JPH1027453A

JPH1027453A - ベルト駆動式記録テープカートリッジ

Info

Publication number: JPH1027453A
Application number: JP18233596A
Authority: JP
Inventors: Yoshiyuki Ikeda; 祥行池田
Original assignee: Mitsubishi Chemical Corp
Current assignee: Mitsubishi Chemical Corp
Priority date: 1996-07-11
Filing date: 1996-07-11
Publication date: 1998-01-27

Abstract

(57)【要約】【解決手段】テープの所定の走行経路にガイドするテ
ープガイドの形状を、ベースプレート側が細くなるよう
なテーパー形状とし、ＪＩＳＢ４００３におけるテー
パー角が０度より大きく、８度以下であるベルト駆動式
記録テープカートリッジ。【効果】テープの走行中における位置変動が少なく、
トラッキング制御が制度良く、かつ容易にできる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明が属する技術分野】本発明はテープ状の情報記録
媒体を収納するカートリッジに関し、特にベルト駆動式
の記録テープカートリッジに関する。

【０００２】

【従来の技術】最近のコンピュータの急速な高性能化に
伴い、扱われる情報量も急速に増え、その価値も高まり
つつある。こうした傾向に比例して、そのデータの重要
性からバックアップ保存が不可欠となる状況にある。バ
ックアップ媒体にはDDSテープ、8mmテープ、QICテープ
等テープ状の記録媒体が使用されているが、ベルト駆動
方式を採用し、記録装置が安価なQICテープが多く使わ
れている。

【０００３】図２に、ベルト駆動式記録カートリッジで
あるＱＩＣの典型的な構成例を示す。カートリッジは、
アルミニウム等の金属から形成されたベースプレート１
と、ポリカーボネート等のプラスチックから形成された
上ハーフ（図示せず）を組み合わせて本体を構成してい
る。ベースプレート１上には一対のテープリールハブ１
１および１２が回転可能に設けられている。リールハブ
には記録テープ２（以下、単にテープということがあ
る）が巻き付けられており、複数のガイドピン５、テー
プガイド７及びベルトドライブローラー１０により形成
される経路を走行する。

【０００４】一方、駆動ベルト３（以下、単にベルトと
いうことがある）がベルトドライブローラ１０およびコ
ーナーローラー４に掛け渡され、ベルトの外面がテープ
の最外周を押圧している。ベルトは通常ドライブ側に設
けられたドライブローラー６が、カートリッジ側のベル
トドライブローラー１０を回転させると、ベルトドライ
ブローラー１０の回転方向に移動する。ドライブローラ
ー６は、これも通常はドライブ側に設けられたモーター
（図示せず）によって駆動されている。ベルト３が移動
すると、ベルト３とテープ２との摩擦力によりテープ２
が走行する。テープに情報を記録またはテープから情報
を再生する場合は、ドライブ側の記録・再生用ヘッド２
０がテープ２に接触する。

【０００５】また、図３に示すように、リールの配置を
変更し、カートリッジの記録装置に挿入する部分の幅を
変えることなく収納するテープの長さを増大したカート
リッジや、テープの幅を大きくするなど、記録容量を増
加させるための構造が提案されている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】このような構成のカー
トリッジを用いて記録再生を行う場合には、強固に構成
されたベースプレート面を記録再生用ヘッドの位置決め
基準としているので、磁気記録テープとベースプレート
との距離が安定していることがトラッキングエラーの防
止に対して重要である。

【０００７】しかしながら、QICテープはベルトにより
テープを駆動するため、ベルトの振動がテープに伝わり
やすくテープの位置が狂いやすい。この問題は、特にト
ラックの幅を小さくしたり、トラッキング制御用の信号
を予め記録して高記録容量化を図ったテープにおいて特
に大きい。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明者らは、テープの
振動を極力抑制し、トラック幅の狭い、或いは、サーボ
信号の記録されたテープにおいてもトラッキングエラー
に強いテープを実現することを目的に、テープの走行
系、テープ駆動装置のヘッド位置決め機構を詳細に検討
した結果、テープガイド７の形状がテープの位置変動に
大きな影響を与えることを突き止め、本発明に至った。

【０００９】すなわち、本発明の要旨は、（ａ）駆動ア
クセス手段を備えるカセットハウジングと、（ｂ）ハウ
ジング内に平行な軸上に回転可能に取り付けられた一対
のテープリールハブへ、一方のハブから他方のハブに延
在する一本の情報記録テープの一端を巻き付けてなるテ
ープパックと、（ｃ）ハウジング内でテープ経路を形成
し、一方のハブから他方のハブに情報記録テープを案内
し上記駆動アクセス手段の少なくとも一部を横切る情報
記録テープ経路形成手段と、（ｄ）駆動ベルト経路を形
成する駆動ベルト経路形成手段と、（ｅ）駆動ベルト経
路に沿って延在し、情報記録テープの一部と摩擦によっ
て係合し、一方のテープリールハブから他方のテープリ
ールハブに情報記録テープを移送する駆動ベルトから構
成されるベルト駆動式記録テープカートリッジにおい
て、磁気記録テープ経路を構成するテープガイドがテー
パー状であり、ベースプレート側のテープガイドの半径
が、反対側の半径よりも小さく、該テーパー状のテープ
ガイドが、JIS B 4003の規格において、テーパー角度θ
が0より大きく、8度以下であることを特徴とするベルト
駆動式記録テープカートリッジにある。

【００１０】

【発明の実施の形態】従来、テープガイドは図４に示す
とおり、円柱形状を有し、底面及び上面にはテープガイ
ドとしてのフランジ８が設けられている。テープガイド
７の側面はベースプレート１に対して垂直に形成されて
いた。

【００１１】これに対し、本発明におけるテープガイド
は、図１に示す様に、側面がベースプレートに対して垂
直ではなく、テープガイド７０をベースプレート１と垂
直に交わる面で切断した際の切断面が、上底が下底より
長い台形となるようなテーパー形状に形成されている。

【００１２】テープガイドのテーパーは、ＪＩＳＢ４
００３の規格によるテーパー角７１（図１）が０度より
大きく、８度以下であることが好ましく、１度以上５度
以下であることが特に好ましい。テーパー角が０度の場
合は従来のテープガイドと変わらず、テープの位置変動
が大きく、パックシフトもある程度発生する。また、８
度を超えると、テープエッジへのダメージが大きく好ま
しくない。図１において、破線７２はベースプレートに
対して垂直な線である。

【００１３】テーパーを有するテープガイドを得るに
は、テーパー形状に始めから成形しても、円柱状のテー
プガイドを切削してもよい。

【００１４】テーパーを付けたテープガイドを用いる
と、テープガイド表面の傾斜により、磁気記録用テープ
が上方（ベースプレートから遠ざかる方向）に移動しに
くくなって、ベースプレート側に押し付けられる。この
結果、テープ走行による振動が吸収され、テープの位置
変動が抑制されるため、安定したトラッキング特性が得
られる。また、サーボ技術を用いた場合にも、変動量の
絶対量が減少するので、トラッキングのためのサーボ信
号を読み込むサイクルを大きくできる。すなわちサーボ
信号のための領域が、少なくて済み、データ領域が広が
るので、同じトラック密度、ビット密度であっても記録
容量が大きくできるなどの利点がある。また、磁気記録
用テープの走行が安定するのでパックシフトも防ぐこと
ができる。

【００１５】特に、図３に示した、テープ長の長いカー
トリッジは、テープの走行経路が通常のベルト駆動式記
録テープカートリッジに比して長く、高密度化した場合
の走行中のテープ振動がトラッキングエラーに与える影
響が大きいと考えられる。そのような場合には、特に本
発明のテープガイドを用いることが有効となる。

【００１６】

【実施例】

（実施例１）磁気記録テープ経路を構成するテープガイ
ドがテーパー状であり、ベースプレート側のテープガイ
ドの半径が、反対側の半径よりも小さく、JIS B 4003の
規格によるテーパー角度θが1度であるベルト駆動式記
録テープカートリッジを作成し、テープの走行安定性を
試験した。

【００１７】走行安定性の試験は、米国Colorado Memor
y社製のJumbo700ドライブでテープの始端から終端、終
端から始端までというサイクルパスを2500回繰り返しお
こなった後、テープの始端、終端から30cmの部分の、エ
ッジ部分（走行方向に平行な縁部）をキーエンス社製の
マイクロウオッチャーにて観察し、ダメージの有無を確
認した。また、同時にテープパックのパックシフトを目
視にて観察した。

【００１８】また、ヘッド部分でのテープ位置変動量
（ベースプレートからテープ下端までの距離の変動量）
を記録再生ヘッド上のテープ端部にキーエンス社製のレ
ーザ変位計を設置し、テープ走行速度60インチ／秒、測
定長さ400feetの平均値を測定した。

【００１９】（実施例２）テーパー角度が8度であるこ
と以外は実施例１と同様にして構成し、テープの走行安
定性を実施例１と同様な方法にて評価した。

【００２０】（実施例３）図３に示したベルト駆動式記
録テープカートリッジ（テープ長1000フィート）を用い
たこと以外は実施例１と同様にして、テープの走行安定
性を評価した。

【００２１】（比較例１）テーパー角度0度、すなわち
従来と同様のテープガイドを用いたこと以外は実施例１
と同様にして、テープの走行安定性を評価した。

【００２２】（比較例２）テーパー角度を10度としたこ
と以外は実施例１と同様にして、テープの走行安定性を
評価した。

【００２３】（比較例３）実施例１および３で用いたテ
ープガイドの天地を逆に（ベースプレートから遠ざかる
に連れて直径が小さく）なるように取り付けたこと以外
は実施例１と同様にして、テープの走行安定性評価し
た。本比較例においては、変動量が大きく、トラッキン
グ制御ができない。

【００２４】表１に、実施例及び比較例の主な条件と評
価結果を示す。表１から、テーパーを設けたテープガイ
ドを用いることにより、テープダメージ、パックシフト
の点で良好な特性を有しながら、かつ走行中の位置変動
も小さくなることがわかる。

【００２５】

【表１】

【００２６】このように、本発明によれば、テープのダ
メージも少なく、テープ走行が極めて安定していて、か
つパックシフトの発生も無いベルト駆動式記録テープカ
ートリッジを提供できることが明らかであり、特にトラ
ック幅の狭いテープやサーボ信号の書き込まれたテープ
に有効である。

【００２７】

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明によるカートリッジに用いるテープガ
イドを示す側面図

【図２】従来のＱＩＣカートリッジの構成を示す上面
図

【図３】収納するテープ長を大きくしたＱＩＣカート
リッジの構成を示す斜視図

【図４】従来のテープガイドの構成を示す側面図

【符号の説明】

１ベースプレート２記録テープ３駆動ベルト５ガイドピン６ドライブローラ７，７０テープガイド

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】（ａ）駆動アクセス手段を備えるカセッ
トハウジングと、（ｂ）ハウジング内において、ベース
プレート上に平行な軸上に回転可能に取り付けられた一
対のテープリールハブへ、一方のハブから他方のハブに
延在する一本の情報記録テープの一端を巻き付けてなる
テープパックと、（ｃ）ハウジング内でテープ経路を形
成し、一方のハブから他方のハブに情報記録テープを案
内し上記駆動アクセス手段の少なくとも一部を横切る情
報記録テープ経路形成手段と、（ｄ）駆動ベルト経路を
形成する駆動ベルト経路形成手段と、（ｅ）駆動ベルト
経路に沿って延在し、情報記録テープの一部と摩擦によ
って係合し、一方のテープリールハブから他方のテープ
リールハブに情報記録テープを移送する駆動ベルトから
構成されるベルト駆動式記録テープカートリッジにおい
て、磁気記録テープ経路を構成するテープガイドがテー
パー状であり、ベースプレート側のテープガイドの半径
が、反対側の半径よりも小さく、該テーパー状のテープ
ガイドが、JIS B 4003の規格において、テーパー角度
θが0度より大きく、8度以下であることを特徴とするベ
ルト駆動式記録テープカートリッジ。
【請求項２】ベースプレートに回転可能に取り付けら
れた一対のテープリールと、この一対のテープリールに
両端が巻き付けられた記録テープと、この記録テープを
所定の走行経路にガイドする複数のガイド手段と、内面
を複数の支持手段で移動可能に支持されるとともに、そ
の外面が前記テープに少なくとも２カ所で常時接触する
ベルトとを有するベルト駆動式記録テープカートリッジ
において、前記ガイド手段が前記ベースプレートに固定された複数
のガイドピンと、端面にフランジが設けられた略円柱形
状の複数のテープガイドから構成され、前記複数のテー
プガイドの少なくとも１つがベースプレートに対して垂
直な面で切断した切断面が、上底が下底よりも長い台形
形状を有し、かつその斜辺と下底に垂直な線とがなす角
が０度より大きく８度以下であることを特徴とするベル
ト駆動式記録テープカートリッジ。
【請求項３】該テーパー状のテープガイドが、JIS B 4
003の規格で、テーパー角度θが1度以上、5度以下であ
ることを特徴とする請求項１または２記載のベルト駆動
式記録テープカートリッジ。
【請求項４】一対のテープリールの各回転中心がカー
トリッジのフロント面に対して異なる仮想垂線上に位置
し、一方のフロント面から回転中心までの垂直距離が他
方に比して大きくなるように配置されていることを特徴
とする請求項１ないし３記載のベルト駆動式記録テープ
カートリッジ。