2の入力端子と前
記第2の加算回路の前記第2の入力端子に前記第2の入
力の正極信号を入力し、前記第3の加算回路の前記第2
の入力端子と前記第4の加算回路の前記第2の入力端子
に前記第2の入力の負極信号を入力し、前記第1の加算
回路の出力信号を前記第3の電界効果トランジスタのゲ
ートソース間に印加し、前記第2の加算回路の出力信号
を前記第4の電界効果トランジスタのゲートソース間に
印加し、前記第3の加算回路の出力信号を前記第5の電
界効果トランジスタのゲートソース間に印加し、前記第
4の加算回路の出力信号を前記第6の電界効果トランジ
スタのゲートソース間に印加し、前記第3および第6の
電界効果トランジスタのそれぞれのドレイン電流の和か
ら、前記第3〜第6までの電界効果トランジスタのそれ
ぞれのドレイン電流の平均電流の2倍の電流を引いた電
流を第1の電流出力とし、前記第4および第5の電界効
果トランジスタのそれぞれのドレイン電流の和から前記
第3〜第6までの電界効果トランジスタのそれぞれのド
レイン電流の平均電流の2倍の電流を引いた電流を第2
の電流出力とし、前記第1および第2の電流出力との差
電流かまたはこの差電流に比例する差電圧が出力とする
手段を有することを特徴とする。
【0014】さらに、第1の入力は位相が互いに反転の
関係にある正極信号と負極信号からなる差動信号であ
り、第2の入力は位相が互いに反転の関係にある正極信
号と負極信号からなる差動信号であり、第1の入力端子
と第2の入力端子を備える第1および第2の加算回路を
有し、前記第1の加算回路の前記第1の入力端子に前記
第1の入力の正極信号を入力し、前記第2の加算回路の
前記第1の入力端子に前記第1の入力の負極信号を入力
し、前記第1の加算回路の前記第2の入力端子と前記第
2の加算回路の前記第2の入力端子に前記第2の入力の
正極信号または負極信号を入力し、前記第1の入力の負
極信号を第3の電界効果トランジスタのゲートソース間
に印加し、前記第1の入力の正極信号を第4の電界効果
トランジスタのゲートソース間に印加し、前記第1の加
算回路の出力信号を第5の電界効果トランジスタのゲー
トソース間に印加し、前記第2の加算回路の出力信号を
第6の電界効果トランジスタのゲートソース間に印加
し、前記第3および記第6の電界効果トランジスタのそ
れぞれのドレイン電流の和から前記第3〜第6の電界効
果トランジスタのそれぞれのドレイン電流の平均電流の
2倍の電流を引いた電流を第1の電流出力とし、前記第
4および第5の電界効果トランジスタのそれぞれのドレ
イン電流の和から第3〜第6の電界効果トランジスタの
それぞれのドレイン電流の平均電流の2倍の電流を引い
た電流を第2の電流出力とし、前記第1の電流出力と前
記第2の電流出力との差電流かまたはこの差電流に比例
する差電圧が出力とする手段を有することを特徴とす
る。
【0015】上記したような4組または2組の加算回路
を用いることにより、CMOSを用いたアナログ乗算に
必要な2つの入力信号とその反転信号の組み合せによる
4つの加減算信号を無ひずみで得ることができる。これ
は加算回路を形成する第1の電界効果トランジスタで第
1の入力信号に対しソース接地アンプを構成し、ここで
MOS素子の2乗特性によって変換された2乗電流を、
負荷側の第2の電界効果トランジスタのソース端子で受
けることにより、やはりMOS素子の2乗特性によって
電圧としては、ルート圧縮した形で第1の入力信号を取
り出すことになるからである。ここで第2の電界効果ト
ランジスタはドレイン接地接続なので、そのゲートに与
える第2の入力信号はそのままソース端子へ出力する。
【0016】従って、結果として第2の電界効果トラン
ジスタのソース端子には第1の入力信号と第2の入力信
号との差が無ひずみで取出せることになる。このような
加算回路を4組または2組用意し、これで2つの入力信
号とその反転信号の組み合せによる4つの加減算信号を
作って、従来の4つのMOSトランジスタの組み合わせ
回路に入力することによりそのドレイン端より、理想的
なアナログ乗算結果を出力することができるものであ
る。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態につ
いて、図面を参照しながら詳細に説明する。この発明の
実施の形態を説明する前に、この発明に係るアナログ乗
算器の加算回路11について図1を用いて説明する。こ
の回路は入力の異なる4組の同一回路からなり、各回路
で2入力の加算を行う。各単位回路は同一の導伝性の第
1および第2のMOSトランジスタからなる。ここでは
NMOS型トランジスタで構成した例を示している。ま
た、右側に示す図は、左側の回路図をブロック図として
示している。
【0018】第1のMOSトランジスタのソースを接地
GNDに接続し、第2のMOSトランジスタのドレイン
を電源Vccに接続し、第1のMOSトランジスタのドレ
インを第2のMOSトランジスタのソースに接続し、こ
の端子を加算出力とし、加算入力は各MOSトランジス
タのゲートに入力する。これらの各単位回路のうち第1
のMOSトランジスタをM5 、第2のMOSトランジス
タをM9 で構成する第1の加算回路について出力信号を
計算する。
【0019】この回路動作を計算するにあたっての前提
条件として、各MOSトランジスタM5 ,M9 は同一形
状であり、いずれも飽和領域(ピンチオフ領域)で動作
しているものとする。簡単のため短チャネル効果は考慮
しないものとする。入力信号は互いに逆位相の関係にあ
る1対の差動信号であり、2入力の信号分(交流分)は
それぞれ(Vx ,−Vx )、(Vy ,−Vy )と表わさ
れるものとする。入力信号の直流分はそれぞれVBx、V
Byであるとする。MOSトランジスタの特性は、主要な
パラメータであるkとVthの値を用いて、 I=(k/2)(VGS−Vth)2 と表わすことができる。ここで、kはゲート幅をW、ゲ
ート長をL、ゲート容量をCox、チャネルのキャリア移
動度をμとして「μCoxW/L」で表わされる定数であ
る。この記述式を用いて、M5 とM9 の各MOSトラン
ジスタの動作次のように記述できる。
【0020】 M5:I5 =(k/2)(Vx +VBx−Vth)2 … (6) M9:I9 =(k/2)(Vy +VBy−Vout −Vth)2 … (7) ここで、明らかにI5 =I9 だから、(6)と(7)よ
り、 (Vx +VBx−Vth)=(Vy +VBy−Vout −Vth) Vout =−Vx +Vy +(VBy−VBx) … (8) となる。(8)式の括弧内は直流項なので、出力の信号
分は「−Vx +Vy 」となる。これはMOSトランジス
タM5 の入力を反転したものとMOSトランジスタM9
の入力とを加算する、という結果になっている。この式
からも明らかなように、この加算回路ではひずみは全く
発生しない。なお、この回路は厳密には2つの信号の
「減算」をしていることになるが、2つの信号を足し合
わすという意味で、以下では便宜上統一して「加算回
路」と呼ぶことにする。実際の演算としては「減算」も
含めて意味する。
【0021】同様にして、各単位回路のうち第1のMO
SトランジスタをM6 、第2のMOSトランジスタをM
10で構成する第2の加算回路では出力の信号分が「Vx
+Vy 」、第1のMOSトランジスタをM7 、第2のM
OSトランジスタをM11で構成する第3の加算回路では
出力の信号分が「−Vx −Vy 」、第1のMOSトラン
ジスタをM8 、第2のMOSトランジスタをM12で構成
する第4の加算回路では出力の信号分が「Vx −Vy 」
となる。このように、図1に示した4組の単位加算器か
らなる回路を用いることにより、CMOSを用いたアナ
ログ乗算に必要な2つの入力信号とその反転信号の組み
合せによる4つの加減算信号を無ひずみで得ることがで
きる。
【0022】図2は、図1で説明した加算回路11を、
図13の基本回路に適用してアナログ乗算器を構成し
た、この発明の第1の実施の形態について説明するため
の回路図である。
【0023】この実施の形態では、図13の基本回路の
入力として必要な、2つの入力差動信号を基にした4つ
の加減算信号を図1の加算回路11で生成して図13の
回路に入力できるようにしたものである。上述したよう
に、加算回路11にて図13の基本回路に必要な加減算
信号を無ひずみで生成できるので、中心となるM1 〜M
4 のMOSトランジスタで(1)〜(4)式が成り立
ち、出力電流のIo1−Io2は(5)式で表わされるよう
に、2つの入力信号電圧の積に比例した電流出力が得ら
れることになる。
【0024】図3は、この発明の第2の実施の形態につ
いて説明するための回路図である。図2の実施の形態で
は、基本となる差動トランジスタをNMOSで構成した
が、この実施の形態は、上下反転させて電源Vccを接地
GNDに、GNDをVccに、NMOSをPMOSに置き
換えたものである。このように、置き換えた場合でも全
く同じ動作をするアナログ乗算器を構成することができ
る。動作としては、図2と全く同様である。
【0025】次に図4を用い、この発明の第3の実施の
形態について説明する。図2の実施の形態では加算回路
11の出力である、2つの入力差動信号の加減算信号を
演算動作の中心となるM1 〜M4 の4つのMOSトラン
ジスタのゲートに加えた。ところで(1)〜(4)式か
らも明らかなように、上記加減算信号を4つのMOSト
ランジスタのゲートソース電圧の変化となるように加え
ることでアナログ乗算の演算を果たす。図2の例ではこ
れらのMOSトランジスタの各ソースを接地GNDに接
続しているため、ゲートに加えることでアナログ乗算を
実現した。
【0026】この実施の形態は、4つのMOSトランジ
スタのゲートを共通の基準電位に接続し、各加減算出力
を各MOSトランジスタのソースに供給してアナログ乗
算の機能を実現したものである。この実施の形態の場合
も、動作的には図2の実施の形態と全く同様となること
は容易にわかる。
【0027】図5は図2のアナログ乗算器を位相検波器
として用いた、この発明の第4の実施の形態である。位
相検波では図2のアナログ乗算器の電流出力の差を取
り、シングルにして出力するのが普通である。このため
に電流出力の一方(この例ではIo2)をカレントミラー
で折り返してもう一方の電流出力(この例ではIo1)に
足し込んで、差電流Iout を取り出している。
【0028】図6は図2のアナログ乗算器をミキサや周
波数変換器として用いた第5の実施の形態である。これ
らの用途では出力を電圧として取り出すので、図2の回
路の出力端に負荷抵抗R1,R2を付けて電圧出力にし
ている。
【0029】以上は各加算回路からの4つの出力が同振
幅となるようなバランス信号であることを前提とした
が、実際には各加算回路からの出力は振幅が多少異なる
ものであってもかまわない。厳密には、4つの加算回路
の出力でVy の振幅が全て等しく、Vx の振幅が第1の
加算回路と第3の加算回路で等しく、第2の加算回路と
第4の加算回路で等しければ、Vx の振幅は前者と後者
で違っていても、乗算後の出力振幅は変わるが乗算結果
に非理想分(ひずみや混変調)が発生することはない。
【0030】同様にVx の振幅が全て等しく、Vy の振
幅が第1の加算回路と第2の加算回路で等しく、第3の
加算回路と第4の加算回路で等しければVy の振幅は前
者と後者で違っていても、乗算後の出力振幅は変わるが
乗算結果に非理想分(ひずみや混変調)が発生すること
はない。これは前述の(1)〜(4)式を用いた計算に
おいて上述の条件にそってVx かVy に係数を掛けて計
算すれば簡単に証明できる。
【0031】従って、Vy の振幅が全て等しい場合Vx
の振幅が第1の加算回路と第3の加算回路で0である
か、第2の加算回路と第4の加算回路で0のどちらかの
状態であっても、出力振幅は半分になるだけでアナログ
乗算動作に支障はない。同様にVx の振幅が全て等しい
場合Vy の振幅が第1の加算回路と第2の加算回路で0
であるか、第3の加算回路と第4の加算回路で0のどち
らかの状態であっても、出力振幅は半分になるだけでや
はりアナログ乗算動作に支障はない。これはバイアス電
圧だけ同じに設定できれば、Vx ,−Vx ,Vy −Vy
のうちいずれか1つの入力をゼロにすることができるこ
とを意味する。この発明はこのような構成としたものも
含むものである。
【0032】このような回路例を示した図7が、この発
明の第6の実施の形態である。この実施の形態の加算回
路111は「−Vx +Vy 」と「Vx +Vy 」の2つの
出力しか持たない。乗算演算を行うMOSトランジスタ
の残り2つの入力としては片方の入力信号「Vx 」「V
y 」をそのまま使う。このような条件で前述の(1)〜
(4)式を用いた計算を行うと(5)式は2kVx Vy
となり、振幅は半分にはなるが2つの入力のアナログ乗
算が実行できている。この場合の加算回路は、図1の加
算回路の右半分のMOSトランジスタM5 とM9 、MO
SトランジスタM6 とM10の2つの加算器だけで構成す
る。あるいは図1の加算回路をそのまま用い、−Vy の
入力端子への入力をDCバイアスだけにすることによ
り、全く同じ結果を得ることができる。
【0033】図8の回路図を用いて、この発明の第7の
実施の形態について説明する。この実施の形態は、MO
SトランジスタM1 とM2 で構成するソース接地の第1
の差動ペアとMOSトランジスタM3 とM4 で構成する
第2の差動ペアとからなる回路である。第2の差動ペア
には第1の差動ペアと同じように第1の差動入力信号を
与えるのと同時に、第1の差動ペアと第2の差動ペアと
の入力間に第2の差動入力信号分だけ相対的な電圧差を
付けて入力する。つまり、図2の実施の形態と同様に、
MOSトランジスタM1 には「−Vx +Vy 」、MOS
トランジスタM2 には「Vx +Vy 」、MOSトランジ
スタM3 には「−Vx −Vy 」、MOSトランジスタM
4 には「Vx −Vy 」というように、2つの入力信号と
その反転信号の組み合せによる4つの加減算信号を供給
する。
【0034】これは図2の実施の形態と同様に、図1に
示した加算回路11で供給する。ドレイン端子は入力に
対して逆極性の出力となるMOSトランジスタM1 のド
レインとMOSトランジスタM4 のドレイン、MOSト
ランジスタM2 のドレインとMOSトランジスタM3 の
ドレインをそれぞれ接続して、それぞれの加算電流を作
る。また、MOSトランジスタM1 とM4 、MOSトラ
ンジスタM2 とM3 のそれぞれのドレイン加算電流の平
均電流検出回路12を設け、この平均電流と等しい電流
をVccより前記加算電流にそれぞれ足し込む。この場合
MOSトランジスタM1 とM4 、MOSトランジスタM
2 とM3 のそれぞれのドレイン加算電流の平均値は等し
くなるので、この電流値はMOSトランジスタM1 〜M
4 の4つのドレイン電流の全加算電流を1/2にして求
める。このようにして、出力端にはそれぞれのドレイン
加算電流とその両方の平均電流との差電流Io1とIo
2を出力する。
【0035】この回路は基本となる差動トランジスタを
NMOSで構成した例を示したが、上下反転させて電源
Vccを接地GNDに、GNDをVccに、NMOSをPM
OSに置き換えても全く同じ動作をさせることができ
る。この回路もこれまでの回路例と同様、差動トランジ
スタのソース接続点が定電位(図8ではGND)に固定
されているので、入力信号電圧はNMOS差動ペアのそ
れぞれの素子のゲートソース間に直接加わることにな
り、今までの例と同様、ひずみや混変調の発生を抑える
ことができる。
【0036】図8の差動回路の出力電流Io1、Io2を計
算する。ただし、各種条件はこれまでと同様であるとす
る。各入力信号は完全差動信号と仮定しているので、加
算回路の各出力の直流電圧VB は全て等しくなる。MO
SトランジスタM1 〜M4 の各ゲート端子へ供給される
入力電圧は、 VGS=VB ±Vx ±Vy となる。従って、この場合のMOSトランジスタM1 〜
M4 の動作の記述式は次のように表わせる。
【0037】 M1:I11=(k/2)(VB −Vx +Vy −Vth)2 … (9) M2:I12=(k/2)(VB +Vx +Vy −Vth)2 … (10) M3:I21=(k/2)(VB −Vx −Vy −Vth)2 … (11) M4:I22=(k/2)(VB +Vx −Vy −Vth)2 … (12) 平均電流検出は(I11+I12+I21+I22)/2の電流
を出力するから、出力電流Io1とIo2はそれぞれ次
のように表わせる。
【0038】 Io1=(I11+I12+I21+I22)/2−(I12+I21) ={(I11−I12)−(I21−I22)}/2 =(k/2){−2(VB +Vy −Vth)Vx +2(VB −Vy −Vth)Vx } =−2kVx Vy … (13) Io2=(I11+I12+I21+I22)/2−(I11+I22) ={(I21−I22)−(I11−I12)}/2 =(k/2){−2(VB −Vy −Vth)Vx +2(VB +Vy −Vth)Vx } =2kVx Vy … (14) これらの式からわかるように、出力電流Io1とIo2
はMOS素子の形状できまる定数kと2つの入力信号V
x 、Vy の単純な積だけで決まる。従って、片側の出力
だけですでに理想的なアナログ乗算出力を取出せる。他
方の出力は、その逆相出力なので両方で差動出力となっ
ている。何れの電流出力とも直流分はゼロなので抵抗負
荷にすれば、自由にバイアス電圧を設定して電圧出力を
取り出すことができる。
【0039】このように、図8の実施の形態では差動出
力はもちろんシングル出力でも理想的なアナログ乗算出
力とすることができ、差動では完全に対称な乗算出力が
得られる。また、演算結果はkと2入力信号だけの積と
いう非常に単純な形で表わされるため、Vthなどk以外
の素子パラメータを含まないことから、プロセスパラメ
ータのばらつきに対するばらつき感度も低く、高精度の
アナログ乗算回路が構成できる。低電圧化にも適してい
る点と基板効果の影響を受けないという特長は図2の実
施の形態と同様である。
【0040】図9は、図8の平均電流検出回路12を具
体的な回路に置き換えて表わしたものである。平均電流
検出回路12は、図のようにMOSトランジスタM1'と
M2'からなるMOSトランジスタM1 とM2 の電流コピ
ー回路とMOSトランジスタM3'とM4'からなるMOS
トランジスタM3 とM4 の電流コピー回路と、これらの
コピー電流を全部加算して、1/2にして折り返すカレ
ントミラーとからなる。MOSトランジスタM1'〜M4'
はそれぞれMOSトランジスタM1 〜M4 とゲート・ソ
ースを共通にしているため、MOSトランジスタM1'〜
M4'のドレイン電流はそれぞれMOSトランジスタM1
〜M4 のドレイン電流と等しい電流が発生する。MOS
トランジスタM1 〜M4 のドレイン端子を接続してカレ
ントミラーの入力とすることでこれらのドレイン電流を
全加算し、ミラー比1/2で折り返すことによりMOS
トランジスタM1 とM4 のドレイン電流の加算値、MO
SトランジスタM2 とM3 のドレイン電流加算値の平均
電流を出力する。これを1対用意して出力端子に送出す
ることにより、上述の(13)式と(14)式にある電
流減算を実行し、Vx とVy の積の項だけを取出すもの
である。
【0041】図9でVx 、−Vx 、Vy 、−Vy の4つ
の入力のうちどれか1つを0としても、出力の振幅が半
分になるだけで基本的なアナログ乗算の動作は変わらな
いのは、前述の図7の実施の形態の場合と同様である。
そこで入力「−Vy 」を0として構成した回路を、第9
の実施の形態として図10に示す。この実施の形態の場
合も、図9の実施の形態に対し出力の振幅が半分になる
以外は、動作的には図9の実施の形態と全く同等であ
る。
【0042】同様に図8の実施の形態で、まず入力「V
y 」を0とするとMOSトランジスタM1 とM2 のゲー
トに入力する信号を生成するそれぞれの加算器が不要に
なり、加算器の数が2個に減る。さらに図4の実施の形
態と全く同じ考え方で入力「−Vy 」分をMOSトラン
ジスタM3 とM4 のソース端子に移す。このようにすれ
ば残り2個の加算器も不要となり、図8と同じ機能を図
11に第10の実施の形態として示すような加算回路な
しの回路で実現できる。つまり、図8の回路の乗算動作
は一方の入力信号を供給する2組の差動ペアMOSトラ
ンジスタのゲート・ソース間にもう一方の信号電圧差を
相対的に持たせることでこの機能を達成する。
【0043】従って、この電圧差をゲート電圧に与えた
図8の実施の形態と、この電圧差をソース電圧に与えた
図11の実施の形態とは、第1の差動ペアと第2の差動
ペアのゲート・ソース間の相対的な関係は全く同じにな
るため、全く同じ動作になる。ただし、図11の回路で
は第1の差動ペアの入力に加算する信号Vy を0として
いるため、出力振幅は図8の回路に対し1/2になる。
【0044】図11の平均電流検出回路12を具体的な
回路に置き換えて表わした回路例を第11の実施の形態
として図12に示す。平均電流検出回路12は、図9の
場合と全く同様であり、MOSトランジスタM1'とM2'
からなるMOSトランジスタM1 とM2 の電流コピー回
路とMOSトランジスタM3'とM4'からなるトランジス
タM3 とM4 の電流コピー回路と、これらのコピー電流
を全部加算して、1/2にして折り返す2出力のカレン
トミラーとからなり、これをそれぞれ出力端子に送出し
て、上述の(13)式と(14)式にある電流減算を実
行し、Vx とVy の積の項だけを取出している。
【0045】以上の回路例に対する共通の利点として、
これらは電流源でバイアスする方式と違って、差動MO
SトランジスタM1 〜M4 のソースを接地GNDまたは
GNDに非常に近い電圧に落として使うため、ドレイン
側に広いダイナミックレンジを確保することができる。
このため低電圧化にも適している。さらにはNMOSを
中心に構成した場合でも、ソースを接地GNDに接続し
ていることで、通常のP基板プロセスで作っても基板効
果の影響を受けないという特長があり、高精度・低ひず
みのアナログ回路が構築できる。
【0046】
【発明の効果】以上記載してきたたように、この発明に
係るCMOSで構成するアナログ乗算器は、乗算動作に
必要な加減算信号を無ひずみで供給する加算回路を備え
ているため、出力で不要な高調波ひずみや入力信号のひ
ずみに起因する混変調ひずみの発生を抑えることがで
き、理想的なアナログ乗算動作が実現できる。さらには
低電圧にも適している。このような利点を持つため、ミ
キサ、周波数変換器、位相検波器などに幅広く用いるこ
とができ極めて利用価値が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るアナログ乗算器の加算回路部に
ついて説明するための回路図。
【図2】この発明の第1の実施の形態について説明する
ための回路図。
【図3】この発明の第2の実施の形態について説明する
ための回路図。
【図4】この発明の第3の実施の形態について説明する
ための回路図。
【図5】位相検波器に応用した、この発明の第4の実施
の形態について説明するための回路図。
【図6】ミキサ回路に応用した、この発明の第5の実施
の形態について説明するための回路図。
【図7】この発明の第6の実施の形態について説明する
ための回路図。
【図8】この発明の第7の実施の形態について説明する
ための回路図。
【図9】この発明の第8の実施の形態について説明する
ための回路図。
【図10】この発明の第9の実施の形態について説明す
るための回路図。
【図11】この発明の第10の実施の形態について説明
するための回路図。
【図12】この発明の第11の実施の形態について説明
するための回路図。
【図13】従来のCMOSアナログ乗算器の基本原理に
ついて説明するための回路図。
【図14】従来のアナログ乗算器の加算回路について説
明するための回路図。
【符号の説明】
11,111…加算回路、12…平均電流回路、M1 〜
M12,M1'〜M4'…MOSトランジスタ。

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1および第2の入力はそれぞれ位相が
    互いに反転の関係にある正極信号と負極信号からなる差
    動信号であり、それぞれソース接地接続された第1の電
    界効果トランジスタとドレイン接地接続された第2の電
    界効果トランジスタとからなり、前記第1の電界効果ト
    ランジスタのドレイン電流を、前期第2の電界効果トラ
    ンジスタのソース端子に入力するように構成し、前記第
    1の電界効果トランジスタのゲートを第1の入力端子と
    し、前記第2の電界効果トランジスタのゲートを第2の
    入力端子とし、第2の電界効果トランジスタのソースを
    出力端子とする第1〜第4の加算回路とを備え、 前記第1の加算回路の第1の入力端子と前記第3の加算
    回路の第1の入力端子に第1の入力の正極信号を入力
    し、前記第2の加算回路の第1の入力端子と前記第4の
    加算回路の第1の入力端子に第1の入力の負極信号を入
    力し、前記第1の加算回路の第2の入力端子と前記第2
    の加算回路の第2の入力端子に第2の入力の正極信号を
    入力し、前記第3の加算回路の第2の入力端子と前記第
    4の加算回路の第2の入力端子に第2の入力の負極信号
    を入力し、 前記第1の加算回路の出力信号を第3の電界効果トラン
    ジスタのゲートソース間に印加し、前記第2の加算回路
    の出力信号を第4の電界効果トランジスタのゲートソー
    ス間に印加し、前記第3の加算回路の出力信号を第5の
    電界効果トランジスタのゲートソース間に印加し、前記
    第4の加算回路の出力信号を第6の電界効果トランジス
    タのゲートソース間に印加し、結果として第3の電界効
    果トランジスタのドレイン電流と第6の電界効果トラン
    ジスタのドレイン電流の和と、第4の電界効果トランジ
    スタのドレイン電流と第5の電界効果トランジスタのド
    レイン電流の和との差電流かまたはこの差電流に比例す
    る差電圧を出力してなることを特徴とするアナログ乗算
    器。
  2. 【請求項2】 前記加算回路は、第1の電界効果トラン
    ジスタと第2の電界効果トランジスタがともにN型MO
    Sトランジスタであり、第1の電界効果トランジスタの
    ソースを負の電源端子かGNDのいずれかに接続し、第
    2の電界効果トランジスタのドレインを正の電源端子に
    接続したことを特徴とする請求項1記載のアナログ乗算
    器。
  3. 【請求項3】 前記加算回路は、前記第1および第2の
    電界効果トランジスタがともにP型MOSトランジスタ
    であり、第1の電界効果トランジスタのソースを正の電
    源端子に接続し、第2の電界効果トランジスタのドレイ
    ンを負の電源端子かGNDのいずれかに接続したことを
    特徴とする請求項1記載のアナログ乗算器。
  4. 【請求項4】 前記第3〜第6の電界効果トランジスタ
    は、全てN型MOSトランジスタであり、これらのソー
    スはすべて共通にしてこれを負の電源端子かGNDのい
    ずれかに接続し、 前記第1の加算回路の出力を第3の電界効果トランジス
    タのゲートに接続し、前記第2の加算回路の出力を前記
    第4の電界効果トランジスタのゲートに接続し、前記第
    3の加算回路の出力を前記第5の電界効果トランジスタ
    のゲートに接続し、前記第4の加算回路の出力を前記第
    6の電界効果トランジスタのゲートに接続したことを特
    徴とする請求項1記載のアナログ乗算器。
  5. 【請求項5】 前記第3〜第6の電界効果トランジスタ
    は、全てP型MOSトランジスタであり、これらのソー
    スはすべて共通にしてこれを正の電源端子に接続し、 前記第1の加算回路の出力を前記第3の電界効果トラン
    ジスタのゲートに接続し、前記第2の加算回路の出力を
    前記第4の電界効果トランジスタのゲートに接続し、前
    記第3の加算回路の出力を前記第5の電界効果トランジ
    スタのゲートに接続し、前記第4の加算回路の出力を前
    記第6の電界効果トランジスタのゲートに接続したこと
    を特徴とする請求項1記載のアナログ乗算器。
  6. 【請求項6】 前記第3〜第6の電界効果トランジスタ
    のゲートは、全て共通にしてこれを定電圧点に接続し、 前記第1の加算回路の出力を前記第3の電界効果トラン
    ジスタのソースに印加し、前記第2の加算回路の出力を
    前記第4の電界効果トランジスタのソースに印加し、前
    記第3の加算回路の出力を前記第5の電界効果トランジ
    スタのソースに印加し、前記第4の加算回路の出力を前
    記第6の電界効果トランジスタのソースに印加したこと
    を特徴とする請求項1記載のアナログ乗算器。
  7. 【請求項7】 前記第3および第6の電界効果トランジ
    スタのそれぞれのドレイン電流の和電流をカレントミラ
    ーで折り返して、前記第4および第5の電界効果トラン
    ジスタのそれぞれのドレイン電流の和電流に加算して出
    力としたことを特徴とする請求項1記載のアナログ乗算
    器。
  8. 【請求項8】 前記第1の入力である正極信号と負極信
    号からなる差動信号の直流電位または第2の入力である
    正極信号と負極信号からなる差動信号の直流電位の少な
    くとも一方を変化させることにより、出力信号の利得を
    制御することを特徴とする請求項4または請求項5また
    は請求項6記載のアナログ乗算器。
  9. 【請求項9】 前記第1の入力の正極信号、負極信号、
    第2の入力の正極信号、負極信号のいずれか1つを直流
    電圧の入力のみとしたことを特徴とする請求項1記載の
    アナログ乗算器。
  10. 【請求項10】 第1および第2の入力はそれぞれ位相
    が互いに反転の関係にある正極信号と負極信号からなる
    差動信号であり、 第1の入力端子と第2の入力端子を備える第1〜第4の
    加算回路を有し、前記第1の加算回路の前記第1の入力
    端子と前記第3の加算回路の前記第1の入力端子に前記
    第1の入力の正極信号を入力し、前記第2の加算回路の
    第1の入力端子と前記第4の加算回路の前記第1の入力
    端子に前記第1の入力の負極信号を入力し、前記第1の
    加算回路の前記第2の入力端子と前記第2の加算回路の
    前記第2の入力端子に前記第2の入力の正極信号を入力
    し、前記第3の加算回路の前記第2の入力端子と前記第
    4の加算回路の前記第2の入力端子に前記第2の入力の
    負極信号を入力し、 前記第1の加算回路の出力信号を前記第3の電界効果ト
    ランジスタのゲートソース間に印加し、前記第2の加算
    回路の出力信号を前記第4の電界効果トランジスタのゲ
    ートソース間に印加し、前記第3の加算回路の出力信号
    を前記第5の電界効果トランジスタのゲートソース間に
    印加し、 前記第4の加算回路の出力信号を前記第6の電界効果ト
    ランジスタのゲートソース間に印加し、前記第3および
    第6の電界効果トランジスタのそれぞれのドレイン電流
    の和から、前記第3〜第6までの電界効果トランジスタ
    のそれぞれのドレイン電流の平均電流の2倍の電流を引
    いた電流を第1の電流出力とし、 前記第4および第5の電界効果トランジスタのそれぞれ
    のドレイン電流の和から前記第3〜第6までの電界効果
    トランジスタのそれぞれのドレイン電流の平均電流の2
    倍の電流を引いた電流を第2の電流出力とし、 前記第1および第2の電流出力との差電流かまたはこの
    差電流に比例する差電圧が出力とする手段を有すること
    を特徴とするアナログ乗算器。
  11. 【請求項11】 第1の入力は位相が互いに反転の関係
    にある正極信号と負極信号からなる差動信号であり、第
    2の入力は位相が互いに反転の関係にある正極信号と負
    極信号からなる差動信号であり、 第1の入力端子と第2の入力端子を備える第1および第
    2の加算回路を有し、前記第1の加算回路の前記第1の
    入力端子に前記第1の入力の正極信号を入力し、前記第
    2の加算回路の前記第1の入力端子に前記第1の入力の
    負極信号を入力し、前記第1の加算回路の前記第2の入
    力端子と前記第2の加算回路の前記第2の入力端子に前
    記第2の入力の正極信号または負極信号を入力し、 前記第1の入力の負極信号を第3の電界効果トランジス
    タのゲートソース間に印加し、前記第1の入力の正極信
    号を第4の電界効果トランジスタのゲートソース間に印
    加し、前記第1の加算回路の出力信号を第5の電界効果
    トランジスタのゲートソース間に印加し、前記第2の加
    算回路の出力信号を第6の電界効果トランジスタのゲー
    トソース間に印加し、 前記第3および記第6の電界効果トランジスタのそれぞ
    れのドレイン電流の和から前記第3〜第6の電界効果ト
    ランジスタのそれぞれのドレイン電流の平均電流の2倍
    の電流を引いた電流を第1の電流出力とし、 前記第4および第5の電界効果トランジスタのそれぞれ
    のドレイン電流の和から第3〜第6の電界効果トランジ
    スタのそれぞれのドレイン電流の平均電流の2倍の電流
    を引いた電流を第2の電流出力とし、 前記第1の電流出力と前記第2の電流出力との差電流か
    またはこの差電流に比例する差電圧が出力とする手段を
    有することを特徴とするアナログ乗算器。
  12. 【請求項12】 前記第1および第2の電流出力を得る
    手段として、第3〜第6のそれぞれの電界効果トランジ
    スタとゲートとソースを共通とする別の電界効果トラン
    ジスタ群で前記第3〜第6の電界効果トランジスタのド
    レイン電流のコピー電流を作り、これらのコピー電流を
    全て加算したものをカレントミラーにより折り返して全
    加算電流の半分の電流にしたものを2組作り、1つは第
    3および第6の電界効果トランジスタのそれぞれのドレ
    イン電流の加算点に加えて得た電流を第1の電流出力と
    し、1つは第4および第5の電界効果トランジスタのそ
    れぞれのドレイン電流の加算点に加えて得た電流を第2
    の電流出力としたことを特徴とする請求項10または請
    求項11記載のアナログ乗算器。
  13. 【請求項13】 前記加算回路はソース接地接続された
    第1の電界効果トランジスタとドレイン接地接続された
    第2の電界効果トランジスタからなり、前記第1の電界
    効果トランジスタのドレイン電流を、前記第2の電界効
    果トランジスタのソース端子に入力するように構成し、
    前記第1の電界効果トランジスタのゲートを第1の入力
    端子とし、前記第2の電界効果トランジスタのゲートを
    第2の入力端子とし、前記第2の電界効果トランジスタ
    のソースを出力端子としたことを特徴とする請求項10
    または請求項11記載のアナログ乗算器。
  14. 【請求項14】 前記第3〜第6の電界効果トランジス
    タのソース端子は全て共通の定電圧点に接続し、前記第
    3〜第6の電界効果トランジスタのゲートに前記加算回
    路の出力信号か前記入力の正極信号か負極信号のいずれ
    かを直接印加したことを特徴とする請求項10または請
    求項11記載のアナログ乗算器。
  15. 【請求項15】 前記第3〜第6の電界効果トランジス
    タのゲート端子は、全て共通の定電圧点に接続し、前記
    第3〜第6の電界効果トランジスタのソースに、前記加
    算回路の出力信号か前記入力の正極信号か負極信号のい
    ずれかを印加したことを特徴とする請求項10または請
    求項11記載のアナログ乗算器。
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